(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063675
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】パターンを形成する方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20230428BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173638
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】米澤 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 康基
【テーマコード(参考)】
2H197
5F004
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197GA01
2H197JA15
2H197JA17
5F004AA04
5F004BC06
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5F004DA11
5F004DA20
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5F004EA15
5F004EA16
(57)【要約】
【課題】反転したパターンを形成できるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】
一つの例示的実施形態において、パターンを形成する方法は、(a)基板上に、開口を有し第1材料を含む第1パターンを形成する工程と、(b)開口内に、第1材料とは異なる第2材料を含む充填部を形成する工程と、(c)第1パターンを除去することにより、充填部が、第1パターンに対して反転した第2パターンとして残留する工程と、を含み、第1材料及び第2材料のうち少なくとも一方が錫を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンを形成する方法であって、
(a)基板上に、開口を有し第1材料を含む第1パターンを形成する工程と、
(b)前記開口内に、前記第1材料とは異なる第2材料を含む充填部を形成する工程と、
(c)前記第1パターンを除去することにより、前記充填部が、前記第1パターンに対して反転した第2パターンとして残留する工程と、
を含み、
前記第1材料及び前記第2材料のうち少なくとも一方が錫を含む、方法。
【請求項2】
前記第1材料が錫を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1材料が酸化錫を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記(c)では、臭化水素ガスを用いて前記第1パターンを除去する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2材料が錫を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2材料が酸化錫を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1材料が錫を含み、
前記第2材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含み、
前記(c)では、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、三塩化ホウ素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノールガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1材料が酸化錫を含み、
前記第2材料が、有機物及びシリコンのうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記(c)では、臭化水素ガス及びハイドロカーボンガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1材料が有機物を含み、
前記第2材料が錫を含み、
前記(c)では、酸素含有ガス、フッ素含有ガス及び窒素含有ガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1材料がシリコンを含み、
前記第2材料が錫を含み、
前記(c)では、フッ素含有ガスを用いて前記第1パターンを除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1材料が錫を含み、
前記第2材料が酸化錫を含み、
前記第2材料の酸素濃度は前記第1材料の酸素濃度よりも高く、
前記(c)では、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、三塩化ホウ素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノールガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1パターン及び前記第2パターンのうち錫を含むパターンが、CVD膜又はALD膜から形成される、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記CVD膜又は前記ALD膜は、錫を含むフォトレジスト膜である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フォトレジスト膜が、EUV露光用のフォトレジスト膜である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトレジスト膜の非露光部分が錫を含み、前記フォトレジスト膜の露光部分が酸化錫を含み、前記露光部分の酸素濃度は非露光部分の酸素濃度よりも高い、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記(a)は、
(a1)前記基板上に設けられた下地膜上に、前記第1パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、
(a2)前記マスクパターンを用いて前記下地膜をエッチングすることにより、前記第1パターンを形成する工程と、
を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記下地膜が、シリコン含有膜及び有機膜のうち少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記充填部が第1充填部であり、
前記方法は、
(d)前記第2パターンの開口内に、前記第1材料及び前記第2材料とは異なる第3材料を含む第2充填部を形成する工程と、
(e)前記第2パターンを除去することにより、前記第2充填部が、前記第1パターンに対応する第3パターンとして残留する工程と、
を更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記充填部が第1充填部であり、
前記方法は、前記(a)の前において、
(f)前記基板上に、開口を有し第3材料を含む第3パターンを形成する工程であり、前記第3材料は前記第1材料及び前記第2材料と異なる、工程と、
(g)前記第3パターンの前記開口内に、前記第1材料を含む第2充填部を形成する工程と、
を更に含み、
前記(a)では、前記第3パターンを除去することにより、前記第2充填部が、前記第1パターンとして残留する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、パターンを形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板をパターニングするための方法を開示する。この方法では、まず、放射線感受性層を有する基板を受け取る。その後、極端紫外線リソグラフィープロセスを介して放射線感受性層に転写されたパターンを現像することにより、基板上にパターン化レジストマスクを作製する。その後、画像反転材料でパターン化レジストマスクをオーバーコートする。その後、画像反転材料の上部を除去する。その後、パターン化レジストマスクを除去することによって、パターン化画像反転材料マスクを作製する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、反転したパターンを形成できるパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、パターンを形成する方法は、(a)基板上に、開口を有し第1材料を含む第1パターンを形成する工程と、(b)前記開口内に、前記第1材料とは異なる第2材料を含む充填部を形成する工程と、(c)前記第1パターンを除去することにより、前記充填部が、前記第1パターンに対して反転した第2パターンとして残留する工程と、を含み、前記第1材料及び前記第2材料のうち少なくとも一方が錫を含む。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、反転したパターンを形成できるパターン形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
【
図2】
図2の(a)~(c)は、第1実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図3】
図3の(a)~(c)は、第1実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図4】
図4の(a)~(d)は、第2実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図5】
図5の(a)~(c)は、第3実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図6】
図6の(a)~(c)は、第3実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図7】
図7の(a)及び(b)は、第4実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図8】
図8の(a)~(c)は、第4実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図9】
図9は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
【
図10】
図10の(a)~(c)は、第5実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図11】
図11は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
【
図12】
図12の(a)~(c)は、第6実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。
【
図13】
図13は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、他の一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、パターンを形成する方法は、(a)基板上に、開口を有し第1材料を含む第1パターンを形成する工程と、(b)前記開口内に、前記第1材料とは異なる第2材料を含む充填部を形成する工程と、(c)前記第1パターンを除去することにより、前記充填部が、前記第1パターンに対して反転した第2パターンとして残留する工程と、を含み、前記第1材料及び前記第2材料のうち少なくとも一方が錫を含む。
【0010】
上記方法によれば、第1パターンから第2パターンにパターンを反転できる。
【0011】
前記第1材料が錫を含んでもよい。この場合、錫を含む第1パターンから第2パターンにパターンを反転できる。
【0012】
前記第1材料が酸化錫を含んでもよい。
【0013】
前記第2材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
前記(c)では、臭化水素ガスを用いて前記第1パターンを除去してもよい。この場合、プラズマを用いずに第1パターンを除去できるので、充填部に対する第1パターンのエッチング選択比を大きくできる。
【0015】
前記第2材料が錫を含んでもよい。この場合、第1パターンから錫を含む第2パターンにパターンを反転できる。
【0016】
前記第2材料が酸化錫を含んでもよい。
【0017】
前記第1材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0018】
前記第1材料が錫を含み、前記第2材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含み、前記(c)では、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、三塩化ホウ素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノールガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去してもよい。
【0019】
前記第1材料が酸化錫を含み、前記第2材料が、有機物及びシリコンのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0020】
前記(c)では、臭化水素ガス及びハイドロカーボンガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去してもよい。
【0021】
前記第1材料が有機物を含み、前記第2材料が錫を含み、前記(c)では、酸素含有ガス、フッ素含有ガス及び窒素含有ガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去してもよい。
【0022】
前記第1材料がシリコンを含み、前記第2材料が錫を含み、前記(c)では、フッ素含有ガスを用いて前記第1パターンを除去してもよい。
【0023】
前記第1材料が錫を含み、前記第2材料が酸化錫を含み、前記第2材料の酸素濃度は前記第1材料の酸素濃度よりも高く、前記(c)では、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、三塩化ホウ素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノールガスのうち少なくとも1つを用いて前記第1パターンを除去してもよい。
【0024】
前記第1パターン及び前記第2パターンのうち錫を含むパターンが、CVD膜又はALD膜から形成されてもよい。
【0025】
前記CVD膜又は前記ALD膜は、錫を含むフォトレジスト膜であってもよい。
【0026】
前記フォトレジスト膜が、EUV露光用のフォトレジスト膜であってもよい。
【0027】
前記フォトレジスト膜の非露光部分が錫を含み、前記フォトレジスト膜の露光部分が酸化錫を含み、前記露光部分の酸素濃度は非露光部分の酸素濃度よりも高くてもよい。
【0028】
前記(a)は、(a1)前記基板上に設けられた下地膜上に、前記第1パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、(a2)前記マスクパターンを用いて前記下地膜をエッチングすることにより、前記第1パターンを形成する工程と、を含んでもよい。この場合、下地膜から、第1パターンに対応するパターンを形成できる。
【0029】
前記下地膜が、シリコン含有膜及び有機膜のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0030】
前記充填部が第1充填部であり、前記方法は、(d)前記第2パターンの開口内に、前記第1材料及び前記第2材料とは異なる第3材料を含む第2充填部を形成する工程と、(e)前記第2パターンを除去することにより、前記第2充填部が、前記第1パターンに対応する第3パターンとして残留する工程と、を更に含んでもよい。この場合、第1パターンとは材料が異なり同じ形状を有する第3パターンが得られる。
【0031】
前記充填部が第1充填部であり、前記方法は、前記(a)の前において、(f)前記基板上に、開口を有し第3材料を含む第3パターンを形成する工程であり、前記第3材料は前記第1材料及び前記第2材料と異なる、工程と、(g)前記第3パターンの前記開口内に、前記第1材料を含む第2充填部を形成する工程と、を更に含み、前記(a)では、前記第3パターンを除去することにより、前記第2充填部が、前記第1パターンとして残留してもよい。この場合、第3パターンとは材料が異なり同じ形状を有する第2パターンが得られる。
【0032】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0033】
図1は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
図1に示される方法(以下、「方法MT」という)は、工程ST1、工程ST2及び工程ST3を含む。工程ST1~工程ST3は順に実行され得る。以下、第1実施形態の方法MT~第4実施形態の方法MTについて説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図2の(a)~(c)及び
図3の(a)~(c)は、第1実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。以下、
図1~
図3を参照しながら第1実施形態の方法MTについて説明する。
【0035】
工程ST1では、
図2に示されるように、基板W上に、開口OP1を有するパターンPT1(第1パターン)を形成する。パターンPT1は、第1材料を含む。本実施形態では、第1材料が錫(Sn)を含む。第1材料は酸化錫(SnO)を含んでもよい。第1材料の例は、錫含有レジスト材料を含む。開口OP1は、例えばホールである。工程ST1は以下のように実施され得る。
【0036】
まず、
図2の(a)に示されるように、基板W上にフォトレジスト膜18を形成する。基板Wは、シリコン含有膜10と酸化膜12とを備えてもよい。酸化膜12は、シリコン含有膜10とフォトレジスト膜18との間に配置される。酸化膜12は例えばシリコン酸化膜である。基板W上には下地膜URが設けられてもよい。下地膜URは、第1層14と第2層16とを備えてもよい。第1層14は、酸化膜12と第2層16との間に配置される。第1層14は、例えばカーボン膜等の有機膜であってもよい。第2層16は、シリコン含有膜であってもよい。シリコン含有膜の例は、シリコン酸化膜(SiO
x)、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン炭化膜(SiC)及びシリコン酸窒化膜(SiON)を含む。
【0037】
フォトレジスト膜18は下地膜UR上に形成され得る。フォトレジスト膜18は錫を含む。フォトレジスト膜18はネガ型レジスト膜であってもよい。フォトレジスト膜18は、ウェットプロセス又はドライプロセスにより形成され得る。ウェットプロセスの例は、塗布を含む。フォトレジスト膜18は、例えば錫含有レジスト材料を基板W上に塗布することによって形成され得る。ドライプロセスの例は、CVDを含む。フォトレジスト膜18は、錫含有ガスを用いてCVDにより形成され得る。錫含有ガスの例は、有機錫化合物ガス、SnCl4ガス、Sn(CH3)4ガス、SnH4ガスを含む。
【0038】
次に、
図2の(b)に示されるように、例えばフォトマスクを用いてフォトレジスト膜18を露光する。露光により、フォトレジスト膜18から、露光部分18aと非露光部分18bとが形成される。露光により、露光部分18aにおいて酸化錫が生成され得る。露光では、極端紫外線(EUV)又はその他の光が用いられてもよい。
【0039】
次に、
図2の(c)に示されるように、現像により、非露光部分18bを除去して開口OP1を形成する。その結果、露光部分18aがパターンPT1として残存する。非露光部分18bは、ウェットプロセス又はドライプロセスにより除去され得る。ドライプロセスにおいて、温度は-60℃以上120℃以下であってもよく、圧力は0.1mTorr(0.01333Pa)以上760mTorr(101.308kPa)以下であってもよい。非露光部分18bは、水素及びハロゲンのうち少なくとも1つを含む物質により除去され得る。ハロゲンを含む物質の例は、フッ素ガス(F
2)、塩素ガス(Cl
2)、臭素ガス(Br
2)、ヨウ素ガス(I
2)及び三塩化ホウ素ガス(BCl
3)を含む。非露光部分18bは、例えば水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含む物質により除去される。水素を含む物質は、水素含有ガス又は水素含有液であり得る。水素含有ガスの例は、水素(H
2)ガス、塩化水素(HCl)ガス、臭化水素(HBr)ガス、フッ化水素(HF)ガス、ヨウ化水素(HI)ガスを含む。水素含有液の例は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)及び硝酸(HNO
3)を含む。塩素を含む物質は塩素含有ガスであり得る。塩素含有ガスの例は、Cl
2及びBCl
3を含む。臭素を含む物質は臭素含有ガスであり得る。臭素含有ガスの例は、Br
2を含む。非露光部分18bは、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノール(CH
3OH)ガスのうち少なくとも1つを用いて除去されてもよい。非露光部分18bは、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスから生成されるプラズマ(アッシング)により除去されてもよいし、プラズマを用いずに、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスにより除去されてもよい。臭化水素ガスを用いる場合、プラズマを用いずに非露光部分18bを除去できる。
【0040】
工程ST2では、
図3の(a)及び(b)に示されるように、開口OP1内に充填部FL1(第1充填部)を形成する。充填部FL1は、第1材料とは異なる第2材料を含む。第2材料は、錫を含まなくてもよい。第2材料は、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。有機物の例は、スピンオンカーボン(SOC)等を含む。金属は、錫を除く金属であってもよい。金属の例は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)等を含む。第2材料は、シリコン酸化物等のシリコン含有物質を含んでもよい。シリコン含有物質の例は、スピンオングラス(SOG)等を含む。第1材料が錫を含む場合、第2材料は酸化錫を含んでもよい。第2材料の酸素濃度は第1材料の酸素濃度より高くてもよい。第1材料は酸素を含まなくてもよい。工程ST2は以下のように実施され得る。
【0041】
まず、
図3の(a)に示されるように、開口OP1内に充填される充填膜FL1aを基板W上に形成する。充填膜FL1aは、パターンPT1を覆うように形成されてもよい。充填膜FL1aは、ウェットプロセス又はドライプロセスにより形成され得る。
【0042】
ウェットプロセスの例は、塗布を含む。例えばスピンコーターを用いて液状の第2材料を基板W上に塗布する。その後、露光又はベークにより液状の第2材料を固化する。これにより、充填膜FL1aを形成できる。
【0043】
ドライプロセスの例は、CVDを含む。充填膜FL1aが例えばシリコンを含む場合、充填膜FL1aは、シリコン含有ガスを用いてCVDにより形成され得る。シリコン含有ガスの例は、SiCl4ガス、Si2Cl6ガス、SiBr4ガスを含む。シリコン含有ガスは、高温又は低圧の条件下で気化し、低温又は高圧の条件下で液化する。よって、温度及び圧力のうち少なくとも1つを調整することによって、基板W上に液体の第2材料を形成できる。その後、酸化又は塩素脱離により、液体の第2材料を固化する。これにより、充填膜FL1aを形成できる。
【0044】
次に、
図3の(b)に示されるように、必要に応じて、例えばエッチング又はCMPにより充填膜FL1aの上部を除去する。これにより、充填膜FL1aから充填部FL1が形成される。充填膜FL1aが例えば有機膜である場合、充填膜FL1aは、例えば窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、又は酸素含有ガスによりエッチングされ得る。酸素含有ガスの例は酸素ガスを含む。充填膜FL1aが例えばシリコン含有膜である場合、充填膜FL1aは、例えばフッ素含有ガスによりエッチングされ得る。フッ素含有ガスは炭素を含んでもよい。フッ素含有ガスの例は、フルオロカーボン(C
xF
y)ガスを含む。
【0045】
工程ST3では、
図3の(c)に示されるように、パターンPT1を除去することにより、充填部FL1が、パターンPT1に対して反転したパターンPT2(第2パターン)として残留する。水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含む物質を用いると、充填部FL1に対して高い選択比でパターンPT1をエッチングできる。臭化水素ガスを用いてパターンPT1を除去する場合、プラズマを用いずにパターンPT1を除去できるので、充填部FL1に対するパターンPT1のエッチング選択比を大きくできる。
【0046】
パターンPT1を除去する物質の例は、工程ST1において非露光部分18bを除去する物質の例と同じである。パターンPT1は、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、三塩化ホウ素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガス、窒素ガス、ハイドロカーボンガス及びメタノール(CH3OH)ガスのうち少なくとも1つを用いて除去され得る。パターンPT1は、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスから生成されるプラズマ(アッシング)により除去されてもよいし、プラズマを用いずに、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスにより除去されてもよい。
【0047】
工程ST3の後、パターンPT2をマスクとして、下地膜URをエッチングしてもよい。これにより、下地膜URから、パターンPT2に対応するパターンが形成される。その後、得られるパターンをマスクとして、酸化膜12をエッチングしてもよい。これにより、酸化膜12からパターンが形成される。その後、酸化膜12から得られるパターンをマスクとして、シリコン含有膜10をエッチングしてもよい。
【0048】
本実施形態の方法MTによれば、パターンPT1からパターンPT2にパターンを反転できる。通常、錫を含むフォトレジスト膜はネガ型レジスト膜であるので、錫を含むフォトレジスト膜から形成されるパターンの寸法を小さくすることは難しい。しかし、本実施形態の方法MTによれば、パターンPT1の開口OP1の寸法を小さくすることによって、比較的小さな寸法を有するパターンPT2を形成できる。よって、パターンPT2をマスクとして用いたエッチングにより、比較的小さな寸法を有するコンタクトホールをシリコン含有膜10に形成できる。さらに、本実施形態の方法MTでは、工程ST3において水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含む物質を用いることによって、充填部FL1を残しつつ、錫を含むパターンPT1を選択的に除去できる。錫を含む材料は、他の多くの材料と比べて、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含む物質と反応し易いという特殊な性質を有する。そのため、錫を含むパターンPT1を用いると、充填部FL1の材料の選択肢が広がる。
【0049】
(第2実施形態)
図4の(a)~(d)は、第2実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。以下、
図1、
図2及び
図4を参照しながら第2実施形態の方法MTについて説明する。
【0050】
本実施形態において、工程ST1では、
図4(a)に示されるように、基板W上に、開口OP2を有するパターンPT11(第1パターン)を形成する。パターンPT11は、パターンPT1と同様の第1材料を含む。工程ST1は以下のように実施され得る。
【0051】
工程ST1では、まず、
図2に示されるように、基板W上に設けられた下地膜UR上に、パターンPT11に対応するパターンPT1(マスクパターン)を形成する。パターンPT1は第1実施形態と同様に形成され得る。
【0052】
次に、
図4(a)に示されるように、パターンPT1をマスクとして用いて下地膜URをエッチングすることにより、パターンPT11を形成する。例えば、第1層14及び第2層16からパターン14a及びパターン16aがそれぞれ形成される。パターンPT11は、パターンPT1、パターン14a及びパターン16aを含み得る。
【0053】
工程ST2では、
図4の(b)及び(c)に示されるように、開口OP2内に充填部FL2を形成する。充填部FL2は、充填部FL1と同様の第2材料を含む。工程ST2は以下のように実施され得る。
【0054】
まず、
図4の(b)に示されるように、開口OP2内に充填される充填膜FL2aを基板W上に形成する。充填膜FL2aは、パターンPT11を覆うように形成されてもよい。充填膜FL2aは、充填膜FL1aと同様に形成され得る。
【0055】
次に、
図4の(c)に示されるように、必要に応じて、充填膜FL2aの上部を除去してもよい。これにより、充填膜FL2aから充填部FL2が形成される。充填膜FL2aの上部は、充填膜FL1aの上部と同様に除去され得る。
【0056】
工程ST3では、
図4の(d)に示されるように、パターンPT11を除去することにより、充填部FL2が、パターンPT11に対して反転したパターンPT12(第2パターン)として残留する。パターンPT11内のパターンPT1は、第1実施形態の工程ST3のエッチングと同様のエッチングにより除去され得る。パターンPT11内のパターン14a及びパターン16aは、本実施形態の工程ST1における下地膜URのエッチングと同様のエッチングにより除去される。
【0057】
本実施形態の方法MTによれば、第1実施形態のパターンPT2に比べて、パターンPT12のアスペクト比を大きくできる。そのため、パターンPT12をマスクとして酸化膜12をエッチングする際に、良好なエッチング選択比が得られる。
【0058】
(第3実施形態)
図5の(a)~(c)及び
図6の(a)~(c)は、第3実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。以下、
図1、
図5及び
図6を参照しながら第3実施形態の方法MTについて説明する。
【0059】
工程ST1では、
図5に示されるように、基板W上に、開口OP3を有するパターンPT21(第1パターン)を形成する。パターンPT21は、第1材料を含む。本実施形態では、第1材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。第1材料は、錫を含まなくてもよい。本実施形態の第1材料は、第1実施形態の第2材料と同じであってもよい。開口OP3は、例えばホールである。工程ST1は以下のように実施され得る。
【0060】
まず、
図5の(a)に示されるように、基板W上にフォトレジスト膜28を形成する。フォトレジスト膜28は下地膜UR上に形成され得る。フォトレジスト膜28は、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。フォトレジスト膜28はポジ型レジスト膜であってもよいし、ネガ型レジスト膜であってもよい。フォトレジスト膜28は、ウェットプロセス又はドライプロセスにより形成され得る。ウェットプロセスの例は、塗布を含む。ドライプロセスの例は、CVDを含む。
【0061】
次に、
図5の(b)に示されるように、例えばフォトマスクを用いてフォトレジスト膜28を露光する。露光により、フォトレジスト膜28から、露光部分28aと非露光部分28bとが形成される。
【0062】
次に、
図5の(c)に示されるように、現像により、露光部分28aを除去して開口OP3を形成する。その結果、非露光部分28bからパターンPT21が形成される。この場合、フォトレジスト膜28はポジ型レジスト膜である。フォトレジスト膜28がネガ型レジスト膜の場合、非露光部分28bが除去されるので、露光部分28aからパターンPT21が形成される。
【0063】
工程ST2では、
図6の(a)及び(b)に示されるように、開口OP3内に充填部FL3(第1充填部)を形成する。充填部FL3は、第1材料とは異なる第2材料を含む。第2材料は、錫を含む。第2材料は酸化錫を含んでもよい。第2材料の例は、錫含有有機材料等を含む。本実施形態の第2材料は、第1実施形態の第1材料と同じであってもよい。工程ST2は以下のように実施され得る。
【0064】
まず、
図6の(a)に示されるように、開口OP3内に充填される充填膜FL3aを基板W上に形成する。充填膜FL3aは、パターンPT21を覆うように形成されてもよい。充填膜FL3aは、ウェットプロセス又はドライプロセスにより形成され得る。ウェットプロセスの例は、塗布を含む。ドライプロセスの例は、CVDを含む。充填膜FL3aは、錫含有ガスを用いてCVDにより形成され得る。錫含有ガスの例は、有機錫化合物ガス、SnCl
4ガス、Sn(CH
3)
4ガス、SnH
4ガスを含む。錫含有ガスは、高温又は低圧の条件下で気化し、低温又は高圧の条件下で液化する。よって、温度及び圧力のうち少なくとも1つを調整することによって、開口OP3内に液体の第2材料を充填できる。その後、酸化又は塩素脱離により、液体の第2材料を固化する。これにより、充填膜FL3aを形成できる。
【0065】
次に、
図6の(b)に示されるように、必要に応じて、例えばエッチング又はCMPにより充填膜FL3aの上部を除去する。これにより、充填膜FL3aから充填部FL3が形成される。充填膜FL3aは、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスから生成されるプラズマ(アッシング)により除去されてもよいし、プラズマを用いずに、水素、塩素及び臭素のうち少なくとも1つを含むガスにより除去されてもよい。
【0066】
工程ST3では、
図6の(c)に示されるように、パターンPT21を除去することにより、充填部FL3が、パターンPT21に対して反転したパターンPT22(第2パターン)として残留する。水素、塩素及び臭素を含まない物質を用いると、充填部FL3に対して高い選択比でパターンPT21をエッチングできる。
【0067】
パターンPT21が例えば有機物を含む場合、水素、塩素及び臭素を含まない物質の例は、酸素含有ガス、フッ素含有ガス及び窒素含有ガスを含む。酸素含有ガスの例は酸素ガス、硫化カルボニル(COS)ガス及び酸化硫黄(SO2)ガスを含む。フッ素含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス及び三フッ化窒素(NF3ガス)を含む。窒素含有ガスの例は、窒素ガスを含む。
【0068】
パターンPT21が例えばシリコンを含む場合、水素、塩素及び臭素を含まない物質の例は、フッ素含有ガスを含む。フッ素含有ガスは炭素又は窒素を含んでもよい。フッ素含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス及びNF3ガスを含む。
【0069】
パターンPT21が例えば錫を除く金属を含む場合、水素、塩素及び臭素を含まない物質の例は、フッ素含有ガスを含む。フッ素含有ガスの例は、フッ化水素(HF)ガス、フルオロカーボン(CxFy)ガス、NF3ガス及びSF6ガスを含む。パターンPT21は以下のように除去され得る。まず、フッ素含有ガスを用いてパターンPT21の表面をフッ素化する。その後、金属錯体を含む金属含有プリカーサにフッ素化したパターンPT21の表面を晒す。金属含有プリカーサの例は、スズ(II)アセチルアセトナート(Sn(acac)2)を含む。金属フッ化物と金属錯体との配位子交換によって、揮発性の高い別の金属錯体が生成される。これにより、パターンPT21がエッチングされる。
【0070】
本実施形態の方法MTによれば、パターンPT21からパターンPT22にパターンを反転できる。通常、錫を含むフォトレジスト膜はネガ型レジスト膜であるので、錫を含むフォトレジスト膜から形成されるパターンの寸法を小さくすることは難しい。しかし、本実施形態の方法MTによれば、パターンPT21の開口OP3の寸法を小さくすることによって、比較的小さな寸法を有するパターンPT22を形成できる。よって、パターンPT22をマスクとして用いたエッチングにより、比較的小さな寸法を有するコンタクトホールをシリコン含有膜10に形成できる。さらに、本実施形態の方法MTでは、工程ST3において水素、塩素及び臭素を含まない物質を用いることによって、錫を含む充填部FL3を残しつつ、パターンPT21を選択的に除去できる。錫を含む材料は、他の多くの材料と比べて、水素、塩素及び臭素を含まない物質と反応し難いという特殊な性質を有する。そのため、錫を含む充填部FL3を用いると、パターンPT21の材料の選択肢が広がる。
【0071】
(第4実施形態)
図7の(a)及び(b)及び
図8の(a)~(c)は、第4実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。以下、
図1、
図5、
図7及び
図8を参照しながら第4実施形態の方法MTについて説明する。
【0072】
本実施形態において、工程ST1では、
図7に示されるように、基板W上に、開口OP4を有するパターンPT31(第1パターン)を形成する。パターンPT31は、第1材料を含む。本実施形態では、第1材料が、有機物、シリコン及び金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。第1材料は、錫を含まなくてもよい。工程ST1は以下のように実施され得る。
【0073】
工程ST1では、まず、
図5に示されるように、基板W上に設けられた下地膜UR上に、パターンPT31に対応するパターンPT21(マスクパターン)を形成する。パターンPT21は第3実施形態と同様に形成され得る。
【0074】
次に、
図7に示されるように、パターンPT21をマスクとして用いて下地膜URをエッチングすることにより、パターンPT31を形成する。例えば、第1層14及び第2層16からパターン14b及びパターン16bがそれぞれ形成される。下地膜URをエッチングする際に、パターンPT21が消失してもよい。パターンPT31は、パターン14b及びパターン16bを含み得る。
【0075】
工程ST2では、
図8の(a)及び(b)に示されるように、開口OP4内に充填部FL4を形成する。充填部FL4は、充填部FL3と同様の第2材料を含む。工程ST2は以下のように実施され得る。
【0076】
まず、
図8の(a)に示されるように、開口OP4内に充填される充填膜FL4aを基板W上に形成する。充填膜FL4aは、パターンPT31を覆うように形成されてもよい。充填膜FL4aは、充填膜FL3aと同様に形成され得る。
【0077】
次に、
図8の(b)に示されるように、必要に応じて、充填膜FL4aの上部を除去してもよい。これにより、充填膜FL4aから充填部FL4が形成される。充填膜FL4aの上部は、充填膜FL3aの上部と同様に除去され得る。
【0078】
工程ST3では、
図8の(c)に示されるように、パターンPT31を除去することにより、充填部FL4が、パターンPT31に対して反転したパターンPT32(第2パターン)として残留する。パターンPT31は、工程ST1における下地膜URのエッチングと同様のエッチングにより除去される。
【0079】
本実施形態の方法MTによれば、第3実施形態のパターンPT22に比べて、パターンPT32のアスペクト比を大きくできる。そのため、パターンPT32をマスクとして酸化膜12をエッチングする際に、良好なエッチング選択比が得られる。
【0080】
(第5実施形態)
図9は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
図9に示される方法(以下、「方法MT1」という)は、工程ST1、工程ST2及び工程ST3に加えて工程ST4及び工程ST5を更に含む。工程ST4及び工程ST5は、第1実施形態~第4実施形態の各工程ST3の後に実行され得る。工程ST5は、工程ST4の後に実行され得る。以下、方法MT1について説明する。
【0081】
図10の(a)~(c)は、第5実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。本実施形態では、工程ST4及び工程ST5が、
図3の(c)に示される工程ST3の後に実施され得る。
【0082】
工程ST4では、
図10の(a)及び(b)に示されるように、パターンPT2の開口OP11内に充填部FL11(第2充填部)を形成する。充填部FL11は、第1材料及び第2材料とは異なる第3材料を含む。第1材料及び第2材料が、第1実施形態の第1材料及び第2材料である場合、第3材料の例は、有機物、シリコン及び金属(錫を除く)を含む。
【0083】
工程ST4は工程ST2と同様に実施され得る。まず、
図10の(a)に示されるように、開口OP11内に充填される充填膜FL11aを基板W上に形成する。充填膜FL11aは、パターンPT2を覆うように形成されてもよい。次に、
図10の(b)に示されるように、必要に応じて、例えばエッチング又はCMPにより充填膜FL11aの上部を除去する。これにより、充填膜FL11aから充填部FL11が形成される。
【0084】
工程ST5では、
図10の(c)に示されるように、パターンPT2を除去することにより、充填部FL11が、パターンPT1に対応するパターンPT3(第3パターン)として残留する。工程ST5は工程ST3と同様に実施され得る。
【0085】
パターンPT2が有機物を含み、充填部FL11が錫を除く金属又はシリコンを含む場合、パターンPT2は、酸素含有ガス又は窒素含有ガスにより除去され得る。酸素含有ガスの例は、酸素ガス、硫化カルボニル(COS)ガス及び酸化硫黄(SO2)ガスを含む。窒素含有ガスの例は、窒素ガスを含む。
【0086】
パターンPT2がシリコンを含み、充填部FL11が有機物を含む場合、パターンPT2は、ハロゲン含有ガスにより除去され得る。ハロゲン含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス、NF3ガス、フッ化水素ガス、塩化水素ガス及び臭化水素ガスを含む。
【0087】
パターンPT2がシリコンを含み、充填部FL11が錫を除く金属を含む場合、パターンPT2は、フッ素含有ガスにより除去され得る。フッ素含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス及びNF3ガスを含む。
【0088】
パターンPT2が錫を除く金属を含み、充填部FL11が有機物又はシリコンを含む場合、パターンPT2は、水素含有ガス又はハロゲン含有ガスにより除去され得る。水素含有ガスの例は、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス及び水素ガスを含む。ハロゲン含有ガスは、塩素ガス及び臭素ガスを含む。
【0089】
本実施形態の方法MT1によれば、パターンPT1と異なる材料を含み、パターンPT1と同じ形状のパターンPT3を形成できる。
【0090】
(第6実施形態)
図11は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法の流れ図である。
図11に示される方法(以下、「方法MT2」という)は、工程ST1、工程ST2及び工程ST3に加えて工程ST6及び工程ST7を更に含む。工程ST6及び工程ST7は、第1実施形態~第4実施形態の各工程ST1の前に実行され得る。工程ST6は、工程ST7の前に実行され得る。以下、方法MT2について説明する。
【0091】
図12の(a)~(c)は、第6実施形態に係るパターン形成方法の一部の工程を示す断面図である。本実施形態では、工程ST6及び工程ST7が、
図5の(c)に示される工程ST1の前に実施され得る。
【0092】
工程ST6では、
図12の(a)に示されるように、基板W上に、開口OP12を有するパターンPT4(第3パターン)を形成する。パターンPT4は、第1材料及び第2材料とは異なる第3材料を含む。第1材料及び第2材料が、第3実施形態の第1材料及び第2材料である場合、第3材料の例は、有機物、シリコン及び金属(錫を除く)を含む。工程ST6は、工程ST1と同様に実施され得る。
【0093】
工程ST7では、パターンPT4の開口OP12内に充填部FL12(第2充填部)を形成する。充填部FL12は、第1材料を含む。
【0094】
工程ST7は工程ST2と同様に実施され得る。まず、
図12の(b)に示されるように、開口OP12内に充填される充填膜FL12aを基板W上に形成する。充填膜FL12aは、パターンPT4を覆うように形成されてもよい。次に、
図12の(c)に示されるように、必要に応じて、例えばエッチング又はCMPにより充填膜FL12aの上部を除去する。これにより、充填膜FL12aから充填部FL12が形成される。
【0095】
工程ST7の後、工程ST1では、パターンPT4を除去することにより、充填部FL12が、
図5の(c)に示されるように、パターンPT21(第1パターン)として残留する。
【0096】
パターンPT4が有機物を含み、充填部FL12が錫を除く金属又はシリコンを含む場合、パターンPT4は、酸素含有ガス又は窒素含有ガスにより除去され得る。酸素含有ガスの例は、酸素ガス、硫化カルボニル(COS)ガス及び酸化硫黄(SO2)ガスを含む。窒素含有ガスの例は、窒素ガスを含む。
【0097】
パターンPT4がシリコンを含み、充填部FL12が有機物を含む場合、パターンPT4は、ハロゲン含有ガスにより除去され得る。ハロゲン含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス、NF3ガス、フッ化水素ガス、塩化水素ガス及び臭化水素ガスを含む。
【0098】
パターンPT4がシリコンを含み、充填部FL12が錫を除く金属を含む場合、パターンPT4は、フッ素含有ガスにより除去され得る。フッ素含有ガスの例は、フルオロカーボン(CxFy)ガス、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)ガス及びNF3ガスを含む。
【0099】
パターンPT4が錫を除く金属を含み、充填部FL12が有機物又はシリコンを含む場合、パターンPT4は、水素含有ガス又はハロゲン含有ガスにより除去され得る。水素含有ガスの例は、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス及び水素ガスを含む。ハロゲン含有ガスは、塩素ガス及び臭素ガスを含む。
【0100】
本実施形態の方法MT2によれば、パターンPT4と異なる材料を含み、パターンPT4と同じ形状のパターンPT22を形成できる。
【0101】
各実施形態において、錫を含むパターンは、Sn含有膜であってもよい。Sn含有膜は、ドライプロセス又はウェットプロセスによって形成され得る。Sn含有膜は、Sn膜であってもよいし、SnO膜であってもよい。Sn含有膜は、フォトレジスト膜であってもよいし、非フォトレジスト膜であってもよい。錫を含むパターンは、CVD膜、ALD膜及びPVD膜のうちいずれか一つから形成されてもよい。錫を含むパターンは、プリカーサとして例えばt-ブチルトリス(ジメチルアミノ)錫等を用い、酸化剤として例えばH2O等を用いて、CVD又はALDにより形成され得る。CVD膜、ALD膜及びPVD膜は、プラズマエネルギーによって形成されてもよい。CVD膜及びALD膜は熱エネルギーにより形成されてもよい。CVD膜又はALD膜は、錫を含むフォトレジスト膜であってもよい。フォトレジスト膜は、EUV露光用のフォトレジスト膜であってもよい。フォトレジスト膜の非露光部分が錫を含み、フォトレジスト膜の露光部分が酸化錫を含む場合、露光部分の酸素濃度は非露光部分の酸素濃度より高くてもよい。非露光部分は酸素を含まなくてもよい。
【0102】
図13は、一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
図13に示される装置100を用いて上記各実施形態の方法MTは実施され得る。装置100は、塗布現像装置110と、露光装置120と、塗布装置130と、エッチング装置140と、アッシャー150と、エッチング装置160とを備え得る。
【0103】
塗布現像装置110及び露光装置120は、パターン形成装置101を構成し得る。基板Wは、塗布現像装置110と露光装置120との間で搬送され得る。工程ST1は、パターン形成装置101を用いて実施され得る。工程ST1では、パターン形成装置101を用いて、パターンPT1、パターンPT11、パターンPT21又はパターンPT31が形成され得る。工程ST1の後、基板Wは、塗布現像装置110から塗布装置130まで搬送され得る。
【0104】
工程ST2は、塗布装置130及びエッチング装置140を用いて実施され得る。塗布装置130は、例えばスピンコーター又はスリットコーターであってもよい。装置100は、塗布装置130に代えてCVD装置を備えてもよい。装置100は、エッチング装置140に代えてCMP装置を備えてもよい。工程ST2において、基板Wは、塗布装置130からエッチング装置140まで搬送され得る。工程ST2では、充填部FL1、充填部FL2、充填部FL3及び充填部FL4が形成され得る。工程ST2の後、基板Wは、エッチング装置140からアッシャー150まで搬送され得る。
【0105】
工程ST3は、アッシャー150を用いて実施され得る。装置100は、アッシャー150に代えて洗浄装置を備えてもよい。工程ST3では、アッシャー150を用いて、パターンPT1、パターンPT11、パターンPT21又はパターンPT31が除去され得る。その結果、パターンPT2、パターンPT12、パターンPT22又はパターンPT32が形成され得る。工程ST3の後、基板Wは、アッシャー150からエッチング装置160まで搬送され得る。エッチング装置160は、基板Wの酸化膜12のエッチングに使用され得る。
【0106】
図14は、他の一つの例示的実施形態に係るパターン形成方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
図14に示される装置200を用いて上記各実施形態の方法MTが実施されてもよい。装置200を用いると、各実施形態の方法MTをドライプロセスのみで行うことができる。装置200は、CVD装置210と、露光装置220と、エッチング装置230と、CVD装置240と、エッチング装置250と、アッシャー260と、エッチング装置270とを備え得る。
【0107】
CVD装置210、露光装置220及びエッチング装置230は、パターン形成装置201を構成し得る。基板Wは、CVD装置210から露光装置220を経由してエッチング装置230まで搬送され得る。工程ST1は、パターン形成装置201を用いて実施され得る。工程ST1では、パターン形成装置201を用いて、パターンPT1、パターンPT11、パターンPT21又はパターンPT31が形成され得る。工程ST1の後、基板Wは、エッチング装置230からCVD装置240まで搬送され得る。
【0108】
工程ST2は、CVD装置240及びエッチング装置250を用いて実施され得る。工程ST2において、基板Wは、CVD装置240からエッチング装置250まで搬送され得る。工程ST2では、充填部FL1、充填部FL2、充填部FL3及び充填部FL4が形成され得る。工程ST2の後、基板Wは、エッチング装置250からアッシャー260まで搬送され得る。
【0109】
工程ST3は、アッシャー260を用いて実施され得る。工程ST3の後、基板Wは、アッシャー260からエッチング装置270まで搬送され得る。エッチング装置270は、基板Wの酸化膜12のエッチングに使用され得る。
【0110】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0111】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0112】
FL1,FL2,FL3,FL4…充填部、MT…方法、OP1,OP2,OP3,OP4…開口、PT1…パターン(第1パターン)、PT2,PT12,PT22,PT32…パターン(第2パターン)、PT11,PT31…パターン(第1パターン)、PT21…パターン(第1パターン)、W…基板。