IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東京精密の特許一覧

<>
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図1
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図2
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図3
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図4
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図5
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図6
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図7
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図8
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図9
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図10
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図11
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図12
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図13
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図14
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図15
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図16
  • 特開-カーフ撮影装置及びダイシング装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070379
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】カーフ撮影装置及びダイシング装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/12 20060101AFI20230512BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20230512BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B24B49/12
H01L21/78 F
B24B27/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182509
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】岩城 智
(72)【発明者】
【氏名】清水 翼
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB73
3C034BB93
3C034CA05
3C034CA13
3C034CA22
3C034CB01
3C034CB14
3C034DD07
3C034DD10
3C158AA03
3C158AA14
3C158AA16
3C158AA18
3C158AB04
3C158AC02
3C158BA07
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158CB03
3C158CB05
3C158DA17
5F063AA02
5F063AA37
5F063AA43
5F063AA48
5F063DD18
5F063DE07
5F063DE23
5F063DE33
5F063DE36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低コスト且つ短時間でカーフを良好に認識することができるカーフ撮影装置及びダイシング装置を提供する。
【解決手段】ワークWの表面側からワークWのストリートに沿って形成されたカーフを撮影するカーフ撮影装置において、ワークWの表面側からカーフの形成領域CRに対して同軸照明光L1(第1照明光)を照射する同軸照明部52(第1照明部)と、ワークWの裏面側から形成領域CRに対して、同軸照明光L1の波長域とは異なる赤外波長域の赤外光Li(第2照明光)を照射する赤外光源50(第2照明部)と、形成領域CRで反射された同軸照明光L1の正反射光L1Aと、ワークWの裏面側から形成領域CRを通過してワークWの表面側より出射した赤外光Liの透過光LTと、の混合光LMが入射する撮像部であって、且つ混合光LMを正反射光L1Aと透過光LTとに分離して同時に撮像する撮像部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの表面側から前記ワークのストリートに沿って形成されたカーフを撮影するカーフ撮影装置において、
前記ワークの表面側から前記カーフの形成領域に対して第1照明光を照射する第1照明部と、
前記ワークの裏面側から前記形成領域に対して、前記第1照明光の波長域とは異なる赤外波長域の第2照明光を照射する第2照明部と、
前記形成領域で反射された前記第1照明光の反射光と、前記ワークの裏面側から前記形成領域を通過して前記ワークの表面側より出射した前記第2照明光の透過光と、の混合光が入射する撮像部であって、且つ前記混合光を前記反射光と前記透過光とに分離して同時に撮像する撮像部と、
を備えるカーフ撮影装置。
【請求項2】
前記撮像部が、2次元配列された複数の画素と、前記複数の画素上に配設された複数のカラーフィルタと、を備えるカラー撮像素子であり、
前記複数のカラーフィルタには、前記第1照明光のみを透過する複数の第1カラーフィルタと、前記第2照明光のみを透過する複数の第2カラーフィルタと、が含まれる請求項1に記載のカーフ撮影装置。
【請求項3】
前記撮像部が、
前記混合光を第1光と第2光に分離する光分離素子と、
前記光分離素子により分離された前記第1光の光路上に配置され且つ前記反射光のみを透過する第1フィルタと、
前記第1フィルタを透過した前記反射光を撮像する第1撮像素子と、
前記光分離素子により分離された前記第2光の光路上に配置され且つ前記透過光のみを透過する第2フィルタと、
前記第2フィルタを透過した前記透過光を撮像する第2撮像素子と、
を備える請求項1に記載のカーフ撮影装置。
【請求項4】
前記撮像部が、
前記混合光を前記反射光と前記透過光とに波長分離する波長分離素子と、
前記波長分離素子により波長分離された前記反射光を撮像する第1撮像素子と、
前記波長分離素子により波長分離された前記透過光を撮像する第2撮像素子と、
を備える請求項1に記載のカーフ撮影装置。
【請求項5】
前記ワークを前記ワークの裏面側から保持するテーブルを備え、
前記第2照明部が、前記テーブルに設けられている請求項1から4のいずれか1項に記載のカーフ撮影装置。
【請求項6】
前記第1照明部が、前記第1照明光として、同軸照明光を前記形成領域に照射する請求項1から5のいずれか1項に記載のカーフ撮影装置。
【請求項7】
前記第1照明部が、前記第1照明光として、前記形成領域に対して同軸照明光を照射し且つ前記同軸照明光とは波長域が異なる斜光照明光を斜め方向から前記形成領域に照射し、
前記反射光には、前記形成領域にて正反射された前記同軸照明光の正反射光と、前記形成領域にて散乱された前記斜光照明光の散乱光と、が含まれ、
前記撮像部が、前記正反射光と前記散乱光とを分離して同時に撮像する請求項1から5のいずれか1項に記載のカーフ撮影装置。
【請求項8】
前記カーフが、前記ワークの表面側に形成された第1カーフと、前記第1カーフの底部に形成された第2カーフと、を含む場合において、前記撮像部が、前記反射光を撮像して前記ワークの表面に形成されたパターンの像及び前記第1カーフの像を含む第1撮像画像を生成し、且つ前記透過光を撮像して前記第2カーフの像を含む第2撮像画像を生成する請求項1から7のいずれか1項に記載のカーフ撮影装置。
【請求項9】
前記第1撮像画像に対して前記第2撮像画像内の前記第2カーフの像を合成して合成画像を生成する画像処理部を備える請求項8に記載のカーフ撮影装置。
【請求項10】
ワークの表面側から前記ワークのストリートに沿ってカーフを形成するダイシング装置において、
請求項1から9のいずれか1項に記載のカーフ撮影装置を備えるダイシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークのストリートに沿って形成されたカーフの撮影を行うカーフ撮影装置及びダイシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スピンドルによって高速に回転される円盤状のブレードによってシリコンウェーハ等のワークをダイシング加工(切削加工)するダイシング装置が知られている(特許文献1参照)。このダイシング装置は、ワークに格子状に形成されたストリート(分割予定ラインともいう)に沿って高速回転するブレードを移動させることで、ストリートに沿ってカーフ(溝)を形成するダイシング加工を行う。また、このようなダイシング装置として、ブレードが装着されるスピンドルを2本備えたツインスピンドルダイサが知られている。そして、このツインスピンドルダイサによりワークを切削又は切断する方式として、ミーティング切削方式とステップカット方式とが知られている。
【0003】
ミーティング切削方式は、2枚のブレードによって一度に2本のストリートを切断する方式である。また、ステップカット方式は、第1ブレードでストリートに沿って所定深さの第1カーフを切削し、その後、第2ブレードでその第1カーフの底部をダイシングして第2カーフを形成することで、ワークをストリートに沿って切断する方式である。
【0004】
このようなダイシング装置のブレードは使用により磨耗するため、ブレードによるワークの切断面にチッピングが生じる場合がある。また、ブレードの熱変形の影響を受けて、ブレードによりワークに形成されたカーフの位置がストリートの中心からずれる場合がある。このためダイシング装置では、予め設定されたタイミングでブレードのカーフチェックを実施している。
【0005】
例えば、特許文献1に記載のダイシング装置では、ワークに形成されたカーフを顕微鏡により同軸照明で照明すると共に斜め方向からの斜光照明で照明しながら撮影し、この顕微鏡の撮影画像に基づきカーフの位置(目標値からの位置ずれ)を測定するカーフチェックを行う。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のダイシング装置は、ワークに形成されているカーフの形成領域(加工領域)に向けて白色光を出射し且つこの加工領域で反射された白色光と参照面で反射された白色光との干渉信号を検出する白色干渉計を備える。このダイシング装置は、白色干渉計をZ軸方向に垂直走査し、Z軸方向の各位置で白色干渉計の各画素(干渉信号を撮像する撮像素子の画素)から出力される干渉信号を取得する。そして、ダイシング装置は、画素ごとの干渉信号に基づき加工領域の3次元画像を生成することで、カーフチェックを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-165826号公報
【特許文献2】特開2021-84201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図17は、顕微鏡により撮影されたカーフの撮影画像に基づき、カーフチェックを行う場合の課題を説明するための説明図である。なお、ここではワークWにステップカット方式で第1カーフ25A及び第2カーフ25Bが形成され、且つワークWの裏面にダイシングテープTが貼着されている。
【0009】
上記特許文献1に記載のダイシング装置では顕微鏡によりカーフを撮影しているが、例えば図17に示すように、上述のステップカット方式で形成されたカーフ(第1カーフ25A、第2カーフ25B)の加工深さは深くなる。この場合には、顕微鏡から第1カーフ25Aの底部に向けて照射された同軸照明光L1の反射光は上方側に反射されない。また、第2カーフ25Bの底部は同軸照明光L1を反射し難い。さらに、顕微鏡から照射された斜光照明光L2は少なくとも第2カーフ25Bの底部までは届かない。このため、顕微鏡の撮影画像では、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの像が暗くなり、特に第2カーフ25Bのエッジで輝度差が生じないため、第2カーフ25Bの位置を検出することが難しい。
【0010】
そこで、ワークWの未切削箇所を第1ブレードによって切削加工するとともに、ワークWの別の未切削箇所を第2ブレードによって切削加工し、各ブレードにより形成された2本のカーフを顕微鏡でそれぞれ撮影した撮影画像に基づき各ブレードのカーフチェックを行う追い越しカーフチェックを行うことが考えられる。しかしながら、追い越しカーフチェックでは、第1ブレードにより形成された第1カーフ25Aと、第2ブレードにより形成された第2カーフ25Bと、の位置関係を認識することができない。
【0011】
また、NA(Numerical Aperture)の大きな顕微鏡を使用することも考えられるが、この場合には顕微鏡の焦点深度が浅くなってしまう。このため、ワークWの表面のパターンと各カーフ25A,25Bとを撮影する際に顕微鏡の焦点位置を変更しないと、パターン及び各カーフ25A,25Bのいずれか一方の像が不鮮明になってしまう。
【0012】
さらに、上記特許文献2に記載のダイシング装置のように白色干渉計を使用してカーフチェックを行う場合には白色干渉計の垂直走査機構が必要になり、さらに大容量の干渉信号の解析を行う必要があり、コスト及び時間がかかるという問題がある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低コスト且つ短時間でカーフを良好に認識することができるカーフ撮影装置及びダイシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を達成するためのカーフ撮影装置は、ワークの表面側からワークのストリートに沿って形成されたカーフを撮影するカーフ撮影装置において、ワークの表面側からカーフの形成領域に対して第1照明光を照射する第1照明部と、ワークの裏面側から形成領域に対して、第1照明光の波長域とは異なる赤外波長域の第2照明光を照射する第2照明部と、形成領域で反射された第1照明光の反射光と、ワークの裏面側から形成領域を通過してワークの表面側より出射した第2照明光の透過光と、の混合光が入射する撮像部であって、且つ混合光を反射光と透過光とに分離して同時に撮像する撮像部と、を備える。
【0015】
この顕微鏡によれば、反射光を撮像して得られた画像に基づきワーク表面のパターンを認識することができ、透過光を撮像して得られた画像に基づきカーフのエッジ情報を認識することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、撮像部が、2次元配列された複数の画素と、複数の画素上に配設された複数のカラーフィルタと、を備えるカラー撮像素子であり、複数のカラーフィルタには、第1照明光のみを透過する複数の第1カラーフィルタと、第2照明光のみを透過する複数の第2カラーフィルタと、が含まれる。これにより、混合光を反射光と透過光とに分離して同時に且つ同軸で撮像することができる。
【0017】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、撮像部が、混合光を第1光と第2光に分離する光分離素子と、光分離素子により分離された第1光の光路上に配置され且つ反射光のみを透過する第1フィルタと、第1フィルタを透過した反射光を撮像する第1撮像素子と、光分離素子により分離された第2光の光路上に配置され且つ透過光のみを透過する第2フィルタと、第2フィルタを透過した透過光を撮像する第2撮像素子と、を備える。これにより、混合光を反射光と透過光とに分離して同時に且つ同軸で撮像することができ、さらに高解像な画像が得られる。
【0018】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、撮像部が、混合光を反射光と透過光とに波長分離する波長分離素子と、波長分離素子により波長分離された反射光を撮像する第1撮像素子と、波長分離素子により波長分離された透過光を撮像する第2撮像素子と、を備える。これにより、混合光を反射光と透過光とに分離して同時に且つ同軸で撮像することができ、さらに高解像な画像が得られる。また、顕微鏡の部品数を減らすことができるので、顕微鏡の小型化及び低コスト化が図れる。
【0019】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、ワークをワークの裏面側から保持するテーブルを備え、第2照明部が、テーブルに設けられている。
【0020】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、第1照明部が、第1照明光として、同軸照明光を形成領域に照射する。これにより、形成領域の明視野像が得られる。
【0021】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、第1照明部が、第1照明光として、形成領域に対して同軸照明光を照射し且つ同軸照明光とは波長域が異なる斜光照明光を斜め方向から形成領域に照射し、反射光には、形成領域にて正反射された同軸照明光の正反射光と、形成領域にて散乱された斜光照明光の散乱光と、が含まれ、撮像部が、正反射光と散乱光とを分離して同時に撮像する。これにより、形成領域の明視野像と暗視野像とが得られるので、明視野像だけでは認識し難いパターンも認識することができる共に、カーフが認識し易くなる。
【0022】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、カーフが、ワークの表面側に形成された第1カーフと、第1カーフの底部に形成された第2カーフと、を含む場合において、撮像部が、反射光を撮像してワークの表面に形成されたパターンの像及び第1カーフの像を含む第1撮像画像を生成し、且つ透過光を撮像して第2カーフの像を含む第2撮像画像を生成する。これにより、ワークの表面のパターンと、第1カーフと、加工深さの深い第2カーフとの全てを認識することができる。
【0023】
本発明の他の態様に係るカーフ撮影装置において、第1撮像画像に対して第2撮像画像内の第2カーフの像を合成して合成画像を生成する画像処理部を備える。これにより、ワークの表面のパターンと、第1カーフと、加工深さの深い第2カーフとの全てを認識することができる。
【0024】
本発明の目的を達成するためのダイシング装置は、ワークの表面側からワークのストリートに沿ってカーフを形成するダイシング装置において、上述のカーフ撮影装置を備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、低コスト且つ短時間でカーフを良好に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態のダイシング装置の斜視図である。
図2】加工部の外観斜視図である。
図3】ステップカット方式を説明するための説明図である。
図4】テーブルに設けられている赤外光源の概略図である。
図5】第1実施形態の顕微鏡の側面図であって且つカーフチェック時の状態を示した図である。
図6】カラー撮像素子の受光面に設けられているカラーフィルタアレイの拡大図である。
図7】カラーカメラにより撮像された明視野像の一例を示した説明図である。
図8】カラーカメラにより撮像された透過像の一例を示した説明図である。
図9】第1実施形態のダイシング装置の統括制御部の機能ブロック図である。
図10】画像処理部により生成される合成画像の一例を示した説明図である。
図11】第1実施形態のダイシング装置によるワークのダイシング加工処理及びカーチェックの流れを示すフローチャートである。
図12】第2実施形態のダイシング装置のブロック図である。
図13】第2実施形態の顕微鏡の側面図である。
図14】第2実施形態の顕微鏡の変形例の側面図である。
図15】第3実施形態のダイシング装置の顕微鏡の側面図である。
図16】正反射光及び散乱光を時分割で撮像するダイシング装置の顕微鏡の一例を示した側面図である。
図17】顕微鏡により撮影されたカーフの撮影画像に基づき、カーフチェックを行う場合の課題を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のダイシング装置10の斜視図である。なお、図中のXYZ軸は互いに直交する軸であり、XY軸が水平方向に平行な軸であり、Z軸が水平方向に直交する軸である。
【0028】
図1に示すように、ダイシング装置10は、本発明のカーフ撮影装置(図5の顕微鏡23及び赤外光源50等)を備えるものであり、シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)等の平板状のワークWをダイシング加工する。このダイシング装置10は、ロードポート12と搬送機構14と加工部16と洗浄部18とを備える。
【0029】
ロードポート12には、フレームFにマウントされたワークWを多数枚収納したカセットが載置される。搬送機構14はワークWを搬送する。加工部16はワークWのダイシング加工を行う。洗浄部18はダイシング加工済みのワークWをスピン洗浄する。また、ダイシング装置10の筐体10Aの内部には、ダイシング装置10の各部の動作を制御する統括制御部60(図9参照)等が設けられている。なお、統括制御部60が筐体10Aの外部に設けられていてもよい。
【0030】
ロードポート12に載置されたカセット内に収納されている未加工のワークWは、搬送機構14により加工部16に搬送され、個々のチップに分断するために加工部16にて切断あるいは溝入れ加工等のダイシング加工が施される。そして、加工部16による加工済みのワークWは搬送機構14により洗浄部18に搬送され、洗浄部18により洗浄された後、搬送機構14によりロードポート12に搬送されてカセット内に収納される。
【0031】
図2は、加工部16の外観斜視図である。図2及び既述の図1に示すように、加工部16は、既述のツインスピンドルダイサであり、一対のブレード21A,21Bと、ブレードカバー(不図示)と、一対のスピンドル22A,22Bと、顕微鏡23と、テーブル31と、を備える。
【0032】
ブレード21A,21Bは円盤状に形成されている。また、ブレード21A,21Bの先端形状、すなわちブレード21A,21Bの径方向に沿ったブレード外周部(刃先部)の断面形状は矩形状(V字形状等の他の形状でも可)である。ブレード21A,21Bは、Y軸方向において対向配置されており、それぞれY軸方向に平行なブレード回転軸を中心として回転自在にスピンドル22A,22Bに保持されている。
【0033】
スピンドル22A,22Bは、高周波モータを内蔵しており、ブレード回転軸を中心としてブレード21A,21Bを高速回転させる。これにより、ブレード21A,21BによりワークWがその表面(デバイス形成面)側からダイシング加工される。ブレード21A,21BによるワークWのダイシング加工によってカーフ(溝)がワークWに形成される。
【0034】
顕微鏡23は、例えばスピンドル22A(スピンドル22Bでも可)と一体にZキャリッジ44に設けられており、Yキャリッジ43及びZキャリッジ44によってスピンドル22Aと一体にYZ軸方向に移動自在に保持されている。顕微鏡23は、ワークWの表面側からワークWの表面のパターン及びカーフを撮影する。この顕微鏡23は、ワークW及びブレード21A,21Bのアライメントと、カーフの位置を確認するカーフチェックと、に用いられる。
【0035】
テーブル31は、ポーラス状(多孔質状)に形成されたワーク保持面31aを有している。ワーク保持面31aは、ワークWをその裏面側から吸着保持する。この際に、ワークWの裏面には赤外光Li(近赤外光、図4参照)を透過可能なダイシングテープTが貼着されており、ワーク保持面31aはダイシングテープTを介してワークWを吸着保持する。なお、テーブル31は、後述のXキャリッジ36によりX軸方向に移動自在に保持され、且つ後述の回転ユニット37により回転軸CAを中心として回転自在に保持されている。
【0036】
また、テーブル31の内部には、詳しくは後述するが、ワークWの裏面側に向けてZ方向上方側に赤外光Liを照射する赤外光源50が設けられている(図4参照)。このため、テーブル31は、赤外光Liを透過可能な材質、例えば赤外透過ガラスで形成されている。
【0037】
加工部16には、Xベース32と、Xガイド34と、X駆動部35と、Xキャリッジ36と、回転ユニット37と、が設けられている。Xベース32は、X軸方向に延びた平板形状を有しており、且つそのZ軸方向の上面にはXガイド34が設けられている。Xガイド34は、X軸方向に延びた形状を有し、Xキャリッジ36をX軸方向に沿ってガイドする。X駆動部35は、例えばリニアモータ等のアクチュエータが用いられ、Xガイド34に沿ってXキャリッジ36をX軸方向に移動(駆動)する。
【0038】
回転ユニット37は、Xキャリッジ36の上面に設けられている。また、回転ユニット37の上面には、テーブル31が設けられている。回転ユニット37は、モータ及びギヤ等により構成される回転駆動部38(図9参照)によって回転駆動される。これにより、回転ユニット37は、テーブル31をその回転軸CAを中心としてθ方向に回転させる。
【0039】
搬送機構14によりロードポート12から搬送されたワークWは、テーブル31により吸着保持されることで、テーブル31と一体に移動及び回転する。
【0040】
また、加工部16には、Yベース41と、Yガイド42と、一対のYキャリッジ43と、一対のZキャリッジ44と、が設けられている。Yベース41は、Y軸方向においてXベース32を跨ぐような門型形状を有している。このYベース41のX軸方向の側面には、Yガイド42が設けられている。Yガイド42は、Y軸方向に延びた形状を有し、一対のYキャリッジ43をそれぞれY軸方向に沿ってガイドする。一対のYキャリッジ43は、例えばステッピングモータ及びボールスクリュー等により構成されるアクチュエータであるY駆動部46(図9参照)により、Yガイド42に沿って独立して駆動される。
【0041】
一対のYキャリッジ43の各々には、ステッピングモータ等のアクチュエータにより構成されるZ駆動部48(図9参照)を介して、Zキャリッジ44がZ軸方向に移動自在に設けられている。そして、Zキャリッジ44の一方にはスピンドル22A及び顕微鏡23が設けられ、且つZキャリッジ44の他方にはスピンドル22Bが設けられている。
【0042】
Xキャリッジ36、回転ユニット37、各Yキャリッジ43、及び各Zキャリッジ44を駆動することで、テーブル31及びワークWに対してブレード21A,21B、及び顕微鏡23をXYZ軸方向及びθ方向に相対移動させることができる。これにより、アライメント開始前のワークWに対する顕微鏡23の位置調整、及びアライメント検出後のワークWの加工開始位置に対するブレード21A,21Bのアライメントを行うことができる。また、ブレード21A,21BによるワークWのダイシング加工時には、ワークWのX方向への切削送りと、ブレード21A,21BのY軸方向のインデックス送り及びZ軸方向の切込み送りと、を行うことができる。
【0043】
ダイシング装置10は所謂ツインスピンドルダイサであるので、加工制御部78は、ワークWのダイシング加工として例えばミーティング切削方式及びステップカット方式を選択的に実行する。なお、本実施形態ではステップカット方式でダイシング加工を行う場合を例に挙げて説明を行う。
【0044】
図3は、ステップカット方式を説明するための説明図である。図3に示すように、ステップカット方式は、ワークWが、シリコン等の基板の表面に低誘電率絶縁体被膜(Low-k膜)と回路を形成する機能膜とを積層した積層体である場合に選択される。このステップカット方式では、スピンドル22A,22Bに厚みの異なるブレード21A,21B(同形状のブレード21A,21Bでも可)が装着される。そして、ステップカット方式では、ブレード21A,21BによりストリートCごとに、最初に高速回転するブレード21AによりストリートCに沿って第1カーフ25A(図17参照)を形成し、次いで高速回転するブレード21BによりストリートCに沿って第1カーフ25Aの底部に第2カーフ25B(図17参照)を形成する。
【0045】
ステップカット方式で形成された第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの中で特に第2カーフ25Bの加工深さは深くなるので、既述の図17で説明したように顕微鏡23のみを用いて第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの位置を確認するカーフチェック(以下、単にカーフチェックと略す)を行うことは困難である。このため、本実施形態では、赤外光源50及び顕微鏡23を用いてカーフチェックを行う。
【0046】
[赤外光源]
図4は、テーブル31に設けられている赤外光源50の概略図である。図4に示すように、赤外透過ガラス等で形成されているテーブル31の内部には、本発明の第2照明部に相当する赤外光源50が設けられている。赤外光源50は、例えば赤外LED(light emitting diode)が用いられる。この赤外光源50は、カーフチェック時にZ方向上方側、すなわち、ワーク保持面31aに保持されているワークWの裏面側(ダイシングテープT)に向けて本発明の第2照明光である赤外光Li(近赤外光を含む)を照射する。
【0047】
なお、赤外光源50の数は特に限定はされず、例えば、ワークW内でカーフチェックを行う全ての測定ポイント(ワークWの全領域でも可)に赤外光Liが照射されるように、複数の赤外光源50がテーブル31内に2次元配列されていてもよい。また、テーブル31の端部に赤外光源50を設け、この赤外光源50から出射される赤外光Liを、導光板を介して各測定ポイントの直下位置まで案内した後にZ方向上方側に屈折させる所謂エッジ型の照明方式を用いてもよい。
【0048】
赤外光源50から出射された赤外光Liは、ダイシングテープTを介してワークWの裏面側に入射してワークWをZ方向に沿って透過する。これにより、ワークWの表面側からZ方向上方側に向けて赤外光Liの透過光LTが出射される。この際に、ワークWの裏面側に入射した赤外光Liの一部は、ワークW内において第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの形成領域CRを透過する。なお、形成領域CRには、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの周辺に形成されているワークWの表面のパターンP(構造物を含んでも可)なども含まれる。
【0049】
このように形成領域CRを赤外光Liが透過する場合に、赤外光Liの一部は、ダイシングテープTを透過した後、第2カーフ25B内の空間を通ってワークWの表面側から透過光LTとして出射する。また、赤外光Liの他の一部は、ダイシングテープT及びワークW内のシリコン領域を順番に透過した後、第1カーフ25A内の空間を通ってワークWの表面側から透過光LTとして出射する。さらに、赤外光Liの残りは、ダイシングテープTPを透過した後、第1カーフ25A及び第2カーフ25B内の空間を通過することなくワークW内のシリコン領域を透過した後、ワークWの表面側から透過光LTとして出射する。
【0050】
ここで、赤外光LiがワークW内のシリコン領域を透過する距離が長くなるほど、シリコン領域により赤外光Liが吸収される量が増加するため、透過光LTの光量が減少する。また逆に、赤外光LiがワークW内のシリコン領域を透過する距離が短くなるほど、シリコン領域に赤外光Liが吸収される量が減少するため、透過光LTの光量が増加する。このため、形成領域CRを透過した透過光LTの中で、第2カーフ25B内の空間を透過した透過光LT、すなわち第2カーフ25Bの底部のエッジ情報を示す透過光LTの光量が最も大きくなる。次いで、第1カーフ25Aを透過した透過光LTの光量が大きくなり、さらに第1カーフ25A及び第2カーフ25Bを透過しない透過光LTの光量が最も小さくなる。
【0051】
[顕微鏡]
図5は、第1実施形態の顕微鏡23の側面図であって且つカーフチェック時の状態を示した図である。図5に示すように、顕微鏡23は、赤外光源50と共に本発明のカーフ撮影装置を構成する。この顕微鏡23は、ワークW及びブレード21A,21Bのアライメント検出時(アライメント時)と既述のカーフチェック時とにおいて、ワークWの表面側に対して同軸照明を行うと共に、ワークWの表面側からワークWの撮影を行う。
【0052】
顕微鏡23は、同軸照明部52とカラーカメラ56とを備える。
【0053】
同軸照明部52は、本発明の第1照明部に相当するものであり、アライメント検出時及びカーフチェック時において、ワークWの表面の形成領域CRに対して同軸照明光L1(本発明の第1照明光に相当)を照射する。この同軸照明部52は、同軸照明光源52aと、ハーフミラー52bと、対物レンズ52cと、を備える。対物レンズ52cは、ワークWの表面及びワーク保持面31aに対向する位置に配置され、ハーフミラー52bは対物レンズ52cのZ方向上方側に配置され、さらに同軸照明光源52aはハーフミラー52bの側方に配置されている。
【0054】
同軸照明光源52aは、例えばLED(light emitting diode)が用いられ、ハーフミラー52bに向けて同軸照明光L1を出射する。この同軸照明光L1として例えば白色光(可視光)が用いられる。なお、同軸照明光L1は、赤外光Liとは波長域の異なる光であれば特に限定はされず、可視光及び赤外光などを用いてもよい。
【0055】
ハーフミラー52bは、同軸照明光源52aから入射した同軸照明光L1を対物レンズ52cに向けて反射する。また、ハーフミラー52bは、対物レンズ52cから入射した後述の正反射光L1A及び透過光LTをそのまま透過してカラーカメラ56に向けて出射する。
【0056】
対物レンズ52cは、Z方向に平行な光軸O1を有しており、ハーフミラー52bから入射した同軸照明光L1を光軸O1に沿ってワークWの表面の形成領域CRに照射する。これにより、形成領域CRにて正反射された同軸照明光L1の正反射光L1Aが対物レンズ52c及びハーフミラー52bを順に透過してカラーカメラ56に入射する。
【0057】
また、対物レンズ52cには、カーフチェック時において形成領域CRを透過した透過光LTが入射する。対物レンズ52cに入射した透過光LTは、ハーフミラー52bを透過してカラーカメラ56に入射する。従って、カーフチェック時のカラーカメラ56には、正反射光L1Aと透過光LTとの混合光LMが入射する。なお、必要に応じて、同軸照明部52によるワークWの表面への同軸照明光L1の照射と、赤外光源50によるワークWの裏面側への赤外光Liの照射と、を選択的に行うことも可能である。
【0058】
カラーカメラ56は、アライメント検出時にはハーフミラー52bを透過して入射した混合光LMを撮像する。また、カラーカメラ56は、カーフチェック時にハーフミラー52bを透過して入射した混合光LMを正反射光L1Aと透過光LTとに波長分離した後、正反射光L1Aと透過光LTとを個別且つ同時に撮像する。以下、カーフチェック時のカラーカメラ56による正反射光L1A及び透過光LTの撮像について具体的に説明する。
【0059】
カラーカメラ56は、結像レンズ56aとカラー撮像素子56bとを備える。結像レンズ56aは、ハーフミラー52bから入射した混合光LMをカラー撮像素子56bの受光面に結像する。
【0060】
図6は、カラー撮像素子56bの受光面に設けられているカラーフィルタアレイ58の拡大図である。図6に示すように、カラー撮像素子56bは、例えば、図中の点線枠で示す複数の画素57(受光素子)がXY方向に2次元配列されたCCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の2次元撮像素子であり、その受光面側にカラーフィルタアレイ58を備える。
【0061】
図6に示すように、カラーフィルタアレイ58は、図中の「G」で示す緑色のカラーフィルタ58Gと、図中の「B」で示す青色のカラーフィルタ58Bと、図中の「R」で示す赤色のカラーフィルタ58Rと、図中の「IR」で示すカラーフィルタ58IRと、をそれぞれ複数含んで構成されている。各カラーフィルタ58R,58G,58B、58IRは、例えば、公知のベイヤー配列においてカラーフィルタ58Gの一部をカラーフィルタ58IRで置換した配列パターンで各画素57上に配設されている。
【0062】
カラーフィルタ58R,58G,58Bは、本発明の第1カラーフィルタに相当するものであり、混合光LMの中で白色光である正反射光L1Aのみを透過する。より具体的には、カラーフィルタ58Rは正反射光L1Aの中で赤色光のみを透過し、カラーフィルタ58Gは正反射光L1Aの中で緑色光のみを透過し、カラーフィルタ58Bは正反射光L1Aの中で青色光のみを透過する。
【0063】
カラーフィルタ58IRは、本発明の第2カラーフィルタに相当するものであり、混合光LMの中で赤外波長域の透過光LTのみを透過する。これにより、カラーフィルタアレイ58に入射した混合光LMは、各カラーフィルタ58R,58G,58Bを透過する正反射光L1Aと、カラーフィルタ58IRを透過する透過光LTとに波長分離される。その結果、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58R,58G,58Bに対する複数の画素57により正反射光L1Aが撮像されると共に、カラーフィルタ58IRに対する複数の画素57により透過光LTが撮像される。すなわち、カラー撮像素子56bにより正反射光L1A及び透過光LTが互いに分離された状態で同時に撮像される。
【0064】
なお、本実施形態では、カラー撮像素子56bにより正反射光L1A及び透過光LTを互いに分離した状態で同時に撮像できればよいので、例えば、各カラーフィルタ58R,58G,58Bの代わりに赤外カットフィルタ(図示は省略)を配置してもよい。この場合には、正反射光L1Aを撮像する画素57の数と、透過光LTを撮像する画素57の数とが同数になるように、赤外カットフィルタ及びカラーフィルタ58IRの双方の配列を調整することで、後述の図7及び図8に示す明視野像D1及び透過像D2の画素数を揃えることができる。
【0065】
図7は、カラーカメラ56により撮像された明視野像D1の一例を示した説明図である。図7に示すように、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58R,58G,58Bに対する複数の画素57のみで正反射光L1Aを撮像することで明視野像D1(本発明の第1撮像画像に相当)が得られる。明視野像D1は、同軸照明下で撮影されたワークWの表面の形成領域CRの正面画像である。このため、明視野像D1内において、同軸照明光L1が照射される領域の像は明るくなるが、同軸照明光L1が届かない領域の像は暗くなる。具体的には、形成領域CR内のパターンPの像及び第1カーフ25A(エッジ部分)の像は認識可能な程度に明るくなるが、形成領域CR内の第2カーフ25B(エッジ部分)の像は暗くなり認識不能になる。
【0066】
図8は、カラーカメラ56により撮像された透過像D2の一例を示した説明図である。図8に示すように、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58IRに対する複数の画素57のみで透過光LTを撮像することで透過像D2(本発明の第2撮像画像に相当)が得られる。透過像D2は、形成領域CRを透過した透過光LTの光量に応じて画素57ごとの輝度値が変わるモノクロ画像である。
【0067】
既述の通り、形成領域CRを透過した透過光LTの中で、第2カーフ25B内の空間を透過した透過光LTの光量が最も大きくなり、次いで第1カーフ25A内の空間を透過した透過光LT、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bを透過しない透過光LTの順に光量が小さくなる。このため、透過像D2内において、第2カーフ25B(エッジ部分)の像及び第1カーフ25A(エッジ部分)の像は認識可能な程度に明るくなるが、形成領域CR内のパターンPの像は暗くなる。
【0068】
このようにカラーカメラ56は、正反射光L1A及び透過光LTを互いに分離して撮像することにより、明視野像D1と透過像D2とを同時且つ同軸で撮像することができる。
【0069】
[統括制御部]
図9は、第1実施形態のダイシング装置10の統括制御部60の機能ブロック図である。図9に示すように、統括制御部60は、ダイシング装置10の各部を統括制御して、アライメント検出と、アライメントと、ダイシング加工と、カーフチェックと、ダイシング加工の補正と、含む各種動作を実行させる。
【0070】
統括制御部60には、既述のスピンドル22A,22B、顕微鏡23、X駆動部35、回転駆動部38、Y駆動部46、及びZ駆動部48などの他に、操作部62、記憶部64、及び表示部66等が接続されている。
【0071】
操作部62は、キーボード、マウス、操作パネル、及び操作ボタン等が用いられ、オペレータによる各種操作の入力を受け付ける。記憶部64は、ダイシング装置10の制御プログラム(図示は省略)、及び各種設定情報等を記憶する。表示部66は、例えば液晶ディスプレイ等の公知の各種モニタが用いられる。この表示部66は、顕微鏡23により撮影された画像(明視野像D1及び透過像D2)、後述の画像処理部80により生成された合成画像DC、及びダイシング装置10の各種の設定画面などを表示する。
【0072】
統括制御部60は、記憶部64に記憶されている不図示の制御プログラムを実行することで、ブレード駆動制御部70、移動制御部72、撮影制御部74、検出部76、加工制御部78、画像処理部80、及び測定部82として機能する。なお、統括制御部60の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
【0073】
ブレード駆動制御部70は、スピンドル22A,22Bによるブレード21A,21Bの回転駆動を制御する。
【0074】
移動制御部72は、X駆動部35(Xキャリッジ36)、回転駆動部38(回転ユニット37)、Y駆動部46(Yキャリッジ43)、及びZ駆動部48(Zキャリッジ44)を含む相対移動機構49を駆動することで、テーブル31及びワークWに対してブレード21A,21B、及び顕微鏡23を相対移動させる。
【0075】
例えば移動制御部72は、ワークWとブレード21A,21Bとのアライメント検出前には、相対移動機構49を駆動して、ワークWの表面に形成されているアライメント検出用のパターンを撮影可能な位置への顕微鏡23の位置調整を実行させる。
【0076】
また、移動制御部72は、アライメント検出後のワークWとブレード21A,21Bとのアライメント実行時には、相対移動機構49を駆動して、ブレード21A,21BとワークWの加工開始位置との位置合わせを実行させる。
【0077】
さらに、移動制御部72は、ブレード21A,21BによるワークWの切削加工時には、相対移動機構49を駆動して、ワークWのX方向への切削送りと、ブレード21A,21BのY軸方向のインデックス送り及びZ軸方向の切込み送りと、を実行させる。
【0078】
さらにまた、移動制御部72は、ダイシング加工後のカーフチェック時には、相対移動機構49を駆動して、形成領域CRに対向する位置への顕微鏡23の位置調整を実行させる。
【0079】
撮影制御部74は、顕微鏡23によるワークWの同軸照明及び撮影と、赤外光源50によるワークWへの赤外光Liの照射と、を制御する。この撮影制御部74は、アライメント検出時には既述の顕微鏡23の位置調整後に、同軸照明部52による同軸照明と、カラー撮像素子56bによる正反射光L1Aの撮像と、を実行させる。これにより、カラーカメラ56が明視野像D1の撮影を行い、この明視野像D1を検出部76へ出力する。
【0080】
また、撮影制御部74は、カーフチェック時には既述の顕微鏡23の位置調整後に、同軸照明部52による同軸照明と赤外光源50によるワークWへの赤外光Liの照射とを実行させると共に、カラー撮像素子56bによる正反射光L1A及び透過光LTの撮像を実行させる。これにより、カラーカメラ56が明視野像D1と透過像D2との同時撮影を行い、これら明視野像D1及び透過像D2を画像処理部80へ出力する。
【0081】
検出部76は、カラーカメラ56から入力された明視野像D1に基づき、この明視野像D1内に含まれているワークWのアライメント検出用パターンのエッジ情報等を公知の画像認識法で検出することで、ワークWの各ストリート(図示は省略)の位置を検出するアライメント検出を行う。そして、検出部76は、アライメント検出結果を移動制御部72へ出力する。これにより、移動制御部72が相対移動機構49を駆動して加工対象のストリートCとブレード21A,21Bとの位置合わせ(アライメント)を行う。
【0082】
加工制御部78は、アライメント完了後にブレード駆動制御部70及び移動制御部72を介してスピンドル22A,22B及び相対移動機構49を駆動して、ワークWのストリートCごとに、ブレード21A,21Bによるステップカット方式でのダイシング加工を行う。ダイシング加工が行われると、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bのカーフチェックのために、移動制御部72による顕微鏡23の位置調整と、撮影制御部74によるカラーカメラ56による明視野像D1及び透過像D2の撮影とが実行された後、カラーカメラ56から画像処理部80に対して明視野像D1及び透過像D2が入力される。なお、加工制御部78は、後述の測定部82からカーフチェック結果が入力された場合には、次のストリートCのダイシング加工を行う際のブレード21A,21Bの位置を補正する。
【0083】
図10は、画像処理部80により生成される合成画像DCの一例を示した説明図である。図10及び既述の図9に示すように、画像処理部80は、カラーカメラ56から入力された明視野像D1及び透過像D2を合成して合成画像DCを生成する。既述の通り、明視野像D1では、形成領域CR内のパターンPの像及び第1カーフ25A(エッジ部分)の像は認識可能な程度に明るくなるが、第2カーフ25B(エッジ部分)の像は暗くなり認識不能になる。また逆に透過像D2内では、第2カーフ25Bの像及び第1カーフ25Aの像は認識可能な程度に明るくなるが、パターンPの像は暗くなる。
【0084】
そこで、画像処理部80は、例えばパターンマッチング法などの公知の方法を用いて透過像D2内から第2カーフ25Bの像を検出して、透過像D2内から第2カーフ25B(その周辺部も含む)の像をトリミングする。ここで本実施形態では、前述の周辺部に第1カーフ25Aの像も含まれており、画像処理部80が透過像D2内から第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの双方の像をトリミングしているが、第2カーフ25Bの像のみをトリミングしてもよい。次いで、画像処理部80は、トリミングした第2カーフ25Bの像を、明視野像D1内で黒潰れしている第2カーフ25Bの像領域上に重畳させる。なお、本実施形態では透過像D2内からトリミングされた第1カーフ25Aの像も明視野像D1内の第1カーフ25Aの像領域上に重畳される。
【0085】
この際に、明視野像D1及び透過像D2はカラーカメラ56により同軸で撮影された画像であるので、透過像D2内の第2カーフ25Bの像の位置範囲と、明視野像D1内の第2カーフ25Bの像の位置範囲とは互いに一致する。このため、画像処理部80は、透過像D2内の第2カーフ25Bの像の位置範囲に基づき、明視野像D1内で黒潰れしている第2カーフ25Bの位置範囲を容易に判別することができ、トリミングした第2カーフ25Bの像を明視野像D1内で黒潰れしている第2カーフ25Bの像領域上に正確に重畳可能である。これにより、ワークWの表面のパターンPと、第1カーフ25Aのエッジと、第2カーフ25Bのエッジとがそれぞれ認識可能な合成画像DCが得られる。そして、画像処理部80は、合成画像DCを測定部82に出力する。
【0086】
測定部82は、画像処理部80から入力された合成画像DCに基づき、例えば、ワークWの表面上でのパターンPに対する第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの各々の位置を検出する。次いで、測定部82は、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの各々について、位置の実測値と目標値との位置ずれ量(Y方向位置ずれ量)を検出するカーフチェックを行う。そして、測定部82は、カーフチェック結果を加工制御部78へ出力する。これにより、加工制御部78は、測定部82から入力されたカーフチェック結果に基づき、移動制御部72を制御して、次のストリートCをダイシング加工する際のブレード21A,21Bの位置(Y方向位置)を補正する。
【0087】
なお、測定部82が、カーフチェックとして、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの位置ずれ量以外に、第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの各々の幅の検出と、チッピングの有無等の加工品質の検出と、を合わせて実行してもよい。
【0088】
[第1実施形態の作用]
図11は、上記構成の第1実施形態のダイシング装置10によるワークWのダイシング加工処理及びカーチェックの流れを示すフローチャートである。図11に示すように、ワークWがテーブル31に吸着保持されると、統括制御部60の各部が作動する。そして、移動制御部72が相対移動機構49を駆動して、ワークWの表面のアライメント検出用パターンを撮影可能な位置に顕微鏡23を位置調整する(ステップS1)。
【0089】
顕微鏡23の位置調整が完了すると、撮影制御部74が同軸照明光源52aからの同軸照明光L1の出射と、カラー撮像素子56bによる正反射光L1Aの撮像と、を開始させる。これにより、カラーカメラ56から検出部76に対して、アライメント検出用パターンの像を含む明視野像D1が出力される。
【0090】
そして、検出部76が、カラーカメラ56から入力された明視野像D1に基づき、公知の手法でワークWの各ストリートCの位置を検出するアライメント検出を行い、そのアライメント検出結果を移動制御部72へ出力する(ステップS2)。
【0091】
次いで、移動制御部72が、検出部76によるアライメント検出結果に基づき、相対移動機構49を駆動して加工対象のストリートCとブレード21A,21Bとのアライメントを行う(ステップS3)。
【0092】
アライメントが完了すると、加工制御部78は、ブレード駆動制御部70及び移動制御部72を介してスピンドル22A,22B及び相対移動機構49を駆動して、ワークWのストリートCごとにブレード21A,21Bによりステップカット方式でダイシング加工を行う(ステップS4)。
【0093】
そして、1又は複数のストリートCに対するダイシング加工が完了すると、カーフチェックが開始される。最初に、移動制御部72が相対移動機構49を駆動して、ダイシング加工によりワークWに形成された形成領域CRを撮影可能な位置に顕微鏡23を位置調整する(ステップS5)。
【0094】
顕微鏡23の位置調整が完了すると、撮影制御部74が同軸照明光源52aからの同軸照明光L1の出射と、赤外光源50からの赤外光Liの出射とを開始させると共に、カラー撮像素子56bによる撮像を開始させる。これにより、同軸照明部52によるワークWの表面側からの形成領域CRへの同軸照明光L1の照射と、赤外光源50によるワークWの裏面側からの形成領域CRへの赤外光Liの照射と、が同時に行われる(ステップS6)。
【0095】
形成領域CRで正反射された同軸照明光L1の正反射光L1Aと、形成領域CRを透過した透過光LTとの混合光LMが、対物レンズ52c及びハーフミラー52bを経てカラーカメラ56に入射し、さらに結像レンズ56aを経てカラー撮像素子56bのカラーフィルタアレイ58に入射する。
【0096】
カラーフィルタアレイ58に入射した混合光LMは、各カラーフィルタ58R,58G,58Bを透過する正反射光L1Aと、各カラーフィルタ58IRを透過する透過光LTとに波長分離される。そして、正反射光L1Aが、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58R,58G,58Bに対する複数の画素57により撮像される。また同時に、透過光LTが、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58IRに対する複数の画素57により撮像される。これにより、カラー撮像素子56bにより正反射光L1A及び透過光LTが互いに分離された状態で同時且つ同軸で撮像される(ステップS7)。その結果、カラーカメラ56から画像処理部80に対して、正反射光L1Aを撮像した明視野像D1と、透過光LTを撮像した透過像D2と、が同時に出力される。
【0097】
このように本実施形態では、ワークWの表面側から顕微鏡23による形成領域CRの撮影を行う場合に、赤外光源50によりワークWの裏面側から形成領域CRに対して赤外光Liを照射することで、パターンP及び第1カーフ25Aを認識可能な明視野像D1と、少なくとも第2カーフ25Bが認識可能な透過像D2と、が得られる。
【0098】
画像処理部80が、カラーカメラ56から明視野像D1及び透過像D2を取得すると(ステップS8)、例えば既述の図10で説明したように、透過像D2内から第2カーフ25Bの像を検出してトリミングする。次いで、画像処理部80が、トリミングした第2カーフ25Bの像を、明視野像D1内で黒潰れしている第2カーフ25Bの像領域上に重畳させることで、合成画像DCを生成して測定部82へ出力する(ステップS9)。これにより、合成画像DCからワークWの表面のパターンPと、第1カーフ25Aのエッジと、第2カーフ25Bのエッジとが認識可能になるので、パターンPに対する第2カーフ25Bのエッジの位置関係が明確になる。また、第1カーフ25Aに対する第2カーフ25Bの位置関係も明確になる。
【0099】
さらに本実施形態では、カラーカメラ56により明視野像D1及び透過像D2を同軸で撮影しているため、明視野像D1に対して透過像D2内の第2カーフ25Bの像を合成する際の位置ずれ補正を省略することができる。その結果、合成画像DCの生成を簡単かつ短時間で行うことができる。
【0100】
そして、測定部82は、画像処理部80から入力された合成画像DCに基づき、パターンPに対する第1カーフ25A及び第2カーフ25Bの各々の位置の実測値と目標値との位置ずれ量を検出するカーフチェックを行い、カーフチェック結果を加工制御部78へ出力する(ステップS10)。この際に、合成画像DCに基づきパターンPに対する第2カーフ25Bのエッジの位置関係、及び第1カーフ25Aに対する第2カーフ25Bの位置関係を明確に認識することができるので、特に加工深さが深い第2カーフ25Bについて従来よりも高精度にカーフチェックを行うことができる。
【0101】
加工制御部78は、測定部82から入力されたカーフチェック結果に基づき、移動制御部72を制御して、次のストリートCをダイシング加工する際のブレード21A,21Bの位置を補正する(ステップS11)。その結果、次以降のストリートCに沿って高精度に第1カーフ25A及び第2カーフ25Bを形成することができる。特に本実施形態では、第2カーフ25Bについて従来よりも高精度にカーフチェックを行うことができるので、第2カーフ25Bの加工精度を向上させられる。
【0102】
以上のように第1実施形態では、同軸照明部52による形成領域CRへの同軸照明光L1の照射と、赤外光源50による形成領域CRへの赤外光Liの照射と、を同時に実行すると共に、カラーカメラ56により正反射光L1Aと透過光LTとを波長分離して撮像することで、パターンP及び第1カーフ25Aを認識可能な明視野像D1と、第2カーフ25Bが認識可能な透過像D2とが得られる。その結果、NAの大きな顕微鏡23を用いたり或いは白色干渉計を用いたりすることなく、明視野像D1及び透過像D2に基づき、従来よりも低コスト且つ短時間で第1カーフ25A及び第2カーフ25Bを良好に認識することができる。
【0103】
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態のダイシング装置10のブロック図である。図13は、第2実施形態の顕微鏡23の側面図である。上記第1実施形態では、カラーカメラ56のカラー撮像素子56bにより正反射光L1Aと透過光LTとを波長分離して撮像しているが、第2実施形態では、カラー撮像素子56bを用いることなく正反射光L1Aと透過光LTとを波長分離して撮像する。
【0104】
図12及び図13に示すように、第2実施形態のダイシング装置10は、顕微鏡23にハーフミラー52d、透過フィルタ52e、及び透過フィルタ52fが設けられている点と、カラーカメラ56の代わりに第1カメラ59A及び第2カメラ59Bが設けられている点と、を除けば上記第1実施形態の基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。なお、第2実施形態では、ハーフミラー52d、透過フィルタ52e、透過フィルタ52f、第1カメラ59A、及び第2カメラ59Bにより本発明の撮像部が構成される。
【0105】
ハーフミラー52dは、本発明の光分離素子に相当するものであり、ハーフミラー52bのZ方向上方側に配置されている。このハーフミラー52dは、ハーフミラー52bから入射した混合光LMの一部(本発明の第1光に相当)をZ方向上方側に透過し、且つ混合光LMの残り(本発明の第2光に相当)を側方、ここではX方向に反射する。なお、混合光LMを2分割可能であれば、ハーフミラー52d以外の各種光分離素子を用いてもよい。
【0106】
透過フィルタ52e(本発明の第1フィルタに相当)は、ハーフミラー52bのZ方向上方側の位置で且つ混合光LMの光路上に配置されており、正反射光L1A(同軸照明光L1)の波長域の光のみを透過するバンドパスフィルタである。これにより、透過フィルタ52eは、ハーフミラー52dから混合光LMが入射すると、正反射光L1Aのみを透過して後述の第1カメラ59Aに向けて出射する。
【0107】
透過フィルタ52f(本発明の第2フィルタに相当)は、ハーフミラー52bの側方(混合光LMの反射方向側)で且つ混合光LMの光路上に配置されており、透過光LT(赤外光Li)の波長域の光のみを透過するバンドパスフィルタである。これにより、透過フィルタ52fは、ハーフミラー52dから混合光LMが入射すると、透過光LTのみを透過して後述の第2カメラ59Bに向けて出射する。
【0108】
第1カメラ59Aは、透過フィルタ52eのZ方向上方側に配置されている。第1カメラ59Aは、所謂モノクロカメラであり、第1結像レンズ90aと、カラーフィルタアレイ58を有さない第1撮像素子92aと、を備える。
【0109】
第1結像レンズ90aは、透過フィルタ52eを透過した正反射光L1Aを第1撮像素子92aの受光面に結像させる。これにより、第1撮像素子92aは、正反射光L1Aのみを撮像して明視野像D1を統括制御部60へ出力する。この際に、第1撮像素子92aは、第1実施形態のカラー撮像素子56bとは異なり、受光面内(有効領域内)の全画素57を使って正反射光L1Aの撮像を行うため、第1実施形態よりも高解像度の明視野像D1が得られる。なお、透過フィルタ52eが第1撮像素子92aの受光面上に設けられていてもよい。この場合には、第1カメラ59Aが正反射光L1Aに感度を有するカメラとなる。
【0110】
第2カメラ59Bは、透過フィルタ52fの出射面に対向する位置に配置されており、第2結像レンズ90bと、カラーフィルタアレイ58を有さない第2撮像素子92bと、を備える。第2結像レンズ90bは、透過フィルタ52fを透過した透過光LTを第2撮像素子92bの受光面に結像させる。これにより、第2撮像素子92bは、透過光LTのみを撮像して透過像D2を統括制御部60へ出力する。この際に、第2撮像素子92bも受光面内の全画素57を使って透過光LTの撮像を行うことができるので、第1実施形態よりも高解像度の透過像D2が得られる。なお、透過フィルタ52fについても第2撮像素子92bの受光面上に設けられていてもよい。この場合には、第2カメラ59Bが透過光LTに感度を有するカメラとなる。
【0111】
第2実施形態の撮影制御部74は、アライメント検出時には同軸照明部52による同軸照明と、第1撮像素子92aによる正反射光L1Aの撮像と、を実行させる。これにより、第1カメラ59Aが明視野像D1の撮影を行い、この明視野像D1を検出部76へ出力する。その結果、上記第1実施形態と同様に、検出部76によるアライメント検出と、移動制御部72によるアライメントと、が実行される。
【0112】
また、撮影制御部74は、カーフチェック時には同軸照明部52による同軸照明と、赤外光源50によるワークWへの赤外光Liの照射と、第1撮像素子92aによる正反射光L1Aの撮像と、第2撮像素子92bによる透過光LTの撮像と、を実行させる。これにより、第1カメラ59Aによる明視野像D1の撮影と第2カメラ59Bによる透過像D2の撮影とが同時に実行された後、第1カメラ59A及び第2カメラ59Bから画像処理部80に対して明視野像D1及び透過像D2が出力される。その結果、第1実施形態と同様に、画像処理部80による合成画像DCの生成と、測定部82によるカーフチェックと、加工制御部78による加工位置の補正と、が実行される。
【0113】
このように第2実施形態では、ハーフミラー52d、透過フィルタ52e,52f、第1カメラ59A、及び第2カメラ59Bを組み合わせることで、第1実施形態と同様に正反射光L1Aと透過光LTとを簡単に波長分離して同時に撮像することができる。その結果、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1カメラ59A及び第2カメラ59B(モノクロカメラ)を用いることで、第1実施形態よりも高解像度の明視野像D1及び透過像D2が得られるため、第1カーフ25A及び第2カーフ25B(特に第2カーフ25B)のカーフチェックの精度をより向上させることができる。
【0114】
[第2実施形態の変形例]
図14は、第2実施形態の顕微鏡23の変形例の側面図である。上記第2実施形態では、ハーフミラー52d及び透過フィルタ52e,52fを用いて混合光LMを正反射光L1Aと透過光LTとに波長分離しているが、図14に示すようにダイクロイックミラー52g(本発明の波長分離素子に相当)を用いて上述の波長分離を実行してもよい。この場合には、ダイクロイックミラー52g、第1カメラ59A、及び第2カメラ59Bにより本発明の撮像部が構成される。
【0115】
なお、混合光LMを正反射光L1Aと透過光LTとに波長分離可能であれば、ダイクロイックミラー52g以外の各種波長分離素子を用いてもよい。
【0116】
以上のように第2実施形態の変形例では、ダイクロイックミラー52gを用いて混合光LMを正反射光L1Aと透過光LTとに波長分離することで、上記第2実施形態よりも顕微鏡23の部品数を減らすことができるので、顕微鏡23の小型化及び低コスト化が図れる。
【0117】
[第3実施形態]
図15は、第3実施形態のダイシング装置10の顕微鏡23の側面図である。上記各実施形態の顕微鏡23は、ワークWの表面(形成領域CR等)に対して同軸照明光L1を照射する同軸照明を行っているが、第3実施形態の顕微鏡23はワークWの表面に対する同軸照明と斜光照明(傾斜照明ともいう)とを同時に行う。
【0118】
なお、第3実施形態のダイシング装置10は、同軸照明部52(同軸照明光源52a)が同軸照明光L1として白色光(可視光)の中で特定の波長域λAの光(例えば赤色光)を出射すると共に、リング照明部54を備える点を除けば、上記第1実施形態のダイシング装置10と基本的に同じ構成である。
【0119】
リング照明部54は、本発明の斜光照明部に相当する。このリング照明部54は、例えば、対物レンズ52cを囲むようにその光軸O1を中心とする円周方向に沿って等角度ピッチで配置された複数のLED等の光源54aを有する。各光源54aは、ワークWの表面及びワーク保持面31aに対して斜め方向から斜光照明光L2を照射する斜光照明を行う。この斜光照明光L2は、可視光の中で波長域λAとは異なる波長域λBの光、例えば青色光が用いられる。そして、ワークWの表面に対して斜め方向から斜光照明光L2が照射されると、この表面において斜光照明光L2が散乱され、その散乱光L2Aの一部が対物レンズ52cを透過し、さらにハーフミラー52bを透過してカラーカメラ56に入射する。
【0120】
第3実施形態の統括制御部60は、同軸照明部52によるワークWの表面への同軸照明光L1の照射と、リング照明部54によるワークWの表面への斜光照明光L2の照射と、赤外光源50によるワークWの裏面側への赤外光Liの照射と、を同時に実行させる。これにより、第3実施形態のカラーカメラ56には、正反射光L1Aと散乱光L2Aと透過光LTとの混合光LMが入射する。なお、必要に応じて、同軸照明部52によるワークWの表面への同軸照明光L1の照射と、リング照明部54によるワークWの表面への斜光照明光L2の照射と、を選択的に行うことも可能である。
【0121】
第3実施形態のカラーカメラ56は、ハーフミラー52bを透過して入射した混合光LMを正反射光L1Aと散乱光L2Aと透過光LTとに波長分離した後、正反射光L1Aと散乱光L2Aと透過光LTとを同時に撮像する。
【0122】
具体的には第3実施形態においてカラーフィルタアレイ58に入射した混合光LMは、各カラーフィルタ58Rを透過する正反射光L1Aと、各カラーフィルタ58Bを透過する散乱光L2Aと、各カラーフィルタ58IRを透過する透過光LTと、に波長分離される。その結果、カラー撮像素子56bの各カラーフィルタ58Rに対する複数の画素57により正反射光L1Aが撮像され、各カラーフィルタ58Bに対する複数の画素57により散乱光L2Aが撮像され、さらに各カラーフィルタ58IRに対する複数の画素57により透過光LTが撮像される。
【0123】
このように第3実施形態では、カラー撮像素子56bにより、正反射光L1A、散乱光L2A、及び透過光LTが互いに分離された状態で同時に撮像される。その結果、上記各実施形態と同様に、明視野像D1及び透過像D2が得られると共に、カラーフィルタ58Bに対する複数の画素57のみで散乱光L2Aを撮像することでワークWの表面の暗視野像(図示は省略、以下同じ)が得られる。従って、カラーカメラ56により明視野像D1と透過像D2と暗視野像とを同時且つ同軸で撮像することができる。
【0124】
第3実施形態の撮影制御部74は、既述のアライメント検出時には同軸照明部52による同軸照明と、リング照明部54による斜光照明と、カラー撮像素子56bによる正反射光L1A及び散乱光L2Aの撮像と、を実行させる。これにより、カラーカメラ56が明視野像D1及び暗視野像の撮影を行い、これら明視野像D1及び暗視野像を検出部76へ出力する。
【0125】
また、第3実施形態の撮影制御部74は、既述のカーフチェック時には同軸照明部52による同軸照明と、リング照明部54による斜光照明と、赤外光源50によるワークWへの赤外光Liの照射と、カラー撮像素子56bによる正反射光L1A、散乱光L2A、及び透過光LTの撮像と、を実行させる。これにより、カラーカメラ56が明視野像D1と透過像D2と暗視野像との同時撮影を行い、これら明視野像D1、透過像D2、及び暗視野像を画像処理部80へ出力する。
【0126】
第3実施形態の検出部76は、カラーカメラ56から入力された明視野像D1及び暗視野像に基づき、既述のアライメント検出を行う。ここで、ワークWの表面には、同軸照明による明視野像D1の方が認識し易いパターンと、斜光照明による暗視野像の方が認識し易いパターンと、の双方が含まれている。このため、第3実施形態では、暗視野像に基づき明視野像D1だけでは認識し難いパターンも認識することができる。その結果、第3実施形態の検出部76は、上記各実施形態よりもアライメント検出の精度を向上させることができる。
【0127】
第3実施形態の画像処理部80は、カラーカメラ56から入力された明視野像D1、透過像D2、及び暗視野像を合成して合成画像DCを生成する。ここで、暗視野像は、少なくとも第1カーフ25Aの底部で散乱された散乱光L2Aの一部をカラー撮像素子56bにより撮像して得られたものである。このため、暗視野像では、明視野像D1よりも形成領域CR内の第1カーフ25A(エッジ部分)の像がより認識し易くなる。このため、画像処理部80は、暗視野像内から第1カーフ25A(その周辺部も含む)の像をトリミングする。次いで、画像処理部80は、トリミングした第1カーフ25Aの像を、明視野像D1内の第1カーフ25Aの像領域上に重畳させる。これにより、上記各実施形態よりもパターンPに対する第1カーフ25Aのエッジの位置関係が明確になる。
【0128】
また、第3実施形態の画像処理部80は、上記各実施形態と同様に、透過像D2内から第2カーフ25Bの像をトリミングし、このトリミングした第2カーフ25Bの像を、明視野像D1内の第2カーフ25Bの像領域上に重畳させる。これにより、画像処理部80による合成画像DCの生成が完了する。この際においても、カラーカメラ56により明視野像D1、透過像D2、及び暗視野像を同軸で撮影しているため、これら各画像を合成する際の位置ずれ補正を省略することができ、その結果、合成画像DCの生成を簡単かつ短時間で行うことができる。
【0129】
第3実施形態の測定部82は、上記各実施形態と同様に、画像処理部80から入力された合成画像DCに基づき、パターンPに対する第1カーフ25A及び第2カーフ25Bのカーフチェックを行う。この際に、第3実施形態の合成画像DCではパターンPに対する第1カーフ25Aのエッジの位置関係もより明確になるので、測定部82により上記各実施形態よりも高精度に第1カーフ25Aのカーフチェックを行うことができる。
【0130】
なお、上記第2実施形態及びその変形例においても、アライメント検出時及びカーフチェック時における斜光照明と暗視野像の取得とを実行してもよい。この場合には上記第2実施形態及びその変形例に対して、混合光LMを正反射光L1A、散乱光L2A、及び透過光LTに波長分離する構成(ハーフミラー及び透過フィルタの組み合わせ、ダイクロイックミラー等)と、散乱光L2Aを撮像する第3カメラ(図示は省略)と、を追加する。
【0131】
また、上記第3実施形態では、リング照明部54によりワークWに対する斜光照明を行っているが、リング照明部54の代わりに斜光照明が可能な各種の斜光照明部を用いてもよい。
【0132】
さらに、上記第3実施形態では、同軸照明光L1として赤色光を用い且つ斜光照明光L2としてワークWの表面で散乱し易い(波長の短い)青色光を用いているが、同軸照明光L1として青色光を用い且つ斜光照明光L2として赤色光を用いてもよい。すなわち同軸照明光L1の波長域λA及び斜光照明光L2の波長域λBは互いに異なっていれば特に限定はされない。さらに、波長域λA及び波長域λBは、赤外光Liの波長域とは異なっていれば可視波長域に限定されるものではなく、例えば赤外波長域であってもよい。
【0133】
これまでの実施形態では、明視野像D1と透過像D2を合成して合成画像DCを生成する場合について説明したが、明視野像D1及び透過像D2は顕微鏡23の同軸撮像で得られた画像である。このため、明視野像D1内の第1カーフ25Aの像と透過像D2内の第2カーフ25Bの像との位置関係に基づき第1カーフ25Aに対する第2カーフ25Bの位置関係が明確になれば、必ずしも明視野像D1及び透過像D2を合成する必要はない。この場合、測定部82が明視野像D1及び透過像D2に基づきカーフチェックを行う。
【0134】
[顕微鏡の他の変形例]
図16は、正反射光L1A及び散乱光L2Aを時分割で撮像するダイシング装置10の顕微鏡110の一例を示した側面図である。上記各実施形態の顕微鏡23は正反射光L1A及び透過光LT(第3実施形態は散乱光L2Aを含む)を同時撮像しているが、図16に示す顕微鏡110のように、正反射光L1A及び透過光LTを時分割で撮像してもよい。
【0135】
顕微鏡110は、ハーフミラー52d、透過フィルタ52e、透過フィルタ52f、及び第2カメラ59Bの代わりにフィルタ切替機構111を備える点を除けば、上記第2実施形態の顕微鏡23(図13参照)と基本的に同じ構成である。このため、上記第2実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0136】
フィルタ切替機構111は、ハーフミラー52bと第1カメラ59Aとの間に配置されている。このフィルタ切替機構111は、統括制御部60の制御の下、混合光LMの光路上に透過フィルタ112Aと透過フィルタ112Bとを選択的に配置する。
【0137】
透過フィルタ112Aは、上記第2実施形態の透過フィルタ52eと基本的に同じものであり、正反射光L1A(同軸照明光L1)の波長域の光のみを透過する。これにより、透過フィルタ112Aが混合光LMの光路上に配置されている場合には、第1カメラ59Aに正反射光L1Aのみが入射する。その結果、第1カメラ59Aから統括制御部60に対して明視野像D1が出力される。
【0138】
透過フィルタ112Bは、上記第2実施形態の透過フィルタ52fと基本的に同じものであり、透過光LT(赤外光Li)の波長域の光のみを透過する。これにより、透過フィルタ112Bが混合光LMの光路上に配置されている場合には、第1カメラ59Aに透過光LTのみが入射する。その結果、第1カメラ59Aから統括制御部60に対して透過像D2が出力される。
【0139】
以上のように、フィルタ切替機構111を駆動して混合光LMの光路上に透過フィルタ112A及び透過フィルタ112Bを順番に配置することで、第1カメラ59Aが正反射光L1A及び透過光LTを時分割で撮像することができる。この場合においても、第1カメラ59Aにより撮像された明視野像D1及び透過像D2に基づき、上記各実施形態と同様にアライメント検出及びカーフチェック等を実行することができる。
【0140】
なお、上記第1実施形態の顕微鏡23のカラー撮像素子56bがCOMS型である場合には、カラー撮像素子56bを制御することで、各カラーフィルタ58R,58G,58Bに対応する複数の画素57による正反射光L1Aの撮像と、各カラーフィルタ58IRに対応する複数の画素57による透過光LTの撮像と、を時分割で行うことができる。
【0141】
また、上記第3実施形態のように散乱光L2Aの撮像を行う場合には、散乱光L2Aに対応する波長域λBの光のみを透過する透過フィルタ(図示は省略)をフィルタ切替機構111に追加すればよい。
【0142】
[その他]
上記各実施形態では、ワークWの裏面側から赤外光Liを照射しているが、本発明の第2照明光として、ワークWを透過可能な波長域の光であって且つ同軸照明光L1(斜光照明光L2を含む)とは異なる波長域の光であれば赤外光Li以外の光(可視光を含む)を用いてもよい。
【0143】
上記各実施形態では、テーブル31の内部に赤外光源50が設けられているが、テーブル31とは別体に赤外光源50が設けられていてもよい。
【0144】
上記各実施形態では、ステップカット方式のダイシング加工で形成された第1カーフ25A及び第2カーフ25Bのカーフチェックを行う場合を例に挙げて説明したが、ミーティング切削方式のダイシング加工で形成されたカーフのカーフチェックを行う場合にも本発明を適用することができ、特に加工深さが深いカーフのカーフチェックに有効である。さらに2枚のブレード21A,21Bを用いてダイシング加工を行う代わりに、1枚又は3枚以上のブレードを用いて形成されたカーフのカーフチェックにも本発明を適用可能である。
【0145】
上記各実施形態ではワークWの裏面にダイシングテープTが貼着されており、ワーク保持面31aはダイシングテープTを介してワークWを吸着保持しているが、ワーク保持面31aがワークWの裏面側を直接的に吸着保持してもよい。
【0146】
上記各実施形態では、ブレード21A,21Bを用いてワークWのダイシング加工を行うダイシング装置10及びその顕微鏡23を例に挙げて説明したが、レーザ光を用いてウェーハのストリートCに沿ってレーザグルーブ加工を行うレーザ加工装置(ダイシング装置に相当)にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0147】
10 ダイシング装置
10A 筐体
12 ロードポート
14 搬送機構
16 加工部
18 洗浄部
21A,21B ブレード
22A,22B スピンドル
23 顕微鏡
31 テーブル
31a ワーク保持面
32 Xベース
34 Xガイド
35 X駆動部
36 Xキャリッジ
37 回転ユニット
38 回転駆動部
41 Yベース
42 Yガイド
43 Yキャリッジ
44 Zキャリッジ
46 Y駆動部
48 Z駆動部
49 相対移動機構
50 赤外光源
52 同軸照明部
52a 同軸照明光源
52b ハーフミラー
52c 対物レンズ
52d ハーフミラー
52e 透過フィルタ
52f 透過フィルタ
52g ダイクロイックミラー
54 リング照明部
54a 光源
56 カラーカメラ
56a 結像レンズ
56b カラー撮像素子
57 画素
58 カラーフィルタアレイ
58B カラーフィルタ
58G カラーフィルタ
58R カラーフィルタ
58IR カラーフィルタ
59A 第1カメラ
59B 第2カメラ
60 統括制御部
62 操作部
64 記憶部
66 表示部
70 ブレード駆動制御部
72 移動制御部
74 撮影制御部
76 検出部
78 加工制御部
80 画像処理部
82 測定部
90a 第1結像レンズ
90b 第2結像レンズ
92a 第1撮像素子
92b 第2撮像素子
110 顕微鏡
111 フィルタ切替機構
112A,112B 透過フィルタ
C ストリート
CA 回転軸
D1 明視野像
D2 透過像
DC 合成画像
F フレーム
L1 同軸照明光
L1A 正反射光
L2 斜光照明光
L2A 散乱光
Li 赤外光
LT 透過光
LM 混合光
O1 光軸
W ワーク
λA 波長域
λB 波長域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17