(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073973
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】発光装置、光源装置及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20230519BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230519BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230519BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230519BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
F21S2/00 250
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173751
(22)【出願日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2021186697
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 和明
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA14
5F142BA14
5F142BA23
5F142CA02
5F142CC03
5F142CC14
5F142CC26
5F142CG04
5F142CG23
5F142CG27
5F142CG32
5F142DA12
(57)【要約】
【課題】配光を狭めた発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置100は、発光素子20と、発光素子20が載置される第1リード12と、発光素子20と導電部材21を介して電気的に接続され、第1リード12と離れて第1方向であるX方向に沿って配置される第2リード11と、発光素子20を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材40と、を備え、モールド樹脂部材40は、発光素子20の上方に位置するレンズ部43と、第1リード12と第2リード11とを固定する固定部41と、レンズ部43と固定部41との間に位置し、レンズ部43との境界から固定部41との境界に向かって少なくとも一部が広がり傾斜する傾斜部42と、を備え、発光素子20は、固定部41内に配置されている。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子が載置される第1リードと、
前記発光素子と導電部材を介して電気的に接続され、前記第1リードと離れて第1方向に沿って配置される第2リードと、
前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材と、を備え、
前記モールド樹脂部材は、
前記発光素子の上方に位置するレンズ部と、
前記第1リードと前記第2リードとを固定する固定部と、
前記レンズ部と前記固定部との間に位置し、前記レンズ部との境界から前記固定部との境界に向かって少なくとも一部が広がり傾斜する傾斜部と、を備え、
前記発光素子は、前記固定部内に配置されている、発光装置。
【請求項2】
前記傾斜部は、前記傾斜部の表面である傾斜面を有し、
前記傾斜面は、平面視において、前記レンズ部の頂点を通り、前記第1方向に平行な第1直線上に配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記傾斜面は、平面視において、前記レンズ部の前記頂点を通り、前記第1方向に直交する第2方向に平行な第2直線上に配置される、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1リード及び前記第2リードは、前記モールド樹脂部材から露出している接続端部を有している、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
平面視において、前記固定部の外周は、前記レンズ部の外周よりも大きい請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記傾斜部は、凹凸のない前記傾斜面を有する請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項7】
前記傾斜部は、湾曲する前記傾斜面を有する請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1方向及び第3方向に沿って切った断面において、前記発光素子から出射された光のうち前記傾斜部における前記レンズ部との接続点を通る光は、前記傾斜部における前記レンズ部との接続点を通る前記第1方向に平行な直線上、又は前記平行な直線から下方に出射され、
前記第3方向は、前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1リードは、側壁と底平面とで画定する凹部を有し、前記凹部の底平面に前記発光素子が載置される請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記傾斜部は、前記凹部の側壁の上縁よりも上方に位置する請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1方向及び第3方向に沿って切った断面において、前記傾斜部における前記固定部との接続点は、前記凹部の側壁の上端部を通り、前記第1方向と平行な直線と、前記傾斜部に近接する前記発光素子の側面の上端部と前記凹部の側壁の上端部とをつなぐ直線と、の間に位置し、
前記第3方向は、前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である、請求項9又は請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記固定部の上縁は、前記凹部の上端部と同じ、または、前記凹部の上端部よりも上方に位置する請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1方向における前記傾斜部の傾斜角度は、前記第2方向における前記傾斜部の傾斜角度よりも大きい、請求項3に記載の発光装置。
【請求項14】
前記レンズ部及び前記固定部は、平面視が略楕円形である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
平面視において、前記第1方向の前記固定部の長さは、3.4mm以上4.4mm以下である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項16】
平面視において、前記第1方向と直交する第2方向の前記固定部の長さは、2.5mm以上3.5mm以下である請求項1に記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である第3方向において、前記レンズ部の最も長い長さは、0.5mm以上3.5mm以下である請求項1に記載の発光装置。
【請求項18】
前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である第3方向において、前記モールド樹脂部材の最も長い長さは、5.5mm以上9.5mm以下である請求項1項に記載の発光装置。
【請求項19】
前記レンズ部、前記傾斜部及び前記固定部は、一体に形成されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項20】
一対の第1リード及び第2リードが繰り返し連結部により連結された連結体の前記第1リードに発光素子が載置され、前記発光素子と前記第2リードとが導電部材を介して電気的に接続された中間体を準備する工程と、
複数の凹みを有するキャスティングケースにおいて、前記凹み内にモールド樹脂部材の材料を充填する工程と
前記モールド樹脂部材の材料が充填された前記凹み内に前記中間体を挿入し、前記一対の第1リード及び第2リードごとに、前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材を形成する工程と、
前記一対の第1リード及び第2リードとなるように、前記連結体の連結部を切り離す個片化工程と、を含み、
前記モールド樹脂部材の材料を充填する工程において、前記キャスティングケースは、前記キャスティングケースの底側にレンズ部開口と、前記レンズ部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって広がり傾斜する傾斜部開口と、前記傾斜部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって配置される固定部開口と、を備え、
前記モールド樹脂部材を形成する工程は、前記発光素子を前記固定部開口内に配置する、発光装置の製造方法。
【請求項21】
複数の発光装置と、前記発光装置が載置された実装基板と、を備え、
前記複数の発光装置は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置であり、
前記傾斜部は、前記第1方向において、前記レンズ部を介して対向して配置されており、
前記複数の発光装置は、前記第1方向に平行な方向に配置されている、光源装置。
【請求項22】
前記複数の発光装置は、前記第1方向に平行に複数行配置され、前記複数行の隣り合う行に亘る前記発光装置の3つを1組として、各組の3つの前記発光装置の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に載置される請求項21に記載の光源装置。
【請求項23】
隣り合う前記発光装置間に前記モールド樹脂部材の一部が埋設されるように、防水部材を備える、請求項21または請求項22に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置、光源装置及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置として、砲弾型の発光装置が知られている。例えば特許文献1には、出射面がyz平面における曲率よりもzx平面における曲率の方が小さいLEDモジュールが開示されている。また、例えば特許文献2には、発光素子から出射された光の一部が、全反射領域で全反射された後、光反射部で反射され、全反射領域から前方へ出射される光学装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-040910号公報
【特許文献2】特開2002-094129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、配光を狭めた発光装置、光源装置及び発光装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される発光装置は、発光素子と、前記発光素子が載置される第1リードと、前記発光素子と導電部材を介して電気的に接続され、前記第1リードと離れて第1方向に沿って配置される第2リードと、前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材と、を備え、前記モールド樹脂部材は、前記発光素子の上方に位置するレンズ部と、前記第1リードと前記第2リードとを固定する固定部と、前記レンズ部と前記固定部との間に位置し、前記レンズ部との境界から前記固定部との境界に向かって少なくとも一部が広がり傾斜する傾斜部と、を備え、前記発光素子は、前記固定部内に配置されている。
【0006】
実施形態に開示される発光装置の製造方法は、一対の第1リード及び第2リードが繰り返し連結部により連結された連結体の前記第1リードに発光素子が載置され、前記発光素子と前記第2リードとが導電部材を介して電気的に接続された中間体を準備する工程と、複数の凹みを有するキャスティングケースにおいて、前記凹み内にモールド樹脂部材の材料を充填する工程と、前記モールド樹脂部材の材料が充填された前記凹み内に前記中間体を挿入し、前記一対の第1リード及び第2リードごとに、前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材を形成する工程と、前記一対の第1リード及び第2リードとなるように、前記連結体の連結部を切り離す個片化工程と、を含み、前記モールド樹脂部材の材料を充填する工程において、前記キャスティングケースは、前記キャスティングケースの底側にレンズ部開口と、前記レンズ部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって広がり傾斜する傾斜部開口と、前記傾斜部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって配置される固定部開口と、を備え、前記モールド樹脂部材を形成する工程は、前記発光素子を前記固定部開口内に配置する。
【0007】
実施形態に開示される光源装置は、複数の発光装置と、前記発光装置が載置された実装基板と、を備え、前記複数の発光装置は、前記発光装置であり、前記傾斜部は、前記第1方向において、前記レンズ部を介して対向して配置されており、前記複数の発光装置は、前記第1方向に平行な方向に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、配光を狭めた発光装置、光源装置及び発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る発光装置が配列されている光源装置を例示する概略斜視図である。
【
図2A】実施形態に係る発光装置を例示する概略斜視図である。
【
図2B】実施形態に係る発光装置の一部を例示する概略斜視図である。
【
図2C】
図2Bの一部を拡大して、モールド樹脂部材を取り除いて示す概略斜視図である。
【
図3A】実施形態に係る発光装置の一部を例示する概略側面図である。
【
図3B】実施形態に係る発光装置の一部を例示する概略側面図である。
【
図3C】実施形態に係る発光装置の一部を例示する概略平面図である。
【
図4A】
図3CのIVA-IVA線における断面の一部について、第1リード、第2リード及び導電部材を取り除いて例示する概略断面図である。
【
図4B】
図4Aにおいて、発光素子からの光線を例示する概略断面図である。
【
図5A】傾斜部の第1変形例の一部を例示する概略断面図である。
【
図5B】傾斜部の第2変形例の一部を例示する概略断面図である。
【
図5C】
図5Bにおいて、カップ部を備えない場合を例示する概略断面図である。
【
図6A】固定部の変形例を例示する概略斜視図である。
【
図6B】固定部の変形例を例示する概略平面図である。
【
図6C】第2方向におけるレンズ部と固定部との変形例を示す概略平面図である。
【
図6D】第2方向におけるレンズ部と固定部との変形例を示す概略平面図である。
【
図6E】第2方向におけるレンズ部と固定部との変形例を示す概略平面図である。
【
図7】実施形態に係る発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【
図8A】実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の準備された連結体の一部を例示する概略側面図である。
【
図8B】実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の発光素子が連結体に載置され、導電部材で第1リード及び第2リードと接続された中間体の一部を例示する概略側面図である。
【
図8C】実施形態に係る発光装置の製造方法における工程のモールド樹脂部材の材料が充填されているキャスティングケースの凹みに中間体を挿入した状態の一部を例示する概略側面図である。
【
図8D】実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の連結部を切り離して個片化した一部を例示する概略側面図である。
【
図9A】実施形態に係る光源装置を例示する概略正面図である。
【
図9B】実施形態に係る光源装置の一部を拡大して例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す形態は、本開示に係る技術的思想を具現化するための発光装置及び発光装置の製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張又は簡略化していることがある。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。また、X方向は、X軸に沿った方向であること、Y方向は、Y軸に沿った方向であること、Z方向は、Z軸方向に沿った方向であること、を指す。正方向は、各X、Y、Z方向において、特に+側に向かう方向を指す。負方向は、各X、Y、Z方向において、特に-側に向かう方向を指す。X方向およびZ方向を含む平面をXZ平面、X方向およびY方向を含む平面をXY平面、Y方向およびZ方向を含む平面をYZ平面と呼ぶ。
【0011】
[発光装置]
実施形態に係る発光装置100を、
図1乃至
図4Bを参照しながら説明する。
図1は、発光装置100が配列されている光源装置200を例示する概略斜視図である。
図2Aは、発光装置100を例示する概略斜視図である。
図2Bは、発光装置100の一部を例示する概略斜視図である。
図2Cは、
図2Bの一部を拡大して、モールド樹脂部材40を取り除いて示す概略斜視図である。
図3Aは、発光装置100の一部を例示する概略側面図である。
図3Bは、発光装置100の一部を例示する概略側面図である。
図3Cは、発光装置100の一部を例示する概略平面図である。
図4A、4Bは、
図3CのIVA-IVA線における断面の一部について、第1リード12、第2リード11及び導電部材21、22を取り除いて例示する概略断面図であり、ハッチングを省略して示している。
発光装置100は、例えば後記する光源装置200に使用することができる。光源装置200は、発光装置100を平面上に多数整列させた装置である。以下発光装置100の各構成について説明する。
【0012】
発光装置100は、発光素子20と、発光素子20が載置される第1リード12と、発光素子20と導電部材21を介して電気的に接続され、第1リード12と離れて第1方向であるX方向に沿って配置される第2リード11と、発光素子20を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材40と、を備え、モールド樹脂部材40は、発光素子20の上方に位置するレンズ部43と、第1リード12と第2リード11とを固定する固定部41と、レンズ部43と固定部41との間に位置し、レンズ部43との境界から固定部41との境界に向かって少なくとも一部が広がり傾斜する傾斜部42と、を備え、発光素子20は、固定部41内に配置されている。
なお、図面において、第1リード12と第2リード11とを結ぶ方向である第1方向をX方向、第1方向であるX方向に直交する第2方向をZ方向、第1方向のX方向と第2方向のZ方向とに直交し、第1リード12と第2リード11とが伸びる方向である第3方向をY方向、として示している。第3方向のY方向は、上下方向として説明する場合がある。発光装置100における上方は、図面におけるY正方向として示している。
【0013】
(第1リード及び第2リード)
第1リード12及び第2リード11は、発光素子20と外部との配線の一部となる部材である。第1リード12には発光素子20が載置され、第2リード11は、発光素子20と導電部材21を介して電気的に接続され、第1リード12と離れてX方向に沿って配置されている。第1リード12は、例えばカソード電極であり、第2リード11は、例えばアノード電極である。なお、第2リード11は、一例として、第1リード12よりもY方向に長くなるように形成されている。第1リード12が第2リード11よりもY方向に長くなるように形成されていてもよい。発光装置100では、第1リード12が後記するカップ部121を有している。発光素子20は、カップ部121に載置されている。第1リード12及び第2リード11は、後記するモールド樹脂部材40の固定部41の上方から下方に延びている。そして、第1リード12及び第2リード11の一部は、固定部41の下面から突き出て、所定長さが固定部41から露出するように形成されている。第1リード12及び第2リード11は、モールド樹脂部材40から露出している接続端部114、124をそれぞれ有している。第1リード12及び第2リード11では、光の反射を有効に使用する観点から銀をめっきすることがある。銀のマイグレーションを低減する観点から、発光素子20が載置されるリードをカソード電極として用いることが好ましい。
【0014】
第1リード12は、カップ部121と、カップ部121と連続する第1ボトム部122と、第1ボトム部122と連続する第1接合部123と、第1接合部123と連続する第1接続端部124と、を有する。カップ部121と第1ボトム部122とは、少なくともY方向またはX方向に連続している。Y正方向からY負方向に向かって、第1ボトム部122、第1接合部123、第1接続端部124の順に位置している。例えば、第1ボトム部122の上端が、カップ部121の上方に位置していてもよい。また、第1ボトム部122の上端とカップ部121の上縁とが同じ高さでもよい。さらに、第1ボトム部122の上端がカップ部121の上縁より下方に位置していてもよい。
カップ部121は、上向きの面である底平面151と、底平面151を囲む側壁155と、によって画定される凹部15を有している。発光素子20は、凹部15の底平面151に載置されている。凹部15は、上方に向かって広がる開口を有するように側壁155の内側面152が傾斜を有している。凹部15の開口は、例えば、平面視において略円形や略楕円形に形成されている。本実施形態の平面視とは、Y正方向から見下ろした状態の視野を示している。
【0015】
凹部15の底平面151から側壁155の上端部(カップ部の上縁のうち一部)までの、凹部15の底平面151に対する垂直方向の高さH5は、発光素子20の高さよりも高い。高さH5は、例えば0.2mm以上0.4mm以下であることが好ましい。高さH5が0.2mm以上であれば、凹部15の内側面152によって発光素子20の側方から出る光を反射するため、発光素子20上への光取出しをよくすることができる。一方、高さH5が0.4mm以下であれば、発光素子20から出る光を凹部15の内側面152による複数回の反射を抑えることができ、発光素子20上への光取出しをよくすることができる。前記の効果をより発揮させる観点から、高さH5は、より好ましくは0.2mm以上0.37mm以下である。なお、凹部15は、後記するモールド樹脂部材40の一部として透光性部材30を配置していてもよい。
【0016】
第1ボトム部122は、長尺状に細長く形成されている。また、モールド樹脂部材40に覆われている第1ボトム部122の上方部分は、第2リード11に近づく方向へ折れ曲がる段差部分を有している。また、第1ボトム部122の上方部分は、カップ部121と隣接して配置されている。第1ボトム部122の上端は、発光素子20に接続される導電部材22の他端が接続できるように平坦に形成されていることが好ましい。第1ボトム部122は、カップ部121と隣接している上方部から下方に段差部分が配置され、段差部分を介して直線部分に連続している。直線部分の下端が第1接合部123と連続するように配置されている。第1接合部123は、X方向に幅広く形成されていてもよい。そして、第1接合部123の下端に第1ボトム部122の下端と同じ幅及び同じ厚みで形成された第1接続端部124が配置されている。第1接続端部124は、Y方向に直線的に形成されていてもよい。
【0017】
第2リード11は、第2ボトム部112と、第2ボトム部112に連続する第2接合部113と、第2接合部113に連続する第2接続端部114と、を有する。第2ボトム部112の上部は、X方向において、第1ボトム部122から電気的に短絡しない間隔を空けて配置されている。ここでは、Z方向から見たときに、第2ボトム部112は、第1ボトム部122と併せた形状が、ほぼ左右対称な形状である。第2ボトム部112の上端は、発光素子20に接続される導電部材21の他端が接続できるように平坦に形成されていることが好ましい。モールド樹脂部材40に覆われ第1ボトム部122に対向する第2ボトム部112の上方部分は、第1リード12に近づく方向へ折り曲がる段差部分を有している。第2ボトム部112の下端側は直線状に形成され、第2接合部113に連続するように配置されている。第2接合部113は、X方向に幅広く形成されていてもよい。そして、第2接合部113の下端に第2ボトム部112の下端と同じ幅及び同じ厚みで形成された第2接続端部114が配置されている。第2接続端部114は、Y方向に直線的に形成されていてもよい。この第2接続端部114は、第1接続端部124よりも長く形成されていてもよい。なお、第1接合部123及び第2接合部113は、X方向において、同じ高さに配置されている。第1接続端部124及び第2接続端部114は、並列して配置されている。
【0018】
第1リード12及び第2リード11の材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、銅めっき、金めっき、若しくは、銀めっきをした、アルミニウム、鉄、銅等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、モールド樹脂部材40によって覆われる第1リード12のカップ部121と第1ボトム部122、第2リード11の第2ボトム部112では、下地が銅めっきの銀めっきがされており、第1リード12の第1接合部123と第1接続端部124、第2リード11の第2接合部113と第2接続端部114では、錫、銅、銀または錫、銅を含むはんだめっきがされていてもよい。
【0019】
なお、本実施形態で説明する略楕円形とは、一平面上の二定点からの距離の和が一定である点の軌跡である厳密な意味での楕円形の場合に限られず、楕円形に近いと視認される程度の形状を含むものである。例えば、一方向に円を伸長させた長円形状、小判形状又は陸上競技用のトラック形状等であってもよい。
【0020】
また、本実施形態で説明する略円形とは、真円のような厳密な意味での円形の場合に限られず、円形に近いと視認される程度の形状を含むものである。例えば、公差や誤差の範囲内で歪んだり変形したりした円であってもよい。
【0021】
(発光素子)
発光素子20は、凹部15の底平面151に載置されている。発光素子20の形状や大きさ等は任意のものを選択できる。発光素子20の平面視形状は、例えば正方形や長方形、六角形である。発光素子20の発光色としては、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色系(ピーク波長430~500nmの光)、緑色系(ピーク波長500~570nmの光)の発光素子20としては、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP等を用いたものを使用することができる。赤色系(ピーク波長610~700nmの光)の発光素子20としては、窒化物系半導体素子の他にもGaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。発光素子20の高さは、例えば0.15mm以上0.5mm以下である。
【0022】
発光素子20は、上面20Aに一対の素子電極を備え、第1リード12の凹部15の底平面151にフェイスアップ実装されていてもよい。ここでは、発光素子20の一方の素子電極がワイヤ等の導電部材21を介して第2リード11に接合され、他方の素子電極がワイヤ等の導電部材22を介して第1リード12に接合されている。発光素子20は、フェイスダウン実装されていてもよい。
【0023】
発光素子20は、ここではモールド樹脂部材40の固定部41に配置されている。また、発光素子20は、平面視で固定部41及び後記するレンズ部43の略中心の位置に配置されている。略中心とは、厳密な意味での中心に限られず、中心に近いと視認される程度の位置を含むものである。例えば、中心から最大径の10%ずれた位置でもよい。
【0024】
(モールド樹脂部材)
モールド樹脂部材40は、第1リード12及び第2リード11の接続端部124、114を露出させて覆うと共に発光素子20を直接的又は間接的に覆う部材である。モールド樹脂部材40は、中実に形成されていることが好ましい。発光装置100の断面において、第1リード12及び第2リード11の外表面からモールド樹脂部材40の内表面までが、モールド樹脂部材40によって埋まっていることが好ましい。なお、モールド樹脂部材40の一部にボイドが含まれていてもよい。モールド樹脂部材40は、第1リード12及び第2リード11や発光素子20、ワイヤ等の導電部材21、22等を外部環境から保護し、第1リード12及び第2リード11の一端側を固定している。また、発光装置100は、モールド樹脂部材40の形状を調節することによって、配光を調節することができる。
モールド樹脂部材40は、Y方向において上方から下方へ向かう方向において、レンズ部43、傾斜部42及び固定部41を順に有している。モールド樹脂部材40は、レンズ部43、傾斜部42及び固定部41が、ここでは連続して一体に形成されている。例えば、レンズ部43と傾斜部42とが一体で形成され、固定部41が別体で形成されていてもよい。
【0025】
(固定部)
固定部41は、モールド樹脂部材40において最も下方に位置する部位である。固定部41の上端部近くで発光素子20を覆っている。固定部41の上縁は、凹部15の上端部と同じ、または、凹部15の上端部よりも上方に位置している。固定部41の上縁は、凹部の側壁の上縁と同じ、または、凹部の側壁の上縁よりも上方に位置している。また、固定部41は、第1リード12の第1ボトム部122及び第2リード11の第2ボトム部112のほぼ全体を覆って、第1接合部123及び第2接合部113を露出するように配置されていることが好ましい。
ここでは、固定部41は、Y方向に伸びる柱状を呈しており、平面視において、固定部41は、X方向を長軸とする略楕円形である。略楕円形の長径と短径との長さの比は、例えば、1.3:1程度となっている。
【0026】
平面視において、第1方向であるX方向の固定部41の長さD3は、例えば3.4mm以上4.4mm以下とすることができ、3.6mm以上4.2mm以下であるのが好ましい。また、平面視において、第2方向であるZ方向の固定部41の長さD4は、例えば2.5mm以上3.5mm以下とすることができ、2.7mm以上3.3mm以下であるのが好ましい。
モールド樹脂部材40の第3方向であるY方向における最も長い長さH4は、例えば5.5mm以上9.5mm以下とすることができ、6.5mm以上8.2mm以下であるのが好ましい。
【0027】
(レンズ部)
レンズ部43は、モールド樹脂部材40において最も上方に位置する部位である。レンズ部43は、発光素子20より上方に位置している。発光素子20の上面20Aより上方に位置していることが好ましい。発光素子20からの光の一部は、レンズ部43を通って発光装置100の外部へ出射される。レンズ部43は、上方に凸の曲面であり、例えば上方に凸の半球状である。レンズ部43は、発光素子20からの光を上方側に集光して出射させることができる。
【0028】
レンズ部43は、一例として、平面視において、X方向を長軸とする円形に近い略楕円形である。ここでは、発光装置100は、レンズ部43及び固定部41が共に平面視楕円形状である。
レンズ部43の第3方向であるY方向における最も長い長さH3は、例えば0.5mm以上3.5mm以下とすることができ、0.8mm以上2.5mm以下であるのが好ましい。
ここでは、平面視において、レンズ部43の長径は固定部41の長径よりも短く、レンズ部43の短径は固定部41の短径よりも短い。すなわち、平面視において、X方向のレンズ部43の長さD1は、固定部41の長さD3よりも短く、Z方向のレンズ部43の長さD2は、固定部41の長さD4よりも短い。例えば、
図3Cに示すように、X方向のレンズ部43の長さD1は、2.3mm以上3.3mm以下である。また、Z方向のレンズ部43の長さD2は、2.3mm以上3.3mm以下である。長径に対する短径の長さの割合は、固定部41よりもレンズ部43の方が大きく、平面視においてレンズ部43の方が略円形に近い。
【0029】
平面視において、固定部41の外周は、レンズ部43の外周よりも大きい。平面視において、レンズ部43の外周すべてが、固定部41の外周の内側に位置している。また、平面視において、レンズ部43の外周の中心は、固定部41の外周の中心と略重なる位置にある。固定部41の外周は、例えば、傾斜部42との境界に位置する固定部41の上縁である。レンズ部43の外周は、例えば、傾斜部42との境界に位置するレンズ部43の下縁である。
【0030】
(傾斜部)
傾斜部42は、レンズ部43と固定部41との間に位置する部位である。傾斜部42は、レンズ部43の下縁から固定部41の方向に向かって広がっている。傾斜部42は、レンズ部43の表面と固定部41の表面とを連続するように形成されている。また、傾斜部42とレンズ部43との境界であるレンズ部43の下縁と、傾斜部42と固定部41との境界である固定部41の上縁とは、形状又は大きさが異なっている。傾斜部42は、凹部15の側壁155の上縁よりも上方に位置している。傾斜部42における固定部41との境界は、第3方向であるY方向において、凹部15の側壁155の上端部と重なる位置にあってもよいし、重ならない位置にあってもよい。
【0031】
傾斜部42は、XZ平面に対して傾斜する傾斜部42の表面である傾斜面420を有する。断面視において、傾斜面420は、湾曲していてもよいし、湾曲していなくてもよい。
【0032】
図3Cに示すように、傾斜面420は、レンズ部43の頂点を通り、第1方向であるX方向に平行な直線上に、少なくとも配置されている。また、傾斜面420は、レンズ部43の頂点を通り、第2方向であるZ方向に平行な直線上に、配置されていてもよい。傾斜面420は、断面視において直線でも曲線でもよい。
傾斜長さは、Y方向と、X方向もしくはZ方向と、に沿った断面において、傾斜部42の傾斜面420の上端から下端まで(傾斜部42におけるレンズ部43との接続点から固定部41との接続点まで)の長さとする。ここでは、レンズ部43の頂点を含む面を例として説明する。XY平面に沿った断面において、傾斜部42は傾斜長さA1を有する。YZ平面に沿った断面において、傾斜部42は傾斜長さA2を有する。傾斜長さA1は、傾斜長さA2と同じ、もしくは、長い。ここでは、傾斜長さA1は、傾斜長さA2よりも長くなっている。
【0033】
また、傾斜部42において、傾斜部42の傾斜面420の上端から下端までを直線で結んだ線と、傾斜部42におけるレンズ部43との接続点を通るY方向に平行な直線と、がなす角度を傾斜角度とする。ここでは、レンズ部43の頂点を含む面を例として説明する。XY平面に沿った断面における傾斜角度は、YZ平面に沿った断面における傾斜角度よりも大きくなっている。傾斜部42において、傾斜部42の傾斜面420の上端から下端までを直線で結んだ線と、傾斜部42における固定部41との接続点を通るX方向もしくはZ方向に平行な直線と、がなす角度は、前記した傾斜角度の大小関係とは逆転している。
X方向における傾斜部42の傾斜断面積は、Z方向における傾斜部42の傾斜断面積よりも大きい。ここで、傾斜断面積は、レンズ部の頂点を含むYZ平面又はYX平面において、以下の3つの線分で定義される断面の面積である。3つの線分は、Y方向に平行かつ傾斜部42におけるレンズ部43との接続部を通る直線と、レンズ部43との接続点と固定部41との接続点とを結んだ直線または曲線と、X方向もしくはZ方向に平行かつ傾斜部42における固定部41との接続点を通る直線と、である。
図3Aに示す側面図において、レンズ部43の左右に傾斜面420が配置されている。また、
図3Bに示す側面図において、レンズ部43の左右に傾斜面420が配置されている。これらにより、発光装置100は、X方向の指向特性を発光装置100の両側で対称に設定することができる。なお、傾斜部42の傾斜面420は、ここでは、レンズ部43の下端部の外周の全周にわたって設けられている。X方向の傾斜は、Z方向の傾斜よりも傾斜の勾配は緩い。傾斜部42の傾斜面420は、レンズ部43の下端部の外周において、放射状に下方に向かって勾配が同じになるように配置されていてもよい。
【0034】
図4Aに示すように、第1方向であるX方向及び第3方向であるY方向に沿って切った断面において、傾斜部42における固定部41との接続点421Eは、凹部15の側壁155の上端部を通り、X方向と平行な直線L1と、発光素子20の上面20Aと側面との交点である上端部25Aと凹部15の側壁155の上端部153Aとをつなぐ直線L2と、の間に位置している。傾斜部42における固定部41との接続点は、例えば
図4Aに示す接続点420Eのように直線L2に近い位置にあってもよい。
傾斜部42の傾斜面420は、発光素子20から出た光のうち、傾斜部42を通る光線が、直線L1に平行な方向に出射される角度、直線L1よりも下方に出射される角度、または、全反射することができる角度に設定することができる。レンズ部43の平面視における中心を通るX方向とY方向に沿った断面において、上記角度に設定されていればよい。
【0035】
モールド樹脂部材40の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン等の耐候性に優れた透光性樹脂やガラス等が挙げられる。モールド樹脂部材40は透光性を有する部材又は透明体である。モールド樹脂部材40は、フィラーを含有してもよい。モールド樹脂部材40がフィラーを含有することで、モールド樹脂部材の耐熱性を向上させることができる。フィラーとしては、例えば、酸化珪素等が挙げられる。
【0036】
モールド樹脂部材40は、着色剤を含有してもよい。例えば、青色の着色剤、緑色の着色剤、又は、赤色の着色剤を含有することで、青色光を発光する発光装置100、緑色光を発光する発光装置100、及び、赤色光を発光する発光装置100とすることができる。これらの発光装置100を用いることで、フルカラー表示が可能な光源装置200を製造することができる。
【0037】
着色剤としては、例えば、銅フタロシアナート、C.I.ピグメントグリーン36、N,N’-ジメチル-3,4:9,10-ペリレンビスジカルボイミドを用いることができる。また、着色剤として、顔料及び染料のいずれか1つを含むものを用いてもよい。
顔料としては特に限定されるものではないが、例えば、無機系材料や有機系材料を用いたものがあり、以下の材料を用いたものが挙げられる。
無機系材料として、例えば、べんがら(Fe2O3)、鉛丹(Pb3O4)、チタンニッケルアンチモン系酸化物、チタンニッケルバリウム系酸化物、チタンクロムアンチモン系酸化物、チタンクロムニオブ系酸化物等が挙げられる。
有機系材料として、例えば、アントラキノン系、アゾ系、キナクリドン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、モノアゾ系、ジスアゾ系、ピラゾロン系、ベンツイミダゾロン系、キノキサリン系、アゾメチン系、イソインドリノン系、イソインドリン系等が挙げられる。
【0038】
染料としては特に限定されるものではないが、例えば、アントラキノン系染料、メチン系染料、アゾメチン系染料、オキサジン系染料、アゾ系染料、スチリル系染料、クマリン系染料、ポルフィリン系染料、ジベンゾフラノン系染料、ジケトピロロピロール系染料、ロダミン系染料、キサンテン系染料、ピロメテン系染料等が挙げられる。
なお、顔料及び染料は、基本的に発光素子20からの光を異なる波長に変換しないものがよい。後述するように、波長変換部材を含有させた場合に、波長変換部材に影響を及ぼさないためである。
【0039】
モールド樹脂部材40は、光安定剤を含有してもよい。光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系等が挙げられる。
【0040】
モールド樹脂部材40は、波長変換部材を含有してもよい。波長変換部材としては蛍光体が挙げられる。蛍光体としては、例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたテルビウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及びクロムのうちのいずれか1つ又は2つで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウム、ユウロピウムで賦活された窒化物蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2又はAgInSe2)等が挙げられる。なお、発光装置100は、発光素子20と波長変換部材との組み合わせにより、各種の色を発光するようにしてもよい。
【0041】
[発光装置の動作]
発光装置100を駆動すると、第1リード12及び第2リード11を介して外部電源から発光素子20に電流が供給され、発光素子20が発光する。ここでは、第1方向であるX方向及び第3方向であるY方向に沿って切った断面において、発光素子20の上面20Aと側面との交点である上端部25Aから出射した光が進む光線を例として説明する。
例えば、発光素子20の上端部25Aから上方へ出射する光R1は、レンズ部43へ進む。上端部25Aから側方へ出射する光R2は、側壁155で反射されて、上方へ向きを変えてレンズ部43へ進む。レンズ部43へ進んだ光は、レンズ部43によって発光装置100の外部へと出射される。
【0042】
上端部25Aから側壁155の上端部153Aの上方を進む光R3は、外部との界面となる傾斜部42の傾斜面421へ進む。光R3は、直線L1と進行角θ0をなす向きに進み、傾斜面421へ入射角θ1で入射している。なお、光R3の光の一部は、凹部15の側壁155によって遮られる。ここで、進行角θ0は、発光素子20の上面20Aに平行であり、上端部153Aを通る直線L111からの角度を示す。直線L111と直線L1と平行である。ゆえ、直線L111からの進行角θ0と、直線L1からの進行角θ0と、は同じになる。また、入射角θ1は、光R3が傾斜面421に入射した点における傾斜部42に対する法線L11と光R3とがなす角である。ここでは、傾斜部42の傾斜面421は、発光素子20からの光を全反射することができる角度、すなわち、入射角θ1が臨界角以上となる角度であるため、光R3は傾斜面421で全反射されて下方へ向きを変えて進む。下方には、後記する防水部材70が配置されており、防水部材70によって光を吸収し、さらなる反射を抑えることができる。
傾斜部42の傾斜面420は、平面視におけるレンズ部43の中心を通りX方向及びY方向に沿った断面において、全反射することができる角度であればよい。レンズ部43の中心を通るX方向及びY方向に沿った断面は、レンズ部43の頂点とレンズ部43の平面視における中央点とを結ぶ線を含んでいる。
発光装置100は、レンズ部43に隣接する傾斜部42で光を全反射させて、発光装置100のX方向の配光を狭めることができる。そのため、発光装置100を実装した光源装置200は、視野角を狭めることができる。
【0043】
例えば、モールド樹脂部材40の材料としてエポキシ樹脂等が使用され、モールド樹脂部材40の屈折率が1.5である場合、外部を空気とした場合の臨界角は42度である。傾斜部42の傾斜面421は、例えば、法線L11が直線L1となす角である法線傾き角θ3によって表すことができる。また、法線傾き角θ3は進行角θ0と入射角θ1との和としても表すことができる。そこで、傾斜面421の各点において、法線傾き角θ3の大きさが進行角θ0の大きさに42度を加えた値以上となるように、傾斜部42を傾斜させることで、発光素子20から傾斜面421へ進む光を全反射させることができる。なお、臨界角は、屈折角が90度になる入射角である。
【0044】
傾斜部42は、発光素子20の上方に位置するレンズ部43と発光素子20が配置されている固定部41との間に位置し、レンズ部43との境界から固定部41との境界に向かって少なくとも一部が広がる傾斜面420を有することで、レンズ部43の大きさを固定部41と独立して調節できると共に、傾斜部42の傾斜面420を利用して発光装置100から出射される光の指向特性等の設定の自由度を高めることができる。例えば、光源装置として利用される場合において、発光装置100のX方向に出射される光の配光を狭めることで、不必要な箇所が照らされることを低減することができる。
発光装置100は、レンズ部43、傾斜部42及び固定部41が一体に形成されていることで、光の進路に対するレンズ部43、傾斜部42及び固定部41相互間の境界面の影響を抑えることができ、発光素子20からの光を有効に活用することができる。
【0045】
発光装置100は、平面視において、傾斜部42の傾斜面420がレンズ部43の頂点を通り、X方向に平行な直線上に配置されていることで、X方向において指向特性等を調節することができる。また、発光装置100は、傾斜部42の傾斜面420がレンズ部43の頂点を通り、Z方向に平行な直線上に配置されていることで、Z方向においても指向特性等を調節することができる。
傾斜長さA1が傾斜長さA2よりも長いことで、傾斜面420の面積を大きくすることができる。これにより、傾斜部42の傾斜面420での発光素子20からの光の指向特性の設定の自由度を高めることができる。また、XY平面に沿った断面における傾斜角度が、YZ平面に沿った断面における傾斜角度よりも大きいことで、遮蔽効果を高めることができ、配光を狭めることができる。
発光装置100は、X方向における傾斜部42の傾斜断面積がZ方向における傾斜部42の傾斜断面積よりも大きいことで、X方向における配光を効率よく狭めることができる。つまり、Y方向が同じ高さであるため、傾斜部42における固定部41との接続点がZ方向またはX方向へ長いと、傾斜断面積が大きくなる。これは、つまり、傾斜角度が大きくなることを意味しており、遮蔽効果を高めることができ、配光を狭めることができる。
【0046】
発光装置100は、第1リード12及び第2リード11がモールド樹脂部材40から露出している接続端部124、114を有することで、第1リード12及び第2リード11をそのまま外部との接続に使用することができる。
光源装置200は、固定部41の外周を変えずにレンズ部43の外周のみを変えることで、発光装置100から出射される光の配光を調整することができる。例えば、固定部41の外周を一定とした場合、外周の大きいレンズ部よりも、外周の小さいレンズ部の方が配光の広がりを小さくすることができる。換言すると、発光装置100は、平面視における固定部41の外周が、レンズ部43の外周よりも大きいことで、レンズ部43の配光の広がりを絞ることができる。そのため、発光装置100を高輝度化することができる。
発光装置100は、湾曲して傾斜する傾斜面420を有することで、勾配を滑らかに変化させながら、指向特性等を細かく調節することができる。
【0047】
発光装置100は、凹部15の底平面151に発光素子20を載置することで、側方に向かう光を凹部15の側壁155で上方に反射させることができ、効果的に配光を狭めることができる。
発光装置100は、傾斜部42が凹部15の側壁155の上縁よりも上方に位置することで、傾斜部42の傾斜面420を有効に利用して指向特性等を調節することができる。
発光装置100は、X方向及びY方向に沿って切った断面において、傾斜部42における固定部41との接続点が、凹部15の側壁155の上端部を通り、X方向と平行な直線L1と、傾斜部42に近接する発光素子20の側面の上端部25Aと凹部15の側壁155の上端部153Aとをつなぐ直線L2と、の間に位置することで、側壁155を超えない光は側壁155で反射させ、側壁155を超えて進む光に対して傾斜部42を配置することができる。超えて進む光は、傾斜部42によって屈折または全反射される。
発光装置100は、固定部41の上縁が凹部15の上端部と同じ位置又は上方に位置することで、凹部15の側壁155まで固定部41で覆うことができ、凹部15を第1リード12及び第2リード11と一体に固定することができる。
【0048】
発光装置100は、レンズ部43及び固定部41が平面視において、略楕円形であることで、長径方向と短径方向とで異方性を持たせて指向特性等を設定することができる。
発光装置100は、平面視における固定部41のX方向の長さを3.4mm以上4.4mm以下、好ましくは、3.6mm以上4.2mm以下、Z方向の長さを2.5mm以上3.5mm、好ましくは、2.7mm以上3.3mm以下とすることで、第1リード12と第2リード11とを結ぶX方向におけるモールド樹脂部材40を厚くして強度等を確保すると共に光源装置200に実装する際にZ方向について実装密度を高めて並べることができる。
発光装置100は、レンズ部43のY方向における最も長い長さが0.5mm以上3.5mm以下、好ましくは、0.8mm以上2.5mm以下であることで、レンズ部43の形状を自由に設定することができる。
発光装置100は、モールド樹脂部材40のY方向における最も長い長さを5.5mm以上9.5mm以下、好ましくは、6.5mm以上8.2mm以下とすることで、第1リード12及び第2リード11を固定するのに十分な固定部41の長さH1を確保することができる。また、第1リード12及び第2リード11を伝って外部から浸入する水等に対し、浸入経路を長くして発光素子20等を保護するのに十分な長さを確保することができる。
【0049】
なお、傾斜部42は、凹凸のない傾斜面420を有することが好ましい。発光装置100は、凹凸のない面による屈折や反射等の特性を活かして指向特性等を調節することができる。傾斜部42は、勾配の異なる凹凸のない傾斜面420を組み合わせて構成してもよい。
傾斜部42の傾斜面420は、X方向又はZ方向において、対向する傾斜面420の勾配が同じになるようにしてもよく、例えば第1リード12側と第2リード11側とで勾配が異なるようにしてもよい。
【0050】
傾斜部42の傾斜面420は、レンズ部43の下端部の外周の少なくとも一部に設ければよい。例えば、X方向における第2リード11側のレンズ部43の下端部にのみ傾斜面420が設けられていてもよい。
レンズ部43は、平面視において、X方向を短軸とする略楕円形でもよく、略円形でもよい。固定部41は、平面視において、X方向を短軸とする略楕円形でもよく、略円形でもよい。レンズ部43及び固定部41の平面視形状は、両方が略楕円形でもよく、両方が略円形でもよく、一方が略楕円形で他方が略円形でもよい。
【0051】
[変形例]
次に、傾斜部の変形例について、
図5A乃至
図5Cを参照して説明する。
図5Aは、傾斜部の第1変形例に係る発光装置100Aの一部を例示する概略断面図である。
図5Bは、傾斜部の第2変形例に係る発光装置101の一部を例示する概略断面図である。
図5Cは、傾斜部の第2変形例において、カップ部を備えない発光装置102の一部を例示する概略断面図である。
図5A乃至
図5Cは、第1リード12、第2リード11及び導電部材21、22を取り除いて例示する概略断面図であり、ハッチングを省略して示している。
なお、平面視におけるレンズ部43の中心を通りX方向及びY方向に沿った断面において、この断面に沿って進む光を例として説明する。
傾斜部の第1変形例に係る発光装置100Aは、傾斜部42Aが発光装置100と異なり、その他は発光装置100と同様の構成を備えている。
図5Aに示すように、発光装置100Aは、傾斜部42Aの傾斜面425の一部とY方向における側壁155の上端部とが、X方向において重なっている。傾斜部42Aにおける固定部41との接続点425Eは、凹部15の側壁155の上端部を通りX方向に平行な直線L1上に位置している。なお、凹部15の底平面151の中心から固定部41の表面までの距離D5は、発光装置100における距離D5と同じである。また、カップ部121とレンズ部43との位置関係は、発光装置100と同様である。
【0052】
発光装置100Aは、第1方向であるX方向及び第3方向であるY方向に沿って切った断面において、発光素子20から出射された光のうち傾斜部42Aにおけるレンズ部43との接続点425Sを通る光が、接続点425Sを通るX方向に平行な直線上、又はX方向に平行な直線から下方に出射される。
光RAは、発光素子20から出射されて、傾斜部42Aにおけるレンズ部43との接続点425Sを通る光の例である。光RAの外部への出射光RA1は、傾斜部42Aにおけるレンズ部43との接続点425Sを通るX方向に平行な直線上に出射されている。傾斜部42Aの傾斜面425を調節することで、出射光RA2のように、X方向に平行な直線から下方に出射されるようにすることができる。
【0053】
発光装置100Aは、X方向及びY方向に沿って切った断面において、発光素子20から出射された光のうち傾斜部42Aにおけるレンズ部43との接続点425Sを通る光が、接続点425Sを通るX方向に平行な直線上、又はX方向に平行な直線から下方に出射されることで、発光装置100AのX方向の配光を狭めることができる。
なお、傾斜部42Aの傾斜面425は、少なくとも、平面視におけるレンズ部43の中心を通りX方向及びY方向に沿った断面で、発光素子20の側面の上端部25Aの位置から、傾斜部42Aにおけるレンズ部43との接続点425Sを通る光RAが、接続点425Sを通るX方向に平行な直線上、又はX方向に平行な直線から下方に出射される角度であればよい。
【0054】
光RBは、発光素子20の側面の上端部25Aの位置から出射して、凹部15の側壁155の上端部153Aの近くを通り、側壁155で反射されずに進む光線の例である。光RCは、側壁155で反射される光の例である。光RBは、傾斜部42Aの傾斜面425上の点425Bを通って外部へ出射されている。傾斜部42Aの傾斜面425は、光RBの外部への出射光RB1が、X方向又はX方向よりも下方へ進む角度であることが好ましい。
【0055】
次に、傾斜部の第2変形例に係る発光装置101を説明する。発光装置101は、凹部15に後記する透光性部材30が設けられている点及び傾斜部42Lが発光装置100と異なり、その他は発光装置100と同様の構成を備えている。
図5Bに示すように、発光装置101は、透光性部材30が凹部15に側壁155の上端部の位置まで充填されており、透光性部材30の上面30Aを有している。傾斜部42Lの傾斜面422は、Y方向における側壁155の上端部の位置まで設けられている。傾斜部42Lにおける固定部41との接続点422Eは、凹部15の側壁155の上端部を通りX方向に平行な直線L1上に位置している。なお、凹部15の底平面151の中心から固定部41の表面までの距離D5は、発光装置100と同じである。また、カップ部121とレンズ部43との位置関係は、発光装置100と同様である。
【0056】
発光装置101は、X方向及びY方向に沿った断面において、透光性部材30の上面30Aから傾斜部42Lの傾斜面422へ進む光が、X方向又はX方向よりも下方へ屈折して傾斜面422から外部へ出射される。
例えば、透光性部材30の上面30Aから上方へ出射した光R4は、レンズ部43へ進む。レンズ部43へ進んだ光は、レンズ部43によって上方側へ集光されて外部へと出射される。
上面30Aから傾斜部42Lの傾斜面422へ進む光R5、R6は、傾斜面422でX方向又はX方向よりも下方へ屈折して出射される。傾斜部42Lの傾斜面422を調節することで、出射光R52、R62のように、X方向よりも下方へ屈折して進む出射光とすることができる。屈折角θ2は、出射光R52、R62の方が出射光R51、R61よりも大きい。すなわち、下方側へ進む出射光の方が、X方向に進む出射光よりも屈折角θ2が大きい。傾斜部42Lの傾斜面422は、屈折角θ2の大きさが法線傾き角θ3以上となるように設定されている。なお、出射光は、X方向よりも上方へ屈折して出射されなければよく、全反射される場合があってもよい。
【0057】
発光装置101は、レンズ部43に隣接する傾斜部42LでX方向又はX方向よりも下方へ光を屈折させる。これにより、発光装置101のX方向の配光を狭めることができる。
発光装置101では、透光性部材30による進行方向の変化によって進行角θ0が小さい光が側壁155で反射されずに進む。発光装置の大きさに制限があり、例えば距離D5を大きくすることができない場合には、進行角θ0が小さい光を全反射させる傾斜を設けることができない。そのような場合でも、発光装置101は、カップ部121とレンズ部43との位置関係や距離D5を変更することなく、傾斜部42LによってX方向又はX方向よりも下方へ屈折光を出射させ、配光を狭めることができる。
【0058】
透光性部材30は、凹部15に配置されて発光素子20を覆う部材である。透光性部材30の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の透光性樹脂やガラス等が挙げられる。透光性部材30は透光性を有する部材又は透明体である。透光性部材30は、拡散材等のフィラーを含有してもよい。透光性部材30がフィラーを含有することで、配光変化を小さくすることができる。また、透光性部材30は、着色剤や光安定剤、蛍光体、着色剤等を含有させてもよい。着色剤、フィラー、光安定剤、及び蛍光体については、モールド樹脂部材40で説明したものを用いることができる。
【0059】
発光装置101は、凹部15に透光性部材30を備えることで、モールド樹脂部材40が発光素子20に直接接触せず、また、モールド樹脂部材40が発光素子20の近傍に配置されないため、発光素子20の熱によるモールド樹脂部材40の劣化を低減することができる。これにより、発光装置101をより長寿命とすることができる。
【0060】
次に、傾斜部の第2変形例に係る発光装置102を説明する。
図5Cに示すように、発光装置102は、発光装置101と同様の傾斜部42Lを備えている。発光装置102は、凹部15が設けられておらず、発光素子20が第1リード12の上端に形成されているダイパッド126に載置されている点が発光装置101と異なる。また、透光性部材30は配置されておらず、モールド樹脂部材40が直接発光素子20を覆っている。その他の点については、発光装置101と同様の構成を備えている。発光素子の上面20Aと側面から光が出射する。この場合、ダイパッド126の上面の位置は、傾斜部42Lにおける固定部41との接続点422Eの位置とほぼ同じ高さになるように調節されていることが好ましい。
例えば、発光素子20の下端部25Bから出射した光R7、R8、R9は、発光装置101で説明した光R4、R5、R6と同様に進み、外部へと出射される。発光装置102は、凹部15を有していないため、発光素子20の下端部25Bから出る光を例として説明している。下端部25Bから出る光が、最も進行角が大きくなるためである。
【0061】
発光装置102では、発光素子20が凹部15の側壁155に囲まれていないため、発光装置101と同様に、進行角θ0が小さい光が反射されずに進む。発光装置102は、発光装置101と同様に、レンズ部43に隣接する傾斜部42LでX方向又はX方向よりも下方へ光を屈折させる。これにより、発光装置102のX方向の配光を狭めることができる。
なお、ダイパッド126を調節せず、固定部41の上端部の位置を調節して、発光素子20の上面20Aが傾斜部42Lの下端部の位置となるようにしてもよい。
【0062】
次に、固定部の変形例及びレンズ部と固定部との大小関係の変形例について、
図6A乃至
図6Eを参照して説明する。固定部と、レンズ部と固定部との大小関係以外の点については、その他は発光装置100から発光装置101までと同様の構成を備えている。
図6A、6Bは、固定部の変形例に係る発光装置130を例示する概略斜視図及び概略平面図である。
図6C、6D、6Eは、第2方向であるZ方向におけるレンズ部と固定部との大小関係の変形例に係る発光装置140A、140Bを示す概略平面図である。
【0063】
図6Bに示すように、発光装置130は、固定部41SのX方向における端部が平面状に形成されている。平面視において、固定部41Sの外周は、Z方向に沿った直線状部分を有している。固定部41Sは、直線状部分が側平面を有している。直線状部分の長さD6は、Z方向における最も長い長さD4の1/5程度となっている。長さD6は、例えば長さD4の4/5程度であってもよい。なお、平面視において、長さD1、D2、D3、D4は、発光装置100の長さD1、D2、D3、D4と同じ長さである。
図6Aに示すように、傾斜部42Sは、上端部の外周がZ方向に沿った直線状部分を有する固定部41Sに連続するように形成されている。傾斜部42Sの傾斜面420Sは、発光装置100と同様に、発光素子20からの光を全反射することができる角度となっている。もしくは、X方向に対して平行もしくは下方に屈折することができる角度となっている。
【0064】
発光装置130は、傾斜部の下端部が略楕円形である場合と比較して、傾斜部42Sの直線状部分全体において、傾斜部の傾斜を全反射させる角度、もしくは、X方向に対して平行もしくは下方に屈折することができる角度とすることができる。
発光装置130は、傾斜部42Sの下端部の外周がZ方向に沿った直線状部分を有することで、発光装置130のX方向の配光を狭めると共に、例えばX方向と45度をなす方向の配光を狭めることができる。
【0065】
図6Cに示すように、平面視におけるレンズ部43のZ方向の長さD2は、固定部41の長さD4と同じであってもよい。発光装置140Aは、傾斜部42の傾斜面420がX方向にのみ配置されている。レンズ部43はZ方向において固定部41と同じ長さである。発光装置140Aは、Z方向においては、傾斜部42の傾斜を介さず、レンズ部43と固定部41とが接続されている例を示している。なお、発光装置140Aの長さD1、D3、D4は、発光装置100の長さD1、D3、D4と同じである。
【0066】
また、
図6Dに示すように、平面視におけるレンズ部43のZ方向の長さD2は、固定部41の長さD4より長くてもよい。発光装置140Bは、傾斜部42の傾斜面420がX方向に配置され、レンズ部43はZ方向において固定部41よりも長く、レンズ部43の下方に固定部41が接続されている例を示している。なお、発光装置140A、140Bは、発光装置130における固定部41Sの直線状部分が組み合わされてもよい。例えば、Z方向のレンズ部43の長さD2は、2.3mm以上3.3mm以下である。なお、発光装置140Bの長さD1、D3、D4は、発光装置100の長さD1、D3、D4と同じである。
発光装置140A、140Bは、平面視におけるレンズ部43のZ方向の長さD2が、固定部41の長さD4と同じ又は長いことで、指向特性等の調節の自由度をさらに高めることができる。また、固定部41を小さくすることで、後記する光源装置200における実装密度を高めることができる。
【0067】
図6Eに示すように、レンズ部43は、Z方向に長軸を有していてもよい。例えば、発光装置140CのX方向のレンズ部43の長さD1は、1.9mm以上2.9mm以下である。発光装置140CのZ方向のレンズ部43の長さD2は、2.3mm以上3.3mm以下である。これにより、X方向の配光を狭くすることができる。なお、発光装置140Cの長さD1、D3、D4は、発光装置100の長さD1、D3、D4と同じである。
【0068】
[発光装置の製造方法]
次に、実施形態に係る発光装置の製造方法について、
図7乃至
図8Dを参照して説明する。
図7は、発光装置100の製造方法を例示するフローチャートである。
図8Aは、発光装置100の製造方法において、準備された連結体300の一部を例示する概略側面図である。
図8Bは、発光装置100の製造方法において、発光素子20が連結体300に載置され、導電部材21、22で第1リード12及び第2リード11と接続された中間体400の一部を例示する概略側面図である。
図8Cは、発光装置100の製造方法において、モールド樹脂部材の材料40Aが充填されているキャスティングケースC01の凹みC40に中間体400を挿入した状態の一部を例示する概略側面図である。
図8Dは、発光装置100の製造方法において、連結部310を切り離して個片化した一部を例示する概略側面図である。
【0069】
発光装置100の製造方法は、一対の第1リード12及び第2リード11が繰り返し連結部310により連結された連結体300の第1リード12に発光素子20が載置され、発光素子20と第2リード11とが導電部材21を介して電気的に接続された中間体400を準備する工程S10と、複数の凹みC40を有するキャスティングケースC01において、凹みC40内にモールド樹脂部材の材料40Aを充填する工程S20と、モールド樹脂部材の材料40Aが充填された凹みC40内に中間体400を挿入し、一対の第1リード12及び第2リード11ごとに、発光素子20を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材40を形成する工程S30と、一対の第1リード12及び第2リード11となるように、連結体300の連結部310を切り離す個片化工程S40と、を含み、モールド樹脂部材の材料40Aを充填する工程S20において、キャスティングケースC01は、キャスティングケースC01の底側にレンズ部開口C43と、レンズ部開口C43から繋がりキャスティングケースC01の開口側に向かって広がり傾斜する傾斜部開口C42と、傾斜部開口C42から繋がりキャスティングケースC01の開口側に向かって配置される固定部開口C41と、を備え、モールド樹脂部材40を形成する工程S30は、発光素子20を固定部開口C41内に配置する。
【0070】
(中間体を準備する工程)
中間体を準備する工程S10は、モールド樹脂部材40を設ける前の中間体400を準備する工程である。中間体を準備する工程S10は、連結体を準備する工程S11と、発光素子を載置する工程S12と、導電部材を接続する工程S13と、を含んでいる。
【0071】
連結体を準備する工程S11は、一対の第1リード12及び第2リード11が繰り返し連結部310により連結された連結体300を準備する工程である。この工程では、例えば、基礎フレーム上に、所望の形状に成形した第1リード12及び第2リード11を形成する。
発光素子を載置する工程S12は、連結体300に発光素子20を載置する工程である。この工程では、第1リード12のカップ部121の凹部15の底平面151に、接着部材を介して発光素子20を載置する。
導電部材を接続する工程S13は、発光素子20と第1リード12及び第2リード11とを、ワイヤ等の導電部材21、22を介して電気的に接続する工程である。この工程では、導電部材22を介して発光素子20の一方の素子電極を第1リード12に接続し、導電部材21を介して他方の素子電極を第2リード11に接続する。
【0072】
中間体を準備する工程S10は、導電部材を接続する工程S13の後に、透光性部材を形成する工程S14を設けてもよい。この工程S14は、凹部15に硬化前の透光性部材の材料を注入して硬化させ、発光素子20を覆う透光性部材30を形成する。
【0073】
(モールド樹脂部材の材料を充填する工程)
モールド樹脂部材の材料を充填する工程S20は、キャスティングケースC01に硬化前のモールド樹脂部材の材料40Aを充填する工程である。キャスティングケースC01は、発光装置100のモールド樹脂部材40の形状に対応する複数の凹みC40を有している。キャスティングケースC01は、例えば金型等とすることができる。
それぞれの凹みC40は、凹みC40の底側から開口側に、発光装置100のレンズ部43の形状に対応するレンズ部開口C43、傾斜部42の形状に対応する傾斜部開口C42及び固定部41の形状に対応する固定部開口C41を連続して備えている。
キャスティングケースC01は、凹みC40の底側を鉛直下向きに配置し、開口側から所定の分量の硬化前のモールド樹脂部材の材料40Aを注入する。
【0074】
(モールド樹脂部材を形成する工程)
モールド樹脂部材を形成する工程S30は、一対の第1リード12及び第2リード11ごとにモールド樹脂部材40を形成する工程である。この工程S30は、モールド樹脂部材の材料40Aが充填された凹みC40内に中間体400を挿入し、一対の第1リード12及び第2リード11ごとに、発光素子20を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材40を形成する。
中間体400は、発光素子20が載置されている側から連結部310を露出させて凹みC40に挿入し、発光素子20が固定部開口C41内に配置される状態で固定する。モールド樹脂部材40は、モールド樹脂部材の材料40Aを加熱等によって硬化させて形成し、硬化後にキャスティングケースC01を取り外す。
【0075】
(個片化工程)
個片化工程S40は、連結体300の連結部310を切り離す工程である。連結部310の一部を残して、第1リード12及び第2リード11に突起ができるように切り離す。連結部310を切り離した後、発光装置100に個片化される。
【0076】
発光装置100の製造方法は、連結体300の連結部310によって、第1リード12及び第2リード11を一対に保持することができる。また、連結体300は、一対の第1リード12及び第2リード11が繰り返し連結されていることで、複数の対を一括して扱うことができ、作業の効率化を図ることができる。
発光装置100の製造方法は、モールド樹脂部材40をキャスティングによって形成することで、レンズ部43、傾斜部42及び固定部41を一体に形成することができる。また、キャスティングケースC01の凹みC40の形状を調節することで、設定した表面形状を有するモールド樹脂部材40を繰り返し安定して形成することができる。
発光装置100の製造方法は、個片化工程において、第1リード12及び第2リード11が第1接合部123及び第2接合部113を有するように連結部310を切り離すことができる。これにより、発光装置100は、例えば、接続端部124、114を後記する実装基板60に挿入して発光装置100を並べる場合に、第1接合部123及び第2接合部113の下面を実装基板60と対面させることで、レンズ部43の上端部の位置を揃えることができる。
【0077】
なお、モールド樹脂部材の材料を充填する工程S20は、次のモールド樹脂部材を形成する工程S30と併せて行うこととしてもよい。すなわち、複数の凹みC40を有しているキャスティングケースC01に、中間体400を配置した状態で、モールド樹脂部材の材料40Aを充填して、キャスティングケースC01の凹みC40内に配置されている一対の第1リード12及び第2リード11ごとに、発光素子20を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材40を形成することとしてもよい。
また、発光装置101、102、100A、140A、140Bについても、キャスティングケースC01の凹みC40の形状を変更することで、同様の工程で製造することができる。なお、発光装置100は、削ることで所望の形状のモールド樹脂部材40を形成してもよい。
【0078】
次に、発光装置100が使用されている光源装置200について、
図9A、9Bを参照して説明する。
図9Aは、光源装置200の一部を例示する概略正面図である。
図9Bは、発光装置100が光源装置200に実装された状態を例示する概略断面図である。なお、発光装置100の代わりに、
図3Aから
図6Dを参照して説明した発光装置101、102、100A、140A、140B等を使用してもよい。
【0079】
光源装置200は、レンズ部43が表示面を構成するように発光装置100を多数整列させて、各発光装置100の点消灯及び明るさを制御することができる装置である。なお、発光装置100における上下方向は、光源装置200の表示面に垂直な方向となっている。また、発光装置100は、X方向が光源装置200の表示面における横方向となるように配置されている。発光装置100の傾斜部が、光源装置200の表示面の横方向に平行となるように配置されていることが好ましい。例えば、発光装置100において、第1方向に沿って傾斜部42がレンズ部43を介して対向して配置されている場合、複数の発光装置が第1方向に平行な方向に配置されている。
また、光源装置200は、複数の発光装置が、複数行配置されていることが好ましい。さらに、複数行の隣り合う行に亘る発光装置の3つを1組として、各組の3つの発光装置の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に載置されることが好ましい。また、複数の発光装置が、複数行の隣り合う行に亘る発光装置の3つを1組とし、各組の3つの発光装置の中心を仮想的に結んだ直線が、光源装置の表示面に垂直な方向に平行に載置されていてもよい。
【0080】
光源装置200は、発光色の異なる発光装置100を整列させてもよい。発光装置100は、例えば、モールド樹脂部材40に青色、緑色、赤色の着色剤を含有させることで、それぞれ青色光を発光する第1発光装置100a、緑色光を発光する第2発光装置100b及び赤色光を発光する第3発光装置100cとすることができる。これら3色の発光装置100a、100b、100cが、1組を1画素として多数並べられ、フルカラー表示が可能な光源装置200とすることができる。発光装置100a、100b、100cの配置する順序は、限定されない。各組3つの発光装置のうち、緑色光を発光する発光装置100bを中央に配置することが好ましい。最も輝度を必要とする波長の光を出射する発光装置を中央に配置することで、良好な白色を得ることができるからである。
光源装置200は、ルーバーを有していてもよい。太陽光などの入射光は、ルーバーによって光源装置200の表示面に照射されるのを遮光する。ルーバーは1行ごとに配置されていてもよいし、複数行ごとに配置されていてもよい。ルーバーを有する光源装置200の場合は、耐候性の低い発光装置をルーバー付近に配置することが好ましい。
【0081】
発光装置100は、光源装置200の実装基板60に載置されている。発光装置100の全長は、例えば、25.5mm以上29.5mm以下である。好ましくは、26.8mm以上28.5mm以下である。発光装置100の実装基板60の上面からの取付高さは、発光装置100を実装基板60に載置した際に、第1接合部123と第1接続端部124との界面及び第2接合部113と第2接続端部114との界面が実装基板60の上面と接合することで設定され、例えばレンズ部43の上端部までの高さH10を揃えることができる。第1接合部123及び第2接合部113は、X方向に幅広になるように形成されていてもよい。第1接続端部124及び第2接続端部114は、発光装置100を実装基板60に載置した際に、実装基板60に挿入される部位である。第1接続端部124及び第2接続端部114は、実装基板60に挿入されて外部電極と接続される。
【0082】
実装基板60には、モールド樹脂部材40の一部が埋設されるように、防水部材70が設けられている。また、隣り合う発光装置間にモールド樹脂部材の一部が埋設されるように、防水部材が配置されている。防水部材70は、発光装置100及び実装基板60を水等から保護する部材である。
防水部材70とモールド樹脂部材40との重なりの厚さH11は、例えば0.5mm以上であり、好ましくは1.5mm以上であり、さらに好ましくは3.0mm以上である。防水部材70の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂を用いることが好ましい。また、防水部材70は、黒色樹脂であることが好ましい。黒色樹脂を用いることで、防水部材70と発光光とのコントラストがより高くなり、光源装置200による表示がより鮮明となる。また、傾斜部42と外部との界面で反射されて実装基板60側に進んできた光を吸収することができる。傾斜部42の傾斜面420は、発光素子20から出た光のうち、傾斜部42を通る光線が直線L1に平行に屈折して出射される角度から全反射することができる角度に設定されている。傾斜部42の傾斜面420によって、平行に屈折して出射された光から全反射した光は、実装基板60側に進み、防水部材70によって吸収されることになる。そのため、光源装置200から照射される領域を調節することができる。例えば、発光装置の配光を狭め、光源装置200の表示面における横方向に照射される領域を調節することで、光源装置200によって照らしたい領域の明るさは維持しつつ、照らす必要がない領域や照らしたくない領域へは、光漏れを低減したり、明るさを抑えたりすることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示の実施形態に係る発光装置及び光源装置は、屋外用ディスプレイに好適に利用することができる。その他、本開示の実施形態に係る発光装置及び光源装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、屋内用ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置等に利用することができる。
【0084】
本願は以下の事項を含む。
[項1]
発光素子と、
前記発光素子が載置される第1リードと、
前記発光素子と導電部材を介して電気的に接続され、前記第1リードと離れて第1方向に沿って配置される第2リードと、
前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材と、を備え、
前記モールド樹脂部材は、
前記発光素子の上方に位置するレンズ部と、
前記第1リードと前記第2リードとを固定する固定部と、
前記レンズ部と前記固定部との間に位置し、前記レンズ部との境界から前記固定部との境界に向かって少なくとも一部が広がり傾斜する傾斜部と、を備え、
前記発光素子は、前記固定部内に配置されている、発光装置。
[項2]
前記傾斜部は、前記傾斜部の表面である傾斜面を有し、
前記傾斜面は、平面視において、前記レンズ部の頂点を通り、前記第1方向に平行な直線上に配置される、項1に記載の発光装置。
[項3]
前記傾斜面は、平面視において、前記レンズ部の前記頂点を通り、前記第1方向に直交する第2方向に平行な直線上に配置され、前記第1方向における傾斜部の傾斜角度は、前記第2方向における傾斜部の傾斜角度よりも大きい、項2に記載の発光装置。
[項4]
前記第1リード及び前記第2リードは、前記モールド樹脂部材から露出している接続端部を有している、項1から項3の何れか一項に記載の発光装置。
[項5]
平面視において、前記固定部の外周は、前記レンズ部の外周よりも大きい項1から項4の何れか一項に記載の発光装置。
[項6]
前記傾斜部は、凹凸のない前記傾斜面を有する項1から項5の何れか一項に記載の発光装置。
[項7]
前記傾斜部は、湾曲する前記傾斜面を有する項1から項5の何れか一項に記載の発光装置。
[項8]
前記第1方向及び第3方向に沿って切った断面において、前記発光素子から出射された光のうち前記傾斜部における前記レンズ部との接続点を通る光は、前記傾斜部における前記レンズ部との接続点を通る前記第1方向に平行な直線上、又は前記平行な直線から下方に出射され、
前記第3方向は、前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である、項1から項7の何れか一項に記載の発光装置。
[項9]
前記第1リードは、側壁と底平面とで画定する凹部を有し、前記凹部の底平面に前記発光素子が載置される項1から項8の何れか一項に記載の発光装置。
[項10]
前記傾斜部は、前記凹部の側壁の上縁よりも上方に位置する項9に記載の発光装置。
[項11]
前記第1方向及び第3方向に沿って切った断面において、前記傾斜部における前記固定部との接続点は、前記凹部の側壁の上端部を通り、前記第1方向と平行な直線と、前記傾斜部に近接する前記発光素子の側面の上端部と前記凹部の側壁の上端部とをつなぐ直線と、の間に位置し、
前記第3方向は、前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である、請求項9又は項10に記載の発光装置。
[項12]
前記固定部の上縁は、前記凹部の上端部と同じ、または、前記凹部の上端部よりも上方に位置する項9から項11の何れか一項に記載の発光装置。
[項13]
前記第1方向における前記傾斜部の傾斜角度は、前記第2方向における前記傾斜部の傾斜角度よりも大きい、項1から項12の何れか一項に記載の発光装置。
[項14]
前記レンズ部及び前記固定部は、平面視が略楕円形である項1から項13の何れか一項に記載の発光装置。
[項15]
平面視において、前記第1方向の前記固定部の長さは、3.4mm以上4.4mm以下である項1から項14の何れか一項に記載の発光装置。
[項16]
平面視において、前記第1方向と直交する前記第2方向の前記固定部の長さは、2.5mm以上3.5mm以下である項1から項15の何れか一項に記載の発光装置。
[項17]
前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である第3方向において、前記レンズ部の最も長い長さは、0.5mm以上3.5mm以下である項1から項16の何れか一項に記載の発光装置。
[項18]
前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、に直交し、前記第1リードと前記第2リードとが伸びる方向である第3方向において、前記モールド樹脂部材の最も長い長さは、5.5mm以上9.5mm以下である項1から項17の何れか一項に記載の発光装置。
[項19]
前記レンズ部、前記傾斜部及び前記固定部は、一体に形成されている項1から項18の何れか一項に記載の発光装置。
[項20]
一対の第1リード及び第2リードが繰り返し連結部により連結された連結体の前記第1リードに発光素子が載置され、前記発光素子と前記第2リードとが導電部材を介して電気的に接続された中間体を準備する工程と、
複数の凹みを有するキャスティングケースにおいて、前記凹み内にモールド樹脂部材の材料を充填する工程と
前記モールド樹脂部材の材料が充填された前記凹み内に前記中間体を挿入し、前記一対の第1リード及び第2リードごとに、前記発光素子を直接的又は間接的に覆うモールド樹脂部材を形成する工程と、
前記一対の第1リード及び第2リードとなるように、前記連結体の連結部を切り離す個片化工程と、を含み、
前記モールド樹脂部材の材料を充填する工程において、前記キャスティングケースは、前記キャスティングケースの底側にレンズ部開口と、前記レンズ部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって広がり傾斜する傾斜部開口と、前記傾斜部開口から繋がり前記キャスティングケースの開口側に向かって配置される固定部開口と、を備え、
前記モールド樹脂部材を形成する工程は、前記発光素子を前記固定部開口内に配置する、発光装置の製造方法。
[項21]
複数の発光装置と、前記発光装置が載置された実装基板と、を備え、
前記複数の発光装置は、項1から項19の何れか一項に記載の発光装置であり、
前記傾斜部は、前記第1方向において、前記レンズ部を介して対向して配置されており、
前記複数の発光装置は、前記第1方向に平行な方向に配置されている、光源装置。
[項22]
前記複数の発光装置は、前記第1方向に平行に複数行配置され、前記複数行の隣り合う行に亘る前記発光装置の3つを1組として、各組の3つの前記発光装置の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に載置される項21に記載の光源装置。
[項23]
隣り合う前記発光装置間に前記モールド樹脂部材の一部が埋設されるように、防水部材を備える、項21または項22に記載の光源装置。
【符号の説明】
【0085】
12 第1リード、121 カップ部、122 第1ボトム部、123 第1接合部、124 第1接続端部、11 第2リード、112 第2ボトム部、113 第2接合部、114 第2接続端部、15 凹部、151 底平面(凹部)、152 内側面(凹部)、155 側壁(凹部)、20 発光素子、20A 上面(発光素子)、22 導電部材(第1導電部材)、21 導電部材(第2導電部材)、30 透光性部材、30A 上面(透光性部材)、40 モールド樹脂部材、40A モールド樹脂部材(硬化前)、41 固定部、42 傾斜部、43 レンズ部、60 実装基板、70 防水部材、100 発光装置、200 光源装置、300 連結体、310 連結部、400 中間体、C01 キャスティングケース、C40 凹み