(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070364
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182487
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜多川 大
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA19
5F131CA39
5F131DB03
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131DB87
5F131EA03
5F131GA14
5F131GB13
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA35
5F131JA09
5F131JA12
(57)【要約】
【課題】基板処理システムの設置面積を削減する。
【解決手段】基板処理システムは、1つまたは複数のプロセスモジュールと、真空搬送モジュールとを備える。少なくとも1つのプロセスモジュールと真空搬送モジュールとは、上面視で、プロセスモジュールの少なくとも一部と真空搬送モジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の処理を行う1つまたは複数のプロセスモジュールと、
前記プロセスモジュール内に前記基板を搬送可能な真空搬送モジュールと
を備え、
少なくとも1つの前記プロセスモジュールと前記真空搬送モジュールとは、
上面視で、前記プロセスモジュールの少なくとも一部と前記真空搬送モジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている基板処理システム。
【請求項2】
前記真空搬送モジュールは、少なくとも1つの前記プロセスモジュールの上または下に配置されている請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記真空搬送モジュールに接続されたロードロックモジュールをさらに備える請求項1または2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
少なくとも1つの前記プロセスモジュールと前記ロードロックモジュールとは、
上面視で、前記プロセスモジュールの少なくとも一部と前記ロードロックモジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記真空搬送モジュールの少なくとも一部は、
少なくとも1つの前記プロセスモジュールと前記ロードロックモジュールとの間に配置されており、
少なくとも1つの前記プロセスモジュールと前記真空搬送モジュールと前記ロードロックモジュールとは、
上面視で、前記プロセスモジュールの少なくとも一部と前記真空搬送モジュールの少なくとも一部と前記ロードロックモジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている請求項3または4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記ロードロックモジュールは、前記真空搬送モジュールの上または下に配置されている請求項3から5のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記ロードロックモジュールに接続された大気搬送モジュールをさらに備える請求項3から6のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記大気搬送モジュールは、
上面視で、前記大気搬送モジュールの少なくとも一部と前記真空搬送モジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている請求項7に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記大気搬送モジュールは、前記真空搬送モジュールの上または下に配置されている請求項7または8に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記大気搬送モジュールに接続された1または複数のロードポートをさらに備える請求項7から9のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項11】
少なくとも1つの前記ロードポートは、
上面視で、前記ロードポートの少なくとも一部と前記ロードロックモジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
複数の前記プロセスモジュールは、鉛直方向に重ねて配置されている請求項1から11のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記真空搬送モジュール内に設けられ、前記真空搬送モジュールと前記プロセスモジュールとの間で前記基板を搬送する搬送ロボットを備え、
前記搬送ロボットは、
前記基板が載せられる載置部と、
前記載置部を鉛直方向に移動させるアーム部と
を有し、
前記アーム部は、
軸が鉛直方向となるように配置された第1の筒体と、
前記第1の筒体内に収容可能であり、前記第1の筒体と同軸となるように配置された第2の筒体と
を含み、
前記アーム部は、
前記第1の筒体に対して前記第2の筒体を摺動させることにより、前記第1の筒体の軸に沿って伸縮し、前記載置部を鉛直方向に移動させる請求項1から12のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の側面および実施形態は、基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「各処理ツール200は、ロードロック208の少なくとも一部を収容するように構成された改良装置フロントエンドモジュール(EFEM)204を備える」なる記載がある。また、特許文献1には、「ロードロック208は、EFEM204と真空搬送モジュール(VTM)212との間の隙間でEFEM204の外側に位置するのではなく、EFEM204の内部に延びる」なる記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板処理システムの設置面積を削減することができる基板処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面は、基板処理システムであって、1つまたは複数のプロセスモジュールと、真空搬送モジュールとを備える。少なくとも1つのプロセスモジュールと真空搬送モジュールとは、上面視で、プロセスモジュールの少なくとも一部と真空搬送モジュールの少なくとも一部とが重なるように配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の種々の側面および実施形態によれば、基板処理システムの設置面積を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態における基板処理システムの一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の矢印Cの方向から見た基板処理システムの一例を示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の矢印Dの方向から見た基板処理システムの一例を示す側面図である。
【
図4】
図4は、
図1の矢印Eの方向から見た基板処理システムの一例を示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された基板処理システムの裏面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1および
図5に例示された基板処理システムのA-A断面の一例を示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、
図1および
図5に例示された基板処理システムのB-B断面の一例を示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、PMの一例を示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、基板の搬送過程の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、基板の受け渡しの過程の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、基板の受け渡しの過程の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、載置部とアーム部との位置関係の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、基板の受け渡しの過程の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、基板の受け渡しの過程の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【
図24】
図24は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【
図25】
図25は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【
図26】
図26は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【
図27】
図27は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【
図28】
図28は、基板処理システムの他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、基板処理システムの実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、開示される基板処理システムが限定されるものではない。
【0009】
ところで、単位時間あたりに処理可能な基板の数を増やすためには、基板に対する処理を行う処理モジュールを増やすことが考えられる。処理モジュールが増えると、複数の処理モジュール、真空搬送モジュール、ロードロックモジュール、および大気搬送モジュール等を含む基板処理システムが大型化する。基板処理システムが大型化すると、クリーンルーム等の設備内での基板処理システムの設置面積(フットプリント)が大きくなり、複数の基板処理システムを配置することが難しくなる。そのため、基板処理システムの設置面積の削減が求められている。
【0010】
そこで、本開示は、基板処理システムの設置面積を削減することができる技術を提供する。
【0011】
[基板処理システム10の構成]
図1は、一実施形態における基板処理システム10の一例を示す平面図である。
図2は、
図1の矢印Cの方向から見た基板処理システム10の一例を示す側面図である。
図3は、
図1の矢印Dの方向から見た基板処理システム10の一例を示す側面図である。
図4は、
図1の矢印Eの方向から見た基板処理システム10の一例を示す側面図である。
図5は、
図1に示された基板処理システム10の裏面の一例を示す図である。
図1では、基板処理システム10と共に、基板処理システム10全体を制御する制御装置12が例示されている。
【0012】
基板処理システム10は、VTM(Vacuum transfer module)20と、複数のPM(Process Module)30と、LLM(Load Lock Module)40と、EFEM(Equipment Front End Module)50と、複数のLP(load Port)60とを備える。
【0013】
VTM20は、真空雰囲気において基板Wを搬送するように構成されている。なお、本明細書における「真空」は、大気圧よりも低い圧力を意味している。VTM20は、真空雰囲気において、PM30とLLM40との間、または、複数のPM30間で基板Wを搬送するように構成されている。本実施形態において、少なくとも1つのPM30とVTM20とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とVTM20の少なくとも一部とが重なるように配置されている。本実施形態において、上面視とは、上面を鉛直方向から見ることである。
図1~
図5の例では、上面視で、VTM20は、少なくとも1つのPM30の上に配置されている。なお、
図1~
図5の例では、基板処理システム10は、1台のVTM20を備えるが、開示の技術はこれに限られず、基板処理システム10が備えるVTM20の台数は、1台より多くてもよい。
【0014】
それぞれのPM30は、基板Wに対して、エッチングや成膜等の処理(例えばプラズマ処理等)を実行する。それぞれのPM30は、製造工程の中で同一の工程を実行してもよく、異なる工程を実行してもよい。
図1~
図5の例では、基板処理システム10は、8台のVTM20を備えるが、開示の技術はこれに限られず、基板処理システム10が備えるPM30の台数は、8台より少なくてもよく、8台より多くてもよい。
【0015】
なお、
図1~
図5に示された例において、上面視におけるそれぞれのPM30の形状は、正方形であるが、開示の技術はこれに限られない。上面視におけるそれぞれのPM30の形状は、例えば、多角形(三角形、四角形(長方形、ひし形、台形等)、五角形、六角形、八角形を含む)、円形、または楕円形等であってもよい。
【0016】
LLM40は、内部の圧力を真空雰囲気および大気圧雰囲気に切り替えることができる。LLM40と少なくとも1つのPM30とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とLLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されている。また、本実施形態において、VTM20の少なくとも一部は、少なくとも1つのPM30とLLM40との間に配置されている。また、本実施形態において、VTM20、少なくとも1つのPM30、およびLLM40は、上面視で、VTM20の少なくとも一部と、PM30の少なくとも一部と、LLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されている。
図1~
図5の例では、LLM40は、VTM20の上に配置されている。なお、
図1~
図5の例では、基板処理システム10は、1台のLLM40を備えるが、開示の技術はこれに限られず、基板処理システム10が備えるLLM40の台数は、1台より多くてもよい。
【0017】
EFEM50は、大気圧雰囲気において基板Wを搬送するように構成されている。EFEM50は、大気搬送モジュールの一例である。EFEM50の側壁には、複数のLP60が設けられている。それぞれのLP60に対応するEFEM50の側壁には、例えば
図4に示されるように、ゲートバルブ51が設けられている。EFEM50は、大気圧雰囲気において、それぞれのLP60に設置されたFOUP(Front Opening Unified Pod)とLLM40との間で基板Wを搬送するように構成されている。
図1~
図5の例では、基板処理システム10は、1台のEFEM50を備えるが、開示の技術はこれに限られず、基板処理システム10が備えるEFEM50の台数は、1台より多くてもよい。また、
図1~
図5の例では、基板処理システム10は、3台のLP60を備えるが、開示の技術はこれに限られず、基板処理システム10が備えるLP60の台数は、3台より少なくてもよく、3台より多くてもよい。
【0018】
なお、基板処理システム10には、基板Wの位置および向きを調整するアラインメントモジュールが設けられてもよい。アラインメントモジュールが設けられる装置は特に限定されないが、アラインメントモジュールは、例えばVTM20内、EFEM50内、またはLLM40内に設けられてもよい。
【0019】
制御装置12は、本開示において述べられる種々の工程を基板処理システム10に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御装置12は、ここで述べられる種々の工程を実行するように基板処理システム10の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御装置12の一部または全てが基板処理システム10に含まれてもよい。制御装置12は、例えば、処理部12a1、記憶部12a2、および通信インターフェイス12a3を含むコンピュータ12aにより実現される。処理部12a1は、記憶部12a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部12a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部12a2に格納され、処理部12a1によって記憶部12a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ12aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェイス12a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部12a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部12a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェイス12a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して基板処理システム10との間で通信してもよい。
【0020】
図6は、
図1および
図5に例示された基板処理システム10のA-A断面の一例を示す概略断面図である。
図7は、
図1および
図5に例示された基板処理システム10のB-B断面の一例を示す概略断面図である。
【0021】
EFEM50内には、搬送ロボット52が設けられている。搬送ロボット52は、LP60に設置されたFOUPとLLM40との間で基板Wを搬送する。搬送ロボット52は、EFEM50内において、例えば
図1の矢印Cに沿う方向に移動可能である。搬送ロボット52は、基板Wが載せられる載置部520と、載置部520を移動させるアーム部521とを有する。アーム部521は、筒体521aおよび筒体521bを有する。筒体521aは、軸が鉛直方向となるようにEFEM50内に配置されている。筒体521bは、筒体521a内に収容可能であり、筒体521aと同軸となるようにEFEM50内に配置されている。アーム部521は、筒体521aに対して筒体521bを摺動させることにより、筒体521aの軸に沿って鉛直方向に伸縮し、載置部520を鉛直方向に移動させる。これにより、搬送ロボット52の設置面積を小さくすることができる。
【0022】
EFEM50とLLM40との間には、ゲートバルブ42が設けられている。また、LLM40とVTM20との間には、ゲートバルブ43が設けられている。LLM40内には、搬送ロボット41が設けられている。搬送ロボット41は、基板Wが載せられる載置部410を有する。
【0023】
VTM20内において、PM30の上方には搬送ロボット21が設けられている。搬送ロボット21は、基板Wが載せられる載置部210を有する。また、隣り合うPM30に挟まれたVTM20の部分には、搬送ロボット22および搬送ロボット23が配置されている。搬送ロボット22は、基板Wが載せられる載置部220を有する。搬送ロボット23は、基板Wが載せられる載置部230を有する。VTM20とPM30との間には、例えば
図7に示されるようにゲートバルブ31が設けられている。
【0024】
[PM30の構成]
図8は、PM30の一例を示す概略断面図である。本実施形態において、PM30は、例えば容量結合型のプラズマ処理装置である。PM30は、プラズマ処理チャンバ310、ガス供給部320、電源330、および排気システム340を含む。また、PM30は、基板支持部311およびガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ310内に導入するように構成されている。ガス導入部は、シャワーヘッド313を含む。基板支持部311は、プラズマ処理チャンバ310内に配置されている。シャワーヘッド313は、基板支持部311の上方に配置されている。一実施形態において、シャワーヘッド313は、プラズマ処理チャンバ310の天部(Ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ310は、シャワーヘッド313、プラズマ処理チャンバ310の側壁310a、および基板支持部311により規定されたプラズマ処理空間310sを有する。プラズマ処理チャンバ310は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間310sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間310sからガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。プラズマ処理チャンバ310は接地されている。シャワーヘッド313および基板支持部311は、プラズマ処理チャンバ310の筐体とは電気的に絶縁されている。プラズマ処理チャンバ310の側壁310aには、基板Wの搬入および搬出を行うための開口部32が形成されている。開口部32は、ゲートバルブ31によって開閉される。
【0025】
基板支持部311は、本体部3111およびリングアセンブリ3112を含む。本体部3111は、基板Wを支持するための中央領域3111aと、リングアセンブリ3112を支持するための環状領域3111bとを有する。ウェハは、基板Wの一例である。本体部3111の環状領域3111bは、平面視で本体部3111の中央領域3111aを囲んでいる。基板Wは、本体部3111の中央領域3111a上に配置され、リングアセンブリ3112は、本体部3111の中央領域3111a上の基板Wを囲むように本体部3111の環状領域3111b上に配置されている。中央領域3111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域3111bは、リングアセンブリ3112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0026】
一実施形態において、本体部3111は、基台31110および静電チャック31111を含む。基台31110は、導電性部材を含む。基台31110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック31111は、基台31110の上に配置されている。静電チャック31111は、セラミック部材31111aとセラミック部材31111a内に配置される静電電極31111bとを含む。セラミック部材31111aは、中央領域3111aを有する。一実施形態において、セラミック部材31111aは、環状領域3111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック31111を囲む他の部材が環状領域3111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ3112は、環状静電チャックまたは環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック31111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF(Radio Frequency)電源331および/またはDC(Direct Current)電源332に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材31111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号および/またはDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台31110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極31111bが下部電極として機能してもよい。基板支持部311は、少なくとも1つの下部電極を含む。
【0027】
リングアセンブリ3112は、1または複数の環状部材を含む。一実施形態において、1または複数の環状部材は、1または複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料または絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0028】
また、基板支持部311は、静電チャック31111、リングアセンブリ3112、および基板Wのうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路31110a、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。流路31110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路31110aが基台31110内に形成され、1または複数のヒータが静電チャック31111のセラミック部材31111a内に配置される。また、基板支持部311は、基板Wの裏面と中央領域3111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0029】
シャワーヘッド313は、ガス供給部320からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間310s内に導入するように構成されている。シャワーヘッド313は、少なくとも1つのガス供給口313a、少なくとも1つのガス拡散室313b、および複数のガス導入口313cを有する。ガス供給口313aに供給された処理ガスは、ガス拡散室313bを通過して複数のガス導入口313cからプラズマ処理空間310s内に導入される。また、シャワーヘッド313は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド313に加えて、側壁310aに形成された1または複数の開口部に取り付けられる1または複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0030】
ガス供給部320は、少なくとも1つのガスソース321および少なくとも1つの流量制御器322を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部320は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース321からそれぞれに対応の流量制御器322を介してシャワーヘッド313に供給するように構成されている。各流量制御器322は、例えばマスフローコントローラまたは圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部320は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調またはパルス化する1またはそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
【0031】
電源330は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ310に結合されるRF電源331を含む。RF電源331は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極および/または少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間310sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源331は、プラズマ処理チャンバ310において1またはそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0032】
一実施形態において、RF電源331は、第1のRF生成部331aおよび第2のRF生成部331bを含む。第1のRF生成部331aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極および/または少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部331aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1または複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極および/または少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0033】
第2のRF生成部331bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであってもよく、異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部331bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1または複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号およびバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0034】
また、電源330は、プラズマ処理チャンバ310に結合されるDC電源332を含んでもよい。DC電源332は、第1のDC生成部332aおよび第2のDC生成部332bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部332aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部332bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0035】
種々の実施形態において、第1および第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極および/または少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形、またはこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部332aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部332aおよび波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部332bおよび波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1または複数の正極性電圧パルスと1または複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1のDC生成部332aおよび第2のDC生成部332bは、RF電源331に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部332aが第2のRF生成部331bに代えて設けられてもよい。
【0036】
排気システム340は、例えばプラズマ処理チャンバ310の底部に設けられたガス排出口310eに接続され得る。排気システム340は、圧力調整弁および真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間310s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0037】
[基板Wの搬送手順]
以下、
図9~
図22を参照しながら、基板処理システム10における基板Wの搬送手順の一例について説明する。
【0038】
まず、基板Wを収容したFOUP61がLP60に設置され、ゲートバルブ51が開かれる。そして、搬送ロボット52の載置部520がFOUP61内に挿入され、基板Wが載置部520上に載せられる。そして、例えば
図9に示されるように、基板WがFOUP61から搬出される。
【0039】
次に、例えば
図10に示されるように、載置部520に載せられた基板Wの高さがゲートバルブ42の位置となるように、アーム部521が伸長する。そして、LLM40内が大気圧雰囲気の状態でゲートバルブ42が開けられる。そして、例えば
図10に示されるように、基板Wが載せられた載置部520がLLM40内に挿入され、基板Wが、搬送ロボット52の載置部520から搬送ロボット41の載置部410に受け渡される。
【0040】
ここで、基板Wの受け渡しが行われる際、搬送ロボット41の載置部410と、搬送ロボット52の載置部520とは、例えば
図11に示されるような位置関係となる。
図11は、基板Wの受け渡しの過程の一例を示す図である。これにより、搬送ロボット41の載置部410と、搬送ロボット52の載置部520とは、互いに干渉することなく基板Wを受け渡すことができる。
【0041】
次に、例えば
図12に示されるように、搬送ロボット52の載置部520がLLM40内から退避し、ゲートバルブ42が閉じられる。そして、LLM40内の圧力が、大気圧雰囲気から真空雰囲気まで下げられる。そして、基板Wが載せられた載置部410がゲートバルブ43の上方に移動し、ゲートバルブ43が開けられる。そして、例えば
図12に示されるように、ゲートバルブ43の下方に配置された搬送ロボット22が延伸し、搬送ロボット22の載置部220がLLM40内に挿入される。そして、搬送ロボット22の載置部220によって、搬送ロボット41の載置部410の載せられた基板Wが持ち上げられ、搬送ロボット41の載置部410がゲートバルブ43の上方から退避する。これにより、基板Wが搬送ロボット41の載置部410から搬送ロボット22の載置部220に受け渡される。
【0042】
本実施形態において、搬送ロボット22は、基板Wが載せられる載置部220と、載置部220を鉛直方向に移動させるアーム部221とを有する。アーム部221は、筒体221aおよび筒体221bを有する。筒体221aは、軸が鉛直方向となるようにVTM20内に配置されている。筒体221bは、筒体221a内に収容可能であり、筒体221aと同軸となるようにVTM20内に配置されている。アーム部221は、筒体221aに対して筒体221bを摺動させることにより、筒体221aの軸に沿って鉛直方向に伸縮し、載置部220を鉛直方向に移動させる。これにより、搬送ロボット22の設置面積を小さくすることができる。筒体221aは第1の筒体の一例であり、筒体221bは第2の筒体の一例である。
【0043】
ここで、基板Wの受け渡しが行われる際、搬送ロボット41の載置部410と、搬送ロボット22の載置部220とは、例えば
図13に示されるような位置関係となる。
図13は、基板Wの受け渡しの過程の一例を示す図である。これにより、搬送ロボット41の載置部410と、搬送ロボット22の載置部220とは、互いに干渉することなく基板Wを受け渡すことができる。なお、搬送ロボット41の載置部410から搬送ロボット22の載置部220に基板Wが受け渡される際、アーム部221の筒体221aは、例えば
図14に示されるように、搬送ロボット23の載置部230の間を通過する。そのため、アーム部221の筒体221aと、搬送ロボット23の載置部230とは干渉しない。
【0044】
次に、搬送ロボット22のアーム部221が収縮し、例えば
図15に示されるように、基板Wが搬送ロボット22の載置部220から搬送ロボット23の載置部230に受け渡される。この際の搬送ロボット22の載置部220と搬送ロボット23の載置部230との位置関係は、例えば
図16のようになる。これにより、搬送ロボット22の載置部220と搬送ロボット23の載置部230とは、互いに干渉することなく基板Wを受け渡すことができる。そして、PM30のゲートバルブ31が開けられ、例えば
図17に示されるように、基板Wが載せられた載置部230がPM30内に挿入され、基板WがPM30内に搬入される。
【0045】
PM30から基板Wが搬出される場合は、PM30内の基板Wが搬送ロボット23の載置部230に載せられ、PM30内から搬出される。そして、基板Wが搬送ロボット23の載置部230から搬送ロボット22の載置部220に受け渡され、ゲートバルブ43が開けられる。そして、搬送ロボット22のアーム部221が伸長し、基板Wが載せられた載置部220がLLM40内に挿入される。そして、搬送ロボット41の載置部410が搬送ロボット22の載置部220の下に挿入される。そして、搬送ロボット22のアーム部221が収縮することにより、基板Wが搬送ロボット22の載置部220から搬送ロボット41の載置部410に受け渡される。そして、ゲートバルブ43が閉じられ、LLM40内の圧力が真空雰囲気から大気圧雰囲気まで上げられる。そして、ゲートバルブ42が開けられ、搬送ロボット52の載置部520がLLM40内に挿入され、基板Wが搬送ロボット41の載置部410から搬送ロボット52の載置部520に受け渡される。そして、搬送ロボット52のアーム部521が収縮し、基板Wが載せられた載置部520がFOUP61内に挿入され、基板WがFOUP61内に収容される。
【0046】
なお、他のPM30に基板Wが搬入される場合、搬送ロボット22によってLLM40内から搬出された基板Wは、例えば
図18に示されるように、搬送ロボット21の載置部210に受け渡される。この際の搬送ロボット22の載置部220と搬送ロボット21の載置部210との位置関係は、例えば
図19のようになる。これにより、搬送ロボット22の載置部220と搬送ロボット21の載置部210とは、互いに干渉することなく基板Wを受け渡すことができる。
【0047】
次に、搬送ロボット21は、基板Wを他のPM30の近傍に配置された搬送ロボット22の上方に移動させる。そして、例えば
図20に示されるように、他のPM30の近傍に配置された搬送ロボット22のアーム部221が伸長し、基板Wが搬送ロボット22の220によって搬送ロボット21の載置部210から持ち上げられる。これにより、基板Wが搬送ロボット21の載置部210から搬送ロボット22の載置部220に受け渡される。そして、搬送ロボット21の載置部210が、搬送ロボット22の載置部220の下方から退避する。
【0048】
次に、搬送ロボット22のアーム部221が収縮し、例えば
図21に示されるように、基板Wが搬送ロボット22の載置部220から搬送ロボット23の載置部230に受け渡される。そして、PM30のゲートバルブ31が開けられ、例えば
図22に示されるように、基板Wが載せられた載置部230がPM30内に挿入され、基板WがPM30内に搬入される。
【0049】
以上、一実施形態について説明した。上記したように、本実施形態における基板処理システム10は、1つまたは複数のPM30と、VTM20とを備える。少なくとも1つのPM30とVTM20とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とVTM20の少なくとも一部とが重なるように配置されている。これにより、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0050】
ここで、基板処理システム10によってもたらされる経済的な価値は、例えばWPPS(Wafer price per space)と言われる指標で評価することができる。WPPSは、例えば下記の式(1)によって算出される。
WPPS=(WPD×稼働率×歩留まり)/設置面積×装置価格 ・・・(1)
上記式(1)において、WPD(Wafer Per day)は、一日に処理可能な基板Wの枚数を表す。
【0051】
本実施形態では、上記式(1)に含まれる「設置面積」を削減することができるため、WPPSの値を増加させることができ、基板処理システム10の経済的な価値を高めることができる。
【0052】
また、上記した実施形態において、VTM20は、少なくとも1つのPM30の上に配置されている。これにより、基板処理システム10を容易に構成することができる。
【0053】
また、上記した実施形態において、基板処理システム10は、VTM20に接続されたLLM40をさらに備える。また、少なくとも1つのPM30とLLM40とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とLLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されている。これにより、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0054】
また、上記した実施形態において、VTM20の少なくとも一部は、少なくとも1つのPM30とLLM40との間に配置されている。また、少なくとも1つのPM30とVTM20とLLM40とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とVTM20の少なくとも一部とLLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されている。これにより、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0055】
また、上記した実施形態において、LLM40は、VTM20の上に配置されている。これにより、基板処理システム10を容易に構成することができる。
【0056】
また、上記した実施形態において、基板処理システム10は、VTM20内に設けられ、VTM20とPM30との間で基板Wを搬送する搬送ロボット22を備える。搬送ロボット22は、基板Wが載せられる載置部220と、載置部220を鉛直方向に移動させるアーム部221とを有する。アーム部221は、軸が鉛直方向となるように配置された筒体221aと、筒体221a内に収容可能であり、筒体221aと同軸となるように配置された筒体221bと含む。アーム部221は、筒体221aに対して筒体221bを摺動させることにより、筒体221aの軸に沿って伸縮し、載置部220を鉛直方向に移動させる。これにより、搬送ロボット22の設置面積を削減することができる。
【0057】
[その他]
なお、本願に開示された技術は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0058】
例えば、上記した実施形態では、LLM40がVTM20の上に配置されているが、開示の技術はこれに限られない。他の形態として、LLM40は、VTM20の横に配置されていてもよい。この場合であっても、少なくとも1つのPM30とVTM20とは、上面視で、PM30の少なくとも一部とVTM20の少なくとも一部とが重なるように配置されている。そのため、VTM20、PM30、LLM40、およびEFEM50の全てが横に並べて配置される場合に比べて、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0059】
また、LLM40がVTM20の横に配置される場合であっても、例えば
図23に示されるように、PM30の少なくとも一部とLLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されることが好ましい。
図23は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。VTM20、PM30、およびLLM40をこのような配置にすることによっても、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0060】
また、上記した実施形態では、VTM20の一部がPM30の上に配置され、LLM40がVTM20の上に配置されるが、開示の技術はこれに限られない。他の形態として、例えば
図24に示されるように、LLM40の上にVTM20が配置され、VTM20の一部の上にPM30が配置されてもよい。
図24は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。
図24の例では、VTM20内の搬送ロボット22のアーム部221は、VTM20の上方から鉛直方向に伸縮することにより、載置部220を移動させる。このような形態の基板処理システム10においても、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0061】
また、上記した実施形態では、複数のPM30が横に並べて配置されるが、開示の技術はこれに限られない。他の形態として、複数のPM30は、例えば
図25に示されるように、上下に並べて配置されてもよい。
図25は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。
図25の例では、複数のPM30が上下に2つずつ隣接して配置されている。また、
図25の例では、搬送ロボット23のアーム部231は鉛直方向に伸縮可能であり、上段のPM30への基板Wの搬入および搬出と、下段のPM30への基板Wの搬入および搬出とが可能である。これにより、多数のPM30を備える基板処理システム10においても、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。なお、
図25の例では、鉛直方向に配置されるPM30の台数は2台であるが、鉛直方向に配置されるPM30の台数は2台より多くてもよい。
【0062】
また、上記した実施形態では、EFEM50は、VTM20の側方に配置されるが、開示の技術はこれに限られない。他の形態として、EFEM50は、上面視で、EFEM50の少なくとも一部とVTM20の少なくとも一部とが重なるように配置されていてもよい。また、少なくとも1つのLP60は、上面視で、LP60の少なくとも一部とLLM40の少なくとも一部とが重なるように配置されていてもよい。
図26は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。
図26の例では、EFEM50がVTM20の上に配置されており、複数のLP60がLLM40の上に配置されている。また、
図26の例では、EFEM50内の搬送ロボット52のアーム部521は、EFEM50の上方から鉛直方向に伸縮することにより、載置部520を鉛直方向に移動させる。このような形態の基板処理システム10においても、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0063】
また、
図26に例示された基板処理システム10では、EFEM50の横に複数のLLM40が配置されるが、開示の技術はこれに限られない。さらに他の形態として、LLM40は、例えば
図27に示されるように、EFEM50の下に配置されてもよい。
図27は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。
図27の例では、LLM40内の搬送ロボット41に受け渡された基板Wは、ゲートバルブ43を介して、搬送ロボット22の載置部220に受け渡される。そのため、
図27の例では、VTM20内に搬送ロボット21は設けられていない。なお、
図27の例では、LLM40内に搬送ロボット41が2台設けられているが、LLM40内に設けられる搬送ロボット41の台数は1台であってもよい。
【0064】
また、
図26に例示された基板処理システム10では、複数のPM30が横に並べて配置されるが、開示の技術はこれに限られない。さらに他の形態として、複数のPM30は、例えば
図28に示されるように、上下に並べて配置されてもよい。
図28は、基板処理システム10の他の例を示す概略断面図である。
図28の例では、鉛直方向に配置されるPM30の台数は2台であるが、鉛直方向に配置されるPM30の台数は2台より多くてもよい。これにより、多数のPM30を備える基板処理システム10においても、基板処理システム10の設置面積を削減することができる。
【0065】
また、上記した実施形態では、プラズマ源の一例として、容量結合型プラズマ(CCP)を用いて処理を行うPM30を説明したが、プラズマ源はこれに限られない。容量結合型プラズマ以外のプラズマ源としては、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)、マイクロ波励起表面波プラズマ(SWP)、電子サイクロトン共鳴プラズマ(ECP)、およびヘリコン波励起プラズマ(HWP)等が挙げられる。
【0066】
また、上記した実施形態におけるPM30は、プラズマを用いて基板Wの処理を行うが、開示の技術はこれに限られない。PM30は、基板Wに対する処理を行う装置であれば、熱処理やCVD(Chemical Vapor Deposition)等、プラズマを用いない処理を行う装置であってもよい。
【0067】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
W 基板
10 基板処理システム
12 制御装置
12a コンピュータ
12a1 処理部
12a2 記憶部
12a3 通信インターフェイス
20 VTM
21 搬送ロボット
210 載置部
22 搬送ロボット
220 載置部
221 アーム部
221a 筒体
221b 筒体
23 搬送ロボット
230 載置部
231 アーム部
30 PM
31 ゲートバルブ
32 開口部
310 プラズマ処理チャンバ
310a 側壁
310e ガス排出口
310s プラズマ処理空間
311 基板支持部
3111 本体部
31110 基台
31111 静電チャック
3112 リングアセンブリ
313 シャワーヘッド
320 ガス供給部
321 ガスソース
322 流量制御器
330 電源
331 RF電源
332 DC電源
340 排気システム
40 LLM
41 搬送ロボット
410 載置部
42 ゲートバルブ
43 ゲートバルブ
50 EFEM
51 ゲートバルブ
52 搬送ロボット
520 載置部
521 アーム部
521a 筒体
521b 筒体
60 LP
61 FOUP