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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070348
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】パレット部品構成体及び包装システム
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/20 20060101AFI20230512BHJP
   B65D 85/68 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B65D19/20 ZAB
B65D85/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182457
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】末廣真也
【テーマコード(参考)】
3E037
3E063
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA03
3E037BB20
3E037BC04
3E037CA04
3E063AA06
3E063AA11
3E063BB08
3E063CC01
3E063CC09
3E063CD04
3E063DA05
3E063EE01
3E063FF20
(57)【要約】
【課題】パレット部品構成体の流通時の積載効率を従来よりも向上させ、また流通時の部品破損を防止し、更には従来パレット部品構成体の使用時に生じていた枠構造部の追加工作業の負荷を解消して簡易的な枠構造部の形成を可能にし、包装工程自動化をも実現する。
【解決手段】被包装体25を積載するためのパレット部品構成体10において、パレット部品9と、パレット部品9上に固定された、平坦に折り畳み可能な枠構造形成部品1とを有し、枠構造形成部品1の隣接する枠構造部が予め結合された状態で枠構造形成部品1が平坦に折り畳み可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体を積載するためのパレット部品構成体であって、
パレット部品と、
前記パレット部品上に固定された、平坦に折り畳み可能な枠構造形成部品とを有し、
前記枠構造形成部品の隣接する枠構造部が予め結合された状態で前記枠構造形成部品が平坦に折り畳み可能である、ことを特徴とするパレット部品構成体。
【請求項2】
前記枠構造形成部品は、底面、当該底面の外周に隣接して前記枠構造部を形成する4つの側壁部、前記枠構造形成部品の四隅を結合するための結合部、及び前記側壁部を折り畳むための折り込み線を有し、前記結合部は隣接する前記側壁部の一部と結合されている、ことを特徴とする請求項1に記載のパレット部品構成体。
【請求項3】
前記折り込み線は、前記枠構造部を形成する前記側壁部を折り畳むために、対向する2つの前記側壁部にそれぞれ2本ずつ斜めに形成されており、平面視において折り畳み時に山折り線として機能する、ことを特徴とする請求項2に記載のパレット部品構成体。
【請求項4】
前記折り込み線は、前記枠構造部を形成する前記側壁部を折り畳むために、対向する2つの前記側壁部にそれぞれ2本ずつ斜めに形成されており、平面視において折り畳み時に谷折り線として機能する、ことを特徴とする請求項2に記載のパレット部品構成体。
【請求項5】
前記折り込み線は、前記枠構造部を形成する前記側壁部を折り畳むために、前記結合部を有する前記側壁部における前記結合部に1本及び前記側壁部に1本設けられ、また当該側壁部に対向する前記側壁部に2本設けられ、さらに前記折り込み線が設けられた前記結合部に切欠を介して隣接する前記側壁部に1本設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のパレット部品構成体。
【請求項6】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部は四角形の形状を有する、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項7】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部は三角形の形状を有する、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項8】
前記枠構造部を形成する前記側壁部に、前記側壁部を外装箱に結合するための結合部品を挿入可能な結合穴が設けられている、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項9】
折り畳み時に前記結合部を差し込むための切り込みが、前記枠構造部を形成する前記側壁部に設けられている、ことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項10】
前記枠構造部を形成する前記側壁部に、前記側壁部同士を固定するための固定部と、当該固定部を挿入するための通し穴が設けられている、ことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項11】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部が前記側壁部の外側に重ねられ結合されている、ことを特徴とする請求項2~10のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項12】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部が前記側壁部の内側に重ねられ結合されている、ことを特徴とする請求項2~10のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項13】
前記枠構造形成部品が段ボールにより形成される、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項14】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部がステッチ結合により結合されている、ことを特徴とする請求項2~13のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項15】
前記枠構造形成部品の四隅を結合するための前記結合部が接着剤により結合により結合されている、ことを特徴とする請求項2~13のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項16】
前記パレット部品が段ボール製のパレットである、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項17】
前記パレット部品が合板製のパレットである、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項18】
前記枠構造形成部品と前記パレット部品が接着剤により結合されている、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項19】
前記枠構造形成部品と前記パレット部品がステッチにより結合されている、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項20】
前記枠構造形成部品と前記パレット部品がネジ締結により結合されている、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載のパレット部品構成体。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のパレット部品構成体と、当該パレット部品構成体に積載された被包装体を有する包装システムにおいて、
前記被包装体が画像形成装置であることを特徴とする包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット部品構成体及び包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装貨物や被包装体25を積載し、ユニットロード形態の輸送を可能にするパレット部品9のデッキボード部に、折り込みと固定の加工を施すことで、パレット部品9の外周の4辺に沿って立ち上がる枠構造部29を形成するシート部品が設けられる(図13)。4辺の側壁部を構成する枠構造部29により、パレット部品9に積載された包装貨物や被包装体25が輸送時の振動や衝撃によって前後左右方向に移動することが十分に抑制され、また枠構造部29と外装箱21を結合することで外装箱21の移動が更に抑制される。
【0003】
従来、このような枠構造部29を構成する枠構造形成部品1は1枚のシート状部品から成り、その外周の4辺を立ち上げて側壁部を形成した後に、貼合部品、結合部品又は貼合剤などの固定手段27による追加工にて互いに結合することで、枠構造部29が形成されてきた(図14図15)。
【0004】
またパレット製造業者での製造時に、パレット部品9及び枠構造形成部品1から成るパレット部品構成体の枠構造部を形成して固定してしまうと、パレット部品構成体がパレット製造業者から被包装体25の製造業者まで流通する間、パレット部品構成体の高さが増加して、輸送時におけるパレット部品構成体の積載段数が減少してしまい、トラック輸送時のパレット部品構成体の輸送数が低下し、輸送コストが高くなるという問題があった。
【0005】
この問題の対策として、図16に示すように、積み重ねるパレット部品構成体の大きさ関係を変えること、具体的にはあるパレット部品構成体直下のパレット部品構成体を相対的に小さくして積み重ねることも考えられる。しかし、これでは上部に載せる外装箱がパレット部品構成体上に完全に載らず、外装箱21の耐圧強度が損なわれ、また枠構造形成部品1が下部のパレット部品構成体よりも外側に突出することにより、枠構造形成部品1が他の貨物と接触し損傷し得る。
【0006】
このため従来は、図14に示すように、パレット部品構成体は側壁部を立ち上げずに開いたままの形態で輸送され、使用者である被包装体25の製造業者が、使用時に側壁部を立ち上げ、テープによる貼合作業等の追加工作業により側壁部を結合して枠構造部29を形成している。このような追加工作業が作業者にとって負担である。
【0007】
またこの場合、図17に示すように、従来のパレット部品構成体及びその輸送形態においては、開いた側壁部のために側壁部直下に斜線で示すデッドスペース31が生じる。よって、側壁部を立ち上げた状態における積段数の減少程ではないものの、やはりトラック輸送時の積載効率が低下する。また、厚みの薄い側壁部が突出した状態で流通する際の、他貨物との接触による側壁部の損傷問題がある。
【0008】
特許文献1は、パレット上に載置した梱包箱が、荷役作業や輸送中にずれ動く問題の解決策をより改善すると共に、紙の使用量を極力節約しながら、紙製パレットの強度特性を大幅に向上させることを目的とする。そのために、紙製パレットは、その天板を、芯板を囲い板でくるみ込んだ構成とし、スペーサーは、天板、底板、及び両側面板を連ねて形成させた角筒体の内に包み込む、又、スペーサーは、縦向きの紙管を横向きの角筒内に包み込んだ構成とし、底板の下面には、複数列の補強帯板を貼着させる。
【0009】
しかしながら、ズレ止片は対向する2つの側面に設けられているのみであり、ズレ止片によって梱包箱の4つの側面を囲う枠構造部が形成されない。また、ズレ止片に設けられた差込片によってのみ、ズレ止片と梱包箱が固定されるため、特に重量の大きい梱包箱の前後左右方向の動きを抑制するには強度不十分である。ズレ止片を4辺に設ける構成も示されているが、枠構造部は予め結合されていないため、パレットの使用時に枠構造部を形成するための追加工作業が作業者にとって負担であり、ロボットによる包装工程自動化に際しても追加工作業が工程自動化の難度を上げ、また工程を煩雑化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、パレット部品構成体の流通時の積載効率を従来よりも向上させ、また流通時の部品破損を防止し、更には従来パレット部品構成体の使用時に生じていた枠構造部の追加工作業の負荷を解消して簡易的な枠構造部の形成を可能にし、包装工程自動化をも実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、被包装体を積載するためのパレット部品構成体であって、パレット部品と、前記パレット部品上に固定された、平坦に折り畳み可能な枠構造形成部品とを有し、前記枠構造形成部品の隣接する枠構造部が予め結合された状態で前記枠構造形成部品が平坦に折り畳み可能である、ことを特徴とするパレット部品構成体によって解決される。
【発明の効果】
【0012】
パレット部品構成体の流通時の積載効率が従来よりも向上し、また流通時の部品破損が防止される。更には従来パレット部品構成体の使用時に生じていた枠構造部の追加工作業の負荷を解消して簡易的な枠構造部の形成が可能となり、包装工程自動化も実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10の概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10の概略斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10が積載された様子を示す概略正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図7】本発明の第4実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図8】本発明の第5実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図9】本実施形態に係る枠構造形成部品1の折り畳み時の要部概略図である。
図10】本発明の第6実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。
図11】本実施形態に係る枠構造形成部品1の折り畳み時の要部概略図である。
図12】本発明の別な実施形態に係る枠構造形成部品1の概略斜視図である。
図13】従来のパレット部品構成体に収納された被包装体とそれを覆う外装箱の概略斜視図である。
図14】従来のパレット部品構成体の概略斜視図である。
図15】従来のパレット部品構成体の概略斜視図である。
図16】従来のパレット部品構成体の概略図である。
図17】従来のパレット部品構成体によって生じるデッドスペースを示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施形態に係る枠構造体及びパレット部品構成体を図面に則して説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10の概略斜視図である。
本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10は、被包装体25(図13)を積載するためのパレット部品構成体10であって、パレット部品9と、パレット部品9上に固定された、平坦に折り畳み可能な枠構造形成部品1を有する。本発明の実施形態に係る枠構造形成部品1は、底面2及び底面2の外周に隣接する4つの側壁部3を有し、パレット部品9の上に位置している。
図1では、枠構造形成部品1の側壁部3は立ち上げられており、枠構造形成部品1は、パレット部品9の外周の4辺に沿って立ち上がった枠構造体を形成している。一方で、図2では、枠構造形成部品1の側壁部3は内側に折り込まれており、平面視において、枠構造形成部品1はパレット部品9の面積からはみ出さずに、パレット部品9の内側に納められている。すなわち、枠構造形成部品1の隣接する枠構造部が結合部5によって予め結合された状態で枠構造形成部品1が平坦に折り畳み可能である。
【0015】
パレット部品9は、下板部、下板部の上に配置されたブロック部材、ブロック部材の上に配置された上板部などから構成されている。パレット部品9は、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入口を有する。なお、パレット部品の詳細な構造は例えば特許文献2に記載されており、ここでは述べない。
【0016】
枠構造形成部品1は、パレット部品9の平面を構成するデッキボード板材上にネジなどにより固定されている。
【0017】
図1において、隣接する2つの側壁部3は、パレット製造業者によって糊付けやステッチャーなどにより、側壁部3の一部である結合部5によって互いに簡易に結合されている。結合部5はパレット製造業者によって結合されるため、使用者である被包装体25の製造業者による結合作業は不要である。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10が積載された様子を示す概略正面図である。
図示のように、本実施形態によれば、左右方向のデッドスペース31(図17)を生じることなくパレット部品構成体10を積載することができる。
【0019】
本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10によれば、以下の要因により従来の問題点を解消することができる。
図2に示すように、部品流通時に枠構造形成部品1を内側に向けて折り畳むことができるため、図3に示すように、従来生じていた輸送時のデッドスペースを無くし、トラック輸送時の積載効率を改善できる。
図2に示すように、部品流通時に枠構造形成部品1を内側に向けて折り畳むことができるため、厚みの薄い側壁部3はパレット部品9の上板部の上に載り、従来のように他の貨物と接触しなくなるため、側壁部3の損傷を防止できる。
・枠構造形成部品1の隣接する枠構造部(具体的には側壁部3)が予め結合された状態で枠構造形成部品1が平坦に折り畳まれているため、従来のように側壁部を立ち上げた後に枠構造を形成するために4隅を結合する煩雑な追加工が必要無い。また側壁部3の立ち上げ時に4辺の側壁部3が連動して(半自動的に)立ち上がるため、容易に枠構造部を形成することができる。よって、作業者にとって負担の大きかった従来の作業を簡易化し、またロボットの作業工程を簡便にすることができる。
【0020】
図4は、本発明の第1実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図4(a)は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図であり、図4(b)は折り畳まれた枠構造形成部品1の概略平面図である。
図4(a)において、枠構造形成部品1は、全体的に四角形状を有し、底面2、底面2の外周に隣接して枠構造部を形成する4つの側壁部3、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5、及び側壁部3を折り畳むための折り込み線8を有する。図示のように、枠構造形成部品1には、枠構造形成部品1の左右の辺と平行に延びる4つの切欠6が形成されている。よって、左右の側壁部3が上下に位置する、枠構造形成部品1の四隅にある結合部5を有している。図4(a)は枠構造形成部品1の展開図であるが、これらの結合部5は、切欠6を隔てて隣接する側壁部3の一部と予め結合されている。図中斜線で示された領域が、結合部5とそれに隣接する側壁部3の重複領域・結合領域である。結合前の切欠6はスリットとして形成されており、幅を有しない。
【0021】
折り畳み用の折り込み線8は、枠構造部を形成する側壁部3を折り畳むために、対向する2つの側壁部3にそれぞれ2本ずつ斜めに形成されており、平面視において折り畳み時に山折り線として機能する。また、図中の点線は谷折り線として機能する。すなわち、結合部5を結合した状態で、点線を谷折りし、折り込み線8を山折りすることで、図4(b)に示すような折り畳み状態となる。折り込み線8を山折りに折り込むことで、枠構造形成部品1の側壁部3を全てパレット部品9の内側に畳み込むことができる(図4(b))。
【0022】
図5は、本発明の第2実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図5(a)は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図であり、図5(b)は折り畳まれた枠構造形成部品1の概略平面図である。
折り畳み用の折り込み線8は、枠構造部を形成する側壁部3を折り畳むために、対向する2つの側壁部3にそれぞれ2本ずつ斜めに形成されており、平面視において折り畳み時に谷折り線として機能する。また、図中の点線は谷折り線として機能する。すなわち、結合部5を結合した状態で、点線を谷折りし、折り込み線8を谷折りすることで、図5(b)に示すような折り畳み状態となる。折り込み線8を谷折りに折り込むことで、枠構造形成部品1の上下の側壁部3はパレット部品9の内側に、左右の側壁部3はパレット部品9の外側に畳み込まれる(図5(b))。これによっても、図17に示すような左右のデッドスペースを無くすことができる、つまり図5の上下方向にパレット部品構成体10を隣接して配置することができ、また図3に示すようにパレット部品構成体10を高さ方向に積載することもできる。
【0023】
図6は、本発明の第3実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図6(a)は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図であり、図6(b)は折り畳まれた枠構造形成部品1の概略平面図である。
本実施形態では、図4の第1実施形態と異なり、折り畳み用の折り込み線8が、枠構造部を形成する側壁部3を折り畳むために、結合部5を有する側壁部3における結合部5に1本斜めに及び側壁部3に1本斜めに設けられ、またこの側壁部3に対向する側壁部3に2本斜めに設けられ、さらに折り込み線8が設けられた結合部5に切欠6を介して隣接する側壁部3に1本斜めに設けられている。これらは山折り線として機能する。また、図中の点線は谷折り線として機能する。すなわち、結合部5を結合した状態で、点線を谷折りし、折り込み線8を山折りすることで、図6(b)に示すような折り畳み状態となる。これにより、4つの側壁部3がそれぞれ隣り合う側壁部3の上に折り畳まれるような構成となるため(図6(b))、部品の保管時や輸送時における折り畳んだ状態の側壁部3の姿勢の固定が安定する。
【0024】
上述した第1実施形態~第3実施形態に係る枠構造形成部品1によれば、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5は四角形の形状を有する。これにより、十分な面積を用いて枠構造形成部品1の四隅を結合できるため、十分な固定力を確保することができる。
【0025】
図7は、本発明の第4実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図7(a)は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図であり、図7(b)は折り畳まれた枠構造形成部品1の概略平面図である。
本実施形態では、図4の第1実施形態と異なり、切欠6は三角形状を有し、同様に結合部5も三角形状を有する。結合部5が、切欠6を隔てて隣接する側壁部3の一部に斜線部において重複し、糊付けやステッチャーなどで互いに予め固定されている。
【0026】
折り畳み用の折り込み線8は、枠構造部を形成する側壁部3を折り畳むために、左側の側壁部3に1本斜めに形成され、対向する右側の側壁部3に2本斜めに形成されており、これらは山折り線として機能する。また、図中の点線は谷折り線として機能する。すなわち、結合部5を結合した状態で、点線を谷折りし、折り込み線8を山折りすることで、図7(b)に示すような折り畳み状態となる。折り込み線8を山折りに折り込むことで、枠構造形成部品1の側壁部3を全てパレット部品9の内側に畳み込むことができる(図7(b))。
【0027】
第4実施形態に係る枠構造形成部品1によれば、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5は、三角形の形状を有する。三角形の結合部5を形成するための三角形状の切欠6によって、結合部5の折り畳み時に重なる結合部5の枚数が、四角形状の場合に比べて1枚分減少するため、折り畳み時における重なりによる姿勢の不安定化を抑制することができる。
【0028】
また図1に示すように、本発明の実施形態によれば、枠構造部を形成する側壁部3に、前記側壁部3を外装箱21に結合するための結合部品23を挿入可能な結合穴7が設けられている。これにより、枠構造形成部品1と外装箱21の結合部品23による結合が可能となり、両者を強固に固定することができる(図13)。
【0029】
図8は、本発明の第5実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図8は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図である。
図9は、本実施形態に係る枠構造形成部品1の折り畳み時の要部概略図である。図9(a)は立ち上げられた枠構造形成部品1の概略斜視図、図9(b)は折り畳み時の枠構造形成部品1の概略斜視図である。
【0030】
図8に示すように、折り畳み時に結合部5を差し込むための切り込み13が、枠構造部を形成する側壁部3に設けられている。切り込み13は、底面2と、当該底面2に隣接する側壁部3との接合部11から、側壁部3の外側に向かって円弧状に延びている。これにより、図9(a)に示すように、立ち上げられた側壁部3を折り込み線8で谷折りに折り込めば、立ち上げられた側壁部3の角部を、図9(b)に示すように、切り込み13に差し込むことができる。これにより、側壁部3の折り畳み状態を、切り込み13に差し込んだ状態で維持することができる。
【0031】
図10は、本発明の第6実施形態に係る枠構造形成部品1の概略平面図である。図10は結合前の枠構造形成部品1の概略平面図である。
図11は、本実施形態に係る枠構造形成部品1の折り畳み時の要部概略図である。
図10に示すように、枠構造部を形成する側壁部3に、側壁部3同士を固定するための固定部15と、固定部15を挿入するための2つの通し穴17,19が設けられている。通し穴17,19は、側壁部3を折り畳んだときに固定部15に重なる位置に設けられている。固定部15はT字形状を有している。これにより、図11に示すように、枠構造形成部品1の折り畳み時に、2つの通し穴17,19に対して固定部15を立ち上げて挿通することができ、側壁部3の折り畳み状態を固定部15のT字形状部に引っ掛けて保持することができる。
【0032】
また図1を参照して、本発明の実施形態に係る枠構造形成部品1では、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が側壁部3の外側に重ねられ結合されている。枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が枠構造部の内側に入らないことにより、枠構造部の内部に十分な収納スペースを確保することができる。
【0033】
一方で、図12は、本発明の別な実施形態に係る枠構造形成部品1の概略斜視図である。
図示のように、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が、側壁部3の内側に重ねられ結合されている。枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が枠構造部の外側に突出しないため、或るパレット部品が他のパレット部品と隣り合わせで輸送される際の結合部5の干渉(摩擦による損傷など)を抑制することができる。
【0034】
また本発明の実施形態に係る枠構造形成部品1は段ボールにより形成される。枠構造形成部品1をサイクル性の優れた材質である段ボールで構成することで、パレット部品構成体10のリサイクルを促進することができる。
【0035】
また本発明の実施形態に係る枠構造形成部品1では、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が、ステッチ結合により結合されている。これにより、枠構造形成部品1の側壁部3の十分な固定力を確保することができる。
【0036】
また本発明の実施形態に係る枠構造形成部品1では、枠構造形成部品1の四隅を結合するための結合部5が、接着剤により結合されている。これにより、枠構造形成部品1とは異なる種類の材料の結合部品を用いずに済むため、枠構造形成部品1の廃棄時の分解・分離作業が不要となる。
【0037】
また本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10では、パレットベース構造であるパレット部品9が段ボール製のパレットである。
【0038】
また本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10では、パレット部品9が合板製のパレットである。合板製のパレットは剛性が高いため、剛性の高いパレット部品構成体10を実現できる。
【0039】
また本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10では、枠構造形成部品1とパレット部品9が接着剤により結合されている。これにより、枠構造形成部品1とは異なる種類の材料の結合部品を用いずに済むため、枠構造形成部品1の廃棄時の分解・分離作業が不要となる。
【0040】
また本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10では、枠構造形成部品1とパレット部品9がステッチにより結合されている。これにより、強固な固定力を確保することができる。
【0041】
また本発明の実施形態に係るパレット部品構成体10では、枠構造形成部品1とパレット部品9がネジ締結により結合されている。これにより、強固な固定力を確保することができる。
【0042】
また本発明の実施形態によれば、パレット部品構成体10と、当該パレット部品構成体10に積載された被包装体25を有する包装システムにおいて、被包装体25が画像形成装置である。
【0043】
以上のように、本発明によれば以下の効果が得られる。
・従来のようなパレット部品構成体10の輸送時のデッドスペース31(図17)を無くし、トラック輸送時の積載効率を改善できる(図3)。
・厚みの薄い側壁部3はパレット部品9の天板上に載り、従来とは異なり他貨物と接触しなくなるため、側壁部3の損傷を防止できる(図2)。
・従来のように側壁部3を立ち上げて枠構造部を形成するために4隅を結合する追加工作業が必要無くなり、また側壁部3の立ち上げ時に半自動的に4辺の側壁部3が立ち上がる。よって、容易に枠構造部を形成することができるため、作業者にとって高負荷だった作業が不要となり、またロボットによる作業工程自動化も簡便に行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 枠構造体
9 パレット部品
10 パレット部品構成体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2002-225868号公報
【特許文献2】特許5240464号公報
図1
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