(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067142
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】通信用電線
(51)【国際特許分類】
H01B 11/06 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
H01B11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178148
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 清
(72)【発明者】
【氏名】藤松 拓也
(72)【発明者】
【氏名】笠原 甫
【テーマコード(参考)】
5G319
【Fターム(参考)】
5G319EA01
5G319EA02
5G319EB02
5G319EC02
5G319EC06
5G319ED01
5G319ED02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でサックアウト現象を抑える。
【解決手段】通信用電線1Aは、導体111の外周を絶縁体である絶縁被覆112で被覆した絶縁電線11A、11Bを対撚りした対撚り線2と、金属層と樹脂層とが積層され、対撚り線2の外周を覆い、対撚り線2の撚り方向と同方向へ巻かれた第1シールド13と、導電性を有し、金属層に接する位置に配置された第2シールド14と、第2シールド14の外周を被覆する樹脂で形成されたシース12Aと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体の外周を絶縁体で被覆した絶縁電線を対撚りした対撚り線と、
金属層と樹脂層とが積層され、前記対撚り線の外周を覆い、前記対撚り線の撚り方向と同方向へ巻かれた第1シールドと、
導電性を有し、前記金属層に接する位置に配置された第2シールドと、
前記第2シールドの外周を被覆する樹脂で形成されたシースと、
を有する通信用電線。
【請求項2】
前記第2シールドは、導電性を有する編組である
請求項1に記載の通信用電線。
【請求項3】
前記対撚り線の撚り角度と前記第1シールドの巻き角度が略同一の角度である
請求項1又は請求項2に記載の通信用電線。
【請求項4】
前記第1シールドは、前記金属層が外周側となるように巻かれている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信用電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信用電線に関する。
【背景技術】
【0002】
通信に用いられるケーブルの発明として、例えば特許文献1-3に開示されたケーブルがある。特許文献1に開示されているシールドケーブルは、第1電線、第2電線、ドレイン線、金属樹脂テープ、及びシースを有している。第1電線、第2電線及びドレイン線は、縒り合されてツイストケーブル4を構成している。金属樹脂テープは、ツイストケーブルの撚り方向と同一方向であって、導電層がドレイン線に沿って連続的に接触するようにツイストケーブル4の撚りピッチと略同一の巻きピッチでツイストケーブルに巻き回されている。シースは、金属樹脂テープの外周を覆うように形成されている。特許文献2に開示されているシールド電線は、撚り合わせた複数の絶縁線心の外周の間隙部にドレインワイヤが介在し、絶縁線心とドレインワイヤの外周に接するようにドレインワイヤと同一ピッチで横巻金属テープが巻かれている。特許文献3に開示されているツイストペアケーブルは、コア電線、金属樹脂テープ、及び外被を有している。コア電線は、内部導体と、内部導体を覆う絶縁体を有する。金属樹脂テープは、対撚りされたコア電線の外側に対撚りの方向と逆方向に巻き付けられてシールド層を形成している。外被は、シールド層の外周を樹脂で被覆、又は樹脂テープを巻き付けることにより形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-130707号公報
【特許文献2】特開平5-174641号公報
【特許文献3】特許第5391848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撚られた電線に対して金属樹脂テープをらせん巻きした構造のケーブルにおいて数GHz以上の高周波信号を伝送した場合、ケーブルの挿入損失がある特定の周波数で急激に増加する、所謂サックアウト現象が発生することが知られている。
【0005】
特許文献3に開示されているツイストペアケーブルでは、コア電線の撚り方向と金属樹脂テープの巻き方向が逆であることから、サックアウト現象を抑制することができない。
【0006】
特許文献1のシールドケーブルでは、ツイストペアケーブルの撚り方向と同一の方向に略同一の巻きピッチで樹脂金属テープを巻き回し、さらに金属樹脂テープの導電層にドレイン線が沿うようにしてドレイン線を導電層に導通させることにより、サックアウト現象を抑制している。また、特許文献2のシールド電線も、特許文献1のシールドケーブルと同様に、撚り合わせた絶縁線心の間隙に介在させたドレインワイヤに対して横巻金属テープを同一ピッチとし、かつ横巻金属テープのほぼ中央部にドレインワイヤが位置するように横巻金属テープを巻きつける構成となっている。
【0007】
特許文献1、2のケーブルの構造の場合、サックアウト現象を抑制するためには、ドレイン線及びドレインワイヤについて、特許文献1に開示されているように、所定の計算式に基づいてドレイン線及びドレインワイヤの外径を算出する必要があり、ケーブルの製造においてドレイン線及びドレインワイヤの選択に制限が生じる。また、特許文献1、2のケーブルの構造の場合、撚り合わせの間隙にドレイン線を位置させる必要があることから、ツイストペアケーブルを製造する工程が煩雑となる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でサックアウト現象を抑える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る通信用電線は、導体の外周を絶縁体で被覆した絶縁電線を対撚りした対撚り線と、金属層と樹脂層とが積層され、前記対撚り線の外周を覆い、前記対撚り線の撚り方向と同方向へ巻かれた第1シールドと、導電性を有し、前記金属層に接する位置に配置された第2シールドと、前記第2シールドの外周を被覆する樹脂で形成されたシースと、を有する。
【0010】
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記第2シールドは、導電性を有する編組であってもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記対撚り線の撚り角度と前記第1シールドの巻き角度が略同一の角度であってもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記第1シールドは、前記金属層が外周側となるように巻かれていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成でサックアウト現象を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、パイプ型のシースを備える通信用電線の断面図である。
【
図3】
図3は、充実型のシースを備える通信用電線の断面図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る通信用電線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信用電線1Aの断面図である。通信用電線1Aは、100Ω±10Ωの範囲の特性インピーダンスを有している。なお、通信用電線1Aの特性インピーダンスは、100Ω±5Ωの範囲であるのが好ましい。通信用電線1Aは、例えば自動車に配索され、配索された自動車においてイーサネット(登録商標)の規格に従った通信に用いられる。
【0017】
通信用電線1Aは、絶縁電線11A、絶縁電線11B、第1シールド13、第2シールド14及びシース12Aで構成されている。絶縁電線11Aと絶縁電線11Bは、対撚りされて対撚り線2を構成している。対撚り線2は、第1シールド13で被覆されており、第1シールド13の外周は、第2シールド14で被覆されている。また、第2シールド14の外周は、シース12Aで被覆されている。
【0018】
(絶縁電線)
絶縁電線11A、11Bは、導体111と絶縁被覆112で構成されている。導体111は、S撚りされた7本の素線1111を圧縮して形成された圧縮導体を焼鈍したものである。導体111は、撚線の一例である。なお、撚線である導体111を構成する素線1111の本数は、7本に限定されるものではなく、他の本数であってもよい。また、導体111は、撚られたものではなく単線であってもよい。
【0019】
素線1111は、軟銅又は銅合金で形成されている。素線1111の材質は、対撚り線2の形成に際して、反力が小さく撚り合わせのピッチの変動が生じにくい軟銅が好ましい。素線1111に対しては、錫めっき等のめっき処理を施してもよい。
【0020】
導体111は、ASTM規格のB258で規定されるAWG(American Wire Gauge)サイズでAWG26(断面積0.13mm2相当)に相当するもので、外径が0.16mmの素線1111を撚り合わせて形成されている。導体111の外径は、「JASO-D-618」で記載されている測定方法により測定され、素線1111が形成する導体111の外接円の直径をさす。なお、導体111のサイズは、AWG26に限定されるものではなく、AWG24より断面積が広いものであってもよいが、軽量化や自動車における配索のスペースの観点では、断面積が狭いほうが好ましく、例えば、AWG24(断面積0.205mm2相当)からAWG28(断面積0.081mm2相当)の範囲のものが好ましい。
【0021】
絶縁被覆112は、誘電率が低い樹脂であるのが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂であるのが好ましい。また、絶縁被覆112は、これらの樹脂内に気泡を設けて比誘電率を低下させた発泡絶縁体であってもよい。絶縁被覆112の厚さは、通信用電線1Aの特性インピーダンスが100Ω±10Ωとなるように調整される。本実施形態では、絶縁被覆112は、外径が0.95mmとなるようにポリエチレンで形成されている。
【0022】
(対撚り線)
図2は、通信用電線1Aの構成を示す図である。対撚り線2は、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bをダブルツイストバンチャー型の撚線機で対撚りした撚線である。本実施形態では、対撚り線2は、対撚りピッチPが20mmであり、撚り方向が右巻きであるZ撚りで撚られている。対撚りピッチPは、撚り合わせの回転で絶縁電線11A、11Bが一回転する間に進む距離である。対撚り線2の長手方向と絶縁電線11A、11Bとがなす角度を撚り角度θ1とした場合、撚り角度θ1は、11.5度である。なお、撚り角度θ1は、11.5度に限定されるものではなく、他の角度であってもよい。
【0023】
ところで、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせる場合、単に撚り合わせると絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれが捻じれた状態で撚り合わされてしまい、この捻じれが撚りを解く力が働くため、対撚り線2がばらけやすくなる。
【0024】
したがって本実施形態では、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせながら、その撚り合わせの回転方向とは逆の回転方向(すなわち、撚り合わせによる絶縁電線11Aの捻じれと絶縁電線11Bの捻じれを緩和する回転方向)に、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれをひねって回転させるという、いわゆる撚り返しを施して、捻じれを防止している。
【0025】
ここで、撚り合わせの回転角Xと撚り返しの回転角Yとの比Y/Xを、撚り返し率と称する。すなわち絶縁電線11Aと絶縁電線11Bに撚り返しが全く施されておらず、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bが捩じれたままの状態では、撚り返し率の値は0%であり、撚り返しが施され、絶縁電線11A自体の捻じれと絶縁電線11B自体の捩じれが全くない状態では撚り返し率の値は100%である。本実施形態では、対撚り線2の撚り返し率は、100%としている。撚り返し率を100%とすることにより、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bがばらけにくくなっている。
【0026】
(第1シールド)
第1シールド13は、樹脂金属テープ130を対撚り線2に対して、対撚り線2の撚り方向と同じ方向へらせん巻きすることにより形成される。樹脂金属テープ130は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂テープと銅又はアルミニウムなどの金属層とが積層されたテープである。対撚り線2の撚り方向が右巻きであるため、樹脂金属テープ130の巻き方向は右巻きである。樹脂金属テープ130は、幅方向の一部が重なるように対撚り線2に巻かれるのが好ましい。樹脂金属テープ130は、樹脂テープが対撚り線2に接し、金属層が外側となるようにして対撚り線2に巻かれる。樹脂金属テープ130は、対撚り線2の長手方向と樹脂金属テープ130の長手方向とがなす角度を巻き角度θ2とした場合、巻き角度θ2が対撚り線2の撚り角度θ1と同じ角度である。なお、巻き角度θ2は、撚り角度θ1と同じ角度に限定されるものではなく、他の角度であってもよい。例えば、巻き角度θ2は、撚り角度θ1の角度の±10%の範囲内の角度であってもよい。巻き角度θ2について、撚り角度θ1の角度の±10%の範囲内の角度は、撚り角度θ1と略同一の角度の一例である。
【0027】
(第2シールド)
第2シールド14は、導体の素線を筒状に編みこんだ編組140により形成されている。なお、第2シールド14は、細径の複数の導体を隙間が生じないようにらせん巻きとした構成としてもよい。また、第2シールド14は、ドレイン線であってもよい。ドレイン線は、単線又は撚線であり、例えば、アルミニウム、銅等の金属、又はこれらの金属を含む合金を用いて形成されている。なお、ドレイン線は、めっき処理が施されていてもよい。ドレイン線の本数は、適宜変更することが可能である。
【0028】
(シース)
シース12Aは、対撚り線2の保護や対撚り線2の対撚りの安定化、対撚り線2と周囲環境との距離の確保に寄与するものである。シース12Aは、第2シールド14の外周を被覆している。シース12Aは、ポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されているのが好ましい。シース12Aの形状は、中空のパイプ型である。なお、対撚り線2を保護するシースは、
図1に示すパイプ型のシース12Aに替えて、中空ではない充実型のシースとしてもよい。
図3は、充実型のシース12Bを備える通信用電線1Bの断面図である。
【0029】
(評価)
前述した通信用電線1Aについて、巻き角度θ2と第2シールド14の構成を異ならせた通信用電線を作成してサックアウトを評価した。この評価に際しては、通信用電線1Aの構成を備える実施例1-3を作成した。また、実施例1-3との比較のために比較例1を作成した。表1に実施例1-3及び比較例1の構成と評価結果を示す。
【0030】
実施例1は、導体111のサイズをAWG26とし、導体111の外径が0.48mm、絶縁被覆112の外径が1.3mmである。実施例1の対撚り線2は、対撚りピッチPが20mmであり、対撚りの撚り方向が右巻きであり、撚り角度θ1が11.5°である。実施例1の第1シールド13は、樹脂金属テープ130を対撚り線2の撚り方向と同じ方向にらせん巻きして形成されており、樹脂金属テープ130が一回転する間に進む距離である巻きピッチは40mmであって、巻き角度θ2は11.5°である。実施例1の第2シールド14は、導体の素線を筒状に編みこんだ編組である。また、実施例1は、シース12Aが樹脂で形成されている。
【0031】
実施例2は、第1シールド13の構成以外は、実施例1と同じである。実施例2は、第1シールド13を形成する樹脂金属テープ130の巻き角度θ2が実施例1と異なり、15.2°となっている。
【0032】
実施例3は、第2シールド14の構成以外は、実施例1と同じである。実施例3は、第2シールド14が編組に替えて外径が0.48mmのドレイン線となっている。
【0033】
比較例1は、第1シールド13の構成以外は、実施例1と同じである。比較例1は、樹脂金属テープ130の巻き方向が対撚り線2の撚り方向とは逆の左巻きとなっている。
【0034】
実施例1-3及び比較例1について、ネットワークアナライザを用いて挿入損失を測定し、サックアウト現象を評価した。
【0035】
【0036】
表1に示すように、対撚り線2の対撚りの撚り方向と第1シールド13を形成する樹脂金属テープ130の巻き方向が逆である比較例1においては、サックアウト現象が発生した。一方、対撚りの撚り方向と第1シールド13を形成する樹脂金属テープ130の巻き方向が同じであり、第1シールド13を形成する樹脂金属テープ130の導電層と、導電性を有する第2シールド14が接している場合、サックアウト現象を消失させることや、特定の周波数における挿入損失のピーク強度を減少させることができた。
【0037】
(ワイヤハーネス)
次に、通信用電線1Aを用いたワイヤハーネスについて説明する。圧着端子を絶縁電線11Aの導体111と、絶縁電線11Bの導体111のそれぞれに接合させることにより端子付き電線が形成される。また、この端子付き電線の圧着端子が図示しないコネクタハウジングに挿入されてコネクタ付き電線が形成されることもある。また、圧着端子と通信用電線1Aとを備える端子付き電線を他の電線と束ねてコネクタに挿入することにより、ワイヤハーネスが形成される。このワイヤハーネスは、例えば自動車に配索される。なお、圧着端子が接合されるのは通信用電線1Bであってもよい。
【0038】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0039】
図4は通信用電線の変形例を示す図である。
図4に示す通信用電線1Cは、通信用電線1Bと比較すると、絶縁被覆112に替えて絶縁被覆112Aを備えている点で相違している。絶縁被覆112Aは、絶縁被覆112がパイプ型であるのに対して充実型である点で相違している。
【0040】
通信用電線1A~1Cについては、対撚り線2の対撚りピッチPが外力等による変動するのを抑制し、対撚りの形状を保持するために、対撚り線2と第1シールド13との間に樹脂や紙、不織布などのテープをらせん巻きした構成、又は縦添えした構成としてもよい。また、対撚り線2と第1シールド13との間には、押出成形により樹脂の層を設けた構造としてもよい。
【0041】
通信用電線1A~1Cについては、樹脂金属テープ130の金属層が対撚り線2側に向くようにして対撚り線2に巻いてもよい。この場合、第2シールド14は、樹脂金属テープ130と対撚り線2の間に配置される。
【符号の説明】
【0042】
1A、1B、1C 通信用電線
2 対撚り線
11A、11B 絶縁電線
12A、12B シース
13 第1シールド
14 第2シールド
111 導体
112、112A 絶縁被覆
130 樹脂金属テープ
1111 素線
P 対撚りピッチ
θ1 撚り角度
θ2 巻き角度