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特開2023-69092ヘッド、ヘッドモジュール、液体を吐出する装置、印刷装置、モジュール、装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069092
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ヘッド、ヘッドモジュール、液体を吐出する装置、印刷装置、モジュール、装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
B41J2/01 307
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180704
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 剛史
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA24
2C056FA04
2C056FA13
2C056HA05
2C056HA07
2C056HA08
2C056HA09
2C056HA52
2C056KB16
(57)【要約】
【課題】ねじによる取付け作業の作業性を向上するヘッド、ヘッドモジュール、液体を吐出する装置、印刷装置、モジュール、装置を提供する。
【解決手段】保持部材300にねじ400で取り付けられるヘッド200であって、ねじ400を通す貫通穴部231を有し、貫通穴部231は、めねじ部232と、めねじ部232の谷の径よりも大きく、少なくとも保持部材300側に開口する第1凹部233とを含み、ねじ400のおねじ部402をヘッド200のめねじ部232にねじ込んで保持した状態で、ヘッド200を保持部材300上に載せ置いて、ねじ400をねじ込んで固定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部材にねじで取り付けられるヘッドであって、
前記ねじを通す貫通穴部を有し、
前記貫通穴部は、めねじ部と、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、少なくとも前記保持部材側に開口する第1凹部と、を含む
ことを特徴とするヘッド。
【請求項2】
前記貫通穴部は、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、前記保持部材側とは反対側に開口する第2凹部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド。
【請求項3】
前記ヘッドが液体を吐出する液体吐出ヘッドである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッド。
【請求項4】
保持部材にねじで1又は複数のヘッドを取り付けたヘッドモジュールであって、
前記ヘッドは、前記ねじを通す貫通穴部を有し、
前記貫通穴部は、めねじ部と、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、少なくとも前記保持部材側に開口する第1凹部と、を含み、
前記ねじは、先端部のみにおねじ部が形成され、首下から前記おねじ部に至るねじのない部分が前記めねじ部の内径よりも細い
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項5】
前記ヘッドの前記貫通穴部は、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、前記保持部材側とは反対側に開口する第2凹部を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドモジュール。
【請求項6】
前記ヘッドの前記第1凹部の深さは、前記ねじのおねじ部の長さよりも深い
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のヘッドモジュール。
【請求項7】
前記ヘッドが液体を吐出する液体吐出ヘッドである
ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項8】
請求項3に記載のヘッド、又は、請求項7に記載のヘッドモジュールを備えている
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれかに記載のヘッド、又は、請求項4ないし請求項7のいずれかに記載のヘッドモジュールを備えている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
第1部材と、
前記第1部材を固定する第2部材と、を含み、
前記第1部材に設けられた貫通穴部を通したねじで前記第1部材と前記第2部材とが固定され、
前記貫通穴部は、めねじ部と、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、少なくとも前記保持部材側に開口する第1凹部と、を含み、
前記ねじは、先端部のみにおねじ部が形成され、首下から前記おねじ部に至るねじのない部分が前記めねじ部の内径よりも細い
ことを特徴とするねじで固定されたモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載のねじで固定されたモジュールを備えている
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘッド、ヘッドモジュール、液体を吐出する装置、印刷装置、モジュール、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数の液体吐出ヘッドをベース部材(保持部材)に取り付けてヘッドモジュール(ヘッドユニット、ヘッドアレイなどとも称される。)を構成することが行われている。
【0003】
従来、例えば、ヘッドには、固定ネジのネジ部を挿通させるための貫通穴部と、固定ネジの頭部を当接させるための座部とが設けられ、貫通穴部に固定ネジを挿通して支持部材の雌ネジに螺合して、ヘッドを支持部材に固定したものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-006576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、ヘッドの保持部材にねじで取付けるとき、取付けスペースが狭いと、ねじをヘッドの貫通穴部に挿通することが難しくなって、取り付け作業の作業性が低下するという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ねじによる取り付け作業の作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るヘッドは、
保持部材にねじで取り付けられるヘッドであって、
前記ねじを通す貫通穴部を有し、
前記貫通穴部は、めねじ部と、前記めねじ部の谷の径よりも大きく、少なくとも前記保持部材側に開口する第1凹部と、を含む
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ねじによる取り付け作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るヘッド及びヘッドモジュールのヘッド長手方向に沿う説明図である。
図2】同ヘッドの一例の外観斜視説明図である。
図3】同ヘッドの説明図である。
図4】同実施形態におけるヘッドの取り付け部の断面説明図である。
図5図1のA部に相当するヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図6】同実施形態の作用説明に供するヘッドの貫通穴部にねじを取り付けた状態の断面説明図である。
図7】同じくヘッドを保持部材上に載せ置いた状態の断面説明図である。
図8】比較例1の説明に供する断面説明図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るヘッドの取り付け部の断面説明図である。
図10】同実施形態に係るヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図11】本発明の第3実施形態のヘッドモジュールのヘッド長手方向に沿う説明図である。
図12図11のB部に相当するヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図13】本発明の第4実施形態に係るヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図14】本発明の第5実施形態に係るヘッド及びヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図15】本発明の第6実施形態に係るヘッド及びヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
図16】本発明の第7実施形態に係るヘッドの外観斜視説明図である。
図17】同ヘッドの説明図である。
図18】本発明の第8実施形態に係るヘッドモジュールの平面説明図である。
図19】本発明の第9実施形態に係るヘッドモジュールの平面説明図である。
図20】本発明の第10実施形態に係るヘッドモジュールのヘッドの短手方向に沿う断面説明図である。
図21】同ヘッドモジュールの分解斜視説明図である。
図22】同ヘッドモジュールの分解斜視説明図である。
図23】同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図である。
図24】本発明に係る液体を吐出する装置の一例の概略説明図である。
図25】同装置の吐出ユニットの一例の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同実施形態に係るヘッド及びヘッドモジュールのヘッド長手方向に沿う説明図、図2は同ヘッドの一例の外観斜視説明図、図3は同ヘッドの説明図である。
【0011】
モジュールとしてのヘッドモジュール100は、液体を吐出する液体吐出ヘッドである1又は複数(図示は1つのみ)の第1部材であるヘッド200と、ヘッド200を取り付けたマウントプレートなどの第2部材である保持部材300とを備えている。
【0012】
ヘッド200は、ベース部201と、カバー部202とを備える。
【0013】
ベース部201は、ノズル11を形成したノズル板10と、ノズル11に通じる圧力室などを形成する個別流路板、及び、圧電素子を一体に設けた振動板を含む個別流路部材(アクチュエータ基板)と、複数の圧力室に通じる共通流路を形成する共通流路部材などを含む。
【0014】
カバー部202は、ベース部201に対して液体を供給するポート部材218を覆う。カバー部202の上部には、圧電素子に対する配線部材が接続されたコネクタ部221が配置されている。
【0015】
ベース部201には、長手方向の両端部に、フランジ部としての取り付け部230が設けられている。
【0016】
保持部材300には、ヘッド200を嵌め込む開口部301が設けられている。
【0017】
そして、保持部材300の開口部301にヘッド200のベース部201がはめ込まれ、ヘッド200の取り付け部230に挿通したねじ400で、ヘッド200が保持部材300に固定されて取り付けられている。
【0018】
次に、第1実施形態に係るヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造について図4及び図5を参照して説明する。図4はヘッドの取り付け部の断面説明図、図5図1のA部に相当するヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0019】
ヘッド200の取り付け部230には、ねじ400を通す貫通穴部231が設けられている。貫通穴部231は、ねじ400をねじ込み可能なめねじ部232と、めねじ部232の谷の径aよりも大きい径b(a>b)で、保持部材300側に開口する第1凹部(穴部)233とを含む。保持部材300側とは、ねじ400の挿入方向において下流側(前方側)である。
【0020】
なお、本実施形態では、貫通穴部231のめねじ部232以外の部分は第1凹部233としている。また、本実施形態では、貫通穴部231は丸穴形状としているが、丸穴に限らず、多角形状であってもよい。
【0021】
保持部材300には、ねじ400をねじ込むめねじ部302が設けられている。
【0022】
ヘッド200のめねじ部232と保持部材300のめねじ部302とは同じねじ形状としている。なお、ヘッド200のめねじ部232は、ねじ400をねじ込んで通過させることができれば、保持部材300のめねじ部302と同じ形状である必要はない。
【0023】
ねじ400は、軸部401の先端部のみにおねじ部402が形成されている。軸部401は、頭部403の首下からおねじ部402に至るねじのない部分の外径cが、ヘッド200のめねじ部232の谷の径aより細くなっている(c<a)なっている。これにより、ねじ400の軸部401はヘッド200のめねじ部232を通過することができる。
【0024】
ヘッド200の第1凹部233の表面からの深さ(高さ)dは、ねじ400のおねじ部402の長さeよりも長く(d>e)している。
【0025】
次に、本実施形態の作用について図6ないし図8も参照して説明する。図6はヘッドの貫通穴部にねじを取り付けた状態の断面説明図、図7はヘッドを保持部材上に載せ置いた状態の断面説明図である。図8は比較例1の説明に供する断面説明図である。
【0026】
ヘッド200を保持部材300に固定して取り付けるときには、ヘッド200の貫通穴部231にねじ400をあらかじめ通しておく。このとき、図6(a)に示すように、ねじ400のおねじ部402を貫通穴部231のめねじ部232にねじ込んだ状態にする。あるいは、図6(b)に示すように、ねじ400のおねじ部402を貫通穴部231のめねじ部232にねじ込んで通過させた状態にすることもできる。
【0027】
そして、ヘッド200を保持部材300に載せ置き、ねじ400のおねじ部402を保持部材300のめねじ部302にねじ込んで固定して、ヘッド200を保持部材300に取付ける。
【0028】
このように、ヘッド200に固定用のねじ400が貫通穴部231のめねじ部232にねじ込まれ、あるいは、貫通穴部231を通っており、かつ、めねじ部232によって抜けないので、ヘッド200からねじ400が脱落することが防止される。
【0029】
これにより、ヘッド200をねじ400によって保持部材300に取付ける取り付け作業の作業性が向上する。
【0030】
ここで、ヘッド200の貫通穴部231には保持部材300側に開口する第1凹部233が設けられ、第1凹部233の深さdがねじ400のおねじ部402の長さeよりも長い(d>e)。
【0031】
これにより、ヘッド200を保持部材300に載せ置き、ねじ400のおねじ部402が貫通穴部231のめねじ部232を通過した状態にしたとき、おねじ部402が第1凹部233内に収容されるので、ヘッド200が持ち上がることが防止され、作業性が向上する。
【0032】
これに対し、図8に示す比較例1のように、貫通穴部231に保持部材300側に開口する第1凹部がない場合、ねじ400のおねじ部402が貫通穴部231のめねじ部232を通過した状態のとき、ねじ400は保持部材300と反対方向に移動できない。そのため、ヘッド200が保持部材300に対して持ち上がることになって不安定になり、作業性が低下する。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。図9は同第2実施形態に係るヘッドの取り付け部の断面説明図、図10は同実施形態に係るヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0034】
ヘッド200の取り付け部230には、ねじ400を通す貫通穴部231が設けられている。貫通穴部231は、ねじ400をねじ込み可能なめねじ部232と、めねじ部232の谷の径aよりも大きい径で、保持部材300側に開口する第1凹部233と、保持部材300側と反対側に開口する第2凹部(穴部)234とを含む。
【0035】
本実施形態の第2凹部234は、ねじ400の頭部403を収容する座グリ穴である。
【0036】
このように構成したので、図10に示すように、ヘッド200を保持部材300にねじ400で固定して取り付けたとき、ねじ400の頭部403が第2凹部234に収容され、取付け部230から飛び出さない。
【0037】
次に、本発明の第3実施形態について図11及び図12を参照して説明する。図11は同第3実施形態に係るヘッドモジュールのヘッド長手方向に沿う説明図、図12図11のB部に相当するヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0038】
本実施形態では、ヘッド200の取付け部230を保持部材300の下面側に固定して取り付けている。
【0039】
ここでは、ヘッド200の取付け部230の貫通穴部231は、前記第1実施形態と同様にしている。
【0040】
次に、本発明の第4実施形態について図13を参照して説明する。図13は同第4実施形態に係るヘッドモジュールにおけるヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0041】
本実施形態では、ヘッド200の取付け部230を保持部材300の下面側に固定して取り付けている。
【0042】
ここでは、ヘッド200の取付け部230の貫通穴部231は、前記第2実施形態と同様にしている。
【0043】
次に、本発明の第5実施形態について図14を参照して説明する。図14は同第5実施形態に係るヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0044】
本実施形態では、ヘッド200の取付け部230の貫通穴部231は、めねじ部232と第1凹部233との間にめねじ部232の谷の径aと同じ径(同じ及び同じよりプラス側の公差を含む)の第3凹部(穴部)235を設けている。
【0045】
このように、めねじ部232の谷の径aと同じ径の第3凹部235を設けても、ねじ400の軸部401の径cはめねじ部232の谷の径aより小さいので、ねじ400の軸部401は第3凹部235の部分を通過できる。
【0046】
これにより、ねじ400のおねじ部402が貫通穴部231のめねじ部232を通過したときに、ねじ400の傾きを低減することができる。
【0047】
次に、本発明の第6実施形態について図15を参照して説明する。図15は同第6実施形態に係るヘッドと保持部材との取り付け構造部の断面説明図である。
【0048】
本実施形態では、ヘッド200の取付け部230の貫通穴部231は、保持部材300側とは反対側(めねじ部232に対して第1凹部233とは反対側)に、めねじ部232と第1凹部233との間にめねじ部232の谷の径aと同じ径(同じ及び同じよりプラス側の公差を含む)の第4凹部(穴部)236を設けている。
【0049】
このように、めねじ部232の谷の径aと同じ径の第4凹部236を設けても、ねじ400の軸部401の径cはめねじ部232の谷の径aより小さいので、ねじ400の軸部401は第4凹部236の部分を通過できる。
【0050】
これにより、ねじ400のおねじ部402を貫通穴部231に挿入するときに、おねじ部402を第4穴部236で案内してめねじ部232に導くことができるので、ねじ400を取付け部230の貫通穴部231に挿入するときの作業性が向上する。
【0051】
次に、本発明の第7実施形態について図16及び図17を参照して説明する。図16は同実施形態に係るヘッドの外観斜視説明図、図17は同ヘッドの説明図である。
【0052】
本実施形態のヘッド200は、2つのヘッド部210、210を千鳥状に配置したベース部201と、ベース部201に対するポート部材218などを覆うカバー部202とを備えている。
【0053】
ベース部201の各ヘッド部210は、ノズル11を形成したノズル板12と、ノズル11に通じる圧力室などを形成する個別流路板及び圧電素子を一体に設けた振動板とを含む個別流路部材(アクチュエータ基板)と、複数の圧力室に通じる共通流路を形成する共通流路部材などを含む。
【0054】
そして、ベース部201には、長手方向の両端部に、フランジ部としての取り付け部230が設けられ、取付け部230には、前記各実施形態で説明したような貫通穴部231が設けられている。
【0055】
次に、本発明の第8実施形態について図18を参照して説明する。図18は同実施形態に係るヘッドモジュールの平面説明図である。
【0056】
本実施形態のヘッドモジュール100は、前記第1実施形態で説明した複数のヘッド200を保持部材300に千鳥状に配置したものである。各ヘッド200の取付け部230には前記各実施形態で説明した貫通穴部231を設けることができる。
【0057】
このように、複数のヘッド200を並べて配置するとき、ヘッド200の貫通穴部231に事前にねじ400を保持しておくことができるので、作業スペースが狭くなっても容易にねじ400でヘッド200を保持部材300に固定して取り付けることができる。
【0058】
次に、本発明の第9実施形態について図19を参照して説明する。図19は同実施形態に係るヘッドモジュールの平面説明図である。
【0059】
本実施形態のヘッドモジュール100は、前記第7実施形態で説明した複数のヘッド200を保持部材300に千鳥状に配置したものである。各ヘッド200の取付け部230には前記各実施形態で説明した貫通穴部231を設けることができる。
【0060】
本実施形態では、前記第8実施形態よりも作業スペースは狭くなるが、ヘッド200の貫通穴部231に事前にねじ400を保持しておくことができるので、容易にねじ400でヘッド200を保持部材300に固定して取り付けることができる。
【0061】
次に、本発明の第10実施形態について図20ないし図23を参照して説明する。図20は同実施形態に係るヘッドモジュールのヘッドの短手方向に沿う断面説明図、図21及び図22は同ヘッドモジュールの分解斜視説明図、図22は同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図である。
【0062】
ヘッドモジュール100は、液体を吐出する液体吐出ヘッドである複数のヘッド200と、保持部材300と、ノズルカバー部材103と、放熱部材104と、マニホールド105と、プリント基板(PCB)106と、モジュールケース107とを備えている。
【0063】
ヘッド200は、循環型ヘッドであり、ノズル11を形成したノズル板10と、ノズル11に通じる圧力室21などを形成する個別流路板20と、圧電素子40を含む振動板30と、振動板30に積層した中間流路板50と、中間流路板50に積層した共通流路部材70などを備えている。
【0064】
個別流路板20は、圧力室21とともに、圧力室21に通じる供給側個別流路22、圧力室21に通じる回収側個別流路24を形成している。
【0065】
中間流路板50は、供給側個別流路22に振動板30の開口31を介して通じる供給側中間個別流路51と、回収側個別流路24に振動板30の開口32を介して通じる回収側中間個別流路52とを形成している。
【0066】
共通流路部材70は、供給側中間個別流路51に通じる供給側共通流路71と、回収側中間個別流路52に通じる回収側共通流路72を形成している。供給側共通流路71はマニホールド105の流路151を介して供給ポート81に通じている。回収側共通流路72はマニホールド105の流路152を介して回収ポート82に通じている。
【0067】
プリント基板106と圧電素子40とはフレキシブル配線部材90を介して接続され、フレキシブル配線部材90にはドライバIC(駆動回路)91が実装されている。ドライバIC91は放熱部材104と熱的結合をしている。
【0068】
ヘッド200は保持部材300に設けた開口部301に挿入され、保持部材300に接合固定したノズルカバー部材103に個別流路板20の周縁部を接合して固定している。また、共通流路部材70に設けた取付け部230を保持部材300にねじ400で固定している。
【0069】
また、保持部材300には、2カ所に取付け部330が設けられ、取付け部330には貫通穴部331が設けられている。
【0070】
この貫通穴部331は、前記各実施形態で説明したヘッド200の貫通穴部231と同様に、めねじ部と、このヘッドモジュール100を保持する保持部材側に開口する、めねじ部の谷の径より大きな径の第1凹部を有する構成としている。
【0071】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図24及び図25を参照して説明する。図24は同装置の概略説明図、図25は同装置の吐出ユニットの一例の平面説明図である。
【0072】
液体を吐出する装置としての装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙や連続シートなどの連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
【0073】
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0074】
この連続体510は、印刷手段505において、吐出ユニット550に対向して搬送され、吐出ユニット550から吐出される液体によって画像が印刷される。
【0075】
吐出ユニット550は、図24に示すように、前記第10実施形態で説明した2つのヘッドモジュール100A及びヘッドモジュール100Bを共通の保持部材300に備えている。
【0076】
ここで、ヘッドモジュール100に設けた貫通穴部331を通じてねじ400によって保持部材300に固定して取り付けている。
【0077】
なお、ヘッドモジュール100の搬送方向と直交する方向におけるヘッド200の並び方向をヘッド配列方向とするとき、ヘッドモジュール200Aのヘッド列200A1,200A2で同じ色の液体を吐出する。同様に、ヘッドモジュール100Aのヘッド列200B1、200B2を組とし、ヘッドモジュール100Bのヘッド列200C1、200C2を組とし、ヘッド列200D1、200D2を組として、それぞれ所要の色の液体を吐出する。
【0078】
なお、本発明に係るヘッドモジュールは、機能部品、機構と一体化して液体吐出ユニットを構成することができる。例えば、ヘッドモジュールと、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを組み合わせることができる。
【0079】
ここで、一体化とは、例えば、ヘッドモジュールと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、ヘッドモジュールと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0080】
また、本発明における「液体を吐出する装置」には、ヘッド、ヘッドモジュール又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0081】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0082】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0083】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0084】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0085】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0086】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0087】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0088】
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0089】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0090】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0091】
また、上記実施形態では、ヘッド又はヘッドモジュールを第1部材、保持部材を第2部材として説明したが、本発明はヘッドやヘッドモジュールに限られるものではなく、第1部材を第2部材にねじで固定して取り付けるモジュール、装置に汎用的に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
100 ヘッドモジュール
200 ヘッド
230 取付け部
231 貫通穴部
232 めねじ部
233 第1凹部
234 第2凹部
235 第3凹部
236 第4凹部
300 保持部材
301 開口部
302 めねじ部
400 ねじ
402 おねじ部
500 液体を吐出する装置(印刷装置)
550 吐出ユニット
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