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特開2023-67816基材の縁部において材料を選択的に除去するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067816
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】基材の縁部において材料を選択的に除去するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230509BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01L21/302 105Z
H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171472
(22)【出願日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】63/273,707
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】須佐 吉雄
(72)【発明者】
【氏名】相田 弘栄
(72)【発明者】
【氏名】美山 遼
(72)【発明者】
【氏名】菊地 良幸
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD04
5F004DA00
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DA28
5F004DB00
5F045AA08
5F045AB07
5F045AC00
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC14
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045BB08
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE19
5F045EE20
5F045EF05
5F045EF15
5F045EH05
5F045EH14
5F045EK07
5F045EM05
5F045EM07
5F045EM09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】膜を堆積させ、かつ基材の縁部において材料を除去するための改善された方法および装置を提供する。
【解決手段】方法は、サセプタ110と、ガス分配器130と、サセプタ110の上方の流れ制御リング140と、を備える基材処理装置100を提供することと、サセプタ上の基材ステージ150上に基材160を提供することと、エッチングガスチャネル170を通して、基材160の底面164の下方にエッチングガスを供給することと、ガス分配器130およびサセプタ110を使用してプラズマを形成することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の周囲で膜を選択的に除去する方法であって、前記方法が、
基材処理装置を提供することであって、
サセプタと、
ガス分配器と、
前記サセプタの上方の流れ制御リングと、を備える基材処理装置を提供することと、
サセプタ上に基材を提供することと、
前記基材の底面の下方にエッチングガスを供給することと、
前記ガス分配器および前記サセプタを使用してプラズマを形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ガス分配器が前記サセプタの上方にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス分配器および前記サセプタが、前記基材の周囲において前記プラズマを形成するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エッチングガスが、前記基材の中心で前記膜を除去しない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サセプタが、前記基材の前記底面の下方から前記サセプタの上面および前記基材の前記周囲の周りに向かって前記エッチングガスを供給するように構成されたエッチングガスチャネルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマが、前記流れ制御リングの内面と前記サセプタの前記周囲との間に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エッチングガスの流量を修正することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エッチングガスが、H、O、CO、NO、NH、He、Ar、N、およびCOのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エッチングガスが、Hと、ArおよびHeのうちの1つと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記サセプタが静電チャックを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチングガスが供給される間に、前記ガス分配器を通して堆積ガスを供給することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記エッチングガスが供給される前に、前記ガス分配器を通して堆積ガスを供給することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エッチングガスが供給される間に、前記ガス分配器を通して不活性ガスを供給することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
基材処理装置であって、
基材を支持するように構成されたサセプタと、
前記基材の上方のガス分配器と、を備え、
前記サセプタが、前記基材の底部の下方からエッチングガスを供給するように構成されたチャネルを備え、
前記ガス分配器および前記サセプタが、前記基材の周囲にプラズマを形成するように構成される、基材処理装置。
【請求項15】
前記チャネルが、前記サセプタの前記底部へと延在する、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項16】
前記チャネルが、前記基材の底面の下方から、前記サセプタの上面および前記基材の前記周囲の周りに向かって前記エッチングガスを供給するように構成される、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項17】
前記サセプタの上方に流れ制御リングをさらに備える、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項18】
前記サセプタが静電チャックを備える、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項19】
前記サセプタがヒーターをさらに備える、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項20】
請求項14~19のいずれか一項に記載の基材処理装置を備える、反応器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、膜を堆積させ、かつ基材の縁部において材料を除去するための改善された装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)、およびこれに類するものなどの気相反応器を、基材表面上の材料のクリーニング、堆積、およびエッチングを含む様々な用途のために使用することができる。例えば、基材上で層をクリーニング、堆積、および/またはエッチングして、半導体デバイス、フラットパネルディスプレイデバイス、光起電力デバイス、微小電気機械システム(MEMS)およびこれに類するものを形成するために、気相反応器を使用することができる。
【0003】
ALDプロセスおよびCVDプロセスを使用する膜の堆積後、膜の層間剥離が基材の縁部または側面で発生する場合がある。層間剥離は、その後の基材処理に有害に影響を与える場合があり、また基材が次のプロセス、例えばリソグラフィープロセスへと進むことを妨げる場合さえある。この問題に対する1つの解決策は、基材のベベル(または縁部)上の膜を除去するための、ベベルエッチャーの使用である。このプロセスでは、基材は堆積プロセスチャンバからピックアップされてもよく、そして基材のベベルにおける膜が除去される異なるプロセスチャンバの中へと定置されてもよい。除去は、基材の縁部において閉じ込められたプラズマによって促進される。しかしながら、このプロセスは、2つのプロセスチャンバの使用を必要とし、スループットを低減し、またプロセスを実施するために必要な時間および費用を増加する。
【0004】
したがって、効率を改善し、かつこれらのプロセスの設置面積を減少する改善された装置および方法が望ましい。
【0005】
このセクションに記載される問題および解決策の任意の考察は、本開示に対する状況を提供する目的のためにのみこの開示に含まれ、また本発明がなされた時点で、考察のいずれかまたはすべてが公知であったことを認めたものと取られるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の例示的な実施形態は、基材の中心に対して基材のベベル/縁部を選択的にエッチングするための装置および方法を提供する。本開示の様々な実施形態が以前の装置および方法の欠点に対処するやり方は、下記により詳細に考察されるが、一般的に、本開示の様々な実施形態は、基材の周囲にエッチングガスを供給し、かつプラズマを生成するための方法および基材処理装置を提供する。
【0007】
本開示の様々な実施形態では、基材の縁部において膜を選択的に除去する方法は、サセプタ、ガス分配器、およびサセプタの上方に流れ制御リングを備える基材処理装置を提供することと、サセプタ上に基材を提供することと、ガス分配器を提供し、基材の底面の下方にエッチングガスを供給することと、ガス分配器およびサセプタを使用してプラズマを形成することと、を含む。ガス分配器は、サセプタの上方に位置付けられてもよい。ガス分配器およびサセプタは、基材の周囲においてプラズマを形成するように構成されてもよい。様々な実施形態では、エッチングガスは、基材の中心において感知できる程度まで膜を除去しない。様々な実施形態では、サセプタは、基材の底面の下方からサセプタの上面および基材の周囲の周りに向かってエッチングガスを供給するように構成されたエッチングガスチャネルを含む。
【0008】
様々な実施形態では、プラズマは、流れ制御リングの内面とサセプタの周囲との間に形成される。
【0009】
様々な実施形態では、方法は、エッチングガスの流量を修正することをさらに含む。エッチングガスは、例えば、H、O、CO、NO、NH、He、Ar、N、およびCO、ならびにそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含んでもよい。一部の実施形態では、エッチングガスは、Hと、ArおよびHeのうちの1つと、を含む。
【0010】
様々な実施形態では、サセプタは静電チャックを備える。
【0011】
様々な実施形態では、方法は、エッチングガスが供給されている間に、ガス分配器を通して堆積ガスを供給することをさらに含む。様々な実施形態では、堆積ガスは、エッチングガスが供給される前に供給される。様々な実施形態では、方法は、エッチングガスが供給されている間に、ガス分配器を通して不活性ガスを供給することを含む。
【0012】
様々な実施形態では、基材処理装置は、基材を支持するように構成されたサセプタと、基材の上方のガス分配器とを備え、サセプタは、基材の底部の下方からエッチングガスを供給するように構成されたチャネルを備え、またガス分配器およびサセプタは、基材の周囲においてプラズマを形成するように構成される。様々な実施形態では、チャネルはサセプタの底部へと延在する。様々な実施形態では、チャネルは、基材の下方から基材の上面および基材の周囲の周りに向かってエッチングガスを供給するように構成される。
【0013】
様々な実施形態では、基材処理装置は、サセプタの上方に流れ制御リングをさらに備える。様々な実施形態では、サセプタは静電チャックを備える。様々な実施形態では、サセプタはヒーターを備える。
【0014】
様々な実施形態では、反応器システムは、本明細書に記述される実施形態のうちのいずれかの基材処理装置を備える。
【0015】
これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照する以下のある特定の実施形態の発明を実施するための形態から、当業者には容易に明らかとなることになり、本発明は、開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されないことになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【0017】
図1図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態による基材処理装置を図示する。
図2図2は、以前に知られているデバイスによる膜堆積およびエッチングプロセスを図示する。
図3図3Aおよび図3Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による膜堆積およびエッチングプロセスを図示する。
図4図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による基材処理装置を図示する。
図5図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による方法を図示する。
図6図6Aおよび図6Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態によるプロセスシーケンスを図示する。
図7図7は、上部プレート710と、絶縁体720と、底部プレート730と、を含む、例示的な静電チャック電極460の分解組立図を示す。 当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために図示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の図示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ある特定の実施形態および実施例を下記に開示するが、本明細書に記述される具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が拡張することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、後述する特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、形成するために使用されてもよい、またはデバイス、回路、もしくはフィルムがその上に形成されてもよい、ウエハまたは任意の下地材料(複数可)を指してもよい。さらに、基材は、基材の層の少なくとも一部分の中またはその上に形成される凹部、線、およびこれに類するものなどの、様々な特徴を含むことができる。
【0020】
一部の実施形態では、「膜」および「層」という用語は、交換可能に使用されてもよく、また標的または該当する表面全体を覆うように厚さ方向に垂直な方向に延在する層、または単純に標的もしくは該当する表面を覆う層を指してもよい。一部の実施形態では、「膜」または「層」という用語は、表面上に形成されたある特定の厚さを有する構造を指す。膜または層は、ある特定の特性を有する個別の単一の膜または層によって構成されてもよい。別の方法として、膜または層は、複数の膜もしくは層で構成されてもよく、また隣接する膜または層の間の境界は、明確であってもよく、または明確でなくてもよく、そして物理的、化学的、および/もしくは任意の他の特性、形成プロセスもしくは順序、ならびに/または隣接する膜もしくは層の機能もしくは目的に基づいて確立されていてもよく、または確立されていなくてもよい。
【0021】
一部の実施形態では、「ガス」は、常温常圧で気体である材料、気化した固体および/または気化した液体を含むことができ、また状況に応じて単一の気体または気体の混合物によって構成されてもよい。ガスは、プロセスガス、エッチングガス、または基材処理デバイスを通過する(サセプタ、シャワープレート、ガス分配器、ガス供給装置、電極、またはこれに類するものなどを通過する)他のガスを含むことができる。プロセスガスは、反応チャンバ内の反応に関与する反応物質もしくは前駆体を含んでもよく、かつ/または空気などの周囲ガスを含んでもよい。エッチングガスは、基材の一部分をエッチングすることができるガスを含んでもよい。
【0022】
さらにこの開示では、変数の任意の2つの数字は、その変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示される任意の範囲は、端点を含んでもよく、または除外してもよい。加えて、一部の実施形態では、示された変数の任意の値は(それらが「約」を有して示されているか否かにかかわらず)、正確な値またはおおよその値を指してもよく、また均等物を含んでもよく、また平均値、中央値、代表値、または大多数等を指してもよい。さらに、この開示では、「含む」「によって構成される」、および「有する」という用語は、一部の実施形態では、「典型的にまたは広く含む」、「含む」、「から本質的に成る」、または「から成る」を独立して指す。この開示では、任意の定義された意味は、一部の実施形態では、通常の意味および慣習的な意味を必ずしも除外するものではない。別段の記載のない限り、本明細書に記載される割合は絶対割合である。
【0023】
当然のことながら、状況が別の方法で明確に示さない限り、「含む」という用語は、オープンエンドであり、また他の要素または構成要素の存在を除外しない。「含む」という用語は、「からなる」の意味を含む。「からなる」という用語は、状況が別の方法で示さない限り、述べられたもの以外にいかなる他の特徴または構成要素も存在しないことを示す。
【0024】
図に目を移すと、図1は、本開示の一実施形態による基材処理装置100を図示する。基材処理装置100は、ガス分配器130と、堆積ガス供給180と、サセプタ110と、エッチングガスチャネル170と、基材ステージ150と、流れ制御リング140と、を含む。図1は、上面162および底面164を有する基材160を描写し、基材160は、基材ステージ150上に配置される。一部の実施形態では、ガス分配器130は電極を形成し、またプラズマは(例えば、RF)電源102によって活性化される。矢印は、基材処理装置100を通るガス流の方向を示す。堆積ガス供給180を通して供給されるガスは、基材160上に膜を堆積させるための1つ以上の前駆体および/または反応物質を含むガスなどのプロセスガスであってもよい。堆積ガス供給180はまた、不活性ガス(例えば、貴ガス)またはパージガスを供給してもよい。エッチングガスチャネル170を通して供給されるガスは、エッチングガスを基材160へと供給してもよい。エッチングガスチャネル170の基材ステージ150の下方の位置および構成に起因して、エッチングガスは基材160の縁部に方向付けられる。一部の実施形態では、流れ制御リング140はまた、エッチングガスの方向を基材160の縁部へ、かつ基材処理装置100の外へとさらに案内する。一部の実施形態では、サセプタ110は、サセプタ110を加熱するように構成されたヒーター532をさらに含む。
【0025】
図2は、以前の方法および装置を使用する、膜を堆積させ、かつ膜の縁部において基材をエッチングするプロセスを図示する。これらのプロセスでは、炭素堆積装置200と同様の装置を使用して、基材230の上へと膜を堆積させる。炭素堆積装置200は、プラズマガス分配器220および基材230の上方の電源202、およびサセプタ210を含む。炭素堆積装置200では、プロセスガスは、堆積ガス供給240を通して基材230へと供給される。プラズマ活性化は、基材230を覆い、かつ炭素堆積装置200を出る堆積プラズマ260を形成する。基材230上の結果としてもたらされる膜が基材230の縁部におけるエッチングを必要とする場合、基材230は、基材230の縁部をエッチングするために特に構成された、炭素ベベルエッチング装置300と同様の装置へと移送されなければならない。炭素ベベルエッチング装置300は、基材230の下方の、サセプタ310、プラズマ電極320、および電源302と、エッチングガスがそれを通して基材230へと供給される基材230の上方のガス供給装置340と、を含む。エッチングガス供給350は、ガス流を基材230の縁部へと方向付けるように構成される。プラズマ電極320は、エッチングプラズマ360を基材230の縁部においてのみ生成するために、基材230の下方にサセプタ310の縁部において位置付けられる。
【0026】
対照的に、本明細書に記述される実施形態による、膜を堆積させ、かつ膜の縁部において基材をエッチングするプロセスを、図3に図示する。図1および図3に示すように、基材処理装置100は、エッチングガスチャネル170を通して、基材160の下方にエッチングガスを供給するように構成されてもよく、また基材160の上方のガス分配器130から堆積プラズマ190を生成するように構成されてもよい。図3Aは、基材処理装置100内の堆積プラズマ190の形成を図示する。一部の実施形態では、堆積プラズマ190は、CCPタイプの電源102によってRF(例えば、13.56MHz)電力によって活性化される。図3Bは、同じ基材処理装置100の中のエッチングプラズマ108の形成を図示する。エッチングガスチャネル170および流れ制御リング140の位置に起因して、電極130によるエッチングプラズマ108の生成は、基材160の縁部に集中されてもよく、一方で、ガス混合物は、基材160上に膜または材料をエッチングしない、基材160の中心において希釈されたプラズマ112を形成する。基材処理装置100の構成は、エッチングのために基材160を別個の装置に移送する必要性を除去し、それによって、堆積およびエッチングプロセスを達成するための複数のツールの必要性を低減する。
【0027】
図4は、本開示の別の実施形態による基材処理装置400を図示する。基材処理装置400は、ガス分配器430と、堆積ガス供給480と、サセプタ410と、エッチングガスチャネル470と、基材ステージ450と、流れ制御リング440と、を含む。一部の実施形態では、サセプタ410は、サセプタ410内に埋め込まれた静電チャック電極460を含む静電チャックとして構成され、またガスは、中央ガス供給490を通して基材462の底面に提供される。一部の実施形態では、中央ガス供給490を通して供給されるガスは、温度制御ガス(例えば、ヘリウム)である。図7は、上部プレート710と、絶縁体720と、底部プレート730と、を含む、例示的な静電チャック電極460の分解組立図を示す。一部の実施形態では、絶縁体720は、セラミック材料を含み、また上部プレート710および底部プレート730は、金属材料を含む。図示した実施形態では、中央ガス供給490を通して供給されるガスは、絶縁体720内のチャネル740へと分配される。次いで、チャネル740から、ガスは、上部プレート710内のガス穴750を通して分配されて、基材462の周囲に達する。図7では、ガス穴750は、簡単にするために上部プレート710の一部分に図示されている。ガス穴750は、上部プレート710の円周全体の周りに分布していてもよい。静電チャック電極460は、直流ライン760によって給電される。
【0028】
図5は、本開示の実施形態による、基材の縁部において膜を選択的に除去するための方法500を図示する。方法500は、プロセスシーケンス600を使用して実施することができる。方法500は、基材処理装置(510)を提供する工程と、サセプタ(520)上に基材を提供する工程と、サセプタの下方にエッチングガス(530)を供給する工程と、ガス分配器およびサセプタ(540)を使用してプラズマを形成する工程と、含む。一部の実施形態では、エッチングガスは、水素含有ガス、酸化剤、窒素含有ガス、窒素および酸素含有ガス、窒素および水素含有ガス、貴ガス、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。例として、エッチングガスは、H、O、CO、NO、NH、He、Ar、N、およびCOのうちの1つ以上を、任意の組み合わせで含むことができる。一部の実施形態では、エッチングガスはArおよびHを含む。一部の実施形態では、エッチングガスはHeおよびHを含む。
【0029】
方法500の工程は、本開示の実施形態による、基材処理装置100または400を使用して実施されてもよい。一部の実施形態では、ガス分配器はサセプタの上方にある。一部の実施形態では、ガス分配器およびサセプタは、基材の周囲においてプラズマを形成するように構成される。一部の実施形態では、基材処理装置は、サセプタの上方に流れ制御リングを備える。一部の実施形態では、プラズマは、流れ制御リングの内面とサセプタの周囲との間に形成される。好ましい実施形態では、エッチングガスは、基材の中心では膜を感知できる程度には除去しない。好ましい実施形態では、サセプタは、基材の底面の下方からサセプタの上面および基材の周囲の周りに向かってエッチングガスを供給するように構成されたエッチングガスチャネルを含む。
【0030】
一部の実施形態では、エッチングガスの流量は、エッチングされる基材のエリアを調整するように操作される。
【0031】
一部の実施形態では、方法500は、エッチングガスが供給されている間に、ガス分配器を通して堆積ガス(550)を供給することをさらに含む。一部の実施形態では、方法500は、エッチングガスが供給される前に、ガス分配器を通して堆積ガス(550)を供給することを含む。一部の実施形態では、方法500は、ガス分配器を通して不活性ガス(560)を供給することを含む。一部の実施形態では、堆積ガスを供給する工程(550)、および不活性ガスを供給する工程(560)は、工程530~540と重なる。
【0032】
例示的な堆積ガスは、1つ以上の炭素含有前駆体を含む。一部の実施形態では、堆積ガスは、式Cを有する前駆体を含み、式中、xは、2~10の範囲の自然数であり、yは、2~30の範囲の自然数であり、zは、0~5の範囲の自然数である。例示的な不活性ガスは、貴ガス(例えば、Ar、He、Xe、Kr)を含む。
【0033】
図6Aおよび図6Bは、本開示の例示的なプロセスシーケンス600および本開示の実施形態による例示的なプロセスシーケンス650を図示する。図6Aは、膜堆積(610)および膜エッチング(620)が同時に実施されるプロセスシーケンス600を図示する。一部の実施形態では、堆積ガス612は、炭素を含む。一部の実施形態では、堆積ガス612は、ヘリウムを含む。一部の実施形態では、エッチングガス614は、Hを含む。一部の実施形態では、エッチングガス614は、ヘリウムを含む。プロセスシーケンス工程610は、方法工程560および/または570と同じまたは同様とすることができ、またプロセスシーケンス工程620は、方法工程530と同じまたは同様とすることができる。
【0034】
図6Bは、膜堆積(630)後に膜エッチング(640)が実施される(後エッチング)プロセスシーケンス650を図示する。一部の実施形態では、堆積ガス616は、炭素を含む。一部の実施形態では、堆積ガス616は、ヘリウムを含む。一部の実施形態では、堆積ガス616がオフにされた時、不活性ガス618およびエッチングガス622がオンにされる。一部の実施形態では、不活性ガスは、ヘリウムを含む。一部の実施形態では、エッチングガス622は、Hを含む。一部の実施形態では、エッチングガス622は、ヘリウムを含む。プロセスシーケンス工程630は、方法工程550および/または560と同じまたは同様とすることができ、またプロセスシーケンス工程640は、方法工程530と同じまたは同様とすることができる。
【0035】
これらの実施形態は、本発明の実施形態の単なる実施例にすぎないので、上述の本開示の例示の実施形態は、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内であることが意図される。実際、記述された要素の代替的な有用な組み合わせなど、本明細書に示されかつ記述されたものに加えて、本開示の様々な修正は、記述から当業者に明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】