(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077266
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230529BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 L
H04N1/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190511
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】相沢 彰吾
【テーマコード(参考)】
5C062
5C073
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB11
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC03
5C062AC35
5C062AE01
5C062AE14
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
5C062AF15
5C073AA02
5C073AB17
5C073BA06
5C073BB04
5C073CD05
5C073CE05
5C073CE10
(57)【要約】
【課題】スキャンデータの放置の可能性を低減すること。
【解決手段】原稿からスキャンされたスキャンデータを格納する格納部に対するアクセス履歴に基づいて、前記スキャンデータが利用されていないことを示す通知を行うように構成されている通知部を有することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿からスキャンされたスキャンデータを格納する格納部に対するアクセス履歴に基づいて、前記スキャンデータが利用されていないことを示す通知を行うように構成されている通知部、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記アクセス履歴は、前記スキャンデータにアクセスしたユーザを示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記アクセス履歴は、前記スキャンデータがアクセスされた回数を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記アクセスされた回数は、所定の期間にアクセスされた回数を示すことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記通知部は、前記アクセス履歴に、ユーザを示す情報又はアクセスされた回数がある場合、前記通知を行わないことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記通知部は、前記格納部における前記スキャンデータの格納場所に基づいて、前記通知の通知先を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記通知部は、前記格納場所が、複数のユーザによって共有される場合、前記複数のユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記通知部は、前記複数のユーザの中で、通知対象として設定されているユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記アクセス履歴を外部装置から取得することを特徴とする取得部をさらに備えることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記スキャンデータごとに前記通知を行ったかどうかの通知履歴を記憶するように構成されている記憶部をさらに備え、
前記通知部は、前記通知履歴に基づいて、前記通知を行っていない前記スキャンデータについて前記通知を行うことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
原稿からスキャンされたスキャンデータを格納する格納部に対するアクセス履歴に基づいて、前記スキャンデータが利用されていないことを示す通知を行うように構成されている通知部、
を有する情報処理装置。
【請求項12】
原稿からスキャンされたスキャンデータを格納する格納部に対するアクセス履歴に基づいて、前記スキャンデータが利用されていないことを示す通知を行う通知手順、
をコンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置等の機器のスキャン機能を用いて生成された画像であるスキャンデータを社内やクラウド上のファイルサーバに保存する技術が普及している。
【0003】
特許文献1には、印刷やスキャンなどのサービスで用いられるアプリケーションの開発を支援する目的で、処理フローの情報やアプリケーションの設定情報を利用して一連の処理を実行する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、機器のスキャン機能により生成されたスキャンデータの利用状況などを確認することが考慮されていないため、ユーザがスキャンデータの存在を忘れてしまい、スキャンデータが放置される可能性があった。
【0005】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、スキャンデータの放置の可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、原稿からスキャンされたスキャンデータを格納する格納部に対するアクセス履歴に基づいて、前記スキャンデータが利用されていないことを示す通知を行うように構成されている通知部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、スキャンデータの放置の可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るファイル情報の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るアクセス履歴情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおけるスキャン処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける通知処理のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。情報処理システム1は、ローカルエリアネットワークなどの通信ネットワーク7に接続する利用情報保存サーバ2、利用情報収集サーバ3、通知サーバ4、スキャンデータ記憶装置6、画像形成装置9、端末装置5、および画像形成装置9を含む。
【0011】
情報処理システム1において、画像形成装置9のスキャン機能を利用するためのアプリケーションであるスキャンアプリ8を用いてスキャンされた文書や画像などのスキャンデータは、通信ネットワーク7を介して、スキャンデータ記憶装置6に保存される。利用情報保存サーバ2は、スキャンデータの電子ファイルに関する情報であるファイル情報を画像形成装置9から受信して保存する。利用情報収集サーバ3は、定期的に電子ファイルの利用状況に関する情報である利用情報をスキャンデータ記憶装置6から取得して、利用されていな電子ファイルの情報を通知サーバ4に送信する。通知サーバ4は、受信した情報に基づいて特定した通知対象のユーザに、利用されていないファイルが存在することを通知するメッセージを送信する。ユーザは、画像形成装置9や端末装置5を操作することにより、画面に表示された通知メッセージを確認することが可能である。
【0012】
なお、
図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、利用情報保存サーバ2、利用情報収集サーバ3、通知サーバ4により提供される機能は、同一のサーバ装置で実現されてもよい。また、スキャンデータ記憶装置6は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などに格納したスキャンデータなどの電子ファイルを要求に応じて送受信することが可能な装置である。スキャンデータ記憶装置6は、インターネットなどを介して接続可能な外部サービスなどによって提供されるクラウド上に存在する装置、又はデータの格納領域であってもよい。あるいは、スキャンデータ記憶装置6は、サーバ装置などに接続されており、サーバ装置などを介してアクセスが可能な構成であってもよい。なお、スキャンデータ記憶装置6は、外部装置の一例である。また、格納されるデータは、原稿、文書、画像などをスキャンしたスキャンデータであり、電子ファイル、または単にファイルなどと呼ばれる。また、通信ネットワーク7には、例えば、移動体通信、又は無線LANなどの無線通信による接続区間が含まれていてもよい。
【0013】
<ハードウェア構成例(情報処理装置)>
図2は、本発明の実施形態に係る利用情報保存サーバ2、利用情報収集サーバ3、通知サーバ4、端末装置5を構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、情報処理装置はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0014】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク7を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0015】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0016】
<ハードウェア構成例(画像形成装置)>
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0017】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0018】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0019】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0020】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0021】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0022】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0023】
<機能について>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。サーバ装置10は、利用情報保存サーバ2、利用情報収集サーバ3、および通知サーバ4に相当する装置であり、通知部12、取得部13、制御部15、及び第1通信部16を有する。これら各部は、サーバ装置10を構成する情報処理装置にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、格納部11および記憶部14は、それぞれスキャンデータ記憶装置6およびサーバ装置10が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0024】
格納部11は、画像形成装置9によってスキャンされたスキャンデータの電子ファイルを記憶装置に記憶する。なお、画像形成装置9は、スキャンデータの電子ファイルを生成すると同時に、スキャンデータの電子ファイルに対して、後述の記憶部14が記憶するファイル情報を生成する。
図5は、本発明の実施形態に係るファイル情報の一例を示す図である。
図5に示すファイル情報30として、ファイルID31、ファイル名32、格納フォルダ33、生成日時34、最終更新日時35、利用フラグ36、および通知フラグ37を含む。
【0025】
ファイルID31は、電子ファイルを特定するために付与する識別子である。IDは、Identificationの略である。
【0026】
ファイル名32は、スキャンデータなどに対応する電子ファイルの名称である。
【0027】
格納フォルダ33は、電子ファイルが格納されるフォルダに関する情報である。「共有フォルダ」は、複数のユーザがアクセス可能なフォルダを示す。「個人フォルダ」は、あるユーザのみがアクセスできるフォルダであるが、管理者の権限を持つユーザもアクセスできるように設定することもある。
【0028】
生成日時34は、電子ファイルが生成された日時である。
【0029】
最終更新日時35は、電子ファイルが最後に更新された日時である。
【0030】
利用フラグ36は、電子ファイルがアクセスされたか否かを示す情報である。「True」は、電子ファイルがアクセスされたこと、即ち、利用されたことを示し、「False」は、アクセスされていないこと、即ち、利用されていないことを示す。また、「-」は、情報がまだ設定されていないことを示す。
【0031】
通知フラグ37は、電子ファイルが利用されていないことをユーザに通知したか否かを示す情報である。「True」は、通知されたこと、「False」は通知されていないことを示す。通知フラグ37および通知フラグ37を含むファイル情報30を通知履歴とよんでもよい。
【0032】
【0033】
通知部12は、格納部11が記憶したスキャンデータの電子ファイルが使用されていないことをユーザや管理者などに通知する。通知部12は、通知サーバ4が有する機能であってもよい。また、通知部12は、電子ファイルの格納場所に基づいて、通知先のユーザを決定してもよい。格納場所に関する情報は、
図5に示した格納フォルダ33に設定されている情報を参照する。例えば、格納フォルダ33に設定されている情報が、「共有フォルダ」の場合、共有フォルダにアクセス可能である複数のユーザに通知してもよい。あるいは、複数のユーザの中で部門の上長などの最も高い権限を持つユーザなどを通知対象のユーザとして設定しておき、通知対象に設定されたユーザに通知するようにしてもよい。格納フォルダ33に設定されている情報が、「個人フォルダ」の場合、通知部12は、該当する個人フォルダにアクセス可能なユーザに通知する。また、通知部12は、以下に示すユーザ情報を参照することにより、通知先のユーザを特定してもよい。
図6は、本発明の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図6に示すユーザ情報40は、ユーザID41、ファイルID42、アカウント名43、メールアドレス44、および権限45を含む。ユーザ情報40は、通知サーバ4に記憶されていてもよいし、あるいは、利用情報保存サーバ2などに記憶されており、通知部12が必要に応じて、利用情報保存サーバ2などからユーザ情報40を取得するようにしてもよい。
【0034】
ユーザID41は、ユーザを特定するために付与する識別子である。
【0035】
ファイルID42は、電子ファイルを特定するために付与する識別子であり、
図5で示したファイルID31と同一の値を用いることにより、ユーザとファイルを関係づけることが可能である。
【0036】
アカウント名43は、ユーザのアカウント名である。例えば、ユーザがシステムにログインする際の認証において、パスワードとともに用いられる。また、通知部12が通知するメッセージを表示する画面などにアカウント名43を表示してもよい。
【0037】
メールアドレス44は、ユーザのメールアドレスである。通知部12は、例えば、ユーザのメールアドレス宛に通知メッセージを含む電子メールを送信することで通知を実行してもよい。
【0038】
権限45は、ユーザの権限に関する情報である。「一般」は一般のユーザであり、「管理者」は管理者のユーザであることを示す。通常、一般のユーザは、管理者のユーザと比較して、フォルダやファイルに対するアクセス、読取、書込み、削除などの権限、或いはプログラムやサービスを実行する権限などに制限がある。通知部12は、例えば、ファイルID42が「0」のファイルに関する通知の通知先のユーザを、ユーザID41が「0」と「1」のユーザと決定してもよいし、管理者の権限を持つ「1」のユーザのみと決定してもよい。
【0039】
【0040】
取得部13は、
図5に示したファイル情報30を利用情報保存サーバ2から取得する。取得部13は、利用情報収集サーバ3が有する機能であってもよい。また、取得部13は、電子ファイルに対するアクセス履歴に関する情報をスキャンデータ記憶装置6から取得する。
図7は、本発明の実施形態に係るアクセス履歴情報の一例を示す図である。
図7に示すアクセス履歴情報46には、ある電子ファイルにアクセスしたユーザのアカウント名(userA)、及びそのユーザによる全期間のアクセス回数(5回)と最近7日間のアクセス回数(1回)の情報が含まれている。取得部13は、例えば、アクセス履歴情報46に基づいて、全期間のアクセス回数が1回以上あれば、その電子ファイルが利用されたと決定し、0回であれば、その電子ファイルが利用されていないと決定する。
【0041】
【0042】
記憶部14は、スキャンデータの電子ファイルに関する
図5に示したファイル情報30を画像形成装置9から受信して記憶装置に記憶する。記憶部14は、利用情報保存サーバ2が有する機能であってもよい。また、記憶部14は、取得部13が取得したアクセス履歴に関する情報に基づいて、
図5に示した利用フラグ36の情報を更新する。また、記憶部14は、通知部12が、スキャンデータの電子ファイルが使用されていないことの通知を行った際に、
図5に示した通知フラグ37の情報を更新する。
【0043】
制御部15は、取得部13が取得した情報などに基づいて、実行する処理を制御する。例えば、制御部15は、取得部13が取得したファイル情報30の通知フラグ37を確認し、通知が実行済みであれば、通知処理を終了させる。
【0044】
第1通信部16は、サーバ装置10が有する通信機能であり、通信ネットワーク7を介して情報の送受信を行う。
【0045】
クライアント装置20は、端末装置5や画像形成装置9などのユーザがサービスを利用するために操作する装置であり、表示制御部21、操作受付部22、および第2通信部23を有する。これら各部は、端末装置5を構成する情報処理装置、又は画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501、又はCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。
【0046】
表示制御部21は、通知部12から受信した通知メッセージなどをクライアント装置20の画面に表示する。
【0047】
操作受付部22は、クライアント装置20のタッチパネル、キーボード、ポインティングデバイスなどを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0048】
第2通信部23は、クライアント装置20が有する通信機能であり、通信ネットワーク7を介して情報の送受信を行う。
【0049】
<スキャン処理のフローチャート>
図8は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおけるスキャン処理のフローチャートの一例を示す図である。以下、
図8の各ステップの処理について説明する。
【0050】
ステップS51:画像形成装置9は、
図1に示したスキャンアプリ8を用いてスキャンした文書や画像などのスキャンデータの電子ファイルを生成する。画像形成装置9の第2通信部23は、生成したスキャンデータの電子ファイルをスキャンデータ記憶装置6に送信する。また、画像形成装置9の第2通信部23は、生成したスキャンデータの電子ファイルに関するファイル情報を利用情報保存サーバ2に送信する。
【0051】
ステップS52:スキャンデータ記憶装置6の格納部11は、受信したスキャンデータの電子ファイルを記憶装置に記憶する。
【0052】
ステップS53:利用情報保存サーバ2の記憶部14は、受信したスキャンデータの電子ファイルに関するファイル情報30を記憶装置に記憶する。
【0053】
<通知処理のフローチャート>
図9は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける通知処理のフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、情報処理システム1は、あるスキャンデータが利用されていない場合に、ユーザにその旨を通知するメッセージを送信する。以下、
図9の各ステップの処理について説明する。
【0054】
ステップS61:利用情報収集サーバ3の取得部13は、該当するスキャンデータのファイル情報30を利用情報保存サーバ2から取得する。
【0055】
ステップS62:利用情報収集サーバ3の制御部15は、取得したファイル情報30の通知フラグ37を確認することにより、スキャンデータが使用されていないことを通知済であるか否かを確認する。利用情報収集サーバ3の制御部15は、通知済(通知フラグ37が「True」)である場合は、本通知処理を終了し、そうでない場合(通知フラグ37が「False」)は、処理をステップS63に遷移させる。
【0056】
ステップS63:利用情報収集サーバ3の取得部13は、該当するスキャンデータのアクセス履歴に関する情報をスキャンデータ記憶装置6から取得する。アクセス履歴に関する情報は、例えば、
図7に示したアクセス履歴情報46であり、取得部13は、例えば、全期間のアクセス回数が1回以上あれば、該当するスキャンデータが利用されたと決定し、0回であれば、利用されていないと決定する。
【0057】
ステップS64:利用情報収集サーバ3の制御部15は、ステップS63で取得部13が該当するスキャンデータが利用されたと決定した場合、処理をステップS69に遷移させ、そうでない場合、処理をステップS65に遷移させる。
【0058】
ステップS65:通知サーバ4の通知部12は、利用情報収集サーバ3からファイル情報30を受信する。また、通知部12は、受信したファイル情報30の格納フォルダ33を確認することにより、ファイルが保存されているフォルダが個人フォルダか共有フォルダかを確認する。更に、通知部12は、ファイルが個人フォルダに保存されている場合、処理をステップS68に遷移させ、共有フォルダに保存されている場合、処理をステップS66に遷移させる。
【0059】
ステップS66:通知サーバ4の通知部12は、ファイルが格納されているフォルダを共有しているユーザの情報を取得する。
【0060】
ステップS67:通知サーバ4の通知部12は、取得したユーザの中から通知を送信する通知対象のユーザを特定する。例えば、通知部12は、通知対象として設定されている共有フォルダを管理しているユーザの中で最も権限が高いユーザ(部門長など)を通知対象のユーザに特定する。
【0061】
ステップS68:通知サーバ4の通知部12は、通知対象のユーザに通知を送信する。例えば、通知部12は、通知対象のユーザのメールアドレスにメールアドレス宛に通知メッセージを含む電子メールを送信する。あるいは、通知部12は、通知対象のユーザが操作するクライアント装置20の画面に通知メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0062】
ステップS69:利用情報保存サーバ2の記憶部14は、ステップS61で利用情報収集サーバ3の取得部13が取得したファイル情報30を記憶していない場合、ファイル情報30を記憶装置に記憶する。また、記憶部14は、ステップS63で取得部13が該当するスキャンデータが利用されたと決定した場合、ファイル情報30の利用フラグ36が「False」であるならば、「True」に更新する。また、記憶部14は、ステップS68で通知部12が通知を行った場合、ファイル情報30の通知フラグ37を「True」に更新する。
【0063】
以上の処理により、情報処理システム1は、文書や画像などのスキャンデータに対するアクセス履歴を取得して、スキャンデータにアクセスが無い場合、スキャンデータが利用されていない旨の通知を所定の通知先のユーザに送信することが可能である。また、情報処理システム1は、スキャンデータの格納場所が共有フォルダの場合、共有フォルダにアクセス可能なユーザの中から通知先のユーザを決定することが可能である。また、情報処理システム1は、スキャンデータごとに通知を行ったかどうかの通知履歴を記憶し、通知履歴に基づいて、通知を行っていないスキャンデータについて通知を行うことが可能である。従い、これらの処理により、スキャンデータの放置の可能性を低減することが可能である。
【0064】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0065】
例えば、
図4の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理システム1および情報処理装置よる処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報処理システム1および情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0066】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0067】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム1および情報処理装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0068】
さらに、情報処理システム1および情報処理装置は、開示された処理ステップ、例えば
図3を様々な組み合わせで共有するように構成できる。また、情報処理システム1および情報処理装置の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていてもよい。
【0069】
また、第1通信部16、第2通信部23は、単に通信部と呼んでもよく、明確に区別ができるならば、第1、第2の付与順序を変更してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 情報処理システム
2 利用情報保存サーバ
3 利用情報収集サーバ
4 通知サーバ
5 端末装置
6 スキャンデータ記憶装置
7 通信ネットワーク
8 スキャンアプリ
9 画像形成装置
10 サーバ装置
11 格納部
12 通知部
13 取得部
14 記憶部
15 制御部
16 第1通信部
20 クライアント装置
21 表示制御部
22 操作受付部
23 第2通信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】