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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006576
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物
(51)【国際特許分類】
   C08L 15/00 20060101AFI20230111BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20230111BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20230111BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C08L15/00
C08K5/17
F16J15/10 Y
C09K3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109253
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸来 太樹
(72)【発明者】
【氏名】召田 郁哉
【テーマコード(参考)】
3J040
4H017
4J002
【Fターム(参考)】
3J040FA05
3J040HA07
3J040HA16
4H017AA03
4H017AA04
4H017AB17
4H017AC14
4H017AE02
4H017AE05
4J002AC071
4J002AC111
4J002EN036
4J002EN076
4J002FD010
4J002FD030
4J002FD140
4J002FD146
4J002FD150
4J002GJ02
4J002GN00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制され、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることのできる、架橋性ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有し、酸またはアルカリに接触する用途に用いられる、架橋性ゴム組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有し、酸またはアルカリに接触する用途に用いられる、架橋性ゴム組成物。
【請求項2】
ブローバイガスまたはEGRガスに接触する用途に用いられる、請求項1に記載の架橋性ゴム組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなる、酸またはアルカリに接触する用途に用いられる、ゴム架橋物。
【請求項4】
ブローバイガスまたはEGRガスに接触する用途に用いられる、請求項3に記載のゴム架橋物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制され、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることのできる、架橋性ゴム組成物、および、このような架橋性ゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物に関する。
【背景技術】
【0002】
水素化アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴムに代表される水素化ニトリル基含有ゴムは、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴムなどの、主鎖構造に炭素-炭素間不飽和結合の多い、一般的なニトリル基含有ゴムに比べて、耐熱性、耐油性、耐オゾン性などに優れているため、自動車用のシール、ホース、チューブなどのゴム部品として好適に用いられている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、水素化ニトリル基含有ゴムと、過酸化物架橋剤とを含有するゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を、ブローバイガスホース用途や、EGR(排ガス再循環)ホース用途に適用した技術が開示されている。
【0004】
ここで、ブローバイガスホースは、エンジンのクランク室において発生するアグレッシブ漏洩ガスであるブローバイガスを流通するためのホースであり、また、EGRホースは、エンジンの燃焼室にリサイクルするための排ガスを、EGRガスとして、燃焼室内に戻すためのホースであり、これらの流通の対象となるブローバイガスおよびEGRガスは、通常、酸性凝集水やその蒸気を含有する。また、ディーゼルエンジンにおいては発生するNOを処理するために、尿素SCRシステムが導入されており、処理過程で発生するアンモニアの排出量を抑えるために、尿素SCR処理後の、アンモニアを含有する排ガスを、EGRガスとして、燃焼室内に戻すことも検討されている。このように、ブローバイガスやEGRガスは酸やアルカリを含むことから、ブローバイガスホースや、EGRホースは、酸やアルカリに晒されることとなるため、これらに用いられるゴム部品(たとえば、ゴムホースやガスケット)には、酸やアルカリに対し、十分な耐性を有すること、具体的には、酸性環境下およびアルカリ性環境下において、機械特性の低下や体積変化が十分に抑えられていることが求められる。
【0005】
一方で、上記特許文献1に開示されたゴム組成物、およびこれを架橋してなるゴム架橋物は、酸やアルカリに対する耐性が必ずしも十分でなく、そのため、さらなる改良が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/034572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制され、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることのできる、架橋性ゴム組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような架橋性ゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物を提供することも、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有する架橋性ゴム組成物によれば、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制され、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明によれば、水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有し、酸またはアルカリに接触する用途に用いられる、架橋性ゴム組成物が提供される。
本発明の架橋性ゴム組成物は、ブローバイガスまたはEGRガスに接触する用途に用いられるものであることが好ましい。
【0010】
また、本発明によれば、上記架橋性ゴム組成物を架橋してなる、酸またはアルカリに接触する用途に用いられる、ゴム架橋物が提供される。
本発明のゴム架橋物は、ブローバイガスまたはEGRガスに接触する用途に用いられるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制され、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることのできる、架橋性ゴム組成物、および、このような架橋性ゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<架橋性ゴム組成物>
本発明の架橋性ゴム組成物は、水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有するゴム組成物であって、酸またはアルカリに接触する用途に用いられるものである。
【0013】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムは、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体と、共役ジエン単量体とを共重合し、得られた共重合体を水素化することより得られるゴムである。
【0014】
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β-エチレン性不飽和化合物であれば限定されず、アクリロニトリル;α-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリルなどのα-ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα-アルキルアクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
【0015】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴム中における、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、好ましくは5~60重量%であり、より好ましくは10~52重量%、さらに好ましくは15~44重量%である。α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化がより抑制されたものとすることができる。
【0016】
共役ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、クロロプレンなどの炭素数4~6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3-ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3-ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
【0017】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴム中における、共役ジエン単量体単位(水素化されている部分も含む)の含有量は、全単量体単位に対して、20~90重量%であり、より好ましくは25~80重量%、さらに好ましくは30~70重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐熱性や耐化学的安定性を良好に保ちながら、ゴム弾性に優れたものとすることができる。
【0018】
また、本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムは、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体、および共役ジエン単量体に加えて、カルボキシル基含有単量体を共重合したものであってもよい。
【0019】
カルボキシル基含有単量体としては、エステル化等されていない無置換の(フリーの)カルボキシル基を1個以上有する単量体であれば特に限定されないが、たとえば、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体、およびα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体などが挙げられる。また、カルボキシル基含有単量体には、これらの単量体のカルボキシル基がカルボン酸塩を形成している単量体も含まれる。さらに、α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸の無水物も、共重合後に酸無水物基を開裂させてカルボキシル基を形成するので、カルボキシル基含有単量体として用いることができる。
【0020】
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
【0021】
α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体としては、フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アリルマロン酸、テラコン酸などが挙げられる。また、α,β-不飽和多価カルボン酸の無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
【0022】
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn-ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn-ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn-ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn-ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;などが挙げられる。
【0023】
カルボキシル基含有単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。これらの中でも、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルがより好ましい。
【0024】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴム中における、カルボキシル基含有単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、0.5~12重量%であり、より好ましくは1~10重量%、さらに好ましくは2~8重量%である。
【0025】
また、本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムは、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体、および共役ジエン単量体、ならびに、必要に応じて用いられるカルボキシル基含有単量体に加えて、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体を共重合したものであってもよい。
【0026】
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、特に限定されないが、たとえば、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
【0027】
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル単量体としては、アルキル基として、炭素数が3~10であるアルキル基を有するものが好ましく、炭素数が3~8であるアルキル基を有するものがより好ましく、炭素数が4~6であるアルキル基を有するものがさらに好ましい。
【0028】
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ドデシルなどのアクリル酸アルキルエステル単量体;アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル単量体;アクリル酸メチルシクロペンチル、アクリル酸エチルシクロペンチル、アクリル酸メチルシクロヘキシルなどのアクリル酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ペンチル、メタクリル酸n-オクチルなどのメタクリル酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロペンチルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル単量体;メタクリル酸メチルシクロペンチル、メタクリル酸エチルシクロペンチル、メタクリル酸メチルシクロヘキシルなどのメタクリル酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;クロトン酸プロピル、クロトン酸n-ブチル、クロトン酸2-エチルヘキシルなどのクロトン酸アルキルエステル単量体;クロトン酸シクロペンチル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸シクロオクチルなどのクロトン酸シクロアルキルエステル単量体;クロトン酸メチルシクロペンチル、クロトン酸メチルシクロヘキシルなどのクロトン酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;などが挙げられる。
【0029】
また、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、アルコキシアルキル基として、炭素数が2~8であるアルコキシアルキル基を有するものが好ましく、炭素数が2~6であるアルコキシアルキル基を有するものがより好ましく、炭素数が2~4であるアルコキシアルキル基を有するものがさらに好ましい。
【0030】
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸エトキシドデシル、アクリル酸n-プロポキシエチル、アクリル酸i-プロポキシエチル、アクリル酸n-ブトキシエチル、アクリル酸i-ブトキシエチル、アクリル酸t-ブトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸メトキシブチルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体;メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸エトキシペンチル、メタクリル酸n-プロポキシエチル、メタクリル酸i-プロポキシエチル、メタクリル酸n-ブトキシエチル、メタクリル酸i-ブトキシエチル、メタクリル酸t-ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸メトキシブチル、メトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのメタクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体;などが挙げられる。
【0031】
また、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸α-シアノエチル、メタクリル酸α-シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどの炭素数2~12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルなどの炭素数1~12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどの炭素数1~12のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;などを用いることもできる。
【0032】
これらα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体のなかでも、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体が好ましく、アクリル酸アルキルエステル単量体、アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体がより好ましい。また、これらα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0033】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴム中における、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、12~50重量%であり、より好ましくは15~45重量%、さらに好ましくは18~40重量%である。
【0034】
また、本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムは、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体、および共役ジエン単量体、ならびに、必要に応じて用いられるカルボキシル基含有単量体および/またはα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体に加えて、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものであってもよい。このようなその他の単量体としては、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル単量体、エチレン、α-オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが例示される。
【0035】
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル単量体としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジn-ブチルなどのマレイン酸ジアルキルエステルであってアルキル基の炭素数が1~18のもの;フマル酸ジメチル、フマル酸ジn-ブチルなどのフマル酸ジアルキルエステルであってアルキル基の炭素数が1~18のもの;マレイン酸ジシクロペンチル、マレイン酸ジシクロヘキシルなどのマレイン酸ジシクロアルキルエステルであってシクロアルキル基の炭素数が4~16のもの;フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシルなどのフマル酸ジシクロアルキルエステルであってシクロアルキル基の炭素数が4~16のもの;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジn-ブチルなどのイタコン酸ジアルキルエステルであってアルキル基の炭素数が1~18のもの:イタコン酸ジシクロヘキシルなどのイタコン酸ジシクロアルキルエステルであってシクロアルキル基の炭素数が4~16のもの;などが挙げられる。
【0036】
α-オレフィン単量体としては、炭素数が3~12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0037】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
【0038】
フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
【0039】
共重合性老化防止剤としては、N-(4-アニリノフェニル)アクリルアミド、N-(4-アニリノフェニル)メタクリルアミド、N-(4-アニリノフェニル)シンナムアミド、N-(4-アニリノフェニル)クロトンアミド、 N-フェニル-4-(3-ビニルベンジルオキシ)アニリン、N-フェニル-4-(4-ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0040】
これらの共重合可能なその他の単量体は、複数種類を併用してもよい。本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴム中における、その他の単量体の単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0041】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムのヨウ素価は、好ましくは120以下であり、より好ましくは80以下、さらに好ましくは50以下、さらにより好ましくは30以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは12以下である。水素化ニトリル基含有ゴムのヨウ素価を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化がより抑制されたものとすることができる。
【0042】
本発明で用いる水素化ニトリル基含有ゴムのポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10~200、より好ましくは15~150、さらに好ましくは15~100、特に好ましくは30~80である。水素化ニトリル基含有ゴムのポリマー・ムーニー粘度を上記範囲とすることにより、ゴム組成物とした場合における、ゴム組成物の加工性を良好に保ちながら、得られるゴム架橋物の機械特性をより高めることができる。
【0043】
本発明で用いる水素化ニトリルゴムとしては、たとえば日本ゼオン株式会社の製造するZetpol(登録商標)などが使用できる。
【0044】
本発明の架橋性ゴム組成物は、上述した水素化ニトリル基含有ゴムに、アミン系架橋剤を配合してなるものである。
本発明によれば、水素化ニトリル基含有ゴムに、アミン系架橋剤を組み合わせることにより、得られるゴム架橋物を、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制されたものとすることができ、そのため、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることができるものである。
【0045】
アミン系架橋剤としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物、または、架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、であれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基またはヒドラジド構造(-CONHNHで表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物および架橋時にその化合物の形態になるものが好ましい。
【0046】
アミン系架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物などの脂肪族多価アミン類;4,4-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、3,4-ジアミノジフェニルエーテル、4,4-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4-ジアミノベンズアニリド、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3,5-ベンゼントリアミンなどの芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタレン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ブラッシル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、アセトンジカルボン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸ジヒドラジド、アコニット酸ジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジドなどの多価ヒドラジド類;が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより一層顕著なものとすることができるという点より、脂肪族多価アミン類および芳香族多価アミン類が好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートおよび2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンがより好ましい。
【0047】
本発明の架橋性ゴム組成物中における、アミン系架橋剤の含有量は、特に限定されないが、水素化ニトリル基含有ゴム100重量部に対し、好ましくは0.1~20重量部であり、より好ましくは0.2~15重量部、さらに好ましくは0.5~10重量部である。アミン系架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の機械的特性をより良好なものとすることができる。
【0048】
また、本発明の架橋性ゴム組成物は、塩基性架橋促進剤をさらに含有していることが好ましい。
【0049】
塩基性架橋促進剤の具体例としては、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(以下「DBU」と略す場合がある)、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5(以下「DBN」と略す場合がある)、1-メチルイミダゾール、1-エチルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メトキシエチルイミダゾール、1-フェニル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-フェニルイミダゾール、1-メチル-2-ベンジルイミダゾール、1,4-ジメチルイミダゾール、1,5-ジメチルイミダゾール、1,2,4-トリメチルイミダゾール、1,4-ジメチル-2-エチルイミダゾール、1-メチル-2-メトキシイミダゾール、1-メチル-2-エトキシイミダゾール、1-メチル-4-メトキシイミダゾール、1-メチル-2-メトキシイミダゾール、1-エトキシメチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-4-ニトロイミダゾール、1,2-ジメチル-5-ニトロイミダゾール、1,2-ジメチル-5-アミノイミダゾール、1-メチル-4-(2-アミノエチル)イミダゾール、1-メチルベンゾイミダゾール、1-メチル-2-ベンジルベンゾイミダゾール、1-メチル-5-ニトロベンゾイミダゾール、1-メチルイミダゾリン、1,2-ジメチルイミダゾリン、1,2,4-トリメチルイミダゾリン、1,4-ジメチル-2-エチルイミダゾリン、1-メチル-フェニルイミダゾリン、1-メチル-2-ベンジルイミダゾリン、1-メチル-2-エトキシイミダゾリン、1-メチル-2-ヘプチルイミダゾリン、1-メチル-2-ウンデシルイミダゾリン、1-メチル-2-ヘプタデシルイミダゾリン、1-メチル-2-エトキシメチルイミダゾリン、1-エトキシメチル-2-メチルイミダゾリンなどの環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤;テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-オルト-トリルグアニジン、オルトトリルビグアニドなどのグアニジン系塩基性架橋促進剤;n-ブチルアルデヒドアニリン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン系塩基性架橋促進剤;ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘプチルアミンなどのジシクロアルキルアミン;N-メチルシクロペンチルアミン、N-ブチルシクロペンチルアミン、N-ヘプチルシクロペンチルアミン、N-オクチルシクロペンチルアミン、N-エチルシクロヘキシルアミン、N-ブチルシクロヘキシルアミン、N-ヘプチルシクロヘキシルアミン、N-オクチルシクロオクチルアミン、N-ヒドロキシメチルシクロペンチルアミン、N-ヒドロキシブチルシクロヘキシルアミン、N-メトキシエチルシクロペンチルアミン、N-エトキシブチルシクロヘキシルアミン、N-メトキシカルボニルブチルシクロペンチルアミン、N-メトキシカルボニルヘプチルシクロヘキシルアミン、N-アミノプロピルシクロペンチルアミン、N-アミノヘプチルシクロヘキシルアミン、ジ(2-クロロシクロペンチル)アミン、ジ(3-クロロシクロペンチル)アミンなどの二級アミン系塩基性架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、グアニジン系塩基性架橋促進剤、二級アミン系塩基性架橋促進剤および環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤が好ましく、環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤がより好ましく、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7および1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5がさらに好ましく、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7が特に好ましい。なお、上記環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤は、有機カルボン酸やアルキルリン酸などと塩を形成していてもよい。また、上記二級アミン系塩基性架橋促進剤は、アルキレングリコールや炭素数5~20のアルキルアルコールなどのアルコール類が混合されたものであってもよく、さらに無機酸および/または有機酸を含んでいてもよい。そして、当該二級アミン系塩基性架橋促進剤と前記無機酸および/または有機酸とが塩を形成しさらに前記アルキレングリコールと複合体を形成していてもよい。
【0050】
本発明の架橋性ゴム組成物中における、塩基性架橋促進剤の含有量は、特に限定されないが、水素化ニトリル基含有ゴム100重量部に対し、好ましくは0.1~20重量部であり、より好ましくは0.2~15重量部、さらに好ましくは0.5~10重量部である。
【0051】
また、本発明の架橋性ゴム組成物は、得られるゴム架橋物の機械的特性をより高めることができるという点より、充填剤を含有していることが好ましい。充填剤としては、ゴム分野において通常用いられている充填剤であれば何でもよく特に限定されず、有機充填剤および無機充填剤のいずれをも用いることができるが、その配合効果が高いという点より、無機充填剤が好ましい。
【0052】
無機充填剤としては、ゴムの配合用に通常用いられているものであればよく、たとえば、カーボンブラック、シリカ、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、酸化チタン、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、タルク、アタパルジャイト、ケイ酸マグネシウムカルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、結晶性アルミノケイ酸塩などが挙げられる。これらのなかでも、カーボンブラック、シリカ、クレーが好ましく用いられる。無機充填剤は、1種単独で、または複数種併せて用いることができる。
【0053】
カーボンブラックとしては、ゴムの配合用に通常用いられているものであればよく、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、およびグラファイトなどが挙げられる。
【0054】
シリカとしては、特に限定されないが、石英粉末、珪石粉末等の天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジル等)、含水珪酸等の合成シリカ;等が挙げられ、これらの中でも、合成シリカが好ましい。
【0055】
クレーとしては、含水ケイ酸アルミニウムを主成分とする天然鉱物であればよく、特に限定されないが、モンモリロナイト、パイロフィライト、カオリナイト、ハロイサイトおよびセリサイトなどが挙げられる。
【0056】
無機充填剤としては、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤等によるカップリング処理や、高級脂肪酸またはその金属塩、エステルもしくはアミド等の高級脂肪酸誘導体や界面活性剤等による表面改質処理を施したものを用いてもよい。この際に、無機充填剤として、予め表面改質処理を行ったものを用いてもよいし、あるいは、ゴム組成物を調製する際に、無機充填剤とともに、カップリング処理等の表面改質剤を配合することで、無機充填剤の表面改質処理を行うような態様を採用してもよい。
【0057】
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルファンなどの硫黄を含有するシランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基含有シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピル基含有シランカプリング剤;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカプリング剤;p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基含有シランカップリング剤;3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基含有シランカップリング剤;ジアリルジメチルシラン等のアリル基含有シランカップリング剤;テトラエトキシシラン等のアルコキシ基含有シランカップリング剤;ジフェニルジメトキシシラン等のフェニル基含有シランカップリング剤;トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフロロ基含有シランカップリング剤;イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン等のアルキル基含有シランカップリング剤;などが挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、 アルミニウムトリスアセチルアセトネートなどが挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデジル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートなどが挙げられる。
これらは1種または複数種併せて用いることができる。
【0058】
本発明の架橋性ゴム組成物中における、無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、水素化ニトリル基含有ゴム100重量部に対し、好ましくは1~200重量部であり、より好ましくは5~150重量部、さらに好ましくは10~100重量部、特に好ましくは20~80重量部である。無機充填剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、加熱環境下における耐油中硬化性により優れたものとすることができる。
【0059】
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、上記以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、たとえば、酸化亜鉛や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、メタクリル酸亜鉛やアクリル酸亜鉛などのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸金属塩、可塑剤、共架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、ジエチレングリコールなどの活性剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
【0060】
さらに、本発明の架橋性ゴム組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲で上記した、水素化ニトリル基含有ゴム以外のゴムを配合してもよい。水素化ニトリル基含有ゴム以外のゴムとしては、アクリルゴム、エチレン-アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどを挙げることができる。水素化ニトリル基含有ゴム以外のゴムを配合する場合における配合量は、水素化ニトリル基含有ゴム100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下が特に好ましい。
【0061】
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記各成分を好ましくは非水系で混合して調製される。本発明の架橋性ゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤や熱に不安定な成分(たとえば、架橋助剤など)を除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、ロールなどに移して架橋剤や熱に不安定な成分などを加えて二次混練することにより調製できる。
【0062】
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10~200℃、好ましくは25~120℃である。架橋温度は、通常、100~200℃、好ましくは130~190℃であり、架橋時間は、通常、1分~24時間、好ましくは2分~1時間である。
【0063】
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
【0064】
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を用いて得られるものであるため、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性の低下および体積変化が有効に抑制されたものであり、そのため、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることができるものであり、特に、酸またはアルカリを含有するガスに接触する用途、たとえば、ブローバイガスまたはEGRガスに接触する用途に好適に用いることができる。具体的には、本発明のゴム架橋物は、ブローバイガスホースや、EGRホース、さらには、これらに接続される、ガスケット、シール等として好適に用いることができる。
【0065】
また、本発明のゴム架橋物は、上記以外にも、O-リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、ウェルヘッドシール、ショックアブソーバシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventer)、プラターなどの各種シール材;インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;平ベルト(フィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、Vリブドベルト(シングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト、歯付ベルト、コンベアーベルト、などの各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材、クラッチフェーシング材などの減衰材ゴム部品;ダストカバー、自動車内装部材、摩擦材、タイヤ、被覆ケーブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することができる。
【実施例0066】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。以下において、特記しない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は以下のとおりである。
【0067】
<常態物性(引張強度、伸び)>
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6251:2017に従い、ゴム架橋物の引張強度、および破断時の伸びをそれぞれ測定した。
【0068】
<酸性水溶液浸漬試験>
上記常態物性の評価と同様にして得たシート状のゴム架橋物について、酸性水溶液浸漬試験を行った。具体的には、シート状のゴム架橋物を、オートクレーブ中で、酸性水溶液(硫酸600重量ppm、硝酸600重量ppm、酢酸1800重量ppmの混合水溶液)に、150℃、1008時間浸漬させた後、ゴム架橋物を酸性水溶液から取り出して、酸性水溶液浸漬試験後のゴム架橋物を得た。そして、酸性水溶液浸漬試験後のゴム架橋物について、上記した常態物性の評価と同様の方法にて、引張強度、および破断時の伸びをそれぞれ測定するとともに、酸性水溶液浸漬試験前の常態における引張強度、および破断時の伸びに対する、変化率をそれぞれ算出した。
また、酸性水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積と、酸性水溶液浸漬試験後のゴム架橋物の体積をそれぞれ測定し、酸性水溶液浸漬試験前後の体積変化率を下記式にしたがって測定した。なお、体積変化率の測定は、酸性水溶液浸漬試験における加熱時間を1008時間としたゴム架橋物に加え、酸性水溶液浸漬試験における加熱時間を504時間としたゴム架橋物に対しても行った。
酸性水溶液浸漬試験前後の体積変化率(%)=(酸性水溶液浸漬試験後のゴム架橋物の体積-酸性水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積)÷酸性水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積×100
【0069】
<アンモニア水溶液浸漬試験>
上記常態物性の評価と同様にして得たシート状のゴム架橋物について、アンモニア水溶液浸漬試験を行った。具体的には、シート状のゴム架橋物を、オートクレーブ中で、アンモニア水溶液(アンモニア3000重量ppmの水溶液)に、150℃、1008時間浸漬させた後、ゴム架橋物をアンモニア水溶液から取り出して、アンモニア水溶液浸漬試験後のゴム架橋物を得た。そして、アンモニア水溶液浸漬試験後のゴム架橋物について、上記した常態物性の評価と同様の方法にて、引張強度、および破断時の伸びをそれぞれ測定するとともに、アンモニア水溶液浸漬試験前の常態における引張強度、および破断時の伸びに対する、変化率をそれぞれ算出した。
また、アンモニア水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積と、アンモニア水溶液浸漬試験後のゴム架橋物の体積をそれぞれ測定し、アンモニア水溶液浸漬試験前後の体積変化率を下記式にしたがって測定した。なお、体積変化率の測定は、アンモニア水溶液浸漬試験における加熱時間を1008時間としたゴム架橋物に加え、アンモニア水溶液浸漬試験における加熱時間を504時間としたゴム架橋物に対しても行った。
アンモニア水溶液浸漬試験前後の体積変化率(%)=(アンモニア水溶液浸漬試験後のゴム架橋物の体積-アンモニア水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積)÷アンモニア水溶液浸漬試験前のゴム架橋物の体積×100
【0070】
<実施例1>
水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 2510」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:35.2重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45)100部に、カーボンブラック(商品名「シースト SO」、東海カーボン社製、無機充填剤)40部、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(商品名「アデカサイザー C-8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、ステアリン酸1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノール RL210」、東邦化学工業社製)1部、および4,4’-ジ-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部を配合して、ニーダにて50℃で5分間混合した。次いで、得られた混合物を50℃のロールに移して、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名「Diak#1」、デュポン社製、アミン系架橋剤)2.4部、および1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデセン-7(DBU)(商品名「RHENOGRAN XLA-60(GE2014)、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分も含む)、塩基性架橋促進剤)4部を配合して、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。
【0071】
そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上記方法に従い、常態物性(引張強度、伸び)の測定、ならびに、酸性水溶液浸漬試験およびアンモニア水溶液浸漬試験を行った。結果を表1に示す。
【0072】
<比較例1>
水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 2010」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:36.2重量%、ヨウ素価11以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)85)100部に、カーボンブラック(商品名「シースト SO」、東海カーボン社製、無機充填剤)40部、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(商品名「アデカサイザー C-8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、ステアリン酸1部、4,4’-ジ-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、および2-メルカプトベンズイミダゾール(商品名「ノクラックMB」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部を配合して、ニーダにて50℃で5分間混合した。次いで、得られた混合物を50℃のロールに移して、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(商品名「Vulcup40KE」、ハーキュレス社製、有機過酸化物架橋剤、40%品)8部を配合して、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。
【0073】
そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上記方法に従い、常態物性(引張強度、伸び)の測定、ならびに、酸性水溶液浸漬試験およびアンモニア水溶液浸漬試験を行った。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
<実施例1、比較例1の評価>
表1より、水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有する架橋性ゴム組成物によれば、得られるゴム架橋物を、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性(引張強度、伸び)の低下および体積変化が有効に抑制されたものとすることができるものであった(実施例1)。
一方、アミン系架橋剤に代えて、有機過酸化物架橋剤を用いた場合には、得られるゴム架橋物は、酸性環境下およびアルカリ性環境下における機械特性(引張強度、伸び)の低下および体積変化ともに大きくなる結果となった(比較例1)。
【0076】
<実施例2~230>
表2~表20に示す配合にて、架橋性ゴム組成物を得て、上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た。
なお、実施例2~230においては、各表に示す水素化ニトリル基含有ゴムと、配合剤とを各表に示す量にて配合して、50℃で5分間混合した後、得られた混合物を50℃のロールに移して、各表に示す架橋剤・架橋促進剤を配合して、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。
実施例2~230に係る架橋性ゴム組成物おいても、水素化ニトリル基含有ゴムと、アミン系架橋剤とを含有するため、得られたゴム架橋物は、実施例1と同様に、酸またはアルカリに接触する用途に好適に用いることができるものと考えられる。
【0077】
各表に示すゴムおよび配合剤は以下の通りである。
・Zetpol 1510:水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 1510」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:43.5重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)41)
・Zetpol 2510:水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 2510」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:35.2重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45)
・Zetpol 3710:水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 3710」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:23.6重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)48)
・Zetpol 3610:水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 3610」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:20.5重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)47.5)
・Zetpol 4610:水素化ニトリル基含有ゴム(商品名「Zetpol 4610」、日本ゼオン社製、アクリロニトリル単位含有量:15.5重量%、ヨウ素価12以下、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)50)
・シースト SO:カーボンブラック(商品名「シースト SO」、東海カーボン社製、無機充填剤)
・Nipsil ER:シリカ(商品名「Nipsil ER」、東ソー・シリカ社製、BET比表面積:111m/g)
・Burgess KE:表面処理クレー(商品名「Burgess KE」、バーゲスピグメント社製、シランカップリング剤で処理された珪酸アルミニウム、体積平均粒子径:1.5μm)
・アデカサイザー C-8:トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(商品名「アデカサイザー C-8」、ADEKA社製、可塑剤)
・アデカサイザー RS-107:アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(商品名「アデカサイザー RS-107」、ADEKA社製、可塑剤)
・フォスファノール RL210:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノール RL210」、東邦化学工業社製)
・ストラクトール HT750:加工助剤(商品名「ストラクトール HT-750」、シル+ザイラッハストラクトール社製)
・ノクラック CD:4,4’-ジ-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)
・Diak#1:ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名「Diak#1」、デュポン社製、アミン系架橋剤)
・BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(商品名「BAPP」、和歌山精化工業社製、アミン系架橋剤)
・XLA-60:1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデセン-7(DBU)(商品名「RHENOGRAN XLA-60(GE2014)、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分も含む)、塩基性架橋促進剤)
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
【表14】
【0091】
【表15】
【0092】
【表16】
【0093】
【表17】
【0094】
【表18】
【0095】
【表19】
【0096】
【表20】