(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063696
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】会議装置、会議方法、および会議システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20230428BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20230428BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H04N7/15
H04N21/436
H04M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173665
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】矢野 良多
【テーマコード(参考)】
5C164
5K127
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA41
5C164UB71P
5C164VA06P
5C164VA09P
5K127AA05
5K127BA18
5K127CA01
5K127CA25
5K127CB33
5K127GD07
5K127MA05
(57)【要約】
【課題】機器の側面に設けられる操作キーまたはボタンを操作した際に、機器本体の位置がずれたり、機器が倒れたりする可能性を低減することができる会議装置、会議方法、および会議システムを提供する。
【解決手段】本発明は、卓上に設置する会議装置であって、前記会議装置の周囲の音を電気信号に変換するマイクと、前記会議装置の側面の窪みに設けられ、下方向に押下可能なボタンと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上に設置する会議装置であって、
前記会議装置の周囲の音を電気信号に変換するマイクと、
前記会議装置の側面の窪みに設けられ、下方向に押下可能なボタンと、
を備える会議装置。
【請求項2】
スピーカをさらに備え、
前記ボタンは、前記スピーカから発する音の音量の調整用の音量調整用ボタンを含む、請求項1に記載の会議装置。
【請求項3】
前記音量調整用ボタンは、前記スピーカから発する音の音量を大きくするボタン、および前記スピーカから発する音の音量を小さくするボタンを含む、請求項2に記載の会議装置。
【請求項4】
前記ボタンは、前記会議装置の側面に設けられる複数の窪みのそれぞれに設けられる、請求項1から3のいずれか一に記載の会議装置。
【請求項5】
前記ボタンは、前記会議装置と外部機器とを通信可能に接続するためのボタンを含む、請求項1から4のいずれか一に記載の会議装置。
【請求項6】
前記会議装置の周囲を撮像可能なカメラ、
をさらに備える請求項1から5のいずれか一に記載の会議装置。
【請求項7】
卓上に設置する会議装置で実行される会議方法であって、
オンライン会議用のアプリケーションの実行により外部装置から入力される音声をスピーカから出力する工程と、
前記会議装置の側面の窪みに設けられかつ下方向に押下可能なボタンが押下された場合に、前記スピーカから発する音の音量を調整する工程と、
を含む会議方法。
【請求項8】
卓上に設置する会議装置と、ネットワークを利用してオンライン会議用のアプリケーションを実行する情報処理装置と、を有する会議システムであって、
前記会議装置は、
前記アプリケーションの実行により外部装置から入力される音声を出力するスピーカと、
前記会議装置の側面の窪みに設けられ、下方向に押下可能なボタンと、
を備える会議システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議装置、会議方法、および会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議装置としては、360度カメラ付きマイクスピーカがある。持ち運びできる程度の重量の360度カメラ付きマイクスピーカの使用の一例として、360度カメラ付きマイクスピーカは、会議テーブルの中央に置かれる。そして、複数人の会議参加者の顔等の映像および音声を、カメラとマイクにより撮影および収音して他の場所にいるリモート参加者に伝える。このようにして、リモートでの会議参加者等の音声をスピーカにより伝える。また、360度カメラ付きマイクスピーカは、会議参加者の映像および音声を録画および録音して、当該映像および音声を二次活用できる機器もある。このような360度カメラ付きマイクスピーカは、会議参加者の違和感のない映像を撮影できるようにカメラの位置を会議中の会議参加者の目線に近づけるように機器の高さを確保する必要がある。さらに、360度カメラ付きマイクスピーカは、テーブル上に置かれること等から、会議参加者が触れても転倒しない突起部の少ないすっきりとした形状が求められる。
【0003】
このような条件を満たすために、360度カメラ付きマイクスピーカの設置面積に対する高さの割合を大きくする方策(例えば、円筒形状にする方策)をとり、装置の背を高くすることが考えられる。しかし、その場合、機器本体の設置状態がやや不安定になる。一方、360度カメラ付きマイクスピーカには、音声の調整および通信方式の設定等を行うために、複数の機能の操作キーまたはボタンを設ける必要がある。この操作キーまたはボタンは、360度カメラ付きマイクスピーカの周囲のどの方向からでもアクセスできるようにする必要がある、そのため、同じ機能の操作キーまたはボタンを複数設けることが好ましく、この操作キーまたはボタンを天面(上面)に配置するには、その領域が十分ではなく、側面(正面、背面、両側面)に配置する必要が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、設置面積に対する高さの割合が大きい機器(例えば、360度カメラ付きマイクスピーカ)において、押下式の操作キーまたはボタンが、機器の側面、特に機器の設置面に対して垂直に近い側面に配置する場合がある。この場合、その操作キーまたはボタンを操作(例えば、押下)する際に、機器本体がテーブルからずれたり、倒れたりしないようにする必要がある。または、機器本体が動かないように、操作キーまたはボタンを操作しない片方の手で、機器本体を押さえながら操作キーまたはボタンを操作する必要がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器の側面に設けられる操作キーまたはボタンを操作した際に、機器本体の位置がずれたり、機器が倒れたりする可能性を低減することができる会議装置、会議方法、および会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、卓上に設置する会議装置であって、前記会議装置の周囲の音を電気信号に変換するマイクと、前記会議装置の側面の窪みに設けられ、下方向に押下可能なボタンと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機器の側面に設けられる操作キーまたはボタンを操作した際に、機器本体の位置がずれたり、機器が倒れたりする可能性を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる会議システムに構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態にかかる会議装置の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態にかかる会議装置の上面図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態にかかる会議装置の横断面図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態にかかる会議装置の側面図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態にかかる会議装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる会議装置の底面図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかる会議装置の使用時の操作手順の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態にかかるPCにおけるテレビ会議アプリの実行処理の流れの一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態にかかるPCにおけるテレビ会議アプリの終了処理の流れの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、会議装置、会議方法、および会議システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる会議システムに構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる会議システムは、会議装置1およびPC(Personal Computer)2を有する。会議装置1は、卓上に設置する会議装置の一例である。
【0011】
PC2は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNTを利用して、Zoom(登録商標)、TEAMS(登録商標)、USC Apps(登録商標)等のオンライン会議用のアプリケーション(以下、テレビ会議アプリと言う)を実行する情報処理装置の一例である。
【0012】
また、PC2は、テレビ会議アプリにより外部装置との間で送受信する画像を、当該PC2に接続されるプロジェクタ等の大画面の表示装置3に表示する。さらに、PC2は、テレビ会議アプリにより外部装置から受信する音声を会議装置1に出力する。
【0013】
図2は、本実施の形態にかかる会議装置の外観斜視図である。
図3は、本実施の形態にかかる会議装置の上面図である。
図4は、本実施の形態にかかる会議装置の横断面図である。まず、
図2~4を用いて、本実施の形態にかかる会議装置1の全体構成の一例について説明する。
【0014】
会議装置1は、360度カメラ付きスピーカ等、その設置面積に対する高さの割合が大きく、かつ持ち運びができる程度の重量の機器である。
【0015】
本実施の形態では、会議装置1は、その側面にスピーカ100および電源ボタン101を有する。スピーカ100は、PC2等の外部装置から入力される音声を、会議装置1の周囲に出力するスピーカの一例である。本実施の形態では、スピーカ100は、複数のスピーカボックス(例えば、3つのスピーカボックス)で構成されたスピーカであっても良い。電源ボタン101は、会議の開始および終了時に会議装置1の電源のオンまたはオフを指示するボタンである。
【0016】
本実施の形態では、会議装置1は、その上面に、カメラ102、マイク103、マイクミュートキー104、録画状態表示部105、マイクオン表示部106、マイクミュート表示部107等を有する。カメラ102は、会議装置1の周囲を撮像可能なカメラの一例である。例えば、カメラ102は、レンズカバー付きの半天球カメラであっても良い。また、マイク103、録画状態表示部105、マイクオン表示部106は、円周方向にほぼ等間隔で3つ、マイクミュートキー104は対向して2つ配置し、マイクミュート表示部107はマイクミュートキー104の近傍に配置し周囲の複数の各々会議参加者に見えるようにしている。
【0017】
マイク103は、会議装置1の周囲の音を電気信号に変換するマイクロフォンである。マイクミュートキー104は、マイク103をミュート状態にすることを指示するキーである。ここで、マイク103のミュート状態とは、マイク103により音から変換された電気信号の出力を停止する状態である。例えば、マイクミュートキー104は、静電容量方式のキーであっても良い。
【0018】
録画状態表示部105は、カメラ102により撮像された画像の録画状態を表示する。マイクオン表示部106は、マイク103による音から電気信号への変換が行われていることを示す。マイクミュート表示部107は、マイク103がミュート状態にあることを表示する。
【0019】
また、本実施の形態では、会議装置1は、ほぼ円柱状で末広がりの部分の曲面を持つ側面に窪み(凹部)108,111を有する。そして、窪み108,111のそれぞれには、下方向に押下可能なボタンの一例である音量調整用ボタン109,110が設けられている。これにより、音量調整用ボタン109,110を操作する際の力を下方向に作用させることができるので、会議中に会議装置1がずれ動かないように、かつ倒れないように、音量調整用ボタン109,110を操作することができる。
【0020】
ここで、音量調整用ボタン109は、スピーカ100から発する音の音量を大きくする音量調整用ボタンの一例である。また、音量調整用ボタン110は、スピーカ100から発する音の音量を小さくする音量調整用ボタンの一例である。また、音量調整用ボタン109,110は、その両方が同時に長押しされることによって、会議装置1と外部装置とを通信可能に接続(例えば、Bluetooth(登録商標)接続)するボタンの一例として機能する。例えば、会議装置1は、音量調整用ボタン109,110が同時に長押しされることにより、外部装置とペアリングを行う。
【0021】
会議装置1が、その側面に複数の窪み108,111を有することにより、ユーザは、その窪み108,111に指を掛けることで、会議中に会議装置1の移動および会議終了後の運搬を行い易くなる。また、複数の窪み108,111のそれぞれに同じ機能のボタンを割り当てることにより、音量調整用ボタン109,110がある窪み108,111を会議参加者である特定の操作者に向ける等の機器の移動行為を行わずに、言い換えると、操作者自らが音量調整用ボタン109,110がある窪み108,111がある方向に移動する行為を行わずに、音量調整用ボタン109,110を容易に操作することができる。すなわち、会議装置1を操作できる範囲を広げることができる。
【0022】
図5は、本実施の形態にかかる会議装置の側面図である。
図6は、本実施の形態にかかる会議装置の斜視図である。
図7は、本実施の形態にかかる会議装置の底面図である。次に、
図5~7を用いて、本実施の形態にかかる会議装置1の側面および底面の具体的な構成の一例について説明する。
【0023】
本実施の形態では、会議装置1は、その側面に、全体アラート表示部112および通信接続状態表示部113を有する。ここで、全体アラート表示部112は、会議装置1が異常状態であることを表示する。通信接続状態表示部113は、会議装置1が外部装置と通信可能に接続されていることを表示する。
【0024】
また、本実施の形態では、会議装置1は、その底面に、電源端子114、有線LAN(Local Area Network)ポート115、およびPC接続用USB(Universal Serial Bus)コネクタ116を有する。
【0025】
電源端子114は、会議装置1に電源を供給するケーブルの電源コネクタを接続可能な端子である。本実施の形態では、電源端子114は、電源ボタン101の直下に設けられている。これにより、会議装置1が動作中に、電源端子114から電源コネクタが不用意に抜かれることを防止する。
【0026】
有線LANポート115は、会議装置1を有線LANに接続するケーブルを接続可能なポートである。PC接続用USBコネクタ116は、本体の一例であるPC2をUSB接続するためのUSBコネクタである。
【0027】
図8は、本実施の形態にかかる会議装置の使用時の操作手順の一例を説明するための図である。次に、
図8を用いて、本実施の形態にかかる会議装置1の使用時の操作手順の一例について説明する。
【0028】
まず、ユーザは、電源端子114に対して電源コネクタを接続する(ステップS801)。また、ユーザは、PC接続用USBコネクタ116と、会議で使用するPC2とに、USBケーブルを接続する(ステップS802)。次いで、ユーザは、電源ボタン101を押下して、会議装置1の電源をオンする(ステップS803)。その後、ユーザは、会議装置1の本体の一例であるPC2において、キャプチャリングアプリを起動する(ステップS804)。これにより、PC2は、会議装置1のマイク103から出力される電気信号、およびカメラ102により撮像される画像を取得する。
【0029】
図9は、本実施の形態にかかるPCにおけるテレビ会議アプリの実行処理の流れの一例を説明するための図である。次に、
図9を用いて、本実施の形態にかかるPC2におけるテレビ会議アプリの実行処理の流れの一例について説明する。
【0030】
PC2は、ユーザの操作に応じて、テレビ会議アプリを起動する(ステップS901)。テレビ会議アプリの起動後、キャプチャリングアプリにより表示される画面の録画開始ボタンがユーザにより押下されると、PC2は、会議装置1から取得した音声の電気信号および画像の録画を開始する(ステップS902)。
【0031】
テレビ会議アプリが起動している、会議参加者が着席している会議中の間、会議装置1は、音量調整用ボタン109,110の押下に応じて、スピーカ100から発する音の音量を調整することが可能である。また、会議装置1は、音量調整用ボタン109,110が2か所(窪み108,111)に設置されており、いずれの音量調整用ボタン109,110を押下しても、スピーカ100から発する音の音量を調整することが可能である。また、会議装置1は、マイクミュートキー104の押下に応じて、マイク103をミュート状態にすることが可能である。
【0032】
図10は、本実施の形態にかかるPCにおけるテレビ会議アプリの終了処理の流れの一例を説明するための図である。次に、
図10を用いて、本実施の形態にかかるPC2におけるテレビ会議アプリの終了処理の流れの一例について説明する。
【0033】
PC2は、キャプチャリングアプリにより表示される画面の録画停止ボタンがユーザにより押下されると、音声の電気信号および画像の録画を停止する(ステップS1001)。また、PC2は、音声の電気信号および画像の録画が停止すると、PC2は、キャプチャリングアプリおよびテレビ会議アプリを終了させる(ステップS1001)。
【0034】
その後、会議装置1は、ユーザによって、電源ボタン101が押下されると、会議装置1の電源をオフする(ステップS1002)。また、ユーザは、会議装置1のPC接続用USBコネクタ116からUSBケーブルを取り外して、会議装置1とPC2との接続を解除する(ステップS1003)。
【0035】
このように、本実施の形態にかかる会議装置1によれば、その側面に設けられる窪み108,111に、下方向に押下可能な音量調整用ボタン109,110を設けることにより、音量調整用ボタン109,110を操作する際の力を下方向に作用させることができるので、会議装置1がずれ動かないように、かつ倒れないように、音量調整用ボタン109,110を操作することができ、操作性の向上を図ることができる。さらには、本実施の形態にかかる会議装置1によれば、機器本体が動かないように、操作キーまたはボタンを操作しない片方の手で機器本体を押さえながら操作キーまたはボタンを操作するといった操作性の低下を回避できる。
【0036】
また、本実施の形態では、オフィス中での会議として説明したが、会議は、機器が自宅や倉庫、野外にあっても良く、またプライベートなおしゃべり等としてコミュニケーションが図れる2人のパーソナル会議も含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 会議装置
2 PC
3 表示装置
100 スピーカ
101 電源ボタン
102 カメラ
103 マイク
104 マイクミュートキー
105 録画状態表示部
106 マイクオン表示部
107 マイクミュート表示部
108,111 窪み
109,110 音量調整用ボタン
112 全体アラート表示部
113 通信接続状態表示部
114 電源端子
115 有線LANポート
116 PC接続用USBコネクタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】