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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067624
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20230509BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
G06F1/16 312S
G06F1/16 312M
G06F1/16 312G
H05K5/02 G
H05K5/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179032
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】島本 將成
(72)【発明者】
【氏名】三川 晃尚
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB08
4E360AB17
4E360AB24
4E360AB42
4E360AD01
4E360BD03
4E360CA02
4E360EA14
4E360EA24
4E360EA28
4E360EC05
4E360EC13
4E360EC14
4E360EC16
4E360ED03
4E360ED16
4E360ED17
4E360ED23
4E360ED28
4E360FA02
4E360FA12
4E360FA20
4E360GA47
4E360GA52
4E360GB04
4E360GB46
4E360GB95
(57)【要約】
【課題】バッテリ交換の時にバッテリを手で保持しながらロックを解除してバッテリを交換できる情報表示装置を提供する。
【解決手段】筐体と、第1方向に着脱可能なバッテリと、前記バッテリをロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、先端部を有し凸部を備えるロック部材と、前記ロック部材を第1向きに押す第1付勢部材と、回動部材と、前記回動部材を第2向きに押す第2付勢部材と、を備え、前記凸部は、前記ロック部材の面に対して突出又は後退可能であり、前記バッテリが前記筐体に取り付けられているときは、前記回動部材の第1端部は、前記バッテリに接触し、第2端部は前記凸部を前記面の上方から押して前記凸部を前記ロック部材に収納し、前記バッテリが前記筐体に取り付けられている状態において、前記ロック部材を前記第1向きとは反対向きに移動すると、前記凸部は前記面から突出し、前記第2端部は、前記凸部と接触する情報表示装置。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に第1方向に着脱可能なバッテリと、
前記バッテリを前記筐体にロックするロック機構と、を備え、
前記ロック機構は、
前記バッテリが有する凹部に挿入する先端部と、凸部と、を備え、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能であるロック部材と、
前記筐体に対して前記ロック部材を前記第2方向の第1向きに押す第1付勢部材と、
第1端部と、第2端部と、を有し、前記筐体に固定された回動軸を中心に回動する回動部材と、
前記回動軸を中心に第2向きに押す前記回動部材を第2付勢部材と、を備え、
前記凸部は、前記ロック部材の面に対して突出又は後退可能であり、
前記バッテリが前記筐体に取り付けられているときは、前記回動部材の前記第1端部は、前記バッテリに接触し、前記第2端部は前記凸部を前記面の上方から押して前記凸部を前記ロック部材に収納し、前記先端部は、前記凹部に挿入され、
前記バッテリが前記筐体に取り付けられている状態において、前記ロック部材を前記第1向きとは反対向きに移動すると、前記凸部は前記面から突出し、前記第2端部は、前記凸部と接触し、
前記バッテリが前記筐体から取り外されると、前記回動部材は前記第2向きに回動し、前記第2端部は、前記凸部から離れる、
情報表示装置。
【請求項2】
前記第1付勢部材が前記第1向きに押す力は、前記第2付勢部材により前記回動部材が前記凸部を前記第1向きと反対向きに押す力より弱い、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記凸部は、前記ロック部材から前記第2方向に移動可能に設けられる、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記ロック部材を移動させるための操作部を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記バッテリは、前記第1方向に延びる第1側面及び第2側面と、前記第1側面と前記第2側面とを結ぶ前記第1方向に対して傾斜した第3側面と、を有する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記先端部及び前記第1端部のそれぞれの形状は、テーパ形状、面取り形状又は球形状である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラップトップコンピュータやスマートフォンなど、表示装置を備えた電子機器において、バッテリで駆動する電子機器が知られている。
【0003】
特許文献1には、片手のみで容易に電子部品(バッテリ)を本体筐体から取り外すことができる電子機器が開示されている。特許文献1には、第1ラッチ部材が係止した状態から該係止を解除する方向への移動時に、バッテリ装置に当接して該バッテリ装置を収容凹部からの離脱方向へと押出し移動させることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ペーパー式大型ディスプレイを用いた薄型デバイスが知られている。当該薄型デバイスは、バッテリ交換作業時にバッテリを本体に保持するロックを解除してからバッテリを引き抜いている。市場からの要望により、バッテリは、大容量化により大型化し、かつ本体の薄型化の要望から、バッテリも同様に薄くなり、面積が大きくなっている。
【0005】
薄型デバイスが大型化することにより、ディスプレイデバイスは、バッテリを固定するためのロック機構を、本体のバッテリ取付部の左右に2箇所に備える。
【0006】
左右に分かれたロック機構のロックを解除する際に、片手で2箇所のロック機構の解除はできない。したがって、片手でそれぞれのロックを解除、又は、両手でそれぞれのロックを解除してからバッテリを引き抜いて交換している。ロックを解除すると通常はロック忘れ防止のため、ばねなどで常に付勢される。この場合だと両手でそれぞれのロックを解除し続けないといけないため、指を駆使してバッテリを引き抜かなければならない。
【0007】
本開示は、バッテリ交換の時にバッテリを手で保持しながらロックを解除してバッテリを交換できる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術は、筐体と、前記筐体に第1方向に着脱可能なバッテリと、前記バッテリを前記筐体にロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記バッテリが有する凹部に挿入する先端部と、凸部と、を備え、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能であるロック部材と、前記筐体に対して前記ロック部材を前記第2方向の第1向きに押す第1付勢部材と、第1端部と、第2端部と、を有し、前記筐体に固定された回動軸を中心に回動する回動部材と、前記回動軸を中心に第2向きに押す前記回動部材を第2付勢部材と、を備え、前記凸部は、前記ロック部材の面に対して突出又は後退可能であり、前記バッテリが前記筐体に取り付けられているときは、前記回動部材の前記第1端部は、前記バッテリに接触し、前記第2端部は前記凸部を前記面の上方から押して前記凸部を前記ロック部材に収納し、前記先端部は、前記凹部に挿入され、前記バッテリが前記筐体に取り付けられている状態において、前記ロック部材を前記第1向きとは反対向きに移動すると、前記凸部は前記面から突出し、前記第2端部は、前記凸部と接触し、前記バッテリが前記筐体から取り外されると、前記回動部材は前記第2向きに回動し、前記第2端部は、前記凸部から離れる情報表示装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の情報表示装置によれば、バッテリ交換の時にバッテリを手で保持しながらロックを解除してバッテリを交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る情報表示装置の斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る情報表示装置の正面図である。
図3図3は、本実施形態に係る情報表示装置の右側面図である。
図4図4は、本実施形態に係る情報表示装置の上面図である。
図5図5は、本実施形態に係る情報表示装置の左側面図である。
図6図6は、本実施形態に係る情報表示装置の底面図である。
図7図7は、本実施形態に係る情報表示装置の背面図である。
図8図8は、本実施形態に係る情報表示装置の分解斜視図である。
図9図9は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリの挿抜する過程を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図11図11は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図12図12は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図13図13は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図14図14は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図15図15は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構を説明する図である。
図16図16は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構におけるバネについて説明する図である。
図17図17は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構におけるバネについて説明する図である。
図18図18は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構における寸法について説明する図である。
図19図19は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構の変形例を説明する図である。
図20図20は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構の変形例を説明する図である。
図21図21は、本実施形態に係る情報表示装置のバッテリのロック機構の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、理解を容易にするため、図面における各部の縮尺と、実際の縮尺とが異なる場合がある。
【0012】
平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0013】
<情報表示装置100>
図1は、本実施形態に係る情報表示装置100の斜視図である。図2は、本実施形態に係る情報表示装置100の正面図である。図3は、本実施形態に係る情報表示装置100の右側面図である。図4は、本実施形態に係る情報表示装置100の上面図である。図5は、本実施形態に係る情報表示装置100の左側面図である。図6は、本実施形態に係る情報表示装置100の底面図である。図7は、本実施形態に係る情報表示装置100の背面図である。図8は、本実施形態に係る情報表示装置の分解斜視図である。
【0014】
図には、説明の便宜のため、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸(XYZ軸)からなる仮想三次元座標系(XYZ直交座標系)が設定される場合がある。ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、情報表示装置100等の姿勢について限定するものではない。
【0015】
本開示では、特に説明しない限り、X軸方向は情報表示装置100の画面111に平行な方向であって、画面111の短手方向とする。また、Y軸方向は情報表示装置100の画面111に平行な方向であって、画面111の長手方向とする。いいかえると、X軸方向及びY軸方向に平行なXY平面は情報表示装置100の画面111と平行な面である。Z軸は、当該X軸、Y軸に垂直な方向とする。いいかえると、Y軸方向及びZ軸方向に平行なYZ平面は、情報表示装置100の画面111に垂直な面である。同様に、X軸方向及びZ軸方向に平行なZX平面は、情報表示装置100の画面111に垂直な面である。
【0016】
なお、X軸方向を左右方向、Y軸方向を上下方向及びZ軸方向を厚さ方向という場合がある。また、対象に対して、+X側を左側、-X側を右側、+Y側を上側、-Y側を下側、+Z側を背面側及び-Z側を正面側という場合がある。なお、-Z側から情報表示装置100を見ることを正面から見るという場合がある。また、+Z側から情報表示装置100を見ることを背面から見るという場合がある。
【0017】
情報表示装置100は、情報表示部110と、筐体120と、を備える。
【0018】
情報表示装置100はPC(Personal Computer)などの画面を表示する。また、専用のペン型入力装置を用いることで情報表示部110に自由に文字や図形を筆記することができる。また、本実施形態に係る情報表示装置100の特長の1つとして、図1から図6に示すように厚さが薄いという点が挙げられる。本実施形態に係る情報表示装置100は、形状を薄く、また軽く設計することによって、インチ数の大きなディスプレイを用いていても可搬性に優れたディスプレイ製品を生み出すことが可能である。
【0019】
また、図3から図6のように、本実施形態に係る情報表示装置100のもう1つの特長として、背面が完全なフラットになっている点が挙げられる。このため、例えば、情報表示装置100を机の上に平置きすることが可能となり、複数人で情報表示装置100を囲んでディスカッションを行うことができる。また、情報表示装置100は複数人で同時に筆記できるように、複数本のペン型入力装置での入力に対応できる。さらに、情報表示装置100は屋外で利用できるように、情報表示装置100の本体およびペン型入力装置のいずれも防塵、防水対応がなされている。
【0020】
[情報表示部110]
情報表示部110は、画面上に情報を表示する装置である。情報表示部110は、電子ペーパーや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等のいわゆるフラットパネルディスプレイである。
【0021】
情報表示部110は、画素により構成され、表示を行う画面111と、その画面の周囲に位置する枠部115を備える。画面111は、XYZ直交座標系のXY平面に平行である。枠部115は、いわゆる画面の額縁、いわゆるベゼル、を構成する部分である。枠部115においては、表示は行われない。枠部115は、図2の正面図において、画面111に対して、右側の右側枠部1151と、上側の上側枠部1152と、左側の左側枠部1153と、下側の下側枠部1154と、を有する。
【0022】
各枠部の幅(ベゼル幅)、すなわち、それぞれの枠部と画面111との境界からそれぞれの枠部の外側までの幅について説明する。右側枠部1151、上側枠部1152及び左側枠部1153のそれぞれのベゼル幅は、互いに同じ幅になっている。すなわち、右側枠部1151のベゼル幅BW1と、上側枠部1152のベゼル幅BW2と、左側枠部1153のベゼル幅BW3とは、互いに等しい。
【0023】
また、下側枠部1154のベゼル幅は、右側枠部1151、上側枠部1152及び左側枠部1153のベゼル幅より幅が広くなっている。すなわち、下側枠部1154のベゼル幅は、枠部の中で一番広くなっている。いいかえると、下側枠部1154のベゼル幅BW4は、右側枠部1151のベゼル幅BW1、上側枠部1152のベゼル幅BW2及び左側枠部1153のベゼル幅BW3のそれぞれより広い。これにより、正面から見たときに、情報表示装置100の方向を認識しやすくなっている。
【0024】
なお、本開示の説明において、情報表示装置100の各要素を正面から見て、右側、左側、上側及び下側等を用いて特定しているが、当該右側、左側、上側及び下側等は、説明のためであって情報表示装置100の姿勢を限定するものではない。例えば、情報表示装置100を水平面状に設置してもよいし、情報表示装置100を下側枠部1154が上側、左側又は右側になるように設置してもよい。以下の説明においても同様である。
【0025】
[筐体120]
筐体120は、略直方体状である。筐体120の正面側に、情報表示部110が取り付けられる。筐体120は、情報表示部110を保持するとともに、内部に情報表示部110を駆動するための回路等を保持する。
【0026】
筐体120は、正面に対して、右側に右側側面121と、上側に上側側面122と、左側に左側側面123と、下側に下側側面124と、を有する。つまり、右側側面121、上側側面122、左側側面123及び下側側面124は、情報表示部110の有する画面111を囲む複数の側面といえる。いいかえれば、筐体120は、画面111を囲む複数の側面を備える。
【0027】
右側側面121は、画面111の右側に位置する。右側側面121は、画面111に対して垂直な垂直側面121aと、画面111の垂直方向に対して傾斜した傾斜側面121bを有する。垂直側面121aは、YZ平面に平行な面である。傾斜側面121bは、垂直側面121aの背面側端部121a1から、YZ平面に対して正面から見て左側に傾斜した面である。
【0028】
上側側面122は、画面111の上側に位置する。上側側面122は、画面111に対して垂直な垂直側面122aと、画面111の垂直方向に対して傾斜した傾斜側面122bを有する。垂直側面122aは、ZX平面に平行な面である。傾斜側面122bは、垂直側面122aの背面側端部122a1から、ZX平面に対して正面からみて下側に傾斜した面である。
【0029】
左側側面123は、画面111の左側に位置する。左側側面123は、画面111に対して垂直な垂直側面123aと、画面111の垂直方向に対して傾斜した傾斜側面123bを有する。垂直側面123aは、YZ平面に平行な面である。傾斜側面123bは、垂直側面123aの背面側端部123a1から、YZ平面に対して正面からみて右側に傾斜した面である。
【0030】
下側側面124は、画面111の下側に位置する。下側側面124は、画面111に対して垂直な垂直側面124aと、画面111の垂直方向に対して傾斜した傾斜側面124bを有する。垂直側面124aは、ZX平面に平行な面である。傾斜側面124bは、垂直側面124aの背面側端部124a1から、ZX平面に対して正面から見て上側に傾斜した面である。
【0031】
本実施形態に係る情報表示装置100は、隣接する情報表示装置100と情報の送受信を行うために、複数の赤外線センサを備える。筐体120の右側側面121は、垂直側面121aに赤外線センサ窓141を有する。上側側面122は、垂直側面122aに赤外線センサ窓142を有する。左側側面123は、垂直側面123aに赤外線センサ窓143を有する。赤外線センサは、赤外線センサ窓141、赤外線センサ窓142及び赤外線センサ窓143を介して赤外線の信号の送信と受信を行う。なお、赤外線センサ窓141、赤外線センサ窓142及び赤外線センサ窓143のそれぞれを総称して赤外線センサ窓140と呼ぶ場合がある。
【0032】
筐体120は、下側側面124に、バッテリ180が挿入されるバッテリ挿入口145a(図8参照)を備える。図8は、本実施形態に係る情報表示装置100の分解斜視図である。具体的には、情報表示装置100からバッテリ180を取り外した状態の図である。本実施形態に係る情報表示装置100は、バッテリ駆動にも対応している。バッテリ180は内蔵ではなく着脱可能な構成となっている。
【0033】
バッテリ180は、下側側面124から着脱可能(挿抜可能)になっている。筐体120の背面には、バッテリ挿入部145が形成されている。図8のように、バッテリ挿入部145は、筐体120の外側に形成されている。バッテリ180は、直方体状のバッテリ筐体185を備える。バッテリ筐体185は、バッテリ180を構成する二次電池及び当該二次電池の給電及び放電を行う回路基板等を内蔵する。図7のように、バッテリ180のバッテリ筐体185は、その画面111と反対側の面が、筐体120から露出する。
【0034】
筐体120は、下側側面124に、バッテリ180がバッテリ挿入部145から抜けないようロックするためのロック機構150及びロック機構250を備える。ロック機構150は操作部125a、ロック機構250は操作部225aを備える。操作部125a及び操作部225aのそれぞれをバッテリ180から離れる方向に移動させることによりロックが解除される。
【0035】
操作部125a及び操作部225aは、それぞれバッテリ180をロックするためのロック部材に連結する。通常使用する状態では、ロック部材がバッテリ180をロックすることにより、バッテリ180が抜けないようになっている。また、操作部125a及び操作部225aをバッテリ180に対して外側にスライドさせると、ロックが解除され、バッテリ180を取り外すことができる。
【0036】
本実施形態に係る情報表示装置100は、ロック機構150の操作部125a及びロック機構250の操作部225aのそれぞれをX軸方向にスライドさせることによってロック/アンロックを切り替えることができる。なお、バッテリ180には、バッテリ取っ手部181が設けられている。ユーザは、当該バッテリ取っ手部181を下方向に引っ張って、バッテリ180を取り外す。
【0037】
バッテリ180の挿抜について説明する。図9は、本実施形態に係る情報表示装置100のバッテリ180の挿抜する過程を示す図である。バッテリ180は、情報表示装置100に対して、図9に示す矢印ADの方向、すなわちY軸方向、に挿抜を行う。
【0038】
<ロック機構>
本実施形態に係る情報表示装置100のロック機構について説明する。ロック機構250は、ロック機構150と同様の構成を備えることから、ここでは、ロック機構150について説明して、ロック機構250について説明は省略する。図10は、本実施形態に係る情報表示装置100のバッテリ180のロック機構150を説明する図である。図10において、バッテリ180、壁部127、壁部128及び壁部129は、ロック機構150の部分で切断した断面を示す。ロック部材125及び回動部材126は、正面から見た形状を示す。以下の図においても同様である。
【0039】
ロック機構150は、ロック部材125と、回動部材126と、付勢部材130と、付勢部材131と、を備える。また、ロック機構150は、筐体120側に壁部127、壁部128及び壁部129を備える。
【0040】
なお、バッテリ180は、ロック機構150側の側面に、バッテリ180の着脱方向(挿抜方向)に延びる側面180A及び側面180Cと、バッテリ180の着脱方向(挿抜方向)に対して外側に傾斜する側面180Bと、を有する。側面180Cは、側面180Aに対してバッテリ180の外側、いいかえると、バッテリ180のロック機構150側に、位置する。バッテリ180は、ロック機構150側に、具体的には側面180Cに、ロック部材125の先端部125bが挿入される凹部180aを備える。ロック部材125の先端部125bが凹部180aに挿入されて、嵌まることにより、バッテリ180はロックされる。
【0041】
後述するように、側面180B及び側面180Cには、ロック部材125の先端部125bと回動部材126の先端部126bが接触する。バッテリ180は、バッテリ180の着脱方向に対して傾斜する傾斜面である側面180Bを有することにより、バッテリ180を取り付けるときに回動部材126が接触したときに押し込むときにスムーズに力を伝えることができる。力をスムーズに伝えることにより、交換作業性を高めることができる。
【0042】
[ロック部材125]
ロック部材125は、バッテリ180をロックする。ロック部材125は、バッテリ180に着脱方向(Y軸方向)に交差する方向(X軸方向)に壁部128に沿って移動する。なお、バッテリ180に着脱方向(Y軸方向)に交差する方向(X軸方向)をスライド方向という場合がある。ロック部材125が、バッテリ180をロックするときにスライド方向に沿って動く向き、すなわち、X軸方向の-X側から+X側を見る向き(+X向き)を、向きDLKという。また、ロック部材125がバッテリ180をロック解除するときにスライド方向に沿って動く向き、すなわち、X軸方向の+X側から-X側を見る向き(-X向き)を、向きDULという。
【0043】
ロック部材125は、操作部125aを有する。操作部125aは、壁部128に設けられる開口128aから、下側側面124の外側に露出する。ロック部材125が操作部125aを有することにより、ロック部材125を移動させやすくできる。ロック部材125を移動させやすくすることにより、ユーザの交換作業性を高めることができる。
【0044】
ロック部材125は、先端部125bと、後端部125cと、を有する板状又は棒状の部材を有する。先端部125bは、バッテリ180の側面180B及び側面180Cに接触する。先端部125bは、バッテリ180の凹部180aに挿入される。なお、ロック部材125の先端部125bは、バッテリ180の側面180Aと接触してもよいし、接触しなくてもよい。
【0045】
先端部125bは、テーパ形状、面取り形状又は球形状を有する。先端部125bの形状が、テーパ形状、面取り形状又は球形状であることから、バッテリ180を取り付ける際にバッテリ180の側面180B及び側面180Cと接触するときに、ロック部材125にスムーズに力が伝わるため、交換作業性を高めることができる。
【0046】
付勢部材130は、スライド方向の向きDLKに、ロック部材125の後端部125cを押す。したがって、回動部材126は、スライド方向の向きDLKに押される状態となっている。
【0047】
ユーザは、操作部125aをスライド方向の向きDULに移動するように操作する。ユーザが操作部125aをスライド方向の向きDULに移動させると、ロック部材125は、バッテリ180の凹部180aから抜けて、ロックが解除される。ロックが解除された状態で、後述する回動部材126はロック部材125を保持する。ロック部材125がロックを解除しながら、回動部材126により保持されている状態をアンロック状態という。いいかえると、回動部材126は、ロック部材125をアンロック状態で保持する。また、アンロック状態におけるロック部材125の位置をアンロック位置という。
【0048】
また、後述するように、バッテリ180を引き抜く動作で、回動部材126は、ロック部材125をアンロック状態から解除する。アンロック状態が解除された状態をロック状態という。また、ロック状態におけるロック部材125の位置をロック位置という。ロック位置は、例えば、先端部125bがバッテリ180の側面180B又は側面180Cに接触している位置又は先端部125bがバッテリ180に最も近接して移動可能な位置(例えば、図10又は図12)である。
【0049】
ロック部材125は、矢印apの方向に、ロック部材125の面125Aから突出したり、面125Aから内側に収納したりできる、凸部125pを備える。すなわち、凸部125pは、ロック部材125の面125Aに対して突出又は後退可能である。例えば、ロック部材125の内部に備えるバネ等の付勢部材は、当該凸部125pを面125Aから突出するように内部から押す。また、凸部125pは、面125Aの上方から押されると、面125Aから内部に後退(退避)する。凸部125pが後退すると、ロック部材125は、凸部125pを収納する。
【0050】
ロック部材125が付勢部材により突出又は後退可能な凸部125pを備えることにより、ユーザは、ロック部材125をロック位置からアンロック位置に軽い力で移動できる。
【0051】
[回動部材126]
回動部材126は、ロック部材125がロックを解除した状態で保持する。すなわち、回動部材126は、ロック部材125をアンロック状態で維持するようにする。また、回動部材126は、ユーザがバッテリ180を取り外すと、ロック部材125のアンロック状態を解除して、ロック部材125がスライド方向の向きDLKへ移動するようにする。すなわち、回動部材126は、ユーザがバッテリ180を取り外すと、ロック部材125のアンロック状態を解除して、ロック部材125をロック状態にする。ロック状態になったロック部材125は、ロック位置に移動する。
【0052】
回動部材126は、筐体120に固定された回動軸126aを中心に回動する。回動部材126が矢印DBの向きに回動するように、付勢部材131は、回動部材126を矢印DBの向きに押す。
【0053】
回動部材126の先端部126bは、バッテリ180の側面180B及び側面180Cに接触する。回動部材126の先端部126bが、バッテリ180の側面180B及び側面180Cに接触すると、回動部材126は、矢印DBと反対向きに回動する。なお、回動部材126の先端部126bは、バッテリ180の側面180Aと接触してもよいし、接触しなくてもよい。
【0054】
先端部126bは、テーパ形状、面取り形状又は球形状を有する。先端部126bの形状が、テーパ形状、面取り形状又は球形状であることから、バッテリ180を取り付ける際にバッテリ180の側面180B及び側面180Cと接触するときに、回動部材126にスムーズに力が伝わるため、交換作業性を高めることができる。
【0055】
回動部材126の後端部126cは、正面視で三角形の断面を有する。回動部材126の後端部126cは、面126Aと、面126Bと、を有する。
【0056】
回動部材126の面126Aは、回動部材126が矢印DBの逆向きに回動すると、ロック部材125の凸部125pを面125Aの上方から押す。回動部材126の面126Aが、凸部125pを押すことにより、凸部125pはロック部材125の内部に後退(退避)する。
【0057】
回動部材126の面126Bは、ロック部材125がアンロック状態のときに、ロック部材125の凸部125pに接触する。回動部材126が、面126Bで凸部125pと接触すると、ロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動することを抑制する。回動部材126が、ロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動することを抑制することにより、ロック部材125がアンロック状態で維持される。
【0058】
[付勢部材130]
付勢部材130は、ロック部材125の後端部125cをスライド方向の向きDLKに押す。付勢部材130は、例えば、つるまきバネである。付勢部材130は、ロック部材125と図示しない壁との間に圧縮した状態で位置する。付勢部材130は圧縮した状態でロック部材125と図示しない壁との間に位置することにより、付勢部材130はロック部材125をスライド方向の向きDLKに押す。
【0059】
[付勢部材131]
付勢部材131は、回動軸126aを中心に矢印DBの向きに回動部材126を押す。付勢部材131は、例えば、トーションバネである。付勢部材131は、壁部127と回動部材126との間に圧縮した状態で位置する。付勢部材131は圧縮した状態で回動部材126と壁部127との間に位置することにより、付勢部材131は、回動軸126aを中心に矢印DBの向きに回動部材126を押す。付勢部材131が回動部材126を矢印DBの向きに押すと、回動部材126は矢印DBの向きに回動し、壁部129に接触する。
【0060】
<ロック機構150の動作>
ロック機構150の動作について説明する。
【0061】
[バッテリ180の取り付け時]
最初に、バッテリ180を情報表示装置100に取り付けるときのロック機構150の動作について説明する。図10から図12は、本実施形態に係る情報表示装置100にバッテリ180を取り付けるとき(バッテリ180の取り付け時)のロック機構150の動作について説明する図である。
【0062】
図10は、バッテリ180をバッテリ挿入部145に挿入して、バッテリ180がロックされていない状態を示す。回動部材126は、回動軸126aを中心に矢印DBの向きに回動する。そして、回動部材126は、壁部129に接触して、スライド方向に平行になるように位置する。また、付勢部材130がスライド方向の向きDLKにロック部材125押すことにより、ロック部材125は、スライド方向の向きDLKに移動する。図10におけるロック部材125の位置は、ロック位置である。そして、ユーザは、Y軸方向の矢印DAの向きにバッテリ180を挿入する。
【0063】
図10の状態から更にバッテリ180をバッテリ挿入部145の奥まで挿入した状態を図11に示す。図11に示すように、バッテリ180が挿入されると、バッテリ180の側面180Bに接触して、ロック部材125はスライド方向の向きDULに移動する。そして、ロック部材125は、バッテリ180の側面180Cを押す。図11におけるロック部材125の位置は、ロック位置である。
【0064】
図11の状態から更にバッテリ180をバッテリ挿入部145の奥まで挿入すると、図12に示すように、ロック部材125の先端部125bが、バッテリ180の凹部180aに挿入される。
【0065】
また、回動部材126の先端部126bが、バッテリ180の側面180B及び側面180Cと接触する。回動部材126の先端部126bが、バッテリ180の側面180Bに接触すると、回動部材126が回動軸126aを中心に矢印DBと反対向きに回動する。
【0066】
回動部材126が回動軸126aを中心に矢印DBと反対向きに回動すると、回動部材126の後端部126cの面126Aが、ロック部材125の凸部125pを面125Aの上方から押さえる。回動部材126の後端部126cの面126Aが、ロック部材125の凸部125pを面125Aの上方から押さえると、ロック部材125の凸部125pは、面125Aからロック部材125の内部に退避する。
【0067】
さらに、回動部材126の先端部126bが、バッテリ180の側面180Cに接触することにより、回動部材126が矢印DBの向きに回動することが抑制される。
【0068】
[バッテリ180の取り外し時]
次に、バッテリ180を情報表示装置100から取り外すときのロック機構150の動作について説明する。図13から図15は、本実施形態に係る情報表示装置100からバッテリ180を取り外すとき(バッテリ180の取り外し時)のロック機構150の動作について説明する図である。
【0069】
図13に示すように、情報表示装置100からバッテリ180を取り外すときには、最初に、ユーザは、操作部125aを矢印DDの向きに動かす。操作部125aが矢印DDの向きに移動すると、ロック部材125の内部に退避していた凸部125pが、回動部材126の面125Aから外れて、面125Aから突出する。
【0070】
凸部125pが面125Aから突出した状態で、ユーザが手を離すと、付勢部材130によりロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動する。しかしながら、回動部材126の面126Bに凸部125pが接触して、ロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動することが抑えられる。すなわち、回動部材126は、ロック部材125をアンロック位置に保持する。上述のように、操作部125aを矢印DDの向きに移動すると、バッテリ180のロックが解除された状態(アンロック状態)が維持される。
【0071】
次に、ユーザが、バッテリ180を矢印DA2の向きに移動させると、図14に示すように、回動部材126が回動軸126aを中心に矢印DBの向きに回動する。回動部材126が回動すると、ロック部材125を矢印DEの向きに移動する。ロック部材125が矢印DEの向きに移動すると、回動部材126の抑えが外れて、凸部125pから回動部材126の後端部126cが離れて、ロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動可能となる。すなわち、ロック部材125のアンロック状態が解除される。
【0072】
図15に示すように、更に、バッテリ180を引き抜くと、ロック部材125がスライド方向の向きDLKに移動する。したがって、ロック部材125は、バッテリ180が挿入されると自動的にロックできるようになる。すなわち、ロック部材125は、アンロック状態からロック状態に自動的に移行する。
【0073】
<バッテリ180を取り外した時に回動部材126が回動する条件>
図14に示すように、回動部材126が回動して、ロック部材125が回動部材126の抑えから外れる条件について説明する。
【0074】
図16は、付勢部材130及び付勢部材131のそれぞれを構成するバネが発生する力学的作用について説明する図である。付勢部材130は、ロック部材125を力FAで押す。また、付勢部材131は、回動部材126をモーメントMAで回動軸126aを中心に回す。
【0075】
バッテリ180を矢印DA2の方向に移動させたときに、付勢部材130がロック部材125を押す力FAが大きく、付勢部材131が回動部材126を回すモーメントMAが小さいと、バッテリ180を取り出した時に、回動部材126が回動しない。回動部材126が回動しないと、ロック部材125が回動部材126の抑えから外れず、アンロック状態が解除されない。したがって、付勢部材130がスライド方向の向きDLKに付勢する力は、回動部材126が凸部125pをスライド方向の向きDULに押す力より弱くする。
【0076】
バッテリ180を矢印DA2の方向に移動させたときに、回動部材126が回動する条件について、図17に示す回動部材126の簡易モデルで検討する。回動部材126を棒Rodとしてモデル化する。付勢部材131をトーションバネTSとする。トーションバネTSが棒Rodを押す力をF1(単位:ニュートン(N))とする。そして、棒Rodの回動軸を軸axとし、軸axからトーションバネTSが棒Rodに固定される位置までの距離をR(単位:メートル(m))とする。また、付勢部材130がロック部材125を押す力を力F2(単位:ニュートン(N))、軸axから付勢部材130が棒Rodを押す位置までの距離をL(単位:メートル(m))、棒Rodと力F1がなす角をθ(単位:ラジアン(rad))とする。
【0077】
トーションバネTSのばね定数をk(単位:ニュートン毎ラジアン(N/rad))、トーションバネTSのアーム間の角度をφ(単位:ラジアン(rad))とする。また、付勢部材130をつるまきバネとして、ばね定数をk(単位:ニュートン毎メートル(N/m))、たわみ量をx(単位:メートル(m))とする。
【0078】
棒Rod、すなわち、回動部材126が回動する条件を式1に示す。
【0079】
F1×R > (F2×sinθ)×L ・・・ (式1)
【0080】
また、式1を変形すると、棒Rod、すなわち、回動部材126が回動する条件は、式2となる。
【0081】
kT×φ×R > (k×x×sinθ)×L ・・・ (式2)
【0082】
上述の式1及び式2を満たすようにすることによって、付勢部材130が向きDLKに押す力は、付勢部材131により回動部材126が凸部125pを向きDULに押す力より弱くできる。回動部材126を付勢する力が、ロック部材125を付勢する力を上回ることで確実にロック部材125がロック位置に移動できる。ロック部材125を確実にロック位置に移動することによって、ロック部材125がアンロック状態のままになることを防止できる。
【0083】
ロック部材125が、アンロック状態からロック状態にバッテリ180の交換で取り外し時に連動して自動で遷移するため、ユーザの操作の手間を減らせ、交換作業性を高めることができる。
【0084】
<ロック機構150の寸法>
ロック機構150の寸法について説明する。図18は、本実施形態に係る情報表示装置100のバッテリ180のロック機構150における寸法について説明する図である。
【0085】
回動部材126の回動軸126aからバッテリ側の先端部126bまでの距離をL、回動軸126aからバッテリと反対側の後端部126cまでの距離をL、回動部材126の厚さをt、とする。また、回動部材126の回動軸126aからロック部材125の凸部125pまでのスライド方向の距離をL、回動軸126aから面125Aまでのスライド方向に交差する方向の距離をy、とする。回動部材126とロック部材125の面125Aとのなす角をθ、θの最大の角度をθmaxとする。なお、上記の距離及び厚さの単位はメートル(m)、角度の単位は(単位:ラジアン(rad))、である。
【0086】
ロック部材125の凸部125pが回動部材126によって押さえられる条件を下記の式3から式5に示す。
【0087】
L3 < L2×cosθmax ・・・ (式3)
【0088】
L2×sinθ-a < y < L2×sinθmax ・・・ (式4)
【0089】
a < y + t/2 ・・・ (式5)
【0090】
また、バッテリ180の側面180Cの挿入方向の長さをY、側面180Aと側面180Cとの距離をXとする。回動部材126が回動するためのバッテリ180の段差の条件を式6及び式7に示す。なお、上記の長さ及び距離の単位はメートル(m)である。
【0091】
X > δ=L1×(1-cosθ) > 0 ・・・(式6)
【0092】
a+(L1+L2)×sinθ < Y < (L1+L2)×sinθmax
・・・(式7)
【0093】
上記の式3から式7を満たすことにより、本実施形態に係るロック機構150は動作可能となる。
【0094】
<作用・効果>
本実施形態に係る情報表示装置100によれば、バッテリ交換の時にバッテリを手で保持しながらロックを解除してバッテリを交換できる。本実施形態に係る情報表示装置100のロック機構によれば、ロック部材を付勢方向と逆向きにスライドしたときに、アンロック状態で保持できる。ロック部材をアンロック状態で保持することにより、ユーザはロック部材から手を離すことができる。ユーザがロック部材から手を離すことにより、ユーザは少なくとも一方の手でバッテリを保持しながら、ロックを解除してバッテリを交換できる。また、本実施形態に係る情報表示装置100のロック機構によれば、バッテリを引き抜く動作でアンロック状態を解除できる。
【0095】
本実施形態に係る情報表示装置100によれば、片手でロックを解除して、もう片手でバッテリを着脱できる。本実施形態に係る情報表示装置100によれば、片手でロックを解除して、もう片手でバッテリを着脱できることから、ロックを解除したときに、バッテリが落下することを防止できる。また、本実施形態に係る情報表示装置100によれば、片手でロックを解除できることから、バッテリの交換作業性が向上する。また、本実施形態に係る情報表示装置100によれば、バッテリの交換作業性を向上させることにより、ユーザのダウンタイムを低減できる。
【0096】
なお、Y軸方向が第1方向の一例、X軸方向が第1方向と交差する第2方向の一例、向きDLKが第1向きの一例、矢印DBの向きが第2向きの一例、付勢部材130が第1付勢部材の一例、付勢部材131が第2付勢部材の一例、である。また、先端部125bが先端部の一例、先端部126bが第1端部の一例、後端部126cが第2端部の一例、である。側面180Aが第1側面の一例、側面180Cが第2側面の一例、側面180Bが第3側面の一例、である。
【0097】
<変形例>
ロック機構150の変形例であるロック機構350について説明する。ロック機構350は、ロック部材125に換えて、ロック部材325を備える。また、ロック機構350は、回動部材126に換えて、回動部材326を備える。図19から図21は、情報表示装置100にバッテリ180を取り付けるとき(バッテリ180の取り付け時)のロック機構350の動作について説明する図である。
【0098】
[ロック部材325]
ロック部材325は、バッテリ180をロックする。ロック部材325は、スライド方向(X軸方向)に壁部128に沿って移動する。ロック部材325は、操作部325aを有する。ロック部材325の先端部325bは、バッテリ180の凹部180aに挿入され、バッテリ180をロックする。
【0099】
また、付勢部材130は、スライド方向の向きDLKに、ロック部材325の後端部325cを押す。したがって、回動部材326は、スライド方向の向きDLKに移動するようになっている。
【0100】
ロック部材325は、ロック部材125の凸部125pと同様の構成を有する凸部325pを備える。
【0101】
また、ロック部材325は、延長部325dを備える。延長部325dは、後述する回動部材326の延長部326dを壁部127と挟み込む。延長部325dと壁部127が延長部326dを挟み込むことにより、回動部材326が不意に回動することを防止する。
【0102】
[回動部材326]
回動部材326は、ロック部材325がスライド方向の向きDLKに移動することを抑制する。また、回動部材326は、ユーザがバッテリ180を取り外すと、ロック部材125がスライド方向の向きDLKへ移動するようにする。
【0103】
回動部材326は、回動軸326aを中心に回動する。回動部材326が矢印DBの向きに回動するように、付勢部材131は、回動部材326を矢印DBの向きに押す。
【0104】
回動部材326の先端部326b及び後端部326cのそれぞれの形状は、それぞれ回動部材126の先端部126b及び後端部126cの形状と同様である。
【0105】
また、回動部材326は、延長部326dを備える。延長部326dは、バッテリ180が挿入される前に、壁部127と延長部325dとの間に固定される。延長部326dが壁部127と延長部325dとの間に固定されることにより、バッテリ180が挿入される前に、回動部材326が回動することを抑制する。
【0106】
図20に示すように、回動部材326が矢印DBと反対向きに回動すると、回動部材326の延長部326dが壁部127と延長部325dの間から外れる。そして、回動部材326が矢印DBと反対向きに回動する。そして、回動部材326の後端部326cの面326Aは、凸部325pを押さえる。
【0107】
そして、ユーザが、操作部325aを矢印DDの向きに移動すると、凸部325pと回動部材326が接触して、ロック部材325をロック状態で維持する。
【0108】
なお、上記各実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0109】
100 情報表示装置
110 情報表示部
111 画面
120 筐体
125、325 ロック部材
125a、325a 操作部
125b、325b 先端部
125c、325c 後端部
125p、325p 凸部
125A 面
126、326 回動部材
126a、326a 回動軸
126b、326b 先端部
126c、326c 後端部
126A、126B、326A 面
127、128、129 壁部
128a 開口
130、131 付勢部材
150、250、350 ロック機構
180 バッテリ
180a 凹部
180A、180B、180C 側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2014-174884号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21