(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069893
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】導波管変換装置
(51)【国際特許分類】
H01P 5/107 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
H01P5/107 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182083
(22)【出願日】2021-11-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】榊原 久二男
(72)【発明者】
【氏名】山崎 誠
(57)【要約】
【課題】積層基板と導波管との間での送受信の効率のよい導波管変換装置を提供すること。
【解決手段】本開示技術に係る導波管変換装置1は、積層基板2により構成され導波管の端部に取り付けられる装置であって、導電層4として、アンテナパターン7を有するアンテナ層と、入出力線パターンを有する入出力線層とを有し、アンテナパターン7は、導波管側から見て、導波路の領域内での最初の導体パターンであるとともに、中央部と、中央部に繋がり、中央部から導波路の断面形状の矩形における4つの頂点のそれぞれに接近する方向に形成された第1~第4ブランチとを有し、入出力線パターンは、第1ブランチに接続された第1線路と、第2ブランチに接続された第2線路とを有し、導波路の短辺側に設けられている差動線路であるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と導電層とを積層してなる積層基板により構成され、矩形断面の導波路を有する導波管の端部に取り付けられて導波管内の電磁波と入出力信号との変換を行う導波管変換装置であって、
前記導電層として、
導波路との間で電磁波の送信または受信を行うアンテナパターンを有するアンテナ層と、
前記アンテナパターンにアクセスする入出力線パターンを有し、導波管側から見て前記アンテナ層よりも遠い側に位置する入出力線層とを有し、
前記アンテナパターンは、
導波管側から見て、導波路の領域内での最初の導体パターンであるとともに、
導波路の断面形状の矩形における長辺と短辺とのいずれの方向に対しても中程に位置する中央部と
前記中央部に繋がり、前記中央部から前記矩形における第1の頂点に接近する方向に形成された第1ブランチと、
前記中央部に繋がり、前記中央部から前記矩形における前記第1の頂点に隣接する第2の頂点に接近する方向に形成された第2ブランチと、
前記中央部に繋がり、前記中央部から前記矩形における前記第1の頂点の対角に位置する第3の頂点に接近する方向に形成された第3ブランチと、
前記中央部に繋がり、前記中央部から前記矩形における前記第2の頂点の対角に位置する第4の頂点に接近する方向に形成された第4ブランチとを有し、
前記入出力線パターンは、
前記第1ブランチに接続された第1線路と、
前記第2ブランチに接続された第2線路とを有し、
導波路の断面形状の矩形における同一の短辺の側に設けられている差動線路である導波管変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の導波管変換装置であって、
前記入出力線層と前記アンテナ層とが、間に他の前記導電層を挟むことなく隣接して配置されている導波管変換装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の導波管変換装置であって、
前記導電層として、前記アンテナパターンを包含する大きさの矩形形状のウィンドウが
形成されている外郭パターンを有するフロント層を、前記アンテナ層よりも導波管側に有
する導波管変換装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の導波管変換装置であって、
前記入出力線層が、前記導電層のうち導波管側から見て最も遠い位置のものである導波管変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は,導波管変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電磁波の送信に中空導波管が使用されている。中空導波管においては、その両端における入出力装置との接続が問題となる。この点に関わる先行技術として、特許文献1に記載されているものを挙げることができる。同技術では、中空導波管の開口部を塞ぐように基板を配置している。ICチップから基板の線路導体へワイヤを介して給電するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した従来の技術には次のような問題点があった。積層基板と導波管との間での信号の変換効率がよくないのである。積層基板と導波管とでは構造が大きく異なるためである。このことは送受信のいずれの場合でも同様に問題となる。
【0005】
本開示技術は、前記した従来の技術が有する問題点を解決するためのものである。すなわちその課題とするところは、積層基板と導波管との間での送受信の効率のよい導波管変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様における導波管変換装置は、絶縁層と導電層とを積層してなる積層基板により構成され、矩形断面の導波路を有する導波管の端部に取り付けられて導波管内の電磁波と入出力信号との変換を行う装置であって、導電層として、導波路との間で電磁波の送信または受信を行うアンテナパターンを有するアンテナ層と、アンテナパターンにアクセスする入出力線パターンを有し、導波管側から見てアンテナ層よりも遠い側に位置する入出力線層とを有し、アンテナパターンは、導波管側から見て、導波路の領域内での最初の導体パターンであるとともに、導波路の断面形状の矩形における長辺と短辺とのいずれの方向に対しても中程に位置する中央部と、中央部に繋がり、中央部から当該矩形における第1の頂点に接近する方向に形成された第1ブランチと、中央部に繋がり、中央部から当該矩形における第1の頂点に隣接する第2の頂点に接近する方向に形成された第2ブランチと、中央部に繋がり、中央部から当該矩形における第1の頂点の対角に位置する第3の頂点に接近する方向に形成された第3ブランチと、中央部に繋がり、中央部から当該矩形における第2の頂点の対角に位置する第4の頂点に接近する方向に形成された第4ブランチとを有し、入出力線パターンは、第1ブランチに接続された第1線路と、第2ブランチに接続された第2線路とを有し、導波路の断面形状の矩形における同一の短辺の側に設けられている差動線路であるものである。
【0007】
上記態様における導波管変換装置では、導波路の領域内で最も導波管寄りに位置する導体パターンであるアンテナパターンにより、入出力線パターンの電気信号と導波路内の電磁波との変換が行われる。ここでアンテナパターンに含まれる各ブランチが導波路の断面形状の矩形における長辺および短辺に対して傾斜した方向に形成されているため、各ブランチ内での電荷移動も傾斜した方向に起こる。このため、積層基板と導波管との間での送受信の効率がよい。
【0008】
上記態様における導波管変換装置では、入出力線層とアンテナ層とが、間に他の導電層を挟むことなく隣接して配置されていることが好ましい。アンテナパターンと入出力線パターンとの間の電磁結合が確実だからである。また、導電層としてさらに、アンテナパターンを包含する大きさの矩形形状のウィンドウが形成されている外郭パターンを有するフロント層を、アンテナ層よりも導波管側に有することが好ましい。また、入出力線層が、導電層のうち導波管側から見て最も遠い位置のものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本構成によれば、積層基板と導波管との間での送受信の効率のよい導波管変換装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る導波管変換装置の斜視図である。
【
図2】導電層の1つであるアンテナ層を示す平面図である。
【
図3】導電層の1つである入出力線層を示す平面図である。
【
図4】導電層の1つであるフロント層を示す平面図である。
【
図5】実施の形態に係る導波管変換装置の伝送特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示技術を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本形態に係る導波管変換装置1を示す。導波管変換装置1は、積層基板2により構成されている。積層基板2は、絶縁層3と導電層4とを積層してなるものである。導波管変換装置1は、導波管5に取り付けられるものである。導波管5の内部には導波路6が形成されている。導波路6は、断面形状が矩形とされており、本形態では中空とされている。導波管変換装置1を構成する積層基板2には、導電層4のうちの1つにおける導体パターンとして、アンテナパターン7が含まれている。導波管変換装置1では、アンテナパターン7により、導波路6への電磁波の送信および導波路6からの電磁波の受信を行うことができる。本明細書で「導波管変換装置」とは、導波管5の導波路6内の電磁波と、積層基板2への入出力信号との変換を行う装置をいう。
【0012】
積層基板2に含まれる導電層4について説明する。導電層4にはいくつかの種類がある。
図2に示すのは、導電層4のうち、アンテナパターン7を含むものであるアンテナ層40である。アンテナ層40には、アンテナパターン7の他に、外郭パターン8が設けられている。アンテナパターン7と外郭パターン8とは、導通していない。外郭パターン8は、アンテナ層40の外周の全体にわたって設けられている。外郭パターン8には、その内部をくり抜く形でウィンドウ9が形成されている。アンテナパターン7はウィンドウ9の中に配置されている。ウィンドウ9は、アンテナパターン7を包含する大きさの矩形形状の領域である。ウィンドウ9の内部のうちアンテナパターン7以外の領域は、絶縁物で占められている。
【0013】
図3に示すのは、導電層4の1つである入出力線層41である。入出力線層41は、導波管5の側から見て、アンテナ層40よりも遠い側に位置する導電層4である。入出力線層41は、入出力線パターン10を有している。入出力線パターン10以外の部分にはベタパターン11が設けられている。入出力線パターン10とベタパターン11とは、導通していない。入出力線パターン10は、アンテナパターン7にアクセスするパターンである。その詳細は、アンテナパターン7の詳細とともに後述する。
【0014】
図4に示すのは、アンテナ層40、入出力線層41以外の導電層4であるフロント層42である。フロント層42は、アンテナ層40からアンテナパターン7を除去した層である。フロント層42は、アンテナ層40におけるものと同様の外郭パターン8を有している。フロント層42の外郭パターン8におけるウィンドウ9の内部は、全域が絶縁物で占められている。フロント層42は、導波管5とアンテナ層40との間に位置する導電層4である。積層基板2中に複数層のフロント層42が積層されていてもよい。
【0015】
アンテナ層40のウィンドウ9およびフロント層42のウィンドウ9はいずれも、長方形の形状であり、導波管5の端面と重ねて見れば導波路6の範囲内に包含される。つまり、ウィンドウ9の横辺長をL1、縦辺長をW1とし、導波路6の横辺(短辺)長をL2、縦辺(長辺)長をW2とすると、次の2つの式がいずれも成り立つ。
L1 < L2 W1 < W2
【0016】
積層基板2のうちアンテナ層40よりも導波管5側の部分、すなわちフロント層42が絶縁層3とともに積層されている部分においては、各フロント層42のウィンドウ9の内部の部分は、実質的に導波路を構成している。絶縁物で充填されつつ、外郭パターン8の導電体により四方を囲まれているからである。この導波路の部分と導波管5の導波路6とが繋がって全体として1つの導波路を構成していると見ることができる。また、電磁波を多重反射させて共振を起こし、後述する広帯域での良好な伝送特性に寄与するものである。導波管5の側から見ると、アンテナ層40は、導波路の領域内での最初の導体パターンである。
【0017】
ウィンドウ9の横辺長L1、縦辺長W1については、アンテナ層40における値とフロント層42における値とで同じである必要はない。フロント層42同士でも違っていてもよい。アンテナ層40および複数のフロント層42におけるウィンドウ9の縦横サイズを種々調整することにより、多様な広帯域伝送特性を実現することができる。
【0018】
アンテナ層40、入出力線層41、フロント層42のいずれにも、スルーホール12が形成されている。スルーホール12は、各導電層4における同じ位置に形成されており、各外郭パターン8およびベタパターン11を導通させる部位である。
図1では入出力線層41とその下のアンテナ層40との間に間隔を開けて描いているが、これはアンテナパターン7を見せるためである。実際の導波管変換装置1では入出力線層41とアンテナ層40とは、絶縁層3を間に挟んで密着した状態とされる。積層基板2と導波管5とも、実際には密着される。
図1では入出力線層41が積層基板2における最表の導電層4、つまり導波管5側から見て最も遠い位置の導電層4である。このため、積層基板2の上に搭載するICチップとの接続が容易である。入出力線層41よりさらに上層の全面絶縁層があってもよいが、その場合にはICチップとの接続のための構造が必要となる。
【0019】
アンテナパターン7および入出力線パターン10について説明する。アンテナパターン7は
図2に示されるように全体として「X」字状の形状を有している。すなわちアンテナパターン7は、中央部13と、第1ブランチ14と、第2ブランチ15と、第3ブランチ16と、第4ブランチ17とを有している。中央部13は、導波路6の断面形状の矩形における縦辺と横辺とのいずれの方向に対しても中程に位置する部位である。中央部13の位置の当該矩形の中心からのずれ量が、縦辺と横辺とのいずれの方向に対しても、その辺のサイズの15%以内であればよい。
【0020】
第1ブランチ14~第4ブランチ17はいずれも、中央部13に繋がっており、そこから導波路6の断面形状の矩形におけるいずれかの頂点に接近する方向に形成された部位である。第1ブランチ14は当該矩形の第1の頂点18に接近する方向に、第2ブランチ15は当該矩形の第2の頂点19に接近する方向に、第3ブランチ16は当該矩形の第3の頂点20に接近する方向に、第4ブランチ17は当該矩形の第4の頂点21に接近する方向に、それぞれ形成されている。ここでは、第1の頂点18に隣接する2つの頂点の一方を第2の頂点19と呼び、第1の頂点18の対角に位置する頂点を第3の頂点20と呼び、第2の頂点19の対角に位置する頂点を第4の頂点21と呼んでいる。当該矩形の4つの頂点のどれを第1の頂点18とするかは任意である。
【0021】
上の段落では各ブランチの方向を導波路6の断面形状の矩形との関係で説明したが、ウィンドウ9の矩形との関係で同様に説明することもできる。第1ブランチ14と第3ブランチ16とはほぼ平行である。第2ブランチ15と第4ブランチ17ともほぼ平行である。第1ブランチ14および第3ブランチ16と、第2ブランチ15および第4ブランチ17とは、交差している。
図2中で第1ブランチ14および第2ブランチ15の先端付近に示している黒丸22、23は、入出力線パターン10との接続ポイントである。
【0022】
入出力線パターン10は
図3に示すように、第1線路24、第2線路25の2本の線路により構成されている。第1線路24と第2線路25とは、平行に設けられており、導波路6の断面形状の矩形における同一の短辺の側に向かって引き出されている。第1線路24と第2線路25とは、入出力線層41の層内では互いに接続されていない。
【0023】
図3中で第1線路24および第2線路25の先端付近に示している黒丸22、23は、アンテナパターン7との接続ポイントである。積層基板2においては、アンテナ層40の第1ブランチ14の接続ポイント22の真上に入出力線層41の第1線路24の接続ポイント22が位置している。接続ポイント22では電磁結合により第1ブランチ14と第1線路24が接続されている。同様に、第2ブランチ15の接続ポイント23の真上に第2線路25の接続ポイント23が位置している。接続ポイント23では電磁結合により第2ブランチ15と第2線路25が接続されている。このため積層基板2において、アンテナ層40と入出力線層41とは、間に他の導電層4を挟むことなく隣接して配置されていることが好ましい。第1線路24と第2線路25とは差動線路を構成している。
【0024】
上記のように構成された導波管変換装置1は、積層基板2のフロント層42側の面を導波管5に取り付け、入出力線パターン10の第1線路24および第2線路25を適当な信号処理回路に接続した状態で使用される。この状態では、入出力線パターン10を介してアンテナパターン7に電気信号を印加することで、導波路6に電磁波を起こさせることができる。これにより、導波管5における先方の機器に対して電磁波を送信することができる。また、導波管5における先方の機器から送信されてきた導波路6の電磁波に基づきアンテナパターン7に誘起された電気信号を、入出力線パターン10を介して受信することができる。
【0025】
本形態の導波管変換装置1では、アンテナパターン7が前述のように傾斜した方向のブランチで構成されている。このため入出力線パターン10からの信号入力によるアンテナパターン7内での電荷移動が、導波路6の矩形断面の長辺方向に対しても短辺方向に対しても傾斜した方向に起こる。これによりアンテナパターン7は、導波路6の偏波方向(短辺と平行な方向)に対して傾斜した方向の電界を発生させる。このため、入出力線パターン10とアンテナパターン7とが電磁結合するとともに、アンテナパターン7と導波路6の電磁波とも電磁結合するので、このため短辺側からの入出力であっても電磁波の送信特性が優れている。受信特性も同様に優れている。特に、4つのブランチを持つX字状のアンテナパターン7であるため、長辺、短辺いずれの方向に対しても左右対称であり、45°ずつ電界を回転させていくような信号操作が可能である。
【0026】
図5に、本形態の導波管変換装置1の伝送特性のグラフを示す。
図5には、透過特性と反射特性との2通りの伝送特性が示されている。透過特性とは、アンテナパターン7と導波路6との間での信号の透過のしやすさに関する指標である。送信時でいえば、入出力線パターン10からアンテナパターン7に入力した信号に対する、導波路6へ放射された信号の比率である。受信時でいえば、導波路6内の信号に対する、アンテナパターン7が取得した信号の比率である。反射特性とは、フロント層42のウィンドウ9の部分と導波路6との間での反射により信号が失われる程度を示す指標である。透過特性と相補的な関係となる。
【0027】
図5のグラフの横軸は、電磁波の周波数である。縦軸は、透過特性および反射特性である。透過特性はグラフ中の上方ほど、反射特性は下方ほど、損失が少なく優れていることを意味する。
図5中の実線が反射特性のグラフで破線が透過特性のグラフである。実線の反射特性のグラフを見ると、約64.6GHzという広い帯域幅(およそ248~312.6GHz)にわたって損失成分が-10dB以下であることが分かる。この領域内では透過特性も-1dB程度と良好である。このように本形態では,前述の構造により優れた伝送特性を有している。
【0028】
以上詳細に説明したように本実施の形態の導波管変換装置1では、積層基板2により構成された導波管変換装置1のアンテナパターン7を、中央部13とそれに繋がる各ブランチ14~17とによる「X」字状の形状のものとし、差動線路による入出力を行うこととしている。このため、アンテナパターン7内に斜め方向の電荷移動が生じるようになっている。これにより、積層基板と導波管との間での送受信の効率のよい導波管変換装置が実現されている。
【0029】
本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、アンテナ層40およびフロント層42におけるウィンドウ9の矩形形状は、短辺長辺ともに導波路6の矩形形状のサイズより小さいこととしたが、このことは必須ではない。ウィンドウ9の矩形形状と導波路6の矩形形状との大小関係は任意である。また、フロント層42を有しない構成であってもよい。すなわち、アンテナ層40が積層基板2中において最も導波管5側の導電層4である構成であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 導波管変換装置 16 第3ブランチ
2 積層基板 17 第4ブランチ
3 絶縁層 18 第1の頂点
4 導電層 19 第2の頂点
5 導波管 20 第3の頂点
6 導波路 21 第4の頂点
7 アンテナパターン 24 第1線路
10 入出力線パターン 25 第2線路
13 中央部 40 アンテナ層
14 第1ブランチ 41 入出力線層
15 第2ブランチ