(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007637
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報登録方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20230112BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110612
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 円亮
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175HB03
5B175JC07
(57)【要約】
【課題】登録済みの入力情報及び応答情報に、新たに登録する入力情報及び応答情報を統合できる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】登録済みの第一の入力情報と、第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報と、を管理する情報処理装置であって、新たに登録する第二の入力情報に類似している第一の入力情報を第一の画面に表示させ、第一の画面から選択された第一の入力情報と、第一の画面から選択された第一の入力情報に対応する第一の応答情報と、第二の入力情報と、第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御手段と、第二の画面から選択された第二の応答情報の少なくとも一部を、第二の画面に表示された第一の応答情報に統合して登録する登録制御手段と、を有する情報処理装置により上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録済みの第一の入力情報と、前記第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報と、を管理する情報処理装置であって、
新たに登録する第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報を第一の画面に表示させ、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報と、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報に対応する前記第一の応答情報と、前記第二の入力情報と、前記第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御手段と、
前記第二の画面から選択された前記第二の応答情報の少なくとも一部を、前記第二の画面に表示された前記第一の応答情報に統合して登録する登録制御手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第二の入力情報が複数である場合に、複数の前記第二の入力情報ごとに、類似している前記第一の入力情報を前記第一の画面に表示すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第二の入力情報に類似している一つ以上の前記第一の入力情報をデータ出力する出力制御手段
を更に有する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記統合の結果を学習し、前記学習の結果に基づき、前記第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報から前記第一の画面に表示する前記第一の入力情報を選択すること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第二の入力情報に類似している程度を表す情報を、前記第一の入力情報と対応付けて表示すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
登録済みの第一の入力情報と、前記第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報と、を管理する情報処理装置の情報登録方法であって、
新たに登録する第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報を第一の画面に表示させ、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報と、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報に対応する前記第一の応答情報と、前記第二の入力情報と、前記第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御ステップと、
前記第二の画面から選択された前記第二の応答情報の少なくとも一部を、前記第二の画面に表示された前記第一の応答情報に統合して登録する登録制御ステップと、
を有する情報登録方法。
【請求項7】
前記表示制御ステップは、前記第二の入力情報が複数である場合に、複数の前記第二の入力情報ごとに、類似している前記第一の入力情報を前記第一の画面に表示すること
を特徴とする請求項6記載の情報登録方法。
【請求項8】
前記第二の入力情報に類似している一つ以上の前記第一の入力情報をデータ出力する出力制御ステップ
を更に有する請求項6又は7記載の情報登録方法。
【請求項9】
前記表示制御ステップは、前記統合の結果を学習し、前記学習の結果に基づき、前記第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報から前記第一の画面に表示する前記第一の入力情報を選択すること
を特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の情報登録方法。
【請求項10】
前記表示制御ステップは、前記第二の入力情報に類似している程度を表す情報を、前記第一の入力情報と対応付けて表示すること
を特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載の情報登録方法。
【請求項11】
登録済みの第一の入力情報と、前記第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報と、を管理する情報処理装置を、
新たに登録する第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報を第一の画面に表示させ、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報と、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報に対応する前記第一の応答情報と、前記第二の入力情報と、前記第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御手段、
前記第二の画面から選択された前記第二の応答情報の少なくとも一部を、前記第二の画面に表示された前記第一の応答情報に統合して登録する登録制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
登録済みの第一の入力情報、及び前記第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報を管理する情報処理装置と、前記情報処理装置の制御に従って画面を表示するユーザ端末と、を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
新たに登録する第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報を第一の画面に表示させ、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報と、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報に対応する前記第一の応答情報と、前記第二の入力情報と、前記第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御手段と、
前記第二の画面から選択された前記第二の応答情報の少なくとも一部を、前記第二の画面に表示された前記第一の応答情報に統合して登録する登録制御手段と、
を有し、
前記ユーザ端末は、
前記第一の画面及び前記第二の画面を表示する画面表示手段
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報登録方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AI(Artificial Intelligence)技術が注目を浴びている。ユーザサポートの場面では、人手で電話対応を行い、又はメールでユーザからの問合せに対する回答を行っていたが、AIが活用される場面が増えている。
【0003】
例えば、ユーザが質問を行い、対話システムが回答を行うのと同様の対話形式のインタフェースを用いて、ユーザから予想される質問及びそれに対する回答パターンの入力を受け付け、知識データベースを構築することを可能とする対話システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、ユーザが質問を行い、対話システムが回答を行うのと同様の対話形式のインタフェースを用いて、ユーザから予想される質問及びそれに対する回答パターンの入力を受け付け、知識データベースを構築している。したがって、特許文献1に開示された技術は、ユーザが質問を行うのに近い発想に基づいて知識データベースを構築しているが、質問及びそれに対する回答パターンが多い場合などに、手順が煩雑で手間が掛かるという問題があった。
【0005】
本発明の一実施形態は、登録済みの入力情報及び応答情報に、新たに登録する入力情報及び応答情報を統合できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、登録済みの第一の入力情報と、前記第一の入力情報に対応する登録済みの第一の応答情報と、を管理する情報処理装置であって、新たに登録する第二の入力情報に類似している前記第一の入力情報を第一の画面に表示させ、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報と、前記第一の画面から選択された前記第一の入力情報に対応する前記第一の応答情報と、前記第二の入力情報と、前記第二の入力情報に対応する第二の応答情報と、を第二の画面に表示させる表示制御手段と、前記第二の画面から選択された前記第二の応答情報の少なくとも一部を、前記第二の画面に表示された前記第一の応答情報に統合して登録する登録制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、登録済みの入力情報及び応答情報に、新たに登録する入力情報及び応答情報を統合できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の一例の機能構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の画面遷移図である。
【
図6】類似質問検索結果画面の一例のイメージ図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムの処理手順の一例を表したフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る情報処理システムの処理手順の一例を表したフローチャートである。
【
図10】類似質問検索結果画面の表示処理の一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示される情報処理システム1は、情報処理装置10、利用者端末12、及び管理者端末14を含む構成である。情報処理装置10、利用者端末12、及び管理者端末14は、ネットワーク18を介して通信可能である。
【0011】
ネットワーク18は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などのデータ通信可能な通信網であり、有線通信、無線通信、又はこれらの組合せの通信が可能な通信網であればよい。
【0012】
情報処理装置10はチャットボットサービスを提供する。利用者端末12は利用者が入力の操作及び出力の閲覧を行う。利用者はチャットボットサービスを利用するユーザの一例である。管理者端末14は管理者が入力の操作及び出力の閲覧を行う。管理者は情報処理装置10を管理しているユーザの一例である。管理者端末14は、ユーザ端末の一例である。
【0013】
利用者端末12及び管理者端末14は、例えば入力機能、出力機能、及び通信機能を備えたPC(Personal Computer)である。なお、利用者端末12及び管理者端末14はPCに限られない。
【0014】
利用者端末12及び管理者端末14は、例えばPJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0015】
情報処理装置10は、利用者端末12及び管理者端末14と通信を行う。例えば情報処理装置10は、利用者が入力した質問などの入力情報に対して、回答などの応答情報を応答する、いわゆるチャットボットサービス等を提供する。情報処理装置10は管理者などが入力した入力情報と、その入力情報に対応する応答情報と、をチャットボットサービスに必要な情報として登録し、管理する。
【0016】
例えば利用者端末12はWebブラウザ等が搭載されている。利用者端末12は情報処理装置10から提供されたWebアプリケーションなどのコンテンツをWebブラウザで動作させる。利用者は情報処理装置10から提供されたチャットボットサービス等を利用者端末12から利用できる。チャットボットサービスを利用することで、利用者端末12は利用者から質問などの入力情報を受け付けて情報処理装置10に送信し、その入力情報に対して情報処理装置10が生成した回答などの応答情報を受信して表示できる。
【0017】
また、管理者端末14はWebブラウザ等が搭載されている。管理者端末14は情報処理装置10から提供されたWebアプリケーションなどのコンテンツをWebブラウザで動作させる。管理者は管理者端末14を利用することで、利用者からの質問などの入力情報に対してチャットボットサービスが自動応答する回答などの応答情報を、情報処理装置10に登録できる。
【0018】
管理者端末14は、管理者から入力情報と、その入力情報に対応する応答情報と、を受け付けて情報処理装置10に送信し、チャットボットサービスに必要な情報として情報処理装置10に登録できる。
【0019】
また、情報処理装置10は入力情報と、その入力情報に対応する応答情報とを登録する際に、登録済みの入力情報から類似している入力情報を検索し、類似している入力情報があれば、統合して登録する処理を支援する。情報処理装置10は登録済みの入力情報から類似している入力情報を検索し、類似している入力情報があれば、統合(改善)する処理を支援してもよい。
【0020】
例えば情報処理装置10は、質問などの入力情報と、その入力情報に対応する回答などの応答情報とを登録して管理することで、利用者からの質問の内容をAI技術により理解して、チャットボットサービスにより回答することができる。
【0021】
図1の情報処理システム1の構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば
図1の情報処理システム1は一台の情報処理装置10の例を示したが、複数台の情報処理装置10で実現してもよい。また、情報処理装置10の機能の全部又は一部は管理者端末14で実現してもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
≪コンピュータ≫
図1の情報処理システム1を実現する情報処理装置10は、例えば
図2のハードウェア構成のコンピュータにより実現される。また、利用者端末12及び管理者端末14は例えば
図2のハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
【0023】
図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0024】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0025】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0026】
また、HDD508はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。HDD508に格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)と、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。HDD508は、格納しているプログラム又はデータを所定のファイルシステム及び/又はDBにより管理する。
【0027】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0028】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0029】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0030】
情報処理装置10、利用者端末12、及び管理者端末14は、例えば
図2に示したコンピュータ500のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0031】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。なお、以下の説明では、本実施形態の説明に不要な構成についての説明を適宜省略する。
図3は本実施形態に係る情報処理装置の一例の機能構成図である。
【0032】
図3の情報処理装置10は、通信部20、制御部22、キーワードDB24、類義語DB26、質問回答検索部28、及び質問回答DB30を有する。制御部22は、表示制御部50、登録制御部56、入力制御部58、及び出力制御部60を有する。
【0033】
これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1つ以上のプログラムが、CPU506に実行させる処理により実現される。キーワードDB24、類義語DB26、及び質問回答DB30は、HDD508、又はネットワーク18を介して接続される記憶装置等により実現される。
【0034】
通信部20は、ネットワーク18を介して利用者端末12及び管理者端末14と通信を行う。制御部22は、情報処理装置10の全体を制御する。制御部22の表示制御部50は、管理者端末14に後述の類似質問検索結果画面1100を表示させるための処理を制御する。また、表示制御部50は、管理者端末14に後述の統合画面1200を表示させるための処理を制御する。
【0035】
また、表示制御部50は、管理者端末14に後述の管理画面1000を表示させるための処理を制御する。登録制御部56は、統合画面1200に対する管理者の操作に基づいて、後述の質問回答DB30への入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報の登録を制御する。例えば登録制御部56は、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報が、質問回答DB30に登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報と類似している場合に、後述のように統合して質問回答DB30に登録するための処理を制御する。また、登録制御部56は、質問回答DB30に登録済みの入力情報から類似している入力情報を検索し、類似している入力情報を統合(改善)するための処理を制御してもよい。
【0036】
入力制御部58は、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報のデータのインポート処理を制御する。インポート処理とは、他のアプリケーションなどで作成したデータを読み込んで利用できるようにする処理である。出力制御部60は、後述の類似質問検索結果画面1100に表示された統合候補のデータのエクスポート処理を制御する。エクスポート処理とは、他のアプリケーションなどで読み込めるデータを出力する処理である。
【0037】
キーワードDB24は、質問回答DB30に登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報の文字列に含まれる質問及び回答の特徴を表す文字列であるキーワードを記憶する。キーワードは、単語、フレーズ、及び文であってもよい。
【0038】
また、類義語DB26は、キーワードDB24が示すキーワード等の類義語情報を記憶する。例えば類義語情報は、互いに意味が類似する文字列を対応付ける情報である。文字列は、単語、フレーズ、及び文であってもよい。互いに意味が類似する文字列は、意味自体が類似する文字列に限定されない。互いに意味が類似する文字列は、一方から他方を推定可能な文字列であってもよく、一方が他方の一部である文字列であってもよく、又は使用される場面が類似する文字列であってもよく、使用環境に応じて任意に定義されていてもよい。質問回答DB30は、登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報を記憶する。なお、チャットボットサービスは質問回答DB30に記憶されている情報を用いて、例えばチャットによるユーザとの対話を行い、ユーザからの質問に対応する回答を行う。
【0039】
質問回答検索部28は、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報に類似している、質問回答DB30に登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報を検索する。また、質問回答検索部28は質問回答DB30に登録済みの入力情報から類似している入力情報を検索する。
【0040】
例えば質問回答検索部28は、新たに登録する入力情報を文字列に分解する。質問回答検索部28は入力情報から分解された文字列を類義語DB26と照合して類義語となる文字列を検出する。このように、質問回答検索部28は入力情報に含まれる文字列、及びその文字列の類義語から、キーワードを推定する。質問回答検索部28は、新たに登録する入力情報から推定したキーワードと、キーワードDB24に記憶されている登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報のキーワードと、を比較し、類似している程度(類似度)を算出する。
【0041】
類似度の算出は、自然言語処理により計算することができ、例えばキーワードの一致度を類似度として算出できる。その他、登録済みの入力情報及び新たに登録する入力情報をそれぞれベクトル化し、コサイン類似度を用いて類似度を算出してもよい。質問回答検索部28は類似度を用いることで、質問回答DB30に記憶されている登録済みの入力情報と同一でなくても、質問回答DB30に登録済みの入力情報から、新たに登録する入力情報と類似している入力情報を選択できる。また、質問回答検索部28は類似度を用いることで、質問回答DB30に記憶されている複数の登録済みの入力情報から、類似している入力情報を選択できる。
【0042】
なお、質問回答検索部28が算出した類似度は、選択した入力情報と合わせて表示されてもよい。なお、算出した類似度は、そのまま表示してもよいし、入力情報の一致の程度を評価する情報に変換して表示してもよい。
【0043】
<画面イメージ>
図4は本実施形態に係る情報処理システムの一例の画面遷移図である。
図5は管理画面の一例のイメージ図である。
図6は類似質問検索結果画面の一例のイメージ図である。
図7は統合画面の一例のイメージ図である。
【0044】
図4は、管理画面1000と、類似質問検索結果画面1100と、統合画面1200の画面遷移の一例を表している。例えば
図5の管理画面1000は、管理者が質問回答DB30に新たに登録したい入力情報の一例である質問、応答情報の一例である回答、及びカテゴリの組が複数設定済みである。
【0045】
カテゴリは、質問及び回答を分類する情報の一例であり、例えば「お祝い事」などの分類である。質問は入力情報の一例であり、例えば「Q.結婚手続きや結婚祝金など」である。回答は応答情報の一例であり、例えば「A.**[結婚手続きや結婚祝金など]**社員が結婚(再婚を含む)したときは、結婚祝金が支給され、休暇が…」である。
【0046】
管理画面1000に設定する入力情報、応答情報、及びカテゴリの組は、インポート処理により読み込んでもよいし、質問回答DB30から読み込んでもよい。
図5の管理画面1000は「データを読み込む」ボタン1006が設けられており、そのボタン1006を押下することによりインポート処理を行うことができる。また、
図5の管理画面1000は「データを書き出す」ボタン1004が設けられており、そのボタン1004を押下することによりエクスポート処理を行うことができる。また、
図5の管理画面1000は類似質問検索ボタン1002が設けられており、類似質問検索ボタン1002を押下することにより類似質問検索結果画面1100に遷移する。
【0047】
例えば
図6の類似質問検索結果画面1100は、
図5の管理画面1000に設定済みであった入力情報に基づき、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択された統合候補のデータが表示されている。
図6の類似質問検索結果画面1100は、
図5の管理画面1000に設定済みであった入力情報、応答情報、及びカテゴリの組ごとに、一つ以上の統合候補のデータが表示されている。
【0048】
例えば
図6では、質問ID「00467」の入力情報の統合候補のデータとして、質問回答DB30に登録済みの入力情報から、質問ID「00508」及び「00509」の入力情報が統合候補のデータとして表示されている。なお、類似質問検索結果画面1100は統合候補のデータとして表示されている入力情報のそれぞれについて、類似している程度(類似度)を「%」や色、文章などで視覚的に表示してもよい。
【0049】
類似質問検索結果画面1100は、統合候補のデータとして表示されている入力情報のそれぞれについて、例えば「類似度90%」のように表示してもよい。また、類似質問検索結果画面1100は、類似の程度を統合候補のデータを表示する文字の太さ(太字/中字/細字)で表現するように表示してもよいし、類似の程度を統合候補のデータを表示する文字の色(青/黄/赤)で表現するように表示してもよい。さらに、類似質問検索結果画面1100は、類似の程度を「類似度が高い」「類似度中」などの文章で表現するように表示してもよい。
【0050】
管理者は
図6の類似質問検索結果画面1100を参照し、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択された統合候補のデータから、一つの統合候補を選択できる。
図4では質問ID「00467」の入力情報の統合候補のデータとして類似質問検索結果画面1100に表示されている質問ID「00508」及び「00509」の入力情報から質問ID「00509」の入力情報が統合候補のデータとして選択されている。
【0051】
管理者が類似質問検索結果画面1100に表示された統合候補のデータから一つの統合候補を選択することにより、
図6の類似質問検索結果画面1100は
図7の統合画面1200に遷移する。類似質問検索結果画面1100に表示する統合候補のデータは、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択された統合候補のデータから、管理者による統合の結果を学習した結果に基づき選択した入力情報であってもよい。
【0052】
例えば
図7の統合画面1200の右側には、
図6の類似質問検索結果画面1100から管理者が選択した一つの統合候補が編集可能に表示されている。また、
図7の統合画面1200の左側には、右側の質問ID「00509」の統合候補のデータに統合する質問ID「00467」の入力情報、その入力情報に対応する応答情報、及びカテゴリの組が表示されている。
【0053】
図7の統合画面1200によれば、管理者は統合画面1200の左側に表示されている質問ID「00467」の入力情報、その入力情報に対応する応答情報、及びカテゴリを参照しながら、右側の質問ID「00509」の統合候補のデータに質問ID「00467」の内容を統合(編集)できる。
【0054】
統合後、管理者は例えば
図7の統合画面1200に設けられた公開ボタンを押下することにより、登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報と、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報と、を容易に統合できる。
【0055】
<処理>
ここで、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報を、質問回答DB30に登録済みの入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報に統合する処理について説明する。なお、質問回答DB30に登録済みの入力情報から類似している入力情報を検索し、類似している入力情報があれば、統合(改善)する処理は、新たに登録する入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報の替わりに、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択した入力情報、及びその入力情報に対応する応答情報を利用すればよい。
【0056】
図8は本実施形態に係る情報処理システムの処理手順の一例を表したフローチャートである。
図8では、チャットボットサービスが用いる質問回答DB30に新たな質問、その質問に対する回答を登録する処理について説明する。なお、以下では、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せの例を説明するが、必ずしも全ての情報を含む組み合わせでなくてもよく、例えばカテゴリが省略されていてもよい。
【0057】
ステップS100において、情報処理装置10の表示制御部50は管理者端末14に管理画面1000を表示させる。ステップS102において、管理者は管理者端末14を操作し、管理画面1000に、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せをセットする。例えば
図5の管理画面1000は、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せがセットされた状態である。
【0058】
ステップS104において、表示制御部50は管理画面1000の類似質問検索ボタン1002が押下されたか否かを判定する。類似質問検索ボタン1002が押下されたと判定すると、表示制御部50はステップS106に進み、管理者端末14に例えば
図6の類似質問検索結果画面1100を表示させるための処理を制御する。なお、類似質問検索ボタン1002が押下されなければ、表示制御部50は
図8に示した処理を終了する。
【0059】
管理者は
図6の類似質問検索結果画面1100を参照し、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択された統合候補のデータから、一つの統合候補を選択する操作を行うことができる。
【0060】
ステップS108において、表示制御部50は
図6の類似質問検索結果画面1100から、一つの統合候補が管理者により選択されたか否か判定する。一つの統合候補が管理者により選択されると、表示制御部50はステップS110に進み、管理者端末14に例えば
図7の統合画面1200を表示させるための処理を制御する。ステップS112において、管理者は
図7の統合画面1200を参照しながら、質問回答DB30に登録済みの入力情報、その入力情報に対応する応答情報に、新たに登録する入力情報、その入力情報に対応する応答情報を統合する。なお、一つの統合候補が管理者により選択されなければ、表示制御部50はステップS110及びS112の処理をスキップする。
【0061】
ステップS114において、表示制御部50は管理者端末14において
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けたか否かを判定する。管理者端末14において
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けていなければ、表示制御部50はステップS108の処理に戻る。
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けると、表示制御部50はステップS116の処理に進み、管理画面1000に戻る。
【0062】
図8のフローチャートの処理によれば、管理者はチャットボットサービスが用いる質問回答DB30をメンテナンスする手順と時間とを削減できる。
【0063】
図8のフローチャートの処理ではステップS102において、管理者が管理者端末14を操作し、管理画面1000に、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せをセットしていた。
図9のフローチャートの処理では、管理画面1000からインポート処理により、入力情報、応答情報、及びカテゴリの情報の組合せをセットするようにしている。
【0064】
図9は本実施形態に係る情報処理システムの処理手順の一例を表したフローチャートである。
図9では、チャットボットサービスが用いる質問回答DB30に新たな質問、その質問に対する回答を登録する処理について説明する。
【0065】
ステップS200において、情報処理装置10の表示制御部50は管理者端末14に管理画面1000を表示させる。ステップS202において、管理者は管理者端末14を操作し、例えば
図5の管理画面1000の「データを読み込む」ボタンを押下することによりインポート処理を行う。インポート処理により、管理画面1000には、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せがセットされる。例えば
図5の管理画面1000は、登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せがセットされた状態である。
【0066】
ステップS204において、表示制御部50は管理画面1000の類似質問検索ボタン1002が押下されたか否かを判定する。類似質問検索ボタン1002が押下されたと判定すると、表示制御部50はステップS206に進み、管理者端末14に例えば
図6の類似質問検索結果画面1100を表示させるための処理を制御する。なお、類似質問検索ボタン1002が押下されなければ、表示制御部50は
図9に示した処理を終了する。
【0067】
管理者は
図6の類似質問検索結果画面1100を参照し、質問回答DB30に登録済みの入力情報から選択された統合候補のデータから、一つの統合候補を選択する操作を行うことができる。
【0068】
ステップS208において、表示制御部50は
図6の類似質問検索結果画面1100から、一つの統合候補が管理者により選択されたか否か判定する。一つの統合候補が管理者により選択されると、表示制御部50はステップS210に進み、管理者端末14に例えば
図7の統合画面1200を表示させるための処理を制御する。ステップS212において、管理者は
図7の統合画面1200を参照しながら、質問回答DB30に登録済みの入力情報、その入力情報に対応する応答情報に、新たに登録する入力情報、その入力情報に対応する応答情報を統合する。なお、一つの統合候補が管理者により選択されなければ、表示制御部50はステップS210及びS212の処理をスキップする。
【0069】
ステップS214において、表示制御部50は管理者端末14において
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けたか否かを判定する。管理者端末14において
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けていなければ、表示制御部50はステップS208の処理に戻る。
図6の類似質問検索結果画面1100の表示を終了する操作を受け付けると、表示制御部50はステップS216の処理に進み、管理画面1000に戻る。
【0070】
図9のフローチャートの処理によれば、管理者はインポート処理を行い、質問回答DB30に登録する質問、その質問に対する回答、及びカテゴリの情報の組合せを、容易に管理画面1000にセットできるので、チャットボットサービスが用いる質問回答DB30をメンテナンスする手順と時間とを削減できる。
【0071】
図8のステップS106及び
図9のステップS206の類似質問検索結果画面の表示処理は、例えば
図10に示す処理手順で行われる。
図10は、類似質問検索結果画面の表示処理の一例を表したフローチャートである。
【0072】
ステップS300において、質問回答検索部28は登録する入力情報の一例である質問を文字列に分解する。ステップS302において、質問回答検索部28は入力情報の一例である質問から分解した文字列を、類義語DB26が記憶する文字列と照合して、類義語となる文字列を検出する。ステップS304において質問回答検索部28は、入力情報の一例である質問から分解した文字列と、その文字列の類義語となる文字列とに基づき、登録する質問のキーワードを検出する。
【0073】
ステップS306において、質問回答検索部28は検出したキーワードと、キーワードDB24に記憶されている登録済みの質問のキーワードと、を比較し、登録する質問に類似している登録済みの質問を、質問回答DB30から検索する。
【0074】
ステップS308において、質問回答検索部28は登録する質問に類似している登録済みの質問、及びその質問に対応する回答を質問回答DB30から読み出し、統合候補として類似質問検索結果画面1100に表示する。
【0075】
図10に示したフローチャートの処理によれば、管理者は、登録する質問に類似している登録済みの質問、及びその質問に対応する回答が統合候補として表示された
図6の類似質問検索結果画面1100を参照し、一つの統合候補を選択できる。
【0076】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 利用者端末
14 管理者端末
18 ネットワーク
20 通信部
22 制御部
24 キーワードDB
26 類義語DB
28 質問回答検索部
30 質問回答DB
50 表示制御部
56 登録制御部
58 入力制御部
60 出力制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】