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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067033
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230509BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20230509BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230509BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01L21/302 101H
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177959
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB07
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD14
2G084DD15
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084DD62
2G084FF15
5F004AA15
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB29
5F004BC08
5F004BD04
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA04
5F004CA06
5F004DA01
5F004DA26
5F004DB25
5F045AA08
5F045AC00
5F045AD04
5F045AE17
5F045BB15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EB03
5F045EB09
5F045EE13
5F045EF05
5F045EH02
5F045EH11
5F045EH20
5F045EJ03
5F045EM02
5F045EM05
5F045EM07
(57)【要約】
【課題】基板への処理によって当該基板の周囲に生じる堆積物の当該基板への付着を防止すること。
【解決手段】処理容器と、前記基板を処理するために処理空間にプラズマを形成するプラズマ形成機構と、前記基板を載置するために前記処理空間に設けられ、金属から成る部分を含むステージと、前記ステージにバイアス用の高周波を供給する第1の高周波電源と、平面視で前記ステージに重ならないように当該ステージを囲み、前記処理空間に面して設けられる絶縁体である上部リングと、前記上部リングを支持するために当該絶縁体リングの下方に設けられ、前記ステージの側周を囲むリング状の絶縁体である下部リングと、前記プラズマを前記上部リングへ引き込むために当該上部リングと前記下部リングとの間に設けられ、前記ステージから離れると共に前記絶縁体リングに沿って形成された金属部材と、を備えるように装置を構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に基板を格納する処理空間を備える処理容器と、
前記基板を処理するために前記処理空間にプラズマを形成するプラズマ形成機構と、
前記基板を載置するために前記処理空間に設けられ、金属から成る部分を含むステージと、
前記ステージにバイアス用の高周波を供給する第1の高周波電源と、
平面視で前記ステージに重ならないように当該ステージを囲み、前記処理空間に面して設けられる絶縁体である上部リングと、
前記上部リングを支持するために当該上部リングの下方に設けられ、前記ステージの側周を囲むリング状の絶縁体である下部リングと、
前記プラズマを前記上部リングへ引き込むために当該上部リングと前記下部リングとの間に設けられ、前記ステージから離れると共に前記上部リングの周に沿って形成された金属部材と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記金属部材は前記上部リングに設けられる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記金属部材は金属膜であり、当該金属膜を被覆する絶縁体膜が設けられる請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記金属膜の幅方向の中心位置は、前記上側リングの幅方向の中心位置よりも前記ステージ寄りに位置する請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記プラズマ形成機構は前記ステージの上方に設けられるアンテナと、当該アンテナに高周波を供給する第2の高周波電源と、により構成される請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記上部リングは、前記下部リングに対して着脱自在である請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項7】
内部に処理空間を備える処理容器に基板を格納する工程と、
プラズマ形成機構により、前記処理空間にプラズマを形成して前記基板を処理する工程と、
前記処理空間に設けられ、金属から成る部分を含むステージに前記基板を載置する工程と、
第1の高周波電源により、前記ステージにバイアス用の高周波を供給する工程と、
平面視で前記ステージに重ならないように当該ステージを囲み、前記処理空間に面して設けられる絶縁体である上部リングと、前記上部リングを支持するために当該上部リングの下方に設けられ、前記ステージの側周を囲むリング状の絶縁体である下部リングと、の間に設けられ、前記ステージから離れると共に前記上部リングの周に沿って形成された金属部材により、前記上部リングへ前記プラズマを引き込む工程と、
を備える基板処理方法。
【請求項8】
前記プラズマを形成して前記基板を処理する工程は、
前記プラズマ形成機構をなす前記ステージの上方に設けられるアンテナに、当該プラズマ形成機構をなす第2の高周波電源から高周波を供給する工程を含む請求項7記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に対して、エッチング等のプラズマ処理が行われる。そのプラズマ処理を行う装置について、基板上にプラズマを収束させるために当該基板を囲むリング部材が設けられ、且つ基板が載置されるステージを構成する電極にバイアス印加用の高周波が供給される構成とされる場合が有る。特許文献1~3はそのような構成を備えた装置について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-127090号公報
【特許文献2】特開平11-74099号公報
【特許文献3】特開2014-36026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板への処理によって当該基板の周囲に生じる堆積物の当該基板への付着を防止することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の基板処理装置は、内部に基板を格納する処理空間を備える処理容器と、
前記基板を処理するために前記処理空間にプラズマを形成するプラズマ形成機構と、
前記基板を載置するために前記処理空間に設けられ、金属から成る部分を含むステージと、
前記ステージにバイアス用の高周波を供給する第1の高周波電源と、
平面視で前記ステージに重ならないように当該ステージを囲み、前記処理空間に面して設けられる絶縁体である上部リングと、
前記上部リングを支持するために当該上部リングの下方に設けられ、前記ステージの側周を囲むリング状の絶縁体である下部リングと、
前記上部リングと前記下部リングとの間において前記プラズマを当該上部リングへ引き込むために設けられ、前記ステージから離れると共に平面視で前記上部リングの周に沿って形成された金属部材と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、基板への処理によって当該基板の周囲に生じる堆積物の当該基板への付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の基板処理装置の一実施形態に係るエッチング装置の縦断側面図である。
図2】前記エッチング装置に設けられるステージの縦断側面図である。
図3】前記ステージの縦断側面図である。
図4】前記ステージに設けられるフォーカスリングの概略下面図である。
図5】前記エッチング装置による処理時のステージを示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の基板処理装置の一実施形態であるエッチング装置1について、縦断側面図である図1を参照しながら説明する。このエッチング装置1は、処理ガスとしてエッチングガスを後述の処理容器12に供給し、この処理ガスをプラズマ化することで当該基板Gの表面に形成された膜をエッチングする。このプラズマは誘導結合プラズマである。基板Gは平面視で長方形であり、例えばFPD(Flat Panel Display)製造用のガラス基板である。より具体的には基板Gは、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、エレクトロルミネセンス(Electro Luminescence: EL) ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Pane:PDP)などの製造用の基板である。
【0009】
エッチング装置1は、角筒状で金属製であると共に接地された本体容器11を備えている。本体容器11の内部には金属製部材である金属窓2が設けられており、当該金属窓2によって本体容器11内は上側のアンテナ室3と下側の処理容器12とに区画されている。従って、金属窓2は処理容器12の天井壁をなす。そして処理容器12内は、基板Gを格納して処理するための処理空間13として構成されている。
【0010】
アンテナ室3の側壁と処理容器12の側壁との間には金属からなる支持棚18が設けられており、当該支持棚18は本体容器11の内側に突出する。そして上記の金属窓2は絶縁部材21を介して支持棚18に支持されることで、金属窓2は処理容器12に対して絶縁されている。また、金属窓2は横方向に分割されることで複数の分割部22をなす。一例として、この分割は金属窓2における中心部あるいは中心部付近から角部へ向う放射状の直線に沿って周方向になされる。ただし図示の便宜上、図1中ではその放射状の直線に沿った分割がなされているようには示していない。分割部22同士の間にも絶縁部材21が設けられており、分割部22間は絶縁されている。なお、そのように周方向の分割を行う事に加えて、金属窓2の中心部からの距離が異なる領域同士を分割してもよい。
【0011】
分割部22は、本体部23と、当該本体部23に対して下方側に設けられるシャワープレート24と、を備えている。シャワープレート24は複数のガス吐出口25を有し、各ガス吐出口25は、本体部23とシャワープレート24との間に形成されるガス拡散空間26に連通する。そして各分割部22のガス拡散空間26には、ガス供給部27から処理ガスが供給され、当該処理ガスはガス吐出口25から処理空間13へ吐出される。従って、金属窓2はシャワーヘッドをなす。
【0012】
アンテナ室3にはアンテナ31が設けられており、アンテナ31は金属窓2から離間すると共に金属窓に面している。アンテナ31は、金属窓2の周方向に沿って周回するように形成されている。具体的には当該アンテナ31については、例えば平面視で金属窓2の中心部を中心として多重に巻回されるコイル状の構成とすることができる。そして、アンテナ31には、整合器32を介して高周波電源33が接続されている。
【0013】
高周波電源33によってアンテナ31への高周波電力の供給を行うと、金属窓2を構成する各分割部22の上面に誘導電流が発生し、この誘導電流が、各分割部22の側面、下面、側面、上面を順に繰り返し流れる渦電流となる。この渦電流のうち分割部22の下面を流れる電流によって、処理空間13に誘導電界が形成されて処理ガスをプラズマ化させる。金属窓2が分割部22として互いに絶縁されると共に分割された構成とされていることにより、金属窓2の上面に生成した誘導電流が当該上面をループするのみの渦電流となることが抑制され、上記した金属窓2の下面(即ち、各分割部22の下面)を通過する渦電流となる。なお、巻回軸が金属窓2の上面に平行するように各々形成された複数のコイル状のアンテナセグメントを金属窓2の周方向に配置し、各アンテナセグメントに高周波を供給することで、上記した分割部22の下面を通過する渦電流を形成して、プラズマ化を行ってもよい。金属窓2、アンテナ31、整合器32及び第2の高周波電源である高周波電源33は、プラズマ形成機構を構成する。
【0014】
続いて、処理容器12の構成について説明する。処理容器12の側壁には、ゲートバルブ14により開閉される基板Gの搬送口15が形成されている。そして、処理容器12の底面における中央部には基板Gを載置するステージ4が設けられている。そして、当該底面におけるステージ4の周囲には、排気口16が複数開口している。排気機構17によって排気口16から排気されることで、処理容器12内が真空雰囲気とされた状態で、上記のプラズマが形成され、基板Gの処理が行われる。
【0015】
以降、ステージ4の縦断側面図である図2図3も参照して説明する。なお、図2図3は後述の絶縁体リング5及びフォーカスリング6について、互いに異なる位置の縦断側面を示している。ステージ4については、上面から下面に至るまでの側周面が平坦な角柱として構成されており、平面視にて周縁が載置対象の基板Gの周に沿うように長方形をなす。ステージ4は、金属製のブロック体である下部電極43を備えている。
【0016】
またステージ4の上部側は静電チャック44として構成されており、当該静電チャック44は下部電極43上に積層されて設けられている。静電チャック44はチャック用誘電体膜45と、当該チャック用誘電体膜45内に埋設されるチャック用電極46とからなる。基板Gに対する静電チャック44の静電吸着力が得られるように、チャック用電極46には直流電源47が接続されている。また、上記の下部電極43には、整合器48を介して高周波電源49が接続されている。第1の高周波電源である高周波電源49は静電チャック44上に載置される基板Gへのバイアス印加用であり、下部電極43への高周波の供給により、プラズマを構成するイオンが当該基板Gへ引き込まれるようにする。
【0017】
下部電極43内には温度調整された流体の流路が形成される。また、下部電極43を介して静電チャック44に向かい、当該静電チャック44の上面に開口する伝熱ガスの流路が形成されており、当該伝熱ガスを介して基板Gとステージ4との間での伝熱が行われる。そして、エッチング装置1の外部の搬送機構と、静電チャック44との間で基板Gを受け渡すためにリフトピンが、ステージ4を垂直方向に貫通し、静電チャック44の表面から突没するように設けられている。これらの温度調整用の流体の流路、伝熱ガスの流路及びリフトピンについては図示を省略している。
【0018】
また処理容器12の底面には絶縁体からなる支持部材40が設けられている。支持部材40は角型のリング状に構成されている。支持部材40は下部電極43の周縁部に沿って設けられており、当該支持部材40の内周縁部側は、当該下部電極43の周縁部を支持する。そして、この支持部材40上に絶縁体リング5が設けられている。絶縁体リング5は、ステージ4の側周を全周に亘って囲む角型のリングとして構成されており、処理空間13にプラズマを形成したときにステージ4の側周面における異常放電を抑制する役割を有する。絶縁体リング5は、下部電極43の上面よりも低い高さ位置から当該下部電極43の下面の高さ位置に亘るように設けられている。
【0019】
絶縁体リング5は縦断面視で矩形状であり、リングの内周縁部及び外周縁部を各々形成する絶縁体により構成されている。絶縁体リング5の内周側面は、ステージ4の外周側面に密着し、絶縁体リング5の底面は支持部材40の上面に密着している。
【0020】
上記した下部電極43の側面の各角部について、縦方向における一部の部位が切り欠かれて凹部53が形成されており(図3参照)、この凹部53に係合するように絶縁体からなる支持用部材54が設けられている。この支持用部材54の一部は下部電極43の外側に突出し、絶縁体リング5の内周側の角部における上面の切り欠き55に収まり、当該絶縁体リング5によって支持されている。その支持用部材54における下部電極43から突出する部位には、上方に向うピン56が2つ設けられ(図3では1つのみ表示している)、当該ピン56は平面視で見て矩形をなす下部電極43の2つの辺の各々の近傍に位置している。なお絶縁体リング5及び支持用部材54は、フォーカスリング6の内周縁側を支持する下部リングをなす。
【0021】
また処理容器12の底面上には、絶縁体リング5及び支持部材40を全周に亘って囲むように、角型のリング状であると共に絶縁体であるスペーサ57が設けられている。スペーサ57の内周側面は、支持部材40及び絶縁体リング5の各外周側面に密着している。
【0022】
絶縁体リング5及びスペーサ57上には、絶縁体であるフォーカスリング6が設けられている。なお、図4は、フォーカスリング6の下面を示している。上部リングである当該フォーカスリング6は角型リング状の部材であり、ステージ4の上部の外側を全周に亘って囲むと共に、その上面が処理空間13に面するように設けられ、当該上面と対向して(平行して)下面が設けられ、ステージ4に載置された基板Gの上方にプラズマを収束させる役割を有する。フォーカスリング6の内周縁、外周縁は、絶縁体リング5の内周端上、スペーサ57の外周端上に夫々位置する。従ってフォーカスリング6は、ステージ4とは平面視で重ならない。フォーカスリング6の上面は、静電チャック44の上面よりも僅かに下側に位置する。一方、静電チャック44の上面を載置領域として、基板Gはその周端が既述したステージ4の周縁よりも若干外側に位置するように載置される。従って、基板Gの周縁部の裏面とフォーカスリング6の内周縁部の上面との間には僅かながら隙間が生じる。
【0023】
フォーカスリング6は、4つの長尺な矩形状のプレート61により構成されている。上記したようにフォーカスリング6は角型リングであるので長方形の周をなすように構成されているが、4つのプレート61は、当該長方形の1つの角部と当該角部から伸びる1つの辺とを各々構成する。従って4つのうちの2つのプレート61は、他の2つのプレート61よりも長い。夫々のプレート61は、対向する1対の長さ方向に沿った側面と、長さ方向と直交すると共に対向する1対の端部の側面と、を有する。また、処理空間13に面する上面と、当該上面に対向する下面とを有する。プレート61間の位置関係をより詳しく述べておくと、1つのプレート61は、異なる側面において夫々他の2つのプレート61の側面に対向すると共に隣接している。より具体的には、一つのプレート61の一つの長さ方向の側面は、第1の他の一つのプレート61の一つの端部の側面と隣接する。そして、一つのプレート61の一つの端部の側面は、長さ方向の側面で接した第1の他の一つのプレートとは異なる第2の他の一つのプレート61の長さ方向の側面と隣接する。そして、4つのうちの互いに隣接する任意の2つのプレート61について見たとき、一のプレート61の長さ方向の延長線上に他のプレートの一端部が位置し、当該他のプレートの他端側は一のプレート61の長さ方向と直交する方向に伸びる。
【0024】
4つのプレート61の長さ方向の一端側、他端側の下面には各々凹部62が形成されている。図3で説明した支持用部材54のピン56が凹部62に差し込まれて嵌合し、各プレート61の横方向における位置が固定されることで、フォーカスリング6として構成される。なお、温度変化によるプレート61の伸縮に対応できるように、一つのプレート61における2つの凹部62のうちの一方の凹部62は、他方の凹部62よりもプレート61の長さ方向における長さが大きい。なお、上記のピン56はプレート61の位置決めの役割を有する他に、フォーカスリング6を支持する。従って、当該ピン56を介して、フォーカスリング6の内周縁側は絶縁体リング5に支持される。なおフォーカスリング6の外周縁側はスペーサ57に支持される。
【0025】
図3に示すようにプレート61の凹部62は、ピン56に対する取り外しが可能である。即ちフォーカスリング6については、絶縁体リング5及びスペーサ57に対して着脱自在な構成とされている。なお、凹部62とピン56との嵌合を利用する他に、ネジなどの固定具が併用されることで、プレート61の絶縁体リング5及びスペーサ57に対する取り付けが行われるようにしてもよい。そのように固定具を用いて取り付ける場合においても当該固定具を外すことで、プレート61は絶縁体リング5及びスペーサ57に対して取り外し可能であるものとする。
【0026】
フォーカスリング6の下面の平面視で絶縁体リング5と重なる領域に、金属膜63と、絶縁体膜64とが、例えば溶射により形成されている。金属膜63は例えばW(タングステン)により構成されており、絶縁体膜64は例えばY(酸化イットリウム)により構成されている。金属膜63はフォーカスリング6の周に沿って形成されている。より具体的に述べると、金属膜63は4つのプレート61の各々において、当該プレート61の長さ方向に沿って伸長するように、帯状に形成されている。そして隣接する一のプレート61の金属膜63と他のプレート61の金属膜63とは互いに離れていることで、フォーカスリング6の下面全体を見ると、この金属膜63については各角部で切れ目の有る角型の環状に形成されている。
【0027】
金属膜63におけるフォーカスリング6の内周縁側の縁と、当該フォーカスリング6の内周縁とは互いに離れている。つまり、金属膜63は下部電極43から離れて形成されている。金属膜63におけるフォーカスリング6の外周縁側の縁は、スペーサ57からフォーカスリング6の内周縁寄りに離れて位置し、且つステージ4に載置された基板Gの周端よりもフォーカスリング6の外周縁寄りに位置している。つまり、平面視において金属膜63の少なくとも一部はステージ4に載置された基板Gの外側に位置する。後にその作用を詳しく述べるが、金属膜63は高周波電源49の作用によって電位を有することで処理空間13におけるプラズマに作用し、基板Gへの処理によって生じる反応生成物がフォーカスリング6の上面における当該金属膜63の上方領域に堆積することを防止する役割を有する。
【0028】
絶縁体膜64は、処理空間13からフォーカスリング6の下面に進入したプラズマと金属膜63とが接触することで、異常放電(アーキング)が起きることを防止する役割を有している。その目的から、絶縁体膜64は、金属膜63が露出しないように当該金属膜63全体を被覆しており、金属膜63の縁と絶縁体膜64の縁とは離れている。従って絶縁体膜64についてもフォーカスリング6の周に沿って形成されており、より具体的には角型の環状に形成されている。そのように環状である絶縁体膜64の内周縁は、例えばフォーカスリング6の内周縁の位置に対して揃っており、絶縁体膜64の外周縁は、スペーサ57からステージ4寄りに離れて位置している。なお、絶縁体膜64及び金属膜63は、ピン56との干渉を避けるために凹部62及びその周辺には形成されていない。図4では、4つのうちの3つのプレート61に形成された絶縁体膜64について多数の点を付して示しており、他の1つのプレート61(図4の下方)の絶縁体膜64についてはその端縁を一点鎖線で示している。そして、当該他の1つのプレート61においては、金属膜63に斜線を付して示している。
【0029】
上記した金属膜63を設ける理由及びその作用について詳しく説明する。仮にフォーカスリング6に当該金属膜63が設けられていない装置構成であるものとして、先ず説明する。上記したステージ4を構成すると共にバイアス形成用の高周波が印加される下部電極43については、平坦で垂直な外周面を備えている。そのような外周面を備えるため、特許文献2、3に示されるような、下部電極43の外周面の一部が外方へ突出するフランジをなし、フォーカスリング6と当該フランジとが平面視で重なる構成とは異なっている。そして、そのようにフランジ(下部電極43の一部)とフォーカスリング6とが重ならない構成のため、下部電極43への高周波の供給によるフォーカスリング6上への電界の形成が抑制される。従ってこの電界の作用である、プラズマの活性種の一つであるイオンについてのフォーカスリング6の上面へ向けた引き込みが抑制される。従って、イオンのスパッタリングによるフォーカスリング6の上面におけるエッチング作用が抑制される。
【0030】
一方、基板Gを処理する処理ガスと処理対象である基板Gの表面に形成された膜などとから、反応生成物が生じる。上記したようにフォーカスリング6の上面へのエッチング作用が比較的小さいことで、その反応生成物はフォーカスリング6の上面に沿って堆積して環状膜60(後に図示する)となり、その環状膜60の内縁と基板Gとが比較的近くなってしまうおそれが有る。そうなると環状膜60が剥離して生じたパーティクルが基板Gに付着し、歩留りを低下させてしまうおそれが有る。
【0031】
金属膜63はそのような基板Gの近傍への反応生成物の堆積を防止し、上記の環状膜60と基板Gとの距離を比較的大きくする役割を有する。具体的にその作用について述べると、処理空間13におけるプラズマ形成時に、高周波電源49から下部電極43に高周波が供給されることで、下部電極43とプラズマとの間に電界が形成され、プラズマ中のイオンが下部電極43に向けて引き込まれて基板Gの処理がなされる。
【0032】
金属膜63と下部電極43は離間しているが、金属膜63は下部電極43付近に位置する。それゆえ、金属膜63と下部電極43との間の空間が容量成分とみなされて、上記の下部電極43への高周波の供給時に当該下部電極43から金属膜63へと高周波の一部が供給され、当該金属膜63に電位が生じる。そして金属膜63の上方にも電界が形成されることで、当該電界によりプラズマ中のイオンが下部電極43へ向けて引き込まれる。従って、フォーカスリング6の上面において、この金属膜63の直上領域及びその付近の領域におけるエッチング性が比較的高くなり、それらの領域における堆積物の環状膜60の形成が防止される。つまり、上記したように基板Gの近傍のフォーカスリング6の上面への反応生成物の堆積が防止される。
【0033】
ところで仮に金属膜63が既述した例よりもステージ4側に寄り、下部電極43に接した構成であるとする。その場合、金属膜63が絶縁体膜64の端に寄ることになるため、金属膜63と下部電極43との接触部について、処理空間13からフォーカスリング6の下面に進入し、当該接触部付近に流れたプラズマに対する絶縁性が不十分となり、異常放電が起こりやすくなると考えられる。従って当該放電を防止するにあたって、その接触部にてプラズマを遮蔽するための構造が複雑化してしまうおそれがある。見方を変えれば、金属膜63を下部電極43から離す配置とすることで、当該金属膜63の全体を被覆する絶縁体膜64を設けるという簡素な装置構成で当該放電を防止することができるので、そのような配置とすることが好ましい。
【0034】
また、金属膜63が下部電極43に接した構成であるとすると、基板Gへの処理に用いられる下部電極43へ向けて供給される高周波電源49のパワーの一部が、基板Gへの処理への寄与が小さい金属膜63へより多く分散して供給されることになる。従って、下部電極43へのパワーロスとなる。金属膜63の体積は下部電極43に比べて小さいのでこのパワーロス量としては僅かであるが、このようなロスを抑えて基板Gをより速やかに処理する観点から、既述したように金属膜63が下部電極43から離れた配置とすることが好ましい。
【0035】
また、金属膜63を設ける本構成では金属膜63を設ける範囲によって堆積物の環状膜60が形成される位置が制御されることになる。仮に、上記した下部電極43にフランジを設ける構成の装置で、装置の調整や試験のために当該フランジの幅を変更して当該堆積物の環状膜60が形成される位置を制御しようとしたとする。下部電極43が比較的大型の部材であるため、そのような形状の変更は大掛かりなものとなるおそれがあり、また下部電極43の周辺の各部材についても適宜大きさや位置等を変更することになる。つまり装置の設計変更としては大規模なものとなるので、装置のコストや手間が嵩むおそれがある。しかし金属膜63を設ける本構成によれば、金属膜63及び絶縁体膜64の位置を変更すればよいので装置の設計変更は小規模なものに留まることから、コストや手間が抑えられる。
【0036】
さらに金属膜63及び絶縁体膜64が設けられるフォーカスリング6が、上記したように絶縁体リング5及びスペーサ57に対して着脱自在であることからも、堆積物の環状膜60の位置の制御が容易である。例えば、金属膜63の形成された位置が異なるフォーカスリング6を複数用意し、フォーカスリング6を交換して用いることで当該位置の制御を行うことができる。
【0037】
ところで上記したようにフォーカスリング6の幅方向において金属膜63は一部のみに形成されている。そして、当該フォーカスリング6の幅方向の中心位置(図2中P1として表示)よりも金属膜63の幅方向の中心位置(図2中P2として表示)は、ステージ4寄りに位置している。このように金属膜63を形成することで、上記した反応生成物が堆積する位置をステージ4上の基板Gから比較的大きく離しつつ、金属膜63及び当該金属膜63を被覆する絶縁体膜64の形成範囲が広範囲(例えば、フォーカスリング6の下面の全体)となることを抑え、装置の製造コストの低減を図ることができる利点が有る。
【0038】
また、エッチング装置1は、制御部10を備えており(図1参照)、制御部10は、プログラムを含む。プログラムには、エッチング装置1の各部に制御信号を送信することで、後述する手順で基板Gの処理を実行するように命令(ステップ群)が組み込まれている。具体的に高周波電源33、49及び直流電源47のオンオフ、ガス供給部27からの処理ガスの供給、排気機構17の排気による処理空間13内の真空圧力の調整などの各動作が、上記の制御信号の送信により制御される。上記のプログラムは、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、DVDなどの記憶媒体に格納されて、制御部10にインストールされる。
【0039】
続いて、エッチング装置1の動作について説明する。図示しない搬送機構によって基板Gが処理容器12内に搬送されると図示しないリフトピンを介して、当該基板Gは温度調整されたステージ4上に載置され、伝熱ガスを介して基板Gが温度調整されると共に、処理容器12内が所望の圧力の真空雰囲気となるように排気される。そして、シャワープレート24から処理空間13に処理ガスが吐出されると共に、高周波電源33、49がオンになる。金属窓2においては上記した渦電流が形成され、処理ガスがプラズマ化する。その際に、ステージ4上では静電チャック44により、基板Gが吸着される。
【0040】
図5はこのプラズマ形成の際の状態を示す模式図であり、プラズマ中のイオンを矢印で示している。高周波電源49からの高周波の供給によって下部電極43上に電界が形成されて、処理空間13のプラズマ中のイオンが当該下部電極43に向けて下方に引き込まれ、基板Gの表面がエッチングされる。その際に生じた反応生成物がフォーカスリング6上に付着したとする。しかし、上記したようにフォーカスリング6の上面における金属膜63の直上の領域に向けてイオンが引き込まれ、当該領域及びその近傍の反応生成物がエッチングされる。そのため、反応生成物はそのようにエッチング性が比較的高い領域においては堆積できず、当該領域の外側にのみ堆積する。その結果、堆積物によって形成される環状膜60の内縁が、基板G付近に位置することが防止される。
【0041】
その後、シャワープレート24からの処理ガスの吐出が停止すると共に、高周波電源33、49がオフになることで基板Gの処理が停止し、基板Gはリフトピンと搬送機構を介して、ステージ4上から処理容器12の外側へ搬送される。以上に述べたようにエッチング装置1によれば、基板Gの処理によって生じる堆積物の環状膜60の位置を当該基板Gから比較的大きく離すことができるので、当該堆積物の基板Gへの付着が抑制される。
【0042】
なお、フォーカスリング6については、プレート61毎に形成された金属膜63全体を絶縁体膜64により被覆して異常放電が確実に防止されるようにするために、既述したように、フォーカスリング6全体で見た場合において金属膜63は切れ目の有る環状となるように形成されている。金属膜63が設けられない場合と比べて、基板Gの周全体に対して上記した堆積物の環状膜60の形成位置を基板Gから離すことができれば、このように金属膜63がなす環としては途切れたものであってよい。ただし、金属膜63が切れ目のない環を形成しているとすれば、より確実に基板Gの周全体と堆積物の環状膜60とを離すことができるので、そのように切れ目が無い構成であってもよい。即ち、フォーカスリング6(上部リング)の周に沿って金属膜63が形成されることは、切れ目が有る環状に金属膜63が形成されること、切れ目の無い環状に金属膜63が形成されることのいずれも含む。
【0043】
なお金属膜63及び絶縁体膜64は溶射により形成されるものとしたが、形成手法としては任意であり、膜を構成する材料について、めっき、蒸着、塗布などを用いて膜を形成してもよい。また、金属膜63を構成する金属については既述した効果を奏すればよいのでタングステンであることには限られず、任意の金属を用いることができる。絶縁体膜64についても、金属膜63を設けたことによる異常放電の発生を防止できればよいのでYであることには限られず、任意の絶縁体を用いることができる。
【0044】
ところで上記した例では堆積物の環状膜60が形成される位置を制御するために、金属部材として金属膜63を設けているが、金属部材としては金属膜63であることには限られず、例えば金属板であってもよい。そのように金属膜63の代わりに金属板を設けるにあたっては、例えばフォーカスリング6の下面に凹部を設けてその凹部内に当該金属板を配置する。そして、凹部に絶縁性の接着材若しくは充填材を充填して、凹部の側壁と金属板との隙間を当該接着材若しくは充填材で埋めると共に、金属膜の下面側を当該接着材若しくは充填材で被覆する。
【0045】
なお、そのように金属板が設けられると共に接着材若しくは充填材が充填される凹部についてはフォーカスリング6に設ける代りに絶縁体リング5の上面に設けられていてもよい。従って、金属部材としてはフォーカスリング6及び絶縁体リング5の間に設けられるが、フォーカスリング6及び絶縁体リング5のうちのいずれに対して金属部材が固定されて設けられた構成であってもよい。
【0046】
また、エッチング装置に本技術を適用した例を示したが、そのような装置に適用することに限られず、例えば成膜装置に適用してもよい。また、処理対象の基板の形状については上記した平面視で矩形状の基板に限られず、円形であってもよい。その場合には基板の形状に合わせてステージ4は平面視で円形とし、フォーカスリング6、絶縁体リング5、金属膜63及び絶縁体膜64の各部材は平面視で円環状にすればよい。なお、そのように円環とした場合においても、金属膜63には切れ目が有っても無くてもよい。
【0047】
また、上記したようにステージ4の上方に金属窓2及びアンテナ31を配置して渦電流を形成することによってプラズマを形成する装置に本技術を適用することに限られない。例えば下部電極43と対になる上部電極をなすシャワーヘッドを、ステージ4に対向するように、当該ステージ4の上方に配置する。そして、高周波電源33から当該シャワーヘッドにプラズマ形成用の高周波が供給される構成とすることができる。即ち平行平板型のプラズマ形成装置に本技術を適用してもよい。
【0048】
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更、組み合わせがなされてもよい。
【0049】
〔評価試験〕
本技術に関連する評価試験について説明する。この評価試験では上記したエッチング装置1と概ね同様の構成を備えた試験装置を用いて基板Gに対してエッチング処理を行い、その処理後のフォーカスリング6への堆積物の付着状況を調べた。この試験装置におけるエッチング装置1との差違として、フォーカスリング6を構成する4つのプレート61のうち、互いに隣接する2つには金属膜63及び絶縁体膜64が設けられていないことが挙げられる。また、他の互いに隣接する2つのプレート61についてはエッチング装置1と同様に、金属膜63及び絶縁体膜64が形成されているが、絶縁体膜64の厚さについてプレート61間で異なっている。
【0050】
上記したように絶縁体膜64は、金属膜63を被覆することで異常な放電を防止する役割を有する。装置の製造コストを抑える観点からは絶縁体膜64の厚さは小さい方が好ましいが、絶縁体膜64の厚さが小さすぎると絶縁体膜64に絶縁破壊が生じて上記の放電が起きてしまうおそれがある。この評価試験では、金属膜63の作用効果を確認する他に、適正な絶縁体膜64の厚さを検証することも目的としている。
【0051】
具体的には試験装置において、一のプレート61における絶縁体膜64の厚さは100μm、他のプレート61の絶縁体膜64の厚さは150μmとした。また、これらの絶縁体膜64に被覆される金属膜63の厚さは50μmとした。金属膜63、絶縁体膜64は実施形態で挙げた例と同じくW、Yにより夫々構成されている。また、金属膜63は26.5cmの幅を有するように形成されている。この金属膜63におけるフォーカスリング6の内周側の端は、当該フォーカスリング6の内周縁に対して2mm離れている。絶縁体膜64については30.5mmの幅を有するように形成されている。そして、実施形態で述べたように当該絶縁体膜64の内周縁側の端は、フォーカスリング6の内周縁に揃うように形成されている。
【0052】
評価試験の処理条件について述べる。処理ガスとしてはCFガス及びOガスの混合ガスを用い、処理中の処理空間13の圧力は10mTorr(1.33Pa)、高周波電源33、49への供給電力は各々20kWとした。また、実施の形態では説明を省略したが金属窓2及び処理容器12の側壁については、温度調整を行えるようにヒータや冷却流路などの温度調整機構が設けられている。当該金属窓2及び処理容器12の温度は80℃とした。また、ステージ4の温度は15℃とした。そして、基板Gに対するエッチング処理時間は2時間とした。なお、基板Gとしては堆積物の付着の確認を容易とするために、ポリイミドによって構成されたものを用いた。即ち、堆積物としてはポリイミドをエッチングすることにより生じさせた。
【0053】
エッチング後にフォーカスリング6の上面を観察すると、堆積物による環状膜60が形成されており、この環状膜60については、フォーカスリング6の内周縁に沿って直線状に伸びる部位を備えていた。その環状膜60の直線状の部位とフォーカスリング6の内周縁との距離が、プレート61間で異なっていた。金属膜63を形成していない2つのプレート61上では当該距離が18mmであり、金属膜63を形成した2つのプレート61上では、当該距離が28mmであった。従ってこの評価試験から、金属膜63を設けることで、基板Gの周端と堆積物の環状膜60との距離を大きくするという、実施形態で述べた効果が得られることが確認された。
【0054】
そして、エッチング後の金属膜63及び絶縁体膜64を設けた2つのプレート61の下面側を観察したところ、異常な放電が発生した形跡は見られなかったので、絶縁体膜64の膜厚としては100μm及び150μmのいずれも問題は無いことが確認された。従って、この評価試験からは絶縁体膜64の膜厚としては例えば100μm以上とすればよいことが確認され、その範囲の中で最も小さい膜厚である100μmとすることが好ましいことが示された。
【符号の説明】
【0055】
G 基板
1 エッチング装置
12 処理容器
13 処理空間
2 金属窓
33 高周波電源
4 ステージ
5 絶縁体リング
63 金属膜
図1
図2
図3
図4
図5