(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077131
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
H02K9/19 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190299
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】萱野 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔梧
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP07
5H609PP10
5H609QQ04
5H609QQ05
5H609QQ12
5H609QQ18
5H609RR01
5H609RR37
5H609RR42
5H609RR51
5H609RR73
(57)【要約】
【課題】 従来に比べて冷却効率を向上させることが可能な回転電機の一例を開示する。
【解決手段】 シャフト9の冷却孔9Aに冷媒流通管13が挿入され、当該冷媒流通管13の外周面13Aに、冷却通路9Cを流通する冷媒の流れを乱す乱流誘起部15が設けられている。これにより、冷却通路9Cを流通する冷媒の温度境界層が成長することが阻害され得る。したがって、冷媒及びシャフト9間の熱伝達率の低下が抑制され得るので、従来に比べて冷却効率を向上させることが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ、ロータ及びハウジングを備えるとともに、ロータシャフト内に冷却孔が設けられた回転電機において、
前記冷却孔に挿入され、当該冷却孔に沿って延びる冷媒流通管であって、冷却用の冷媒が流通する冷媒流通管と、
前記冷媒流通管の外周面に設けられ、当該外周面と前記冷却孔の内壁との隙間を流通する冷媒の流れを乱す乱流誘起部と
を備える回転電機。
【請求項2】
前記冷媒流通管は、長手方向一端側が前記ハウジングに支持された片持支持構造であって、長手方向他端にて前記冷却孔と連通しており、
さらに、前記乱流誘起部は、少なくとも前記長手方向他端側に設けられている請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記乱流誘起部は、前記長手方向他端側から前記長手方向一端側に延びる溝部により構成されており、
前記溝部の断面積は、前記長手方向他端側から前記長手方向一端側に向かうほど縮小している請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記乱流誘起部は、前記長手方向他端側から前記長手方向一端側に延びる溝部により構成されているとともに、前記冷媒流通管の周方向に凸となるように屈曲している請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項5】
前記溝部は、前記長手方向他端の端面まで延びて当該端面にて前記冷却孔と連通している請求項3又は4に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却機構を備える回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の電動モータは、ロータシャフト内に冷却孔が設けられ、当該冷却孔に冷媒供給管が挿入されているとともに、当該冷媒供給管から冷媒を供給することにより、ロータ等の機器を冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、従来に比べて冷却効率を向上させることが可能な回転電機の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ステータ(3)、ロータ(5)及びハウジング(7)を備えるとともに、ロータシャフト(9)内に冷却孔(9A)が設けられた回転電機は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0006】
すなわち、当該構成要件は、冷却孔(9A)に挿入され、当該冷却孔(9A)に沿って延びる冷媒流通管(13)であって、冷却用の冷媒が流通する冷媒流通管(13)と、冷媒流通管(13)の外周面(13A)に設けられ、当該外周面(13A)と冷却孔(9A)の内壁(9B)との隙間(9C)を流通する冷媒の流れを乱す乱流誘起部(15)とである。
【0007】
これにより、当該回転電機では、冷媒流通管(13)の外周面(13A)と冷却孔(9A)の内壁(9B)との隙間(9C)を流通する冷媒の温度境界層が成長することが阻害され得る。したがって、冷媒及びロータシャフト(9)間の熱伝達率の低下が抑制され得るので、従来に比べて冷却効率を向上させることが可能となる。
【0008】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る電動モータを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る乱流誘起部を示す図である。
【
図3】第2実施形態に係る乱流誘起部を示す図である。
【
図4】第3実施形態に係る乱流誘起部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された歯車付電動モータは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0013】
(第1実施形態)
<1.電動モータの概要>
本実施形態は、電動車両等の輸送機器に用いられる電動モータに本開示に係る回転電機の一例が適用されたものである。なお、本願に係る電動車両とは、電動モータのみで走行可能な車両、及び電動モータと内燃機関とを併用して走行可能な車両等をいう。
【0014】
電動モータ1は、
図1に示されるように、ステータ3、ロータ5、ハウジング7及び冷媒流通管13等を少なくとも備える。因みに、電動モータ1は、埋込磁石型(IPM)型の同期リラクタンス電動機である。
【0015】
このため、ステータ3は、回転磁界を発生させるコイルにより構成されている。ロータ5は、突極性を構成するための空隙及び当該空隙に埋設された永久磁石等を有する。ハウジング7は、ステータ3及びロータ5等を収納するケーシングを構成する。
【0016】
ロータ5のシャフト9は、当該ロータ5に一体化されて当該ロータ5を支持する。当該シャフト9は、少なくとも2つの軸受10、11を介してハウジング7に回転可能に支持されている。なお、軸受10は、シャフト9の長手方向一端側(
図1では、右端側)に配置されている。軸受11は、長手方向他端側(
図1では、左端側)に配置されている。
【0017】
<2.冷却機構>
<2.1 冷却機構の概要>
電動モータ1は冷却機構を備える。冷却機構は、ロータ5等の電動モータ1を構成する機器を冷却する。当該冷却機構は、冷媒流通管13、及び乱流誘起部15等を有して構成されている。
【0018】
冷媒流通管13は、冷却用の冷媒が流通する管である。当該冷媒流通管13は、冷却孔9Aに挿入された状態で当該冷却孔9Aに沿って延びている。冷却孔9Aは、シャフト9の長手方向に沿って、当該長手方向一端から他端側に延びる坑である。
【0019】
つまり、冷却孔9Aの延び方向一端は、シャフト9の長手方向一端にて開口し、冷却孔9Aの延び方向他端は、シャフト9の長手方向他端側にて閉塞されている。そして、冷媒流通管13の延び方向一端(
図1では、右端)は、冷却孔9Aの外部に位置している。冷媒流通管13の延び方向他端(
図1では、左端)は、冷却孔9Aの内部に位置している。
【0020】
このため、冷媒流通管13は、延び方向一端側がハウジング7に支持され、かつ、延び方向他端にて冷却孔9A内と連通した構成となっている。因みに、本実施形態に係る冷媒は、水にエチレングリコール等が混合された液体である。
【0021】
冷却機構は、冷媒流通管13等に加え、電動ポンプ(図示せず。)及び放熱器(図示せず。)等も有する。電動ポンプは、冷媒を電動モータ1と放熱器との間で循環させる。放熱器は、電動モータ1から流出した冷媒を大気又は冷却水と熱交換して冷媒を冷却する。
【0022】
なお、本実施形態では、放熱器にて冷却された冷媒は、冷媒流通管13に供給される。冷媒流通管13の延び方向一端から当該冷媒流通管13に流入した冷媒は、当該延び方向他端から冷媒流通管13から流出して冷却孔9Aに流入する。
【0023】
冷却孔9Aに流入した冷媒は、冷媒流通管13の外周面13Aと冷却孔9Aの内壁9Bとの隙間9C(以下、冷却通路9Cという。)を流通して、シャフト9の長手方向一端から冷却通路9Cの外に流出する。
【0024】
そして、冷却通路9Cにてロータ5から吸熱して温度が上昇した冷媒は、電動ポンプにて吸引されて放熱器に送水される。放熱器にて冷却された冷媒は、再び、冷媒流通管13に供給される。
【0025】
<2.2 冷媒流通管及び乱流誘起部の詳細>
乱流誘起部15は、冷媒流通管13の外周面13Aに設けられ、冷却通路9Cを流通する冷媒の流れを乱す。当該乱流誘起部15は、シャフト9の長手方向他端側、つまり冷媒流通管13の延び方向他端側に設けられている。
【0026】
本実施形態に係る乱流誘起部15は、
図2に示されるように、少なくとも1つ(本実施形態では、複数)の溝部15Aにより構成されている。各溝部15Aは、長手方向他端側(
図2の左端側)から長手方向一端側(
図2の右端側)に延びている。
【0027】
そして、各溝部15Aは、長手方向他端(
図2の左端)側の端面15Bまで延びて当該端面15Bにて冷却孔9Aと連通している。つまり、各溝部15Aの端面15B側は、当該端面15Bにて開放されている。
【0028】
さらに、各溝部15Aは、冷媒流通管13の延び方向と交差(本実施形態では、直交)する方向に向けて凸となるように屈曲している。具体的には、各溝部15Aは、当該溝部15Aの延び方向略中央にて屈曲している。
【0029】
そして、当該屈曲の方向は、冷媒流通管13の周方向に向けて凸となる方向である。なお、本実施形態に係る各溝部15Aは、内壁9Bの回転の向き(
図2の二点鎖線の矢印の向き)に凸となるように屈曲している。
【0030】
なお、本実施形態に係る乱流誘起部15では、溝部15Aに加えて、冷媒導入溝15Cも設けられている。冷媒導入溝15Cは、端面15Bと反対側にて各溝部15Aと連通する環状の溝部である。当該冷媒導入溝15Cは、当該反対側から各溝部15Aに冷媒を導くための溝部である。
【0031】
<3.本実施形態に係る電動モータの特徴>
本実施形態では、冷媒流通管13に乱流誘起部15が設けられている。これにより、冷却通路9Cを流通する冷媒の温度境界層が成長することが阻害され得る。したがって、冷媒及びシャフト9間の熱伝達率の低下が抑制され得るので、従来に比べて冷却効率を向上させることが可能となる。
【0032】
また、シャフト9が回転することにより、乱流誘起部15に誘起された冷媒流れによる動圧により、乱流誘起部15が恰も動圧流体軸受のごとく機能するので、冷媒流通管13の軸振れが抑制され得る。
【0033】
そして、冷媒流通管13の軸振れが抑制されるので、冷媒流通管13とシャフト9との間の隙間を小さくすることができる。したがって、シャフト9の外径寸法を小さくすることが可能となり得るので、ロータ5及び電動モータ1の小型化が可能となり得る。
【0034】
本実施形態に係る冷媒流通管13は、
図1に示されるように、片持支持構造であるので、ロータ5の回転振動により冷媒流通管13が共振すると、冷媒流通管13の先端(
図1の左端)において大きな振幅の振動が発生する可能性がある。
【0035】
これに対して、本実施形態では、当該先端側である長手方向他端側(
図2の左端側)に乱流誘起部15が設けられ、かつ、当該乱流誘起部15が恰も動圧流体軸受のごとく機能するので、効果的に冷媒流通管13の振動を抑制でき得る。したがって、冷媒流通管13とシャフト9(内壁9B)との接触を抑制でき得る。
【0036】
各溝部15Aの端面15B側は、当該端面15Bにて開放されている。これにより、冷媒を確実に各溝部15Aに導入することが可能となり得る。したがって、各溝部15Aが端面15Bにて開放されていない構成に比べて、冷媒を効率よく溝部15Aに導入でき得る。
【0037】
延いては、乱流誘起部15を確実に動圧流体軸受として機能させることができ得るとともに、冷却通路9Cを流通する冷媒流れを確実に乱すことが可能となり得る。つまり、従来に比べて冷却効率を確実に向上させることが可能となるとともに、冷媒流通管13の振幅が大きくなることが抑制され得る。
【0038】
各溝部15Aは、冷媒流通管13の周方向に向けて凸となるように屈曲している。これにより、高速回転時により動圧が高くなるので、冷媒流通管13の振動抑制効果が向上し得るとともに、冷却通路9Cを流通する冷媒流れを確実に乱すことが可能となり得る。
【0039】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係る各溝部15Aは溝幅及び溝深さが溝部15Aの部位によらず一定であった、これに対して、本実施形態に係る各溝部15Dでは、
図3に示されるように、当該溝部15Dの断面積が、長手方向他端側(
図3の左端側)から長手方向一端側(
図3の右端側)に向かうほど縮小している。
【0040】
具体的には、本実施形態に係る各溝部15Dでは、溝深さDが部位によらず一定であるのに対して、溝幅Wが長手方向他端側(
図3の左端側)から(
図3の右端側)に向かうほど縮小している。このため、本実施形態では、外周面13Aに投影された各溝部15Dは、三角形状となる。
【0041】
これにより、本実施形態では、シャフト9がいずれの向きに回転しても、確実に動圧を発生せることができ得るとともに、流れを乱すことができ得るので、従来に比べて冷却効率を確実に向上させることが可能となるとともに、冷媒流通管13の振幅が大きくなることが抑制され得る。
【0042】
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0043】
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の変形例である。すなわち、第2実施形態では、外周面13Aに投影された各溝部15Dが二等辺三角形状となるように各溝部15Dが構成されていた。
【0044】
これに対して、本実施形態に係る各溝部15Eは、
図4に示されるように、外周面13Aに投影された各溝部15Dが、周方向に傾いた三角形状となるように各溝部15Dが構成されている。
【0045】
つまり、外周面13Aに投影された各溝部15Dを三角形とし、外周面13Aに投影された冷媒流通管13の中心軸線を中心軸線としたとき、本実施形態では、当該三角形の中線が中心軸線に対して傾いている。そして、当該中線のうち当該三角形の頂点に対応する部位は、中心軸線に対して内壁9Bの回転の向き(
図4の二点鎖線の矢印の向き)にずれている。
【0046】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、輸送機器に用いられる電動モータに本開示に係る回転電機を用いた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、その他用途に用いられる回転電機であってもよい。
【0047】
上述の実施形態では、本開示に係る回転電機を電動モータ(電動機)として利用した例であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示に係る回転電機は、例えば、回生制動用の発電機としても利用可能である。
【0048】
上述の実施形態では、冷却された冷媒が冷媒流通管13から流入し、冷却通路9Cを流通して外部に流出する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、冷却された冷媒が冷却通路9Cに流入し、冷媒流通管13を経由して外部に流出する構成であってもよい。
【0049】
上述の実施形態に係る冷媒は、エチレングリコールが混合された水であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、オイルやガス等の流体を冷媒とした構成であってもよい。
【0050】
上述の実施形態に係る乱流誘起部15は、動圧流体軸受としても機能する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、動圧流体軸受として機能しない乱流誘起部15であってもよい。
【0051】
上述の実施形態に係る乱流誘起部15は、長手方向他端側(
図1の左端側)のみに設けられた構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、長手方向一端側(
図1の右端側)のみに設けられた構成、長手方向中央のみに設けられた構成、又は長手方向全域に設けられた構成等であってもよい。
【0052】
上述の実施形態に係る乱流誘起部15は溝部15A、15D、15Eにより構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、凸部により構成された乱流誘起部15であってもよい。
【0053】
上述の実施形態では、乱流誘起部15が冷媒流通管13の外周面13Aのみに設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、冷却孔9Aの内壁9Bに乱流誘起部が設けられた構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態における乱流誘起部15を構成する溝部の形状は、
図2~
図4に示された形状に限定されない。すなわち、当該溝部の形状は、冷媒流通管13の延び方向と平行に延びる真っ直ぐな溝部等、その他の形状であってもよい。なお、
図2においては、冷媒導入溝15Cが廃止された構成であってもよい。
【0055】
上述の実施形態に係る各溝部15Aは、当該溝部15Aの延び方向略中央にて周方向に向けて凸となるように屈曲していた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、延び方向略中央からずれた位置にて当該延び方向に対して傾斜した方向に凸となるように屈曲した溝部15Aであってもよい。
【0056】
上述の実施形態に係る各溝部15Aは、内壁9Bの回転の向きに凸となる屈曲形状であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、各溝部15Aが内壁9Bの回転の向きと反対向きに凸となるように屈曲した構成であってもよい。
【0057】
上述の実施形態に係る各溝部15Aの断面積は、延び方向いずれの部位であっても同一であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、延び方向中央、つまり屈曲した部位に近づくほど、溝深さが小さくなるように断面積が小さくなる構成であってもよい。
【0058】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1… 電動モータ 3…ステータ 5… ロータ
7… ハウジング 9…シャフト 9A… 冷却孔
9C… 隙間(冷却通路) 13…冷媒流通管
15… 乱流誘起部 15A…溝部