(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073349
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】ランタン化合物を含むカプセル製剤及び粉末製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 33/244 20190101AFI20230518BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230518BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20230518BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230518BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230518BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230518BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
A61K33/244
A61K9/14
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/12
A61P3/00
A61P13/12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051288
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2021205188の分割
【原出願日】2011-11-30
(31)【優先権主張番号】12/958,380
(32)【優先日】2010-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィズィントン,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ピアス,デーヴィッド
(57)【要約】
【課題】新規ランタン組成物カプセルの提供。
【解決手段】シェルと、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、タルクなどの潤滑剤とを含む経口医薬品カプセルであって、ここで、前記シェルは前記炭酸ランタン又はその水和物と、潤滑剤とを封入する。カプセルシェルは、例えば、ゼラチンを含む。また、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む経口医薬品粉末を含む。本発明の経口医薬品カプセル及び粉末は、高リン血症のリスクを有する患者又は罹患している患者か、慢性腎臓病(CKD)のリスクを有する患者又は罹患している患者か、CKDに関連する軟部組織石灰化にかかりやすい又は罹患している患者か、又は二次性副甲状腺機能亢進症にかかりやすい又は罹患している患者を治療するために投与される場合がある。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせであって、前記炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物は元素ランランを含み、前記元素ランタンは粉末の重量に対して26重量%から50重量%の量である炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせ、
(2)1種類以上の希釈剤、
(3)1種類以上の流動補助剤、及び、
(4)1種類以上の潤滑剤
を含み、
前記希釈剤に対する前記元素ランタンの重量比の範囲が35.73/30.56~579/36である、
ことを特徴とする、経口医薬粉末。
【請求項2】
前記ランタン又は炭酸ランタン水和物が、
式La
2
(CO
3
)
3
・nH
2
O
を有し、式中、nは1から10までの値を有することを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項3】
nは、3から6までの値を有することを特徴とする、請求項2に記載の経口医薬粉末。
【請求項4】
前記1種類以上の希釈剤が5~50重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項5】
前記1種類以上の希釈剤が5~30重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項6】
前記希釈剤がデキストレートであることを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項7】
前記1種類以上の流動補助剤が粉末に対して0.1~4重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項8】
前記1種類以上の流動補助剤が、コロイド状二酸化ケイ素であることを特徴とする、請求項7に記載の経口医薬粉末。
【請求項9】
前記1種類以上の潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムであって、0.3重量%の量であることを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項10】
(1)68.14重量%の炭酸ランタン水和物、(2)30.56重量%のデキストレート、(3)1.0重量%のコロイド状二酸化ケイ素、および(4)0.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の経口医薬粉末。
【請求項11】
(1)炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせであって、前記炭酸
ランタン又は炭酸ランタン水和物は元素ランタンを含み、前記元素ランタンは粉末に対して26重量%~50重量%の量である炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせ、
(2)1種類以上の希釈剤、
(3)1種類以上の流動補助剤、及び、
(4)1種類以上の潤滑剤
を含み、
前記希釈剤に対する前記元素ランタンの重量比の範囲が35.73/30.56~579/36である経口医薬粉末を患者に投与し、高リン血症を治療するための医薬組成物。
【請求項12】
(1)炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせであって、前記炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物は元素ランタンを含み、前記元素ランタンは粉末に対して26重量%~50重量%の量である炭酸ランタン、炭酸ランタン水和物、又はそれらの組合わせ、
(2)1種類以上の希釈剤、
(3)1種類以上の流動補助剤、及び、
(4)1種類以上の潤滑剤
を含み、
前記希釈剤に対する前記元素ランタンの重量比の範囲が35.73/30.56~579/36である経口医薬粉末を患者に投与し、該患者を治療するための医薬組成物であって、前記患者は、(1)慢性腎臓病(CKD)のリスクを有する又は罹患している患者か、(2)慢性腎臓病(CKD)に関連する軟部組織石灰化にかかりやすい又は罹患している患者か、又は(3)二次性副甲状腺機能亢進症にかかりやすい又は罹患している患者かであることを特徴とする、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、タルクなどの潤滑剤とを封入するゼラチンシェルを含む経口医薬品カプセルを含む。本発明のカプセルは、貯蔵の前後で、同様の速度で溶解する。また、本発明は、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む経口医薬品粉末を含む。本発明の粉末は、炭酸ランタンチュアブル錠剤と類似の薬物動態特性を有する。本発明の経口医薬品カプセル及び粉末は、高リン血症のリスクを有する又は罹患している患者か、慢性腎臓病(CKD)のリスクを有する又は罹患している患者か、CKDに関連する軟部組織石灰化にかかりやすい又は罹患している患者か、二次性副甲状腺機能亢進症にかかりやすい又は罹患している患者かを治療するために投与することができる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その全体が引用により本明細書に取り込まれる、2010年12月1日出願の米国特許出願第12/958,380号を基礎とする優先権を主張する。
【0003】
高リン血症は、慢性腎不全患者又は慢性腎臓病(CKD)患者の特別な問題である。腎臓透析療法を受ける末期段階の腎疾患(ESRD)患者の約70%が、高リン血症の治療を必要とする。この病気は、重篤な骨問題と、皮膚及び主要器官の転移性の石灰化を生じる可能性があり、顕著な罹患率と死亡率を伴う。従来の透析は血液中のリン酸塩のレベルを低下させることができず、該レベルは時間と共に上昇する。上昇したリン酸塩レベルは、食事制限とリン酸塩結合剤の組み合わせを用いて処置される。また、慢性腎不全の患者は二次的副甲状腺機能亢進症にも罹患する。
【0004】
炭酸ランタンの特定の形態は、腎不全患者の高リン血症の治療に用いられている(特許文献1などを参照)。本発明の出願人が所有している特許文献2には、高リン血症を治療するために炭酸ランタンの特定の水和物の医薬品組成物を調製すること及び使用することが記載されている。本発明の出願人が所有している特許文献3及び特許文献4にも、炭酸ランタン及び炭酸ランタン水和物を含む製剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特許第1876384号公報
【特許文献2】米国特許第5,968,976号公報
【特許文献3】米国特許第7,381,428号公報
【特許文献4】米国特許第7,465,465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
チュアブル錠剤としての非カルシウム、非樹脂リン酸塩結合剤の炭酸ランタン(ホスレノール(FOSRENOL)(登録商標)、シャイア ファーマシューティカルズ(ベージングストーク,イギリス))が、透析を受けているステージ5のCKD患者の血中リンを減少させるための臨床診療で広く使用されている。炭酸ランタン錠剤を咀嚼するのが困難か、チュアブル錠剤を受け入れがたいか、又は錠剤を1日に数回噛み砕くのが面倒な患者のために、当技術分野では、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物を含む代替となる製剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、タルクなどの潤滑剤とを封入するシェルを含む経口医薬品カプセルを含む。前記カプセルのシェルは、例えばゼラチンを含む。本発明の前記カプセルは、貯蔵の前後で、同様の速度で溶解する。カプセルは、希釈剤、崩壊剤及び流動補助剤などのさらに封入される賦形剤を含む場合がある。
【0008】
また、本発明は、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む経口医薬品粉末を含む。本発明の前記粉末は、炭酸ランタンチュアブル錠剤と類似の薬物動態特性を有する。粉末は、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤及び流動補助剤などの封入される賦形剤を含む場合がある。
【0009】
本発明の前記経口医薬品カプセル及び粉末は、高リン血症のリスクを有する又は罹患している患者を治療するために投与することができる。さらに、前記経口医薬品カプセル及び粉末の使用は、患者に本発明のカプセル及び粉末を投与することにより、(1)慢性腎臓病(CKD)のリスクを有する又は罹患している患者か、(2)慢性腎臓病(CKD)に関連する軟部組織石灰化にかかりやすい又は罹患している患者か、又は(3)二次性副甲状腺機能亢進症にかかりやすい又は罹患している患者を治療することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】60℃で2週間貯蔵前後での3種類の炭酸ランタンカプセル(E341x008、E341X010及び910011)の溶解速度を比較するグラフ。
【
図2】(1)貯蔵前に打錠され(slugged)カプセル化された製剤、(2)貯蔵前に打錠されないが、カプセル化された製剤及び(3)貯蔵前に打錠され、貯蔵後にカプセル化された製剤の、60℃で1週間貯蔵前後での溶解速度を比較するグラフ。
【
図3】(1)ステアリン酸マグネシウムを含まない製剤、(2)コロイド状二酸化ケイ素を含まない製剤、(3)炭酸ランタンのみを含む製剤、(4)クロスポビドンを含まない製剤及び(5)デキストレートを含まない製剤について60℃で1週間貯蔵前後の溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図4】(1)ステアリン酸マグネシウムを含む製剤、(2)潤滑剤を含まない製剤、(3)ステアリン酸マグネシウムの代わりにベヘン酸グリセリルを含む製剤及び(4)ステアリン酸マグネシウムの代わりにフマル酸ステアリルナトリウムを含む製剤について60℃で1週間貯蔵前後での溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図5】(1)PEG 6000を含む製剤、(2)L-ロイシンを含む製剤、(3)L-ロイシン/PEG 6000を含む製剤及び(4)タルクを含む製剤について60℃で1週間貯蔵前後での溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図6】(1)ラブリタブ(LUBRITAB)(登録商標)を含む製剤及び(2)クチーナ(CUTINA)(登録商標)HRを含む製剤について60℃で1週間貯蔵前後での溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図7】(1)L-ロイシンのみを含む炭酸ランタン製剤及び(2)デキストレート、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン及びL-ロイシンを含む炭酸ランタン製剤について60℃で1週間貯蔵前後での溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図8】60℃で1週間又は50℃で1週間貯蔵前後のPEG 6000を含む炭酸ランタンカプセルについて溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図9】60℃で1週間又は2週間貯蔵前後のデキストレート、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン及びタルクを含む炭酸ランタンカプセルについての溶解プロフィル及び60℃で1週間貯蔵前後のタルクのみを含む炭酸ランタンカプセルについての溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図10】60℃で1週間貯蔵前後のデキストレート、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン及びタルクを含む炭酸ランタンカプセルについて溶解プロフィルを比較するグラフ。
【
図11】投与計画A(2x500mg カプセル)、投与計画B(2x500mg 開放カプセル(opened capsules))又は投与計画C(2x500mg チュアブル錠剤)として、炭酸ランタンの最終投与後(1000mg)のランタンの算術平均(±SD)血漿中濃度-時間プロフィルを示すグラフ。
【
図12】投与計画A(1000mg 顆粒)又は投与計画B(1000mg チュアブル錠剤)として炭酸ランタンの最終投与後(1000mg)の薬物動態解析対象集団(pharmacokinetic set)中の全患者についての血漿中ランタンの算術平均(±SD)濃度-時間プロフィルを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
カプセル及び粉末製剤は口当たりが良く、チュアブル錠剤の代替となる。チュアブル錠剤のように、カプセル及び粉末は、液体なしでの投与が可能であり、カプセル及び粉末は、水分摂取が制限されなければならない腎臓病患者にとって有利となる。カプセルは、錠剤のように咀嚼できるか、又は咀嚼が困難な患者のためにカプセルを開放することができ、内容物を舌又は食物上に散布することができる。また、カプセルは丸ごと服用することができる。粉末も舌又は食物上に散布することができ、咀嚼する必要がなく、飲み込みやすい。
【0012】
本発明は、実施例で実証されたように、封入されたタルク以外の潤滑剤はカプセルの炭酸ランタンの溶解速度を低下させるが、シェルによって炭酸ランタン水和物とタルクとを封入した場合は、経口医薬品カプセル中の炭酸ランタンの溶解速度が貯蔵によって影響を受けないという予測できない結果に基づいている。貯蔵前後での一致した溶解速度は、規制承認のために必要であり、リン酸塩結合の一致した速度と量をもたらし、保存可能期間をより長くすることができる。
【0013】
また、本発明はデキストレートと、コロイド状二酸化ケイ素と、クロスポビドンと、タルクとを含む炭酸ランタン粉末製剤が、炭酸ランタン錠剤製剤と薬力学的及び薬物動態解析的に同等であったという予測できない結果に基づいている。この結果は、特定の理論に何ら縛られることなく、粉末は微細な粉末粒子をより多く含み、表面積がより大きいため、より速い溶解と吸収をもたらす可能性があるので、粉末製剤は炭酸ランタンチュアブル錠剤と比較して、血漿中のランタンがより多量になるという仮定に反している。
【0014】
上述の炭酸ランタン粉末製剤とは対照的に、そして、上記仮定と一致して、デキストレート、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを含む炭酸ランタン粉末製剤は炭酸ランタン錠剤製剤と薬力学的に同等であったが、錠剤と比較して血漿中のランタンは30%多いという結果を示した。この増加は規制承認をより困難にするという技術的な問題を引き起こすが、増大した血漿中のランタンの量はそれでもなおチュアブル錠剤の研究の変動の範囲内であり、臨床的に有意な値ではないと考えられる。
【0015】
経口医薬品粉末
経口医薬品粉末は、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物などの活性成分と、崩壊剤、潤滑剤、希釈剤、流動補助剤又はそれらの組み合わせなどの1種類又は2種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0016】
経口用粉末の製造方法は、一般的に、所望により前記成分を篩過するステップと、前記成分を混合するステップと、粗粉末を製造するために、所望により打錠又はローラー圧縮の後に粉砕するステップと、所望により前記粗粉末を篩過するステップとを含む。
【0017】
例えば、炭酸ランタン水和物、デキストレート及びコロイド状二酸化ケイ素は、タンブルブレンダー(tumble blender)内で篩過され、混合される。クロスポビドン及びタルクはタンブルブレンダー内で篩過され、その他の成分と混合される。その後、混合粉末をローラー圧縮機に通し、材料を自由流動性粉末に粉砕するために圧縮された材料を篩に通す。
【0018】
その後、前記粉末は、小袋(sachet)か、棒状パックか、ガラス又はプラスチックボトル又はバイアルなどの硬質容器に、単位用量又はバルク量として充填される場合があり、該単位用量又はバルク量から個々の用量を当業者に既知の方法を用いて適当な測定装置で測定することができる。各小袋又は棒状パックは、炭酸ランタンとして、約200mgから約2000mgまでの元素ランタンを含む場合がある。例えば、各小袋は、炭酸ランタンとして元素ランタンを250mg、500mg、750mg又は1000mg含む場合がある。
【0019】
経口医薬品カプセル
経口医薬品カプセルは、炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物などの活性成分と、潤滑剤などのその他の任意の成分とを封入するシェルを含む。封入される材料は、上述のような粉末である場合がある。
【0020】
カプセルシェルは、硬いゲルである場合がある。硬いゲルカプセルシェルは、典型的には、本体と蓋を含む。前記本体及び蓋の材料は、ゲル化剤及び水を含む場合がある。前記ゲル化剤は、ゼラチン、加工でんぷん、カラギーナン、ジェラン、マンナンガム、アミロース、キサンタン、アルギン酸塩、寒天、グアー、アラビアゴム、ペクチン、シクロデキストリン又はこれらの組み合わせである場合があるが、これらに限定されない。前記シェルは、所望により、ゲル化塩、可塑剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、香味料、甘味料、色素、放射線遮断物、乳白剤、酸化防止剤、咀嚼物などを含む場合がある。
【0021】
ゼラチンは、骨、皮膚及び結合組織などの生成物による動物性コラーゲンの部分加水分解によって製造される場合がある。ウシ亜科及びブタのような動物がゼラチンの主要な供給源である。
【0022】
加工でんぷんは、例えば、トウモロコシ、モチトウモロコシ、ジャガイモ、小麦、米、タピオカ、モロコシなどの任意の植物源からのでんぷんの化学修飾によって得られる非老化でんぷん(non-retrograding starches)を含む。有用な加工でんぷんは、例えば、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、コハク酸塩及びオクテニルコハク酸でんぷん誘導体(octenyl succinate starch derivatives)を含むでんぷんのエーテル及びエステル誘導体である。使用される場合がある他の加工でんぷんは、上記の化学的に加工されたでんぷん由来の熱変性、流動性又は低粘度変性タイプ(thin boiling type)の生成物を含む。これらの材料は、前記加工でんぷんを加熱することにより、加水分解を起こす酸及び/又は熱処理などを前記でんぷんに施すことにより調製した、より低分子量のものの場合がある。
【0023】
カラギーナンは、海藻から得られる天然硫酸化多糖類親水コロイドであり、ガラクトース及び3-6-無水ガラクトース共重合体の混合物である。多くの異なる種類のカラギーナンのタイプが存在し(例えば、カッパ、イオタ、ラムダなど)、本発明にはこれらのいずれかのタイプが使用される場合があることが見込まれる。
【0024】
ジェランガムは、微生物、シュードモナス・エロデア(Pseudomonas elodea)の好気性発酵によって得られる細胞外多糖類である。ネイティブ、脱アセチル化、脱アシル化に分類される形態、部分的に脱アセチル化、部分的に脱アシル化に分類される形態を含むが、これらに限定されない種々のジェランガム(gellum gum)の形態が、本発明で使用される場合がある。
【0025】
マンナンガムは、ガラクトマンナンガム、グルコマンナンガム及びこれらの混合物を含む。よって、マンナンガムは、ローカストビーンガム、コンニャクガム、タラガム及びカッシアガムを含むが、これらに限定されない。
【0026】
ゲル化塩が、本発明で使用される場合がある。よって、適当な無機又は有機酸のカルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩が、本発明のカプセルのシェルを形成するために、使用される場合がある。
【0027】
また、可塑剤が、カプセル製剤のシェルに添加される場合もある。可塑剤は、例えば、グリセリン、ソルビトール、アルキレングリコール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、コーンシロップ固体(corn syrup solids)などのポリオールか、又はそれらの組み合わせの場合がある。
【0028】
色素は、インジゴチン(すなわち、FD&C青色2号)、エリトロシン(すなわち、FD&C赤色3号)及び二酸化チタンを含む場合があり、該二酸化チタンは乳白剤としても機能する。
【0029】
カプセルシェルの本体と蓋は、該シェルの重量の約10重量%から95重量%までのゲル化剤(例えば、ゼラチン)、約75重量%から約95重量%までのゲル化剤か、又は約80重量%から90重量%までのゲル化剤を含む場合がある。前記カプセルシェルの本体と蓋は、該シェルの全重量の約5重量%から40重量%までの水、約5重量%から約25重量%までの水か、又は約10重量%から20重量%までの水を含む場合がある。前記カプセルシェルの本体と蓋は、該シェルの重量の約10重量%以下の色素、約0.1重量%から約2.5重量%までの色素か、又は約1.5重量%から2.5重量%までの色素を含む場合がある。
【0030】
カプセルシェルは、例えば、カプスゲル(Capsugel)(登録商標)(ピーパック,ニュージャージー州)及びシオノギクオリカプス(Shionogi Qualicaps)(登録商標)(ホイットセット,ノースカロライナ州)から入手可能である。炭酸ランタン製剤をカプセル化するために使用可能なシェルは例えば、500mgカプセルについてはカプスゲル(登録商標)コニ-スナップ(Coni-Snap)(登録商標)サイズ00、及び375mgカプセルについてはカプスゲル(登録商標)コニ-スナップ(登録商標)0el(0長円形)である場合があり、質量は炭酸ランタン中の元素ランタンの質量に基づく。前記カプセルはチューブの形状であり、閉じた長さが約0.4インチから約1.1インチまでであり、直径が約0.18から約0.4インチまでであり、体積が約0.1から約1.4mLまでである場合がある。つまり、カプセルの蓋と本体の寸法を有するロッドを、溶融し、着色したゼラチン溶液に含浸し、ゼラチンを均等に分配するように該ロッドを回転しながら、前記蓋及び本体を凝固し、前記ロッドから前記蓋及び本体を除去し、前記蓋及び本体を互いに適合させることにより、カプセルシェルが製造される。
【0031】
粉末を含有するカプセルを製造するいくつかの方法が、当技術分野で公知である。粉末は、上記の経口医薬品粉末の章で説明したように、製造される場合がある。その後、粉末がカプセルの半分に入れられ、前記カプセルシェルのもう半分が初めの半分の上に押し込まれる。Stegemann及びBornem,“Hard gelatin capsules today-and tomorrow”,2nd Edition 2002,the Capsugel(登録商標)Library、及びTousey,“The Granulation Process 101:Basic Technologies for Tablet Making”,Pharmaceutical Technology:Tableting&Granulation 2002,8-13ページを参照せよ。
【0032】
経年劣化を加速させる条件で、カプセルを貯蔵し、貯蔵前後のカプセルの溶解能を試験することにより、保管期間中のカプセルの安定性を試験することが可能である。経年劣化を加速させる条件は、25℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃又は80℃で、1週間、2週間、3週間又は4週間又は1ヶ月間、所望により、相対湿度(RH)55%、60%、65%、70%、75%又は80%を含む。これらの条件は、反応速度(この場合、分解/不安定性)を温度と関連付けるアレニウスの式を用いて、室温条件と関連付けることができる。また、条件は、25℃/60%RH、25℃/65%RH、30℃/60%RH、30℃/65%RH、30℃/75%RH、又は40℃/75%RH、45℃/75%RHで、1週間、2週間、3週間又は4週か、又は1ヶ月間などの標準条件と国際的に認められる。貯蔵前後のカプセルは、経時的に、溶液に溶解する能力を試験することによって、比較される場合がある。例えば、実施例で説明されているように、カプセルが0.25M HCl溶液に曝露され、EDTAを用いて溶液中のランタンを滴定することにより、溶解した炭酸ランタン又は炭酸ランタン水和物の量を経時的に測定することができる。経年劣化を加速させる条件に前記カプセルを曝露した後に、溶液(例えば、0.25M HCl)中で10分、20分、30分、45分又は60分経過させた後に、本発明のカプセルは(例えば溶解したランタンの量に基づき)少なくとも60%、70%、80%、90%又は100%溶解する場合がある。例えば、本発明のカプセルは、50℃又は60℃で1週間又は2週間貯蔵された後に、0.25M HCl中で30分間経過させた後に、(溶解したランタンの量に基づき)少なくとも80%溶解する場合がある。
【0033】
炭酸ランタン及び炭酸ランタン水和物
本明細書で用いられるところの「炭酸ランタン」は、無水炭酸ランタンとあらゆる水和形態の炭酸ランタンを包含する。
【0034】
本発明のカプセル及び粉末製剤は、xが0から10までの値である、一般式La2(CO3)3・xH2Oを有する炭酸ランタンを含む場合がある。好ましくはxが3から8までの値であり、望ましくはxが3から6までの値である。最も好ましくは、xが約4ないし5の平均値である場合がある。ランタン化合物の水和レベルは、粉末X線回折(XRPD)などの当技術分野で周知の方法で測定できる。
【0035】
粉末中か、又はカプセルのシェル内に封入された炭酸ランタンの量は、粉末又はカプセルの内容物の全重量に対して、約50重量%から約95重量%までの範囲であり、好ましくは約75重量%から約90重量%までの範囲であり、最も好ましくは約85重量%から約90重量%までの範囲である。一実施態様では、粉末中又はカプセルのシェルに封入された炭酸ランタンの量は、粉末又はカプセルの内容物の全重量に対して、約87重量%である。
【0036】
粉末中か、又はカプセルのシェルに封入された炭酸ランタンとしての元素ランタンの量は、粉末又はカプセルの内容物の全重量に対して、約26重量%から約50重量%までの範囲であり、好ましくは約35重量%から約50重量%までの範囲であり、最も好ましくは約40重量%から約50重量%までの範囲である。一実施態様では、粉末中又はカプセルのシェルに封入された炭酸ランタンとしての元素ランタンの量は、粉末又はカプセルの内容物の全重量に対して、約45重量%である。
【0037】
炭酸ランタン粉末を含む小袋又は炭酸ランタンカプセル中の元素ランタンの量は、250mg、350mg、500mg、750mg又は1000mgである場合があり、好ましくは250mg、350mg又は500mgである。
【0038】
カプセル化又は経口医薬品粉末用の付加的成分
経口用粉末又はカプセルのシェルによるカプセル化に用いられる場合がある付加的成分(すなわち、薬学的に許容可能な賦形剤)は、希釈剤、潤滑剤、流動補助剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、香味料、酸化防止剤及び甘味料を含む。前記付加的成分は、腎臓に障害がある患者に経口投与するのに適さなければならない。
【0039】
粉末又はカプセルの内容物の全重量に対して、希釈剤が約5重量%から約50重量%までの量で製剤に添加される場合がある。希釈剤の全量は、製剤の粉末又はカプセルの内容量の全重量に対して、約5重量%から約30重量%までであり、好ましくは約5重量%から約20重量%までであり、最も望ましくは約5重量%から約10重量%までである場合がある。
【0040】
希釈剤は、単糖、二糖、硫酸カルシウム二水和物、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、エリトリトール、ポリデキストロース、デキストリン、でんぷん、マルトデキストリン、乳酸カルシウム三水和物、微結晶性セルロース(ジーエフエス ケミカルズ(パウエル,オハイオ州)から入手可能なアビセル(商標)など)、加水分解シリアル固形物(hydrolyzed cereal solids)(マルトロンズ又はモア-レックス(Mor-Rex)(商標)など)、アミロース又はグリシンを含む。1種類又は2種類以上の希釈剤が、製剤に存在する場合がある。
【0041】
本発明の製剤に使用される適当な単糖は、D型又はL型のいずれかの、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アロース、タロース、グロース、マンノース、(例えば、コーンシロップの形態の)グルコース、イドース、ガラクトース、アルトロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシロケトース、プシコース、タガトース、ソルボース、フルクトース、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール及びマンニトールと、これらの誘導体と、これらに類するものとを含むが、これらに限定されない。本発明で使用される単糖は、(アルファ型かベータ型かの)環状か、又は非環状の場合があり、混合物として本発明で使用される場合もある。他の適した単糖は、デキストロース(フィッシャー サイエンティフィック(ハンプトン,ニューハンプシャー州)から入手可能なセレロース(商標)などのD-グルコース)を含む。
【0042】
本発明で使用される適当な二糖は、(例えば、ドミノ フーズ(ボルティモア,メリーランド州)から入手可能なジ-パック(商標)、ジェイアールエス ファーマ(パターソン,ニューヨーク州)から入手可能なシュガータブ(商標)、粉砂糖又はNutabの形態の)スクロース、(無水ラクトース及びラクトース一水和物を含む)ラクトース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、トレハロース、(ロケット(レトレム,フランス)から入手可能なリカシン(商標)の形態の)マルチトール、イソマルト、ラクチトール及びこれらの混合物と、誘導体と、これらに類するものとを含むが、これらに限定されない。また、本発明の二糖はグリコシド結合によって結合する2個の単糖のあらゆる組み合わせを含む。二糖は、(すなわち、同じ単糖2個からなる)ホモ二糖か、(すなわち、異なる単糖2個からなる)ヘテロ二糖かの場合がある。さらに、単糖と二糖とを同一の製剤中で使用することができる。
【0043】
他の適当な単糖及び二糖が、レミントン:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition,A.R.Gennaro editor,Lippincott Baltimore,Md.:Williams and Wilkins,2000))409-413ページ、及びBiochemistry(2nd Edition,Voet and Voet,New York:John Wiley&Sons,Inc.,1995)251-276ページで確認される。また、単糖及び/又は二糖を含む加水分解でんぷんを本発明の製剤で使用することができる。
【0044】
また、デキストレートを単糖/二糖希釈剤として使用することができる。本明細書で用いられるところの「デキストレート」は、大部分(例えば、乾燥物換算で約93.0%以上99.0%以下)がデキストロースで、でんぷんの制御された酵素加水分解の結果として生じる糖類の精製された混合物をいう。デキストレートは、無水又は水和物の場合がある。「デキストレート」は、(2003;カナダのトロントでウェブコム リミテッドにより印刷された)ナショナル フォーミュラリー 21の公式研究論文で定義されるデキストレートをいう場合がある。デキストレートは、エムデックス(商標)としてジェイアールエス ファーマ(パターソン,ニューヨーク州)から入手可能である。
【0045】
有用な潤滑剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、鉱物油(流動パラフィン)、ポリエチレングリコール、シリカ、コロイド状無水シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、硬化植物性油脂、ベヘン酸グリセリン、L-ロイシン、L-ロイシン/ポリエチレングリコール 6000、ポリエチレングリコール 6000又はモノステアリン酸グリセリンから選択可能である。有用な流動補助剤は、例えば、シリカ、コロイド状無水シリカ又はコロイド状二酸化ケイ素から選択可能である。一般に、潤滑剤は製剤が処理装置に付着するのを防ぐのに対して、流動補助剤は処理している間に製剤がスムーズに流れるようにする。一成分が、潤滑剤にも流動補助剤にもなる場合がある。1種類又は2種類以上の潤滑剤が製剤中に存在する場合がある。1種類又は2種類以上の流動補助剤が製剤中に存在する場合がある。一実施態様では、前記潤滑剤がタルクであり、前記流動補助剤がコロイド状二酸化ケイ素である場合がある。
【0046】
前記潤滑剤の量は、製剤の粉末又はカプセル内容物の約0.01重量%から約0.05重量%までであり、好ましくは約0.01重量%から約0.04重量%までであり、最も望ましくは約0.01重量%から約0.03重量%までである場合がある。前記流動補助剤は、製剤の粉末又はカプセル内容物の重量の約0.1重量%から約4重量%まで、好ましくは約0.1重量%から約3重量%まで、最も望ましくは約0.1重量%から約2重量%までである場合がある。
【0047】
崩壊剤は、クロスポビドンと、クロスカルメロースナトリウムと、でんぷんグリコール酸ナトリウム及びトウモロコシアルファでんぷん(pregelatinized corn starches)などのでんぷんと、粘土と、精製セルロース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースと、アルギン酸塩と、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、ペクチン及びトラガカントガムなどのガムとから選択される場合がある。1種類又は2種類以上の崩壊剤が、製剤に存在する場合がある。崩壊剤の全量は、製剤の粉末又はカプセル内容物の重量の約1.0重量%から約15重量%まで、好ましくは約3重量%から約10重量%まで、最も望ましくは約3重量%から約5重量%までである場合がある。
【0048】
併用療法
炭酸ランタン粉末及びカプセルは、ビタミンD、カルシウム源、ビタミンK又はこれらの組み合わせとともに投与される場合がある。これらの付加成分は、前記炭酸ランタンとともに混合してか、又は別々に投与される場合がある。
【0049】
高リン血症又はCKDの症状に罹患している患者は、ビタミンDが欠乏していることが多い。25-ヒドロキシビタミンD2のレベルは、約16ng/mL未満の値と低く、補充治療は約16ng/mL以上のレベルを目標とする。1,25-ジヒドロキシビタミンD2のレベルは約22pg/mL未満の値と低く、補充治療は約22pg/mLより大きいレベルを目標とする。このように、炭酸ランタンと、ビタミンD又はビタミンD類似体とを含む製剤を製造し、患者へ投与することか、又は炭酸ランタンを含む別個の製剤と、ビタミンD又はビタミンD類似体を含む別個の製剤とを患者に投与することが望まれている。
【0050】
使用される場合があるビタミンD源の例は、1,25-ジヒドロキシ-ビタミンD、ビタミンDの活性代謝物(カルシトリオール、ロカルシトロール(rocalcitrol))を含む。適当なビタミンD類似体の例は、ドキセルカルシフェロール(ジェンザイム(ケンブリッジ,マサチューセッツ州)から入手可能なヘクトロール(Hectorol(商標))及びパリカルシトール(アボット ラボラトリーズ(アボットパーク,イリノイ州)から入手可能なゼムプラー(Zemplar(商標))を含む。1種類又は2種類以上のビタミンD源又ビタミンD類似体が、製剤に存在する場合がある。
【0051】
ビタミンDが別個の投薬形態で投与されるとき、治療を必要とする患者にビタミンDが1日1回投与される場合がある。
【0052】
高リン血症患者又はCKDの症状に罹患している患者は、低カルシウム血症(すなわち、約8.5mg/dL未満の血中カルシウム濃度)に罹患することが多い。よって、本発明の製剤は、炭酸ランタンと、カルシウム源とを含む場合がある。
【0053】
カルシウムの形態の例は、炭酸カルシウム(例えばグラクソ スミスクライン(アクスブリッジ,イギリス)から入手可能なトゥムズ(Tums(商標))など)と、酢酸カルシウム(例えばフレゼニウス(ウォルサム,マサチューセッツ州)から入手可能なフォスロ(PhosLo(商標))など)と、CaCl2とを含む。1種類又は2種類以上のカルシウム源が、製剤に存在する場合がある。
【0054】
また、カルシウム源が別個の投与形態で投与される場合があり、場合によっては、本発明の投与形態と同時に投与される場合がある。特定の実施態様では、カルシウムを含む1-2錠の錠剤が、治療を必要とする患者に1日1-3回投与される。
【0055】
高リン血症又はCKDの症状に罹患している患者は、ビタミンKが欠乏している場合がある。本発明の別の実施態様では、本発明の製剤は、ビタミンK欠乏症を軽減するために、高リン血症又はCKDの症状に罹患している患者にビタミンKと組み合わせて投与される。ビタミンK源の例は、ビタミンK1(フィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)及びビタミンK3(メナジオン)を含む。
【0056】
ビタミンKは、ランタン製剤と同じ製剤中で組み合わせられる場合か、又はランタン製剤と異なる製剤で投与される場合がある。特定の実施態様では、2.5ないし25mgのビタミンK1が、治療を必要とする患者に1日1回投与される。
【0057】
治療方法
高リン血症のリスクを有する又は罹患している患者か、慢性腎臓病(CKD)のリスクを有する又はステージ1ないしステージ5のCKD患者か、CKDに関連する軟部組織石灰化にかかりやすい又は罹患している患者か、二次性副甲状腺機能亢進症にかかりやすい又は罹患している患者か、リン酸塩吸収の制御を必要とする今のところ未発見の他の疾病にかかりやすい又は罹患している患者かを、本発明の炭酸ランタン粉末又はカプセル製剤の治療有効量を投与することにより治療することができる。
【0058】
本明細書で用いられるところの「治療する」、「治療すること」又は「治療」という用語は、高リン血症か、慢性腎臓病(CKD)か、重篤な骨の問題か、軟部組織石灰化か、二次性副甲状腺機能亢進症か、又はリン酸塩吸収の制御を必要とする今のところ未発見の他の疾病かの予防(prevention)か、低減(reduction)か、改善(amelioration)か、部分的又は完全な軽減(alleviation)か、治癒(cure)かを意味する。
【0059】
さらに本明細書で用いられるところの「患者」という用語は、哺乳類(例えば、イヌ又はネコのような家畜のようないずれかの獣医学の患者)又はヒト患者をいう。
【0060】
本明細書で用いられるところの「薬学的に有効な量」又は「治療的に有効な量」は、(i)患者の血清中リン酸塩レベルを検出可能な程度に減少させるのに十分であるか、又は(ii)患者の血清中リン酸塩レベルを実質的に一定に維持するのに最小の炭酸ランタンの量又は投与量である。
【0061】
高リン血症か、CKDか、CKDに関連する軟部組織石灰化か、二次性副甲状腺機能亢進症かの疾病のリスクを有する患者か、該疾病を有する患者かの「症状」という用語は、患者により経験され腎機能障害を示すいずれかの機能上又は構造上の異常の場合がある。一例として、他の異常の中でも、体重及び筋肉量に対する正常範囲を超える血清中クレアチニン濃度か、約4.5mg/dLを超える血中リン酸塩レベルか、腎臓から尿へのいずれかの検出可能な血液量か、0.3mg/mgを超えるタンパク質対クレアチニン比率か、30mg/gを超えるアルブミン対クレアチニン比率か、約150pg/mLを超える血中のインタクトな副甲状腺ホルモン(PTH)の濃度(第二世代副甲状腺ホルモンアッセイ(second generation parathyroid hormone
assay))か、約90mL/min/1.73m2未満の糸球体濾過量(GFR)
かのうちの1種類又は2種類以上の症状が、CKDのリスクか、CKDの存在かを示す場合がある。
【0062】
高リン血症にかかりやすい又は罹患している患者は、本発明の炭酸ランタン製剤の治療有効量を投与することにより治療することができる。本明細書で使用されるところの高リン血症は、約4.5mg/dLを超える血中リン酸塩レベルを有する患者の状態をいう。
【0063】
米国腎臓病財団-腎臓病患者の予後改善機構(The National Kidney Foundation-Kidney Disease Outcomes Quality Initiative、以下「NKF-K/DOQI」又は「K/DOQI」という。)は、慢性腎臓病(CKD)を(1)糸球体濾過量(GFR)の減少の有無に関わらず、腎臓の構造上又は機能上の異常により定義される腎臓の損傷を3ヶ月間以上にわたり有する疾病、又は、(2)腎臓の損傷の有無に関わらず、GFRが3ヶ月間以上にわたり60mL/min/1.73m2未満である疾病と定義している。構造上又は機能上
の異常は、画像研究又は血液組成若しくは尿組成において特定される異常を含む、病理学的な異常のような症状か、腎臓損傷の指標かにより明らかにされる。
【0064】
腎臓損傷の指標の例は、体重及び筋肉量に対する上述の正常範囲を超える血漿中クレアチニン濃度を含む。腎臓の損傷の付加的な指標は、血尿(すなわち、腎臓から尿へのいずれかの検出可能な血液量)か、タンパク尿(すなわち、0.3mg/mgを超えるタンパク質対クレアチニン比率)か、アルブミン尿(すなわち、30mg/gを超えるアルブミン対クレアチニン比率)か、約150pg/mLを超える血中のインタクトな副甲状腺ホルモン(PTH)の濃度(第二世代副甲状腺ホルモンアッセイ)か、約4.5mg/dLを超える血中リン酸塩レベルかを含む場合がある。腎臓病のある特異的な指標は、正常値未満のGFR比率(すなわち、約90mL/min/1.73m2未満のGFR)である。
【0065】
K/DOQIは、CKDの異なる5つのステージを定義するガイドライン(Am J Kidney Dis.2001,37(suppl 1):S1-S238)を公表している。以下の表は、CKDの5つの各々の前記ステージと、各々の前記ステージに対するGFRの範囲との説明を提供する。
【0066】
【0067】
CKD患者における高リン血症は、複数の副次的効果を有する。患者が高リン血症に罹患すると、過剰な血清中リン酸塩が血清中カルシウムを沈殿させ、広範な異所骨外性石灰化を引き起こす。不要なカルシウムの沈着が循環器組織において生じ、死を招くことも多い循環器の合併症のリスクの増大を招く場合がある。加えて血清中リン酸塩の増大は、間接的に、腸管のカルシウム吸収を減少させる。これらの2つの機構が、血清中カルシウムレベルを低減するために同時に働く。
【0068】
血清中カルシウムレベルの低減は、二次性副甲状腺機能亢進症の発症に伴う副甲状腺ホルモン(PTH)の産生の増大に寄与する場合がある。さらに近年の研究は、高リン酸塩レベルがPTH産生を直接刺激し、二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こす場合があることを示す。PTH分泌の継続的な刺激は、最終的には、副甲状腺摘出が必要となる場合がある副甲状腺の過形成を誘発する。
【0069】
炭酸ランタン粉末又はカプセル製剤の投与を含む本発明の方法は、血漿中リン酸塩レベルを低減するだけでなく、高リン血症を含む第1ステージないし第5ステージのいずれかのステージのCKDと、異所骨外性石灰化と、血清低カルシウム血症と、二次性副甲状腺機能亢進症とにかかりやすい又は罹患している患者におけるCKDの影響を改善すると考えられる。しかし、本発明はいずれかの特定の生化学的又は生理学的な機構に限定されないことが理解されるべきである。
【0070】
本発明の炭酸ランタン粉末又はカプセル製剤の治療有効量を患者に投与することにより、慢性腎臓病(CKD)の1種類又は2種類以上の症状を有する患者を治療することができる。治療される患者は、CKDのリスクを有する場合か、第1ステージないし第5ステージのいずれかのステージのCKDを有する場合かがある。治療される場合のある、CKDのリスクを有する患者か、第1ステージないし第5ステージのいずれかのステージのCKD患者かは、約4.5mg/dLを超える血中リン酸塩レベルか、体重及び筋肉量に対する正常範囲を超える血漿中クレアチニン濃度か、腎臓から尿へのいずれかの検出可能な血液の量か、0.3mg/mgを超えるタンパク質対クレアチニン比率か、30mg/gを超えるアルブミン対クレアチニン比率か、約150pg/mLを超える血中のインタクトな副甲状腺ホルモンの濃度(第二世代副甲状腺ホルモンアッセイ)か、異常なGFRか、又はそれらの組合せかのうちの1種類又は2種類以上の症状を有する場合がある。
【0071】
本発明の炭酸ランタン粉末又はカプセル製剤の治療有効量を患者に投与することにより、CKDの1種類又は2種類以上の症状を有する患者におけるCKDに関連する軟部組織石灰化を治療することができる。石灰化は、任意の軟部組織において生じる場合がある。軟部組織は、動脈組織、心筋、心臓弁、関節、皮膚及び乳房組織を含む場合がある。
【0072】
本発明の炭酸ランタン粉末又はカプセル製剤の治療有効量を患者に投与することにより、二次性副甲状腺機能亢進症の1種類又は2種類以上の症状を有する患者をある程度治療することができる。副甲状腺機能亢進症は、インタクトなPTHのレベルが約150pg/mL以上(第二世代副甲状腺ホルモンアッセイ)である患者における疾病と定義される。末期の副甲状腺機能亢進症の前記症状は、低カルシウム血症(すなわち、約8.5mg/dL未満の血中カルシウムレベル)、高リン血症(すなわち、約4.5mg/dLを超える血中リン酸塩レベル)及び骨障害(例えば骨折又は骨痛)を含む。
【0073】
医薬品粉末及びカプセルの投与
本発明に従い炭酸ランタン粉末及びカプセル製剤は、食事と同時又は食事の直後に、炭酸ランタンとして元素ランタンを約125から約2000mgまでの異なる投与形態で患者に経口投与される場合がある。成人に対する典型的な用量は、例えば1日当たり375mg-6000mgの炭酸ランタンとしての元素ランタンである場合がある。より好ましくは、前記用量は375-3750mg/日である。前記用量は、例えば250、500、750又は1000mgの小袋か、又は250、375又は500mgのカプセルを、例えば1日3回というように毎回の食事と一緒に分割し、摂取される場合がある。血清中リン酸塩レベルは週に1回監視される場合があり、用量は最適な血清中リン酸塩レベルに到達するまで修正される場合がある。投与は、連続的な投与計画で実施される場合があり、かかる投与計画は慢性的疾病を治療するために、例えば永続的な投与計画のような長期間の投与計画の場合がある。カプセルは、錠剤のように咀嚼される場合か、又は咀嚼が困難な患者のためにカプセルが開放される場合があり、内容物が舌又は食物上に散布される場合がある。また、カプセルは丸ごと服用される場合がある。粉末も舌又は食物上に散布される場合か、又は少量の水又はソフトドリンクに混合される場合もある。
【0074】
製剤の投与後のランタンの生物学的利用能(血漿中に吸収され、変化しない用量のパーセンテージ)は非常に低く(すなわち、約0.001%)、1日3回の炭酸ランタンチュアブル錠剤による1000mgの典型的な投与後に、定常状態の健常者(healthy volunteers)では約0.7ng/mL未満の平均最大血漿濃度(Cmax)と、約24ng・h/mL未満の平均AUC(血漿濃度-時間曲線の下の面積)に相当し、透析患者ではそれぞれ約1.1ng/mLの平均最大血漿濃度(Cmax)と約31ng・h/mLの平均AUC(血漿濃度-時間曲線の下の面積)に相当する。典型的には、Tmax(Cmaxに初めて到達する時間)値は基本的に用量の影響を受けず、Cmax値及びAUC値は約1500mg/日までの経口投与に対しては用量に応じて直線的に変化する。典型的には、Cmax値及びAUC値は、約1500mg/日を超える用量に対してはプラトーとなる。ランタンの血漿中濃度は代替となる安全指標であるので、代替製剤は、チュアブル錠剤製剤の同等の用量で達成されるランタンの血漿中濃度と比較して実質的に高くないか、又は臨床的に有意な程度まで血漿中ランタン濃度を供給しなければならない。
【0075】
炭酸ランタン製剤の種類と、治療の期間とは、個々の患者の治療に対する必要性に応じて変更されることが理解されるだろう。体重、年齢及び特定の症状のような因子を特に考慮する担当医師又は獣医師により、緻密な投与計画が決定されるだろう。前記医師又は獣医師は、治療のための正しい用量を決定するために、患者に投与される炭酸ランタンの用量を漸増させる場合がある。例えば医師は、患者におけるリン酸塩レベルを測定し、患者に特定の用量の炭酸ランタンを1週間処方し、その1週間後に患者のリン酸塩レベルを再測定することにより該用量が適当かどうかを評価する場合がある。
【実施例0076】
実施例1-12:500mgの炭酸ランタン水和物速放性カプセルの適合性研究
カプセルの溶解特性を測定し、貯蔵後に溶解が影響を受けないことを保証するために、炭酸ランタンの水和物速放性カプセルが研究された。
【0077】
実施例1-3は、炭酸ランタンカプセルの貯蔵後に観察された溶解の減少の原因を調べる。これらの実験に基づいて、カプセルシェルのゼラチン及び封入されたステアリン酸マグネシウムが溶解の減少を引き起こしたと仮定された。ステアリン酸マグネシウムの代替となる潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムの代わりに評価された。実施例4-9、11及び12は、ステアリン酸マグネシウムを置き換えるための代替となる潤滑剤を含むカプセルの溶解特性を調べる。実施例10は、実施例11及び12で試験されたカプセルを製造する方法を開示する。
【0078】
下記の実施例1-9、11及び12では、500mgの炭酸ランタン水和物速放性カプセル中に含まれる炭酸ランタンの溶解速度を測定するために、以下の溶解方法がそれぞれ用いられた。
【0079】
溶液の調製
溶解溶媒の調製(0.25M HCl)
0.25M HClを10リットル調製するために、232.5mLの(メルク(ダルムシュタット,ドイツ)から入手可能な)37%HClが10L容量フラスコ内に移され、脱イオン水を用いて体積いっぱいまで満たされた。前記体積が、必要に応じて計量された。
【0080】
ウロトロピン(Urotropin)溶媒(1mol/L)(ヘキサミン)
35.0gの(ブイダブリューアール(ウェストチェスター,ペンシルベニア州)から入手可能な)ウロトロピン(ヘキサメチレンテトラミン)が250mL容量フラスコ中に溶解され、精製水が体積まで注がれた。
【0081】
酢酸ナトリウム緩衝液pH6.2(0.2mol/L)
16.4gの(メルク(ダルムシュタット,ドイツ)から入手可能な)酢酸ナトリウムが、精製水が体積まで注がれた1000mL容量フラスコ内で溶解され、(メルク(ダルムシュタット,ドイツ)から入手可能な)酢酸を用いてpH6.2に調整された。
【0082】
キシレノールオレンジ指示薬溶液
10mgの(メルク(ダルムシュタット,ドイツ)から入手可能な)キシレノールオレンジテトラナトリウム塩が10mL容量フラスコで5mLの(メルク(ダルムシュタット,ドイツ)から入手可能な)エタノールに溶解され、精製水を用いて体積まで希釈された。溶液は、1週間後に使用期限切れとなった。
【0083】
EDTA二ナトリウム(0.001mol/L)容量分析用標準溶液
容量分析用標準溶液は、商業的に入手可能な(フルカ/シグマアルドリッチ(セントルイス,ミズーリ州)から入手可能な)標準0.01mol/L EDTAの1/10体積希釈を用いて調製された。
【0084】
経時的なカプセル溶解の測定
溶解させるために、6×900mLの溶解容器を備えた(ソータックス(ホプキントン,マサチューセッツ州)から入手可能な)ソータクッス AT7 スマート、6個の対応するパドル(USPタイプII、50rpm)、及びUSP装置2及びJP法2の基準に適合するワットマンGF/D(2.7μmガラス繊維)フィルターが、用いられた。900mLの溶解溶媒が、37℃±0.5℃の溶解槽中で少なくとも30分間平衡に保たれた。その後、1個のカプセルが前記溶解溶媒中に投入された。5、10、15、30及び45分後に、15mLの前記溶媒が、自動分画採取器を用いて除去された。各時点で、15mL 0.025M HClが、除去された溶媒と置き換えられた。
【0085】
試料中のランタンイオンを定量するために、pH6.2の0.2mol/L酢酸ナトリウム溶液40mLが、2.5mLの除去された溶媒に添加された。その後、0.25mLのキシレノールオレンジ指示薬溶液が添加され、1mol/Lヘキサミン又は0.25mol/L HClを用いてpHが5.5±0.1に調整された。その後、試料は、開始時の桃色/薄紫色から終点の淡黄色まで、0.001mol/L EDTA二ナトリウム溶液を用いて滴定された。前記EDTA溶液の量は、前記溶媒中のランタンイオンの量と相関があった。酸化ランタン(III)(La2O3)(シグマアルドリッチ(セントルイス
,ミズーリ州)から入手可能なフルカ04052)が、滴定分析で溶液中のランタンイオンの量の標準品として使用された。製剤及び条件当たり2個又は3個のカプセルが、通常試験された。このように少量のカプセルによって、試験時に溶解速度が実験変数により影響されるかを確実に調べることができることが初期の研究から明らかであった。
【0086】
実施例1-9で試験されたカプセル製剤の製造
混合前に、成分が1.00mmの篩を用いて篩過された。炭酸ランタンと、(存在する場合は)デキストレートと、(存在する場合は)崩壊剤とが、10分間混合された。その後、(存在する場合は)コロイド状二酸化ケイ素が添加され、2分間混合された。(存在する場合は)潤滑剤が添加され、さらに2分間混合された。大きな錠剤を得るために打錠した後か、ローラー圧縮した後に、前記混合物は、スラッグ錠(slugs)が製造された元の粉末と比較して、より流動特性が良い粗粉末に粉砕された。(特に明記しない限り、混合物は粉砕前に打錠された。)その後、前記混合物は、再度、1.00mmの篩を用いて篩過された。
【0087】
カプスゲル(登録商標)(ピーパック,ニュージャージー州)は、炭酸ランタン粉末を封入するために以下の組成を有するコニ-スナップ(登録商標)硬ゼラチンカプセルサイズ00(体積0.95mL;閉じた長さ0.917インチ)を供給した。前記カプセルシェルの蓋は、0.1779重量%インジゴチン(すなわち、FD&C青色2号)、0.171重量%エリトロシン(すなわち、FD&C赤色3号)、1.4779重量%二酸化チタン、13-16重量%水及び残部としてゼラチンを含有した。
また、バッチナンバー900911のカプセルは、25℃/60%RH、30℃/60%RH及び45℃/75%RHで1ヶ月間貯蔵された。全貯蔵条件で、貯蔵されたカプセルの溶解速度は貯蔵前と比較して低下した。貯蔵後のカプセルは、30分後に80%未満が溶解した。