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特開2023-74457III-V族/シリコン及びシリコン相補型金属酸化膜半導体集積回路に用いられるヘテロジニアス集積化方式
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074457
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】III-V族/シリコン及びシリコン相補型金属酸化膜半導体集積回路に用いられるヘテロジニアス集積化方式
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20230522BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230522BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230522BHJP
   H01L 21/8232 20060101ALI20230522BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
H01L27/092 C
H01L27/092 G
H01L29/78 301B
H01L29/78 301C
H01L27/088 E
H01L27/088 B
H01L27/06 F
H01L21/88 J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125050
(22)【出願日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/264,205
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/650,758
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 建宏
(72)【発明者】
【氏名】ライ,イアン
【テーマコード(参考)】
5F033
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
5F033GG02
5F033HH07
5F033HH09
5F033HH11
5F033HH13
5F033HH15
5F033HH18
5F033HH19
5F033HH20
5F033HH21
5F033HH23
5F033HH33
5F033JJ07
5F033JJ15
5F033JJ19
5F033KK07
5F033KK09
5F033KK11
5F033KK15
5F033KK18
5F033KK19
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5F033KK21
5F033KK33
5F033MM01
5F033MM30
5F033QQ07
5F033QQ09
5F033QQ23
5F033QQ37
5F033QQ47
5F033QQ48
5F033RR03
5F033RR04
5F033RR06
5F033SS11
5F033SS13
5F033SS15
5F033VV07
5F033VV09
5F033VV10
5F033XX22
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA03
5F048BB09
5F048BB11
5F048CB01
5F048CB03
5F048CB04
5F140AB01
5F140AB03
5F140AB05
5F140BA02
5F140BA03
5F140BA06
5F140BA16
5F140BA20
5F140BC12
5F140BC15
5F140BD07
5F140BD11
5F140BE09
5F140BE10
5F140BF01
5F140BF05
5F140BF06
5F140BF07
5F140BF10
5F140BJ27
5F140CE07
(57)【要約】
【課題】III-V族/シリコン及びシリコン相補型金属酸化膜半導体集積回路に用いられるヘテロジニアス集積化方式を提供する。
【解決手段】ダイスタックを形成するように、III-V族ダイを相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイに直接接合することを備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタを含有する第1の回路と、を含み、CMOSダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタ及びp型トランジスタを含有する第2の回路と、を含み、第1の回路が第2の回路に電気的に接続されるパッケージの製造方法。
【選択図】図57
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイスタックを形成するように、III-V族ダイを相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイに直接接合することを備え、
前記III-V族ダイは、
(111)半導体基板と、
前記(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタを含有する第1の回路と、
を含み、
前記相補型金属酸化膜半導体ダイは、
(100)半導体基板と、
前記(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタ及び前記(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタを含有する第2の回路と、
を含み、
前記第1の回路が前記第2の回路に電気的に接続されるパッケージの製造方法。
【請求項2】
前記III-V族ダイが前記相補型金属酸化膜半導体ダイの上方に位置し、前記パッケージの製造方法は、
前記III-V族ダイに貫通ビアを形成することと、
前記貫通ビアを顕在化するように、前記(111)半導体基板を研磨することと、
前記貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料を介して、ヒートシンクを前記III-V族ダイに接着することと、
を更に含む請求項1に記載のパッケージの製造方法。
【請求項3】
前記相補型金属酸化膜半導体ダイが前記III-V族ダイの上方に位置し、前記パッケージの製造方法は、
前記相補型金属酸化膜半導体ダイに貫通ビアを形成することと、
前記貫通ビアを顕在化するように、前記(100)半導体基板を研磨することと、
前記貫通ビアと物理的に接触する熱界面材料を介して、ヒートシンクを前記相補型金属酸化膜半導体ダイに接着することと、
を更に含む請求項1に記載のパッケージの製造方法。
【請求項4】
前記III-V族ダイを前記相補型金属酸化膜半導体ダイに接合することは、半田接合又はマイクロバンプ接合によって行われ、前記パッケージの製造方法は、前記III-V族ダイと前記相補型金属酸化膜半導体ダイとの隙間にアンダーフィル材を配置することを更に含む請求項1に記載のパッケージの製造方法。
【請求項5】
III-V族ダイと、前記III-V族ダイに物理的に接合される相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイと、を備え、
前記III-V族ダイは、(111)半導体基板と、前記(111)半導体基板の表面に位置するIII-V族によるn型トランジスタと、を含み、
前記相補型金属酸化膜半導体ダイは、(100)半導体基板と、前記(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタと、前記(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタと、を含むパッケージ。
【請求項6】
前記III-V族ダイは、前記相補型金属酸化膜半導体ダイの上方に位置し、前記パッケージは、
前記III-V族ダイ内に位置する貫通ビアと、
前記貫通ビアの上方に位置し、前記貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料と、
前記熱界面材料の上方に位置し、前記熱界面材料に接続されるヒートシンクと、
を更に含む請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記相補型金属酸化膜半導体ダイは、前記III-V族ダイの上方に位置し、前記パッケージは、
前記相補型金属酸化膜半導体ダイ内に位置する貫通ビアと、
前記貫通ビアの上方に位置し、前記貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料と、
前記熱界面材料の上方に位置し、前記熱界面材料に接続されるヒートシンクと、
を更に含む請求項5に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記相補型金属酸化膜半導体ダイは付加p型トランジスタを含み、前記III-V族によるn型トランジスタは前記付加p型トランジスタに直接接続される請求項5に記載のパッケージ。
【請求項9】
III-V族ダイと、前記III-V族ダイに直接接合される相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイと、を備え、
前記III-V族ダイは、
(111)半導体基板と、
前記(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタと、
前記III-V族によるn型トランジスタに接続される第1の電気コネクタと、
を含み、
前記相補型金属酸化膜半導体ダイは、
(100)半導体基板と、
前記(100)半導体基板の表面に位置するp型トランジスタと、
前記p型トランジスタに接続される第2の電気コネクタと、
を含み、
前記第1の電気コネクタ及び前記第2の電気コネクタで前記III-V族によるn型トランジスタ及び前記p型トランジスタを相互接続するパッケージ。
【請求項10】
機能回路を形成するように、前記III-V族によるn型トランジスタと前記p型トランジスタとが直接接続される請求項9に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
窒化ガリウム(GaN)n型(Nチャネル)トランジスタは、シリコン系のトランジスタに比べて、高性能、高い電力変換効率(例えば電力付加効率(Power Added Efficiency;PAE))の応用を実現する方面において顕著に優れた性能を有し、高性能、高い電力変換効率の応用は、無線周波数(RF)電力増幅器、スイッチ、ローノイズアンプを含み、これらの装置の応用は、5G/6G無線周波数ネットワーク及びモバイル装置を含む。n型GaNトランジスタも小さいフォームファクタを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第20180005988号明細書
【特許文献2】米国特許第20200381398号明細書
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】REN, et al., “Hydrogen-terminated diamond FET and GaN HEMT delivering CMOS inverter operation at high-temperature,” 2020 Device Research Converence, Colubus, OH, June 21-24, 2020, 2 pages.(RENら「高温でCMOSインバーター動作を実現する水素終端ダイヤモンドFET及びGaN HEMT」 2020 Device Research Converence, Colubus, OH, June 21-24, 2020, 2 pages.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一部のp型GaNトランジスタは、正孔バンド構造のため、n型GaNトランジスタに比べてp型移動度が非常に低い。従って、高電圧GaN相補型デバイス回路を製造することは現実的ではない。
【0005】
シリコン相補型金属酸化膜半導体(Complementarity Metal-oxide-semiconductor;CMOS)回路(NMOSとPMOSデバイスを含む)は、低消費電力・高密度論理和演算回路に用いられるトランジスタ特性に優れ、複雑なアナログ/ミックスドシグナル回路に適している。しかしながら、シリコンCMOS技術により成された電力増幅器は、非常に低い電力変換効率、例えば電力付加効率(PAE)を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示内容の幾つかの実施形態は、ダイスタックを形成するように、III-V族ダイを相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイに直接接合することを備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタを含有する第1の回路と、を含み、相補型金属酸化膜半導体ダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタ及び(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタとを含有する第2の回路と、を含み、第1の回路が第2の回路に電気的に接続されるパッケージの製造方法を提供する。
【0007】
本開示内容の別の幾つかの実施形態は、III-V族ダイと、III-V族ダイに物理的に接合される相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイと、を備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に位置するIII-V族によるn型トランジスタと、を含み、相補型金属酸化膜半導体ダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタと、(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタと、を含むパッケージを提供する。
【0008】
本開示内容のさらに別の幾つかの実施形態は、III-V族ダイと、III-V族ダイに直接接合される相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ダイと、を備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタと、III-V族によるn型トランジスタに接続される第1の電気コネクタと、を含み、相補型金属酸化膜半導体ダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板の表面に位置するp型トランジスタと、p型トランジスタに接続される第2の電気コネクタと、を含み、第1の電気コネクタ及び第2の電気コネクタでIII-V族によるn型トランジスタとp型トランジスタを相互接続するパッケージを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示内容の複数の態様は、添付図面と共に閲読する時に、以下の詳細な説明内容に合わせて最適に理解される。なお、業界の標準仕様によれば、種々の特徴が比例どおりには描かれていない。実際には、種々の特徴の寸法は、明確に説明するために、任意に増減することができる。
図1】幾つかの実施形態によるIII-V族ダイとCMOSダイとを含むパッケージにおける複数の回路を示す模式的ブロック図である。
図2】幾つかの実施形態によるIII-V族ダイとCMOSダイとを含むパッケージにおける複数の回路並びに対応するp型トランジスタ及びn型トランジスタを示す模式的ブロック図である。
図3-14】幾つかの実施形態によるIII-V族デバイスのダイ/ウエハの形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図15】幾つかの実施形態による図3図14における複数のプロセスのプロセスフローを示す図である。
図16-28】幾つかの実施形態によるIII-V族デバイスのダイ/ウエハの形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図29】幾つかの実施形態による図16図28における複数のプロセスのプロセスフローを示す図である。
図30-35】幾つかの実施形態によるIII-V族デバイスのダイ/ウエハに用いられる複数の相互接続構造の形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図36】幾つかの実施形態による図30図35における複数のプロセスのプロセスフローを示す図である。
図37-44】幾つかの実施形態によるIII-V族デバイスのダイ/ウエハの複数の相互接続構造の形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図45】幾つかの実施形態による図37図44における複数のプロセスのプロセスフローを示す図である。
図46-52】幾つかの実施形態によるCMOSデバイスのダイ/ウエハの形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図53】幾つかの実施形態による接合プロセスのプロセスフローを示す図である。
図54-57】幾つかの実施形態による接合プロセスにおける複数の中間段階を示す複数の断面図である。
図58】幾つかの実施形態による混合接合プロセスによって形成されたパッケージを示す断面図である。
図59】幾つかの実施形態による図54図57に示した複数のプロセスのプロセスフローを示す図である。
図60-63】幾つかの実施形態による幾つかのパッケージを示す複数の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の開示内容は、本開示内容の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。以下、本開示内容を簡単化にするために、素子及び配列の具体的な実施例について説明する。もちろん、これらは、単に実施例であり、本開示を限定することを意味しない。例えば、以下の説明において、第1の特徴が第2の特徴の上方又はその上に形成されることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触するようにした実施形態を含んでもよく、追加特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成されて第1の特徴と第2の特徴が直接接触しないようにした実施形態を含んでもよい。また、本開示内容は、様々な実施例において数字及び/又は英字を繰り返して参照することができる。この繰り返しは簡単そして明瞭にするために行われ、且つそれ自体が述べられた様々な実施形態及び/又は配置の間の関係を示さない。
【0011】
また、1つの素子又は特徴と別の素子又は特徴との間に図面に示した関係を有することを容易に説明するために、本明細書において空間相対用語、例えば、「…の下方にある」、「…の下にある」、「より低い」、「より下に」、「…の上にある」、「より上に」、及びこれらに類似したものを用いることができる。空間相対用語は、図面に描かれた向き以外、装置の使用時又は操作時の異なる向きを包含することを意図する。デバイスは、他の向き(90度回転又は他の向き)であってもよく、また、本明細書において使用される空間相対記述語についても同様に解釈されることができる。
【0012】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)によるデバイスダイ(以下、CMOSダイという)と、III-V族によるデバイスダイ(以下、III-V族ダイという)と、を含む複数のパッケージ及びその形成方法を提供した。本開示内容の幾つかの実施形態によれば、III-V族n型トランジスタは、(111)基板を含む第1のデバイスダイ上に形成される。III-V族ダイは、p型デバイスを有していなくてもよい。III-V n型トランジスタは、高電圧に適している。p型トランジスタ及びn型トランジスタの両方は、(100)基板を含むCMOSダイ内に形成され、低電圧に適している。III-V族ダイからCMOSダイへの相互接続部品の長さを短くするように、III-V族ダイとCMOSダイとをスタックする。本明細書で検討された複数の実施形態は、複数の実施例を提供して本開示内容の主題を製造するか又は使用することを可能にすることを意図とし、また、当業者は様々な修正を容易に理解することができ、これらの修正を行って異なる複数の実施形態の想定範囲内に保持することができる。各図面及び説明的な実施形態において、類似の参考符号は類似の素子を示すことに用いられる。方法の実施形態は特定の順序で実行されることを検討したが、他の方法の実施形態は任意の論理の順序で実行することができる。
【0013】
図1は、幾つかの実施形態によるパッケージ2における複数の回路を示す模式的ブロック図である。複数の回路は、第1のデバイスダイ120’に形成される複数の部分と、第2デバイスダイ220’に形成される複数の部分と、を含む。第1のデバイスダイ120’は、III-V族半導体材料による形成される複数のデバイスを含むので、以下、III-V族ダイ120’と代替的に呼ばれる。第2デバイスダイ220’は、例えば、p型トランジスタとn型トランジスタの両方のような、複数のCMOSによるデバイスを含み、p型トランジスタとn型トランジスタがシリコン、シリコンゲルマニウム、又は類似のものからなるチャネルを有してもよい。幾つかの実施形態によれば、デバイスダイ220’は、III-V族半導体によるデバイスを有していない。デバイスダイ220’は以下、CMOSダイ220’と代替的に呼ばれる。
【0014】
幾つかの実施形態によれば、III-V族ダイ120’は、無線周波数(Radio Frequency;RF)フロントエンドモジュール(Front End Module;FEM)101を含んでもよい。対応する回路は、フロントエンド回路、例えば、電力増幅器(Power Amplifiers;PAs)、スイッチ、ローノイズアンプ(Low-Noise Amplifier;LNAs)、類似のもの、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。III-V族ダイ120’はまた、フロントエンド回路を制御するための幾つかの制御回路の複数の部分(例えばn型トランジスタ)を含んでもよい。III-V族ダイ120’内の回路は、III-V族によるデバイスであり、後述するように、III-V族によるデバイスは、中・高電源供給電圧に耐えることができ、高い電源供給電圧、例えば、約3.5ボルトよりも高いもの、12ボルト、又は類似のもので動作することができる。
【0015】
CMOSダイ220’は、III-V族ダイ120’におけるフロントエンド回路を制御するためのコントローラを含んでもよい論理/コア回路201を備えてもよい。CMOSダイ220’における実施例回路201は、位相同期ループ(Phase Lock Loop;PLL)、ミキサ(mixer)、可変利得増幅器(Variable Gain Amplifier;VGA)、移相器(Phase Shifter)、アナログ-デジタル変換器/デジタル-アナログ変換器(ADC/DAC)、バンドギャップリファレンス(Bandgap Reference;BG)回路、電圧レギュレータ(Voltage Regulator;VR)、包絡線追跡器(envelope tracker)、アプリケーションプロセッサ(Application Processor;AP)、類似のもの、又はこれらの組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない。CMOSダイ220’における複数の回路は、III-V族を含まない回路、例えば、対応するトランジスタのチャネルとしてシリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、又は類似のものを有する回路を含んでもよい。CMOSダイ220’におけるデバイス及び回路は、III-V族ダイ120’の電源供給電圧よりも低い低電源供給電圧(例えば、約1.5ボルト未満)で動作するため、低電圧デバイス及び回路である。
【0016】
複数の相互接続部品10を形成して、III-V族ダイ120’内の回路とCMOSダイ220’内の回路とを相互接続してシステムを形成し、相互接続部品10は、マイクロバンプ(mircro bump;U-bumps)、半田領域、接合パッド(例えば、混合接合構造にある)、又は類似のものを含んでもよい。例えば、相互接続部品10は、III-V族ダイ120’内の電力増幅器の入力をCMOSダイ220’内の出力に結合するための相互配線部品を含んでもよい。III-V族ダイ120’内のスイッチは、(電気的接続部品10を介して)CMOSダイ220’に接続され、CMOSダイ220’からの制御信号により制御されてもよく、また、このスイッチは、電力増幅器又はローノイズアンプをアンテナ(図示せず)に電気的に結合したり、信号結合したりするためのものであってもよい。ローノイズアンプの出力は、電気的接続部品10を介してCMOSダイ220’の入力に結合されてもよい。
【0017】
図2は、パッケージ2のブロック図を、回路並びに対応するp型トランジスタ及びn型トランジスタの観点から示す。幾つかの実施形態によれば、デバイスダイ120’は(111)基板を含み、また、デバイスダイ220’は(100)基板を含む。III-V族によるn型トランジスタ102は、III-V族ダイ120’内に形成されることにより、高い移動度及び低い寄生容量を有する。CMOSダイ220’の代わりにIII-V族ダイ120’に高電圧n型トランジスタを形成することは有利である。例えば、CMOSトランジスタは、移動度が高いから、(100)基板が好ましい。これに対し、n型III-Vトランジスタは、(111)基板が好まく、(100)基板上に形成すると欠陥が多い。
【0018】
p型III-Vトランジスタは効率が非常に低いため、III-V族ダイ120’はp型デバイスを有していなくてもよい。幾つかの実施形態によれば、III-V族ダイ120’における回路内のp型デバイスの幾つかの機能は、p型トランジスタの代わりに、III-V族ダイ120’内に形成される複数の受動デバイス104(キャパシタ、抵抗、インダクタ、又は類似のものを含んでもよい)を介して実現されてもよい。例えば、受動デバイス104を用いる回路は、論理積(AND)ゲート、論理和(OR)ゲート、排他的論理和(XOR)ゲート、又は類似のものを含んでもよい。幾つかの実施形態によれば、幾つかのp型トランジスタ203はCMOSダイ220’内に形成されると共に、III-V族ダイ120’内のn型トランジスタ102(その間に能動デバイス及び受動デバイスがない)に直接接続されて、機能性回路202を形成する。機能回路202は、例えば、幾つかののコントローラのような低電圧回路であってもよく、インバータ、論理積(AND)ゲート、論理和(OR)ゲート、排他的論理和(XOR)ゲート、類似のもの、又は、より複雑な回路を含んでもよい。例えば、インバータは、プルダウン手段としてのn型トランジスタと、プルアップ手段としてのp型トランジスタとを含んでもよく、n型トランジスタ102はIII-V族ダイ120’内に位置するが、p型トランジスタ203はCMOSダイ220’内に位置する。本開示内容の複数の実施形態によれば、このようなタイプの接続方式が可能になる。
【0019】
CMOSダイ220’は、図1を参照して説明した複数の回路の形成に用いるn型トランジスタ及びp型トランジスタ206の両方を更に含む。III-V族ダイ120’とCMOSダイ220’との接続(相互接続部品10を介する)は、図57図58、及び図60図63の複数の例示的な実施形態に示される。
【0020】
図1及び図2に示した回路及び対応するデバイスを形成するための複数の形成プロセスは、後の図面に示される。図3図45は、実施例によるIII-V族ウエハ及びダイ120’の形成を示す。図46図53は、実施例によるCMOSウエハ及びダイ220’の形成を示す。図54図59は、III-V族ダイ120’とCMOSダイ220’とを接合してパッケージを形成するための複数のプロセスを示す。
【0021】
図3図14は、幾つかの実施形態によるIII-V族ダイ及び対応するn型トランジスタの形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。これらの実施形態によれば、n型トランジスタは、ゲート誘電体を有していない。図3を参照して、基板122を一部として含むウエハ120を提供する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス302として示される。幾つかの実施形態によれば、基板122は半導体基板であり、例えばシリコン基板を含んでもよい。基板122は、バルク材料からなるバルク基板であってもよいし、異なる材料からなる複数の層を含む複合基板であってもよい。基板122の表面はシリコンの(111)面の平面にあるので、基板122を(111)基板と呼ばれる。
【0022】
図4を参照して、基板122の上方にバッファ層124を形成し、バッファ層124は、後に形成される複数の被覆層のバッファ及び/又は遷移層とする。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス304として示される。バッファ層124をエピタキシャル成長させるには、有機金属気相エピタキシー(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy;MOVPE)、又は類似の方法を用いることができる。基板122と後に形成されるIII-V族化合物層126との間の格子不整合を緩和するように、バッファ層124はバッファ層として機能することができる。バッファ層124は、単層又は複数の層を含んでもよい。幾つかの実施形態によれば、バッファ層124は、AlN-GaN超格子層、AlN-AlGaN超格子層、又はGaN-AlGaN超格子層を含む。
【0023】
図5を参照して、バッファ層124の上方にIII-V族化合物層126をエピタキシャル成長させる。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス306として示される。幾つかの実施形態において、III-V族化合物層126は、窒化ガリウム(GaN)層である。GaN層26をエピタキシャル成長させるには、例えば有機金属気相エピタキシーにより行われてもよく、この間にガリウムを含む前駆体と窒素を含む前駆体とを用いる。III-V族化合物層126は、GaNの代わりにGaAs又はInPを含んでもよいし、GaAs層又はInP層を含んでもよい。
【0024】
図6を参照して、III-V族化合物層126に接触できるように、III-V族化合物層126の上方にIII-V族化合物層128を形成する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス308として示される。III-V族化合物層128の実施例材料は、AlGaN、AlInN、InGaN、類似のもの、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。III-V族化合物層128をエピタキシャル成長させるには、例えば有機金属気相エピタキシーにより行われてもよい。キャリアチャンネル131(2次元電子ガス(Two-Dimensional Electron Gas;2DEG)ともいう)は、III-V族化合物層126と、III-V族化合物層128との界面近傍に形成されて位置し、そしてIII-V族化合物層126の中に位置することができる。
【0025】
幾つかの実施形態によれば、図7に示すように、GaN貫通ビア(Through-GaN Via;TGV)130を形成する。GaN貫通ビア130の形成には、金属材料を用いてもよく、当該金属材料は、タングステン、コバルト、ニッケル、類似のもの、又はこれらの合金から形成されてもよいし、タングステン、コバルト、ニッケル、類似のもの、又はこれらの合金を含んでもよい。この形成プロセスは、開口を形成するとともに基板122を露出させるように、III-V族化合物層124、126、128をエッチングすることを含んでもよい。その後、金属材料で開口を充填し、次に平坦化プロセス、例えば化学機械研磨(CMP)プロセス又は機械研磨プロセスを行って、過剰な金属材料を除去し、GaN貫通ビア130を残す。GaN貫通ビア130は、2つの機能を有することができる。幾つかのGaN貫通ビア130は、III-V族ウエハ120において、対応するダイのエッジ付近に形成され、ダイの内部領域を取り囲んでもよい。これらのGaN貫通ビアは、ウエハ120のダイの鋸切断時に発生可能なIII-V族化合物層の割れや分層を防止する機能を有する。基板122を上の被覆する接続部品(例えば図14に示す)に接続するように、幾つかの他のGaN貫通ビア130は電気的接続部材として形成されてもよい。これらのGaN貫通ビアは酸化物配置領域(図示せず)に取り囲まれてもよく、酸化物配置領域を形成することは、対応するGaN貫通ビアを取り囲むIII-V族化合物層124、126、128の複数の部分に酸素を配置し、アニールによりこれらの配置された領域を酸化することであり、これにより、これらのGaN貫通ビア130は、III-V族化合物層124、126、128のこれらの隣接する部分から電気的に分離される。代替的な実施形態によれば、GaN貫通ビア130を形成しない。これに基づき、GaN貫通ビア130は、形成されてもよいし、形成しなくてもよいことを示すように、破線で表示される。
【0026】
さらに図7を参照して、III-V族化合物層128に接触するように、III-V族化合物層128の上方にp型GaN層132を形成する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス310として示される。幾つかの実施形態によれば、p型GaN層132を形成して堆積した後に、パターニングし、p型GaN層はマグネシウムをドープしてp型にすることができる。
【0027】
次に、III-V族化合物層128の天面に接触できるように、p型GaN層132及び当該天面の上方にパッシベーション層134を堆積する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス312として示される。実施例によるパッシベーション層134は、例えば、シリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物のような誘電体材料を含む。パッシベーション層134は、下方に位置するIII-V族化合物層128をプラズマによる損害から保護し、このプラズマが後の堆積プロセスで生成される。
【0028】
図9は、ソース領域136及びドレイン領域138を形成した後のウエハ120を示す断面図である。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス314として示される。ソース領域136及びドレイン領域138を形成するために、まず、パッシベーション層134の上方にシールド層(図示せず)を形成する。シールド層、パッシベーション層134、及びIII-V族化合物層128をエッチングすることにより、2つの開口を形成する。従って、p型GaN層132の対向する複数の側上にあるIII-V族化合物層126の複数の部分が露出する。幾つかの実施形態によれば、開口を充填するように堆積により金属層を形成した後、平坦化プロセスを経てシールド層の上方にある金属層の過剰な部分を除去する。金属層の残りの部分は、ソース領域136及びドレイン領域138である。その後、シールド層を除去し、ソース領域136及びドレイン領域138を残させ、ソース領域136及びドレイン領域138は、キャリアチャネル131を介してオーミックコンタクトにより相互接続される。
【0029】
幾つかの実施形態によれば、ソース領域136及びドレイン領域138は1つ又は複数の導電材料を含む。例えば、ソース領域136及びドレイン領域138は、Ti、Co、Ni、W、Pt、Ta、Pd、Mo、TiN、AlCu合金、又はこれらの合金を含んでもよい。
【0030】
図10を参照して、SiN、TiN、又は類似のもののハードシールドであってもよいシールド層142を形成する。シールド層142及びパッシベーション層134には、p型GaN層132を露出するように、開口140を形成する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス316として示される。次に、図11に示すように、開口140を充填するように金属ゲート144を形成する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス318として示される。形成プロセスは堆積プロセスを含んでもよく、そして平坦化プロセスである。金属ゲート144は、タングステン、銅、コバルト、ニッケル、類似のもの、又はこれらの合金から形成されてもよいし、タングステン、銅、コバルト、ニッケル、類似のもの、又はこれらの合金を含んでもよい。その後、シールド層142を除去し、得られた構造を図12に示す。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス320として示される。
【0031】
図13を参照して、層間誘電体(ILD)146を堆積する。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス322として示される。層間誘電体146の堆積に先立って、コンフォーマル膜としてコンタクトエッチストップ層(CESL、図示せず)を堆積してもよい。
【0032】
図14は、ソース領域136、ドレイン領域138及び金属ゲート144に接続される複数のコンタクトプラグ148の形成を示す。図15に示すプロセス300において、対応するプロセスはプロセス324として示される。GaN貫通ビア130を形成する場合、複数のコンタクトプラグ148のうちの1つは、GaN貫通ビア130の上方に形成され、GaN貫通ビア130に接続される。
【0033】
上述した実施形態において、図2に模式的に示すように、p型GaN層132、ソース領域136及びドレイン領域138、並びにキャリアチャンネル131により共同でn型トランジスタ102を形成する。ウエハ120は、p型トランジスタを有していなくてもよい。図14に示すn型トランジスタ102は、ゲート誘電体を有していない。p型GaN層132に電圧を印加する時、キャリアチャンネル131及びソース領域136とドレイン領域138との間に介在するデバイスを流れる電流を調整することができる。例えば、p型GaN層132に無電圧、負電圧、又は低い正電圧を印加する時、p型GaN層132の直下のキャリアチャンネル131の一部が空乏化し、対応するトランジスタ102をオフにする。p型GaN層132に十分に高い正電圧が印加される時、空乏化したキャリアチャンネル131が回復して補強され、対応するソース領域136とドレイン領域138とが回復したキャリア通路131を介して接続され、対応するトランジスタ102をオンにする。
【0034】
図16図28は、本開示内容の複数の代替的な実施形態によるn型トランジスタの形成における複数の中間段階を示す複数の断面図である。これらの実施形態は、本文ここから対応するトランジスタが、ゲート誘電体を含む以外、図3図14に示した実施形態と類似している。これに基づき、図28に示すn型トランジスタは、キャリアチャンネルを物理的に遮断することができる。特に説明しない限り、これらの実施形態における要素の材料及び形成プロセスは、先の実施形態において類似の参考符号によって示される類似素子とほぼ同じである。従って、図16図28に示した要素の形成プロセス及び材料に関する細部は、先の実施形態の検討から見出すことができる。
【0035】
図16を参照して、基板122を含むウエハ120を提供する。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス402として示される。基板122は(111)基板であってもよく、基板122の天面が基板122の(111)面にある。図17は、バッファ層であるIII-V族化合物層124のエピタキシャル成長を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス404として示される。III-V族化合物層124は、超格子層であってもよい。図18は、幾つかの実施形態による、GaN層であってもよいIII-V族化合物層126のエピタキシャル成長を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス406として示される。図19は、幾つかの実施形態による、AlGaN層又はAlInN層であってもよいIII-V族化合物層128のエピタキシャル成長を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス408として示される。図20は、GaN貫通ビア130の形成を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス410として示される。複数の代替的な実施形態によれば、GaN貫通ビア130の形成を省略してもよい。
【0036】
図21は、金属ゲートの開口を画定するためのエッチングプロセスを示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス412として示される。エッチングプロセスにおいて、III-V族化合物層128をエッチングして開口129を形成し、開口129を介して下方にあるIII-V族化合物層126を露出させる。
【0037】
図22を参照して、開口129まで延びるようにゲート誘電体層133を堆積する。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス414として示される。ゲート誘電体層133は、III-V族化合物層126と重畳して接触する部分も含む。ゲート誘電体層133は、得られたトランジスタ102の閾値電圧を増加させることができる(図28)。ゲート誘電体層133の実施例材料は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ガリウム酸化物、アルミニウム酸化物、スカンジウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ランタン酸化物、ハフニウム酸化物、又はこれらの組み合わせから選ばれてよい。幾つかの実施形態によれば、ゲート誘電体層133の形成には、原子層堆積(Atomic Layer Deposition;ALD)が用いられる。他の実施形態によれば、ゲート誘電体層133の形成には、プラズマ補強化学気相成長(PECVD)又は低圧化学気相成長(LPCVD)が用いられる。
【0038】
図23を参照して、金属材料143を堆積する。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス416として示される。幾つかの実施形態によれば、金属材料143は、導電材料を備え、この導電材料は、高融点金属又は対応する化合物を含み、Ti、TiN、W、TiW、Ni、Au、Cu、類似のもの、又はこれらの合金を含む。図24は、金属材料143の過剰部分を除去して金属ゲート144を形成する平坦化プロセス(例えばCMPプロセス)を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス418として示される。
【0039】
図25は、パッシベーション層134の堆積を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス420として示される。図26は、ソース領域136及びドレイン領域138の形成を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス422として示される。図27は、層間誘電体146の堆積を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス424として示される。図28は、コンタクトプラグ148の形成を示す。図29に示すプロセス400において、対応するプロセスはプロセス426として示される。これにより、III-V族n型トランジスタ102が形成される。
【0040】
図30図35は、III-V族ウエハ120に用いられる相互接続構造及び電気コネクタの形成を示す。図36において対応するプロセス500を示す。図30を参照して、回路101は、基板122の天面に形成される。幾つかの実施形態によれば、回路101は、図1を参照して既に説明したように、電力増幅器、スイッチ、ローノイズアンプ、類似のもの、又はこれらの組み合わせを含む。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス502として示される。また、回路101の形成は、III-V族によるn型トランジスタ102の形成を含み、この形成プロセスは、図3図29に示されるとともに、図2にも示されている。これに基づき、図30図35は、図3図15、又は図16図29に示したプロセスの後のプロセスを示す。
【0041】
図31を参照して、基板貫通ビア(又はシリコン貫通ビア)151を形成する。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス504として示される。この形成プロセスは、基板122をエッチングして開口を形成することと、開口の側壁にスペーサを配置することと、金属材料で開口を充填することと、過剰な金属材料を除去するように平坦化プロセスを行うことと、を含んでもよい。1つのシリコン貫通ビア151が示されているが、放熱用又は電気的接続用の複数のシリコン貫通ビア151が形成されてもよい。放熱用シリコン貫通ビア151は、電気的接続用シリコン貫通ビア151よりも幅広に形成されてよく、これにより、放熱効率を向上させる。
【0042】
図32を参照して、相互接続構造152を形成する。相互接続構造152は、バックエンドのライン(Back-End of Line;BEOL)の相互接続構造とも呼ばれる。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス506として示される。相互接続構造152は、その中に形成される複数の受動デバイスを含んでもよく、これらの受動デバイスが図2においても受動デバイス104として示されている。相互接続構造152は、金属間誘電体(IMD)層及その上の被覆するパッシベーション層とを含んでもよい誘電体層を備えてもよい。相互接続構造152は、更に、導電性特徴を有するものを含んでもよく、図32に模式的に示すように、金属配線、ビア、再配線(redistribution lines;RDLs)、コンタクトプラグ、金属パッド、アンダーバンプメタル(Bump Metallurgies;UBMs)、及び/又は、類似のものを含む。導電性特徴は回路101に接続されて、回路101におけるデバイスを相互接続する。
【0043】
図33は、ウエハ120の反転と、ウエハ120へのテープ154のラミネートを示す。テープ154は、ウエハ120の裏面側研磨を支持するためのものである。幾つかの実施形態によれば、テープ154は、紫外線で分解できる紫外線(Ultra-Violet;UV)硬化テープであってもよい。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス508として示される。
【0044】
図34は、シリコン貫通ビア151が露出するまでの、薄い基板122に対する裏面側研磨プロセスを示す。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス510として示される。裏面側研磨プロセスの後、基板122の厚さは、300μm~400μm程度であってもよい。裏面側研磨プロセスの後、テープ154を除去する。得られた構造を図34に示す。
【0045】
次に、図35に示すように、相互接続構造152に電気的に接続されるように、電気コネクタ156を形成する。図36に示すプロセス500において、対応するプロセスはプロセス512として示される。幾つかの実施形態によれば、電気コネクタ156は半田領域である。代替的な実施形態によれば、電気コネクタ156は、マイクロバンプであり、例えばマイクロ銅バンプである。別の代替的な実施形態によれば、電気コネクタ156は、混合接合に用いられる。幾つかの実施形態によれば、III-V族ウエハ120は、後続の接合及びパッケージプロセスに用いられる個別の複数のIII-V族ダイ120’に鋸切断されてもよい。代替的な実施形態によれば、III-V族ウエハ120は、鋸切断されず、ウエハレベルでCMOSウエハ又はダイに接合され、これは後のプロセスにおいて検討される。
【0046】
図37図44は、複数の代替的な実施形態によるIII-V族ウエハ120に用いられる相互接続構造及び電気コネクタの形成を示す。これらの実施形態は、シリコン貫通ビア151が基板122の裏面側から形成される以外、図30図36に示した実施形態と類似している。図45においてプロセス600を示す。これらのプロセスを簡単に検討する。
【0047】
図37は、回路101を含むウエハ120の形成を示し、この形成プロセスは、図3図15、又は図16図29に示すプロセスを含む。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス602として示される。図38は、相互接続構造152の形成を示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス604として示される。図39は、ウエハ120の前面側にテープ154を貼り付くことを示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス606として示される。図40は、ウエハ120の裏面側研磨を示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス608として示される。裏面側研磨プロセスの後、基板122は、ウエハ120に反りや割れが発生しない程度の十分な厚さであってもよい。例えば、厚さは、300μm~400μm程度であってもよい。
【0048】
図41はシリコン貫通ビア開口160を形成するための、基板122のエッチングを示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス610として示される。幾つかの実施形態によれば、開口160は、一端(例えば図41の頂端であり、ウエハ120を上下反転する時、この頂端は実際に開口160の底部160Bになる)を有する。幾つかの実施形態によれば、底部160Bは、(半導体)基板122の天面と底面との間に介在する中間層に位置する。代替的な実施形態によれば、相互接続構造152における複数の金属パッドのうちの1つは、シリコン貫通ビア開口160から露出し、相互接続構造152における対応する金属パッドがエッチストップ層として用いられる。図42は、金属材料を充填し、続いて化学機械研磨プロセスを行うことにより、シリコン貫通ビア開口160にシリコン貫通ビア151を形成することを示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス612として示される。
【0049】
図43は、電気的コネクタ156の形成を示す。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス614として示される。図44はウエハ120の反転及びダイの鋸切断プロセスを示す(この時に実行すれば)。図45に示すプロセス600において、対応するプロセスはプロセス616として示される。鋸切断時、個別の複数のIII-V族ダイ120’は、互いに分離される。代替的な実施形態によれば、この時にウエハ120を鋸切断しない。
【0050】
図46図52は、幾つかの実施形態によるCMOSウエハ220の形成を示す。対応するプロセスは、図53においてプロセス700として示される。図46を参照して、基板222は、ウエハ220の一部として提供される。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス702として示される。幾つかの実施形態によれば、基板222は半導体基板であり、シリコン基板、シリコンゲルマニウム基板、又は類似のものを含んでもよい。基板122は、シリコンなどのバルク材料からなるバルク基板であってもよいし、異なる材料からなる複数の層を含む複合基板であってもよい。基板222の天面は、対応する格子構造の(100)面の平面にあるので、基板222を(100)基板と呼ばれる。
【0051】
図47を参照して、回路201は、基板222の天面に形成される。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス704として示される。対応する回路201は、図1を参照して説明した回路を含んでもよい。また、回路201は論理/コア回路を備え、論理/コア回路は、p型(PMOS)トランジスタ及びn型(NMOS)トランジスタ、ダイオード等、例えば、図2に模式的に示したトランジスタ206を含有するCMOSデバイスを含む。回路201は、アナログ回路、デジタル回路、類似のもの、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。図2に示すように、回路201は、III-V族ダイ120’及びCMOSダイ220’の両方に拡張された回路202内のp型トランジスタ203を含んでもよく、コントローラなどのような低電圧回路であってもよい。実施例による回路202は、例えばインバータ、ゲート、又は類似のもののような機能デバイスを含んでもよい。
【0052】
図48を参照して、シリコン貫通ビア251は、基板222の前表面から基板222内に延びるように形成される。シリコン貫通ビア251は、電源又はグラウンドに電気的接続されるように用いられてもよく、及び/又は、低周波数電気信号を伝導するように用いられてもよい。シリコン貫通ビア251の形成プロセスは、図31に示すシリコン貫通ビア151の形成と類似している。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス706として示される。
【0053】
図49を参照して、相互接続構造252は、基板222の天面に形成される。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス708として示される。図50を参照して、受動デバイス205を形成する。受動デバイス205は、キャパシタ、抵抗、インダクタ、ダイオード、又は類似のものを含んでもよい。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス710として示される。相互接続構造252及び受動デバイス205は、プロセスフロー700において順番に示されているが、同一のプロセスフローにおいて形成されてもよいことは理解されたい。受動デバイス205と回路201とは相互接続されて、アナログ回路及び/又はデジタル回路を含んでもよい機能性回路を形成する。
【0054】
図51を参照して、電気コネクタ256は、基板222の天面に形成される。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス712として示される。電気コネクタ256は、半田領域、マイクロバンプ(例えばマイクロ銅バンプ)、金属パッド、又は類似のものであってもよい。後のプロセスにおいて、ウエハ220の天面にテープ(図示せず)(UVテープでもよい)を貼り付けてもよい。その後、シリコン貫通ビア251が露出するまで薄い基板222に対して裏面側研磨プロセスを実行する。図53に示すプロセス700において、対応するプロセスはプロセス714として示される。得られたウエハ220を図52に示す。ウエハ220は、III-V族ダイ又はIII-V族ウエハとの後続接合を実行するように、複数のCMOSダイ220’に鋸切断されてもよいし、1つのウエハのまま保持されてもよい。
【0055】
図54図57は、III-V族ウエハ/ダイとCMOSウエハ/ダイとの接合及び対応するパッケージプロセスを示す。図59において対応するプロセスフロー800を示す。図54を参照して、電気コネクタ156、256から酸化物を除去する洗浄プロセスを含む、III-V族ダイ120’及びCMOSダイ220’の準備を行う。図59に示すプロセス800において、対応するプロセスはプロセス802として示される。接合プロセスは、ダイレベル又はウエハレベルで実行してもよいことは理解されたい。ウエハレベルであれば、示されるダイは鋸切断されていないウエハの複数の部分である。
【0056】
次に、図55に示すように、III-V族ダイ120’をCMOSダイ220’に接合する。この接合は、半田接合、ダイレクトメタル・メタル接合、又は類似のものを含んでもよい。その後、III-V族ダイ120’とCMOSダイ220’との隙間にアンダーフィル32を充填してもよい。図59に示すプロセス800において、対応するプロセスはプロセス804として示される。図56は電気コネクタ34の形成を示し、電気コネクタ34は、シリコン貫通ビア251に電気的に接続され、また、シリコン貫通ビア251に物理的に接続されてもよいし、物理的に接続されなくてもよい。図59に示すプロセス800において、対応するプロセスはプロセス806として示される。電気コネクタ34は、半田領域、金属ポスト、金属パッド、又は類似のものであってもよい。このようにして、ダイスタック36が形成される。
【0057】
接合されたダイが鋸切断されていないウエハの内部にスタックされると、鋸切断プロセスを行って複数のIII-V族ダイ120’と複数のCMOSダイ220’を分離することができ、これにより、個別の複数のダイスタック36が形成される。その後、ダイスタック36をパッケージ素子38に接合し、得られた構造を図57に示す。図59に示すプロセス800において、対応するプロセスはプロセス808として示される。幾つかの実施形態によれば、パッケージ素子38は、パッケージ基板、インターポーザ(interposer)、プリント配線基板、デバイスダイを含むパッケージ、又は類似のものであり、或いはこれらを含むものである。
【0058】
図57をさらに参照して、ヒートシンク40は、例えば熱界面材料(Thermal Interface Material;TIM)42を介して、ダイスタック36に接着される。熱界面材料42は、例えば、1ワット/(m・k)、5ワット/(m・k)よりも高く、又はそれを超える高熱伝導性を有する接着剤である。ヒートシンク40は、銅、ステンレス、又は類似のものの金属から形成されてもよいし、銅、ステンレス、又は類似のものの金属を含んでもよい。これに基づき、ダイスタック36の動作期間中、ダイスタック36で発生した熱を、シリコンビア251により熱界面材料42を介してヒートシンク40に伝導することができる。シリコン貫通ビア151は、電源、グランドに電気的接地され、又は信号に接続されるように用いられてもよい。このようにして、パッケージ44が形成される。図59に示すプロセス800において、対応するプロセスはプロセス810として示される。
【0059】
図58は、複数の代替的な実施形態によるパッケージ44を示す。これらの実施形態は、図57において、III-V族ダイ120’とCMOSダイ220’との接合がマイクロバンプ又は半田領域を介して行われ、図58において、III-V族ダイ120’とCMOSダイ220’との接合が混合接合を介して行われている以外は、図57の実施形態と類似している。混合接合において、III-V族ダイ120’内の表面誘電体層は、溶融接合(形成されたSi-O-Si結合を利用する)によりCMOSダイ220’内の表面誘電体層に接合される。また、III-V族ダイ120’内の接合パッド156は、ダイレクトメタル・メタル接合によりCMOSダイ220’内の接合パッド256に接合され、金属相互拡散により接合パッド156を接合パッド256に接続する。
【0060】
図60は、複数の代替的な実施形態によって形成されるパッケージ44を示す。これらの実施形態は、CMOSダイ220’がIII-V族ダイ120’の上方にあるのではなく、その下方にある以外、図57に示す実施形態と類似している。
【0061】
図61は、複数の代替的な実施形態によって形成されるパッケージ44を示す。これらの実施形態は、半田接合又はマイクロバンプ接合の代わりに、混合接合を行う以外、図60に示す実施形態と類似している。
【0062】
図62は、複数の代替的な実施形態によって形成されるパッケージ44を示す。これらの実施形態は、III-V族ダイ120’において、III-V族材料が図3図29に示した実施形態に開示された材料以外の材料を含んでもよい以外、図58に示した実施形態と類似している。
【0063】
図63は、複数の代替的な実施形態によって形成されるパッケージ44を示す。これらの実施形態は、CMOSダイ220’に複数のダイが被覆され接合される以外、図58に示す実施形態と類似している。複数のダイは、III-V族ダイ120’と、付加的なCMOSダイ220’’とを含んでもよい。
【0064】
上記に示された複数の実施形態において、3次元(three-dimensional;3D)パッケージを形成するように、本開示内容の幾つかの実施形態に基づいて幾つかのプロセス及び特徴を検討した。他の複数の特徴及び複数のプロセスを含んでもよい。例えば、3次元パッケージ又は3次元集積回路装置の検証テストを支援するためのテスト構造を含んでもよい。テスト構造は、例えば、再配線層内又は基板上に形成される複数のテストパッドを含んでもよく、テストパッドは、3次元パッケージ又は3次元集積回路のテストを可能とし、プローブ及び/又はプローブカード、又は類似のものを用いる。検証テストは複数の中間構造及び最終構造に対して実行することができる。また、本明細書に開示された構造及び方法は、テスト方法と組み合わせて使用することができ、このテスト方法は、良好であることが分ったダイの中間検証と組み合わせ、歩留まりを向上させると共にコストを低減させる。
【0065】
本開示内容の複数の実施形態は、幾つかの有利な特徴を有する。III-V族によるデバイスである高電圧デバイスと高出力デバイスを(111)基板上に形成することにより、高電圧又は高出力デバイスの性能を向上させる。(100)基板上に低電圧コア/論理デバイスを形成することにより、低電圧コア/論理デバイスの性能も改善される。III-V族ダイとCMOSダイをスタックすることにより、III-V族ダイ及びCMOSダイ内の複数のデバイスを相互接続するための電気的経路の長さを短くし、遅延を低減する。これは、幾つかの応用(例えば電力増幅器)に用いられる高い出力効果を向上させると共に、CMOS回路の低い寄生容量及び高い密度を維持する。これらの実施形態は、III-V族ダイとCMOSダイが下方にあるパッケージ基板に並列に接合され、パッケージ基板を介して相互に通信することができる従来構造よりも優れた性能を有する。この場合、信号経路が非常に長い。
【0066】
本開示内容の幾つかの実施形態によれば、ダイスタックを形成するように、III-V族ダイをCMOSダイに直接接合することを備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタを含有する第1の回路と、を含み、CMOSダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタ及び(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタとを含有する第2の回路と、を含み、第1の回路が第2の回路に電気的に接続されるパッケージの製造方法である。
【0067】
一つの実施形態において、III-V族ダイがCMOSダイの上方に位置し、当該方法は、更に、III-V族ダイに貫通ビアを形成することと、貫通ビアを顕在化するように、(111)半導体基板を研磨することと、貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料を介して、ヒートシンクをIII-V族ダイに接着することと、を含む。一つの実施形態において、CMOSダイがIII-V族ダイの上方に位置し、当該方法は、更に、CMOSダイに貫通ビアを形成することと、貫通ビアを顕在化するように、(100)半導体基板を研磨することと、貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料を介して、ヒートシンクをCMOSダイに接着することと、を含む。
【0068】
一つの実施形態において、III-V族ダイをCMOSダイに接合することは、半田接合又はマイクロバンプ接合によって行われ、当該方法は、III-V族ダイとCMOSダイとの隙間にアンダーフィル材を配置することを更に含む。一つの実施形態において、III-V族ダイとCMOSダイとの接合は、混合接合により行われる。一つの実施形態において、III-V族ダイはp型トランジスタを有していない。一つの実施形態において、機能回路を形成するように、III-V族によるn型トランジスタは、CMOSダイ内の付加的なp型トランジスタに直接接続される。一つの実施形態において、インバータを形成するように、III-V族ダイ内のIII-V族によるn型トランジスタは、CMOSダイ内の付加的なp型トランジスタに直接接続される。一つの実施形態において、III-V族によるn型トランジスタは、チャネルとして2次元電子ガス(2DEG)を用いる。
【0069】
本開示内容の幾つかの実施形態によれば、III-V族ダイと、III-V族ダイに物理的に接合されるCMOSダイと、を備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に位置するIII-V族によるn型トランジスタと、を含み、CMOSダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板上に位置するn型トランジスタと、(100)半導体基板上に位置するp型トランジスタと、を含むパッケージである。一つの実施形態において、III-V族ダイは、CMOSダイの上方に位置し、パッケージは、更に、III-V族ダイ内に位置する貫通ビアと、貫通ビアの上方に位置し、貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料と、熱界面材料の上方に位置し、熱界面材料に接続されるヒートシンクと、を含む。一つの実施形態において、CMOSダイは、III-V族ダイの上方に位置し、パッケージは、更に、CMOSダイ内に位置する貫通ビアと、貫通ビアの上方に位置し、貫通ビアに物理的に接触する熱界面材料と、熱界面材料の上方に位置し、熱界面材料に接続されるヒートシンクと、を含む。
【0070】
一つの実施形態において、パッケージは、さらに、III-V族ダイとCMOSダイとの間に介在し、且つIII-V族ダイとCMOSダイに物理的に接触するアンダーフィルを含む。一つの実施形態において、III-V族ダイとCMOSダイとの接合は、混合接合により行われる。一つの実施形態において、III-V族ダイはp型トランジスタを有していない。一つの実施形態において、CMOSダイは付加的なp型トランジスタを含み、III-V族によるn型トランジスタは、付加的なp型トランジスタに直接接続される。一つの実施形態において、インバータを形成するように、III-V族ダイ内のIII-V族によるn型トランジスタは、CMOSダイ内の付加的なp型トランジスタに直接接続される。
【0071】
本開示内容の幾つかの実施形態によれば、III-V族ダイと、III-V族ダイに直接的に接合されるCMOSダイと、を備え、III-V族ダイは、(111)半導体基板と、(111)半導体基板の表面に形成されるIII-V族によるn型トランジスタと、III-V族によるn型トランジスタに接続される第1の電気コネクタと、を含み、CMOSダイは、(100)半導体基板と、(100)半導体基板の表面に位置するp型トランジスタと、p型トランジスタに接続される第2の電気コネクタと、を含み、第1の電気コネクタ及び第2の電気コネクタでIII-V族によるn型トランジスタとp型トランジスタを相互接続するパッケージである。一つの実施形態において、機能回路を形成するように、III-V族によるn型トランジスタとp型トランジスタとは直接的に相互接続される。一つの実施形態において、III-V族によるn型トランジスタ及びp型トランジスタによりインバータを形成する。
【0072】
以上、当業者が本開示内容の態様をよりよく理解できるように、複数の実施形態の複数の特徴を概括した。当業者にとって理解されるべきであるように、本明細書において紹介される実施形態と同じ目的及び/又は同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用することができる。当業者にとって理解されるべきであるように、このような等価構造は本開示内容の精神及び範囲から逸脱せず、且つ、本開示内容の精神及び範囲から逸脱せずに様々な変更、置換、及び代替を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
10 相互接続部品(電気的接続部品)
101 回路
102 トランジスタ
104 受動デバイス
120 ウエハ
120’ III-V族ダイ(デバイスダイ)
122 基板
124 III-V族化合物層(バッファ層)
126 III-V族化合物層
128 III-V族化合物層
129 開口
130 GaN貫通ビア
131 キャリアチャンネル
132 p型GaN層
133 ゲート誘電体層
134 パッシベーション層
136 ソース領域
138 ドレイン領域
140 開口
142 シールド層
143 金属材料
144 金属ゲート
146 層間誘電体
148 コンタクトプラグ
151 シリコン貫通ビア
152 相互接続構造
154 テープ
156 電気コネクタ
160 開口
160B 底部
2 パッケージ
201 回路
202 回路
203 p型トランジスタ
205 受動デバイス
206 トランジスタ
220 ウエハ
220’ CMOSダイ
222 基板
220’ CMOSダイ(デバイスダイ、ダイ)
220’’ 付加的なCMOSダイ
222 基板
251 シリコン貫通ビア
252 相互接続構造
256 電気コネクタ(接合パッド)
32 アンダーフィル
34 電気コネクタ
36 ダイスタック
38 パッケージ素子
300 プロセス
302 プロセス
304 プロセス
306 プロセス
308 プロセス
310 プロセス
312 プロセス
314 プロセス
316 プロセス
318 プロセス
320 プロセス
322 プロセス
324 プロセス
40 ヒートシンク
42 熱界面材料
44 パッケージ
400 プロセス
402 プロセス
404 プロセス
406 プロセス
408 プロセス
410 プロセス
412 プロセス
414 プロセス
416 プロセス
418 プロセス
420 プロセス
422 プロセス
424 プロセス
426 プロセス
500 プロセス(プロセスフロー)
502 プロセス
504 プロセス
506 プロセス
508 プロセス
510 プロセス
512 プロセス
600 プロセス(プロセスフロー)
602 プロセス
604 プロセス
606 プロセス
608 プロセス
610 プロセス
612 プロセス
614 プロセス
616 プロセス
700 プロセス(プロセスフロー)
702 プロセス
704 プロセス
706 プロセス
708 プロセス
710 プロセス
712 プロセス
714 プロセス
800 プロセス(プロセスフロー)
802 プロセス
804 プロセス
806 プロセス
808 プロセス
810 プロセス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図30
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図35
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図40
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図42
図43
図44
図45
図46
図47
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図49
図50
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図53
図54
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