(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067783
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】媒体処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B42B 5/00 20060101AFI20230509BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B42B5/00
B65H37/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165599
(22)【出願日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2021178096
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022142320
(32)【優先日】2022-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 一貴
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 圭
(72)【発明者】
【氏名】杉山 恵介
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
(57)【要約】
【課題】媒体への液体付与量を安定させて圧着綴じする媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、搬送部により搬送された少なくとも1枚の媒体に液体を付与する液体付与手段(31)と、液体付与手段(31)で液体を付与された少なくとも1枚の前記媒体を含む複数の媒体を加圧変形させて圧着綴じする圧着手段(32)とを備え、液体付与手段(31)は、少なくとも1枚の媒体を押圧する押圧手段(34)と、押圧手段(34)が少なくとも1枚の前記媒体を押圧している状態で、少なくとも1枚の前記媒体に対して接触及び離間する液体付与部材(44)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された少なくとも1枚の前記媒体に液体を付与する液体付与手段と、
前記液体付与手段で液体を付与された少なくとも1枚の前記媒体を含む複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着手段と、を備え、
前記液体付与手段は、
少なくとも1枚の前記媒体を押圧する押圧手段と、
前記押圧手段が少なくとも1枚の前記媒体を押圧している状態で、少なくとも1枚の前記媒体に対して接触及び離間する液体付与部材と、
を備える媒体処理装置。
【請求項2】
前記液体付与手段は、前記液体付与部材を移動させる移動機構を更に有し、
前記移動機構は、前記液体付与部材を、少なくとも1枚の前記媒体から離間した離間位置から、少なくとも1枚の前記媒体に接触する液体付与位置に移動させる請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記液体付与手段は、前記液体付与部材を移動させる移動機構を更に有し、
前記移動機構は、前記液体付与部材を、少なくとも1枚の前記媒体に接触する液体付与位置から、少なくとも1枚の前記媒体から離間した離間位置に移動させる請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記液体付与部材を、前記液体付与位置から前記離間位置に移動させる請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記押圧手段及び前記液体付与部材を連動して移動させる単一の駆動源を備える請求項2乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記押圧手段は、少なくとも1枚の前記媒体に接触して押圧する押圧位置、及び前記押圧位置から離間した解放位置の間を移動可能である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記押圧手段は、少なくとも1枚の前記媒体に接触して押圧する押圧位置、及び前記押圧位置から離間した解放位置の間を移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記押圧手段は、前記媒体が搬送されてくる側に、前記媒体をガイドする傾斜部を備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記押圧手段との間で前記媒体を挟持する対向部を備えた請求項8に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記対向部は、前記媒体と当接する対向部材と、前記対向部材を保持する保持部とを備えた請求項9に記載の媒体処理装置。
【請求項11】
前記対向部材は、前記媒体が搬送されてくる側に、前記媒体をガイドする傾斜部を備えた請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項12】
前記対向部材は、前記媒体が当接する当接面と、前記当接面とは反対側に設けられた排液部に連通する貫通孔とを備えた請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項13】
前記対向部材は、前記媒体が当接する当接面と、前記当接面とは反対側に設けられた排液部に連通する貫通孔とを備えた請求項11に記載の媒体処理装置。
【請求項14】
前記排液部は、前記排液部単独で、又は前記対向部材と一緒に、前記保持部に着脱可能に構成される請求項12に記載の媒体処理装置。
【請求項15】
前記排液部は、前記排液部単独で、又は前記対向部材と一緒に、前記保持部に着脱可能に構成される請求項13に記載の媒体処理装置。
【請求項16】
前記移動機構は、
前記液体付与部材と共に移動可能なベース部材と、
前記ベース部材から突出して前記押圧手段を保持すると共に、複数の前記媒体の厚み方向に、前記ベース部材に対して相対移動可能な柱状部材と、
前記押圧手段と前記ベース部材との間に配置されて、前記ベース部材に対して前記押圧手段を付勢する付勢部材とを備え、
前記ベース部材は、駆動源の駆動力が伝達されることによって、前記押圧手段が少なくとも1枚の前記媒体に接触して押圧する押圧位置で且つ前記液体付与部材が前記液体付与位置となる第1位置から、前記押圧手段が前記押圧位置のままで前記液体付与部材が前記媒体から離間する第2位置を経て、前記押圧手段が前記押圧位置から離間した解放位置で且つ前記液体付与部材が前記離間位置となる第3位置まで移動することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項17】
前記圧着手段は、複数の前記媒体に前記押圧手段を押圧させた状態で、圧着綴じを実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項18】
前記押圧手段は、複数の前記媒体に対する押圧力を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項19】
前記押圧手段は、前記媒体の枚数、前記媒体の種類、及び前記媒体の厚さの少なくとも1つに応じて、押圧力を変更することを特徴とする請求項6に記載の媒体処理装置。
【請求項20】
前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置によって画像が形成されたシート状の媒体を束にして綴る処理を行う媒体処理装置が知られている。なお、シート状の媒体の例として用紙が広く知られているので、本明細書では、シート状の媒体の束に関しては複数の用紙を積層した「用紙束」を例に用いることとする。また、媒体処理装置には、省資源化や環境負荷の低減を鑑みる観点から、金属製の綴じ針(ステープル針)を用いずに、凹凸状の綴じ歯で用紙束を挟持して加圧変形させる所謂「圧着綴じ」が可能な圧着処理部を備えるものがある。
【0003】
圧着綴じには、用紙束を構成する用紙の枚数が多いほど用紙束に綴じ歯が食い込みにくくなって、綴じた用紙が剥がれ落ちるなど、綴じ状態を適切に維持することに困難さがあるという課題がある。そこで、圧着綴じを行う媒体処理装置には、綴じ強度を上げる目的で、用紙上において綴じ歯が接触する位置(以下、「綴じ位置」と表記する。)に予め加水して、綴じ歯が用紙束に食い込み易くするための加水処理部を備えるものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、媒体処理装置にて綴じ処理に付される用紙は、前段の処理の影響などによって波打った状態や湾曲した状態で綴じ処理位置に供給される場合がある。この場合、用紙束を構成する用紙の綴じ位置の形状が乱れた状態になり、加水時に用紙束がトレイから浮き上がって加水量が安定しないという課題が生ずることもある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、媒体に加水してから圧着綴じする媒体処理装置において、媒体への加水量を安定させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、媒体処理装置に関し、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された少なくとも1枚の前記媒体に液体を付与する液体付与手段と、前記液体付与手段で液体を付与された少なくとも1枚の前記媒体を含む複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着手段と、を備え、前記液体付与手段は、少なくとも1枚の前記媒体を押圧する押圧手段と、前記押圧手段が少なくとも1枚の前記媒体を押圧している状態で、少なくとも1枚の前記媒体に対して接触及び離間する液体付与部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、媒体に液体を付与してから圧着綴じする媒体処理装置において、媒体への液体の付与量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る画像形成システムの実施形態の全体構成を示す図。
【
図2】第一実施形態に係る媒体処理装置の内部構造を示す図。
【
図3】第一実施形態に係る媒体処理装置の綴じ処理部を搬送方向の上流側から見た模式図。
【
図4】第一実施形態に係る上記綴じ処理部を主走査方向の液体付与手段側から見た模式図。
【
図5】第一実施形態に係る上押圧板の構成を示す図。
【
図6】第一実施形態に係る上押圧板および下押圧板の変形例を示す図。
【
図7】第一実施形態に係る媒体処理装置の圧着手段の構成及び処理工程を示す図。
【
図8】第一実施形態に係る媒体処理装置のハードウェアの構成を示す図。
【
図9】第一実施形態に係る媒体処理装置の綴じ処理のフローチャート。
【
図10】上記綴じ処理中における液体付与手段及び圧着手段の位置を示す図。
【
図11】上記綴じ処理に含まれる処理(ステップS703)における液体付与手段の動作を示す図。
【
図12】第一実施形態に係る媒体処理装置の圧着綴じ処理のフローチャート。
【
図13】第一実施形態に係る媒体処理装置の圧着綴じ処理における液体付与手段及び圧着手段の動作を示す図。
【
図14】変形例1に係る媒体処理装置の液体付与手段の構成及び動作を示す図。
【
図15】変形例2に係る媒体処理装置の液体付与手段を搬送方向の上流側から見た模式図。
【
図16】変形例2に係る媒体処理装置の液体付与手段を主走査方向から見た模式図。
【
図17】第二実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図。
【
図18】第二実施形態に係る液体付与手段を用紙の厚み方向から見た図。
【
図21】第二実施形態に係る媒体処理装置のハードウェアの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る画像形成システムの実施形態としてのプリンタシステム1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、プリンタシステム1の全体構成を示す図である。プリンタシステム1は、用紙P(媒体)に画像を形成し、画像が形成された用紙Pに対して後処理を施す機能を有する。
図1に示すように、プリンタシステム1は、画像形成装置2と、本発明に係る媒体処理装置の実施形態としての後処理装置3とを用いて構成される。
【0010】
画像形成装置2は、用紙Pに画像を形成し、画像を形成した用紙Pを後処理装置3に排出する。画像形成装置2は、用紙Pが収容されたトレイと、トレイに収容された用紙Pを搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された用紙Pに画像を形成する画像形成部とを主に備える。画像形成部は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。画像形成装置2の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0011】
図2は、第一実施形態に係る後処理装置3の内部構造を示す図である。後処理装置3は、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに後処理を施す。本実施形態に係る後処理は、画像が形成された複数の用紙Pの束(以下、「用紙束Pb」と表記する。)を、ステープル針を用いずに綴じる綴じ処理である。より詳細には、本実施形態に係る綴じ処理は、綴じ位置で用紙束Pbを加圧変形させる所謂「圧着綴じ」である。また、綴じ処理は、用紙束Pbの端を綴じる端綴じ処理と、用紙束Pbの中央を綴じる中綴じ処理と含む。
【0012】
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)と、切替爪20とを備える。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第1搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第2搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第3搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。
【0013】
第1搬送路Ph1は、画像形成装置2からの用紙Pの供給口から排出トレイ21に至る経路である。第2搬送路Ph2は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第1搬送路Ph1から分岐し、内部トレイ22を通じて排出トレイ26に至る経路である。第3搬送路Ph3は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第1搬送路Ph1から分岐し、排出トレイ30に至る経路である。
【0014】
切替爪20は、第1搬送路Ph1及び第2搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替爪20は、第1搬送路Ph1を通じて用紙Pを排出トレイ21に排出する位置と、第1搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第2搬送路Ph2に導く位置とに切り替え可能に構成されている。また、第2搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第3搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、第1搬送路Ph1、第2搬送路Ph2、第3搬送路Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサ(
図2に▲で示す)を備える。
【0015】
後処理装置3は、排出トレイ21を備える。排出トレイ21は、第1搬送路Ph1を通じて排出された用紙Pを支持する。排出トレイ21には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、綴じ処理が施されない用紙Pが排出される。
【0016】
また、後処理装置3は、内部トレイ22(トレイ)と、エンドフェンス23と、サイドフェンス24L、24Rと、綴じ処理部25と、排出トレイ26とを備える。内部トレイ22、エンドフェンス23、サイドフェンス24L、24R、及び綴じ処理部25は、第2搬送路Ph2を搬送される用紙Pに端綴じ処理を施す。排出トレイ26には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、端綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。以下、搬送ローラ対15からエンドフェンス23に向かう方向を、「用紙Pの搬送方向」と定義する。また、用紙Pの表面及び用紙Pの搬送方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
【0017】
内部トレイ22は、第2搬送路Ph2を順番に搬送される複数の用紙Pを一時的に支持する。エンドフェンス23は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の位置を揃える。サイドフェンス24L、24Rは、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える。綴じ処理部25は、エンドフェンス23及びサイドフェンス24L、24Rによって揃えられた用紙束Pbの端部を綴じる。そして、搬送ローラ対15は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
【0018】
図3は、第一実施形態に係る綴じ処理部25を搬送方向の上流側から見た模式図である。
図4は、第一実施形態に係る綴じ処理部25を主走査方向の液体付与手段31側から見た模式図である。
図3に示すように、綴じ処理部25は、液体付与手段31と、圧着手段32とを主に備える。液体付与手段31及び圧着手段32は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に隣接して配置されている。
【0019】
液体付与手段31は、貯液タンク43に貯留された液体(例えば、水)を、内部トレイ22に支持された用紙Pに付与(以下、「液体付与」と表記する。)する。液体付与手段31は、液体付与モータ31a(
図8参照)の駆動力が伝達されることによって、主走査方向に移動可能に構成されている。
図3及び
図4に示すように、液体付与手段31は、下押圧板33と、上押圧板34(押圧手段)と、移動機構35と、液体付与機構36とを主に備える。
【0020】
ここで「液体付与」のための貯液タンク43に貯留された液体とは、さらに詳しくは、化学式H2Oで表される水素と酸素の化合物の液体状態を主成分とするものである。液体状態であれば、その温度状態は問わず、いわゆる温水や熱水であってもよい。また、純水に限らず、精製水はもちろんのこと、イオン化した塩類が含まれていても良い。金属イオン含有量もいわゆる軟水から超硬水まで硬度は問わない。
【0021】
また主成分に加えて添加物が加えられていてもよい。水道水として用いられる残留塩素を含んでいてもよいし、着色剤・浸透剤・pH調整剤・フェノキシエタノールなどの防腐剤・グリセリンなどの乾燥防止剤等が添加されていることも望ましい。さらには、インクジェット方式の印刷装置で用いられるインクや、水性ペンに用いられるインクも成分として水を用いているので、これを液体として用いても良い。
【0022】
ここで具体的に挙げたものに限らず、次亜塩素酸水や消毒用に希釈したエタノール水溶液など広義の「水」であっても機能するが、圧着綴じとして機能させるためだけの用途であれば入手・管理が容易な水道水を用いればよい。又、液体としては、上記に例示したような水を主成分とする液体を用いる方が、水を主成分としていない液体を用いるよりも用紙束Pbの綴じ強度を向上させることができる。
【0023】
下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。下押圧板33は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbを下側から支持する。上押圧板34は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbの上方において、移動可能に構成されている。すなわち、下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbを挟んで、用紙P又は用紙束Pbの厚み方向(以下、単に「厚み方向」と表記する。)に対向して配置されている。さらに、上押圧板34には、ベースプレート40に支持された液体付与部材44の先端に対面する位置に、厚み方向に貫通する貫通孔34aが形成されている。
【0024】
図5(A)は、第一実施形態に係る上押圧板34を下方(
図3において下押圧板33側から)から見た場合の平面図である。上押圧板34には、液体付与部材44が上押圧板34を貫いて移動動作できるように貫通孔34aが形成されている。
図5(A)に示すように、上押圧板34は、液体付与部材44の周辺を取り囲むように配置されている。これにより、液体付与部材44が用紙P又は用紙束Pbに液体付与処理を行う際に、用紙P又は用紙束Pbの液体付与位置近傍の撓みやカール等を確実に押さえることができ、液体付与部材44による用紙P又は用紙束Pbへの均一な液体付与処理が可能となる。又、液体付与処理後の液体付与部材44からの用紙P又は用紙束Pbの剥し動作を確実に行うことができる。
【0025】
尚、貫通孔34aとしては、
図5(B)のように上押圧板34の外形の一部を切り欠いて形成してもよい。つまり、上押圧板34は、液体付与部材44の搬送方向の1辺と、主走査方向の2辺を囲むような形状としてもよい。上押圧板34をこのような形状とすることによっても、上述した
図5(A)の上押圧板34と同様の作用効果を奏することができる。
【0026】
また
図6は、第一実施形態に係る上押圧板34および下押圧板33の変形例を示す。
図6(A)は、
図4に対応する図である。
図6(B)(C)は、
図5(A)(B)の上押圧板34に傾斜部を設けた例を示す図である。
図6(D)は、
図6(A)の下押圧板33の上面図(上押圧板34側から見た図)である。
【0027】
この変形例では、
図6(A)-(D)に示すように、上押圧板34および下押圧板33の用紙Pが搬送されてくる側(搬送方向の上流側)には、用紙Pをガイドする傾斜部33c,34cがそれぞれ設けられている。これにより、用紙Pを上押圧板34及び下押圧板33の間に安定して案内することができる。尚、傾斜部については、上押圧板34および下押圧板33のどちらか一方の押圧板にのみ設けるようにしてもよい。
【0028】
さらに、
図6(D)に示すように、下押圧板33には液体付与後の余剰の液体を逃がすための貫通孔33aを設け、貫通孔33aから排出される液体を受ける排液皿33bを設けてもよい。貫通孔33aは、液体付与後の余剰液を効率的に排出できるように、液体付与部材44が用紙P又は用紙束Pbと当接する領域(液体付与領域)と重なるように配置されている。また、排液皿33bは、単独で、又は下押圧板33と一緒に下押圧板保持体331から取り外し可能に構成しており、ユーザが排液を定期的に捨てることができるようになっている。
【0029】
上押圧板34は少なくとも1枚の用紙Pを押圧する押圧手段の一例であり、排液皿33bは用紙P又は用紙束Pbが当接する当接面とは反対側に設けられた排液部の一例であり、下押圧板33は用紙P又は用紙束Pbと当接する対向部材の一例であり、下押圧板保持体331は対向部材を保持する保持部の一例であり、下押圧板33及び下押圧板保持体331は押圧手段との間で用紙P又は用紙束Pbを挟持する対向部333に含まれる。また、排液皿33b単独で取り外し可能とは、下押圧板33とは独立して排液皿33bを取り外すことができることを指す。
【0030】
移動機構35は、上押圧板34、ベースプレート40(ベース部材)、及び液体付与部材44を用紙束Pbの厚み方向に移動させる。本実施形態に係る移動機構35は、単一の移動モータ37(駆動源)によって、上押圧板34、ベースプレート40、及び液体付与部材44を連動して移動させる。移動機構35は、例えば、移動モータ37と、台形ネジ38と、ナット39と、ベースプレート40と、柱状部材41a、41bと、コイルバネ42a、42b(付勢部材)とを主に備える。
【0031】
移動モータ37は、上押圧板34、ベースプレート40、及び液体付与部材44を移動させる駆動力を発生させる。台形ネジ38は、上下方向に延設されると共に、綴じ処理部25のフレームに回転可能に支持されている。また、台形ネジ38は、プーリやベルト等を介して移動モータ37の出力軸に接続されている。ナット39は、台形ネジ38に螺合されている。そして、移動モータ37の駆動力が伝達されて台形ネジ38が回転することによってナット39が移動する。
【0032】
ベースプレート40は、上押圧板34より上方に配置されている。また、ベースプレート40は、液体付与部材44の先端を下方に突出させた状態で、液体付与部材44を支持している。さらに、ベースプレート40は、台形ネジ38に接続されて、台形ネジ38と共に移動可能に構成されている。そして、ベースプレート40の上下方向の位置は、移動センサ40aによって検知される。
【0033】
柱状部材41a、41bは、液体付与部材44の先端の周囲において、ベースプレート40から下方に突出している。また、柱状部材41a、41bは、ベースプレート40に対して厚み方向に相対移動可能に構成されている。さらに、柱状部材41a、41bは、下端で上押圧板34を支持している。又、柱状部材41a、41bの上端には、柱状部材41a、41bがベースプレート40から外れるのを防止する抜け止めが設けられている。コイルバネ42a、42bは、ベースプレート40と上押圧板34との間において、柱状部材41a、41bに外挿されている。そして、コイルバネ42a、42bは、上押圧板34及び柱状部材41a、41bを、ベースプレート40に対して下方に付勢する。
【0034】
液体付与機構36は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbに液体付与する。より詳細には、液体付与機構36は、液体付与部材44の先端を用紙P又は用紙束Pbに接触させることによって、用紙束Pbを構成する少なくとも1枚の用紙Pに液体付与する。液体付与機構36は、貯液タンク43と、液体付与部材44と、供給部材45と、ジョイント46とを主に備える。
【0035】
貯液タンク43は、用紙P又は用紙束Pbに供給するための液体を貯留する。貯液タンク43に貯留された液体の量は、液量センサ43aによって検知される。液体付与部材44は、貯液タンク43に貯留された液体を用紙P又は用紙束Pbに供給する。液体付与部材44は、先端が下方を向けてベースプレート40に支持されている。また、液体付与部材44は、吸水率の高い材料(例えば、スポンジ、繊維)で構成されている。
【0036】
供給部材45は、基端が貯液タンク43に貯留された液体に浸漬され、先端が液体付与部材44に接続された長尺の部材である。また、供給部材45は、例えば、液体付与部材44と同様に、吸水率の高い材料で構成されている。これにより、供給部材45の基端から吸収された液体が、毛細管現象によって液体付与部材44に供給される。
【0037】
保護部材45aは、供給部材45に外挿される長尺の筒体(例えば、チューブ)である。これにより、供給部材45が吸収した液体が漏れ出したり、蒸発するのを防止できたりする。また、供給部材45及び保護部材45aは、可撓性を有する材料で形成されている。ジョイント46は、液体付与部材44をベースプレート40に固定するものである。これにより、液体付与部材44は、移動機構35によって移動されても、ベースプレート40から下方に突出すると共に、先端が下方を向いた状態が維持される。
【0038】
圧着手段32は、凹凸状の綴じ歯で用紙束Pbを加圧変形させることによって、用紙束Pbを綴じる(以下、「圧着綴じ」と表記する。)。すなわち、圧着手段32は、ステープル針を用いずに、用紙束Pbを綴じることができる。圧着手段32は、圧着モータ32a(
図8参照)の駆動力が伝達されることによって、液体付与手段31とは独立して主走査方向に移動可能に構成されている。
【0039】
図7は、圧着手段32の構成を示す図である。
図7に示すように、圧着手段32は、第1部材32b(上圧着歯)及び第2部材32c(下圧着歯)を備える。第1部材32b及び第2部材32cは、内部トレイ22に支持された用紙束Pbを挟んで、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。第1部材32b及び第2部材32cの互いに対向する面には、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状の綴じ歯が形成されている。また、第1部材32b及び第2部材32cの綴じ歯は、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、第1部材32b及び第2部材32cは、接離モータ32d(
図8参照)の駆動力によって接離する。
【0040】
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、
図7(A)に示すように、第1部材32b及び第2部材32cは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に支持されると、
図7(B)に示すように、第1部材32b及び第2部材32cの綴じ歯が噛み合って、用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に支持された用紙束が圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束は、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
【0041】
上述のように第1部材32b及び第2部材32cは、接離モータ32d(
図8参照)の駆動力によって接離するが、
図7(C)に示すように、更に第1部材32b及び第2部材32cの両方を一緒に、スライドモータ32e(
図8参照)の駆動力によって主走査方向に移動可能に構成されていてもよい。これにより、用紙束Pbを綴じる際に第1部材32b及び第2部材32cによる綴じを2回並列して実施することで、圧着歯により圧着痕の幅を2倍にすることができので、用紙のコシが強い場合や、液体が浸透しにくい用紙の場合に、綴じ強度を向上することが可能になる。
【0042】
尚、圧着手段32の構成としては、圧着機構を構成する第1部材32b及び第2部材32cが噛み合えばよいので、本実施例に限定されない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って第1部材32b及び第2部材32cの圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であっても良いし、駆動源の回転運動を直線運動に変換するねじ機構により、第1部材32b及び第2部材32cの圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
【0043】
図2に戻って、後処理装置3は、エンドフェンス27と、綴じ処理部28と、用紙折りブレード29と、排出トレイ30とをさらに備える。エンドフェンス27、綴じ処理部28、及び用紙折りブレード29は、第3搬送路Ph3を搬送される用紙Pに中綴じ処理を施す。排出トレイ30には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、中綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0044】
エンドフェンス27は、第3搬送路Ph3を順番に搬送される複数の用紙Pの搬送方向の位置を揃える。また、エンドフェンス27は、用紙束Pbの中央を、綴じ処理部28に対面させる綴じ位置と、用紙折りブレード29に対面させる折り位置とに移動可能に構成されている。綴じ処理部28は、綴じ位置のエンドフェンス27によって揃えられた用紙束Pbの中央を綴じる。用紙折りブレード29は、折り位置のエンドフェンス27に支持された用紙束を半分に折って、搬送ローラ対18に挟持させる。搬送ローラ対18、19は、中綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ30に排出する。
【0045】
図8は、第一実施形態に係る後処理装置3のハードウェア構成図である。
図8に示すように、後処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0046】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0047】
後処理装置3は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3の動作を制御するコントローラ100を構成する。
【0048】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、液体付与モータ31a、圧着モータ32a、接離モータ32d、スライドモータ32e、移動モータ37、移動センサ40a、液量センサ43a、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、液体付与モータ31a、圧着モータ32a、接離モータ32d、スライドモータ32e、及び移動モータ37を動作させる。なお、
図8には端綴じ処理を実行する構成部品のみを図示しているが、中綴じ処理を実行する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
【0049】
操作パネル110は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。
【0050】
図9は、第一実施形態に係る綴じ処理のフローチャートである。
図10は、綴じ処理中における液体付与手段31及び圧着手段32の位置を示す図である。コントローラ100は、例えば、画像形成装置2から綴じ処理の実行指示(以下、「綴じ処理指示」と表記する。)を取得したタイミングで、
図9に示す綴じ処理を開始する。綴じ処理指示は、例えば、用紙束Pbを構成する用紙Pの数(以下、「所定枚数」と表記する。)と、綴じ処理を施すべき用紙束Pbの数(以下、「必要部数」と表記する。)とを含む。
【0051】
図10(A)に示すように、綴じ処理の開始時点において、液体付与手段31はホーム位置HP1に位置し、圧着手段32はホーム位置HP2に位置している。液体付与手段31のホーム位置HP1と、圧着手段32のホーム位置HP2とは、主走査方向における内部トレイ22の外側の位置である。また、液体付与手段31のホーム位置HP1と、圧着手段32のホーム位置HP2とは、主走査方向の異なる位置である。本実施形態に係る液体付与手段31のホーム位置HP1は、主走査方向において、圧着手段32のホーム位置HP2より内部トレイ22に近い位置に配置されている。
【0052】
まず、コントローラ100は、
図10(B)に示すように、液体付与モータ31aを駆動して液体付与手段31をホーム位置HP1から綴じ位置P1に移動させ、圧着モータ32aを駆動して圧着手段32をホーム位置HP2から綴じ待機位置P2に移動させる(S701)。なお、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15によって最初の用紙Pが内部トレイ22に搬送される前に、ステップS701の処理を実行する。
【0053】
綴じ位置P1及び綴じ待機位置P2は、内部トレイ22に支持された用紙Pに対面し得る位置である。また、綴じ位置P1及び綴じ待機位置P2は、ホーム位置HP1、HP2と異なる位置である。綴じ位置P1は、綴じ待機位置P2より用紙Pの中央に近い位置である。綴じ位置P1は、後述するステップS703で液体付与手段31が液体付与を行う位置で、且つ後述するステップS1004で圧着手段32が圧着綴じを行う位置である。綴じ待機位置P2は、液体付与手段31の動作中に圧着手段32を待機させる位置である。
【0054】
綴じ位置P1、綴じ待機位置P2、及び後述する液体付与待機位置P3は、綴じ処理指示に含まれていてもよいし、操作パネル110を通じてユーザによって指定されてもよい。コントローラ100は、例えば、液体付与モータ31a、圧着モータ32aの出力軸に取り付けられたエンコーダセンサによって、液体付与手段31及び圧着手段32の位置を把握すればよい。
【0055】
次に、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15を回転させることによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pを内部トレイ22に収容する(S702)。また、コントローラ100は、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に支持された用紙Pの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)。
【0056】
次に、コントローラ100は、直前のステップS702で内部トレイ22に支持された用紙Pに対して、綴じ位置P1の液体付与手段31に液体付与させる(S703)。
図11は、ステップS703における液体付与手段31の動作を示す図である。本実施形態に係る上押圧板34、液体付与部材44、及びベースプレート40は、移動モータ37の駆動力が伝達されて、連動して移動する。より詳細には、上押圧板34、液体付与部材44、及びベースプレート40は、移動モータ37が第1方向に回転することによって下降し、移動モータ37が第1方向と逆向きの第2方向に回転することによって上昇する。
【0057】
上押圧板34は、押圧位置(
図11(B)、(C))及び解放位置(
図11(A))の間を移動する。押圧位置は、内部トレイ22に支持された少なくとも1枚の用紙Pの上面に当接して、当該用紙Pを上方から押圧する位置である。解放位置は、用紙P又は用紙束Pbから上方に離間した位置である。すなわち、解放位置は、押圧位置より上方の位置である。
【0058】
液体付与部材44は、中間離間位置(
図11(B))を経由して液体付与位置(
図11(C))から離間位置(
図11(A))の間を移動する。液体付与位置は、内部トレイ22に支持された少なくとも1枚の用紙Pの上面に接触して、用紙P又は用紙束Pbに液体を含ませる位置である。液体付与部材44の先端は、液体付与位置のときに、上押圧板34の貫通孔34aを通じて用紙P又は用紙束Pbに接触する。離間位置及び中間離間位置は、用紙P又は用紙束Pbから上方に離間した位置である。液体付与部材44の先端は、離間位置及び中間離間位置のときに、貫通孔34aより上方に位置する。すなわち、離間位置及び中間離間位置は、液体付与位置より上方の位置である。
【0059】
ベースプレート40は、第1位置(
図11(C))、第2位置(
図11(B))、及び第3位置(
図11(A))の間を移動する。第1位置は、上押圧板34が押圧位置で、且つ液体付与部材44が液体付与位置となる位置である。第2位置は、上押圧板34が押圧位置のままで、液体付与部材44が用紙P又は用紙束Pbから離間する中間離間位置となる位置である。なお、ベースプレート40が第2位置のとき、液体付与部材44は、液体付与位置及び離間位置の間に位置する。第3位置は、上押圧板34が解放位置で、且つ液体付与部材44が離間位置となる位置である。すなわち、第2位置は第1位置より上方の位置で、第3位置は第2位置より上方の位置である。コントローラ100は、例えば、移動センサ40aと移動モータ37のロータリエンコーダとによって、ベースプレート40の位置を把握することができる。
【0060】
図11(A)に示すように、用紙P又は用紙束Pbに液体付与を行う前のベースプレート40の位置は、第3位置である。すなわち、上押圧板34及び液体付与部材44は、既に内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbの上面から離間している。そのため、搬送ローラ対15によって新たに内部トレイ22に供給される用紙Pは、下押圧板33及び上押圧板34の間に進入して、既に内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbの上に重ねられる。
【0061】
次に、コントローラ100は、移動モータ37を第1方向に回転させることによって、第3位置のベースプレート40を下降させる。そして、
図11(B)に示すように、ベースプレート40が第2位置まで下降すると、上押圧板34によって用紙P又は用紙束Pbが押圧される。但し、この時点では、液体付与部材44は未だ用紙P又は用紙束Pbに接触していない。換言すれば、上押圧板34は、液体付与部材44が液体付与位置に達する前に、押圧位置に達する。
【0062】
コントローラ100が移動モータ37をさらに第1方向に回転させると、上押圧板34及びベースプレート40に挟まれたコイルバネ42a、42bが弾性圧縮される。これにより、上押圧板34が押圧位置のまま、ベースプレート40及び液体付与部材44が下降する。そして、
図11(C)に示すように、ベースプレート40が第1位置まで下降すると、液体付与部材44の先端が貫通孔34aを通過して用紙P又は用紙束Pbに接触する。これにより、綴じ処理部25は、押圧位置の上押圧板34で用紙P又は用紙束Pbを押圧した状態で、液体付与位置の液体付与部材44から用紙P又は用紙束Pbに液体付与することができる。
【0063】
なお、ベースプレート40が第2位置から第1位置に移動する過程では、上押圧板34の位置は変更しないが、用紙P又は用紙束Pbに対する上押圧板34の押圧力は変化する。より詳細には、上押圧板34の押圧力は、ベースプレート40が第1位置のときに、ベースプレート40が第2位置のときより大きい。すなわち、移動機構35は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbに対する上押圧板34の押圧力を変更することができる。
【0064】
次に、
図11(C)の状態から移動モータ37を第2方向に回転させると、ベースプレート40は、第1位置から第2位置を経て第3位置まで上昇する。このとき、液体付与部材44は、ベースプレート40と共に上昇する。これに対して、上押圧板34は、ベースプレート40が第1位置及び第2位置の間に位置しているとき、コイルバネ42a、42bの付勢力によって押圧位置から移動しない。さらに、上押圧板34は、ベースプレート40が第2位置及び第3位置の間に位置しているとき、ベースプレート40と共に上昇する。
【0065】
このように、上押圧板34は、
図11(B)に示したように、液体付与部材44の先端が用紙P又は用紙束Pbに接触する前に、用紙P又は用紙束Pbを押圧する。そして、上押圧板34は、
図11(C)に示したように、液体付与部材44が用紙P又は用紙束Pbに液体を付与する際に、液体付与部材44の先端の周囲を押圧する。これにより、仮に用紙P又は用紙束Pbが波打った状態や湾曲した状態である場合でも、用紙P又は用紙束Pbの浮き上がりを確実に防止し、精度よく液体付与処理を行うことが可能となる。
【0066】
さらに、上押圧板34は、
図11(B)に示したように、液体付与部材44の先端が用紙P又は用紙束Pbから離間した状態(中間離間位置)でも、用紙P又は用紙束Pbへの押圧状態を維持する。そして、上押圧板34は、
図11(A)に示すように、液体付与部材44の先端が用紙P又は用紙束Pbから完全に離間した離間位置に移動したときに、用紙P又は用紙束Pbへの押圧を解除する解放位置に移動する。これにより、液体付与部材44による液体付与処理の終了後に、液体付与部材44の先端に用紙P又は用紙束Pbが張り付くのを確実に防止し、次の圧着綴じ処理へスムーズに処理を進めることが可能となる。
【0067】
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙の数が、綴じ処理指示で示された所定枚数に達したか否かを判定する(S704)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙の数が所定枚数に達していないと判定した場合に(S704:No)、ステップS702及びS703の処理を再び実行する。すなわち、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15によって内部トレイ22に用紙Pが搬送される度に、液体付与手段31による液体付与処理を実行する。尚、液体付与手段31による液体付与処理は、用紙束Pbを構成する複数の用紙Pの全てに行われる場合だけではなく、一部の用紙Pにのみ行ってもよい。
【0068】
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が所定枚数(用紙束Pb)に達したと判定した場合に(S704:Yes)、
図10(C)に示すように、液体付与モータ31aを駆動して液体付与手段31を綴じ位置P1から液体付与待機位置P3に移動させ、圧着モータ32aを駆動して圧着手段32を綴じ待機位置P2から綴じ位置P1に移動させる(S705)。液体付与待機位置P3は、圧着手段32の動作中に液体付与手段31を待機させる位置である。また、綴じ位置P1、綴じ待機位置P2、及び液体付与待機位置P3は、互いに異なる位置である。
【0069】
次に、コントローラ100は、圧着綴じ処理を実行する(S706)。圧着綴じ処理は、内部トレイ22に収容された用紙束Pbに圧着綴じを施して、排出トレイ26に排出する処理である。
図12は、第一実施形態に係る圧着綴じ処理のフローチャートである。
図13は、第一実施形態に係る圧着綴じ処理における液体付与手段31及び圧着手段32の動作を示す図である。
【0070】
まず、コントローラ100は、綴じ処理指示で示された所定枚数と、予め定められた閾値枚数とを比較する(S1001)。そして、コントローラ100は、所定枚数が閾値枚数以上の場合に(S1001:Yes)、第1押圧力で上押圧板34に用紙束Pbを押圧させる(S1002)。一方、コントローラ100は、所定枚数が閾値枚数未満の場合に(S1001:No)、第2押圧力で上押圧板34に用紙束Pbを押圧させる(S1003)。より詳細には、コントローラ100は、ステップS1002、S1003において、移動モータ37を第1方向に回転させることによって、第3位置のベースプレート40を第1位置及び第2位置の間の位置まで下降させる。
【0071】
すなわち、
図13(A)に示すように、コントローラ100は、ステップS1002、S1003において、上押圧板34が押圧位置に位置し、液体付与部材44の先端が液体付与位置より上方に位置するように、ベースプレート40を下降させる。換言すれば、コントローラ100は、上押圧板34で用紙束Pbを押圧し、且つ液体付与部材44で用紙束Pbに液体付与されない位置まで、ベースプレート40を下降させる。
【0072】
また、
図13(A)に示すように、ステップS1002、S1003の時点では、第1部材32b及び第2部材32cが用紙束Pbを挟んで噛み合っていない。すなわち、コントローラ100は、圧着手段32に圧着綴じさせる前に、上押圧板34に用紙束Pbを押圧させる。また、ステップS1002におけるベースプレート40の位置は、ステップS1003におけるベースプレート40の位置より下方である。すなわち、ステップS1002における上押圧板34の第1押圧力は、ステップS1003における第2押圧力より強い。
【0073】
次に、コントローラ100は、綴じ位置P1の圧着手段32を駆動することによって、内部トレイ22に収容された用紙束Pbを圧着綴じする(S1004)。より詳細には、コントローラ100は、接離モータ32dを駆動して第1部材32b及び第2部材32cの綴じ歯を噛み合わせることによって、用紙束Pbを加圧変形させる。すなわち、
図13(B)に示すように、コントローラ100は、上押圧板34が押圧位置に配置された状態で、圧着手段32に圧着綴じを実行させる。
【0074】
次に、コントローラ100は、上押圧板34が押圧位置に配置された状態で、第1部材32b及び第2部材32cを離間させる。さらに、
図13(C)に示すように、コントローラ100は、スライドモータ32eを駆動することによって、第1部材32b及び第2部材32cを主走査方向にスライドさせる(S1005)。これにより、圧着綴じされた用紙束Pbから第1部材32bが引き剥がされる。これにより、例えば圧着綴じされた用紙束Pbが第1部材32bに張り付いてしまった場合でも、用紙束Pbを上押圧板34により押圧した状態で第1部材32bを離間して、スライドさせることにより、確実に用紙束Pbを第1部材32bから引き剥がすことが可能になり、圧着処理工程が途中で中断する等のダウンタイムの発生を抑制することできる。
【0075】
次に、コントローラ100は、移動モータ37を第2方向に回転させることによって、上押圧板34を解放位置(換言すれば、ベースプレート40を第3位置)に上昇させる(S1006)。すなわち、コントローラ100は、第1部材32bが用紙束Pbから離間した後に、上押圧板34による用紙束Pbの押圧を解除する。さらに、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する(S1007)。
【0076】
次に、コントローラ100は、排出された用紙束Pbの数が、綴じ処理指示で示された必要部数に達したか否かを判定する(S707)。コントローラ100は、必要部数に達していないと判定した場合に(S707:No)、ステップS701以降の処理を再び実行する。すなわち、コントローラ100は、排出トレイ26に排出した用紙束Pbの数が必要部数に達するまで(S707:Yes)、ステップS701~S706の処理を繰り返し実行する。
【0077】
そして、コントローラ100は、必要部数に達したと判定した場合に(S707:Yes)、液体付与モータ31aを駆動して液体付与手段31を液体付与待機位置P3からホーム位置HP1に移動させ、圧着モータ32aを駆動して圧着手段32を綴じ位置P1からホーム位置HP2に移動させて(S708)、綴じ処理を終了する。これにより、液体付与手段31及び圧着手段32が
図10(A)の位置に戻る。
【0078】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0079】
上記の実施形態によれば、上押圧板34で用紙P又は用紙束Pbを押圧することによって、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbが前段の処理の影響などによって波打った状態や湾曲した状態である場合でも、用紙P又は用紙束Pbの浮き上がりを確実に防止することができる。その結果、液体付与部材44の先端を用紙P又は用紙束Pbに接触させた際の液体付与量を安定させることができる。
【0080】
また、上記の実施形態によれば、上押圧板34で用紙P又は用紙束Pbを押圧した状態を維持したままで、液体付与部材44の先端を用紙P又は用紙束Pbに接触させ、さらに液体付与部材44の先端を用紙P又は用紙束Pbから離間させる。これにより、上昇する液体付与部材44と共に用紙P又は用紙束Pbが浮き上がるのを防止することができる。すなわち、液体付与終了後に用紙P又は用紙束Pbが液体付与部材44に張り付くのを防止することができる。
【0081】
以上より、上押圧板34は、液体付与部材44の用紙P又は用紙束Pbへの液体付与処理中は、用紙P又は用紙束Pbの湾曲等を押さえる機能、液体付与終了後は用紙P又は用紙束Pbを液体付与部材44から引き剥す機能の両方を備えていることになる。
【0082】
また、上記の実施形態によれば、単一の移動モータ37で上押圧板34及び液体付与部材44を移動させ、コイルバネ42a、42bの付勢力によって上押圧板34及び液体付与部材44の移動タイミングをずらすことによって、低コスト化、省エネ化、小型化を実現することができる。但し、上押圧板34及び液体付与部材44は、異なる移動機構によって独立して移動されてもよい。
【0083】
また、上記の実施形態によれば、上押圧板34で用紙束Pbを押圧した状態で、圧着手段32に圧着綴じを実行(すなわち、第1部材32b及び第2部材32cを接離)させる。これにより、第1部材32b及び第2部材32cへの用紙束Pbの張り付きを防止することができる。さらに、第1部材32b及び第2部材32cの少なくとも一方を、圧着綴じ後に主走査方向にスライドさせることによって、第1部材32b及び第2部材32cから用紙束を確実に引き剥がすことができる。
【0084】
なお、用紙束Pbを構成する用紙の枚数が多いほど、第1部材32b及び第2部材32cの綴じ歯を用紙束Pbに深く食い込ませる必要がある。一方、上押圧板34による押圧力が強すぎると、用紙束Pbが傷つく可能性がある。そこで上記の実施形態のように、用紙束Pbを構成する用紙の枚数に応じて、用紙束Pbに対する上押圧板34の押圧力を変化させることによって、用紙束Pbの張り付き防止と傷つき防止とを両立することができる。
【0085】
但し、押圧力を変化せるパラメータは、用紙束Pbを構成する用紙Pの枚数に限定されない。他の例として、コントローラ100は、用紙束Pbを構成する用紙Pの種類(例えば、普通紙、厚紙、光沢紙など)に応じて、用紙P又は用紙束Pbに対する上押圧板34の押圧力を変化させてもよい。他の例として、コントローラ100は、用紙束Pbを構成する用紙Pの厚さに応じて、用紙P又は用紙束Pbに対する上押圧板34の押圧力を変化させてもよい。さらに他の例として、コントローラ100は、前述したパラメータ(用紙Pの枚数、種類、厚さ)を組み合わせて、押圧力を調整してもよい。
【0086】
[変形例1]
尚、用紙束を押圧する上押圧板34の移動機構は、バネ方式に限定されない。
図14を参照して、上押圧板34の移動機構の変形例を説明する。
【0087】
図14は、変形例1に係る液体付与手段31の上押圧板34を示したものである。上述の実施例との違いは、コイルバネ42を用いずに上押圧板34をその自重によって移動させる構成となっている点である。前述の
図11で説明したのと同様に、上押圧板34は、
図14(B)(C)の押圧位置、及び
図14(A)の解放位置の間を移動し、液体付与部材44は、
図14(B)の中間離間位置を経由して、
図14(C)の液体付与位置から
図14(A)の離間位置の間を移動する。
【0088】
ここで、上押圧板34は、上押圧板34を保持する柱状部材41a、41bがベースプレート40を貫通しており、柱状部材41a、41bの上端部の抜け止めにより重力方向の移動が規制されている。つまり、上押圧板34は、柱状部材41a、41bを介してベースプレート40にぶら下がって保持されている。すなわち、上押圧板34は重力によって下向きに押圧力が働くように設定されている。このように、コイルバネ42で押圧力を得る代わりに、上押圧板34をその材質や体積を工夫して適切な押圧力が得られる重量に設定することにより、液体付与部材44の支持機構の簡素化によるコストダウン、機構の簡素化によりメンテナンス性向上を図ることができる。
【0089】
[変形例2]
また、用紙束Pbを押圧する押圧手段は、上押圧板34に限定されない。
図15及び
図16を参照して、押圧手段の変形例を説明する。
図15は、変形例2に係る液体付与手段31Aを搬送方向の上流側から見た模式図である。
図16は、変形例2に係る液体付与手段31Aを主走査方向から見た模式図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0090】
変形例2に係る液体付与手段31Aは、上押圧板34、柱状部材41a、41b、及びコイルバネ42a、42bが省略され、ファン47、エアチューブ48、及びエアノズル49a、49bで構成される押圧手段を備える点で、上記の実施形態に係る液体付与手段31と相違する。一方、液体付与手段31、31Aは、その他の点で共通する。
【0091】
ファン47は、用紙P又は用紙束Pbに吹き付けるための押圧風を生起させる。エアチューブ48は、ファン47で生起された押圧風をエアノズル49a、49bに供給する流路である。エアノズル49a、49bは、下押圧板33及びベースプレート40の間において、下方を向けて固定されている。また、エアノズル49a、49bは、液体付与部材44の周りに配置されている。そして、変形例2に係る押圧手段は、内部トレイ22に支持された用紙P又は用紙束Pbに対して、エアノズル49a、49bから押圧風を吹き付けることによって、用紙P又は用紙束Pbを押圧する。また、変形例2に係る押圧手段は、押圧風の風量(換言すれば、ファン47の回転数)を増減させることによって、押圧力を変更する。
【0092】
[第二実施形態]
次に、
図17~
図21を参照して、第二実施形態に係る後処理装置3Aを説明する。なお、第一実施形態と共通の構成要素には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略することがある。第二実施形態に係る後処理装置3Aは、液体付与手段31と圧着手段32が併設された第一実施形態に係る後処理装置3とは異なり、液体付与手段131のみを搬送路の上流側に設けている。これにより、液体付与処理後に用紙Pを所定枚数プレスタックして、下流側に設けられた圧着手段32へ搬送することができるので、圧着手段32での綴じ処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0093】
図17は、第二実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図である。
図17に示すように、後処理装置3Aは、液体付与手段131と、パンチ孔穿設手段132(処理部)とをさらに備える。液体付与手段131及びパンチ孔穿設手段132は、内部トレイ22より搬送方向の上流側に配置されている。また、液体付与手段131及びパンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10~19によって搬送される1枚の用紙Pに同時に対面し得る位置において、搬送方向にずれて配置されている。本実施形態に係る液体付与手段131及びパンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10、11の間に配置されている。但し、液体付与手段131及びパンチ孔穿設手段132の配置は、
図17の例に限定されない。
【0094】
液体付与手段131は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに液体(例えば、水)を付与(以下、「液体付与」と表記する。)する。パンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに、厚み方向に貫通するパンチ孔を穿つ。なお、液体付与手段131に近接して設けられる処理部は、パンチ孔穿設手段132に限定されず、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pの傾き(スキュー)を補正する傾き補正部でもよい。
【0095】
図18は、第二実施形態に係る液体付与手段131を用紙Pの厚み方向から見た図である。
図19は、
図18のV-Vにおける断面図である。
図20は、
図18のVI-VIにおける断面図である。
図18~
図20に示すように、液体付与手段131は、一対のガイド軸133a、133bと、一対のプーリ134a、134bと、無端環状ベルト135、136と、スライドモータ137と、ホーム位置センサ138と、液体付与ユニット140とを主に備える。
【0096】
一対のガイド軸133a、133bは、搬送方向に離間した位置において、各々が主走査方向に延設されている。また、一対のガイド軸133a、133bは、後処理装置3Aの一対の側板4a、4bに支持されている。そして、一対のガイド軸133a、133bは、液体付与ユニット140を主走査方向に移動可能に支持する。
【0097】
一対のプーリ134a、134bは、搬送方向における一対のガイド軸133a、133bの間に配置されている。また、一対のプーリ134a、134bは、主走査方向に離間して配置されている。さらに、一対のプーリ134a、134bは、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸線回りに回転可能に、後処理装置3Aのフレームに支持されている。
【0098】
無端環状ベルト135は、一対のプーリ134a、134bに掛け渡されている。また、無端環状ベルト135には、接続部35aによって液体付与ユニット140に接続されている。無端環状ベルト136は、プーリ134aとスライドモータ137の出力軸137aとに掛け渡されている。スライドモータ137は、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させるための駆動力を発生させる。
【0099】
スライドモータ137が回転することによって、プーリ134a及び出力軸137aの間を無端環状ベルト136が周回し、プーリ134aを回転させる。また、プーリ134aが回転することによって、一対のプーリ134a、134bの間を無端環状ベルト135が周回する。これにより、液体付与ユニット140は、一対のガイド軸133a、133bに沿って主走査方向に移動する。また、スライドモータ137の回転方向を切り替えることによって、液体付与ユニット140は、主走査方向に往復移動する。
【0100】
ホーム位置センサ138は、液体付与ユニット140が主走査方向のホーム位置に到達したことを検知し、検知結果を示すホーム位置信号を後述するコントローラ100(
図21参照)に出力する。ホーム位置センサ138は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、ホーム位置の液体付与ユニット140は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、ホーム位置センサ138は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、ホーム位置信号を出力する。但し、ホーム位置センサ138の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
【0101】
図19に示すように、後処理装置3A内の搬送路は、用紙Pの厚み方向に離間して配置された上ガイド板5a及び下ガイド板5bによって画定される。そして、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aに設けられた開口に対面する位置に配置されている。すなわち、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aの開口を通じて搬送路(すなわち、用紙Pに対面し得る位置)に対面して配置されている。
【0102】
図18~
図20に示すように、液体付与ユニット140は、液体付与ベース141と、回転ブラケット142と、貯液タンク143と、移動部材144と、上押圧板145と、液体付与ヘッド146と、柱状部材147a、147bと、下押圧板148と、コイルバネ149a、149bと、回転モータ150と、移動モータ151(
図21参照)と、ホーム角度センサ152とを主に備える。
【0103】
液体付与ベース141は、主走査方向にスライド可能に一対のガイド軸133a、133bに支持されている。また、液体付与ベース141は、接続部35aによって無端環状ベルト135に接続されている。さらに、液体付与ベース141は、液体付与ユニット140の構成部品142~152を支持している。
【0104】
回転ブラケット142は、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸線回りに回動可能に液体付与ベース141の下面に支持されている。また、回転ブラケット142は、回転モータ150の駆動力が伝達されることによって、液体付与ベース141に対して回転する。さらに、回転ブラケット142は、貯液タンク143、移動部材144、上押圧板145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、下押圧板148、及びコイルバネ149a、149bを支持している。
【0105】
ホーム角度センサ152は、回転ブラケット142がホーム角度に到達したことを検知し、検知結果を示すホーム角度信号をコントローラ100に出力する。ホーム角度とは、例えば、平行綴じするときの角度である。ホーム角度センサ152は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、ホーム角度の回転ブラケット142は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、ホーム角度センサ152は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、ホーム角度信号を出力する。但し、ホーム角度センサ152の具体的な構成は、前述の例に限定されない。尚、
図18(A)に示した回転ブラケット142は、下流側の圧着手段32が平行綴じする際の状態を示している。又、
図18(B)に示した回転ブラケット142は、下流側の圧着手段32が斜め綴じ(角綴じ)する際の状態を示している。
【0106】
貯液タンク143は、用紙Pに液体付与するための液体を貯留する。移動部材144は、用紙Pの厚み方向に移動可能に貯液タンク143に支持されている。また、移動部材144は、移動モータ151の駆動力が伝達されることによって、貯液タンク143に対して移動する。上押圧板145は、移動部材144の下端に取り付けられている。液体付与ヘッド146は、上押圧板145から搬送路に向けて(本実施形態では、下方)に突出している。また、液体付与ヘッド146には、貯液タンク143に貯留された液体が供給される。さらに、液体付与ヘッド146は、吸水率の高い材料(例えば、スポンジ、繊維)で構成されている。
【0107】
柱状部材147a、147bは、液体付与ヘッド146の周囲において、上押圧板145から下方に突出している。また、柱状部材147a、147bは、上押圧板145に対して厚み方向に相対移動可能に構成されている。さらに、柱状部材147a、147bは、下端で下押圧板148を支持している。下押圧板148には、液体付与ヘッド146に対面する位置に貫通孔148aが形成されている。コイルバネ149a、149bは、上押圧板145と下押圧板148との間において、柱状部材147a、147bに外挿されている。そして、コイルバネ149a、149bは、柱状部材147a、147b及び下押圧板148を、上押圧板145に対して下方に付勢する。
【0108】
図19(A)及び
図20(A)に示すように、上ガイド板5aの開口に対面する位置に用紙Pが搬送される前の段階では、下押圧板148は開口の位置または開口より上方に位置している。次に、搬送ローラ対10、11によって搬送された用紙Pの液体付与位置が開口に対面する位置で停止すると、移動モータ151を第1方向に回転させる。これにより、移動部材144、上押圧板145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、下押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって下降して、下押圧板148が用紙Pに当接する。なお、液体付与位置とは、綴じ処理部25によって圧着綴じされる予定の位置(すなわち、綴じ位置)である。
【0109】
そして、下押圧板148が用紙Pに当接した後も移動モータ151を第1方向に回転させることによって、コイルバネ149a、149bが圧縮されて、移動部材144、上押圧板145、液体付与ヘッド146、及び柱状部材147a、147bがさらに下降する。そして、
図19(B)及び
図20(B)に示すように、液体付与ヘッド146の下面が貫通孔148aを通じて用紙Pに当接する。その結果、液体付与ヘッド146に含まれる液体が用紙Pに供給される。
【0110】
さらに、
図19(C)及び
図20(C)に示すように、移動モータ151をさらに第1方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pにさらに強く押し付けることができる。これにより、用紙Pに対する液体付与量が増加する。すなわち、液体付与手段131は、用紙Pに対する液体付与ヘッド146の押し付け力を変更することによって、液体付与量を調整することができる。
【0111】
一方、移動モータ151を第1方向と逆向きの第2方向に回転させることによって、移動部材144、上押圧板145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、下押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって上昇する。これにより、
図19(A)及び
図20(A)に示すように、液体付与ヘッド146及び下押圧板148が用紙Pから離間する。すなわち、液体付与手段131は、用紙Pに切離可能な液体付与ヘッド146を備える。
【0112】
図21は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。
図21に示すように、後処理装置3Aは、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0113】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3A全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0114】
後処理装置3Aは、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3Aの種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3Aに搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3Aの機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3Aの動作を制御するコントローラ100を構成する。
【0115】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、綴じ処理部25、液体付与手段131、パンチ孔穿設手段132、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、綴じ処理部25、液体付与手段131、及びパンチ孔穿設手段132の動作を制御する。なお、
図21には端綴じ処理を実行する構成部品のみを図示しているが、中綴じ処理を実行する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
【0116】
また、上記に説明した制御方法は、例えば、プログラム等で実現してもよい。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0117】
以上説明した本実施形態に係る後処理装置3によれば、複数の用紙Pを束にした用紙束Pbに対する綴じ処理において、綴じ強度を向上させるにあたり、綴じ処理箇所に液体付与処理をしたときの用紙P又は用紙束Pbの張り付きを防ぐことができる。そして、液体付与状態を安定させることができ、用紙束Pbを構成する用紙Pの綴じ位置の形状に乱れがあっても、液体付与時に用紙P又は用紙束Pbがトレイから浮き上がって液体付与量が安定しないという課題を解決する。その結果、圧着綴じ位置の液体付与状態を安定させることができ、綴じ状態を安定させることができる。
【0118】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0119】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された少なくとも1枚の前記媒体に液体を付与する液体付与手段と、
前記液体付与手段で液体を付与された少なくとも1枚の前記媒体を含む複数の前記媒体を加圧変形させて圧着綴じする圧着手段と、を備え、
前記液体付与手段は、
少なくとも1枚の前記媒体を押圧する押圧手段と、
前記押圧手段が少なくとも1枚の前記媒体を押圧している状態で、少なくとも1枚の前記媒体に対して接触及び離間可能に構成されている液体付与部材と、
を備える媒体処理装置である。
<2> 前記液体付与手段は、前記液体付与部材を移動させる移動機構を更に有し、
前記移動機構は、前記液体付与部材を、少なくとも1枚の前記媒体から離間した離間位置から、少なくとも1枚の前記媒体に接触する液体付与位置に移動させる前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記液体付与手段は、前記液体付与部材を移動させる移動機構を更に有し、
前記移動機構は、前記液体付与部材を、少なくとも1枚の前記媒体に接触する液体付与位置から、少なくとも1枚の前記媒体から離間した離間位置に移動させる前記<1>または前記<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記移動機構は、前記押圧手段及び前記液体付与部材を連動して移動させる単一の駆動源を備える前記<2>または前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記押圧手段は、少なくとも1枚の前記媒体に接触して押圧する押圧位置、及び前記押圧位置から離間した解放位置の間を移動可能である前記<1>乃至前記<4>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<6> 前記押圧手段は、前記媒体が搬送されてくる側に、前記媒体をガイドする傾斜部を備える前記<1>乃至前記<5>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<7> 前記押圧手段との間で前記媒体を挟持する対向部を備えた前記<1>乃至前記<6>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<8> 前記対向部は、前記媒体と当接する対向部材と、前記対向部材を保持する保持部とを備えた前記<7>に記載の媒体処理装置である。
<9>前記対向部材は、前記媒体が搬送されてくる側に、前記媒体をガイドする傾斜部を備えた前記<8>に記載の媒体処理装置である。
<10> 前記対向部材は、前記媒体が当接する当接面と、前記当接面とは反対側に設けられた排液部に連通する貫通孔とを備えた前記<8>又は前記<9>に記載の媒体処理装置である。
<11> 前記排液部は、前記排液部単独で、又は前記対向部材と一緒に、前記保持部に着脱可能に構成される前記<10>に記載の媒体処理装置である。
<12> 前記移動機構は、
前記液体付与部材と共に移動可能なベース部材と、
前記ベース部材から突出して前記押圧手段を保持すると共に、複数の前記媒体の厚み方向に、前記ベース部材に対して相対移動可能な柱状部材と、
前記押圧手段と前記ベース部材との間に配置されて、前記ベース部材に対して前記押圧手段を付勢する付勢部材とを備え、
前記ベース部材は、駆動源の駆動力が伝達されることによって、前記押圧手段が少なくとも1枚の前記媒体に接触して押圧する押圧位置で且つ前記液体付与部材が前記液体付与位置となる第1位置から、前記押圧手段が前記押圧位置のままで前記液体付与部材が前記媒体から離間する第2位置を経て、前記押圧手段が前記押圧位置から離間した解放位置で且つ前記液体付与部材が前記離間位置となる第3位置まで移動することを特徴とする前記<2>または前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<13> 前記圧着手段は、複数の前記媒体に前記押圧手段を押圧させた状態で、圧着綴じを実行することを特徴とする前記<1>乃至前記<12>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<14> 前記押圧手段は、複数の前記媒体に対する押圧力を変更可能に構成されていることを特徴とする前記<1>乃至前記<13>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<15> 前記押圧手段は、前記媒体の枚数、前記媒体の種類、及び前記媒体の厚さの少なくとも1つに応じて、押圧力を変更することを特徴とする前記<1>乃至前記<14>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<16> 前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする前記<1>乃至前記<15>のいずれか一項に記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
【符号の説明】
【0120】
1 :画像形成システム
2 :画像形成装置
3 :後処理装置
10-19 :搬送ローラ対
20 :切替爪
21 :排出トレイ
22 :内部トレイ
23 :エンドフェンス
24L,24R :サイドフェンス
25,28 :綴じ処理部
26,30 :排出トレイ
27 :エンドフェンス
29 :用紙折りブレード
31,31A,131 :液体付与手段
31a :液体付与モータ
32 :圧着手段
32a :圧着モータ
32b :第1部材
32c :第2部材
32d :接離モータ
32e,137 :スライドモータ
33,148 :下押圧板
34,145 :上押圧板
33a,34a,148a :貫通孔
35 :移動機構
36 :液体付与機構
37,151 :移動モータ
38 :台形ネジ
39 :ナット
40 :ベースプレート
40a :移動センサ
41a,41b,147a,147b :柱状部材
42a,42b,149a,149b :コイルバネ
43,143 :貯液タンク
43a 液量センサ
44 :液体付与部材
45 :供給部材
45a :保護部材
46 :ジョイント
47 :ファン
48 :エアチューブ
49a,49b エアノズル
100 :コントローラ
101 :CPU
102 :RAM
103 :ROM
104 :HDD
105 :I/F
109 :共通バス
110 :操作パネル
132 :パンチ孔穿設手段
133a,133b :ガイド軸
134a,134b :プーリ
135,136 :無端環状ベルト
137a :出力軸
138 :ホーム位置センサ
140 :液体付与ユニット
141 :液体付与ベース
142 :回転ブラケット
144 :移動部材
146 :液体付与ヘッド
150 :回転モータ
152 :ホーム角度センサ
331 :下押圧板保持体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】