(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073131
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】カメラモジュール、ポータブル電子機器、および、位置制御システム
(51)【国際特許分類】
G02B 7/08 20210101AFI20230518BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20230518BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20230518BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20230518BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20230518BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20230518BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20230518BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20230518BHJP
【FI】
G02B7/08 C
G02B7/04 E
G02B7/08 B
G02B7/28 N
G03B5/00 J
G03B30/00
G03B13/36
H04N5/225 100
H04N5/232 480
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185978
(22)【出願日】2021-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 貴志
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓太
【テーマコード(参考)】
2H011
2H044
2H151
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H011CA21
2H044BE10
2H044BE18
2H044DA01
2H044DA02
2H044DA03
2H044DB02
2H044DC02
2H044DE06
2H151EC10
2H151FA10
2H151FA43
2H151FA76
2H151GB08
2K005AA20
2K005BA32
2K005CA14
2K005CA40
2K005CA53
5C122EA41
5C122FD01
5C122FE02
5C122FE05
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コントローラにおける処理負荷を軽減させる。
【解決手段】イメージセンサまたはレンズ30が設けられた対象物20を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、上記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラ100と、上記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、上記第1の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、上記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、上記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバ200と、上記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、上記第2の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバ300と、を備える、カメラモジュール10を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備える、カメラモジュール。
【請求項2】
前記第1のドライバは、前記対象物の位置を検出する第1のセンサを更に有し、
前記第1の駆動部は、前記第1のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第1の位置信号、および、前記第1の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与える、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第2のドライバは、前記対象物の位置を検出する第2のセンサを更に有し、
前記第2の駆動部は、前記第2のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第2の位置信号、および、前記第2の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与える、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1のドライバは、前記第2のマスタポートを介して取得された前記第2の位置信号に少なくとも基づいて、前記第1の位置制御信号、前記第1の位置信号、および、前記第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する演算部を更に有する、請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記演算部は、前記第1のドライバによる前記対象物の駆動および前記第2のドライバによる前記対象物の駆動による相互干渉を低減させるように、前記第1の位置制御信号、前記第1の位置信号、および、前記第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1のドライバは、第1のレンズが設けられた第1の対象物を駆動させ、前記第2のドライバは、第2のレンズが設けられた第2の対象物を駆動させるものである場合、前記演算部は、前記第1の対象物および前記第2の対象物が連動するように、前記第1の位置制御信号、前記第1の位置信号、および、前記第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
レンズが設けられた対象物を移動させる目標位置を示す位置制御信号を生成する位置制御部と、前記位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、位置検出器がスレーブ接続される第2のマスタポートと、前記位置検出器により検出された前記対象物の位置を示す位置情報および前記位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える駆動部と、を有する、ドライバと、
を備える、カメラモジュール。
【請求項8】
前記ドライバは、前記対象物の位置を検出するセンサを更に有し、
前記駆動部は、前記センサにより検出された前記対象物の位置を示す位置信号、前記位置情報、および、前記位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える、請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記ドライバは、前記位置情報に基づいて前記対象物における前記レンズの光軸に対する傾きを補正する演算部を更に有する、請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
マスタ―スレーブ間の通信は、シリアル通信である、請求項1から9のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
光学式手ぶれ補正、オートフォーカス、および、ズームの少なくとも何れかの処理を実行可能な請求項1から10のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備える、ポータブル電子機器。
【請求項13】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備える、位置制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール、ポータブル電子機器、および、位置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「OISコントローラ221に配置された単一のマスタポートMは、第1のOISドライバ222aおよび第2のOISドライバ222bにそれぞれ配置されたスレーブポートSに接続される」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国特許第11039071号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、カメラモジュールを提供する。上記カメラモジュールは、イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、上記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラを備えてよい。上記カメラモジュールは、上記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、上記第1の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、上記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、上記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバを備えてよい。上記カメラモジュールは、上記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、上記第2の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、を備えてよい。
【0004】
上記第1のドライバは、上記対象物の位置を検出する第1のセンサを更に有してよい。上記第1の駆動部は、上記第1のセンサにより検出された上記対象物の位置を示す第1の位置信号、および、上記第1の位置制御信号に基づいて、上記対象物に駆動力を与えてよい。
【0005】
上記第2のドライバは、上記対象物の位置を検出する第2のセンサを更に有してよい。上記第2の駆動部は、上記第2のセンサにより検出された上記対象物の位置を示す第2の位置信号、および、上記第2の位置制御信号に基づいて、上記対象物に駆動力を与えてよい。
【0006】
上記第1のドライバは、上記第2のマスタポートを介して取得された上記第2の位置信号に少なくとも基づいて、上記第1の位置制御信号、上記第1の位置信号、および、上記第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する演算部を更に有してよい。
【0007】
上記演算部は、上記第1のドライバによる上記対象物の駆動および上記第2のドライバによる上記対象物の駆動による相互干渉を低減させるように、上記第1の位置制御信号、上記第1の位置信号、および、上記第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正してよい。
【0008】
上記第1のドライバは、第1のレンズが設けられた第1の対象物を駆動させ、上記第2のドライバは、第2のレンズが設けられた第2の対象物を駆動させるものである場合、上記演算部は、上記第1の対象物および上記第2の対象物が連動するように、上記第1の位置制御信号、上記第1の位置信号、および、上記第2の位置制御信号の少なくともいずれかをしてよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、カメラモジュールを提供する。上記カメラモジュールは、レンズが設けられた対象物を移動させる目標位置を示す位置制御信号を生成する位置制御部と、上記位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラを備えてよい。上記カメラモジュールは、上記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、位置検出器がスレーブ接続される第2のマスタポートと、上記位置検出器により検出された上記対象物の位置を示す位置情報および上記位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える駆動部と、を有する、ドライバを備えてよい。
【0010】
上記ドライバは、上記対象物の位置を検出するセンサを更に有してよい。上記駆動部は、上記センサにより検出された上記対象物の位置を示す位置信号、上記位置情報、および、上記位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与えてよい。
【0011】
上記ドライバは、上記位置情報に基づいて上記対象物における上記レンズの光軸に対する傾きを補正する演算部を更に有してよい。
【0012】
上記カメラモジュールにおいて、マスタ―スレーブ間の通信は、シリアル通信であってよい。
【0013】
上記カメラモジュールは、光学式手ぶれ補正、オートフォーカス、および、ズームの少なくとも何れかの処理を実行可能であってよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、ポータブル電子機器を提供する。上記ポータブル電子機器は、イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、上記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラを備えてよい。上記ポータブル電子機器は、上記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、上記第1の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、上記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、上記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバを備えてよい。上記ポータブル電子機器は、上記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、上記第2の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバを備えてよい。
【0015】
本発明の第3の態様においては、位置制御システムを提供する。上記位置制御システムは、イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、上記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラを備えてよい。上記位置制御システムは、上記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、上記第1の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、上記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、上記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバを備えてよい。上記位置制御システムは、上記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、上記第2の位置制御信号に基づいて上記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバを備えてよい。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図2】コントローラ100のブロック図の一例を示す。
【
図3】第1のドライバ200のブロック図の一例を示す。
【
図4】第2のドライバ300のブロック図の一例を示す。
【
図5】第1の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【
図6】第2の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図7】第2の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【
図8】第3の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図9】第3の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【
図10】第4の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図11】第5の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図12】第6の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図13】第7の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図14】第7の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【
図15】第8の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図16】第8の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【
図17】第9の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図18】第9の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの第1の例を示す。
【
図19】第9の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの第2の例を示す。
【
図20】第10の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。
【
図21】第10の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、第1の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際のデバイス構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。他の図においても同様のことがいえる。
【0020】
また、これより先、カメラモジュール10を一例として説明するが、これに限定されるものではない。以下に説明するカメラモジュール10と同様の機能を備えたポータブル電子機器や位置制御システムが提供されてもよい。このようなものとしては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA、ポータブルコンピュータ、ラップトップ、および、ノートパスコンや、これらに内蔵、または、外付けされて対象物の位置を制御するシステム等が挙げられる。
【0021】
カメラモジュール10は、光学式手ぶれ補正、オートフォーカス、および、ズームの少なくとも何れかの処理を実行可能であってよい。この際、カメラモジュール10においては、コントローラが単独で複数のドライバを集中制御するのではなく、少なくとも1つのドライバがサブコントローラとしての機能を兼業し、コントローラとサブコントローラとが協働して複数のドライバを分散制御する。第1の実施形態においては、カメラモジュール10が、レンズシフト式の光学式手ぶれ補正(Optical Image Stabilizer:OIS)処理を実行する場合について説明する。
【0022】
カメラモジュール10は、対象物20と、第1のコイル50_1および第2のコイル50_2(「コイル50」と総称する。)と、コントローラ100と、第1のドライバ200と、第2のドライバ300と、を備える。
【0023】
対象物20は、入力信号に応じて位置が変化するデバイスである。これより先、対象物20がレンズ鏡筒である場合を一例として説明する。本実施形態においては、対象物20には、レンズ30と、第1の磁石40_1および第2の磁石40_2(「磁石40」と総称する。)と、が設けられている。
【0024】
レンズ30は、光を屈折させて集束させるための光学素子である。レンズシフト式のOIS処理においては、対象物20を移動させてレンズ30をシフトさせることで、光軸を像の中心部に維持して手ぶれによる映像の乱れを軽減させる。
【0025】
磁石40は、永久磁石である。本実施形態においては、第1の磁石40_1は、X軸方向に沿って配置されている。また、第2の磁石40_2は、Y軸方向に沿って配置されている。
【0026】
コイル50は、一定の方向に沿って巻かれている。本実施形態においては、第1のコイル50_1は、第1の磁石40_1の近傍において、第1の磁石40_1と同様にX軸方向に沿って巻かれている。また、第2のコイル50_2は、第2の磁石40_2の近傍において、第2の磁石40_2と同様にY軸方向に沿って巻かれている。このような第1のコイル50_1および第2のコイル50_2に駆動電流が供給されると、第1のコイル50_1と第1の磁石40_1との間、および、第2のコイル50_2と第2の磁石40_2との間にそれぞれ磁力が発生するため、対象物20が変位する。これにより、2軸のぶれが補正可能となる。
【0027】
コントローラ100は、ドライバを制御する上位の制御装置である。本実施形態においては、コントローラ100は、OISコントローラであってよい。本実施形態においては、コントローラ100は、第1のドライバ200に対してマスタ接続されており、生成した第1の位置制御信号を第1のドライバ200へ出力する。
【0028】
第1のドライバ200は、対象物20に駆動力を与えるためのドライバである。本実施形態においては、第1のドライバ200は、OISドライバであってよい。第1のドライバ200は、コントローラ100に対してスレーブ接続されており、コントローラ100から出力された第1の位置制御信号に基づいて第1のコイル50_1に駆動電流を供給する。また、第1のドライバ200は、サブコントローラとしての機能を兼業する。すなわち、第1のドライバ200は、第2のドライバ300に対してマスタ接続されており、生成した第2の位置制御信号を第2のドライバ300へ出力する。
【0029】
第2のドライバ300は、対象物20に駆動力を与えるためのドライバである。本実施形態においては、第2のドライバ300は、OISドライバであってよい。第2のドライバ300は、第1のドライバ200に対してスレーブ接続されており、第1のドライバ200から出力された第2の位置制御信号に基づいて第2のコイル50_2に駆動電流を供給する。
【0030】
ここで、本実施形態においては、コントローラ100と第1のドライバ200との間における通信経路を第1の通信バスとし、第1のドライバ200と第2のドライバ300との間における通信経路を第2の通信バスと定義することとする。このような第1の通信バスおよび第2の通信バスにおけるマスタ―スレーブ間の通信は、例えば、I2C(Inter―Integrated Circuit)等のシリアル通信であってよい。I2Cにおいては、一般に、1台のマスタと1または複数のスレーブとの間を、クロック信号線SCLおよびデータ信号線SDAの2本の信号線でパーティーライン状に接続する。また、個々のスレーブがアドレスを有しており、データの中に含まれるアドレスで指定された1台のスレーブのみが、マスタと1対1で通信する。
【0031】
次に、コントローラ100、第1のドライバ200、および、第2のドライバ300のそれぞれについて詳細に説明する。
【0032】
図2は、コントローラ100のブロック図の一例を示す。コントローラ100は、上位スレーブポート110と、上位マスタポート120と、第1の位置制御部130と、第1のマスタポート140と、を有する。
【0033】
上位スレーブポートは、ホスト(図示せず)のマスタポートに接続される。このようなホストとしては、例えば、ISP(Image Signal Processor)等が挙げられる。ISPは、カメラシステムにおける画像処理プロセッサである。コントローラ100は、当該上位スレーブポート110を介して、ホストから上位制御信号を取得する。取得された上位制御信号は、第1の位置制御部130へ供給される。
【0034】
上位マスタポート120は、ジャイロセンサ(図示せず)のスレーブポートに接続される。コントローラ100は、当該上位マスタポート120を介して、ジャイロセンサからジャイロ信号を取得する。取得されたジャイロ信号は、第1の位置制御部130へ供給される。
【0035】
第1の位置制御部130は、レンズ30が設けられた対象物20を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する。本実施形態においては、第1の位置制御部130は、上位制御信号に基づいて、OIS処理をトリガする。そして、第1の位置制御部130は、ジャイロ信号に基づいて、X軸方向における目標位置Vt_XおよびY軸方向における目標位置Vt_Yを示す第1の位置制御信号を生成する。第1の位置制御部130は、生成した第1の位置制御信号を第1のマスタポート140へ供給する。
【0036】
第1のマスタポート140は、第1のドライバ200におけるスレーブポートに接続される。第1のマスタポート140は、第1の位置制御部130により生成された第1の位置制御信号を第1のドライバ200へ出力する。
【0037】
図3は、第1のドライバ200のブロック図の一例を示す。第1のドライバ200は、第1のスレーブポート210と、第1のセンサ220と、第1の駆動部230と、第2の位置制御部240と、第2のマスタポート250と、演算部260と、を有する。
【0038】
第1のスレーブポート210は、コントローラ100における第1のマスタポート140に接続される。第1のドライバ200は、当該第1のスレーブポート210を介してコントローラ100から第1の位置制御信号を取得する。取得された第1の位置制御信号は、第1の駆動部230、第2の位置制御部240、および、演算部260へ供給される。
【0039】
第1のセンサ220は、対象物20の位置を検出する。第1のセンサ220は、例えば、磁気センサであってよく、対象物20に設けられた第1の磁石40_1が発生する磁場を検出することによって、対象物20の位置を検出してよい。このような磁気センサは、一例として、ホール効果を応用し、発生する起電力から外部磁場の変化を検知するホールセンサであってよい。しかしながら、これに限定されるものではない。磁気センサは、外部磁場の変化に応じて抵抗が変化するスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子(GMR素子、TMR素子等)等、磁場を検出可能な様々なセンサであってもよく、これら様々なセンサのコンビネーションであってもよい。また、第1のセンサ220は、複数のセンサ素子から成るセンサ素子群から構成されていてもよい。第1のセンサ220は、検出した対象物20の位置Vp_1を示す第1の位置信号を、第1の駆動部230および演算部260へ供給する。
【0040】
第1の駆動部230は、第1の位置制御信号に基づいて対象物20に駆動力を与える。この際、第1の駆動部230は、一例として、PID制御を実行してよい。ここで、PID制御とは、フィードバック制御の一種で、入力値の制御を出力値と目標値との偏差とその積分及び微分の3つの要素によって行う制御である。基本的なフィードバック制御として比例制御(P制御)がある。これは入力値を出力値と目標値の偏差の一次関数として制御するものである。この偏差に比例して入力値を変化させる動作を比例動作あるいはP動作(PはProportionalの略)という。つまり、偏差のある状態が長い時間続けばそれだけ入力値の変化を大きくして目標値に近づけようとする役目を果たす。また、この偏差の積分に比例して入力値を変化させる動作を積分動作あるいはI動作(IはIntegralの略)という。このように比例動作と積分動作を組み合わせた制御をPI制御という。また、この偏差の微分に比例して入力値を変化させる動作を微分動作あるいはD動作(DはDerivativeまたはDifferentialの略)という。このような比例動作と積分動作と微分動作を組み合わせた制御をPID制御という。すなわち、第1の駆動部230は、第1のセンサ220により検出された対象物20の位置を示す第1の位置信号、および、第1の位置制御信号に基づいてPID制御を実行することにより、対象物20に駆動力を与えてよい。より詳細には、第1の駆動部230は、第1の位置信号により示される対象物20の位置Vp_1を、第1の位置制御信号により示されるX軸方向における目標位置Vt_Xに移動させるための第1の制御信号を生成してよい。そして、第1の駆動部230は、第1の制御信号に応じた駆動電流を第1のコイル50_1へ供給してよい。
【0041】
第2の位置制御部240は、対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する。本実施形態においては、第2の位置制御部240は、Y軸方向における目標位置Vt_Yを示す第2位置制御信号を生成する。この際、第2の位置制御部240は、Y軸方向における目標位置Vt_Yとして、第1の位置制御信号により示されるものをそのまま用いてもよいし、後述する演算部260により補正された目標位置Vt_Yを用いてもよい。第2の位置制御部240は、生成した第2の位置制御信号を第2のマスタポート250へ供給する。
【0042】
第2のマスタポート250は、第2のドライバ300におけるスレーブポートに接続される。第2のマスタポート250は、第2の位置制御部240により生成された第2の位置制御信号を第2のドライバ300へ出力する。また、第1のドライバ200は、当該第2のマスタポート250を介して、第2のドライバ300から後述する第2のセンサにより検出された対象物20の位置を示す第2の位置信号を取得する。取得された第2の位置信号は、演算部260へ供給される。
【0043】
演算部260は、第2のマスタポート250を介して取得された第2の位置信号に少なくとも基づいて、第1の位置制御信号、第1の位置信号、および、第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する。OISにより2軸のぶれを補正する場合、一方の軸における駆動が他方の軸における駆動に相互干渉を与え得る。例えば、第1のドライバ200から第1のコイル50_1に駆動電流が供給された場合に、第1のコイル50_1が発生する磁場が第2のセンサによる位置検出に影響を与え得る。また、これに応じて、対象物20が変位した場合に、第1の磁石40_1が発生する磁場が第2のセンサによる位置検出に影響を与え得る。同様に、第2のドライバ300から第2のコイル50_2に駆動電流が供給された場合に、第2のコイル50_2が発生する磁場が第1のセンサ220による位置検出に影響を与え得る。また、これに応じて、対象物20が変位した場合に、第2の磁石40_2が発生する磁場が第1のセンサ220による位置検出に影響を与え得る。このような影響を軽減させるべく、演算部260は、第1のドライバ200による対象物20の駆動および第2のドライバによる対象物の駆動による相互干渉を低減させるように、第1の位置制御信号、第1の位置信号、および、第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正してよい。演算部260は、第1の位置制御信号および第1の位置信号の少なくともいずれかを補正すると、その旨を第1の駆動部230へ通知する。これにより、第1の駆動部230は、少なくともいずれかが補正された第1の位置制御信号および第1の位置信号に基づいてPID制御を実行する。また、演算部260は、第2の位置制御信号を補正すると、その旨を第2の位置制御部240へ通知する。これに応じて、第2の位置制御部240は、補正された第2の位置制御信号を第2のマスタポート250へ供給する。
【0044】
図4は、第2のドライバ300のブロック図の一例を示す。第2のドライバ300は、第2のスレーブポート310と、第2のセンサ320と、第2の駆動部330と、を有する。
【0045】
第2のスレーブポート310は、第1のドライバ200における第2のマスタポート250に接続される。第2のドライバ300は、当該第2のスレーブポート310を介して第1のドライバ200から第2の位置制御信号を取得する。取得された第2の位置制御信号は、第2の駆動部330へ供給される。また、第2のスレーブポート310は、第2のセンサ320により検出された対象物20の位置を示す第2の位置信号を第1のドライバ200へ出力する。
【0046】
第2のセンサ320は、対象物20の位置を検出する。第2のセンサ320は、第1のドライバ200における第1のセンサ220と同様であってよいので、ここでは説明を省略する。第2のセンサ320は、検出した対象物の位置Vp_2を示す第2の位置信号を、第2のスレーブポート310および第2の駆動部330へ供給する。
【0047】
第2の駆動部330は、第2の位置制御信号に基づいて対象物20に駆動力を与える。第2の駆動部330は、第1のドライバ200における第1の駆動部230と同様であってよい。すなわち、第2の駆動部330は、第2のセンサ320により検出された対象物20の位置を示す第2の位置信号、および、第2の位置制御信号に基づいてPID制御を実行することにより、対象物20に駆動力を与えてよい。より詳細には、第2の駆動部330は、第2の位置信号により示される対象物の位置Vp_2を、第2の位置制御信号により示されるY軸方向における目標位置Vt_Yに移動させるための第2の制御信号を生成してよい。そして、第2の駆動部330は、第2の制御信号に応じた駆動電流を第2のコイル50_2へ供給してよい。
【0048】
図5は、第1の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100と第1のドライバ200との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第1のドライバ200と第2のドライバ300との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0049】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11において、コントローラ100は、上位マスタポート120を介してジャイロセンサから取得されたジャイロ信号を読み込む。そして、第1の位置制御部130は、ジャイロ信号に基づいてOIS演算を実行し、X軸方向における目標位置Vt_XおよびY軸方向における目標位置Vt_Yを示す第1の位置制御信号を生成する。第1の位置制御部130は、生成した第1の位置制御信号を第1のマスタポート140へ供給する。
【0050】
時刻T12において、第1のマスタポート140は、第1の位置制御部130により生成された第1の位置制御信号を第1のドライバ200へ出力する。これに応じて、第1のドライバ200は、第1のスレーブポート210を介して第1の位置制御信号を取得する。このようにして、時刻T12~T13の期間において、第1のドライバ200へのデータ(X軸方向およびY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。時刻T13以降、次のジャイロ信号が読み込まれるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリー(空き)となる。
【0051】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)において、第2のセンサ320は、対象物20の位置を検出する。そして、第2のセンサ320は、検出した対象物20の位置を示す第2の位置信号を、第2のスレーブポート310および第2の駆動部330へ供給する。第2のスレーブポート310は、第2の位置信号を第1のドライバ200へ出力する。これに応じて、第1のドライバ200は、第2のマスタポート250を介して第2の位置信号を取得する。このようにして、時刻T21~T22の期間において、第2のドライバ300からのデータ(Y軸方向の検出位置)の読み込み処理が実行される。時刻T22以降、第1のドライバ200へのデータの書き込み処理が終了する時刻T23(=時刻T13)までは、第2の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0052】
なお、第1のドライバ200は、時刻T23までのいずれかの時点において、対象物20の位置を検出し、検出した対象物20の位置を示す第1の位置信号を利用可能な状態としておけばよい。すなわち、第1のセンサ220は、時刻T23までのいずれかの時点において、対象物20の位置を検出し、検出した対象物20の位置を示す第1の位置信号を、第1の駆動部230および演算部260へ供給しておけばよい。
【0053】
時刻T23において、演算部260は、補正演算を実行し、第1の位置制御信号、第1の位置信号、および、第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正する。演算部260は、第1の位置制御信号および第1の位置信号の少なくともいずれかを補正し、その旨を第1の駆動部230へ通知する。これに応じて、第1の駆動部230は、少なくともいずれかが補正された第1の位置制御信号および第1の位置信号に基づいてPID制御を実行することにより、対象物20に駆動力を与える。また、演算部260は、第2の位置制御信号を補正し、その旨を第2の位置制御部240へ通知する。これに応じて、第2の位置制御部240は、補正された第2の位置制御信号を第2のマスタポート250へ供給する。
【0054】
時刻T24において、第2のマスタポート250は、第2の位置制御信号を第2のドライバ300へ出力する。これに応じて、第2のドライバ300は、第2のスレーブポート310を介して第2の位置制御信号を取得する。このようにして、時刻T24~T25の期間において、第2のドライバ300へのデータ(Y軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。これに応じて、第2の駆動部330は、第2の位置制御信号および第2の位置信号に基づいてPID制御を実行することにより、対象物20に駆動力を与える。時刻T25以降、次のジャイロ信号が読み込まれるまでは、第2の通信バスに関連した処理はフリーとなる。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、レンズシフト式のOIS処理を実行する。
【0055】
特許文献1のように、第1のOISドライバおよび第2のOISドライバがOISコントローラにスレーブ接続され、OISコントローラが単独で2つのOISドライバを集中制御する場合、OISコントローラの負荷が大きくなる。また、補正のための通信時間や演算時間が長くなり、OISコントローラと各OISドライバとの間における通信バスが圧迫する。これに対して、本実施形態に係るカメラモジュール10においては、第1のドライバ200がコントローラ100に対してスレーブ接続され、第2のドライバ300が第1のドライバ200に対してスレーブ接続される。そして、第1のドライバ200がサブコントローラとしての機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、コントローラ100における補正演算が不要となる等、コントローラ100における処理負荷を軽減させることができる。また、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、第1の通信バスにおいて補正演算のための通信が不要となるうえ、第2の通信バスにおいても補正演算のための通信量を抑えることができる。したがって、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、第1の通信バスおよび第2の通信バスにおいて扱える通信量を増やすことができるので、さらなる高性能化を図ることができるうえ、コントローラ100で扱えるデバイスの数を増やすなどの拡張が可能となる。
【0056】
図6は、第2の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。本図においては、
図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。ここで、説明の便宜上、
図1における「対象物20」を「第1の対象物20_1」、「レンズ30」を「第1のレンズ30_1」と称することとする。本実施形態に係るカメラモジュール10は、第2の対象物20_2と、第3のコイル50_3および第4のコイル50_4と、第3のドライバ400と、第4のドライバ500と、を更に備える。そして、本実施形態においては、第1のドライバ200と第2のドライバ300とが第1のモジュールを構成し、第3のドライバ400と第4のドライバ500とが第2のモジュールを構成する。
【0057】
第2の対象物20_2は、第1の対象物20_1と同様であってよい。第2の対象物20_2には、第2のレンズ30_2と、第3の磁石40_3および第4の磁石40_4と、が設けられている。第2のレンズ30_は、第1のレンズ30_1と同様であってよい。第3の磁石40_3および第4の磁石40_4は第1の磁石40_1および第2の磁石40_2とそれぞれ同様であってよい。
【0058】
第3のコイル50_3および第4のコイル50_4は、第1のコイル50_1および第2のコイル50_2とそれぞれ同様であってよい。
【0059】
本実施形態においては、コントローラ100は、第1のドライバ200に加えて、第3のドライバ400に対してもマスタ接続されており、生成した第3の位置制御信号を第3のドライバ400へ出力する。
【0060】
第3のドライバ400は、第1のドライバ200と同様であってよい。すなわち、第3のドライバ400は、コントローラ100に対してスレーブ接続されており、コントローラ100から出力された第3の位置制御信号に基づいて第3のコイル50_3に駆動電流を供給する。また、第3のドライバ400は、サブコントローラとしての機能を兼業する。すなわち、第3のドライバ400は、第4のドライバ500に対してマスタ接続されており、生成した第4の位置制御信号を第4のドライバ500へ出力する。
【0061】
第4のドライバ500は、第2のドライバ300と同様であってよい。すなわち、第4のドライバ500は、第3のドライバ400に対してスレーブ接続されており、第3のドライバ400から出力された第4の位置制御信号に基づいて第4のコイル50_4に駆動電流を供給する。
【0062】
本実施形態においては、第1のドライバ200が第1のモジュールのサブコントローラとしての機能を兼業し、第3のドライバ400が第2のモジュールのサブコントローラとしての機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10は、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。
【0063】
図7は、第2の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100と第1のドライバ200および第3のドライバ400との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図中央は、第1のドライバ200と第2のドライバ300との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第3のドライバ400と第4のドライバ500との間における第3の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0064】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11~T12の期間において、第1のモジュールについてのOIS(OIS1)演算が実行される。時刻T12~T13の期間において、第2のモジュールについてのOIS(OIS2)演算が実行される。時刻T13~T14の期間において、第1のドライバ200へのデータ(第1のモジュールについてのX軸方向およびY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。時刻T14~T15の期間において、第3のドライバ400へのデータ(第2のモジュールについてのX軸方向およびY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。時刻T15以降、次のジャイロ信号が読み込まれるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0065】
第2の通信バスに関連した処理(本図中央)については、第1の実施形態におけるもの(
図5下図)と同様であってよいので、ここでは説明を省略する。
【0066】
次に、第3の通信バスに関連した処理(本図下)について着目すると、時刻T31(=時刻T11)~時刻T32(=時刻T23)の期間においては、第3の通信バスに関連した処理はフリーとなる。時刻T32~T33の期間において、第4のドライバ500からのデータ(第2のモジュールについてのY軸方向の検出位置)の読み込み処理が実行される。時刻T33以降、第3のドライバ400へのデータの書き込み処理が終了する時刻T34(=時刻T15)までは、第3の通信バスに関連した処理はフリーとなる。なお、第3のドライバ400は、時刻T34までのいずれかの時点において、第2の対象物20_2の位置を検出し、検出した第2の対象物20_2の位置を示す第3の位置信号を利用可能な状態としておけばよい。時刻T34~T35の期間において、第2のモジュールについての補正演算が実行される。時刻T35~T31の期間において、第4のドライバ500へのデータ(第2のモジュールについてのY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。
【0067】
このように、本実施形態に係るカメラモジュール10においては、第1のドライバ200および第3のドライバ400がコントローラ100に対してスレーブ接続される。そして、第2のドライバ300が第1のドライバ200に、第4のドライバ500が第3のドライバ400に対してそれぞれスレーブ接続される。そして、第1のドライバ200が第1のモジュールにおけるサブコントローラとしての機能を兼業し、第3のドライバ400が第2のモジュールにおけるサブコントローラとしての機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、コントローラ100で制御可能なモジュールの数を増やすことができるので、ジャイロ信号の読み込み周期内においてOIS処理を複数実行することができる。
【0068】
図8は、第3の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、第2の実施形態に係るカメラモジュール10と同様、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。本図においては、
図6と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。
【0069】
本実施形態においては、第3のドライバ400は、第2のドライバ300や第4のドライバ500と同様であってよい。すなわち、コントローラ100は、第1のドライバ200に対してのみマスタ接続されてよい。そして、第3のドライバ400は、第2のドライバ300や第4のドライバ500と同様に第1のドライバ200に対してスレーブ接続されてよい。
【0070】
本実施形態においては、第1のドライバ200が、第1のモジュールおよび第2のモジュールの共通のサブコントローラとしての機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10は、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。
【0071】
図9は、第3の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100と第1のドライバ200との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第1のドライバ200と、第2のドライバ300、第3のドライバ400、および、第4のドライバ500との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0072】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T14~T15の期間における、データ(第2のモジュールについてのX軸方向およびY軸方向の目標位置)の書き込み処理が第3のドライバ400に対して実行されるのに代えて、第1のドライバ200に対して実行される点を除き、第2の実施形態におけるもの(
図7上図)と同様であってよいので、ここでは説明を省略する。
【0073】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21~T22の期間において、第2のドライバ300からのデータ(第1のモジュールについてのY軸方向の検出位置)の読み込み処理が実行される。時刻T22~T23の期間において、第3のドライバ400および第4のドライバ500からのデータ(第2のモジュールについてのX軸方向およびY軸方向の検出位置)の読み込み処理が実行される。なお、第1のドライバ200は、時刻T23までのいずれかの時点において、第1の対象物20_1の位置を検出し、検出した第1の対象物20_1の位置を示す第1の位置信号を利用可能な状態としておけばよい。時刻T23~T24の期間において、第1のモジュールについての補正演算が実行される。時刻T24~T25の期間において、第2のドライバ300へのデータ(第1のモジュールについてのY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。時刻T25以降、第1のドライバ200への第2のモジュールについてのデータの書き込み処理が終了する時刻T26(=時刻T15)までは、第2の通信バスに関連した処理はフリーとなる。時刻T26~T27の期間において、第2のモジュールについての補正演算が実行される。時刻T27~T21の期間において、第3のドライバ400および第4のドライバ500へのデータ(第2のモジュールについてのX軸方向およびY軸方向の目標位置)の書き込み処理が実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、レンズシフト式のOIS処理を複数実行する。
【0074】
このように、本実施形態に係るカメラモジュール10においては、OIS処理を複数実行するにあたって、第1のドライバ200が、第1のモジュールおよび第2のモジュールの共通のサブコントローラとしての機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、サブコントローラとしての機能を兼業するドライバの数を削減することができる。
【0075】
なお、上述の説明では、カメラモジュール10がレンズシフト式のOIS処理を実行する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。カメラモジュール10は、様々なタイプのOIS処理を実行してよい。
【0076】
図10は、第4の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、センサシフト式のOIS処理を実行する。センサシフト式のOIS処理においては、対象物20を移動させてイメージセンサ(撮像素子)をシフトさせることで、光軸を像の中心部に維持して手ぶれによる映像の乱れを軽減させる。すなわち、第1の位置制御部130は、イメージセンサまたはレンズ30が設けられた対象物20を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成すればよい。本図においては、
図6と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。ここで、説明の便宜上、
図6における「第1の対象物20_1」を「対象物20」、「第1のレンズ30_1」を「レンズ30」と称することとする。本実施形態において、第3の磁石40_3および第4の磁石40_4は、第1の磁石40_1および第2の磁石40_2と同様の対象物20に設けられている。すなわち、本実施形態においては、1つの対象物20に4つの磁石40が設けられている。
【0077】
本実施形態に係るカメラモジュール10は、第1のドライバ200および第3のドライバ400がサブコントローラとしての機能を兼業し、第1のドライバ200~第4のドライバ500を用いて対象物20に4方向から駆動力を与えることによって、センサシフト式のOIS処理を実行する。
【0078】
図11は、第5の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、第4の実施形態に係るカメラモジュール10と同様、センサシフト式のOIS処理を実行する。本図においては、
図10と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。
【0079】
本実施形態においては、第3のドライバ400は、第2のドライバ300や第4のドライバ500と同様であってよい。すなわち、コントローラ100は、第1のドライバ200に対してのみマスタ接続されてよい。そして、第3のドライバ400は、第2のドライバ300や第4のドライバ500と同様に第1のドライバ200に対してスレーブ接続されてよい。
【0080】
本実施形態に係るカメラモジュール10は、第1のドライバ200が共通のサブコントローラとしての機能を兼業し、第1のドライバ200~第4のドライバ500を用いて対象物20に4方向から駆動力を与えることによって、センサシフト式のOIS処理を実行する。
【0081】
図12は、第6の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、第5の実施形態に係るカメラモジュール10と同様、センサシフト式のOIS処理を実行する。本図においては、
図11と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。
【0082】
本実施形態においては、対象物20には、レンズ30と、第1の磁石40_1、第2の磁石40_2、および、第3の磁石40_3とが設けられている。そして、第3の磁石40_3は、対象物20における第1の磁石40_1が設けられている側と同じ側に設けられている。
【0083】
本実施形態に係るカメラモジュール10は、第1のドライバが共通のサブコントローラとしての機能を兼業し、第1のドライバ200~第3のドライバ400を用いて対象物20に第1の方向から1つの駆動力を与え、第2の方向から2つの駆動力を与えることによって、センサシフト式のOIS処理を実行する。
【0084】
このように、カメラモジュール10は、センサシフト式のOIS処理を実行してもよい。ここまで、カメラモジュール10がOIS処理を実行する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。カメラモジュール10は、オートフォーカス(Autofocus:AF)/ズーム(Zoom)処理を実行してもよい。
【0085】
図13は、第7の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、AF/Zoom処理を実行する。AF/Zoom処理においては、対象物を光軸方向に沿って線形移動させることで、ピント合わせや、像の拡大/縮小が行われる。
【0086】
本実施形態においては、カメラモジュール10は、対象物20´と、コイル50´と、コントローラ100´と、ドライバ200´と、位置検出器300´と、を備える。
【0087】
対象物20´は、入力信号に応じて、位置が光軸方向に沿って変化する線形運動デバイスである。対象物20´には、レンズ30´と、磁石40´と、が設けられている。磁石40´は、レンズ30´の光軸方向に沿って配置されている。
【0088】
コイル50´は、磁石40´の近傍において、磁石40´と同様にレンズ30´の光軸方向に沿って巻かれている。このようなコイル50´に駆動電流が供給されると、コイル50´と磁石40´との間に磁力が発生するため、対象物20´がレンズ30´の光軸方向に沿って変位する。これにより、ピント合わせや、像の拡大/縮小が可能となる。
【0089】
コントローラ100´は、AF/Zoom処理を制御する上位の制御装置である。本実施形態においては、コントローラ100´は、ホストにおける一部の機能として実装されてよい。コントローラ100´は、位置制御部130´と、第1のマスタポート140´と、を有する。
【0090】
位置制御部130´は、レンズ30´が設けられた対象物20´を移動させる目標位置を示す位置制御信号を生成する。位置制御部130´は、生成した位置制御信号を第1のマスタポート140´へ供給する。
【0091】
第1のマスタポート140´は、ドライバ200´におけるスレーブポートに接続される。第1のマスタポート140´は、位置制御部130´により生成された位置制御信号をドライバ200´へ出力する。
【0092】
ドライバ200´は、対象物20´に駆動力を与えるためのドライバである。本実施形態においては、ドライバ200´は、AF/Zoomドライバであってよい。ドライバ200´は、コントローラ100´に対してスレーブ接続されており、コントローラ100´から出力された位置制御信号に基づいてコイル50´に駆動電流を供給する。また、ドライバ200´は、サブコントローラとしての機能を兼業する。すなわち、ドライバ200´は、位置検出器300´に対してマスタ接続されており、位置情報を取得して検出位置を補正する。ドライバ200´は、第1のスレーブポート210´と、センサ220´と、駆動部230´と、第2のマスタポート250´と、演算部260´と、を有する。
【0093】
第1のスレーブポート210´は、コントローラ100´における第1のマスタポート140´に接続される。ドライバ200´は、当該第1のスレーブポート210´を介してコントローラ100´から位置制御信号を取得する。取得した位置制御信号は、駆動部230´へ供給される。
【0094】
センサ220´は、対象物20´の位置を検出する。センサ220´は、検出した対象物20´の位置を示す位置信号を演算部260´へ供給する。
【0095】
駆動部230´は、位置制御信号に基づいて対象物20´に駆動力を与える。この際、駆動部230´は、位置検出器300´により検出された対象物20´の位置を示す位置情報および位置制御信号に基づいて対象物20´に駆動力を与える。
【0096】
第2のマスタポート250´には、位置検出器300´がスレーブ接続される。ドライバ200´は、当該第2のマスタポート250´を介して、位置検出器300´により検出された対象物20´の位置を示す位置情報を取得する。取得された位置情報は、演算部260´へ供給される。
【0097】
演算部260´は、位置信号および位置情報を用いて対象物20´の検出位置を補正する。この際、演算部260´は、例えば、実用新案登録第3189365のように、位置信号と位置情報との和を、位置信号と位置情報との差で除算した結果に基づいて検出位置を補正してもよい。また、演算部260´は、例えば、特許第4612281号のように、位置信号と位置情報との差を、位置信号と位置情報との和で除算した結果に基づいて検出位置を補正してもよい。また、演算部260´は、第1の区間は位置信号を選択的に採用し、第2の区間は位置情報を選択的に採用することにより検出位置を補正してもよい。演算部260´は、例えばこのようにして補正された検出位置を示す情報を駆動部230´へ供給する。これに応じて、駆動部230´は、検出位置を、位置制御信号により示される目標位置に移動させるための制御信号を生成してよい。そして、駆動部230´は、制御信号に応じた駆動電流をコイル50´へ供給してよい。このようにして、駆動部230´は、センサ220´により検出された対象物20´の位置を示す位置信号、位置情報、および、位置制御信号に基づいて対象物20´に駆動力を与えてよい。
【0098】
位置検出器300´は、対象物20´の位置を検出するための拡張デバイスである。位置検出器300´は、ドライバ200´に対してスレーブ接続されており、検出した対象物20´の位置を示す位置情報をドライバ200´へ出力する。位置検出器300´は、第2のスレーブポート310´と、拡張センサ320´と、を有する。
【0099】
第2のスレーブポート310´は、ドライバ200´における第2のマスタポート250´に接続される。第2のスレーブポート310´は、拡張センサ320´により検出された対象物20´の位置を示す位置情報をドライバ200´へ出力する。
【0100】
拡張センサ320´は、対象物20´の位置を検出する。拡張センサ320´は、検出した対象物の位置を示す位置情報を、第2のスレーブポート310´へ供給する。
【0101】
図14は、第7の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100´とドライバ200´との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、ドライバ200´と位置検出器300´との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0102】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11~T12の期間において、ドライバ200´へのデータ(目標位置)の書き込み処理が実行される。時刻T12以降、ドライバ200´への次の書き込み処理が開始されるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0103】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)~T22の期間において、位置検出器300´からのデータ(位置情報)の読み込み処理が実行される。なお、ドライバ200´は、時刻T22までのいずれかの時点において、対象物20´の位置を検出し、検出した対象物20´の位置を示す位置信号を利用可能な状態としておけばよい。時刻T22~T23の期間において、レンズポジション演算が実行される。すなわち、演算部260´は、位置信号および位置情報を用いて対象物20´の検出位置を補正する。演算部260´は、補正された検出位置を示す情報を駆動部230´へ供給する。これに応じて、駆動部230´は、検出位置を、位置制御信号により示される目標位置に移動させるための制御信号を生成してよい。そして、駆動部230´は、制御信号に応じた駆動電流をコイル50´へ供給してよい。時刻T23以降、ドライバ200´への次の書き込み処理が開始されるまでは、時刻T21~時刻T23までの処理が繰り返し実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、AF/Zoom処理を実行する。
【0104】
このように、本実施形態に係るカメラモジュール10においては、ドライバ200´がコントローラ100´に対してスレーブ接続され、位置検出器300´がドライバ200´に対してスレーブ接続される。そして、ドライバ200´がサブコントローラの機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、コントローラ100´におけるレンズポジション演算が不要となる等、コントローラ100´における処理負荷を軽減させることができる。また、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、第1の通信バスにおいてレンズポジション演算のための通信が不要となる。したがって、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、通信バスにおいて扱える通信量を増やすことができるので、さらなる高性能化を図ることができるうえ、コントローラ100´で扱えるデバイスの数を増やすなどの拡張が可能となる。
【0105】
図15は、第8の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、第7の実施形態に係るカメラモジュール10と同様、AF/Zoom処理を実行する。本図においては、
図13と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本実施形態においては、位置検出器300´が複数の位置検出素子から成る位置検出素子群により構成されている。本図においては、位置検出器300´が、第1の位置検出素子300´_1、第2の位置検出素子300´_2、・・・、および、第Nの位置検出素子300´_Nから成る位置検出素子群により構成されている場合を一例として示している。
【0106】
第1の位置検出素子300´_1、第2の位置検出素子300´_2、・・・、および、第Nの位置検出素子300´_Nは、それぞれ、対象物20´の位置を検出する拡張センサ320´と、ドライバ200´における第2のマスタポート250´に接続される第2のスレーブポート310´と、を有する。
【0107】
図16は、第8の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100´とドライバ200´との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、ドライバ200´と、第1の位置検出素子300´_1、第2の位置検出措置300´_2、・・・、および、第Nの位置検出素子300´_Nとの間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0108】
第1の通信バスに関連した処理(本図上)については、第7の実施形態におけるもの(
図14上図)と同様であってよいので、ここでは説明を省略する。
【0109】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)~T22の期間において、第1の位置検出素子300´_1からのデータ(位置情報)の読み込み処理が実行される。同様に、時刻T22~T23の期間において、第2の位置検出素子300´_2からのデータ(位置情報)の読み込み処理が実行される。同様に、時刻T2N~T2N+aの期間において、第Nの位置検出素子300´_Nからのデータ(位置情報)の読み込み処理が実行される。時刻T2N+1~T2Zの期間において、レンズポジション演算が実行される。時刻T2Z以降、ドライバ200´への次の書き込み処理が開始されるまでは、時刻T21~時刻T2Zまでの処理が繰り返し実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、AF/Zoom処理を実行する。
【0110】
一般に、AF/Zoom処理で対象物20´を長距離に亘り制御する場合、AF/Zoomドライバに搭載されたセンサだけでは検知可能距離が足りず、センサの拡張が必要な場合があり得る。本実施形態に係るカメラモジュール10は、ドライバ200´がコントローラ100´にスレーブ接続され、複数の位置検出素子300´_1~300´_Nがドライバ200´に対してそれぞれスレーブ接続される。そして、ドライバ200´がサブコントローラの機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、検知可能な距離を延ばすことができるので、対象物20´を長距離に亘って制御することが可能となる。また、この場合であっても第1の通信バスにおいてレンズポジション演算のための通信が不要となるので、コントローラ100´で扱えるデバイスの数を増やすなどの拡張が可能となる。すなわち、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、対象物20´、コイル50´、ドライバ200´、および、位置検出器300´から成る系をコントローラ200´へ複数接続させ、複数カメラの分散処理を実行することも可能となる。
【0111】
図17は、第9の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、AF/Zoomトラッキング処理を実行する。本図においては、
図13と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。ここで、説明の便宜上
図15における「対象物20´」を「第1の対象物20´_1」、「コイル50´」を「第1のコイル50´」と称することとする。本実施形態に係るカメラモジュール10は、「第2の対象物20´_2」と、「第2のコイル50´_2」と、を更に備える。
【0112】
第2の対象物20´_2は、第1の対象物20´_1と同様であってよい。第2のコイル50´_2は、第1のコイル50´_1と同様であってよい。
【0113】
第1のドライバ200´´は、第1のレンズ30´_1が設けられた第1の対象物20´_1を第1のレンズ30´_1の光軸方向に沿って駆動させるためのドライバである。本実施形態においては、第1のドライバ200´´は、ZoomドライバまたはAFドライバの一方であってよい。
【0114】
第2のドライバ300´´は、第2のレンズ30´_2が設けられた第2の対象物20´_2を第2のレンズ30´_2の光軸方向に沿って駆動させるためのドライバである。本実施形態においては、第2のドライバ300´´は、ZoomドライバまたはAFドライバの他方であってよい。
【0115】
このような場合に、第1のドライバ200´´が有する演算部260´´は、第1の対象物20´_1および第2の対象物20´_2が連動するように、第1の位置制御信号、第1の位置信号、および、第2の位置制御信号の少なくともいずれかを補正してよい。
【0116】
図18は、第9の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの第1の例を示す。本図においては、第1のドライバ200´´がZoomドライバであり、第2のドライバ300´´がAFドライバである場合を示している。本図上は、コントローラ100´と、第1のドライバ200´´との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第1のドライバ200´´と第2のドライバ300´´との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0117】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11~T12の期間において、第1のドライバ200´´、すなわち、Zoomドライバへのデータの書き込み処理が実行される。時刻T12以降、Zoomドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0118】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)~T22において、レンズポジショントラッキング演算が実行される。すなわち、演算部260´´は、Zoomドライバ側のセンサによる検出位置に基づきトランキングカーブに沿ってAFレンズ位置を演算してよい。このような演算は既知であるのでここでは詳細な説明は省略する。時刻T22~T23において、第2のドライバ300´´、すなわち、AFドライバへのデータ(レンズポジション)の書き込み処理が実行される。時刻T23以降、Zoomドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、時刻T21~T23までの処理が繰り返し実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、ZoomドライバがマスタとなりAF/Zoomトラッキング処理を実行する。
【0119】
図19は、第9の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの第2の例を示す。本図においては、第1のドライバ200´´がAFドライバであり、第2のドライバ300´´がZoomドライバである場合を示している。本図上は、コントローラ100´と、第1のドライバ200´´との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第1のドライバ200´´と第2のドライバ300´´との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0120】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11~T12の期間において、第2のドライバ300´´、すなわち、Zoomドライバへのデータの書き込み処理が実行される。この際、第1のドライバ200´´は、第1の通信バスを介したコントローラ100´からの書き込み処理を、第2の通信バスを介して第2のドライバ300´´へバイパスする。時刻T12以降、Zoomドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0121】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)~T22(=時刻T12)において、第2のドライバ300´´、すなわち、Zoomドライバへのデータの書き込み処理が実行される。時刻T22~T23において、第2のドライバ300´´からのデータの読み込み処理が実行される。時刻T23~T24において、レンズポジショントラッキング演算が実行される。時刻T24以降、Zoomドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、時刻T21~T24までの処理が繰り返し実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、AFドライバがマスタとなりAF/Zoomトラッキング処理を実行する。
【0122】
一般に、ZoomとAFのレンズはトラッキングして制御させる必要がある。本実施形態に係るカメラモジュール10は、ZoomドライバまたはAFドライバの一方である第1のドライバ200´´がコントローラ100´にスレーブ接続され、ZoomドライバまたはAFドライバの他方である第2のドライバ300´´が第1のドライバ200´に対してスレーブ接続される。そして、第1のドライバ200´´がサブコントローラの機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、コントローラ100´におけるレンズポジショントラッキング演算が不要となる等、コントローラ100´における処理負荷を軽減させることができる。また、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、第1の通信バスにおいてレンズポジショントラッキング演算のための通信が不要となる。したがって、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、通信バスにおいて扱える通信量を増やすことができるので、さらなる高性能化を図ることができるうえ、コントローラ100´で扱えるデバイスを増やすなどの拡張が可能となる。
【0123】
図20は、第10の実施形態に係るカメラモジュール10のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るカメラモジュール10は、ドライブ拡張およびチルト補正処理を実行する。本図においては、
図13と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。ここで、説明の便宜上、
図13における「磁石40´」を「第1の磁石40´_1」、「コイル50´」を「第1のコイル50´_1」と称することとする。本実施形態に係るカメラモジュール10は、「第2の磁石40´_2」と、「第2のコイル50´_2」と、を更に備える。ここで、第2の磁石40´_2は、第1の磁石40´_1と対向するように対象物20´に設けられていてよい。
【0124】
第1のドライバ200´´´は、レンズ30が設けられた対象物20をレンズ30の光軸方向に沿って駆動させるためのドライバである。本実施形態においては、第1のドライバ200´´´は、AFドライバであってよい。
【0125】
第2のドライバ300´´´は、第1のドライバ200´´´のドライブ能力を拡張させるためのドライバである。また、第2のドライバ300´´´は、位置検出機能を有しており、対象物20´の傾きを調整するためのドライバであってもよい。本実施形態においては、第2のドライバ300´´´は、位置検出機能を備えた拡張ドライバであってよい。
【0126】
このような場合に、第1のドライバ200´´´が有する演算部260´´´は、位置情報に基づいて対象物20におけるレンズ30の光軸に対する傾きを補正してよい。
【0127】
図21は、第10の実施形態に係るカメラモジュール10のタイミングダイアグラムの一例を示す。本図上は、コントローラ100´と、第1のドライバ200´´´との間における第1の通信バスに関連した処理を示している。本図下は、第1のドライバ200´´´と第2のドライバ300´´´との間における第2の通信バスに関連した処理を示している。また、本図において、横軸は、時間を示している。
【0128】
先ず、第1の通信バスに関連した処理(本図上)に着目すると、時刻T11~T12の期間において、第1のドライバ200´´´、すなわち、AFドライバへのデータの書き込み処理が実行される。時刻T12以降、AFドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、第1の通信バスに関連した処理はフリーとなる。
【0129】
次に、第2の通信バスに関連した処理(本図下)に着目すると、時刻T21(=時刻T11)~T22において、第2のドライバ300´´´、すなわち、拡張ドライバからのデータの読み込み処理が実行される。時刻T22~T23の期間において、ドライブ拡張およびチルト補正演算が実行される。すなわち、演算部260´´´は、位置情報に基づいて、拡張ドライバによるドライブ量およびチルト量を演算してよい。時刻T23~T24の期間において、第2のドライバ300´´´、すなわち、拡張ドライバへのデータの書き込み処理が実行される。時刻T24以降、AFドライバへの次の書き込み処理が開始されるまでは、時刻T21~T24までの処理が繰り返し実行される。本実施形態に係るカメラモジュール10は、例えばこのようにして、ドライブ拡張およびチルト補正処理を実行する。
【0130】
一般に、AF/Zoom処理で対象物20´を長距離に亘り制御する場合、1つのドライバだけではトルクが足りず、ドライバの拡張が必要な場合がある。また、チルト補正が必要な場合もある。本実施形態に係るカメラモジュール10は、AFドライバである第1のドライバ200´´´がコントローラ100´にスレーブ接続され、拡張ドライバである第2のドライバ300´´´が第1のドライバ200´´´に対してスレーブ接続される。そして、第1のドライバ200´´´がサブコントローラの機能を兼業する。これにより、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、コントローラ100´におけるドライブ拡張およびチルト補正演算が不要となる等、コントローラ100´における処理負荷を軽減させることができる。また、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、第1の通信バスにおいてドライブ拡張およびチルト補正演算のための通信が不要となる。したがって、本実施形態に係るカメラモジュール10によれば、通信バスにおいて扱える通信量を増やすことができるので、さらなる高性能化を図ることができるうえ、コントローラ100´で扱えるデバイスの数を増やすなどの拡張が可能となる。
【0131】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0132】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0133】
10 カメラモジュール
20 対象物
30 レンズ
40 磁石
50 コイル
100 コントローラ
110 上位スレーブポート
120 上位マスタポート
130 第1の位置制御部
140 第1のマスタポート
200 第1のドライバ
210 第1のスレーブポート
220 第1のセンサ
230 第1の駆動部
240 第2の位置制御部
250 第2のマスタポート
260 演算部
300 第2のドライバ
(300´ 位置検出器)
310 第2のスレーブポート
320 第2のセンサ
330 第2の駆動部
400 第3のドライバ
500 第4のドライバ
【手続補正書】
【提出日】2023-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備え、
前記第1のドライバは、前記対象物の位置を検出する第1のセンサを更に有し、
前記第1の駆動部は、前記第1のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第1の位置信号、および、前記第1の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第2のドライバは、前記対象物の位置を検出する第2のセンサを更に有し、
前記第2の駆動部は、前記第2のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第2の位置信号、および、前記第2の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第1のドライバは、前記第2のマスタポートを介して取得された前記第2の位置信号に少なくとも基づいて、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正する演算部を更に有する、カメラモジュール。
【請求項2】
前記演算部は、前記第1のドライバによる前記対象物の駆動および前記第2のドライバによる前記対象物の駆動による相互干渉を低減させるように、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正する、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1のドライバは、第1のレンズが設けられた第1の対象物を駆動させ、前記第2のドライバは、第2のレンズが設けられた第2の対象物を駆動させるものである場合、前記演算部は、前記第1の対象物および前記第2の対象物が連動するように、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正する、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記演算部は、前記第2のマスタポートを介して取得された前記第2の位置信号に少なくとも基づいて、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正、または、前記第1の位置信号に基づいて、前記第2の位置制御信号を補正する請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
マスタ―スレーブ間の通信は、シリアル通信である、請求項1から4のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
光学式手ぶれ補正、オートフォーカス、および、ズームの少なくとも何れかの処理を実行可能な請求項1から5のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備え、
前記第1のドライバは、前記対象物の位置を検出する第1のセンサを更に有し、
前記第1の駆動部は、前記第1のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第1の位置信号、および、前記第1の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第2のドライバは、前記対象物の位置を検出する第2のセンサを更に有し、
前記第2の駆動部は、前記第2のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第2の位置信号、および、前記第2の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第1のドライバは、前記第2のマスタポートを介して取得された前記第2の位置信号に少なくとも基づいて、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正する演算部を更に有する、ポータブル電子機器。
【請求項8】
イメージセンサまたはレンズが設けられた対象物を移動させる第1の目標位置を示す第1の位置制御信号を生成する第1の位置制御部と、前記第1の位置制御信号を出力する第1のマスタポートと、を有する、コントローラと、
前記第1のマスタポートに接続される第1のスレーブポートと、前記第1の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第1の駆動部と、前記対象物を移動させる第2の目標位置を示す第2の位置制御信号を生成する第2の位置制御部と、前記第2の位置制御信号を出力する第2のマスタポートと、を有する、第1のドライバと、
前記第2のマスタポートに接続される第2のスレーブポートと、前記第2の位置制御信号に基づいて前記対象物に駆動力を与える第2の駆動部と、を有する、第2のドライバと、
を備え、
前記第1のドライバは、前記対象物の位置を検出する第1のセンサを更に有し、
前記第1の駆動部は、前記第1のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第1の位置信号、および、前記第1の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第2のドライバは、前記対象物の位置を検出する第2のセンサを更に有し、
前記第2の駆動部は、前記第2のセンサにより検出された前記対象物の位置を示す第2の位置信号、および、前記第2の位置制御信号に基づいて、前記対象物に駆動力を与え、
前記第1のドライバは、前記第2のマスタポートを介して取得された前記第2の位置信号に少なくとも基づいて、前記第1の位置制御信号、および、前記第1の位置信号の少なくともいずれかを補正する演算部を更に有する、位置制御システム。