(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066199
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230508BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20230508BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q20/40 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176780
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小浦 誠矢
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L055AA75
(57)【要約】
【課題】需要者候補及び供給者候補のニーズに対応するように与信情報の開示や取引成立に向けた支援を行うことができる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】需要者候補が操作する第1の利用者端末及び供給者候補が操作する第2の利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、供給者候補の情報及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を第1の利用者端末に表示させる手段と、需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を供給者候補の第2の利用者端末に表示させる手段と、供給者候補の第2の利用者端末から条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する手段と、を有し、回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を第2の利用者端末に表示させることにより上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要者候補が操作する第1の利用者端末及び供給者候補が操作する第2の利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、
前記第1の利用者端末において受け付けた取引に関する条件情報に応じて、1つ以上の供給者候補の情報、及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させる第1の表示制御手段と、
需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を、前記第1の利用者端末において選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末に表示させる第2の表示制御手段と、
前記選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末から、前記条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する操作内容受信手段と、
を有し、
前記第2の表示制御手段は、前記回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を、前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の表示制御手段は、供給者候補の与信情報を抽象化した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させ、
前記第2の表示制御手段は、需要者候補の与信情報を抽象化した第2の与信情報を前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の表示制御手段は、需要者候補の与信情報に基づく支払い計画を、第1の提案情報又は第2の提案情報として前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の利用者端末において需要者候補から供給者候補を指定した見積依頼を受け付けたあと、前記見積依頼を行った需要者候補と、前記見積依頼を受け付けた供給者候補と、に対して対話型履歴機能を提供する対話型履歴処理手段、
を更に有する請求項1乃至3の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の表示制御手段は、前記第2の利用者端末が供給者候補から見積書の送信依頼を受け付けたあと、前記見積書を前記第1の利用者端末に表示して、需要者候補からの発注依頼を受け付け、
前記第2の表示制御手段は、需要者候補からの発注依頼を前記第2の利用者端末に表示して、前記発注依頼に対する供給者候補からの承認を受け付けること
を特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2の表示制御手段は、前記承認を受け付けたあと、前記発注依頼を行った需要者候補の与信情報を、前記承認を受け付けた前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記発注依頼に対する前記承認により取引を開始した需要者と供給者との取引履歴を記憶部に記憶する記憶制御手段と、
前記取引履歴に応じて、供給者候補の与信情報から生成する第1の与信情報、及び需要者候補の与信情報から生成する第2の与信情報、を再計算する再計算手段と、
を更に有する請求項5又は6記載の情報処理装置。
【請求項8】
需要者候補が操作する第1の利用者端末及び供給者候補が操作する第2の利用者端末と通信可能な情報処理装置が行う情報処理方法であって、
前記第1の利用者端末において受け付けた取引に関する条件情報に応じて、1つ以上の供給者候補の情報、及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させる第1の表示制御ステップと、
需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を、前記第1の利用者端末において選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末に表示させる第2の表示制御ステップと、
前記選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末から、前記条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する操作内容受信ステップと、
を有し、
前記第2の表示制御ステップは、前記回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を、前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
前記第1の表示制御ステップは、供給者候補の与信情報を抽象化した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させ、
前記第2の表示制御ステップは、需要者候補の与信情報を抽象化した第2の与信情報を前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項8記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第2の表示制御ステップは、需要者候補の与信情報に基づく支払い計画を、第1の提案情報又は第2の提案情報として前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項8又は9記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記第1の利用者端末において需要者候補から供給者候補を指定した見積依頼を受け付けたあと、前記見積依頼を行った需要者候補と、前記見積依頼を受け付けた供給者候補と、に対して対話型履歴機能を提供する対話型履歴処理ステップ、
を更に有する請求項8乃至10の何れか一項記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第1の表示制御ステップは、前記第2の利用者端末が供給者候補から見積書の送信依頼を受け付けたあと、前記見積書を前記第1の利用者端末に表示して、需要者候補からの発注依頼を受け付け、
前記第2の表示制御ステップは、需要者候補からの発注依頼を前記第2の利用者端末に表示して、前記発注依頼に対する供給者候補からの承認を受け付けること
を特徴とする請求項11記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記第2の表示制御ステップは、前記承認を受け付けたあと、前記発注依頼を行った需要者候補の与信情報を、前記承認を受け付けた前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とする請求項12記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記発注依頼に対する前記承認により取引を開始した需要者と供給者との取引履歴を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
前記取引履歴に応じて、供給者候補の与信情報から生成する第1の与信情報、及び需要者候補の与信情報から生成する第2の与信情報、を再計算する再計算ステップと、
を更に有する請求項12又は13記載の情報処理方法。
【請求項15】
需要者候補が操作する第1の利用者端末及び供給者候補が操作する第2の利用者端末と通信可能な情報処理装置を、
前記第1の利用者端末において受け付けた取引に関する条件情報に応じて、1つ以上の供給者候補の情報、及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させる第1の表示制御手段、
需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を、前記第1の利用者端末において選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末に表示させる第2の表示制御手段、
前記選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末から、前記条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する操作内容受信手段、
として機能させ、
前記第2の表示制御手段は、前記回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を、前記第2の利用者端末に表示させること
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
需要者候補が操作する第1の利用者端末、供給者候補が操作する第2の利用者端末、及び情報処理装置が通信可能な情報処理システムであって、
前記第1の利用者端末は、
前記情報処理装置からの制御に応じて画面を表示する第1の画面表示手段、
を有し、
前記第2の利用者端末は、
前記情報処理装置からの制御に応じて画面を表示する第2の画面表示手段、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記第1の利用者端末において受け付けた取引に関する条件情報に応じて、1つ以上の供給者候補の情報、及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を前記第1の利用者端末の前記第1の画面表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を、前記第1の利用者端末において選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末の前記第2の画面表示手段に表示させる第2の表示制御手段と、
前記選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末から、前記条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する操作内容受信手段と、
を有し、
前記第2の表示制御手段は、前記回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を、前記第2の利用者端末の前記第2の画面表示手段に表示させること
を特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータネットワーク上における企業間商取引において、企業間同士の決済における与信を判断する電子商取引システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば中小企業などをはじめとする企業間での商取引において、供給者候補の一例のサプライヤ(売り手)及び需要者候補の一例のバイヤー(買い手)には、取引相手の与信情報を知ってから交渉及び取引を開始したいというニーズ(欲求)が存在する。また、サプライヤ及びバイヤーには最終的に商取引するか分からない相手に対して与信情報を開示したくないというニーズも存在する。
【0004】
しかしながら、従来の電子商取引システムは、サプライヤ及びバイヤーの与信情報を全て開示するか、又は全く開示しておらず、サプライヤ及びバイヤーのニーズに対応できていなかった。このため、従来の電子商取引システムは、サプライヤ及びバイヤーのニーズに対応するように与信情報を開示しながら、取引成立までの支援を行えないという課題があった。
【0005】
なお、例えば特許文献1は、電子商取引サイトにおける参加企業ユーザの顧客情報を電子商取引サイトの運営者のみが認識することができ、参加企業ユーザ間では取引成立後の納品・デリバリー及び決済まで終始完全に秘匿化させるものであり、上記課題を解決するものではない。
【0006】
本発明の一実施形態は、需要者候補及び供給者候補のニーズに対応するように与信情報の開示や取引成立に向けた支援を行うことができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、需要者候補が操作する第1の利用者端末及び供給者候補が操作する第2の利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、前記第1の利用者端末において受け付けた取引に関する条件情報に応じて、1つ以上の供給者候補の情報、及び供給者候補の与信情報から生成した第1の与信情報を前記第1の利用者端末に表示させる第1の表示制御手段と、需要者候補の情報、需要者候補の与信情報から生成した第2の与信情報、及び需要者候補の与信情報に基づく第1の提案情報を、前記第1の利用者端末において選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末に表示させる第2の表示制御手段と、前記選択を受け付けた供給者候補の前記第2の利用者端末から、前記条件情報に対する回答情報の作成に関する操作の内容を受信する操作内容受信手段と、を有し、前記第2の表示制御手段は、前記回答情報に基づき、第1の提案情報から修正した第2の提案情報を、前記第2の利用者端末に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、需要者候補及び供給者候補のニーズに対応するように与信情報の開示や取引成立に向けた支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
【
図6】与信ランクの決定に利用する表の一例の構成図である。
【
図7】応募サプライヤ一覧画面の一例のイメージ図である。
【
図8】応募サプライヤ画面の一例のイメージ図である。
【
図10】支払い計画が表示された見積書作成画面の一例のイメージ図である。
【
図11】提案する支払い計画の一例について説明する図である。
【
図12】アラートが表示された見積書作成画面の一例のイメージ図である。
【
図13】サプライヤによる見積書の作成及び送信処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示す情報処理システム1は、情報処理装置10、第1の利用者端末12、及び第2の利用者端末14を有し、ネットワーク18を介して通信を行う。ネットワーク18は、インターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0012】
第1の利用者端末12は、例えば需要者候補の一例であるバイヤー等が操作する情報処理端末である。バイヤーは、例えば課題を解決するために商品又はサービスを購入する企業等の担当者等である。第1の利用者端末12は、例えばPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。なお、本実施形態において、企業等とは、大企業、中小企業などの規模に限定されない。また、本実施形態において、企業等とは、法人および個人事業主を含むものである。法人は、株式会社や合同会社、有限会社などの営利法人、学校法人や医療法人などの非営利法人、公庫や公団などの公法人を含む。
【0013】
第2の利用者端末14は、例えば供給者候補の一例であるサプライヤ等が操作する情報処理端末である。サプライヤは、例えば課題を解決するための商品又はサービスを販売する企業等の担当者等である。第2の利用者端末14は、例えばPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDAである。
【0014】
情報処理装置10は、本実施形態に係るマッチングサービス及び取引サービスを第1の利用者端末12を操作するバイヤー及び第2の利用者端末14を操作するサプライヤに提供する。本実施形態に係るマッチングサービスは、課題を解決したいバイヤーと、その課題を解決できる可能性のあるサプライヤとの間を取り持ち、バイヤーとサプライヤとを結び付けるサービスである。また、取引サービスは、マッチングサービスにより結びつけたバイヤーとサプライヤとの商談をサポートするサービスである。取引サービスは、例えば見積書、発注書、納品書、請求書、又は領収書などの作成、入金管理などをサポートする機能を提供する。情報処理装置10は、例えばPC、ワークステーション等により実現される。情報処理装置10は複数台のコンピュータにより実現してもよいし、例えばクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0015】
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置10の機能の少なくとも一部は、ネットワーク18を介して通信可能な他の情報処理装置に設けるようにしてもよい。また、情報処理装置10の機能の少なくとも一部は、第1の利用者端末12又は第2の利用者端末14に設けるようにしてもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報処理装置10、第1の利用者端末12、及び第2の利用者端末14は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0017】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0018】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0019】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0021】
なお、
図2に示したハードウェア構成は一例であり、
図2に示した構成要素を全て含む必要はなく、または、
図2に示した構成要素以外を含むものであってもよい。
【0022】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1は例えば
図3に示すような機能構成により実現される。
図3は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。なお、
図3の機能構成図は本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。情報処理装置10、第1の利用者端末12、及び第2の利用者端末14は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば
図3の機能構成を実現する。
【0023】
第1の利用者端末12は、通信部70、第1の画面表示部72、及び第1の操作受付部74を有する。通信部70は情報処理装置10との通信を行う。第1の画面表示部72はディスプレイ506に各種画面を表示させる。例えば第1の画面表示部72は情報処理装置10から受信したデータに従いディスプレイ506に各種画面を表示する。第1の操作受付部74はバイヤーからの操作を受け付け、受け付けた操作に従い、処理を行う。例えば第1の操作受付部74はディスプレイ506に表示した各種画面に対するバイヤーからの操作を受け付け、受け付けた操作に従い、処理を行う。
【0024】
第2の利用者端末14は、通信部80、第2の画面表示部82、及び第2の操作受付部84を有する。通信部80は情報処理装置10との通信を行う。第2の画面表示部82はディスプレイ506に各種画面を表示させる。例えば第2の画面表示部82は情報処理装置10から受信したデータに従いディスプレイ506に各種画面を表示する。第2の操作受付部84はサプライヤからの操作を受け付け、受け付けた操作に従い、処理を行う。例えば第2の操作受付部84はディスプレイ506に表示した各種画面に対するサプライヤからの操作を受け付け、受け付けた操作に従い、処理を行う。
【0025】
情報処理装置10は、通信部20、第1の表示制御部22、第2の表示制御部24、操作内容受信部26、抽象化部28、マッチングサービス部30、取引サービス部32、対話型履歴処理部34、提案処理部36、記憶制御部38、再計算部40、与信情報記憶部50、企業情報記憶部52、案件情報記憶部54、及び取引情報記憶部56を有する。
【0026】
通信部20は第1の利用者端末12、及び第2の利用者端末14との通信を行う。第1の表示制御部22は第1の利用者端末12に表示させる各種画面を制御する。例えば第1の表示制御部22は第1の利用者端末12に、バイヤー用の各種画面を表示させる。第2の表示制御部24は第2の利用者端末14に表示させる各種画面を制御する。例えば第2の表示制御部24は第2の利用者端末14に、サプライヤ用の各種画面を表示させる。
【0027】
なお、第1の表示制御部22は第1の利用者端末12の第1の画面表示部72において各種画面の表示を可能とするデータを、通信部20を介して第1の利用者端末12に送信してもよい。また、第2の表示制御部24は第2の利用者端末14の第2の画面表示部82において各種画面の表示可能とするデータを、通信部20を介して第2の利用者端末14に送信してもよい。
【0028】
操作内容受信部26は、第1の利用者端末12においてバイヤーから受け付けた操作の内容を受信する。また、操作内容受信部26は、第2の利用者端末14においてサプライヤから受け付けた操作の内容を受信する。例えば操作内容受信部26は第1の利用者端末12のディスプレイ506に表示した各種画面に対するバイヤーからの操作の内容を受信する。また、操作内容受信部26は第2の利用者端末14のディスプレイ506に表示した各種画面に対するサプライヤからの操作の内容を受信する。
【0029】
抽象化部28はバイヤー及びサプライヤに提示する与信情報を抽象化する。例えば抽象化部28はサプライヤの詳細な与信情報からバイヤーに必要な情報(例えばサプライヤの企業活力や取引規模など)を抽象化し、バイヤーに提示する与信情報とする。また、抽象化部28はバイヤーの詳細な与信情報からサプライヤに必要な情報(例えばバイヤーの資本構成やキャッシュフローなど)を抽象化し、サプライヤに提示する与信情報とする。
【0030】
マッチングサービス部30は、課題を解決したいバイヤーと、その課題を解決できる可能性のあるサプライヤとのマッチングを行う。マッチングサービス部30は、相性の良いバイヤーとサプライヤとの組み合わせを候補として数社に絞り、バイヤー及びサプライヤに提案する処理を行う。
【0031】
取引サービス部32は、マッチングサービス部30によりマッチングされたバイヤーとサプライヤとの商談をサポートする処理を行う。対話型履歴処理部34はバイヤーとサプライヤとにチャット機能などの対話型履歴機能を提供する。提案処理部36は、与信情報に基づく提案処理を行う。例えば提案処理部36は、取引サービスにおいて、バイヤーの与信情報に基づく支払い計画をサプライヤに提案(レコメンド)する。
【0032】
記憶制御部38は、例えば与信情報記憶部50、企業情報記憶部52、案件情報記憶部54、及び取引情報記憶部56などの記憶部に対する情報の書き込み、及び記憶部からの情報の読み出し、を制御する。例えば記憶制御部38は取引を開始したバイヤーとサプライヤとの取引履歴を取引情報記憶部56に保存する。再計算部40は取引情報記憶部56が記憶している取引履歴に応じて、バイヤー及びサプライヤに提示する抽象化された与信情報を再計算する処理を行う。
【0033】
与信情報記憶部50はバイヤー及びサプライヤの抽象化した与信情報の一例である後述の与信ランクを記憶する。企業情報記憶部52はバイヤー及びサプライヤの詳細な与信情報を含む企業情報を記憶する。案件情報記憶部54は、バイヤーが登録し、サプライヤが応募可能な案件情報を記憶する。取引情報記憶部56は、取引を開始したバイヤーとサプライヤとの取引履歴などの取引情報を記憶する。
【0034】
なお、
図3の機能構成は一例であって、情報処理装置10の機能の一部を他の情報処理装置に設けるようにしてもよい。情報処理装置10の機能構成は複数の情報処理装置で実現するようにしてもよい。
【0035】
<処理>
本実施形態に係る情報処理システム1の処理手順について説明する。
図4は本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
【0036】
ステップS10において、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、サプライヤに依頼したい内容を案件としてマッチングサービスに登録する。バイヤーは、例えば取引に関する条件情報(例えば依頼概要、希望価格、希望納期など)により依頼したい内容を示した案件をマッチングサービスに登録する。情報処理装置10のマッチングサービス部30は第1の利用者端末12から案件に関する情報を受信する。案件情報記憶部54は第1の利用者端末12から受信した案件に関する情報を保存する。
【0037】
ステップS12において、サプライヤは第2の利用者端末14を操作し、例えば
図5に示すような案件一覧画面1000を表示する。
図5は案件一覧画面の一例のイメージ図である。案件一覧画面1000は、案件情報記憶部54に保存された案件のうち、サプライヤが応募可能な案件一覧を表示する。
図5の案件一覧画面1000はサプライヤが応募可能な案件ごとに、依頼概要、バイヤーの企業名、バイヤーの与信ランク、希望価格、及び希望納期を表示している例である。
【0038】
依頼概要は、例えば「ホームページの作成に関して」など、バイヤーからの依頼の内容を概要的に表した情報の一例である。バイヤーの企業名は、案件を登録したバイヤーを識別する識別情報の一例である。バイヤーの与信ランクは、バイヤーの詳細な与信情報からサプライヤに必要な情報(例えばバイヤーの資本構成やキャッシュフローなど)を抽象化した、サプライヤに提示する与信情報の一例である。バイヤーの与信ランクは、第2の与信情報の一例である。希望価格は、バイヤーが希望する支払い金額を表している。希望納期は、バイヤーが希望する納品日を表している。
【0039】
図5の案件一覧画面1000に表示されるバイヤーの与信ランクは、例えば
図6の表に基づいて、以下のように決定する。
図6は与信ランクの決定に利用する表の一例の構成図である。
図6は、バイヤーの詳細な与信情報からサプライヤに必要な情報を3段階に抽象化する例を示している。抽象化部28は、バイヤーの詳細な与信情報のうち、バイヤーの資本構成やキャッシュフローなどのサプライヤに必要な情報を点数化し、
図6の表に基づいてバイヤーの与信ランク(抽象化されたランク)を決定できる。
【0040】
なお、
図6は一例であって、3段階以外であってもよく、また、ランク分けする境界値を状況に応じて変化できるようにしてもよい。また、抽象化部28は、バイヤーの詳細な与信情報をテキスト解析し、テキスト解析の結果に基づいてサプライヤに必要な情報を点数化して、
図6の表から与信ランクを決定してもよい。
【0041】
抽象化部28は、バイヤーの詳細な与信情報のうち、例えば「企業価値○○円」「営業利益○○円」「負債利子○○円」などのサプライヤに必要な情報をテキスト解析し、点数化してもよい。例えば抽象化部28は、企業価値が「5000万円」なら「3ポイント」となるように点数化し、企業価値が「1億円」以上なら「10ポイント」となるように点数化する。
【0042】
バイヤーの詳細な与信情報のうち、サプライヤに必要な情報をテキスト解析し、点数化する処理は、以下のように実行してもよい。抽象化部28は、バイヤーの詳細な与信情報に含まれるテキストデータを、一文ずつに分割する。抽象化部28は、分割されたテキストデータから一文のテキストデータを読み出す。抽象化部28は、読み出した一部のテキストデータに対し、形態素解析を行い、企業価値、営業利益、負債利子などのサプライヤに必要なバイヤーの情報を抽出できる。
【0043】
なお、テキストデータからサプライヤに必要な情報を抽出する処理は、機械学習により抽出精度を向上させることができる。ここで、機械学習とはコンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し、新たなデータについて、これを適用して予測を行う技術のことを言う。
【0044】
機械学習の為の学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、又は深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0045】
図5の案件一覧画面1000は、サプライヤが応募可能な案件が与信ランクでソートされた例を示している。
図5の案件一覧画面1000は一例であって、サプライヤが応募可能な案件ごとに、表示される情報の種類が異なっていてもよい。
【0046】
サプライヤは第2の利用者端末14を操作し、例えば
図5の案件一覧画面1000に表示された案件に応募できる。例えば
図5の案件一覧画面1000に表示された案件に応募する場合、サプライヤは見積もり価格、納品可能日などの情報をマッチングサービスに登録する。情報処理装置10のマッチングサービス部30は第2の利用者端末14から案件への応募の情報を受信する。案件情報記憶部54は第2の利用者端末14から受信した案件への応募の情報を保存する。
【0047】
ステップS14において、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、例えば
図7に示すような応募サプライヤ一覧画面1100を表示する。
図7は応募サプライヤ一覧画面の一例のイメージ図である。
図7の応募サプライヤ一覧画面1100は、例えば第1の利用者端末12を操作するバイヤーが登録した案件ごとに、その案件に応募したサプライヤ一覧を表示する。また、
図7の応募サプライヤ一覧画面1100は、案件に応募したサプライヤごとに、サプライヤの企業名、サプライヤの与信ランク、及び見積もり価格を表示している例である。
【0048】
サプライヤの企業名は案件に応募したサプライヤを識別する識別情報の一例である。サプライヤの与信ランクは、サプライヤの詳細な与信情報からバイヤーに必要な情報(例えばサプライヤの企業活力や取引規模など)を抽象化した、バイヤーに提示する与信情報の一例である。サプライヤの与信ランクは第1の与信情報の一例である。見積もり価格は、サプライヤが提案する請求金額を表している。
【0049】
図7の応募サプライヤ一覧画面1100に表示されるサプライヤの与信ランクは、例えば前述した
図6の表に基づいて、以下のように決定する。
図6は、サプライヤの詳細な与信情報からバイヤーに必要な情報を3段階に抽象化する例を示している。抽象化部28はサプライヤの詳細な与信情報のうち、サプライヤの企業活力や取引規模などのバイヤーに必要な情報を点数化し、
図6の表に基づいてサプライヤの与信ランク(抽象化されたランク)を決定できる。
【0050】
なお、
図6は一例であって、3段階以外であってもよく、また、ランク分けする境界値を状況に応じて変化できるようにしてもよい。また、抽象化部28は、サプライヤの詳細な与信情報をテキスト解析し、テキスト解析の結果に基づいてバイヤーに必要な情報を点数化して、
図6の表から与信ランクを決定してもよい。
【0051】
抽象化部28はサプライヤの詳細な与信情報のうち、例えば「生産能力が○○%アップしました」「○○という人材を獲得しました」「○○という認定資格を取得しています」などのバイヤーに必要な情報をテキスト解析し、点数化してもよい。例えば抽象化部28はテキスト解析の結果から、プラスの文章、マイナスの文章、及び重要な文章に分け、プラスの文章なら「1ポイント加算」となるように点数化し、マイナスの文章なら「1ポイント減算」となるように点数化し、重要な文章なら「10ポイント加算」となるように点数化してもよい。
【0052】
サプライヤの詳細な与信情報のうち、バイヤーに必要な情報をテキスト解析し、点数化する処理は、以下のように実行してもよい。抽象化部28は、サプライヤの詳細な与信情報に含まれるテキストデータを、一文ずつに分割する。抽象化部28は、分割されたテキストデータから一文のテキストデータを読み出す。抽象化部28は、読み出した一部のテキストデータに対し、形態素解析を行い、生産能力、人材、認定資格などのバイヤーに必要なサプライヤの情報を抽出できる。なお、テキストデータからバイヤーに必要な情報を抽出する処理は、機械学習により抽出精度を向上させることができる。
【0053】
図7の応募サプライヤ一覧画面1100は、案件に応募したサプライヤが与信ランクでソートされた例を示している。
図7の応募サプライヤ一覧画面1100は一例であり、案件に応募したサプライヤごとに表示される情報の種類が異なっていてもよい。
【0054】
バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、例えば
図7の応募サプライヤ一覧画面1100を表示することで、案件に応募したサプライヤを確認できる。また、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、例えば
図7の応募サプライヤ一覧画面1100からサプライヤを選択することで、
図8に示すような応募サプライヤ画面1200を表示する。
図8は応募サプライヤ画面の一例のイメージ図である。
【0055】
図8の応募サプライヤ画面1200は、バイヤーにより応募サプライヤ一覧画面1100から選択されたサプライヤを対象とした画面例である。応募サプライヤ画面1200はタブ1202、1204、及び1206の切り替え操作をバイヤーから受け付けることにより、表示する情報を案件詳細情報、チャット履歴、又は見積書に切り替える。
【0056】
図8は案件詳細情報が表示された応募サプライヤ画面1200の例であり、応募サプライヤ一覧画面1100から選択されたサプライヤの企業名、与信ランク、見積もり価格、納品可能日、コメント、住所、及び企業Webサイトの情報が表示されている。チャット履歴が表示された応募サプライヤ画面1200では、バイヤーとサプライヤとが案件の詳細を相談できるチャット機能を提供する。見積書が表示された応募サプライヤ画面1200では、サプライヤが見積書を提出したあと、バイヤーが見積書を確認できる。
【0057】
また、
図8の応募サプライヤ画面1200は、バイヤーにより応募サプライヤ一覧画面1100から選択されたサプライヤを対象として見積依頼を行うことのできる見積依頼ボタン1208が設けられている。バイヤーは、見積依頼ボタン1208を押下することにより、応募サプライヤ一覧画面1100から選択したサプライヤに見積依頼を行うことができる。
【0058】
見積依頼ボタン1208を押下する操作を受け付けた第1の利用者端末12は、案件及びサプライヤを指定して情報処理装置10に見積依頼を行う。情報処理装置10は第1の利用者端末12から見積依頼を受け付ける。
【0059】
ステップS16において第1の利用者端末12から見積依頼を受け付けると、情報処理装置10は、ステップS18以降の処理を行う。ステップS16において情報処理装置10は第1の利用者端末12から見積依頼を受け付けなければ
図4のフローチャートの処理を終了する。
【0060】
ステップS18において、情報処理装置10は、第1の利用者端末12から受け付けた見積依頼に応じて、サプライヤによる見積書の作成、送信処理を行う。情報処理装置10のマッチングサービス部30は第1の利用者端末12から見積依頼を受け付けると、希望価格、希望納期、及びバイヤーの企業名などのバイヤーの情報と、見積もり価格、納品可能日、及びサプライヤの企業名などのサプライヤの情報とを、取引サービス部32に提供することで、取引サービス部32と連携する。
【0061】
バイヤーからの見積依頼を受け付けたあと、サプライヤは第2の利用者端末14を操作し、例えば
図9に示す見積書作成画面1300を表示する。
図9は見積書作成画面の一例のイメージ図である。
図9の見積書作成画面1300は、タブ1302、1304、及び1306の切り替え操作をサプライヤから受け付け、案件詳細情報の表示、見積もり作成の表示、又は支払い計画の表示に切り替える。
【0062】
図9は見積もり作成の表示の見積書作成画面1300の例である。
図9の見積書作成画面1300を操作することで、サプライヤは取引相手、件名、有効期限、納品物件、支払い条件、合計金額、及び備考を含む見積書を作成できる。また、
図10は支払い計画が表示された見積書作成画面の一例のイメージ図である。
図10の見積書作成画面1300は取引相手であるバイヤーの与信情報により、支払い計画をレコメンド内容として提案する画面例である。また、
図10の見積書作成画面1300は修正ボタン1310が設けられている。サプライヤは、修正ボタン1310を押下することにより、支払い計画を修正することができる。
図10の見積書作成画面1300によりレコメンド内容として提案されている支払い計画は、第1の提案情報又は第2の提案情報の一例である。
【0063】
さらに、サプライヤは案件詳細情報が表示された見積書作成画面において、バイヤーからの見積依頼を受け付けた案件の詳細情報を確認できる。
図9及び
図10に示した見積書作成画面1300は、サプライヤが作成した見積書をバイヤーに送付できる見積書送付ボタン1308が設けられている。サプライヤは、見積書送付ボタン1308を押下することにより、作成した見積書の送付依頼を行うことができる。見積書は、条件情報に対する回答情報の一例である。
【0064】
見積書送付ボタン1308を押下する操作を受け付けた第2の利用者端末14は、案件及びバイヤーを指定して情報処理装置10に見積書送付依頼を行う。情報処理装置10は第2の利用者端末14から見積書送付依頼を受け付け、見積書の送付処理を行う。
【0065】
ステップS20において、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、サプライヤにより作成された見積書を確認する。確認した見積書を修正したい場合、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、サプライヤに修正指示を行う。また、確認した見積書でサプライヤに発注依頼を行いたい場合、バイヤーは第1の利用者端末12を操作して、発注依頼を行う。
【0066】
ステップS22において修正指示があれば、情報処理装置10はステップS18の処理に戻り、サプライヤによる見積書の作成及び送付と、バイヤーによる見積書の確認と、を繰り返す。ステップS22において修正指示がなく、ステップS24において発注依頼があれば、情報処理装置10はステップS26の処理に進み、サプライヤによる承認操作を受け付ける。なお、ステップS24において発注依頼がなければ、情報処理装置10は
図4のフローチャートの処理を終了する。
【0067】
図10の見積書作成画面1300に表示された支払い計画は、例えば
図11に示すように提案できる。
図11は、提案する支払い計画の一例について説明する図である。
【0068】
情報処理装置10の提案処理部36は、第1の利用者端末12から見積依頼を受け付けると、マッチングサービスでの見積もり価格及び納品可能日と、バイヤーの与信情報とに基づいて、自動的に支払い計画を立てる。また、提案処理部36は見積もり価格及び納品可能日が変更されると、支払い計画を修正する。
【0069】
なお、提案処理部36は倒産予測値という与信情報を利用し、バイヤーの倒産確率を例えば「10」のランクでグレード分けしてもよい。提案処理部36はグレード「5」の倒産確率を基準として、グレード「1」に近付くほど倒産確率が低く、グレード「10」に近付くほど倒産確率が高い、と判断してもよい。
【0070】
例えば提案処理部36は倒産確率がグレード「1」~「5」のバイヤーに対して分割支払いを許可する支払い計画を立て、グレード「6」~「10」のバイヤーに対して分割支払いを許可しない支払い計画を立ててもよい。また、提案処理部36はグレード「1」に近付くほど、分割できる回数を増やし、グレード「10」に近付くほど、分割できる回数を少なくする支払い計画を立ててもよい。さらに、提案処理部36はグレード「10」に近付くほど、初期の支払い額が大きく設定される支払い計画を立ててもよい。どのような方針で支払い計画を立てるかは、サプライヤの判断で選択できるようにしてもよい。
【0071】
図10(A)は、バイヤーの倒産確率を「5」のランクでグレード分けし、グレードにより分割できる回数の上限を設定した例を示している。
図10(A)を利用する提案処理部36は、例えばグレード「1」のバイヤーの「100万円」の支払い計画として、例えば
図10(B)の支払い計画を立てる。
図10(B)の支払い計画は「20万円」の支払いを「5回」行う例である。また、
図10(A)を利用する提案処理部36は、例えばグレード「4」のバイヤーの「100万円」の支払い計画として、例えば
図10(C)の支払い計画を立てる。
図10(C)の支払い計画は「50万円」の支払いを「2回」行う例である。
【0072】
また、提案処理部36が立てる支払い計画は、例えばグレード「5」のバイヤーの「100万円」の支払い計画として、
図10(D)に示した支払い計画を立ててもよい。
図10(D)は「1回目」の支払いを見積もり価格の半分「50万円」とし、残りを均等支払いとする支払い計画の例である。初期の支払い額は、バイヤーの倒産確率のグレードにより変更する。
【0073】
図12はアラートが表示された見積書作成画面の一例のイメージ図である。バイヤーとサプライヤとの取引成立までに当初の見積もり価格は変更されることがある。サプライヤは見積もり価格の変更によりバイヤーの支払い能力が無くなれば、案件を受注したくなくなる。このため、提案処理部36は見積もり価格及びバイヤーの与信情報からバイヤーの支払い能力のリスクを分析し、大きなリスクがある場合に、アラート1312を表示するようにしてもよい。提案処理部36はバイヤーのキャッシュフローや資本金などの与信情報からバイヤーの支払い限度額を設定しておき、見積もり価格が支払い限度額を超えた場合にアラート1312を表示する。バイヤーの支払い限度額は、キャッシュフローや資本金をランク分けし、バイヤーのキャッシュフローや資本金のランクによって設定するようにしてもよい。
【0074】
図4のステップS18の処理は、例えば
図13に示すような手順で行われる。
図13はサプライヤによる見積書の作成及び送信処理の一例のフローチャートである。ステップS50において、第2の表示制御部24は見積書作成画面1300を第2の利用者端末14に表示させる。
【0075】
ステップS52において、操作内容受信部26は見積書の作成に必要な見積書データを受け付ける。ステップS54において、提案処理部36はバイヤーの与信情報に基づく支払い計画をサプライヤに提案する。また、ステップS56において、提案処理部36は見積もり価格、希望納期、及びバイヤーの与信情報等から、バイヤーの支払い能力のリスクを判定する。
【0076】
ステップS58において、提案処理部36はバイヤーの支払い能力に所定以上のリスクがあるか否かを判定する。所定以上のリスクがあれば、提案処理部36はステップS60において例えばアラート1312を表示する。所定以上のリスクがなければ、提案処理部36はステップS60の処理をスキップする。
【0077】
ステップS62において、取引サービス部32は見積書作成画面1300の見積書送付ボタン1308が押下されたか否かを判定する。見積書送付ボタン1308が押下されたと判定すると、取引サービス部32はサプライヤによる見積書の送信処理を行う。見積書送付ボタン1308が押下されたと判定しなければ、取引サービス部32はステップS64の処理をスキップする。
【0078】
図13のフローチャートの処理によりサプライヤが作成した見積書がバイヤーに送信されたあと、バイヤーは第1の利用者端末12を操作し、サプライヤにより作成された見積書を確認できる。確認した見積書でサプライヤに発注依頼を行いたい場合、バイヤーは第1の利用者端末12を操作して、発注依頼を行う。
【0079】
バイヤーにより発注依頼が行われたあと、サプライヤは第2の利用者端末14を操作して例えば
図14の承認画面1400を表示できる。
図14は承認画面の一例のイメージ図である。
図14に示した承認画面1400は、タブ1402、1404、1406、及び1408の切り替え操作をサプライヤから受け付け、案件詳細情報の表示、発注内容詳細の表示、支払い計画の表示、又は与信情報の表示に切り替える。
【0080】
図14は与信情報の表示の承認画面1400の例である。ここまで、バイヤーの与信情報は与信ランクにより示されていた。ところで、承認画面1400の表示は、バイヤーが発注依頼を行い、サプライヤが承認を行う段階で行われる。このため、承認画面1400を確認するサプライヤはバイヤーの支払い能力などのバイヤーの詳細な与信情報を確認したいというニーズが存在する。そこで、
図14の承認画面1400ではバイヤーの資本金やキャッシュフローなどのバイヤーの詳細な与信情報を表示している。サプライヤは
図14の承認画面1400においてバイヤーの詳細な与信情報を確認した上で、バイヤーからの発注依頼に対する承認操作を行うことができる。
【0081】
本実施形態に係る情報処理システム1では、マッチングサービス及び取引サービスで管理する情報がデータとして蓄積されていく。情報処理システム1は、蓄積されたデータを与信ランクの計算に利用することで、より精度を高めることが期待できる。
【0082】
例えば「企業Aが×××円の案件を受注して、納期通りに納品した」というデータが蓄積されると、本実施形態に係る情報処理システム1は「企業A」の与信ランクが高くなるように再計算を行ってもよい。また、例えば「企業Bが×××円の案件を発注して、納期通りに支払いを完了した」というデータが蓄積されると、本実施形態に係る情報処理システム1は「企業B」の与信ランクが高くなるように再計算を行ってもよい。さらに、例えば「企業Bが×××円の案件を発注して、納期通りに支払いを完了した」というデータが蓄積されると、本実施形態に係る情報処理システム1は「企業B」の支払い限度額が高くなるように再設定してもよい。
【0083】
情報処理装置10の取引サービス部32は、確定した支払い計画がある場合に、自動的に案件や取引情報から請求書を作成し、バイヤーに請求書を送信することで、請求書の発行の失念を防止するようにしてもよい。また、取引サービス部32はバイヤーの支払いを検知し、期日までに支払いが無ければ、アラートを通知することで、サプライヤが早期にリスクを検知できるようにしてもよい。
【0084】
以上、本実施形態によれば、バイヤー及びサプライヤのニーズに対応するように与信情報の開示や取引成立に向けた支援を行うことができる。
【0085】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0086】
実施例に記載された装置群は本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及び、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【符号の説明】
【0087】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 第1の利用者端末
14 第2の利用者端末
18 ネットワーク
20、70、80 通信部
22 第1の表示制御部
24 第2の表示制御部
26 操作内容受信部
28 抽象化部
30 マッチングサービス部
32 取引サービス部
34 対話型履歴処理部
36 提案処理部
38 記憶制御部
40 再計算部
50 与信情報記憶部
52 企業情報記憶部
54 案件情報記憶部
56 取引情報記憶部
72 第1の画面表示部
74 第1の操作受付部
82 第2の画面表示部
84 第2の操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】