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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072257
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】積層体および包装体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20230517BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B32B27/32 C
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184684
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】桑原 弘嗣
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB15
3E086BB62
3E086DA08
4F100AK03A
4F100AK03B
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AK46C
4F100AK51E
4F100AK53C
4F100BA03
4F100CA02C
4F100CB00C
4F100CB00E
4F100EH17A
4F100GB15
4F100HB31D
4F100JL11C
4F100JL12B
4F100JL16
4F100YY00A
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】リサイクル性と保香性を両立することが可能な積層フィルムおよび包装袋を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系樹脂層を2層以上有する積層体10であって、ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも1箇所の層間に、エポキシ系樹脂組成物層(接着層13、コート層、アンカーコート層等)が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系樹脂層を2層以上有する積層体であって、前記ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも1箇所に、エポキシ系樹脂組成物層が形成されていることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層および基材層を有し、前記シーラント層と前記基材層との層間が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層を介して密着されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなる押出樹脂層および基材層を有し、前記押出樹脂層と前記基材層との層間が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いたアンカーコート層を介して密着されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層および基材層を有し、前記シーラント層と前記基材層との間、または、前記基材層の前記シーラント層とは反対側に、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層、第1基材層および第2基材層を有し、
前記シーラント層と前記第1基材層との層間及び、前記第1基材層と前記第2基材層との層間の一方が、ウレタン系接着剤を介して密着されており、
前記シーラント層と前記第1基材層との層間及び、前記第1基材層と前記第2基材層との層間の他の一方が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層を介して密着されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、第1ポリエチレン系樹脂層および第2ポリエチレン系樹脂層を有し、前記第1ポリエチレン系樹脂層と前記第2ポリエチレン系樹脂層との層間において、前記エポキシ系樹脂組成物層と印刷層とウレタン系接着剤層が順不同に形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項7】
前記エポキシ系樹脂組成物層が、エポキシ系主剤とアミド系硬化剤からなることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体から形成された包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体および包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の段落0010には、従来から包装袋に使用されるフィルムとして、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリアミド、二軸延伸ポリエステル等の基材フィルムに、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をシーラント層として積層した積層フィルムが記載されている。また、積層フィルムを製造する方法としては、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法などが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-39932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、プラスチック製容器包装の使用後の回収に関して、2種以上の樹脂を含む包装袋は、プラスチック製容器包装としてのリサイクルが難しいという問題がある。リサイクルを容易にするため、単一の樹脂を用いるモノマテリアルの容器包装が提唱されている。単一の樹脂として、ポリエチレン系樹脂は安価で加工も容易であるが、しかし、ポリエチレンのみを用いたフィルムから包装袋を形成すると、芳香成分がポリエチレンに吸着されやすいため、保香性が低下する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リサイクル性と保香性を両立することが可能な積層フィルムおよび包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、ポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系樹脂層を2層以上有する積層体であって、前記ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも1箇所に、エポキシ系樹脂組成物層が形成されていることを特徴とする積層体を提供する。
【0007】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層および基材層を有し、前記シーラント層と前記基材層との層間が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層を介して密着されていてもよい。
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなる押出樹脂層および基材層を有し、前記押出樹脂層と前記基材層との層間が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いたアンカーコート層を介して密着されていてもよい。
【0008】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層および基材層を有し、前記シーラント層と前記基材層との間、または、前記基材層の前記シーラント層とは反対側に、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層が形成されていてもよい。
【0009】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、ポリエチレン系樹脂層からなるシーラント層、第1基材層および第2基材層を有し、前記シーラント層と前記第1基材層との層間及び、前記第1基材層と前記第2基材層との層間の一方が、ウレタン系接着剤を介して密着されており、前記シーラント層と前記第1基材層との層間及び、前記第1基材層と前記第2基材層との層間の他の一方が、前記エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層を介して密着されていてもよい。
【0010】
前記積層体が、前記ポリオレフィン系樹脂層として、第1ポリエチレン系樹脂層および第2ポリエチレン系樹脂層を有し、前記第1ポリエチレン系樹脂層と前記第2ポリエチレン系樹脂層との層間において、前記エポキシ系樹脂組成物層と印刷層とウレタン系接着剤層が順不同に形成されていてもよい。
前記エポキシ系樹脂組成物層が、エポキシ系主剤とアミド系硬化剤からなる構成としてもよい。
また、本発明は、前記積層体から形成された包装体を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ポリエチレン系樹脂フィルムを主体とする積層フィルムにおいて、エポキシ系樹脂組成物層を用いることで、リサイクル性と保香性を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の積層体を例示する断面図である。
図2】第2実施形態の積層体を例示する断面図である。
図3】第3実施形態の積層体を例示する断面図である。
図4】第4実施形態の積層体を例示する断面図である。
図5】第5実施形態の積層体を例示する断面図である。
図6】第6実施形態の積層体を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。実施形態の積層体は、ポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系樹脂層を2層以上有する積層体であって、ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも1箇所に、エポキシ系樹脂組成物層が形成されている。エポキシ系樹脂組成物層は、詳しくは後述するが、接着層、アンカーコート層、コート層等の少なくとも1種であってもよい。
【0014】
エポキシ系樹脂組成物層には、エポキシ系主剤が用いられる。エポキシ系主剤としては、特に限定されないが、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等の、分子内にエポキシ基を有する化合物が挙げられる。エポキシ系主剤の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、イソシアヌル酸トリグリシジルなどが挙げられる。
【0015】
エポキシ基含有ビニルモノマーを含む共重合体を、エポキシ系主剤としてもよい。エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、グリシジルメタクリレート(GMA)やグリシジルアクリレート等のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、エポキシブテン等のエポキシアルケン類などが挙げられる。エポキシ基含有ビニルモノマーと共重合される他のモノマーとしては、エチレンやプロピレン等のオレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマー、酢酸ビニル等のビニル系モノマーが挙げられる。
【0016】
エポキシ系樹脂組成物層には、硬化剤が用いられる。硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール化合物、アミド系硬化剤等が挙げられる。アミン系硬化剤としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、芳香族酸無水物、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物等が挙げられる。イミダゾール化合物は、アルキル基等の置換基を有してもよく、カルボン酸塩等の塩類としてもよい。
【0017】
アミド系硬化剤としては、エポキシ系主剤に対して使用可能な、アミド基を有する硬化剤であれば特に限定されないが、一般には、ポリカルボン酸と、ポリアミンとの縮合により生成するポリアミド樹脂(ポリアミノアミド化合物)が挙げられる。ジシアンジアミド(シアノグアニジン)およびジシアンジアミドの誘導体であるビグアニド化合物等のアミド系化合物を硬化剤としてもよい。
【0018】
ポリアミド樹脂に用いられるポリカルボン酸としては、アジピン酸等のジカルボン酸、トリカルボン酸等が挙げられる。これらのポリカルボン酸として、ダイマー酸、トリマー酸等の重合脂肪酸が好ましい。ポリアミド樹脂に用いられるポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ポリオキシアルキレンポリアミン等が挙げられる。
【0019】
エポキシ系樹脂組成物層が、エポキシ系主剤とアミド系硬化剤からなることが好ましい。アミド系硬化剤は、他の硬化剤と比較して、硬化後にエポキシ樹脂が可塑化された硬化物が得られ、引張、圧縮、曲げ、衝撃等に対しても耐久性が優れる。このため、柔軟なポリエチレン系樹脂の積層フィルムに用いる接着剤として好適である。緻密な硬化膜が得られるため、積層体の保香性を向上することができる。
【0020】
次に、図1を参照して、第1実施形態の積層体10について説明する。積層体10は、ポリオレフィン系樹脂から形成されたシーラント層11と、ポリオレフィン系樹脂から形成された基材層12とを有する。シーラント層11と基材層12との層間は、エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層13を介して密着されている。
【0021】
シーラント層11は、シーラント樹脂から形成することが好ましい。シーラント樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等の相対的に密度が低いポリエチレン系樹脂、あるいは無延伸のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。シーラント層11が、1種のポリオレフィン系樹脂から形成されてもよく、2種以上のポリオレフィン系樹脂を含有してもよい。
【0022】
シーラント層11の厚さは、特に限定されないが、例えば、50~180μm程度が挙げられる。シーラント層11が単層のシーラントフィルムであってもよく、多層のシーラントフィルムでもよい。多層のシーラントフィルムは、共押出法、押出ラミネート法、サンドイッチラミネート法、熱ラミネート法等により、フィルム状のシーラント樹脂を2層以上積層して形成することができる。
【0023】
基材層12は、延伸されたポリオレフィン系樹脂層でもよく、無延伸のポリオレフィン系樹脂層でもよい。基材層12は、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等の相対的に密度が高いポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。基材層12が1種のポリオレフィン系樹脂から形成されてもよく、2種以上のポリオレフィン系樹脂を含有してもよい。基材層12の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~50μm程度が挙げられる。
【0024】
シーラント層11、基材層12等のポリエチレン系樹脂層に使用されるポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)でもよく、エチレンを主体とする共重合体(コポリマー)でもよい。エチレン以外のモノマー(コモノマー)としては、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン、ノルボルネン等の環状オレフィン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸等のビニル系モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。ポリエチレン系樹脂にコモノマーを用いる場合は、コモノマーが1種でも、2種以上でもよい。
【0025】
ポリエチレン系樹脂の構成モノマーにおけるエチレンの割合は、50重量%以上が好ましく、例えば、80~100重量%でもよい。ポリエチレン系樹脂に使用されるエチレンまたはコモノマーは、石油等の化石資源に由来する化合物でもよく、植物等のバイオマスに由来する化合物でもよい。ポリエチレン系樹脂層に含まれる樹脂が、ポリエチレン系樹脂のみでもよい。ポリエチレン系樹脂層を形成する材料が、1種のポリエチレン系樹脂でもよく、2種以上のポリエチレン系樹脂のブレンドでもよい。ポリエチレン系樹脂層がリサイクルポリエチレンを含んでもよい。
【0026】
シーラント層11または基材層12にポリプロピレン(PP)系樹脂を使用してもよい。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体(ホモPP)でもよく、プロピレン-エチレン共重合体等におけるランダム共重合体(ランダムPP)またはブロック共重合体(ブロックPP)でもよい。プロピレン以外のモノマー(コモノマー)としては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸等のビニル系モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂にコモノマーを用いる場合は、コモノマーが1種でも、2種以上でもよい。ポリプロピレン系樹脂の構成モノマーにおけるプロピレンの割合は、50重量%以上が好ましく、例えば、80~100重量%でもよい。ポリプロピレン系樹脂層がリサイクルポリプロピレンを含んでもよい。
【0027】
シーラント層11または基材層12に含まれる樹脂が、ポリオレフィン系樹脂のみ、ポリエチレン系樹脂のみ、あるいは、ポリプロピレン系樹脂のみでもよい。シーラント層11、基材層12等のポリオレフィン系樹脂層が、樹脂以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、架橋剤等が挙げられる。添加剤は、樹脂に相溶する成分でもよく、樹脂に相溶しない成分でもよい。
【0028】
第1実施形態では、エポキシ系樹脂組成物層が、接着層13である。接着層13の厚さは、例えば、0.1~10μm程度、1~6μm程度、3~4μm程度が挙げられる。接着層13を介したシーラント層11と基材層12との積層は、ドライラミネート法により実施することができる。
【0029】
次に、図2を参照して、第2実施形態の積層体20について説明する。この積層体20は、それぞれポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成されたシーラント層21、第1基材層22および第2基材層23が、第1接着層24および第2接着層25を介して積層されている。
【0030】
第1接着層24は、シーラント層21と第1基材層22との層間を密着する接着層であり、第2接着層25は、第1基材層22と第2基材層23との層間を密着する接着層である。第1接着層24及び第2接着層25のうち、一方がウレタン系接着剤を用いて形成され、他の一方がエポキシ系樹脂組成物層を用いて形成されている。これにより、保香性と密着性を両立することができる。
【0031】
第2実施形態の積層体20は、基材層22,23および接着層24,25をそれぞれ2層ずつ有し、第1接着層24および第2接着層25が異なる接着剤を用いていること以外は、第1実施形態の積層体10と同様に製造することができる。シーラント層21の材料等は、第1実施形態のシーラント層11と同様にしてもよい。基材層22,23の材料等は、第1実施形態の基材層12と同様にしてもよい。エポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層は、第1実施形態の接着層13と同様にしてもよい。ウレタン系接着剤を用いた接着層の厚さは、例えば、0.1~10μm程度、1~6μm程度、3~4μm程度が挙げられる。
【0032】
第1接着層24は、一般的な接着剤として、ウレタン系接着剤を用いてもよい。これにより、シーラント層21に接する第1接着層24では第1基材層22との密着性を重視することができる。積層体20の外面に近い第2接着層25では保香性を重視するため、エポキシ系樹脂組成物を用いてもよい。シーラント層21は、積層体20をヒートシールする際に加熱溶融される層であるため、密着の信頼性が高い接着剤を用いることが好ましい。
【0033】
積層体20を袋にした時、シーラント層21を透過し接着剤に影響を及ぼし接着強度を低下させるような内容物の場合は、シーラント層21と第1基材層22との層間の第1接着層24としてエポキシ系樹脂組成物を使用すると、バリア性が向上し、接着剤への影響が抑えられる。このとき、第1基材層22と第2基材層23との層間の第2接着層25にはウレタン系接着剤を使用することができる。
【0034】
次に、図3を参照して、第3実施形態の積層体30について説明する。この積層体30は、ポリオレフィン系樹脂層として、第1ポリエチレン系樹脂層31および第2ポリエチレン系樹脂層32を有する。これらのポリエチレン系樹脂層31,32の間には、第1接着層33、印刷層34および第2接着層35が順不同に形成されている。第1ポリエチレン系樹脂層31および第2ポリエチレン系樹脂層32を、それぞれ、第1実施形態のシーラント層11および基材層12と同様に構成してもよい。
【0035】
図示例では、「第1ポリエチレン系樹脂層31/第1接着層33/印刷層34/第2接着層35/第2ポリエチレン系樹脂層32」の順序になっている。特に図示しないが、「第1ポリエチレン系樹脂層31/印刷層34/第1接着層33/第2接着層35/第2ポリエチレン系樹脂層32」や「第1ポリエチレン系樹脂層31/第1接着層33/第2接着層35/印刷層34/第2ポリエチレン系樹脂層32」の順序でもよい。また、ポリエチレン系樹脂層31,32の層間において、印刷層34を2層以上としてもよく、さらに接着層33,35の層数を増やしてもよい。
【0036】
第1接着層33及び第2接着層35のうち、一方がウレタン系接着剤を用い、他の一方がエポキシ系樹脂組成物層を用いて形成されている。これにより、保香性と密着性を両立することができる。
【0037】
ポリエチレン系樹脂層31,32の層間における密着性を重視する場合は、積層体30の内面に近い第1ポリエチレン系樹脂層31側の第1接着層33にウレタン系接着剤を用い、積層体30の外面に近い第2ポリエチレン系樹脂層32側の第2接着層35にエポキシ系樹脂組成物を用いてもよい。シーラント層となる第1ポリエチレン系樹脂層31に接する第1接着層33では、密着の信頼性が高い接着剤を用いることが好ましい。
【0038】
積層体30を袋にした時、シーラント層となる第1ポリエチレン系樹脂層31を透過し接着剤に影響を及ぼし接着強度を低下させるような内容物の場合は、シーラント層側の第1接着層33としてエポキシ系樹脂組成物を使用すると、バリア性が向上し、接着剤への影響が抑えられる。このとき、積層体30の外面に近い第2接着層35には、ウレタン系接着剤を使用することができる。
【0039】
印刷層34は、グラビア印刷、凸版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット等の印刷方式でインキをベタ状またはパターン状に印刷することにより、形成することができる。印刷層34の厚さは、特に限定されないが、0.5~10μm程度が挙げられる。印刷層34は、積層体30の全面に形成してもよく、面内の一部に形成してもよい。2層以上の印刷層34を重ね合わせてもよい。
【0040】
印刷層34を形成するためのインキは、顔料、染料等の着色材と、バインダーを含んでもよい。バインダーとしては、特に限定されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、アクリル系重合体、ポリブタジエン、環化ゴム等が挙げられる。インキは、水、有機溶剤、植物油などの溶剤を含有してもよい。印刷後は、溶剤の揮発やインキの硬化等によりインキを乾燥させることができる。インキの乾燥を促進するため、加熱、紫外線照射等を実施してもよい。
【0041】
第3実施形態の積層体30を製造するには、例えば、第2ポリエチレン系樹脂層32の片面に印刷工法を用いて第2接着層35および印刷層34を任意の順に形成した後、片面に第2接着層35および印刷層34を有する第2ポリエチレン系樹脂層32を、第1接着層33により第1ポリエチレン系樹脂層31と密着させる方法が挙げられる。この方法によれば、基材層となる第2ポリエチレン系樹脂層32上に印刷工法を用いて、第2接着層35および印刷層34を形成することができるため、生産性を向上することができる。なお、第1ポリエチレン系樹脂層31上に印刷層34を形成することも可能である。
【0042】
特に図示しないが、第1ポリエチレン系樹脂層31を第1基材層22または第2基材層23の一方とし、第2ポリエチレン系樹脂層32を第1基材層22または第2基材層23の他方としてもよい。この場合は、第2実施形態の積層体20における基材層22,23の層間において、第1接着層33、印刷層34および第2接着層35が順に積層される。その場合は、いずれの基材層22,23上で印刷層34を印刷してもよい。例えば、基材層22,23の一方に印刷工法を用いて第2接着層35および印刷層34を形成した後、その上に第1接着層33を介して、基材層22,23の他方と密着させてもよい。また、基材層22,23の一方の片面に印刷工法を用いて第1接着層33および印刷層34を形成した後、その上に第2接着層35を介して、基材層22,23の他方と密着させてもよい。さらに、ドライラミネート等により、第1基材層22側にシーラント層21を積層することができる。
【0043】
次に、図4を参照して、第4実施形態の積層体40について説明する。この積層体40は、それぞれポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成されたシーラント層41、押出樹脂層42および基材層43を有する。基材層43のシーラント層41側の面には、エポキシ系樹脂組成物層を用いたアンカーコート層44が積層されている。基材層43のアンカーコート層44側の面と、シーラント層41との間は、押出樹脂層42を介して積層されている。
【0044】
第4実施形態の積層体40は、エポキシ系樹脂組成物層がアンカーコート層44であり、さらに、基材層43とシーラント層41との間に押出樹脂層42を積層したこと以外は、第1実施形態の積層体10と同様に製造することができる。シーラント層41の材料等は、第1実施形態のシーラント層11と同様にしてもよい。基材層43の材料等は、第1実施形態の基材層12と同様にしてもよい。
【0045】
アンカーコート層44は、第1実施形態の接着層13と同様にしてもよく、接着層13より薄くしてもよい。アンカーコート層44の厚さは、0.05μm~10μm程度でもよく、1μm未満でもよい。アンカーコート層44を介したシーラント層41と基材層43との積層は、押出ラミネート法により実施することができる。基材層43の片面にアンカーコート層44を形成した後、押出樹脂層42が積層される。
【0046】
押出樹脂層42としては特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。押出樹脂層42の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~50μm程度が挙げられる。
【0047】
特に図示しないが、基材層43とアンカーコート層44との間に印刷層(図示せず)を積層してもよい。これにより、「基材層43/印刷層/アンカーコート層44/押出樹脂層42/シーラント層41」等の構成の積層体を製造することができる。印刷層(図示せず)は、第3実施形態の印刷層34と同様にしてもよい。基材層43の内面に印刷層を形成した上に、アンカーコート層44を形成することができる。
【0048】
押出樹脂層42からシーラント層を形成することも可能である。この場合は、「基材層43/アンカーコート層44/押出樹脂層42」、「基材層43/印刷層/アンカーコート層44/押出樹脂層42」等の構成としてもよい。
【0049】
次に、図5を参照して、第5実施形態の積層体50について説明する。この積層体50は、それぞれポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成されたシーラント層51および基材層52を有する。基材層52のシーラント層51側の面には、印刷層55を介して、エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層54が積層されている。基材層52のコート層54側の面と、シーラント層51との間は、接着層53を介して接着されている。
【0050】
第5実施形態の積層体50は、エポキシ系樹脂組成物層がコート層54であること以外は、第1実施形態の積層体10と同様に製造することができる。シーラント層51の材料等は、第1実施形態のシーラント層11と同様にしてもよい。基材層52の材料等は、第1実施形態の基材層12と同様にしてもよい。接着層53は、第2実施形態の接着層24,25と同様にしてもよい。接着層53が、ウレタン系接着剤等の一般的な接着剤から形成されてもよい。印刷層55は、第3実施形態の印刷層34と同様にしてもよい。第5実施形態の積層体50から印刷層55を省略して、基材層52のシーラント層51側の面に、直接、コート層54を形成してもよい。
【0051】
第5実施形態の積層体50を製造するには、例えば、基材層52の片面に印刷工法を用いて印刷層55およびコート層54を順に形成した後、接着層53によりシーラント層51と密着させる方法が挙げられる。この方法によれば、基材層52上に印刷工法を用いて、印刷層55およびコート層54を形成することができるため、生産性を向上することができる。
【0052】
特に図示しないが、基材層52の内面にコート層54を形成する場合において、基材層52とシーラント層51との間には、他の樹脂フィルムや押出樹脂層等を介在させてもよい。樹脂フィルムや押出樹脂層等は、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成することができる。基材層52が2層以上である場合、少なくとも1の基材層52にコート層54を形成することができる。
【0053】
次に、図6を参照して、第6実施形態の積層体60について説明する。この積層体60は、それぞれポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成されたシーラント層61および基材層62を有する。基材層62のシーラント層61とは反対側の面には、エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層64が積層されている。基材層62の印刷層65側の面と、シーラント層61との間は、接着層63を介して接着されている。
【0054】
第6実施形態の積層体60は、エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層64が、基材層62の外面に形成されていること以外は、第5実施形態の積層体50と同様に製造することができる。接着層63が、ウレタン系接着剤等の一般的な接着剤から形成されてもよい。第6実施形態の積層体60から印刷層65を省略して、基材層62のシーラント層61側の面に、直接、接着層63を積層してもよい。
【0055】
第6実施形態の積層体60は、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成された基材層62の外面に、エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層64が積層されていることにより、保香性を向上することができる。単層のポリエチレン系樹脂フィルムの外面にコート層64を形成してもよい。ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成された包装袋の外面にコート層64を形成してもよい。
【0056】
第6実施形態の積層体60において、基材層62とシーラント層61との間の構成は、適宜変更することが可能である。例えば、接着層63を用いたドライラミネート法に限らず、押出樹脂層を用いた押出ラミネート法等によって、シーラント層61を基材層62に積層することも可能である。特に図示しないが、エポキシ系樹脂組成物層を用いたコート層64は、シーラント層61の外面に形成することも可能である。
【0057】
上述の実施形態の積層体10,20,30,40,50,60の全重量に対し、特定樹脂の合計が90重量%以上であり、特定樹脂以外の材料の合計が10重量%以下であることが好ましく、特定樹脂の合計が95重量%以上であり、特定樹脂以外の材料の合計が5重量%以下であることがより好ましい。これにより、積層体10,20,30,40,50,60に接着剤等が使用されていても、特定樹脂のモノマテリアル材料を実現することができる。特定樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂のいずれかが挙げられる。積層体10,20,30,40,50,60が、特定樹脂に該当する樹脂を2種以上使用してもよい。
【0058】
上述の実施形態の積層体10,20,30,40,50,60は、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を主体とした積層フィルム状であり、種々の用途に用いることができる。積層フィルムを形成する方法は、特に限定されないが、ドライラミネート、押出ラミネート、熱ラミネート、共押出、コーティング等が挙げられる。各層を積層するために、それぞれ異なる方法を用いてもよい。シーラント層を向かい合わせて、融着により積層体を接合することができる。
【0059】
積層フィルムのドライラミネートに使用する接着剤としては、第1~第3実施形態における接着層13,24,25,33,35に例示された接着剤に限らず、他の接着剤を使用してもよい。特に限定されないが、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、ポリエチレンイミン、チタンアルコキシド等の有機チタン化合物等の接着剤が挙げられる。接着層の厚さは、例えば、0.1~10μm程度、1~6μm程度、3~4μm程度が挙げられる。ドライラミネートに使用する接着層の少なくとも1層がエポキシ系樹脂組成物層を用いた接着層からなり、それ以外の接着層がウレタン系接着剤等から形成されてもよい。
【0060】
実施形態の積層体10,20,30,40,50,60は、包装体の作製に用いることができる。包装体の少なくとも1の部材が、実施形態の積層体から形成されていればよい。包装体としては、パウチ、バッグなどの包装袋、チューブ、コンテナ、スリーブ包装、ストリップ包装、蓋材等が挙げられる。包装袋の具体例としては、三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、ガセット袋、スタンディングパウチ等が挙げられる。積層体が柔軟な積層フィルムである場合は、軟包装の包装体を形成することができる。詰め替えや廃棄が容易なため、詰め替え用パウチ等の詰め替え用包装体に好適に利用することができる。
【0061】
包装体は、充填口、注出口等を有してもよい。例えば、包装体の上部で前後の胴部材の間が開口されて、内容物の充填または注出に用いることができる。内容物の充填後に胴部材の間を接合して、包装体を密封してもよい。注出口が包装体の上部または隅部で細く突出する形状に形成されてもよい。包装体の開封を容易にするため、開封部の周囲にノッチ、ハーフカット溝などの易開封手段を形成してもよい。
【0062】
包装体の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば詰め替え容器の用途では、上下方向の高さが100~500mm程度、左右方向の幅が70~300mm程度、充填量としては100cm~5000cm程度が挙げられる。内容物の状態としては、液体、粉体、粒体等の流体が挙げられる。内容物の種類としては、特に限定されないが、洗剤、薬剤、化粧品、医薬品、飲料、調味料、インキ、塗料、燃料等が挙げられる。
【0063】
包装体は、実施形態の積層体10,20,30,40,50,60のみから形成してもよく、ラベル、タグ、ストロー、外箱等の付属部材と組み合わせてもよい。リサイクルの観点では、付属部材を包装体から分離できることが好ましい。
【0064】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。
【実施例0065】
以下、実施例を用いて、より具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0066】
(積層体の製造方法)
表1に示す層構成に従い、実施例1~6および比較例1の積層体を製造した。表1において、「PE」はポリエチレン系樹脂層を表し、「E-A」はエポキシ系主剤とアミド系硬化剤を用いたエポキシ系樹脂組成物層を表し、「UR」はウレタン系接着剤を表す。各層の記号に添えた括弧内の数値は、各層の厚さを表す。PEの厚さの単位はμmとし、E-AまたはURの厚さの単位はg/mとした。
【0067】
表1の「層構成」欄の右側の「E-A」欄には、エポキシ系樹脂組成物層(E-A)が、接着層(AD)、コート層(C)、アンカーコート層(AC)のいずれであるかを示した。
【0068】
実施例1~2および比較例1では、E-AまたはURを接着剤として用いたドライラミネート法により、厚さ25μmのPE基材と厚さ120μmのPEシーラントとを積層した。実施例1では、1層のPE基材に対して、E-Aを使用した。実施例2では、PE基材を2層とし、E-Aを外側、URを内側に使用した。比較例1では、1層のPE基材に対して、URを使用した。
【0069】
実施例3~5では、厚さ25μmのPE基材の片面にE-Aのコート層を形成した後、URを接着剤として用いたドライラミネート法により、厚さ120μmのPEシーラントと積層した。
【0070】
実施例6では、厚さ25μmのPE基材の片面にE-Aのアンカーコート層を形成した後、厚さ120μmのPEシーラントとの間に、厚さ20μmの押出PEを溶融押出して、積層体を作製した。
【0071】
【表1】
【0072】
(保香性の試験方法)
実施例1~6および比較例1の積層体をそれぞれ用いて、100mm×100mmの四方袋を作製し、匂いを有する成分(香料)を含む50gの内容液を封入した。次に、内容液を密封した四方袋を、アルミニウム箔を含むパウチの中に入れ、パウチを封止して23℃50%環境下で一定時間静置した。一定時間が経過した後、パウチを開封して、パウチ内で四方袋の外側を覆う空気の匂いを嗅ぎ、保香性を判定した。保香性は、次の基準で判定した。
【0073】
○‥‥内容液の匂いがしない。
△‥‥僅かに内容液の匂いがする。
×‥‥内容液の匂いが強くする。
【0074】
比較例1の積層体を用いて作製した四方袋は、保香性に劣り、外側の空気に匂いが漏れていた。実施例1~6の積層体を用いて作製した四方袋は、匂い漏れがなく、保香性が優れていた。このことから、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂から形成された積層体に対して、エポキシ系樹脂組成物層を積層することにより、積層体に保香性を付与できることが分かった。エポキシ系樹脂組成物層は薄膜であるため、リサイクル性と保香性を両立することができた。
【符号の説明】
【0075】
10,20,30,40,50,60…積層体、11,21,41,51,61…シーラント層、12,22,23,43,52,62…基材層、13,24,25,33,35,53,63…接着層、31…第1ポリエチレン系樹脂層、32…第2ポリエチレン系樹脂層、34,55,65…印刷層、42…押出樹脂層、44…アンカーコート層、54,64…コート層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6