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特開2023-69459サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069459
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/9068 20060101AFI20230511BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20230511BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230511BHJP
   A23L 2/52 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
A61K36/9068
A23L33/10
A61P43/00 111
A61K31/192
A61P43/00 121
A61K31/353
A61P3/04
A23L2/52
A23L2/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181330
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100201606
【弁理士】
【氏名又は名称】田岡 洋
(72)【発明者】
【氏名】中村 冬馬
(72)【発明者】
【氏名】田邊 瑞穂
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB03
4B018LB05
4B018LB06
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB09
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE05
4B018MD01
4B018MD20
4B018MD25
4B018MD32
4B018MD60
4B018MD61
4B018ME01
4B018ME14
4B018MF01
4B117LC04
4B117LC05
4B117LG24
4B117LK01
4B117LK06
4B117LK08
4B117LK12
4B117LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA70
4C086ZC20
4C086ZC75
4C088AB81
4C088BA08
4C088MA02
4C088NA14
4C088ZA70
4C088ZC20
4C088ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA21
(57)【要約】
【課題】安全性の高い天然物の中からサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を提供する。
【解決手段】本発明のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として、下記式(I)で表される化合物と、ブラックジンジャー抽出物および/またはカテキン類と、を用いる。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物と、ブラックジンジャー抽出物および/またはカテキン類と、を有効成分とすることを特徴とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤。
【化1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飽食や運動不足等の生活習慣が原因となって体脂肪が増加し、肥満が増えている。このような肥満の増加は、人間ばかりでなく、ペットや家畜においても見られる。肥満は、高脂血症や動脈硬化等の成人病の原因になるため、美容の面で問題となるばかりでなく、健康の面でも大きな問題となる。
【0003】
ここで、サイクリックAMP(cAMP)は、生体内の脂肪分解に関与することが知られている。cAMPは生体内に存在するリパーゼを活性化し、活性化されたリパーゼによって脂肪が脂肪酸とグリセロールとに分解される。しかし、cAMPホスホジエステラーゼが活性化されるとcAMPの分解が誘発され、リパーゼの活性化が阻害される。そのため、cAMPホスホジエステラーゼの活性を阻害することにより細胞内におけるcAMPが増量し、脂肪の分解を促進することができるものと考えられる。
【0004】
また、炎症反応を引き起こす血小板凝集は、血小板中のcAMPの濃度と関係があり、cAMPホスホジエステラーゼによってcAMPが分解されてcAMPの濃度が低下すると、血小板は凝集しやすくなることが知られている。従って、cAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制してcAMP濃度の低下を防止すれば、血小板凝集を防止でき、これによりアレルギー性疾患や炎症性疾患等を予防、治療又は改善できると考えられる。cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有するものとして、ツベイモシドI(特許文献1参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-056855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安全性の高い天然物の中からサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、下記式(I)で表される化合物と、ブラックジンジャー抽出物および/またはカテキン類と、を有効成分とすることを特徴とする。
【0008】
【化1】
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記式(I)で表される化合物と、ブラックジンジャー抽出物および/またはカテキン類と、を有効成分とすることにより、作用効果を有するサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係るサイクリックAMP(cAMP)ホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、下記式(I)で表される化合物と、ブラックジンジャー抽出物および/またはカテキン類と、を有効成分とするものである。
【0011】
【化2】
【0012】
上記式(I)で表される化合物は、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic Acid)とも呼ばれるケイ皮酸誘導体である。以下、本明細書において、上記式(I)で表される化合物を化合物(I)ということがある。
【0013】
化合物(I)は、例えば、化合物(I)を含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することができる。この場合、このような化合物(I)を含有する植物抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法によって得ることができる。化合物(I)を含有する植物としては、例えば、米、大麦、小麦、大豆、小豆、とうもろこし等が挙げられる。
【0014】
化合物(I)は、例えば、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propenoic Acid)もしくはその誘導体、またはこれらを含有する組成物(例えば、植物の破砕物または抽出物等)を、フェノール酸還元酵素を有する微生物により醗酵させ、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸を化合物(I)に変換した後、得られた醗酵物を抽出・単離・精製することにより製造することもできる。3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸を含有する組成物としては、例えば、コーヒー、コムギ、トウモロコシ、トマト、マテ、ヨモギ、ゴボウ等の植物の破砕物及び抽出物などが挙げられる。また、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸は木本植物及び草本植物におけるリグニンの構成成分であるため、リグニンまたはこれを含有する組成物を醗酵原料として利用してもよい。一方、フェノール酸還元酵素を有する微生物としては、例えば、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus amylovorus、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus kefiranofaciens、Lactobacillus gallinarum、Enterococus faecalis等の乳酸菌などが挙げられる。
【0015】
上記植物または醗酵物などから化合物(I)を抽出・単離・精製する方法は特に限定されず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出処理は、抽出原料としての上記植物または醗酵物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供すればよい。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0016】
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて、室温または溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0017】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0018】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン等が挙げられる。
【0019】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は任意であり、適宜調整することができる。例えば、水と親水性有機溶媒との混合液を抽出溶媒として使用する場合には、任意の比率、すなわち0:100超、100:0未満(容量比,以下同様に表記)の間で混和して用いることができ、適宜調整することができる。
例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比(容量比)を9:1以上とすることができ、さらには7:3以上とすることができ、あるいは水と低級脂肪族アルコールとの混合比を1:9以下、さらには2:8以下とすることができる。また、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比を8:2以上、あるいは1:9以下とすることができ、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比を9:1以上、あるいは2:8以下とすることができる。
【0020】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温または還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
【0021】
以上のようにして得られた抽出液、当該抽出液の濃縮物または当該抽出液の乾燥物から化合物(I)を単離・精製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、抽出物を展開溶媒に溶解し、シリカゲルやアルミナ等の多孔質物質、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体やポリメタクリレート等の多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに付して、化合物(I)を含む画分を回収する方法等が挙げられる。この場合、展開溶媒は使用する固定相に応じて適宜選択すればよい。さらに、カラムクロマトグラフィーにより得られた化合物(I)を含む画分を、ODSを用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶、液-液向流抽出、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー等の任意の有機化合物精製手段を用いて精製してもよい。
【0022】
ブラックジンジャー(黒ショウガ)は、ショウガ科バンウコン属の植物であり、学名はKaempferia parvifloraである。ブラックジンジャーは、東南アジアのタイ等に分布しており、この地域から容易に入手可能である。抽出原料として使用し得るブラックジンジャーの構成部位は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラックジンジャーの根茎部などを用いることができる。
【0023】
ブラックジンジャー抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法により容易に得ることができる。なお、ブラックジンジャー抽出物には、ブラックジンジャーの抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0024】
抽出原料であるブラックジンジャーから、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有する物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出することができる。抽出溶媒については、前述した通りである。
【0025】
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽内に、抽出原料としてのブラックジンジャーの根茎部を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分間~4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5~15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50℃~95℃にて1~4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40℃~90℃にて30分間~4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであれば、そのまま本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として用いることができる。
【0026】
得られるブラックジンジャーの抽出液は、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るため、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0027】
本実施形態におけるカテキン類は、カテキン、ガロカテキン、及びこれらのエピ体であるエピカテキン、エピガロカテキン、並びにこれらの没食子酸エステル(ガレート体)であるカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの8種のカテキン類化合物を意味する。
【0028】
カテキン類を含有する植物の具体例としては、茶(Thea sinensis)、藤茶(Ampelopsis grossedentata)、ウラジロガシ(Quercus salicina)等が挙げられる。
【0029】
抽出原料として用いる植物の構成部位は特に限定されるものではなく、例えば、葉部、枝部、根部、樹皮、種子等の構成部位を抽出原料として用いることができるが、これらのうち特に葉部を抽出原料として用いることが好ましい。
【0030】
上記植物からカテキン類を抽出・単離・精製する方法は特に限定されず、常法に従って行うことができ、例えば、化合物(I)について説明したのと同様の方法が挙げられる。
【0031】
〔cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤〕
以上のようにして得られる化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物は、優れたcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有しているため、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として用いることができる。
また、以上のようにして得られる化合物(I)およびカテキン類は、優れたcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有しているため、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として用いることができる。
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の幅広い用途に使用することができる。
【0032】
なお、本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として、単離した化合物(I)に替えて、化合物(I)を含有する組成物を用いてもよい。ここで、本実施形態における「化合物(I)を含有する組成物」には、化合物(I)を含有する植物を抽出原料として得られる抽出物、化合物(I)を含有する醗酵物、及び当該醗酵物を抽出原料として得られる抽出物が含まれる。また、「抽出物」には、抽出処理により得られる抽出液、当該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、または当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物が含まれる。
【0033】
本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として、化合物(I)を含有する組成物を用いる場合は、組成物中に化合物(I)が0.1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。化合物(I)の純度を高めたものを有効成分として使用することによって、より一層作用効果に優れたcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を得ることができる。
【0034】
なお、本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として、単離したカテキン類に替えて、カテキン類を含有する組成物を用いてもよい。ここで、本実施形態における「カテキン類を含有する組成物」には、カテキン類を含有する植物を抽出原料として得られる抽出物、カテキン類を含有する醗酵物、及び当該醗酵物を抽出原料として得られる抽出物が含まれる。また、「抽出物」には、抽出処理により得られる抽出液、当該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、または当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物が含まれる。
【0035】
本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の有効成分として、カテキン類を含有する組成物を用いる場合は、組成物中にカテキン類が0.1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。カテキン類の純度を高めたものを有効成分として使用することによって、より一層作用効果に優れたcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を得ることができる。なお、本明細書において、カテキン類の質量は、上記8種のカテキン類化合物の合計質量であり、類義語(質量割合,質量比を含む)も同様である。
【0036】
本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤において、化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物の含有量比(質量比)は、その活性に応じて適宜調整することができるが、好適な含有量比は、1:0.01~1:1000であり、特に好適な含有量比は、1:0.1~1:100である。なお、有効成分として化合物(I)を含有する組成物を用いる場合は、上記含有量比は化合物(I)の質量に換算した値である。
【0037】
また、本実施形態に係るcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤において、化合物(I)およびカテキン類の配合比(質量比)は、その活性に応じて適宜調整することができるが、好適な含有量比は、1:0.01~1:1000であり、特に好適な含有量比は、1:0.1~1:100である。なお、有効成分として化合物(I)を含有する組成物を用いる場合は、上記含有量比は化合物(I)の質量に換算した値である。同様に、有効成分としてカテキン類を含有する組成物を用いる場合は、上記含有量比はカテキン類の質量に換算した値である。
【0038】
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物、およびブラックジンジャー抽出物のみからなるものでもよいし、これらを製剤化したものでもよい。
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物、およびカテキン類またはカテキン類を含有する組成物のみからなるものでもよいし、これらを製剤化したものでもよい。
【0039】
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料、頭髪化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
【0040】
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を製剤化した場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物の含有量、およびブラックジンジャー抽出物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を製剤化した場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物の含有量、およびカテキン類またはカテキン類を含有する組成物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
【0041】
なお、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、必要に応じて、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有する他の天然抽出物等を、さらに配合して有効成分として用いることができる。
【0042】
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の患者に対する投与方法としては、経口投与、経皮投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防又は治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
【0043】
本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、有効成分である化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物、ならびに化合物(I)およびカテキン類が有するcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を通じて、cAMPの産生を促進するため、血小板の凝集を抑制することができ、これによりアレルギー疾患や各種炎症性疾患等を予防、治療又は改善することができる。また、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物、ならびに化合物(I)およびカテキン類が有するcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を通じて、脂肪細胞の分解を促進することができ、この結果、肥満症、およびこれに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な生活習慣病を予防・改善することができる。ただし、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、これらの用途以外にもcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0044】
また、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤は、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用において優れた作用を有するので、これらの作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
【0045】
〔cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用経口組成物〕
化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物は、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用において優れた作用を有しているため、経口組成物に配合するのに好適である。この場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物およびブラックジンジャー抽出物、をそのまま配合してもよいし、これらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を配合してもよい。これにより、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用途に好適な経口組成物とすることができる。上記作用、特に脂肪細胞の分解促進作用は、経口組成物に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
【0046】
化合物(I)およびカテキン類は、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用において優れた作用を有しているため、経口組成物に配合するのに好適である。この場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物、およびカテキン類またはカテキン類を含有する組成物をそのまま配合してもよいし、これらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を配合してもよい。これにより、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用途に好適な経口組成物とすることができる。上記作用、特に脂肪細胞の分解促進作用は、経口組成物に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
【0047】
ここで、経口組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「経口組成物」は、経口的に摂取される一般食品、飼料、健康食品、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示飲食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。本実施形態に係る経口組成物は、当該経口組成物またはその包装に、化合物(I)が有する好ましい作用を表示することのできる経口組成物であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品,機能性表示食品,栄養機能食品)、医薬部外品または医薬品であることが特に好ましい。
【0048】
化合物(I)もしくは化合物(I)を含有する組成物およびブラックジンジャー抽出物、またはこれらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を経口組成物に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができる。添加対象となる経口組成物の一般的な摂取量を考慮すると、化合物(I)の成人1日あたりの摂取量が、約1~1000mgになるようにするのが好ましく、ブラックジンジャー抽出物の成人1日あたりの摂取量が、約1~1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象経口組成物が顆粒状、錠剤状またはカプセル状の経口組成物の場合、化合物(I)もしくは化合物(I)を含有する組成物およびブラックジンジャー抽出物から製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の添加量は、添加対象経口組成物に対して通常0.1~100質量%であり、好ましくは5~100質量%である。
【0049】
化合物(I)もしくは化合物(I)を含有する組成物およびカテキン類もしくはカテキン類を含有する組成物、またはこれらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を経口組成物に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができる。添加対象となる経口組成物の一般的な摂取量を考慮すると、化合物(I)の成人1日あたりの摂取量が、約1~1000mgになるようにするのが好ましく、カテキン類の成人1日あたりの摂取量が、約1~1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象経口組成物が顆粒状、錠剤状またはカプセル状の経口組成物の場合、化合物(I)もしくは化合物(I)を含有する組成物およびカテキン類もしくはカテキン類を含有する組成物から製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤の添加量は、添加対象経口組成物に対して通常0.1~100質量%であり、好ましくは5~100質量%である。
【0050】
本実施形態の経口組成物は、化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物、または化合物(I)およびカテキン類の活性を妨げないような任意の経口組成物に配合したものであってもよいし、化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物、または化合物(I)およびカテキン類を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0051】
本実施形態の経口組成物を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の経口組成物にすることができる。
【0052】
化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物、または化合物(I)およびカテキン類を配合し得る経口組成物は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられ、これらの経口組成物に化合物(I)を配合するときに、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
【0053】
〔cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用皮膚外用剤〕
化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物は、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用において優れた作用を有しているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。この場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物およびブラックジンジャー抽出物、をそのまま配合してもよいし、これらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を配合してもよい。これにより、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用途に好適な皮膚外用剤とすることができる。上記作用、特に血小板の凝集抑制作用は、皮膚外用剤に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
【0054】
化合物(I)およびカテキン類は、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用において優れた作用を有しているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。この場合、化合物(I)または化合物(I)を含有する組成物およびカテキン類、をそのまま配合してもよいし、これらを製剤化したcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤を配合してもよい。これにより、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用途に好適な皮膚外用剤とすることができる。上記作用、特に血小板の凝集抑制作用は、皮膚外用剤に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
【0055】
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される医薬品、医薬部外品、化粧料等を幅広く含むものであり、具体的には、例えば、軟膏、クリーム、乳液、美容液、ローション、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
【0056】
皮膚外用剤における化合物(I)の配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、0.001~1質量%である。また、皮膚外用剤におけるブラックジンジャー抽出物の配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、0.001~1質量%である。
【0057】
皮膚外用剤における化合物(I)の配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、0.001~1質量%である。また、皮膚外用剤におけるカテキン類の配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、0.001~1質量%である。
【0058】
なお、本実施形態のcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害剤、cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用経口組成物、およびcAMPホスホジエステラーゼ活性阻害用皮膚外用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
【実施例0059】
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、被験試料として化合物(I)(東京化成工業社製,3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic Acid,試料1)を使用し、被験試料のカテキン類としては、茶カテキン(ファーマフーズ社製,製品名「PF-TP80」,カテキン類70%含有,試料3)を使用した。
【0060】
〔製造例1〕ブラックジンジャー抽出物の製造
抽出原料としてブラックジンジャーの根茎部の粉砕物100gを、60容量%エタノール1000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、濾過した。濾液を40℃の減圧下で濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を23.9g得た(試料2)。
【0061】
〔試験例1〕化合物(I)およびブラックジンジャー抽出物によるサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用試験
化合物(I)(試料1)およびブラックジンジャー抽出物(試料2)について、以下のようにしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を試験した。
【0062】
5mmol/Lの塩化マグネシウムを含有する50mmol/L Tris-HCl緩衝液(pH7.5)0.2mLに、2.5mg/mLウシ血清アルブミン溶液0.1mL、0.1mg/mLサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mL、および被験試料溶液(試料1および/または試料2,試料最終濃度は下記表1を参照)0.05mLを加え、37℃にて5分間静置した。その後、0.5mg/mLサイクリックAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間反応させた。その後、3分間沸騰水浴上で煮沸することにより反応を停止させ、これを遠心(2260×g,10分間,4℃)し、上清中の反応基質であるサイクリックAMPを、下記の高速液体クロマトグラフィー条件にて分析した。また、コントロールとして、試料無添加の溶媒のみを加えて同様の操作を行った。
<高速液体クロマトグラフィー条件>
ポンプ:DP-8020(東ソー社製)
紫外可視検出器:UV-8020(東ソー社製)
インテグレータ:Chromatocorder21(東ソー社製)
カラムオーブン:CO-8020(東ソー社製)
オンラインデガッサ:SD-8022(東ソー社製)
固定相:Wakosil C18-ODS 5μm(富士フイルム和光純薬社製)
カラム長:250mm
移動相:1mmol/L TBAP in 25mmol/L KHPO:CHCN=90:10
移動相流速:1.0mL/min
検出:260nm
【0063】
次に、サイクリックAMP標準品のピーク面積(A)、試料無添加におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B1)、および被験試料添加におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B2)を求めた。得られた結果から、下記式により試料無添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(C)及び被験試料添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(D)を算出した。
【0064】
試料無添加での標準品分解率(C,%)=(1-B1/A)×100
被験試料添加での標準品の分解率(D,%)=(1-B2/A)×100
【0065】
その後、上記式により算出した各分解率(C,D)に基づいて、下記式によりサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)を算出した。
【0066】
cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)=(1-D/C)×100
結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示すように、化合物(I)(試料1)およびブラックジンジャー抽出物(試料2)は、組み合わせることでサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用が顕著に向上することが確認された。
【0069】
〔試験例2〕化合物(I)およびカテキン類によるサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用試験
化合物(I)(試料1)および茶カテキン(試料3)について、試験例1と同様にしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を試験した。試料最終濃度(試料3濃度はカテキン類合計含有量換算値)は下記表2のとおりとし、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)を算出した。
結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示すように、化合物(I)(試料1)および茶カテキン(試料3)は、組み合わせることでサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用が顕著に向上することが確認された。
【0072】
〔配合例1〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
化合物(I) 0.01g
ブラックジンジャー抽出物 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3-ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0073】
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
化合物(I) 0.01g
ブラックジンジャー抽出物 0.01g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3-ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0074】
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
化合物(I) 0.01g
茶カテキン 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3-ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0075】
〔配合例4〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
化合物(I) 0.3質量%
ブラックジンジャー抽出物 0.1質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)
【0076】
〔配合例5〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
化合物(I) 2.0mg
茶カテキン 3.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg