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特開2023-72212プログラム、制御装置、撮像装置、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072212
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】プログラム、制御装置、撮像装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230517BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20230517BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20230517BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230517BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
H04N5/225 100
H04N5/232 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184604
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】築地 秀和
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2K005CA14
2K005CA22
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA40
2K005CA53
5C122EA41
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
(57)【要約】
【解決手段】プログラムは、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する段階と、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する段階と、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示される補正成分と基づいて、可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する段階と、それぞれの目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の制御回路のそれぞれに出力する段階とをコンピュータに実行させてよい。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n(mおよびnは正の整数)個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n個の制御回路を制御する制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する段階と、
前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で前記可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する段階と、
それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する段階と、
前記目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、前記補正情報に示される前記補正成分と基づいて、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する段階と、
前記可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの前記目標位置を示すそれぞれの目標位置情報をm+n個の前記制御回路のそれぞれに出力する段階と
を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記補正成分は、n個の自由度の成分のそれぞれについての補正成分を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記補正情報を導出する段階は、それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値を変数とし、(m+n)×(m+n)の行列で定められるアルゴリズムに従って前記補正情報を導出する段階を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記補正情報を導出する段階は、それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の前記値を変数として、予め定められたm×(m+n)行列に従って、前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分を導出し、前記予め定められたm×(m+n)行列の逆変換に相当する予め定められた(m+n)×m行列に従って、m+n個の変数を導出し、それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の前記値と、m+n個の前記変数との差を導出することで前記補正情報を導出する段階を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記補正成分は、n個の自由度の成分の総和についての補正成分を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記検出部は、m+n個の位置センサを含み、
m+n個の前記制御回路のそれぞれと、m+n個の前記位置センサのそれぞれとは、一体化されてm+n個の集積回路を構成する、請求項1から5の何れか1つに記載のプログラム。
【請求項7】
m+n個の前記アクチュエータのそれぞれは、電磁アクチュエータであり、
m+n個の前記位置センサのそれぞれは、磁気センサである、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
m+n個の前記制御回路のそれぞれは、それぞれの前記目標位置に基づくPID制御により、m+n個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御する、請求項1から7の何れか1つに記載のプログラム。
【請求項9】
mは3で、nは1であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記可動部材は、第1方向及び第2方向に沿った移動、及び前記第1方向及び前記第2方向に沿った平面と交差する第1回転軸を中心とする回転をする、請求項1から8の何れか1つに記載のプログラム。
【請求項10】
mは3で、nは1であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記可動部材は、第1方向に沿った移動、及び前記第1方向と交差する平面に沿った第1回転軸及び第2回転軸のそれぞれを中心に回転をする、請求項1から8の何れか1つに記載のプログラム。
【請求項11】
mは1で、nは1以上の整数であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記可動部材は、第1方向に沿った移動をする、請求項1から8の何れか1つに記載のプログラム。
【請求項12】
m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n(mおよびnは正の整数)個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n個の制御回路を制御する制御装置であって、
前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で前記可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する目標姿勢情報取得部と、
それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する補正情報導出部と、
前記目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、前記補正情報に示される前記補正成分と基づいて、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する目標位置導出部と、
前記可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの前記目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の制御回路のそれぞれに出力する出力部と
を備える、制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の制御装置と、
撮像素子と、
前記撮像素子の撮像面に対象物を結像させる光学系と、
m+n個の前記アクチュエータと、
前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部と
を備え、
前記可動部材は、前記撮像素子または前記光学系である、撮像装置。
【請求項14】
前記検出部は、m+n個の位置センサを含み、
m+n個の前記アクチュエータのそれぞれは、電磁アクチュエータであり、
m+n個の前記位置センサのそれぞれは、磁気センサである、請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
m+n個の前記制御回路のそれぞれと、m+n個の前記位置センサのそれぞれとは、一体化されてm+n個の集積回路を構成する、請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
mは3で、nは1であり、
前記可動部材は、前記撮像素子であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記撮像素子は、第1方向及び第2方向に沿った移動、及び前記第1方向及び前記第2方向に沿った平面と交差する第1回転軸を中心とする回転をして、像振れ補正を実行する、請求項13から15の何れか1つに記載の撮像装置。
【請求項17】
mは3で、nは1であり、
前記可動部材は、前記光学系であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記光学系は、第1方向に沿った移動、及び前記第1方向と交差する平面に沿った第1回転軸及び第2回転軸のそれぞれを中心に回転をして、像振れ補正、及び合焦制御の少なくとも1つを実行する、請求項13から15の何れか1つに記載の撮像装置。
【請求項18】
mは1で、nは1以上の整数であり、
前記可動部材は、前記光学系であり、
m+n個の前記アクチュエータが駆動することで、前記光学系は、第1方向に沿った移動をし、合焦制御、またはズーム制御を実行する、請求項13から15の何れか1つに記載の撮像装置。
【請求項19】
m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n(mおよびnは正の整数)個の制御回路を制御する制御方法であって、
前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する段階と、
前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で前記可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する段階と、
それぞれの前記位置情報に示される前記可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、前記可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する段階と、
前記目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、前記補正情報に示される前記補正成分と基づいて、前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する段階と、
前記可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの前記目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の前記制御回路のそれぞれに出力する段階と
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、制御装置、撮像装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光学式手振れ補正アクチュエータに適用される閉ループ駆動信号を使用して、移動体の位置の評価を改善し、光学式手振れ補正の軸間のクロストークを補償するように、位置センサからの測定値を調整することが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国第9560247号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数のアクチュエータを駆動することで、可動部材の姿勢を目標姿勢にする場合、可動部材が目標位置に到達できず、アクチュエータで消費する電力が増加する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係るプログラムは、m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n(mおよびnは正の整数)個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n個の制御回路を制御する制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。プログラムは、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する段階をコンピュータに実行させてよい。プログラムは、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する段階をコンピュータに実行させてよい。プログラムは、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する段階をコンピュータに実行させてよい。プログラムは、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示される補正成分と基づいて、可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する段階をコンピュータに実行させてよい。プログラムは、可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの目標位置を示すそれぞれの目標位置情報をm+n個の制御回路のそれぞれに出力する段階をコンピュータに実行させてよい。
【0005】
補正成分は、n個の自由度の成分のそれぞれについての補正成分を含んでよい。
【0006】
補正情報を導出段階は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値を変数とし、(m+n)×(m+n)の行列で定められるアルゴリズムに従って、補正情報を導出する段階を含んでよい。
【0007】
補正情報を導出する段階は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値を変数として、予め定められたm×(m+n)行列に従って、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分を導出し、予め定められたm×(m+n)行列の逆変換に相当する予め定められた(m+n)×m行列に従って、m+n個の変数を導出し、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値と、m+n個の変数との差を導出することで補正情報を導出する段階を含んでよい。
【0008】
補正成分は、n個の自由度の成分の総和についての補正成分を含んでよい。
【0009】
検出部は、m+n個の位置センサを含んでよい。m+n個の制御回路のそれぞれと、m+n個の位置センサのそれぞれとは、一体化されてm+n個の集積回路を構成してよい。
【0010】
m+n個のアクチュエータのそれぞれは、電磁アクチュエータでよい。m+n個の位置センサのそれぞれは、磁気センサでよい。
【0011】
m+n個の制御回路のそれぞれは、それぞれの目標位置に基づくPID制御により、m+n個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御してよい。
【0012】
mは3で、nは1でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、可動部材は、第1方向及び第2方向に沿った移動、及び第1方向及び第2方向に沿った平面と交差する第1回転軸を中心とする回転をしてよい。
【0013】
mは3で、nは1でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、可動部材は、第1方向に沿った移動、及び第1方向と交差する平面に沿った第1回転軸及び第2回転軸のそれぞれを中心に回転をしてよい。
【0014】
mは1で、nは1以上の整数でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、可動部材は、第1方向に沿った移動をしてよい。
【0015】
本発明の一態様に係る制御装置は、m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n(mおよびnは正の整数)個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n個の制御回路を制御する制御装置でよい。制御装置は、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する位置情報取得部を備えてよい。制御装置は、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する目標姿勢情報取得部を備えてよい。制御装置は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する前記可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する補正情報導出部を備えてよい。制御装置は、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示される補正成分と基づいて、可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する目標位置導出部を備えてよい。制御装置は、可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の制御回路のそれぞれに出力する出力部を備えてよい。
【0016】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記制御装置と、撮像素子と、撮像素子の撮像面に対象物を結像させる光学系と、m+n個のアクチュエータと、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部とを備えてよい。可動部材は、撮像素子または光学系でよい。
【0017】
検出部は、m+n個の位置センサを含んでよい。m+n個のアクチュエータのそれぞれは、電磁アクチュエータでよい。m+n個の位置センサのそれぞれは、磁気センサでよい。
【0018】
m+n個の制御回路のそれぞれと、m+n個の位置センサのそれぞれとは、一体化されてm+n個の集積回路を構成してよい。
【0019】
mは3で、nは1でよい。可動部材は、撮像素子でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、撮像素子は、第1方向及び第2方向に沿った移動、及び第1方向及び第2方向に沿った平面と交差する第1回転軸を中心とする回転をして、像振れ補正を実行してよい。
【0020】
mは3で、nは1でよい。可動部材は、光学系でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、光学系は、第1方向に沿った移動、及び第1方向と交差する平面に沿った第1回転軸及び第2回転軸のそれぞれを中心に回転をして、像振れ補正、及び合焦制御の少なくとも1つを実行してよい。
【0021】
mは1で、nは1以上の整数でよい。可動部材は、光学系でよい。m+n個のアクチュエータが駆動することで、光学系は、第1方向に沿った移動をし、合焦制御、またはズーム制御を実行してよい。
【0022】
本発明の一態様に係る制御方法は、m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n個のアクチュエータのそれぞれを別個に制御するm+n(mおよびnは正の整数)個の制御回路を制御する制御方法でよい。制御方法は、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出する検出部から、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得する段階を備えてよい。制御方法は、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する段階を備えてよい。制御方法は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する段階を備えてよい。制御方法は、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示される補正成分と基づいて、可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出する段階を備えてよい。制御方法は、可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の制御回路のそれぞれに出力する段階を備えてよい。
【0023】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る撮像装置の一例を示す図である。
図2】撮像素子の移動及び回転の様子を示す図である。
図3】電磁アクチュエータの駆動の様子を示す図である。
図4】2つの電磁アクチュエータで可動部材を駆動させる様子を示す図である。
図5】4つの電磁アクチュエータと4つの位置センサとが基板上に配置された状態を示す図である。
図6A】電磁アクチュエータが基板にX方向の成分の推力を与える点について説明するための図である。
図6B】電磁アクチュエータが基板にY方向の成分の推力を与える点について説明するための図である。
図6C】電磁アクチュエータが基板に回転の成分の推力を与える点について説明するための図である。
図6D】電磁アクチュエータが基板に与える余剰の自由度の成分について説明するための図である。
図7】撮像装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図8】撮像素子駆動部の回路構成の一例を示す図である。
図9】フォーカスレンズを1つの直進移動自由度と2つの回転自由度とで移動及び回転させる場合について説明するための図である。
図10】ズームレンズを1つの直進移動自由度で移動させる場合について説明するための図である。
図11】ズームレンズを1つの直進移動自由度で移動させる場合について説明するための図である。
図12】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
図1は、本実施形態に係る撮像装置10の一例を示す。携帯電話、タブレット、ノートパソコン、および小型パソコン等の携帯端末が撮像装置10として機能してよい。
【0027】
撮像装置10は、対象物20を撮像する。ここで、撮像装置10を保持するユーザが撮像装置10の位置を移動または回転させてしまうと、像振れによる乱れが、撮像した画像に発生することになる。例えば、ユーザは、撮像中において、X方向、Y方向、Z方向、角度θ、角度θ、および角度θといった方向に撮像装置10を移動または回転させてしまうことがある。角度θはX軸周りの回転角度、角度θはY軸周りの回転角度、角度θはZ軸周りの回転角度をそれぞれ示す。そこで、撮像装置10は、自身の移動方向及び回転方向を検出し、検出した移動方向とは逆向きにレンズ等の光学系または撮像素子を移動または回転させて、像振れを補正する機能を有する。
【0028】
図2は、撮像素子120の移動及び回転の様子を示す。撮像素子120は、XY平面内において移動可能であり、かつXY平面と交差するZ軸に沿った軸を中心として回転可能である。撮像装置10は、検出された自身の移動方向及び回転方向とは逆方向に、撮像素子120をXY平面内において移動、またはZ軸に沿った軸を中心として回転させて、像振れを補正する。
【0029】
撮像素子120を駆動させる駆動源となるアクチュエータとして、電磁アクチュエータ、すなわちボイスコイルモータを利用することができる。図3は、電磁アクチュエータ210の駆動の様子を示す図である。電磁アクチュエータ210は、空芯コイル212と、磁石214とを有する。基板122は、可動部材の一例であり、基板122上には、撮像素子120が配置される。すなわち、基板122とともに撮像素子120は、移動可能である。
【0030】
磁石214の磁場内で、空芯コイル212に電流を流すと、空芯コイル212に磁界と垂直な方向に力が発生する。これにより、基板122に矢印方向230に沿った推力を与える。基板122上の空芯コイル212の空芯部分2241内には、位置センサ224が配置される。位置センサ224は、ホール素子などの磁気センサでよい。位置センサ224は、磁場の変化に応じた大きさの電圧を出力してよい。基板122が移動することで、位置センサ224と磁石214との位置関係が変化し、位置センサ224で検出される磁場の大きさが変化する。これにより、位置センサ224は、磁石214に対する位置センサ224の位置、すなわち、基板122の位置を検出する。なお、本実施形態では、基板122上に、空芯コイル212を配置する形態について説明する。しかし、基板122上に、磁石214を配置してもよい。
【0031】
図4は、2つの電磁アクチュエータ210A及び210Bで基板122などの可動部材12を駆動させる様子を示す。電磁アクチュエータ210A及び210Bで可動部材12を駆動させる場合、一方の電磁アクチュエータ210Bの駆動で移動した位置センサ224Bの位置240Bが、磁石214Bに対して目標位置242Bに到達した状態で、他方の電磁アクチュエータ210Aの駆動で移動した位置センサ224Aの位置240Aが、磁石214Aに対して目標位置242Aに到達しない場合がある。このような場合、位置センサ224Aの位置240Aを磁石214Aに対して目標位置242Aに到達させるべく、他方の電磁アクチュエータ210Aの空芯コイル212Aにさらに電流が流れる。これにより、位置センサ224Aの位置240Aが磁石214Aに対して目標位置242Aに到達すると、位置センサ224Bの位置240Bが磁石214Bに対する目標位置242Bに対してずれる。この繰り返しにより、空芯コイル212A及び空芯コイル212Bに電流が継続的に流れ、電磁アクチュエータ210A及び210Bで消費する電力が増加する場合がある。
【0032】
また、位置センサ224Aの位置240Aが磁石214Aに対して目標位置242Aに到達せず、かつ位置センサ224Bの位置240Bが磁石214Bに対して目標位置242Bに到達しない場合もある。このような場合、可動部材12は現在の姿勢を維持した状態で、位置センサ224Aの位置240Aを磁石214Aに対して目標位置242Aに到達させるべく、電磁アクチュエータ210Aの空芯コイル212Aに電流が継続的に流れ、かつ位置センサ224Bの位置240Bを磁石214Bに対して目標位置242Bに到達させるべく、電磁アクチュエータ210Bの空芯コイル212Bにも継続的に電流が流れる。これにより、電磁アクチュエータ210A及び210Bで消費する電力が増加する場合がある。
【0033】
これらの現象は、位置センサ224A及び位置センサ224Bの製造誤差、または磁石214A及び磁石214Bの磁場以外に周囲に存在する磁場の影響などで、位置センサ224A及び位置センサ224Bで検知される可動部材12の位置と、可動部材12の実際の位置との間の位置ずれが要因で、下記に示す通り、検知される可動部材12の位置と目標位置との連立方程式の解を導出できないことにより生じる。そして、連立方程式の解を導出できないことによる電力消費の増加は、電磁アクチュエータ210A及び210Bが独立して制御されている場合に起こりうる。すなわち、位置センサ224Aの検出結果は、電磁アクチュエータ210Aのフィードバック制御に用いられ、電磁アクチュエータ210Bのフィードバック制御には用いられず、位置センサ224Bの検出結果は、電磁アクチュエータ210Bのフィードバック制御に用いられ、電磁アクチュエータ210AのPID制御などのフィードバック制御には用いられない場合に起こりうる。
【0034】
可動部材12の目標姿勢に達するための可動部材12の各目標位置と、各位置センサ224で検出される各位置とがそれぞれ一致すれば、このような現象を防止できる。すなわち、各位置センサ224での位置ずれを考慮して、可動部材12の目標姿勢に達するための可動部材12の各目標位置が精度よく導出できれば、このような現象を防止できる。
【0035】
図5は、4つの電磁アクチュエータ210A、210B、210C、及び210D(以下、電磁アクチュエータ210と総称する場合がある)と4つの位置センサ224A、224B、224C、及び224D(以下、位置センサ224と総称する場合がある)とが基板122上に配置された状態を示す。4つの電磁アクチュエータ210からの推力を受けて、基板122は、3つの自由度で、X方向及びY方向に移動し、かつXY平面に対して垂直なZ軸に沿った回転軸を中心に回転する。
【0036】
図6Aに示すように、電磁アクチュエータ210A及び電磁アクチュエータ210Bは、基板122の座標系におけるX方向の成分X1及び成分X2の推力を、基板122に与える。図6Bに示すように、電磁アクチュエータ210C及び電磁アクチュエータ210Dは、基板122のXY座標系におけるY方向の成分Y1及び成分Y2の推力を、基板122に与える。また、図6Cに示すように、電磁アクチュエータ210A、210B、210C、及び210Dは、それぞれの推力の成分X1、成分X2、成分X3、及び成分X4の合成により、基板122に回転成分θの推力を与える。加えて、図6Dに示すように、位置センサ224で検出される位置に誤差が含まれる場合、基板122の移動及び回転に寄与する自由度のX成分、Y成分、及び回転成分θに加えて、基板122の移動及び回転に寄与しない、本来存在すべきでない余剰の自由度の成分Rが存在する。
【0037】
ここで、位置センサ224Aで検出される電磁アクチュエータ210Aの座標系Aにおける位置をx1とする。位置センサ224Bで検出される電磁アクチュエータ210Bの座標系Bにおける位置をx2とする。位置センサ224Cで検出される電磁アクチュエータ210Cの座標系Cにおける位置をy1とする。位置センサ224Dで検出される電磁アクチュエータ210Dの座標系Dにおける位置をy2とする。また、目標姿勢(X,Y,θ)に対応する各位置センサ224で検出すべき各目標位置をx1,x2,y1,y2とする。
【0038】
目標姿勢(X,Y,θ)と、目標位置(x1,x2,y1,y2)との関係は、数学的に次式(1)で表すことができる。
【数1】
【0039】
目標姿勢(X,Y,θ)を満たす目標位置(x1,x2,y1,y2)を導出するためには、3つの変数(X,Y,θ)に対して、4つの変数(x1,x2,y1,y2)を満たす連立方程式の解を導出する必要がある。しかし、上記の通り、位置センサ224で検出される位置には誤差が含まれる可能性がある。そのため、3つの変数(X,Y,θ)に対して、4つの変数(x1,x2,y1,y2)を満たす連立方程式の解を導出できない場合がある。このように解を導き出せない場合、基板122の姿勢を目標姿勢にすることができず、それぞれの電磁アクチュエータ210で消費する電力が増大する可能性がある。
【0040】
そこで、余剰の自由度の成分Rを考慮して、4つの変数(X,Y,θ,R)に対して、次式(2)の通り、4つの変数である目標位置(x1,x2,y1,y2)を満たす連立方程式の解を導出する。
【数2】
【0041】
上記の行列の数式により、位置センサ224で検出される位置に誤差が含まれる場合でも、x1,x2,y1,y2のそれぞれの解を導出できる。
【0042】
余剰の自由度の成分Rは、位置センサ224で検出される基板122の各基準点、例えば基板122の各位置センサ224が配置される位置である位置x1、x2、y1、y2を変数とする次式(3)から導出されてよい。
【数3】
【0043】
すなわち、各位置センサ224で検出される各基準点の位置に対応する値と、上記の4×4の行列の数式とに基づいて、余剰の自由度の成分Rは導出されてよい。なお、式(3)の4×4の行列の数式の各成分は、一例であり、各位置センサ224の磁気特性、位置センサ224で検出される位置、または目標位置などに応じて、調整されてよい。また、式(3)でRを導出した後、式(2)に従って各目標位置に各基準点の各位置を移動させるようにフィードバック制御する。このフィードバック制御のときに、Rのスケール倍する演算処理を行うことで、目標位置は調整されてよい。
【0044】
図7は、撮像装置10の機能ブロックの一例を示す。撮像装置10は、制御部110、撮像素子120、撮像素子駆動部200、光学系130、レンズ駆動部132、レンズ駆動部134、レンズ駆動部136、記憶部140、及び振動検出部150を備える。
【0045】
光学系130は、ズームレンズ131、フォーカスレンズ133、及び像振れ補正用レンズ135を含む。フォーカスレンズ133、及び像振れ補正用レンズ135は、少なくとも1つのレンズで構成されてもよい。すなわち、少なくとも1つのレンズが、合焦制御及び像振れ補正の両方の機能を提供してよい。撮像装置10は、光学式像振れ補正機構(OIS)、及びボディ内像振れ補正機構(BIS)を有する。撮像装置10は、光学式像振れ補正機構(OIS)、及びボディ内像振れ補正機構(BIS)の少なくとも一方を備えてよい。OISは、像振れ補正用レンズ135を移動または回転させることで、像振れ補正を行う。BISは、撮像素子120を移動または回転させることで、像振れ補正を行う。撮像装置10が、OIS及びBISの両方を備える場合、OIS及びBISのそれぞれで異なる周波数帯域の振動を抑制するように、像振れ補正を行ってよい。
【0046】
撮像素子120は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。撮像素子120は、ズームレンズ131、フォーカスレンズ133、及び像振れ補正用レンズ135を介して結像された光学像の画像データを制御部110に出力する。
【0047】
制御部110は、CPUまたはMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部110は、SoC(システムオンチップ)で構成されてよい。記憶部140は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM(登録商標)、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。記憶部140は、制御部110が撮像素子120、及び光学系130などを制御するのに必要なプログラム等を格納する。記憶部140は、撮像装置10の筐体の内部に設けられてよい。記憶部140は、撮像装置10の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0048】
ズームレンズ131、フォーカスレンズ133、及び像振れ補正用レンズ135は、少なくとも1つのレンズを含んでよい。ズームレンズ131、及びフォーカスレンズ133の少なくとも一部または全部は、光軸に沿って移動可能に配置される。
【0049】
レンズ駆動部132は、ズーム制御命令に従ってズームレンズ131を光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部134は、フォーカス制御命令に従ってフォーカスレンズ133を光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部136は、像振れ補正命令に従って像振れ補正用レンズ135を光軸と交差する平面(XY平面)内において移動させる。レンズ駆動部136は、像振れ補正命令に従って像振れ補正用レンズ135を、光軸に交差する平面に沿った軸(X軸、及びY軸)を中心に回転させてもよい。レンズ駆動部132、レンズ駆動部134、及びレンズ駆動部136は、電磁アクチュエータ、すなわちボイスコイルモータを駆動源として含んでよい。レンズ駆動部132、レンズ駆動部134、及びレンズ駆動部136は、形状記憶合金(SMA)アクチュエータ、またはピエゾ(圧電)アクチュエータを駆動源として含んでよい。レンズ駆動部132、及びレンズ駆動部134は、ステッピングモータを駆動源として含んでもよい。
【0050】
振動検出部150は、撮像装置10の振動を示す振動信号を出力する。振動検出部150は、撮像装置10の角速度を検出するジャイロセンサを含んでよい。ジャイロセンサは、X軸、Y軸、及びZ軸に沿った軸を中心とするそれぞれの角速度を検出する。振動検出部150は、撮像装置10の加速度を検出する加速度センサを含んでよい。振動検出部150は、X軸、Y軸、及びZ軸に沿った軸を中心とする撮像装置10の角速度、並びに撮像装置10のX軸、Y軸、及びZ軸方向の撮像装置10の加速度を検出する慣性計測装置(IMU)を含んでよい。
【0051】
撮像素子駆動部200は、像振れ補正命令に従って撮像素子120を光軸と交差する平面内において移動させる。また、撮像素子駆動部200は、像振れ補正命令に従って撮像素子120を光軸に沿った軸を中心に回転させる。撮像素子駆動部200は、3つの自由度で、撮像素子120を移動及び回転させてよい。撮像素子駆動部200は、XY平面に沿って撮像素子120を移動させ、Z軸に沿った軸を中心に回転させてよい。
【0052】
制御部110は、撮像装置10全体を制御する。制御部110は、レンズ駆動部132、レンズ駆動部134、レンズ駆動部136、及び撮像素子駆動部200を制御する。
【0053】
図8は、撮像素子駆動部200の回路構成の一例を示す。撮像素子駆動部200は、電磁アクチュエータ210A、210B、210C、及び210Dと、集積回路220A、220B、220C、及び210Dとを有する。
【0054】
電磁アクチュエータ210A、210B、210C、及び210Dは、空芯コイル212A、211B、212C、及び212D(以下、空芯コイル212と総称する場合がある)、並びに磁石214A、214B、214C、及び214D(以下、磁石214と総称する場合がある)を含む。空芯コイル212は、撮像素子120を搭載する基板122に設けられてよい。磁石214は、基板122を撮像素子120の撮像面に沿って移動、及び光軸に沿った軸を中心に回転可能に保持する保持部材に配置されてよい。保持部材は、例えば、撮像装置10の筐体でよい。基板122は、バネなどの弾性体を介して撮像装置10の筐体に移動及び回転可能に支持されてよい。磁石214は、筐体の内面側に固定されてよい。なお、磁石214が基板122に設けられ、空芯コイル212が筐体の内面側など保持部材に設けられてもよい。
【0055】
集積回路220は、制御回路222及び位置センサ224を有する。制御回路222は、電磁アクチュエータ210の駆動を制御するドライバICである。位置センサ224は、磁石214に対する位置センサ224の相対的な位置を検出する。位置センサ224は、磁石214と位置センサ224との位置関係の変化による磁場の大きさの変化から、磁石214に対する位置センサ224の相対的な位置を検出する磁気センサでよい。磁気センサは、ホール素子でよい。制御回路222及び位置センサ224は、一体化されて集積回路220を構成してよい。
【0056】
制御部110は、集積回路220を制御する。図7に示すように、制御部110は、位置情報取得部111、目標姿勢情報取得部112、補正情報導出部113、目標位置導出部114、及び出力部115を有する。
【0057】
位置情報取得部111は、各位置センサ224から、基板122の各基準点の各位置を示すそれぞれの位置情報(A)、位置情報(B)、位置情報(C)、及び位置情報(D)を取得する。位置情報は、位置センサ224で検出された磁場の大きさを示す情報でよい。
【0058】
目標姿勢情報取得部112は、基板122の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得する。像振れ補正すべく、可動部材として、撮像素子120または像振れ補正用レンズ135を移動または回転させる場合、目標姿勢情報は、振動検出部150で検出された振動信号から導出される。目標姿勢情報取得部112は、振動検出部150による検出結果に基づいて特定された、撮像装置10の振動を打ち消す方向に基板122及び撮像素子120を移動及び回転させるための基板122の目標姿勢を示す基板122の目標姿勢情報を取得してよい。目標姿勢情報は、基板122の座標系における主基準点のXY座標値、及び基準姿勢からの回転量を含む目標姿勢(X,Y,θ)を示す。目標姿勢(X,Y,θ)は、基板122の移動または回転に関連するX成分、Y成分、及びθ成分を含む。なお、合焦制御を実行すべく、可動部材としてフォーカスレンズ133を移動させる場合、目標姿勢情報は、フォーカス制御命令により特性される合焦状態にするためのフォーカスレンズ133の光軸方向の目標位置を示してよい。また、ズーム制御を実行すべく、可動部材としてズームレンズ131を移動させる場合、目標姿勢情報は、ズーム制御命令により特定される目標のズーム倍率にするためのズームレンズ131の光軸方向の目標位置を示してよい。
【0059】
補正情報導出部113は、それぞれの位置情報(A)、(B)、(C)、及び(D)に示される基板122の4つの基準点の位置に相当する4つの値を変数とする予め定められたアルゴリズムに従って、基板122の移動または回転に関連する3つの自由度の成分であるX成分、Y成分、及びθ成分以外の、他の1つの自由度の成分に起因する基板122の4つの基準点のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出する。予め定められたアルゴリズムは、例えば、4×4の行列の数式で定められてよい。補正情報導出部113は、基板122の各基準点の位置に相当する各値x1、x2、y1、及びy2と、式(3)に示される4×4の行列の数式に従って、補正情報を導出してよい。
【0060】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される3つの自由度のX成分、Y成分、及びθ成分と、補正情報に示される他の1つの自由度に対する補正成分Rとに基づいて、基板122の4つの基準点のそれぞれの目標位置x1,x2,y1,y2を導出する。目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される3つの自由度のX成分、Y成分、及びθ成分と、補正情報に示される他の1つの自由度に対する補正成分Rとに基づいて、予め定められたアルゴリズムに従って、基板122の4つの基準点のそれぞれの目標位置x1,x2,y1,y2を導出する。目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される3つの自由度のX成分、Y成分、及びθ成分と、補正情報に示される他の1つの自由度に対する補正成分Rとに基づいて、4×4の行列の数式である式(2)に従って、目標位置x1,x2,y1,y2を導出してよい。
【0061】
出力部115は、それぞれの目標位置x1,x2,y1,y2を示す目標位置情報(A)、(B)、(C)、及び(D)を、それぞれの制御回路222A、222B、222C、及び222Dに出力する。
【0062】
制御回路222は、目標位置情報に従って、電磁アクチュエータ210を制御する。制御回路222は、目標位置情報に示される目標位置に従ってPID制御により、電磁アクチュエータ210を制御する。
【0063】
以上の通り、本実施形態によれば、可動部材である基板122の移動または回転に寄与しない余剰の自由度を考慮して、基板122の各基準点の各目標位置を導出できる。したがって、各位置センサ224で検出される各基準点の位置に誤差が含まれる場合でも、基板122が目標姿勢にならずに、各電磁アクチュエータ210で消費される電力が増大することを防止できる。
【0064】
上記の実施形態では、4つの電磁アクチュエータ210を別個に制御することで、3つの自由度で撮像素子120を移動及び回転させる例について説明した。しかし、可動部材の移動または回転に寄与する自由度の数より、別個に制御される電磁アクチュエータ210の数が多ければ、他の形態でもよい。
【0065】
すなわち、制御部110は、m個の自由度で可動部材を移動または回転させるm+n個の電磁アクチュエータ210のそれぞれを別個に制御するm+n個の制御回路222を制御してよい。mおよびnは正の整数である。
【0066】
位置情報取得部111は、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを検出するm+n個の位置センサ224から、可動部材のm+n個の位置のそれぞれを示すそれぞれの位置情報を取得してよい。目標姿勢情報取得部112は、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分で可動部材の目標姿勢を示す目標姿勢情報を取得してよい。
【0067】
補正情報導出部113は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つの値に基づいて、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出してよい。補正情報導出部113は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値の少なくとも1つを変数とする予め定められたアルゴリズムに従って、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度の成分の少なくとも1つに起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出してよい。補正情報導出部113は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値を変数とする予め定められた(m+n)×(m+n)行列に従って、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度以外の、n個の自由度に起因する可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置の誤差を補正するための補正成分を示す補正情報を導出してよい。
【0068】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示されるn個の自由度に対する補正成分と基づいて、可動部材のm+n個の基準点のそれぞれの目標位置を導出してよい。目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示されるn個の自由度に対する補正成分と、予め定められた(m+n)×(m+n)行列に従って、可動部材のm+n個の基準点のそれぞれの目標位置を導出してよい。出力部115は、可動部材を目標姿勢にすべく、それぞれの目標位置を示すそれぞれの目標位置情報を、m+n個の制御回路222のそれぞれに出力してよい。補正情報導出部113は、(m+n)×(m+n)行列を用いずに補正情報を導出してもよい。例えば、予め定められたm×(m+n)行列に従って、可動部材の移動または回転に関連するm個の自由度の成分を導出し、予め定められたm×(m+n)行列の逆変換に相当する予め定められた(m+n)×m行列に従って、m+n個の変数を得る。補正情報導出部113は、それらm+n個の変数と元々のm+n個の位置センサ224で検出される位置との差を導出することで補正情報を導出してよい。
【0069】
上記では、撮像素子120を2つの直進移動自由度と1つの回転自由度とで移動及び回線させる例について説明した。しかし、撮像素子120ではなく、光学系130を1つの直進移動自由度と2つの回転自由度とで移動及び回転させる場合、本技術を適用してもよい。
【0070】
図9に示すように、レンズ駆動部136は、フォーカスレンズ133を保持する保持枠に4つの磁石214を配置して、フォーカスレンズ133をZ軸方向に移動させ、かつフォーカスレンズ133をX軸回り及びY軸回りに回転させてよい。レンズ駆動部136は、フォーカスレンズ133をZ軸方向に沿って移動させることで合焦制御を実行する。さらに、レンズ駆動部136は、フォーカスレンズ133をX軸またはY軸に沿った軸を中心に回転させることで、像振れ補正を行う。なお、フォーカスレンズ133を用いて像振れ補正を実行する場合には、撮像装置10は、像振れ補正用レンズ135を備えなくてよい。
【0071】
各位置センサ224で検出されるフォーカスレンズ133の各基準点の位置に相当する各値をz1、z2、z3、及びz4とする。目標姿勢は、フォーカスレンズ133の移動に寄与するZ成分、フォーカスレンズ133のX軸回りの回転に寄与するθ1成分、及びフォーカスレンズ133のY軸回りの回転に寄与するθ2成分を含む。
【0072】
補正情報導出部113は、次式(4)に示される4×4の行列の数式と、フォーカスレンズ133の各基準点の位置に相当する各値z1、z2、z3、及びz4とに従って、余剰の1つの自由度に対する補正成分Rを、補正情報として導出してよい。
【数4】
【0073】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される3個の自由度の成分(Z、θ1、θ2)と、補正情報に示される1個の自由度に対する補正成分Rと、次式(5)に示される4×4の行列の数式とに従って、フォーカスレンズ133の4個の基準点のそれぞれの目標位置(z1、z2、z3、及びz4)を導出してよい。
【数5】
【0074】
図10及び図11に示すように、レンズ駆動部132は、空芯コイル212に電流を流すことで、ズームレンズ131を保持する保持枠に設けられた磁石214とともに、ズームレンズ131をZ軸方向に沿って1つの直進移動自由度で移動させてよい。
【0075】
図10の例では、2つの位置センサ224が、ズームレンズ131の2つの基準点のそれぞれのZ軸方向における位置を検出する。この場合、各位置センサ224で検出されるズームレンズ131の各基準点の位置に相当する各値をz1、及びz2とする。目標姿勢は、ズームレンズ131の移動に寄与するZ成分を含む。
【0076】
補正情報導出部113は、次式(6)に示される2×2の行列の数式と、フォーカスレンズ133の各基準点の位置に相当する各値z1、及びz2とに従って、余剰の1つの自由度に対する補正成分Rを、補正情報として導出してよい。
【数6】
【0077】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される1個の自由度の成分Zと、補正情報に示される1個の自由度に対する補正成分Rと、次式(7)に示される2×2の行列の数式とに従って、ズームレンズ131の2個の基準点のそれぞれの目標位置(z1、z2)を導出してよい。
【数7】
【0078】
図11の例では、4つの位置センサ224が、ズームレンズ131の4つの基準点のそれぞれのZ軸方向における位置を検出する。この場合、各位置センサ224で検出されるズームレンズ131の各基準点の位置に相当する各値をz1、z2、z3、及びz4とする。目標姿勢は、ズームレンズ131の移動に寄与するZ成分を含む。
【0079】
補正情報導出部113は、次式(8)に示される4×4の行列の数式と、ズームレンズ131の各基準点の位置に相当する各値z1、z2、z3、及びz4とに従って、余剰の3つの自由度に対する成分R1,R2,R3を、補正情報として導出してよい。
【数8】
【0080】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される1個の自由度の成分Zと、補正情報に示される3個の自由度に対する補正成分R1,R2,R3と、次式(9)に示される4×4の行列の数式とに従って、ズームレンズ131の4個の基準点のそれぞれの目標位置(z1、z2、z3、z4)を導出してよい。
【数9】
【0081】
上記では、補正情報導出部113は、n個の自由度に対する補正成分をそれぞれ導出する例について説明した。他の例として、補正情報導出部113は、それぞれの位置情報に示される可動部材のm+n個の位置に相当するm+n個の値から導出されたm個の自由度の成分に基づいて補正成分を導出してよい。目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示されるm個の自由度の成分と、補正情報に示されるm+n個の補正成分とに基づいて、可動部材のm+n個の位置のそれぞれの目標位置を導出してよい。
【0082】
例えば、図11に示す例において、補正情報導出部113は、ズームレンズ131の各基準点の位置に相当する4個の値z1、z2、z3、及びz4を変数として、次式(10)に従って1個の自由度の成分zを導出する。図11に示す例において、次式(10)は、上記の式(8)の左辺の第1成分(Z)の各位置センサ224で検出される値z1、z2、z3、及びz4の依存性(z1+z2+z3+z4)から導出される。この依存性が値z1、z2、z3、及びz4の総和であることから、zを総和の補正成分と呼ぶ場合がある。
【数10】
【0083】
補正情報導出部113は、次式(11)に従って、ズームレンズ131の各基準点の位置に相当する各値z1、z2、z3、及びz4のそれぞれと、1個の自由度の成分z、すなわち、総和の補正成分zとの差を導出することで、目標姿勢情報に示される1個の自由度の成分についての補正成分Δz1、Δz2、Δz3、及びΔz4を導出する。
【数11】
目標位置導出部114は、目標姿勢情報に示される1個の自由度の成分Zと、4個の補正成分Δz1、Δz2、Δz3、及びΔz4とに従って、次式(12)により、ズームレンズ131の4個の基準点のそれぞれの目標位置(z1、z2、z3、z4)を導出してよい。
【数12】
以上の通り、本実施形態によれば、可動部材である基板122の移動または回転に寄与しない余剰の自由度を考慮して、基板122の各基準点の各目標位置を導出できる。したがって、各位置センサ224で検出される各基準点の位置に誤差が含まれる場合でも、基板122が目標姿勢にならずに、各電磁アクチュエータ210で消費される電力が増大することを防止できる。
【0084】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0085】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0086】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0087】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0088】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0089】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0090】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0091】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0092】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 撮像装置
20 対象物
110 制御部
111 位置情報取得部
112 目標姿勢情報取得部
113 補正情報導出部
114 目標位置導出部
115 出力部
120 撮像素子
122 基板
130 光学系
131 ズームレンズ
133 フォーカスレンズ
135 像振れ補正用レンズ
132,134,136 レンズ駆動部
140 記憶部
150 振動検出部
200 撮像素子駆動部
210A,210B,210C,210D 電磁アクチュエータ
212A,212B,212C,212D 空芯コイル
214A,214B,214C,214D 磁石
220A,220B,220C,220D 集積回路
222A,224B,224C,224D 制御回路
224A,224B,224C,224D 位置センサ
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12