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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075684
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ゲートバルブ及び駆動方法。
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/18 20060101AFI20230524BHJP
   F16K 51/02 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
F16K3/18 B
F16K51/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188737
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100131598
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 和宗
(72)【発明者】
【氏名】網倉 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】北 正知
【テーマコード(参考)】
3H053
3H066
【Fターム(参考)】
3H053AA02
3H053BA24
3H053DA09
3H066AA03
3H066BA38
(57)【要約】
【課題】ガスリークを低減できるゲートバルブ及び駆動方法を提供する。
【解決手段】本開示に係るゲートバルブは、第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において前記第1の開口部を開閉するゲートバルブであって、前記第1の開口部を開閉するための弁体と、前記弁体が前記第1の開口部を閉じる位置である閉位置と前記弁体が前記第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、前記弁体を移動させる駆動部と、第1のガスライン及び第2のガスラインと、前記第1のガスライン及び前記第2のガスラインの一方を前記駆動部に接続する第1の切り替えバルブとを備え、前記駆動部は、前記第1のガスライン又は前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記開位置から前記閉位置に移動し、前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記閉位置に保持する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において前記第1の開口部を開閉するゲートバルブであって、
前記第1の開口部を開閉するための弁体と、
前記弁体が前記第1の開口部を閉じる位置である閉位置と前記弁体が前記第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、前記弁体を移動させる駆動部と、
第1のガスライン及び第2のガスラインと、
前記第1のガスライン及び前記第2のガスラインの一方を前記駆動部に接続する第1の切り替えバルブと
を備え、
前記駆動部は、
前記第1のガスライン又は前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記開位置から前記閉位置に移動し、
前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記閉位置に保持する、ゲートバルブ。
【請求項2】
前記第1の切り替えバルブは、
前記第1のガスラインから前記駆動部にガスを供給するか否かを切り替えるノーマルクローズバルブと、
前記第2のガスラインから前記駆動部にガスを供給するか否かを切り替えるノーマルオープンバルブと
を有する、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記駆動部は、前記弁体を移動させるエアシリンダを有し、
前記第1の切り替えバルブは、前記第1のガスラインを前記エアシリンダに接続するか、前記第2のガスラインを前記エアシリンダに接続するかを切り替える、請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記駆動部に接続された第3のガスラインを更に備え、
前記駆動部は、第3のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記開位置に保持する、請求項1から3のいずれか1項に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記第1のガスラインにガスを供給するか、前記第3のガスラインにガスを供給するかを切り替える第2の切り替えバルブを備えた、請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記第1のガスラインに供給されるガス、前記第2のガスラインに供給されるガス、及び、前記第3のガスラインに供給されるガスは、圧縮空気である、請求項1から5のいずれか1項に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において前記第1の開口部を開閉するゲートバルブの駆動方法であって、
前記ゲートバルブは、
前記第1の開口部を開閉するための弁体と、
前記弁体が前記第1の開口部を閉じる位置である閉位置と前記弁体が前記第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、前記弁体を移動させる駆動部と、
第1のガスライン及び第2のガスラインと、
前記第1のガスライン及び前記第2のガスラインの一方を前記駆動部に接続する第1の切り替えバルブと
を備え、
前記駆動方法は、
前記駆動部が、前記第1のガスライン又は前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記開位置から前記閉位置に移動する工程と、
前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記閉位置に保持する工程と
を含む、駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、ゲートバルブ及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弁体が閉塞位置と開放位置の間で移動するゲートバルブとして、特許文献1に記載されたゲートバルブがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-10986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ガスリークを低減できるゲートバルブ及び駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの例示的実施形態において、第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において前記第1の開口部を開閉するゲートバルブが提供される。ゲートバルブは、前記第1の開口部を開閉するための弁体と、前記弁体が前記第1の開口部を閉じる位置である閉位置と前記弁体が前記第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、前記弁体を移動させる駆動部と、前記駆動部に接続された第1のガスラインと、前記駆動部に接続された第2のガスラインとを備え、前記駆動部は、前記第1のガスライン又は前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記開位置から前記閉位置に移動し、前記第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって前記弁体を前記閉位置に保持する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一つの例示的実施形態によれば、ガスリークを低減できるゲートバルブ及び駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】基板処理システムPSの一例を概略的に示す図である。
図2】ゲートバルブGVの構成の一例を概略的に示す図である。
図3】ゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。
図4】ゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。
図5】ゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。
図6】ゲートバルブGVの構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の各実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において第1の開口部を開閉するゲートバルブが提供される。ゲートバルブは、第1の開口部を開閉するための弁体と、弁体が第1の開口部を閉じる位置である閉位置と弁体が第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、弁体を移動させる駆動部と、第1のガスライン及び第2のガスラインと、第1のガスライン及び第2のガスラインの一方を駆動部に接続する第1の切り替えバルブとを備え、駆動部は、第1のガスライン又は第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって弁体を開位置から閉位置に移動し、第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって弁体を閉位置に保持する。
【0010】
一つの例示的実施形態において、第1の切り替えバルブは、第1のガスラインから駆動部にガスを供給するか否かを切り替えるノーマルクローズバルブと、第2のガスラインから駆動部にガスを供給するか否かを切り替えるノーマルオープンバルブとを有する。
【0011】
一つの例示的実施形態において、駆動部は、弁体を移動させるエアシリンダを有し、第1の切り替えバルブは、第1のガスラインをエアシリンダに接続するか、第2のガスラインをエアシリンダに接続するかを切り替える。
【0012】
一つの例示的実施形態において、駆動部に接続された第3のガスラインを更に備え、駆動部は、第3のガスラインから供給されたガスの圧力によって弁体を開位置に保持する。
【0013】
一つの例示的実施形態において、第1のガスラインにガスを供給するか、第3のガスラインにガスを供給するかを切り替える第2の切り替えバルブを備える。
【0014】
一つの例示的実施形態において、第1のガスラインに供給されるガス、第2のガスラインに供給されるガス、及び、第3のガスラインに供給されるガスは、圧縮空気である。
【0015】
一つの例示的実施形態において、第1の開口部が設けられた第1のチャンバを有する真空処理装置において第1の開口部を開閉するゲートバルブの駆動方法が提供される。ゲートバルブは、第1の開口部を開閉するための弁体と、弁体が第1の開口部を閉じる位置である閉位置と弁体が第1の開口部を開放する位置である開位置を少なくとも取るように、弁体を移動させる駆動部と、第1のガスライン及び第2のガスラインと、前記第1のガスライン及び前記第2のガスラインの一方を前記駆動部に接続する第1の切り替えバルブと、制御部とを備え、駆動方法は、駆動部が、第1のガスライン又は第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって弁体を開位置から閉位置に移動する工程と、第2のガスラインから供給されたガスの圧力によって弁体を閉位置に保持する工程とを含む。
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
<基板処理システムPSの構成>
図1は、一つの例示的実施形態に係る基板処理システムPSを概略的に示す図である。基板処理システムPSは、基板処理モジュールPM1~PM6(以下、総称して「基板処理モジュールPM」ともいう。)と、搬送モジュールTMと、ロードロックモジュールLLM1及びLLM2(以下、総称して「ロードロックモジュールLLM」ともいう。)と、ローダーモジュールLM、ロードポートLP1からLP3(以下、総称して「ロードポートLP」ともいう。)とを有する。制御部CTは、基板処理システムPSの各構成を制御して、基板Wに所定の処理を実行する。
【0018】
基板処理モジュールPMは、その内部において、基板Wに対して、エッチング処理、トリミング処理、成膜処理、アニール処理、ドーピング処理、リソグラフィ処理、クリーニング処理、アッシング処理等の処理を実行する。基板処理モジュールPMの一部は、測定モジュールであってよく、基板W上に形成された層の厚さや、基板W上に形成されたパターンの寸法等を測定してもよい。
【0019】
搬送モジュールTMは、基板Wを搬送する搬送装置22を有する。搬送モジュールTMは、基板処理モジュールPM間又は基板処理モジュールPMとロードロックモジュールLLMとの間で、基板Wを搬送する。基板処理モジュールPM及びロードロックモジュールLLMは、搬送モジュールTMに隣接して配置されている。搬送モジュールTMと基板処理モジュールPM及びロードロックモジュールLLMとは、開閉可能なゲートバルブGVによって空間的に隔離又は連結される。本実施形態において、搬送モジュールTMに含まれる搬送装置22(図2参照)は、搬送モジュールTMのチャンバ20の内部空間20s(図2参照)から基板処理モジュールPMのチャンバ10(図2参照)の内部空間10sに基板Wを搬送して、基板Wを基板支持部11に載置する。また、搬送装置22は、基板処理モジュールPMの内部空間10sから搬送モジュールTMの内部空間20sに基板Wを搬送する。搬送装置22は、基板処理モジュールPMのチャンバ10に形成された開口部12を介して、搬送モジュールTMと基板処理モジュールPMとの間で、基板Wを移動する。一例として、搬送装置22は、シリコンウェハ等の基板を搬送するハンドラであってよい。
【0020】
ロードロックモジュールLLM1及びLLM2は、搬送モジュールTMとローダーモジュールLMとの間に設けられている。ロードロックモジュールLLMは、その内部の圧力を、大気圧又は真空に切り替えることができる。ロードロックモジュールLLMは、大気圧であるローダーモジュールLMから真空である搬送モジュールTMへ基板Wを搬送し、また、真空である搬送モジュールTMから大気圧であるローダーモジュールLMへ搬送する。
【0021】
ローダーモジュールLMは、基板Wを搬送する搬送装置を有し、ロードロックモジュールLLMとロードポートLPとの間で基板Wを搬送する。ロードポートLP内の内部には、例えば25枚の基板Wが収納可能なFOUP(Front Opening Unified Pod)または空のFOUPが載置できる。ローダーモジュールLMは、ロードポートLP内のFOUPから基板Wを取り出して、ロードロックモジュールLLMに搬送する。また、ローダーモジュールLMは、ロードロックモジュールLLMから基板Wを取り出して、ロードポートLP内のFOUPに搬送する。
【0022】
制御部CTは、基板処理システムPSの各構成を制御して、基板Wに所定の処理を実行する。制御部CTは、プロセスの手順、プロセスの条件、搬送条件等が設定されたレシピを格納する。制御部CTは、当該レシピに従って、基板Wに所定の処理を実行するように、基板処理システムPSの各構成を制御する。制御部CTは、図2に示す各構成を直接又は間接的に制御してよい。また、制御部CTは、図2に示す各構成を電気的に又は機械的に制御してよい。機械的な制御は、図2に示す各構成を、ガスを用いて制御することを含む。
【0023】
<ゲートバルブGVの構成>
図2は、一つの例示的実施形態に係るゲートバルブGVの構成を概略的に示す図である。ゲートバルブGVは、弁体30と、駆動部40と、切り替えバルブ50、52及び56と、ガスライン60、62、64、66及び68を備える。切り替えバルブ50は、第2の切り替えバルブの一例である。切り替えバルブ52は、第1の切り替えバルブの一例である。ガスライン62、64及び66は、それぞれ、第1のガスライン、第2のガスライン及び第3のガスラインの一例である。
【0024】
弁体30は、基板処理モジュールPMの内部空間10sと、搬送モジュールTMの内部空間20sとを、空間的に隔離又は連結するよう構成されている。一例として、弁体30は、基板処理モジュールPMのチャンバ10及び搬送モジュールTMのチャンバ20に連結されたチャンバ34に収容されている。そして、開口部12は、チャンバ10からチャンバ34に連通して設けられている。なお、図2におけるチャンバ10、20及び34の断面図は、図1におけるAA´断面の一部を概略的に示したものである。
【0025】
弁体30には、Oリング32が設けられている。弁体30が、Oリング32を、開口部12の周囲においてチャンバ34の内壁に押圧すると、基板処理モジュールPMの内部空間10sと搬送モジュールTMの内部空間20sとが空間的に隔離される。また、Oリング32がチャンバ34の内壁から離れると、基板処理モジュールPMの内部空間10sと搬送モジュールTMの内部空間20sとが空間的に連結される。
【0026】
駆動部40は、弁体30を移動するよう構成されている。一例として、駆動部40は、チャンバ34の内部空間において、図2におけるx1方向及びx2方向並びにz1方向及びz2方向に、弁体30を移動する(以下、x1方向及びx2方向を総称して「x方向」、z1方向及びz2方向を総称して「z方向」ともいう。)。
【0027】
駆動部40は、シリンダ41及び45を有する。駆動部40は、シリンダ41の内部にピストン42を有する。ピストン42には、ガスケット43が設けられている。また、駆動部40は、シャフト44を有する。シャフト44の一端にはピストン42が接続されており、また、シャフト44の他端には弁体30が接続されている。そして、ピストン42がシリンダ41内をz方向に移動すると、弁体30がチャンバ34内においてz方向に移動する。
【0028】
また、駆動部40は、シリンダ45の内部にピストン46を有する。ピストン46には、ガスケット47が設けられている。また、駆動部40は、シャフト48を有する。シャフト48の一端にはピストン46が接続されており、また、シャフト48の他端にはシャフト44が接続されている。そして、ピストン46がシリンダ45内をx方向に移動すると、シャフト44がx方向に移動して、弁体30がチャンバ34内においてx方向に移動する。
【0029】
切り替えバルブ50は、給気ポート及び排気ポートを有する。切り替えバルブ50の給気ポートには、ガスライン60が接続されている。そして、ガス供給源70からバルブ80及びガスライン60を介して、切り替えバルブ50の給気ポートにガスが供給される。そして、切り替えバルブ50は、ガスライン62及び66の一方を給気ポートに接続して、当該一方にガス供給源70からガスを供給するとともに、他方を排気ポートに接続して、当該他方を流れるガスを排気する。一例として、切り替えバルブ50は、ソレノイドバルブであってよい。また、一例として、ガス供給源70から供給されるガスは、圧縮空気であってよい。
【0030】
切り替えバルブ52は、ガスライン62及び64の一方を、ガスライン68に接続するバルブである。ガスライン62は、切り替えバルブ50の状態に応じて、切り替えバルブ50の給気ポート又は排気ポートに接続される。また、ガスライン64には、バルブ82を介して、ガス供給源72からガスが供給される。バルブ82は、切り替えバルブ52がガスライン64をガスライン68に接続している状態において、ガス供給源72からガスライン64にガスが常時供給されるよう制御されてよい。
【0031】
一例として、切り替えバルブ52は、パイロットポート54を有する。切り替えバルブ52は、パイロットポート54にガスが供給されるか否かに応じて、切り替えバルブ52の状態を切り替える。一例として、切り替えバルブ52は、パイロットポート54にガスが供給されているときに、ガスライン62をガスライン68に接続し、他方で、パイロットポート54にガスが供給されていないときにガスライン64をガスライン68に接続する。また、一例として、パイロットポート54は、ガスライン66に接続されてよい。即ち、切り替えバルブ52は、ガス供給源70からガスライン66にガスが供給されているときに、ガスライン62をガスライン68に接続し、他方で、ガスライン66が切り替えバルブ50の排気ポートに接続されているときに、ガスライン64をガスライン68に接続してよい。
【0032】
一例として、ガス供給源70は、搬送モジュールTMの動作に使用されるガスであってよい。ガス供給源70が搬送モジュールTMの動作に使用されるガスである場合、搬送モジュールTMのメンテナンス時において、バルブ80を閉状態にしてよい。即ち、搬送モジュールTMのメンテナンス時において、当該ガスは搬送モジュールTM及びパイロットポート54に供給されない。従って、切り替えバルブ52は、ガスライン64をガスライン68に接続する。これにより、駆動部40にはガス供給源72からガスが供給される。
【0033】
ガスライン68は、バルブ88を介して分岐部76に接続されている。分岐部76は、ガスライン68を分岐してシリンダ41及び45に接続する。ガスライン68にガスが供給されている場合、分岐部76は、ガスライン68に供給されたガスを分岐して、シリンダ41及び45に供給する。分岐部76は、ガスライン68に供給されたガスの圧力及び/又は流量を調整して、シリンダ41にガスを供給する。また、分岐部76は、ガスライン68に供給されたガスの圧力及び/又は流量を調整して、シリンダ45にガスを供給する。
【0034】
切り替えバルブ56は、ガスライン66を駆動部40に接続するか否かを切り替えるバルブである。切り替えバルブ56は、パイロットポート58を有する。切り替えバルブ56は、パイロットポート58にガスが供給されているときに、ガスライン66を駆動部40に接続し、他方で、パイロットポート58にガスが供給されていないときに、ガスライン66を駆動部40に接続しないよう構成されている。
【0035】
パイロットポート58には、バルブ84を介してガス供給源74からガスが供給されてよい。一例として、ガス供給源74は、基板処理モジュールPMの動作に使用されるガスであってよい。ガス供給源74が基板処理モジュールPMの動作に使用されるガスである場合、基板処理モジュールPMのメンテナンス時において、バルブ84を閉状態にしてよい。即ち、基板処理モジュールPMのメンテナンス時において、当該ガスは基板処理モジュールPM及び切り替えバルブ56に供給されない。従って、切り替えバルブ56は、閉状態となり、ガスライン66は駆動部40に接続されない。
【0036】
ガスライン66は、分岐部78を介して駆動部40に接続されている。分岐部78は、ガスライン66を分岐してシリンダ41及び45に接続する。ガスライン66にガスが供給されている場合、分岐部78は、ガスライン66に供給されたガスを分岐して、シリンダ41及び45に供給する。分岐部78は、ガスライン66に供給されたガスの圧力及び/又は流量を調整して、シリンダ41にガスを供給する。また、分岐部78は、ガスライン66に供給されたガスの圧力及び/又は流量を調整して、シリンダ45にガスを供給する。
【0037】
次に、図2から図5を参照して、本実施形態に係るゲートバルブGVの動作の一例について説明する。
【0038】
<弁体30を開位置に保持>
図2は、弁体30が開位置にあるときのゲートバルブGVの状態の一例を示す図である。図2に示すように弁体30を開位置に保持する場合、切り替えバルブ50において、ガスライン66が切り替えバルブ50の給気ポートに接続され、ガスライン62が排気ポートに接続される。これにより、ガス供給源70からガスライン66にガスが供給されると、ガスライン66からパイロットポート54にガスが供給されて、切り替えバルブ52によって、ガスライン62がガスライン68に接続される。これにより、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz2方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx2方向にある空間が、切り替えバルブ50の排気ポートに接続される。
【0039】
他方で、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz1方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx1方向にある空間に、ガス供給源70からガスライン66及び分岐部78を介して、ガスが供給される。これにより、ピストン42はz2方向に押圧され、また、ピストン46はx2方向に押圧される。従って、弁体30は、図2に示す開位置に保持される。
【0040】
なお、弁体30が開位置にある場合に、弁体30が保持される位置は、図示する位置に限られない。弁体30は、基板処理モジュールPMの内部空間10sと搬送モジュールTMの内部空間20sが空間的に連結される位置にあればよい。また、弁体30は、搬送装置22が開口部12を通って基板支持部11に基板Wを搬送できる位置にあってよい。
【0041】
<弁体30を開位置から閉位置に移動>
図3は、弁体30を開位置から閉位置に移動させるときのゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。弁体30を開位置から閉位置に移動する場合、切り替えバルブ50において、ガスライン66が切り替えバルブ50の排気ポートに接続され、ガスライン62が給気ポートに接続される。これにより、ガス供給源70からパイロットポート54にガスが供給されないため、切り替えバルブ52によって、ガスライン64がガスライン68に接続される。これにより、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz2方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx2方向にある空間に、ガス供給源72からガスが供給される。
【0042】
他方で、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz1方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx1方向にある空間は、ガスライン66を介して排気ポートに接続される。これにより、ピストン42はz1方向に押圧され、また、ピストン46はx1方向に押圧される。これにより、弁体30は、図3におけるz1方向及びx1方向に移動する。
【0043】
<弁体30を閉位置に保持>
図4は、弁体30が閉位置にあるときのゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。弁体30が開位置からz1方向及びx1方向に移動して、図4に示すように開口部12を閉じた後、切り替えバルブ50及び52は、引き続き、図3と同じ状態を取ってよい。即ち、切り替えバルブ50において、ガスライン66は排気ポートに接続されてよい。また、切り替えバルブ52において、ガスライン64がガスライン68に接続されてよい。これにより、弁体30が閉位置まで移動した後も、ガス供給源72からシリンダ41及び45に、ガスが供給される。従って、弁体30が閉位置に移動した後、即ち、弁体30が閉位置に保持されるときに、ガス供給源72から供給されたガスによって、シリンダ41及び45において、ピストン42及び46に対して、それぞれz1方向及びx1方向に、十分な圧力を与えることができる。これにより、弁体30がチャンバ34の内壁に押圧されるので、基板処理モジュールPMの内部空間10sと搬送モジュールTMの内部空間20sとを空間的に隔離することができる。
【0044】
本実施形態によれば、弁体30が閉位置に保持されるときに、ガス供給源72から供給されたガスによって、弁体30がチャンバ34の内壁に、所定の圧力を保ちながら押圧される。これにより、基板処理モジュールPMの内部空間10sの圧力が、搬送モジュールTMの内部空間20sの圧力よりも高い場合であっても、内部空間10sから内部空間20sへのガスのリークを低減させることができる。
【0045】
<弁体30を閉位置から開位置に移動>
図5は、弁体30を閉位置から開位置に移動させるときのゲートバルブGVの状態の一例を概略的に示す図である。弁体30を閉位置から開位置に移動する場合、切り替えバルブ50において、ガスライン66が切り替えバルブ50の給気ポートに接続され、ガスライン62が排気ポートに接続される。これにより、ガス供給源70からガスライン66にガスが供給されると、ガスライン66からパイロットポート54にガスが供給されて、切り替えバルブ52によって、ガスライン62がガスライン68に接続される。これにより、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz2方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx2方向にある空間が、切り替えバルブ50の排気ポートに接続される。
【0046】
他方で、シリンダ41の内部空間のうちピストン42よりもz1方向側にある空間、及び、シリンダ45の内部空間のうちピストン46よりもx1方向にある空間に、ガス供給源70からガスライン66及び分岐部78を介して、ガスが供給される。これにより、ピストン42はz2方向に押圧され、また、ピストン46はx2方向に押圧される。これにより、弁体30は、図5におけるz2方向及びx2方向に移動する。弁体30が閉位置からz2方向及びx2方向に移動して開位置に到達すると、図2に示すように、弁体30は当該開位置に保持される。
【0047】
図6は、他の例示的実施形態に係るゲートバルブGVの構成を概略的に示す図である。また、図6は、弁体30が開位置にあるときのゲートバルブGVの状態の一例を示す。図6に示すゲートバルブGVは、図2から図5に示すゲートバルブGVにおける切り替えバルブ50に替えて、切り替えバルブ52-1及び52-2を有する。
【0048】
切り替えバルブ52-1は、ガスライン62をガスライン68に接続するか否かを切り替えるバルブである。また、切り替えバルブ52-2は、ガスライン64をガスライン68に接続するか否かを切り替えるバルブである。切り替えバルブ52-1は、パイロットポート54-1を有する。また、切り替えバルブ52-2は、パイロットポート54-2を有する。パイロットポート54-1及び54-2は、いずれもガスライン66に接続されている。
【0049】
切り替えバルブ52-1は、ノーマルクローズ型のバルブである。他方で、切り替えバルブ52-2は、ノーマルオープン型のバルブである。即ち、図6に示すように、ガス供給源70からガスライン66を介してパイロットポート54-1及び54-2にガスが供給されると、切り替えバルブ52-1はガスライン62をガスライン68に接続する一方で、切り替えバルブ52-2はガスライン64をガスライン68に接続しない。他方で、ガス供給源70からガスライン66を介してパイロットポート54-1及び54-2にガスが供給されない場合、切り替えバルブ52-1はガスライン62をガスライン68に接続しない一方で、切り替えバルブ52-2はガスライン64をガスライン68に接続する。即ち、切り替えバルブ52-1及び52-2は、ガスライン62及び64の一方をガスライン68に接続するように構成されている。
【0050】
これにより、図6に記載されたゲートバルブGVは、図2から図5に記載されたゲートバルブGVと同様に、弁体30を開位置から閉位置に移動して、弁体30を閉位置に保持でき、また、弁体30を閉位置から開位置に移動して、弁体30を開位置に保持することができる。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、ゲートバルブGVが、基板処理モジュールPMの動作に使用するガス及び/又は搬送モジュールTMの動作に使用するガスから独立して制御できるガス(一例として、ガス供給源72から供給されるガス)を使用して弁体30を閉位置に保持できる。これにより、基板処理モジュールPM及び/又は搬送モジュールTMのメンテナンス時においても、基板処理モジュールPMと搬送モジュールTMとの間におけるリークを低減したゲートバルブを提供することができる。
【0052】
以上の各実施形態は、説明の目的で説明されており、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。
【符号の説明】
【0053】
10…チャンバ、10s…内部空間、12…開口部、20…チャンバ、20s…内部空間、22…搬送装置、30…弁体、32…Oリング、34…チャンバ、40…駆動部、41、45…シリンダ、42、46…ピストン、43、47…ガスケット、44、48…シャフト、50、52、52-1、52-2…切り替えバルブ、54、54-1、54-2…パイロットポート、56…切り替えバルブ、58…パイロットポート、60、62、64、66、68…ガスライン、70、72、74…ガス供給源、76、78…分岐部、80、82、84、88…バルブ、CT…制御部、GV…ゲートバルブ、PM…基板処理モジュール、PS…基板処理システム、TM…搬送モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6