(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007476
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】液体前駆体蒸気圧制御
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20230111BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20230111BHJP
G01J 5/00 20220101ALI20230111BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C23C16/448
G01K1/14 L
G01J5/00 101D
G01J5/00 101C
H01L21/31 B
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022101929
(22)【出願日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】63/215,662
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・シュモッツァー
【テーマコード(参考)】
2F056
2G066
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
2F056CL12
2G066AC20
4K030AA03
4K030AA11
4K030AA14
4K030BA02
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4K030LA15
5F045AA04
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5F045DQ10
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5F045EH14
(57)【要約】
【課題】液体前駆体容器内の温度および蒸気圧を制御する。
【解決手段】蒸気圧に対する強化された制御を提供することによって前駆体材料を供給するための、半導体処理システムにおいて使用するため供給源容器。供給源容器は、ある容積の液体状態の前駆体を保持するためのチャンバーを画定する、ハウジングまたは容器を含む。供給源容器は、ハウジングのチャンバー内に現在含まれる液体状態前駆体の表面の温度を検出するように構成された温度センサーをさらに含む。温度センサーは、フロート上の熱電対などの温度測定デバイス、または液体の表面への見通し線を有する赤外線(IR)温度センサーなどの非接触式温度測定デバイスの形態をとり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システム用の供給源容器であって、前記供給源容器が、
液体状態前駆体を保持するためのチャンバーを画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記チャンバー内に含まれる前記液体状態前駆体の表面の温度を検出するように構成された温度センサーと、を備える、供給源容器。
【請求項2】
前記温度センサーが、前記液体状態前駆体の前記表面上に浮遊するように構成された浮遊式温度測定デバイスである、請求項1に記載の供給源容器。
【請求項3】
前記浮遊式温度測定デバイスが、浮揚性材料を含む、請求項2に記載の供給源容器。
【請求項4】
前記供給源容器が、前記ハウジングの前記チャンバー内に垂直に配置された垂直案内ロッドをさらに備え、前記浮遊式温度測定デバイスが、前記液体状態前駆体の液体レベル変化に応答して前記浮遊式温度測定デバイスが前記案内ロッドに沿って移動するように構成されるように、前記垂直案内ロッドに移動可能に結合された、請求項2に記載の供給源容器。
【請求項5】
前記浮遊式温度測定デバイスが、リング形状を備え、前記垂直案内ロッドが、前記浮遊式温度測定デバイスの前記リング形状を通って延びる、請求項4に記載の供給源容器。
【請求項6】
前記ハウジングの周囲側の周りに配置された加熱ジャケットをさらに備え、前記加熱ジャケットが、前記ハウジングおよび前記ハウジングに含まれる前記液体状態前駆体を加熱するように構成された、請求項1に記載の供給源容器。
【請求項7】
前記ハウジングの底部側に配置されたヒートシンクをさらに備える、請求項6に記載の供給源容器。
【請求項8】
前記液体状態前駆体の底部温度を検出するために前記ハウジングの前記底部側に結合された温度測定デバイスをさらに備える、請求項7に記載の供給源容器。
【請求項9】
前記温度センサーが、赤外線温度センサーを備える、請求項1に記載の供給源容器。
【請求項10】
半導体処理システム用の供給源容器であって、前記供給源容器が、
液体状態前駆体を保持するためのチャンバーを画定するハウジングと、
前記チャンバー内の前記液体状態前駆体のレベルを検出するように構成された液体レベル感知システムと、
前記チャンバー内に垂直に分配された複数の温度センサーと、を備える、供給源容器。
【請求項11】
前記複数の温度センサーが、前記チャンバー内に均一に垂直に分配された、請求項10に記載の供給源容器。
【請求項12】
前記複数の温度センサーが、前記チャンバー内に不均一に垂直に分配され、前記供給源容器の底部部分の近くの隣接する温度センサー間のインターバルが、前記供給源容器の頂部部分の近くの隣接する温度センサー間のインターバルよりも小さい、請求項10に記載の供給源容器。
【請求項13】
前記ハウジングの周囲側の周りに配置された加熱ジャケットをさらに備え、前記加熱ジャケットが、前記ハウジングおよび前記ハウジングに含まれる前記液体状態前駆体を加熱するように構成された、請求項10に記載の供給源容器。
【請求項14】
前記ハウジングの底部側に配置されたヒートシンクをさらに備える、請求項13に記載の供給源容器。
【請求項15】
前記液体状態前駆体の底部温度を検出するために前記ハウジングの前記底部側に結合された温度測定デバイスをさらに備える、請求項14に記載の供給源容器。
【請求項16】
半導体処理システムであって、
供給源容器であって、前記供給源容器内に含まれる液体状態前駆体の表面の温度を検出するように構成された温度センサーを備える、供給源容器と、
前記供給源容器の周りに配置された加熱ジャケットと、
プロセッサを備えるコントローラーであって、前記プロセッサが、前記プロセッサによる実行に応答して前記半導体処理システムに様々な動作を実行させる命令を格納して有する有形の非一時的メモリーと通信するように構成され、前記様々な動作が、
前記液体状態前駆体の前記表面の前記温度を示す前記温度センサーからの温度データを、前記プロセッサによって受信することと、
前記温度データに基づいて、前記プロセッサによって前記加熱ジャケットを制御して、前記液体状態前駆体を加熱して、前記液体状態前駆体に所望の蒸気圧を付与することと、を含む、コントローラーと、を備える、半導体処理システム。
【請求項17】
前記温度センサーが、前記液体状態前駆体の前記表面上に浮遊するように構成された浮遊式温度測定デバイスを備える、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
前記供給源容器が、前記供給源容器内に垂直に配置された垂直案内ロッドをさらに備え、前記浮遊式温度測定デバイスが、前記液体状態前駆体の液体レベル変化に応答して前記浮遊式温度測定デバイスが前記案内ロッドに沿って移動するように構成されるように、前記垂直案内ロッドに移動可能に結合された、請求項17に記載の半導体処理システム。
【請求項19】
前記温度センサーが、赤外線温度センサーを備える、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項20】
前記温度センサーが、前記供給源容器内に垂直に分配された複数の温度センサーを備える、請求項16に記載の半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体処理または反応器システムのための気相反応物質として分注される液体化学物質を含むための容器に関し、より具体的には、液体前駆体容器内の温度および蒸気圧の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理および製造システムは一般的に、例えば堆積、クリーニング、およびエッチングプロセスなどの半導体基材プロセスを実施するための原料化学物質として一つ以上の気相反応物質、例えば前駆体を使用する。気相反応物質は、液体状態で供給源容器内に含まれてもよく、次に、半導体処理装置と関連付けられた反応チャンバーへの運搬のために蒸気状態に変換される。蒸気状態への制御された変換は、供給源容器内の蒸気圧(VP)に対する正確な制御を必要とし、これは、表面温度の変化は気相反応物質または前駆体の蒸気圧を変化させるため、部分的には、容器に含まれる気相反応物質液体の表面温度を制御することによって達成され得る。
【0003】
供給源容器内に取り付けられた熱電対などの、従来の温度センサーは、十分に正確な温度読み取り値を提供しない場合がある。この問題は、供給源容器を再充填せざるを得なくなる前に、より多くの液体を貯蔵しておくことができるようにするために、供給源容器のサイズを増加させるほど、さらに悪化し得る。例えば、温度読み取り値を提供するために使用される従来の供給源容器は、容器の底部の近くに配置された熱電対を利用する。しかしながら、供給源容器内の液体化学物質に浸漬された固定熱電対からの温度読み取り値は、含まれる液体の表面温度を正確に表していない場合がある。
【0004】
さらに、供給源容器内での凝縮を防止するために、供給源容器は、容器の頂部から底部までの温度勾配を目標とする全体的な熱制御方法を使用するように構成され得、これは、容器の底部と対比して頂部でより高い温度を必要とする。ここで、強制された温度勾配は、液体レベルの変化と共に変化する可能性が高く、このことは、しばしば液体表面温度の望ましくない変化をもたらすため、供給源容器内の液体の正確な温度を得ることの難しさは、液体レベルを変化させることによって増大し得る。
【0005】
表面温度は、(特に、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、水(H2O)、四塩化チタン(TiCl4)などの、高蒸気圧の前駆体については)供給源容器内の前駆体の蒸気圧に影響を与えるため、これら不正確な温度測定値は、半導体処理に悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この「発明の概要」は、概念の選択を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この「発明の概要」は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0007】
様々な実施形態によれば、半導体処理システム内の強化された液体前駆体蒸気圧(VP)制御を提供するように構成された供給源容器または供給源容器アセンブリが、本明細書に開示される。供給源容器は、供給源容器内の液体前駆体の温度を測定および制御するための、従来の技術と比較すると修正されている方法を提供するように設計されている。液体前駆体の表面温度を測定および制御することによって、供給源容器は、液体レベルに関係なく蒸気圧を(例えば、所定の範囲内で)一定のままであるようにするように、動作させられることができる。これは、供給源容器内の液体前駆体における温度勾配を発生させ維持して、底部と対比して頂部でより高い温度があることを確実にして、凝縮を制限することを伴い得る。
【0008】
一部の例示的な実施形態では、供給源容器は、半導体処理システムで使用するために提供される。供給源容器(または供給源容器アセンブリ)は、ある容積の液体状態の前駆体(または「液体状態前駆体」)を保持するためのチャンバーを画定するハウジング(または容器本体)を含む。供給源容器は、ハウジングのチャンバー内に現在含まれる液体状態前駆体の表面の温度を検出するように構成された温度センサーをさらに含む。
【0009】
温度センサーは、液体状態前駆体の表面上に浮遊するように構成された浮遊式温度測定デバイスまたはアセンブリとして提供されてもよい。この目的のために、温度測定デバイスは、前駆体中で浮揚性である材料で形成された本体またはフロート要素を含んでもよく、熱電対などの温度センサーは、本体もしくはフロート要素上に取り付けられてもよく、または本体もしくはフロート要素によって支持されてもよい。供給源容器は、ハウジングのチャンバー内に垂直に配置された垂直案内ロッドまたはシャフトをさらに含んでもよく、本体またはフロート要素は、チャンバー内の前駆体の液体レベル変化に応答して案内ロッドに沿って移動するように案内されながら浮遊式温度測定デバイスが前駆体表面上で浮遊するように、垂直案内ロッドと摺動的に係合するかまたはこれに移動可能に結合されるように適合されてもよい。この目的のために、本体またはフロート要素は、案内ロッドが本体またはフロート要素の中心の開口部または穴を通って延びる、リング形状であってもよい。
【0010】
あるいは、温度センサーは、チャンバーに含まれる液体前駆体の表面への見通し線を有する、ハウジング内にまたはハウジングの壁上にもしくはその中に取り付けられた赤外線(IR)温度センサーなどの、非接触式温度測定デバイスの形態をとり得る。一部の事例では、温度センサーは、垂直支持体上にまたはハウジング内部表面上に、底部温度(またはハウジング内のチャンバーの最も低い点における液体状態前駆体の温度)、頂部表面温度、および液体状態前駆体の上表面とチャンバーの底部との間の位置における複数の中間温度を感知または検出するように配置および動作される、熱電対などの温度測定デバイスのアレイとして提供される。これらの温度センサーは、チャンバー内に均一に垂直に分配されてもよく、またはハウジングの頂部から底部へ漸進的に小さくなる(もしくは単純に小さくなる)温度センサーの隣接する対の間のインターバルまたは間隔で、不均一に垂直に分配されてもよい。
【0011】
こうした事例では、供給源容器アセンブリはまた、チャンバー内の液体状態前駆体のレベルを検出するための液体レベル感知システムを含んでもよく、このレベルは、チャンバー内の液体レベルの変化の責任をとるために、特定の時間における液体状態前駆体の表面の温度測定値を提供するときに温度測定デバイスのうちの一つを選択するために、コントローラー(当該コントローラーはまた、液体レベル感知システムの出力を処理してもよい)によって使用されてもよい。
【0012】
一部の実施では、加熱ジャケットまたは他のヒーターは、ハウジングの周囲外部側の周りに配置され、ヒーターまたは加熱ジャケットは、コントローラー(供給源容器アセンブリの一部として、または半導体処理システムの一部として提供される)によって制御されて、ハウジング(一部の事例では、または円筒形のチャンバーを画定するように構成されたその側壁)およびその中に含まれる液体状態前駆体を加熱するように動作する。ハウジングのチャンバー(およびその中に含まれる液体状態前駆体)内での所望の温度勾配を達成するために、ヒートシンクは、液体状態前駆体の下側部分から所望の量の熱を所望の速度で除去するために、ハウジングの底部側または壁上にまたはそれに当接して配置されてもよい。
【0013】
他の実施形態では、液体状態前駆体についての正確な表面温度読み取り値を提供するように、また半導体製品/ウエハの処理中に所望の表面温度および蒸気圧を維持するように、動作可能な半導体処理システムが提供される。システムは、供給源容器内に含まれる液体状態前駆体の上側表面または上表面の温度を検出するように構成された温度センサーを含む供給源容器(または供給源容器アセンブリ)を含んでもよい。システムはまた、供給源容器およびコントローラーの周りに配置された、加熱ジャケットを含んでもよい。コントローラーは、プロセッサによる実行に応答して半導体処理システムに様々な動作または機能を実行させる命令またはコード(例えば、供給源容器制御プログラムまたはモジュール)を格納して有する、有形の非一時的メモリーと通信するかまたはそれにアクセスするように構成された、プロセッサを含んでもよい。これらの動作は、(a)液体状態前駆体の表面の温度を示す温度センサーからの温度データを、プロセッサによって受信することと、(b)表面の温度に基づいて、プロセッサによって加熱ジャケットを制御して、液体状態前駆体を加熱して、液体状態前駆体に所望の蒸気圧を付与する(または供給源容器内の所望のVPを維持する)ことと、を含んでもよい。
【0014】
半導体処理システムでは、温度センサーは、液体状態前駆体の表面上に浮遊するように構成された浮遊式温度測定デバイスであってもよい。こうした実施では、供給源容器はさらに、供給源容器内に垂直に配置された垂直案内ロッドを含んでもよく、浮遊式温度測定デバイスは、液体状態前駆体の液体レベル変化に応答して浮遊式温度測定デバイスが案内ロッドに沿って垂直に上下に移動するように、垂直案内ロッドに移動可能に結合されるように設計されてもよい。他の事例では、温度センサーは、一つ以上の赤外線温度センサーを含んでもよい。さらに他の実施では、温度センサーは、供給源容器内に垂直に分配された複数の温度センサーの形態をとり得る。
【0015】
本開示、および先行技術を超えて達成される利点の概要を示す目的で、本開示の特定の目的および利点が本明細書において上記に説明されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本開示の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書で教示または示唆され得る通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示または示唆される通りの一つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本明細書に開示される実施形態が実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0016】
これらの実施形態のすべては、本開示の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照する、特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなり、本開示は、論じられるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書は、本開示の実施形態とみなされるものを、具体的に指摘しかつ明確に記載する、特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態の特定の実施例の説明から、より容易に確認され得る。図面全体にわたって同様の要素番号が付けられている要素は、同じであることが意図されている。
【0018】
【
図1】
図1は、本明細書の液体前駆体蒸気圧制御を含むように構成され得る半導体処理システムの機能ブロック図または概略図である。
【
図2A】
図2Aは、液体前駆体の表面温度の測定および制御に使用するための浮遊温度センサーを含む、本明細書の供給源容器アセンブリを概略的に示しているが、一つの動作状態にある図である。
【
図2B】
図2Bは、液体前駆体の表面温度の測定および制御に使用するための浮遊温度センサーを含む、本明細書の供給源容器アセンブリを概略的に示しているが、別の動作状態にある別の図である。
【
図3A】
図3Aは、浮遊温度センサーの代わりに固定位置の非接触式温度測定デバイスを使用することを除いて
図2Aおよび
図2Bのものに類似する、供給源容器を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、浮遊温度センサーの代わりに固定位置の非接触式温度測定デバイスを使用することを除いて
図2Aおよび
図2Bのものに類似する、供給源容器を示す図である。
【
図4】
図4は、液体状態前駆体の表面温度を測定するためのハウジングまたは容器のチャンバー内に垂直に配置された接触式温度測定デバイスのアレイを使用することを除いて
図2A~
図3Bに示すものに類似する、供給源容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等なものを超えて本開示が拡張することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、本開示の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0020】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の様相であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される単なる表現にすぎない。
【0021】
本明細書で使用される「基材」という用語は、使用される場合がある、またはその上にデバイス、回路もしくは膜が形成される場合がある、任意の下地材料(複数可)を指すことができる。
【0022】
本明細書で使用される「原子層堆積」(ALD)という用語は、堆積サイクル、好ましくは複数の連続堆積サイクルがプロセスチャンバー内で行われる蒸着プロセスを指すことができる。典型的に、各サイクル中に前駆体は、堆積表面(例えば、基材表面または以前に堆積された下地表面(以前のALDサイクルからの材料など))に化学吸着され、追加の前駆体と容易に反応しない(すなわち自己制御反応)単分子層またはサブ単分子層を形成する。その後、必要に応じて、化学吸着された前駆体を堆積表面上で所望の材料に変換するのに使用するために、次に反応物質(例えば、別の前駆体または反応ガス)をプロセスチャンバー内に導入し得る。典型的に、この反応物質は前駆体とさらに反応することができる。さらに、各サイクル中にパージ工程も利用して、化学吸着された前駆体の変換後に、過剰の前駆体をプロセスチャンバーから除去し、ならびに/または過剰の反応物質および/もしくは反応副産物をプロセスチャンバーから除去し得る。さらに、本明細書で使用される「原子層堆積」という用語はまた、「化学蒸着原子層堆積」、「原子層エピタキシー」(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス源MBE、または有機金属MBE、ならびに前駆体組成物(複数可)、反応性ガス、およびパージ(例えば不活性キャリア)ガスの交互パルスで実施される場合の化学ビームエピタキシーなどの、関連する用語によって示されるプロセスを含むことを意味する。
【0023】
本明細書で使用される「化学蒸着」(CVD)という用語は、基材を一つ以上の揮発性前駆体に曝し、当該前駆体が基材表面上で反応および/または分解して所望の堆積物を生成する、任意のプロセスを指すことができる。
【0024】
本明細書で使用される「膜」および「薄膜」という用語は、本明細書に開示される方法によって堆積された、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指すことができる。例えば、「膜」および「薄膜」としては、2D材料、ナノロッド、ナノチューブ、もしくはナノ粒子、またはさらには部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスターを挙げることができる。「膜」および「薄膜」は、ピンホールを有する材料または層を含むけども依然として少なくとも部分的に連続しているもの、であってもよい。
【0025】
以下により詳細に記載される通り、本開示の様々な詳細および実施形態は、ALD、CVD、有機金属化学蒸着(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)、物理蒸着(PVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、およびプラズマエッチングを含むがこれらに限定されない、多数の堆積プロセスのために構成された反応チャンバーと共に利用され得る。本開示の実施形態はまた、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、容量結合型プラズマエッチング(CCP)、および電子サイクロトロン共鳴エッチング(ECR)などの、エッチングプロセスも含み得る、反応性前駆体で基材を処理するために構成された半導体処理システムで利用され得る。
【0026】
これらの半導体処理システムの多くでは、供給源容器を使用して、ある容積の前駆体材料をその液体状態でかつ所望の蒸気圧で保持して、必要に応じて前駆体を堆積または反応チャンバー内に供給することを可能にする。供給源容器を加熱して、下方の容器表面上にあるヒートシンクを介して熱を除去して、供給源容器内の蒸気圧を制御することを試みた。本明細書で教示される概念の前に、供給源容器の底部の近くで液体状態前駆体に浸漬された熱電対、およびしたがって、貯蔵された前駆体の下部を使用して、前駆体温度を測定し、さらには、蒸気圧を制御するためにヒーターを制御した。
【0027】
発明者は、液体の底部(またはバルク)の近くの温度を測定することは、液体状態前駆体の表面温度を正確に表さない場合があることを認識した。凝縮を防止するためには、容器の頂部から底部までの温度勾配(例えば、容器の頂部でより高い温度、および容器の底部でより低い温度)をもたらす熱制御方法を提供することが望ましいため、この欠陥は、重大である。一方、システム動作中(例えば、前駆体材料の使用中)に液体レベルが変化するにつれて、強制された温度勾配は、液体表面温度を変化させ得、表面温度を変化させることは、特に高蒸気圧の前駆体(例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、水(H2O)、四塩化チタン(TiCl4)など)について、前駆体の蒸気圧を変化させることにつながる。
【0028】
一実施例では、既存の供給源容器は、容器の頂部の45℃から、中間部の42℃へ、底部における(例えば、特定の勾配についての制御温度の、またはその近くの)35℃までの範囲の、容器内の温度勾配をもたらすように設計された。使用中、液体表面は、第一の蒸気圧(例えば、約64.8TorrのVPを有するH2O)で、容器の頂部に近いとき45℃またはその近く(例えば43℃)であるけども、第二の(多くの場合、はるかに低い)蒸気圧(例えば、約44.6TorrのVPを有するH2O)で、容器の底部に近いときはるかにより低い温度(例えば36℃)であってもよい。この問題に応えて、発明者は、以前の設計の場合のようなバルク温度ではなく、液体状態前駆体の表面温度を測定および制御する能力を有する供給源容器設計が必要であると判断した。
【0029】
ALD、CVDなどに使用される反応器または半導体処理システムは、基材表面上の材料の堆積およびエッチングを含む、様々な用途に使用され得る。様々な実施形態では、
図1を参照すると、反応器または半導体処理システム50は、反応チャンバー4、処理中に基材30を保持するためのサセプタ6、一つ以上の反応物質を基材30の表面に分配するための流体分配システム8(例えば、シャワーヘッド)、ライン16~20およびバルブまたはコントローラー22~26を介して反応チャンバー4に流体結合された、一つ以上の反応物質源10、12、ならびに/またはキャリアおよび/もしくはパージガス源14を備え得る。システム50はまた、反応チャンバー4に流体結合された真空源28を備え得る。
【0030】
第一または第二の反応物質源10または12は、反応チャンバー4に前駆体を提供するように構成されてもよく、上述のように、チャンバー4への前駆体のこうした供給は、供給源10または12内の液体状態前駆体の蒸気圧を制御することによって部分的に、制御または促進される。蒸気圧は、さらには、液体状態前駆体の表面温度によって変化し得、これらの供給源または供給源容器10または12内の原料液体の表面温度を正確に測定および制御することは、望ましい。この目的のために、発明者は、(1)
図2Aおよび
図2Bに示す浮遊温度センサー(例えば、フロート要素上の熱電対)、(2)
図3Aおよび
図3Bに示す、液体受入れチャンバーを画定するハウジングの上側壁、キャップ、または蓋に取り付けられた赤外線(IR)温度センサー、ならびに(3)
図4に示す、より正確に表面温度測定値を目標とするための、液体レベルセンサーと共に供給源容器内で垂直に延びる熱電対または他の温度測定デバイスのカラム/シリーズ、を使用する供給源容器または供給源容器アセンブリ設計を創出した。
【0031】
図2Aおよび
図2Bは、液体または液体状態前駆体の上側表面の温度(または単に「表面温度」)の測定および制御に使用するための浮遊温度センサー240を含む、本明細書の供給源容器アセンブリ200を概略的に図示しているが、二つの異なる動作状態にある。示されるように、アセンブリ200は、下側端または底部212から上側端または頂部214まで延びる側壁を有するハウジングまたは容器210を含み、ハウジング210は、この非限定的な実施例では、円筒形状の内部空間またはチャンバー215を画定する。ハウジング210は、説明を容易にするために、透明であるように、かつ頂部が開放されて示されているが、典型的には、キャップまたはカバーされ、不透明材料で形成されて、当技術分野で周知の通りの有用な圧力容器を提供する。アセンブリ200は、
図1のシステム50における供給源10または供給源12の代わりになって、前駆体を提供するために使用され得る。この目的のために、ある容積の液体前駆体216(または液体状態前駆体)は、ハウジング210のチャンバー215内に受け入れられ、およびアセンブリ200の使用中に変化し得る表面217を有して、示されている。
【0032】
ハウジング210の側壁を、およびしたがって液体状態前駆体216を加熱するために使用される、ヒーター(例えば、ヒートジャケット)218は、アセンブリ200内に示されており、ヒーター218は、典型的には、ハウジング210の周りで円周方向に延び、かつハウジング210の底部212から頂部214まで延びる。プロセッサ252を含むコントローラー250は、アセンブリ200内(または
図1のシステム50内)に設けられており、当該プロセッサ252は、メモリー254にアクセスし、およびコードまたは命令(メモリー254に格納され得る)を実行して、VP制御モジュール256の機能または動作を提供する。これらの機能は、ヒーター218を動作させてハウジング210を加熱して液体表面217の所望の温度およびしたがって前駆体216の所望の蒸気圧を達成するための、制御信号257を生成することを含む。ヒートシンク220は、ハウジング210から熱を除去してハウジング210の底部212から頂部214までの温度勾配(凝縮を制御するために、ハウジング/容器210の底部でより低い温度を有する)を作り出すために、ハウジング/容器210の底部または下側212上にまたはそれに当接して設けられている。
【0033】
液体表面217の温度を測定するために、アセンブリ200は、温度センサー(または温度センサーアセンブリ)240をさらに含む。温度センサー240は、接触式センサーであり、かつ、前駆体216の体積がアセンブリ200の動作において経時的に変化するにつれて、表面217と共に矢印243で示されるように上下に移動するように、表面217上に浮遊するように設計されている。この目的のために、温度センサー240は、前駆体材料中で浮揚性である材料で作られた本体またはフロート要素242を含み、熱電対などの接触式温度測定デバイス244は、デバイス244が液体表面217で、ある容積の前駆体材料に接触しているかまたは浸されたままであるように、本体/フロート要素242上にまたはその中に取り付けられる。
【0034】
表面217上での温度センサー240の移動を制御するために、垂直案内ロッドまたはシャフト230が任意に設けられてもよく、本体またはフロート要素242は、(例えば、示されているようにリングまたは環形状でありロッド230上に配置された本体242に、ロッド230の外径または寸法より大きく、かつ類似の形状(例えば、断面が両方とも円形)であり得る中心に配置された穴/開口部を設けることによって)ロッド230の外部表面と摺動的にまたは移動可能に係合または結合して、チャンバー215内の変化する液体レベルと共に上下に移動243するとき表面217上で比較的一定の水平の姿勢を保つように構成され得る。他の実施形態では、例えば垂直案内ロッド230を置き換える枢動アーム(本体242とは反対側の端で固定されている)を伴って、移動244中に本体242の位置を制御するために他の設計を使用してもよい。本体/フロート要素242は、温度センサーデバイス244を支持するのに十分な量の浮揚性および耐食性材料(中身が詰まっているかまたは中空であり得る塑性体など)で作製され得る。
【0035】
温度測定デバイス244は、コントローラー250に無線で結合されまたは(図示するように)有線で結合されて、表面217についての感知または検出された温度データを伝達するように動作してもよい。液体表面217の温度が、(
図1のシステム50について論じた通りの反応チャンバーへのこの材料の送達のための)前駆体216についての所望の蒸気圧を達成するための所望の所定の範囲内であるか否かを判定するために、このデータは、メモリー254に格納されてVP制御モジュール256によって処理されてもよい。これに応じて、VP制御モジュール256は、制御信号257を生成してもよく、当該制御信号257は、コントローラーによってヒーター218に伝達されて、ハウジング210を加熱して表面217の所望の温度および/またはハウジング210内のもしくはその側壁上の所望の温度勾配を保持するようにそのヒーター218を動作させる。
【0036】
図2Aおよび
図2Bは、前駆体216についての二つの異なる液体レベルに関連する二つの異なる状態で動作しているアセンブリ200を図示している。両方の動作状態において、ハウジングの底部212についての制御温度は、35℃に設定される。
図2Aに示すように、この設定およびヒーター218の動作で、かつ液体表面217がハウジング210の底部212と頂部214との間の中間点よりいくらかの距離下回って、液体表面217は、制御温度の温度と一致する温度を有する。これは、ヒーター218への制御信号257によって、頂部214が45℃であり中間点が42℃であるハウジング210についての温度勾配で達成される。
【0037】
同様に、しかし、液体レベルまたは表面217が、
図2Bに示すようにハウジングの頂部214に向かって中間点より上方へ移動するとき、浮遊センサー240による温度の測定は、信号257によってヒーター218を動作させてハウジング210内の異なる温度勾配(ハウジング210の約35℃の中間点、および35℃を超える何らかの温度の頂部で、表面温度217を35℃の制御温度で保持する)を達成するために、コントローラー250によって使用することができる。このようにして、蒸気圧は、両方の動作状態において、同じであるかまたは許容可能な所定の範囲内であるように制御される(例えば、前駆体がH
2Oである場合において、約64.8torrのVP)。
【0038】
図3Aおよび
図3Bは、浮遊温度センサーの代わりに固定位置の非接触式温度測定デバイス370を使用することを除いて
図2Aおよび
図2Bのものに類似する、供給源容器アセンブリ300を図示している。アセンブリ200と300の両方で使用される同様の構成要素は、同様の番号が付けられており、上述の形態および動作特性を有してもよく、同様に、アセンブリ300は、液体状態前駆体216についての二つの液体レベルに対応する二つの状態で、一定のまたは比較的一定の液体表面温度(およびしたがってVP)を維持しながら動作させられてもよい。
【0039】
示されるように、温度センサー370は、アセンブリ300において使用され、これは、IR温度センサーまたは他の非接触温度センサーの形態の、温度測定デバイスの形態をとり得る。温度センサー370は、ハウジング210内またはその近く、例えばハウジングキャップまたは蓋(図示せず)上またはその中に取り付けられて、
図3Aおよび
図3Bに示すようにそれが二つの動作状態の間(およびそのような状態およびレベル間)で上下に移動するときでも液体状態前駆体216の液体表面217の温度を(例えば上表面217から反射されたIRビームの透過によって)感知または検出するための破線375で示すような明瞭な見通し線を有する。
【0040】
非接触温度センサー370は、コントローラー250に(示されるように無線で、または有線の結合を介して)液体表面217の温度に関連する矢印377で示すような温度データを送信するように機能し、当該コントローラー250は、液体表面温度を決定することと、必要に応じて、制御信号257を生成してヒーター218を動作させて液体前駆体216の温度をその表面217で制御温度付近の所定の範囲内に維持するように、応答することとによって上述のように応答する。
【0041】
図4は、液体状態前駆体216の表面温度を測定するためのハウジングまたは容器のチャンバー内に垂直に配置された複数の接触式温度測定デバイス482のアレイ480を使用することを除いて
図2A~
図3Bに示すものに類似する、供給源容器アセンブリ400を図示している。一つの動作状態のみを示すが、
図2A~
図3Bから、アセンブリ400の使用中に表面217の高さがハウジング210内で変化し、アセンブリ400が表面217での前駆体216の温度を正確に測定するように構成されていることが、理解されるであろう。
【0042】
この目的のために、温度センサーは、接触式温度測定デバイス482(例えば、熱電対など)のアレイ480の形態をとる。デバイス482の各々は、ハウジング210のチャンバー215内に配置された垂直支持体430の外部表面上に取り付けられるが、一部の実施形態は、アレイ480のデバイス482をハウジング410の内部表面上に直接取り付け得る。このようにして、各デバイス482は、その感知表面(複数可)を液体前駆体216に曝すことができる。垂直支持体430および取り付けられたアレイ480はハウジング210の底部212から頂部214まで延び、(デバイス482の隣接するものの間の間隔dと組み合わせた場合)デバイス482の数はデバイス482のうちの一つが表面217にチャンバー215内におけるその現在の位置に関係なく近接する(例えば、0.5インチ以内など)ように十分に多い。
【0043】
液体レベル感知システム490は、アセンブリ400に含まれ、チャンバー215内での液体表面217の位置を感知するか、またはコントローラー250によって(例えば、そのVP制御モジュール256もしくは他のソフトウェアで)処理されうるデータを収集して液体表面217の位置を決定するように、動作可能である。決定されたレベルまたはレベルデータ495は、無線または有線でコントローラー250に伝達される。レベル感知システム490は、アセンブリ400を実施するための様々な形態をとり得、一つの実施形態は、米国特許出願第16/108,950号に示すレベル感知装置を使用し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0044】
コントローラー250は、(例えば、有用な温度測定値を得るために前駆体216の下に十分に接触しているかまたは浸されていながら表面217に高さが最も近いデバイス482を選択することによって)アセンブリ400の特定の動作状態において表面217についての温度データを提供するためにアレイ内の最も適切な温度測定デバイス482を選択するために、液体状態前駆体216の表面217の決定された位置を使用する。間隔dは、(図示するように)支持要素430の長さに沿って均一であってもよく、またはハウジング210の底部212により近い位置で(例えば、そこに、例えばより低い液体レベルで所望の温度勾配を達成するために、より小さい高さまたは空間があってもよい)アレイ480内のデバイス482の隣接するものの間により小さな間隔が設けられて、不均一であってもよい。
【0045】
上述のように、加熱は、ハウジングまたは容器の周囲側(および任意に頂部側)を囲む加熱ジャケットによって提供されてもよい。熱を放散し、例えば底部でより冷たく液体表面でより熱い、液体状態前駆体を通した熱勾配を意図的に生成するために、ヒートシンクは、各供給源容器アセンブリに、そのように、ハウジングまたは容器の底部上に含まれることが好ましい。制御された意図的な温度勾配は、ホットスポットを防止し、表面温度のより良好な制御を可能にする。この目的のために、ヒートジャケットは、底部ヒートシンクがシステムから外へ熱を取り出す間に、液体に熱を送達して、温度勾配を強制する。本明細書に記載の供給源容器アセンブリは、温度勾配の測定および達成を支援するために、ハウジングまたは容器の底部に固定の熱電対を含んでもよい。ヒートシンクは、フィンまたは他の熱伝達特徴を含み得、ヒートシンク材料の表面積を増加させてそれによって対流的な熱伝達能力を増加させ得る。
【0046】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して本明細書で記載されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせるかまたはより顕著にならせ得る任意の要素は、本開示の重要な、要求される、または必須の特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0047】
本明細書全体を通して特徴、利点、または類似の文言に言及することは、本開示で実現され得るすべての特徴および利点が本発明の任意の単一の実施形態の中にあるべき、またはあることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点に言及する文言は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が、本明細書に開示される主題の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。それ故に、本明細書全体を通して特徴および利点、ならびに類似の文言を論じることは、同じ実施形態を指し得るが、必ずしもそうではない。
【0048】
さらに、記載された本開示の特徴、利点および特性は、一つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わされ得る。関連分野の当業者は、本出願の主題が、特定の実施形態の特定の特徴または利点のうちの一つ以上を伴わずに実施され得ることを認識するであろう。他の例では、本開示のすべての実施形態に存在しない場合がある追加の特徴および利点が、特定の実施形態において認識され得る。さらに、一部の例では、本発明の主題の態様を曖昧にすることを避けるために、周知の構造、材料、または動作は、詳細に示されてもいないし説明されてもいない。特許請求の範囲の要素は、当該要素が「のための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)を発動することを意図していない。
【0049】
本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外の何によっても限定されるべきでなく、当該添付の特許請求の範囲における単数形の要素への言及は、明示的にそのように記載されない限り「一つのみ」を意味することを意図しておらず、むしろ「一つ以上」を意味することを意図している。特に別段の記載がない限り「a」、「an」、および/または「the」への言及は一つ以上を含み得、単数形の項目への言及は複数形の項目も含み得ることが、理解されるべきである。さらに、「複数」という用語は、「少なくとも二つ」として定義され得る。本明細書で使用される「のうちの少なくとも一つ」という語句は、項目の列記と共に使用される場合、列記された項目のうちの一つ以上の異なる組み合わせが使用され得かつ列記の中の項目のうちの一つのみが必要とされ得ることを意味する。項目は、特定の物体、事物、またはカテゴリーであり得る。さらに「A、B、およびC」が特許請求の範囲において使用される場合、語句は、Aのみが一実施形態で存在し得る、Bのみが一実施形態で存在し得る、Cのみが一実施形態で存在し得る、または、要素A、BおよびCの任意の組み合わせが単一の実施形態で存在し得る、例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはA、B、およびC、を意味するものとして理解されることが意図される。場合によっては、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも一つ」は、例えば、限定されるものではないが、項目Aの二つ、項目Bの一つおよび項目Cの十個、項目Bの四つおよび項目Cの七つ、または他の適切な組み合わせを含む。
【0050】
本明細書に開示されるすべての範囲および比率限界は、組み合わされ得る。別段示されていない限り、「第一(first)」、「第二(second)」などの用語は、本明細書では単に標識として使用され、これらの用語が言及する項目に順序的、位置的、または階層的要件を課すことを意図していない。さらに、例えば「第二」の項目への言及は、例えば「第一」の項目もしくは番号のより小さい項目、および/または例えば「第三」の項目もしくは番号のより大きい項目の存在を、必要としないし除外もしない。
【0051】
取り付け、固定、接続などへの任意の言及は、永久的、取り外し可能、一時的、部分的、完全、および/または任意の他の可能な取り付け選択肢を含み得る。加えて、接触なし(または類似の語句)への任意の言及はまた、接触の減少または最小限の接触を含み得る。上記の説明では、特定の用語、例えば「上(up)」、「下(down)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「左(left」、「右(right)」などが使用され得る。これらの用語は、該当する場合、相対的な関係を扱う際に、説明に明確性を提供するために使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを意味することを意図していない。例えば、物体に対して、単純に物体をひっくり返すことによって、「上側」表面が「下側」表面となり得る。それにもかかわらず、それは依然として同じ物体である。
【0052】
加えて、一つの要素が別の要素に「結合」されている本明細書の例は、直接的および間接的な結合を含み得る。直接的結合は、一つの要素が別の要素に結合されかつ何らかの接触をすると定義され得る。間接的結合は、二つの要素間の結合が、相互に直接的に接触しているのではなく、結合された要素間に一つ以上の追加の要素を有すると定義され得る。さらに、本明細書で使用される場合、一つの要素を別の要素に固定することは、直接的固定および間接的固定を含み得る。加えて、本明細書で使用される場合、「隣接」は必ずしも接触を示すものではない。例えば、一つの要素は、別の要素に、その要素と接触することなく隣接することができる。
【0053】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそれに限定されないことが理解されるべきである。例えば、反応器システムは様々な特定の構成に関連して説明されているが、本開示は必ずしもこれらの実施例に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステムおよび方法の様々な修正、変形、および強化を行うことができる。
【0054】
本開示の主題は、本明細書に開示される様々なシステム、構成要素、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作、および/または特性のすべての新規かつ非自明な組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等なものを含む。
【外国語明細書】