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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079977
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/00 20060101AFI20230601BHJP
   H04L 27/34 20060101ALI20230601BHJP
   H03M 13/29 20060101ALI20230601BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20230601BHJP
   H03M 13/19 20060101ALI20230601BHJP
   H03M 13/23 20060101ALI20230601BHJP
   H03M 13/15 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H04L27/00 B
H04L27/34
H03M13/29
H04L1/00 B
H03M13/19
H03M13/23
H03M13/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025824
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021192600
(32)【優先日】2021-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100121119
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】山岸 史弥
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】居相 直彦
【テーマコード(参考)】
5J065
5K014
【Fターム(参考)】
5J065AD07
5J065AD10
5J065AD11
5J065AE02
5J065AG05
5J065AG06
5J065AH01
5J065AH21
5K014BA06
5K014BA07
5K014BA08
5K014BA10
5K014FA16
(57)【要約】
【課題】SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、伝送性能を改善する。
【解決手段】送信装置1のRS符号化部14は、外符号として短縮化RS(204,188)符号を用いた符号化を行う。畳み込み符号化部16は、内符号として所定の符号化率の畳み込み符号を用いた符号化を行う。マッピング部20は、信号系列に対し、予め設定されたマッピングルールにてマッピングを行う。マッピングルールの信号点配置は、変調方式が16APSKの場合、畳み込み符号の符号化率が1/2,2/3,3/4,5/6に応じて、それぞれ半径比R12を2.86,3.15,2.88,2.93とする。また、変調方式が32APSKの場合、それぞれ半径比R12を2.79,3.16,2.87,2.91、半径比R13を5.29,5.79,5.20,5.11とする。
【選択図】図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信対象の信号に対し、所定の外符号及び内符号により誤り訂正符号化を行い、所定の変調方式のマッピングルールにてマッピングを行うSC-FDE方式の送信装置において、
前記変調方式が16APSKの場合、IQ軸上に2つの同心円を定義したとして、内側の前記同心円の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置された信号点配置とし、前記内側の前記同心円の半径をr1、前記外側の前記同心円の半径をr2として、
半径比R12=r2/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記誤り訂正符号化が行われた信号系列に対してマッピングを行い、
前記変調方式が32APSKの場合、前記IQ軸上に3つの同心円を定義したとして、最も内側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、前記最も内側の前記同心円と最も外側の前記同心円との間の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置され、前記最も外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/8の位置からπ/8毎に等間隔に16点の信号が配置された信号点配置とし、前記最も内側の前記同心円の半径をr1、前記最も内側の前記同心円と前記最も外側の前記同心円との間の前記同心円の変形をr2とし、前記最も外側の前記同心円の半径をr3として、
半径比R12=r2/r1及び半径比R13=r3/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記誤り訂正符号化が行われた信号系列に対してマッピングを行うマッピング部を備え、
前記外符号をRS符号とし、前記内符号を畳み込み符号として、
前記変調方式が16APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.86とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.15とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.88とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.93とし、
前記変調方式が32APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.79及び前記半径比R13=5.29とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.16及び前記半径比R13=5.79とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.87及び前記半径比R13=5.20とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.91及び前記半径比R13=5.11とする、ことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、
前記外符号をBCH符号とし、前記内符号をLDPC符号として、
前記変調方式が16APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.38とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.36とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.06とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.82とし、
前記変調方式が32APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.24及び前記半径比R13=7.00とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.35及び前記半径比R13=6.64とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.07及び前記半径比R13=5.87とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.81及び前記半径比R13=5.05とする、ことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
所定の外符号及び内符号により誤り訂正符号化が行われ、所定の変調方式のマッピングルールを用いてマッピングが行われたSC-FDE方式の送信装置から、変調波の無線信号を受信し、受信信号を周波数領域にて等化し、等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対し、前記変調方式のマッピングルールと同じマッピングルールを用いてデマッピングを行い、ビット尤度の計算を行い、ビット尤度系列に対して復号を行うSC-FDE方式の受信装置において、
前記変調方式が16APSKの場合、IQ軸上に2つの同心円を定義したとして、内側の前記同心円の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置された信号点配置とし、前記内側の前記同心円の半径をr1、前記外側の前記同心円の半径をr2として、
半径比R12=r2/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対するデマッピングによりシンボル判定を行い、
前記変調方式が32APSKの場合、前記IQ軸上に3つの同心円を定義したとして、最も内側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、前記最も内側の前記同心円と最も外側の前記同心円との間の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置され、前記最も外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/8の位置からπ/8毎に等間隔に16点の信号が配置された信号点配置とし、前記最も内側の前記同心円の半径をr1、前記最も内側の前記同心円と前記最も外側の前記同心円との間の前記同心円の変形をr2とし、前記最も外側の前記同心円の半径をr3として、
半径比R12=r2/r1及び半径比R13=r3/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対するデマッピングによりシンボル判定を行うシンボル判定部を備え、
前記外符号をRS符号とし、前記内符号を畳み込み符号として、
前記変調方式が16APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.86とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.15とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.88とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.93とし、
前記変調方式が32APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.79及び前記半径比R13=5.29とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.16及び前記半径比R13=5.79とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.87及び前記半径比R13=5.20とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.91及び前記半径比R13=5.11とする、ことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の受信装置において、
前記外符号をBCH符号とし、前記内符号をLDPC符号として、
前記変調方式が16APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.38とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.36とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.06とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.82とし、
前記変調方式が32APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.24及び前記半径比R13=7.00とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.35及び前記半径比R13=6.64とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.07及び前記半径比R13=5.87とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.81及び前記半径比R13=5.05とする、ことを特徴とする受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送または無線伝送システムにおいて使用可能な送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送、通信等の固定伝送の無線伝送システムにおいて、1つの搬送波を用いるシングルキャリア方式が広く用いられている。近年、シングルキャリア方式の中でも、周波数領域でチャネル等化(伝搬路で生じた振幅及び位相の変化を元に戻す処理)を行うSC-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
SC-FDE方式は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のように、周波数領域でチャネル推定及びチャネル等化をブロック単位に行うことにより、移動伝送における高速なチャネル変動に追従することができる。そのため、SC-FDE方式は、時間領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式よりも移動伝送に適した方式であると言える。
【0004】
また、SC-FDE方式では、OFDM方式と同じようにガードインターバルを設けることにより、マルチパス環境におけるブロック間干渉を防ぐことができる。このSC-FDE方式を用いる受信装置は、まず、ブロック先頭を検出するためのブロック同期を行い、チャネル推定用のパイロット信号(UW:Unique Word:ユニークワード)及びデータを抽出し、フーリエ変換により時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。
【0005】
次に、受信装置は、周波数領域に変換されたUWを用いてチャネル推定を行い、得られた伝搬路情報を用いて、周波数領域のデータに対してZF(Zero-Forcing:ゼロフォーシング)またはMMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均二乗誤差)基準による等化を行う。
【0006】
最後に、受信装置は、等化後の周波数領域のデータを時間領域に戻して、シンボル判定等の処理を行う。受信装置は、シンボル判定処理の際に、予め設定されたマッピングルールにおける信号点配置の信号点と受信信号とを比較し、尤度を計算する。
【0007】
このマッピングルールにおける信号点配置は、SC-FDE方式を用いる送信装置にて誤り訂正を行わない場合において、一般的に最小ユークリッド距離が最大となる信号点配置を用いることで、誤り率が良くなるとされている。ここで、最小ユークリッド距離が最大となる信号点配置とは、電力が一定の条件下(データ部分の全ての信号点の平均電力が1となるように正規化された条件下)において、それぞれの信号点と隣接する信号点(ユークリッド距離が最小の信号点)との間の距離を最大限に大きくした信号点配置である。
【0008】
しかしながら、誤り訂正を行う場合には、誤り訂正符号の種類及び符号化率、並びに信号点配置によって、C/N比(搬送波対雑音比)に対する誤り率が異なることが知られている。すなわち、所要の誤り率を達成するためのC/Nである所要C/Nを最も小さくすることが可能な信号点配置が存在する(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2018-6796号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Fumiya Yamagishi,etc,“Distortion Compensation Method on SC-FDE Modulation using for 42-GHz band UHDTV Wireless Camera”,2021 IEEE Radio and Wireless Symposium,pp.91-93,Jan.2021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号の違いにより、データの最適な信号点配置は異なるものである。
【0012】
このため、変調方式及び誤り訂正符号に応じて、最適な信号点配置のマッピングルールを用いることができれば、伝送性能を改善することができるものと期待される。
【0013】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、伝送性能を改善可能な送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、請求項1の送信装置は、送信対象の信号に対し、所定の外符号及び内符号により誤り訂正符号化を行い、所定の変調方式のマッピングルールにてマッピングを行うSC-FDE方式の送信装置において、前記変調方式が16APSKの場合、IQ軸上に2つの同心円を定義したとして、内側の前記同心円の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置された信号点配置とし、前記内側の前記同心円の半径をr1、前記外側の前記同心円の半径をr2として、半径比R12=r2/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記誤り訂正符号化が行われた信号系列に対してマッピングを行い、前記変調方式が32APSKの場合、前記IQ軸上に3つの同心円を定義したとして、最も内側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、前記最も内側の前記同心円と最も外側の前記同心円との間の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置され、前記最も外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/8の位置からπ/8毎に等間隔に16点の信号が配置された信号点配置とし、前記最も内側の前記同心円の半径をr1、前記最も内側の前記同心円と前記最も外側の前記同心円との間の前記同心円の変形をr2とし、前記最も外側の前記同心円の半径をr3として、半径比R12=r2/r1及び半径比R13=r3/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記誤り訂正符号化が行われた信号系列に対してマッピングを行うマッピング部を備え、前記外符号をRS符号とし、前記内符号を畳み込み符号として、前記変調方式が16APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.86とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.15とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.88とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.93とし、前記変調方式が32APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.79及び前記半径比R13=5.29とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.16及び前記半径比R13=5.79とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.87及び前記半径比R13=5.20とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.91及び前記半径比R13=5.11とする、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の送信装置は、請求項1に記載の送信装置において、前記外符号をBCH符号とし、前記内符号をLDPC符号として、前記変調方式が16APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.38とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.36とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.06とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.82とし、前記変調方式が32APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.24及び前記半径比R13=7.00とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.35及び前記半径比R13=6.64とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.07及び前記半径比R13=5.87とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.81及び前記半径比R13=5.05とする、ことを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項3の受信装置は、所定の外符号及び内符号により誤り訂正符号化が行われ、所定の変調方式のマッピングルールを用いてマッピングが行われたSC-FDE方式の送信装置から、変調波の無線信号を受信し、受信信号を周波数領域にて等化し、等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対し、前記変調方式のマッピングルールと同じマッピングルールを用いてデマッピングを行い、ビット尤度の計算を行い、ビット尤度系列に対して復号を行うSC-FDE方式の受信装置において、前記変調方式が16APSKの場合、IQ軸上に2つの同心円を定義したとして、内側の前記同心円の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置された信号点配置とし、前記内側の前記同心円の半径をr1、前記外側の前記同心円の半径をr2として、半径比R12=r2/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対するデマッピングによりシンボル判定を行い、前記変調方式が32APSKの場合、前記IQ軸上に3つの同心円を定義したとして、最も内側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置され、前記最も内側の前記同心円と最も外側の前記同心円との間の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置され、前記最も外側の前記同心円の円周上には、前記I軸に対して時計の反対回りのπ/8の位置からπ/8毎に等間隔に16点の信号が配置された信号点配置とし、前記最も内側の前記同心円の半径をr1、前記最も内側の前記同心円と前記最も外側の前記同心円との間の前記同心円の変形をr2とし、前記最も外側の前記同心円の半径をr3として、半径比R12=r2/r1及び半径比R13=r3/r1の前記信号点配置による前記マッピングルールを用いて、前記等化後のデータの部分に関する時間領域の信号に対するデマッピングによりシンボル判定を行うシンボル判定部を備え、前記外符号をRS符号とし、前記内符号を畳み込み符号として、前記変調方式が16APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.86とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.15とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.88とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.93とし、前記変調方式が32APSKの場合、前記畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=2.79及び前記半径比R13=5.29とし、前記畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.16及び前記半径比R13=5.79とし、前記畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=2.87及び前記半径比R13=5.20とし、前記畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.91及び前記半径比R13=5.11とする、ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の受信装置は、請求項3に記載の受信装置において、前記外符号をBCH符号とし、前記内符号をLDPC符号として、前記変調方式が16APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.38とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.36とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.06とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.82とし、前記変調方式が32APSKの場合、前記LDPC符号の符号化率が1/2のときに、前記半径比R12=3.24及び前記半径比R13=7.00とし、前記LDPC符号の符号化率が2/3のときに、前記半径比R12=3.35及び前記半径比R13=6.64とし、前記LDPC符号の符号化率が3/4のときに、前記半径比R12=3.07及び前記半径比R13=5.87とし、前記LDPC符号の符号化率が5/6のときに、前記半径比R12=2.81及び前記半径比R13=5.05とする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、伝送性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態による送信装置の概略構成例を示すブロック図である。
図2】バイトインタリーブ部の構成及び処理例を説明するブロック図である。
図3】畳み込み符号化部の構成及び処理例を説明するブロック図である。
図4】畳み込み符号化部における各符号化率のパンクチャ化パターン等を説明する図である。
図5】変調方式が16APSKの場合におけるビットインタリーブ部の構成及び処理例を説明するブロック図である。
図6】変調方式が32APSKの場合におけるビットインタリーブ部の構成及び処理例を説明するブロック図である。
図7】時間インタリーブ部の構成及び処理例を説明するブロック図である。
図8】変調方式が16APSKの場合の信号点配置を説明する図である。
図9】変調方式が32APSKの場合の信号点配置を説明する図である。
図10】変調方式が16APSK,32APSKの場合における各符号化率の半径比を示す図である。
図11】変調方式が16APSKの場合における各符号化率の半径比r2/r1及びBERの関係を示す図である。
図12】変調方式が32APSKの場合における半径比R12,R13の算出手法を説明する図である。
図13】SC-FDEブロックシンボル系列の構成例を示す図である。
図14】本発明の実施形態による受信装置の概略構成例を示すブロック図である。
図15】本発明の他の実施形態による送信装置の概略構成例を示すブロック図である。
図16】FECブロック構成例を示す図である。
図17】近似LDPC符号化率、LDPC符号化率、ブロックヘッダビット数H、主信号ビット数D等を示す図である。
図18】エネルギー拡散部の構成及び処理例を説明する図である。
図19】本発明の他の実施形態において、変調方式が16APSK,32APSKの場合における各符号化率の半径比を示す図である。
図20】本発明の他の実施形態において、変調方式が16APSKの場合における各符号化率の半径比r2/r1及びBERの関係を示す図である。
図21】本発明の他の実施形態による受信装置の概略構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、SC-FDE方式において、誤り訂正符号の内符号を畳み込み符号とし、外符号をRS(Reed Solomon:リードソロモン)符号とする連接符号を用い、変調方式が16APSK(Amplitude and Phase Shift Keying)または32APSKの場合に、送信装置にて信号をマッピングする際、または受信装置にて信号をデマッピングする際に、最適な信号点配置のマッピングルールを用いることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、SC-FDE方式において、誤り訂正符号の内符号をLDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号とし、外符号をBCH符号とする連接符号を用い、変調方式が16APSKまたは32APSKの場合に、送信装置にて信号をマッピングする際、または受信装置にて信号をデマッピングする際に、最適な信号点配置のマッピングルールを用いることを特徴とする。
【0022】
〔送信装置〕
まず、本発明の実施形態による送信装置について説明する。この例は、誤り訂正符号の内符号に畳み込み符号を用い、外符号にRS符号を用いたものである。図1は、本発明の実施形態による送信装置の概略構成例を示すブロック図である。この送信装置1は、SC-FDE方式の無線伝送システムにおいて、周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式を用いた装置であり、データ部分の変調方式が16APSKまたは32APSKの場合に、後述する図8図10に示す半径比の信号点配置によるマッピングルールを使用する。
【0023】
この送信装置1は、DVB-ASI(Digital Video Broadcasting-Asynchronous Serial Interface)入力I/F(Interface:インタフェース)部11、フレーム同期部12、エネルギー拡散部13、RS符号化部14、バイトインタリーブ部15、畳み込み符号化部16、遅延補正部17、ビットインタリーブ部18、時間インタリーブ部19、マッピング部20、UW生成部21、SCブロック構成部22、帯域制限フィルタ部23、直交変調部24、DA(デジタル/アナログ)変換部25、周波数変換部26、電力増幅部27及び送信アンテナ28を備えている。
【0024】
DVB-ASI入力I/F部11は、送信対象の信号であるDVB-ASI形式の信号(以下、「DVB-ASI信号」という。)を入力する。そして、DVB-ASI入力I/F部11は、DVB-ASI信号からTS(Transport Stream:トランスポートストリーム)パケット単位の204バイトまたは188バイトのTS信号を抽出し、TS信号をフレーム同期部12に出力する。
【0025】
尚、DVB-ASI入力I/F部11は、TS信号のレートが伝送容量よりも小さい場合、NULL(ヌル)パケットを挿入する等、適切なバッファ処理を行う。
【0026】
フレーム同期部12は、DVB-ASI入力I/F部11からTS信号を入力し、TS信号に含まれるパケットを8パケット単位でフレーミングし、フレームの先頭バイトを、TS同期バイト(0x47)を反転した0xB8に差し替えることで、フレーム同期を行う。そして、フレーム同期部12は、フレーム同期後の8個のTSパケットを単位とするフレームをエネルギー拡散部13に出力する。
【0027】
エネルギー拡散部13は、フレーム同期部12からフレーム同期後の8個のTSパケットを単位とするフレームを入力し、当該フレームに含まれるTSパケットに疑似ランダム系列を加算することで、エネルギー拡散を行う。そして、エネルギー拡散部13は、エネルギー拡散後のフレームをRS符号化部14に出力する。
【0028】
RS符号化部14は、エネルギー拡散部13からエネルギー拡散後のフレームを入力し、当該フレームに対し、誤り訂正符号の外符号として短縮化RS(204,188)符号(符号化率188/204の短縮化RS符号)を用いて符号化(誤り訂正符号化)を行う。そして、RS符号化部14は、符号化後のフレームをバイトインタリーブ部15に出力する。
【0029】
バイトインタリーブ部15は、RS符号化部14から符号化後のフレームを入力し、当該フレームに対し、バイト単位のインタリーブを行い、バイトインタリーブ後のバイト系列を畳み込み符号化部16に出力する。
【0030】
図2は、バイトインタリーブ部15の構成及び処理例を説明するブロック図である。Mは、17セル長を示す。バイトインタリーブ部15は、入力側のスイッチが、入力した符号化後のフレームのビットストリームを1バイト毎に切り替えて、複数のFIFOのバッファに格納し、出力側のスイッチが、複数のFIFOのバッファから読み出したビットストリームを1バイト毎に切り替えることで、バイトインタリーブを行う。
【0031】
具体的には、バイトインタリーブ部15は、1ブロックあたり17バイトの遅延量を持つブロックを、第n番目のパスが(N-1)ブロックの遅延量となるように配置した12のパスに、符号化後のフレームにおける204バイトのビットストリームを1パスあたり1バイトずつ順次供給することで、畳み込みインタリーブを行う。
【0032】
図1に戻って、畳み込み符号化部16は、バイトインタリーブ部15からバイト系列を入力し、バイト系列に対し、誤り訂正符号の内符号として所定の符号化率の畳み込み符号を用いて符号化(誤り訂正符号化)を行う。そして、畳み込み符号化部16は、符号化後のバイト系列を遅延補正部17に出力する。
【0033】
図3は、畳み込み符号化部16の構成及び処理例を説明するブロック図である。畳み込み符号化部16は、バイト系列のデータDinに対し、拘束長7、符号化率1/2、生成多項式G1=171oct,G2=133octを原符号とする畳み込み符号を用いて符号化を行う。本発明の実施形態では、符号化率は1/2,2/3,3/4,5/6に対応するものとする。
【0034】
図4は、畳み込み符号化部16における各符号化率のパンクチャ化パターン等を説明する図である。符号化率1/2,2/3,3/4,5/6のそれぞれについてのパンクチャ化パターン及び伝送信号系列は、図4に示すとおりである。
【0035】
例えば符号化率1/2の場合、パンクチャ化パターンはX:1,Y:1であり、伝送信号系列はX1,Y1である。
【0036】
図1に戻って、遅延補正部17は、畳み込み符号化部16から符号化後のバイト系列を入力する。そして、遅延補正部17は、当該バイト系列に対し、変調側のビットインタリーブ部18及び後述する図14に示す復調側のビットデインタリーブ部45にて生じる遅延量に対応する遅延補正を、データ部分の変調方式に応じて行う。遅延補正部17は、遅延補正後のバイト系列をビットインタリーブ部18に出力する。
【0037】
ビットインタリーブ部18は、遅延補正部17から遅延補正後のバイト系列を入力し、当該バイト系列に対し、ビット単位のインタリーブを行い、ビットインタリーブ後の信号系列を時間インタリーブ部19に出力する。
【0038】
図5は、変調方式が16APSKの場合におけるビットインタリーブ部18の構成及び処理例を説明するブロック図である。このビットインタリーブ部18は、S/P(シリアル/パラレル)変換部にて、遅延補正部17から入力したバイト系列のビットデータb0,b1,b2,b3,b4,b5,・・・をシリアル/パラレル変換する。
【0039】
ビットインタリーブ部18は、入力したビットデータb0,b4をそのまま出力し、入力したビットデータb1,b5を(遅延部にて)40ビット遅延させ、40ビット遅延後のビットデータb1,b5を出力する。また、ビットインタリーブ部18は、入力したビットデータb2を80ビット遅延させ、80ビット遅延後のビットデータb2を出力し、入力したビットデータb3を120ビット遅延させ、120ビット遅延後のビットデータb3を出力する。
【0040】
図6は、変調方式が32APSKの場合におけるビットインタリーブ部18の構成及び処理例を説明するブロック図である。このビットインタリーブ部18は、S/P変換部にて、遅延補正部17から入力したバイト系列のビットデータb0,b1,b2,b3,b4,b5,・・・をシリアル/パラレル変換する。
【0041】
ビットインタリーブ部18は、入力したビットデータb0,b5をそのまま出力し、入力したビットデータb1を(遅延部にて)30ビット遅延させ、30ビット遅延後のビットデータb1を出力する。また、ビットインタリーブ部18は、入力したビットデータb2を60ビット遅延させ、60ビット遅延後のビットデータb2を出力し、入力したビットデータb3を90ビット遅延させ、90ビット遅延後のビットデータb3を出力する。また、ビットインタリーブ部18は、入力したビットデータb4を120ビット遅延させ、120ビット遅延後のビットデータb4を出力する。
【0042】
図1に戻って、時間インタリーブ部19は、ビットインタリーブ部18からビットインタリーブ後の信号系列を入力し、当該信号系列に対し、時間インタリーブを行い、時間インタリーブ後の信号系列をマッピング部20に出力する。
【0043】
図7は、時間インタリーブ部19の構成及び処理例を説明するブロック図である。時間インタリーブ部19は、ビットインタリーブ部18から入力した信号系列に対し、i+1個のシンボルバッファを用いて、畳み込みインタリーブによって信号系列のシンボルを時間軸上で分散させる。
【0044】
ただし、mi=(i×5) mod ncであり、ncは、入力した信号系列のデータシンボル数を示し、iはシンボル番号を示し、Iは任意の値を示す。I×miはシンボルバッファの長さを示し、小数点以下を切り下げた整数とする。
【0045】
図1に戻って、マッピング部20は、時間インタリーブ部19から時間インタリーブ後の信号系列を入力し、当該信号系列に対し、予め設定されたマッピングルールにてマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルをSCブロック構成部22に出力する。
【0046】
図8は、変調方式が16APSKの場合の信号点配置を説明する図である。変調方式が16APSKの場合、IQ軸上に2つの同心円α1,α2を定義したとすると、信号点配置として、内側の同心円α1の円周上に、I軸に対して時計の反対回りのφ=π/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置される。また、信号点配置として、外側の同心円α2の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置される。
【0047】
図8に示すように、各信号点には、入力した信号系列の4ビットがマッピングされる。同心円α1の半径をr1、同心円α2の半径をr2とする。
【0048】
図9は、変調方式が32APSKの場合の信号点配置を説明する図である。変調方式が32APSKの場合、IQ軸上に3つの同心円β1,β2,β3を定義したとすると、信号点配置として、最も内側の同心円β1の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/4の位置からπ/2毎に等間隔に4点の信号が配置される。
【0049】
また、信号点配置として、最も内側の同心円β1と最も外側の同心円β3との間の同心円β2の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/12の位置からπ/6毎に等間隔に12点の信号が配置される。また、最も外側の同心円β3の円周上には、I軸に対して時計の反対回りのπ/8の位置からπ/8毎に等間隔に16点の信号が配置される。
【0050】
図9に示すように、各信号点には、入力した信号系列の5ビットがマッピングされる。同心円β1の半径をr1、同心円β2の半径をr2、同心円β3の半径をr3とする。
【0051】
図10は、変調方式が16APSK,32APSKの場合における各符号化率の半径比を示す図である。変調方式が16APSKの場合、図8に示した同心円α1の半径r1及び同心円α2の半径r2を用いて、半径比R12=r2/r1とする。また、変調方式が32APSKの場合、図9に示した同心円β1の半径r1、同心円β2の半径r2及び同心円β3の半径r3を用いて、半径比R12=r2/r1,R13=r3/r1とする。
【0052】
図10に示すように、変調方式が16APSKの場合、信号点配置は、畳み込み符号化部16にて用いる畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、半径比R12=2.86とし、畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、半径比R12=3.15とする。また、信号点配置は、畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、半径比R12=2.88とし、畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、半径比R12=2.93とする。
【0053】
変調方式が32APSKの場合、信号点配置は、畳み込み符号化部16にて用いる畳み込み符号の符号化率が1/2のときに、半径比R12=2.79,R13=5.29とし、畳み込み符号の符号化率が2/3のときに、半径比R12=3.16,R13=5.79とする。また、信号点配置は、畳み込み符号の符号化率が3/4のときに、半径比R12=2.87,R13=5.20とし、畳み込み符号の符号化率が5/6のときに、半径比R12=2.91,R13=5.11とする。
【0054】
このように、マッピング部20は、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置のマッピングルールを用いて、入力した信号系列に対してマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルを生成する。
【0055】
また、マッピング部20は、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置のマッピングルールを用いて、入力した信号系列に対してマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルを生成する。
【0056】
ここで、図10に示した変調方式が16APSKの場合の各符号化率の半径比R12は、次の算出手法により得られる。まず、データのみの信号系列に対し、前述の非特許文献1(第92頁左欄「A.Conventional constellation」)に記載されたR12=r2/r1=2.7(半径比R’12=2.70とする。)を用いて、復調側の誤り訂正符号復号後の誤り率(BER:Bit Error Rate:ビットエラーレート)が1×10-4となるキャリア対雑音比(CNR:Career to Noise Ratio)を算出する。そして、このCNRにおいて、半径比r2/r1を様々に変更させたときの、各半径比r2/r1に対するBERを算出する。
【0057】
尚、前述の非特許文献1に記載された半径比R’12=2.70は、変調方式が16APSKの場合に、誤り訂正が行われず雑音もないときの、最小ユークリッド距離が最大となる信号点配置の最適値である。
【0058】
図11は、変調方式が16APSKの場合における各符号化率の半径比r2/r1及びBERの関係を示す図である。図11(1)は符号化率1/2、図11(2)は符号化率2/3、図11(3)は符号化率3/4、図11(4)は符号化率5/6の場合をそれぞれ示している。横軸は半径比r2/r1を示し、縦軸はBERを示す。
【0059】
各符号化率の半径比R12の算出手法において、半径比R’12=2.70を用いて算出したCNRを一定として、半径比r2/r1を様々に変更しながら、各半径比r2/r1に対するBERを算出することで、図11(1)~(4)に示す特性が得られる。
【0060】
そして、図11(1)~(4)に示す特性において、BERが最小となる半径比r2/r1を特定し、当該半径比r2/r1を信号点配置の半径比R12とする。
【0061】
例えば、図11(1)に示す符号化率1/2の場合に、従来の半径比R’12=2.70のときのCNR=9.4dBが算出され、横軸に示す半径比r2/r1のうちBERが最小となる提案半径比2.86が特定され、半径比R12=2.86が得られる。
【0062】
同様に、図11(2)に示す符号化率2/3の場合、CNR=11.8dBが算出され、半径比R12=3.15が得られ、図11(3)に示す符号化率3/4の場合、CNR=13.2dBが算出され、半径比R12=2.88が得られる。また、図11(4)に示す符号化率5/6の場合に、CNR=14.8dBが算出され、半径比R12=2.93が得られる。
【0063】
これにより、図11(1)~(4)に示した16APSKの各符号化率において、特性の最下点である半径比R12を反映した信号点配置のマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0064】
図12は、変調方式が32APSKの場合における半径比R12,R13の算出手法を説明する図である。図10に示した変調方式が32APSKの場合の各符号化率の半径比R12,R13は、図12に示す算出手法により得られる。
【0065】
ここで、半径比R’12=2.70及び半径比R’13=4.10は、変調方式が32APSKの場合に、誤り訂正が行われず雑音もないときの、最小ユークリッド距離が最大となる信号点配置の最適値である(非特許文献1(第92頁左欄「A.Conventional constellation」)に記載されたR12=r2/r1=2.7,R13=r3/r1=4.2を参照)。尚、非特許文献1に記載されたR13=4.2は誤記であり、正しくは4.1である(半径比R’13=4.10)。
【0066】
データのみの信号系列に対し、半径比R’12=2.70及び半径比R’13=4.10を用いて、BERが1×10-4となるCNRを算出しておく。算出されたCNRをCNR_32とする。
【0067】
まず、変調方式が16APSKの場合の前述した算出手法において、データのみの信号系列に対して半径比R12=r2/r1を算出する(ステップS1201)。
【0068】
次に、ステップS1201にて得られた16APSKの半径比R12=r2/r1の値を固定して、32APSKの半径比R13=r3/r1を算出する(ステップS1202)。具体的には、データのみの信号系列に対し、ステップS1201にて得られた半径比R12=r2/r1の値と、前述のCNR_32とを用いて、半径比r3/r1を様々に変更しながら(ステップS1202のγ1を参照)、各半径比r3/r1に対するBERを算出し、BERが最小となる半径比r3/r1を信号点配置の半径比R13とする。
【0069】
次に、ステップS1202にて得られた32APSKの半径比R13=r3/r1の値を固定して、32APSKの半径比R12=r2/r1を改めて算出する(ステップS1203)。具体的には、データのみの信号系列に対し、ステップS1202にて得られた半径比R13=r3/r1の値と、前述のCNR_32とを用いて、半径比r2/r1を様々に変更しながら(ステップS1203のγ2を参照)、各半径比r2/r1に対するBERを算出し、BERが最小となる半径比r2/r1を信号配置点の半径比R12とする。
【0070】
さらに、ステップS1203にて得られた32APSKの半径比R12=r2/r1の値を固定して、32APSKの半径比R13=r3/r1を改めて算出する(ステップS1204)。具体的には、データのみの信号系列に対し、ステップS1203にて得られた半径比R12=r2/r1の値と、前述のCNR_32とを用いて、半径比r3/r1を様々に変更しながら(ステップS1204のγ1を参照)、各半径比r3/r1に対するBERを算出し、BERが最小となる半径比r3/r1を信号配置点の半径比R13とする。
【0071】
このように、ステップS1204,S1203にて算出された半径比R12,R13が、マッピングルールとして用いられる。ここで、ステップS1204(ステップS1203にて得られた半径比R12を用いる処理)及びS1203を繰り返すことにより、半径比R12,R13が収束して精度は高くなるが、ステップS1202,S1203,S1204の3回の処理により、マッピングルールとして使用するのに十分な精度の半径比R12,R13を得ることができる。そして、32APSKの各符号化率において、図12のステップS1204,S1203にて得られた半径比R12,R13を反映したマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0072】
図1に戻って、UW生成部21は、パイロット信号となるUWを生成し、UWをSCブロック構成部22に出力する。UWは、当該送信装置1と後述する図14に示す受信装置2との間において、既知の固定パターンであり、時間領域及び周波数領域にて振幅が一定かつ周期的自己相関特性に優れたCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列、例えばZadoff-Chu系列を用いることができる。
【0073】
SCブロック構成部22は、マッピング部20からマッピングされたデータシンボルを入力すると共に、UW生成部21からUWを入力する。そして、SCブロック構成部22は、データシンボルにUWを挿入することで、後述する図13に示すSC-FDEブロックシンボル系列を構成し、SC-FDEブロックシンボル系列を帯域制限フィルタ部23に出力する。
【0074】
図13は、SC-FDEブロックシンボル系列の構成例を示す図である。横軸は時間を示す。このSC-FDEブロックシンボル系列における1ブロックの送信シンボルであるSC-FDEブロックは、前方のUW(256シンボル)、データシンボル(DATA,1792シンボル)及び後方のUW(256シンボル)により構成される。UWは、連続した2個を単位として、データシンボルの前後に挿入されている。
【0075】
SC-FDEブロックシンボルの長さは2304シンボル(=256+1792+256)である。データシンボル及び後方のUWが等化対象のシンボルであり、等化対象のシンボルの長さは2048シンボル(=1792+256)である。
【0076】
図1に戻って、帯域制限フィルタ部23は、SCブロック構成部22からSC-FDEブロックシンボル系列を入力し、SC-FDEブロックシンボル系列に対し2倍アップサンプリングを行い、帯域制限フィルタによる波形整形を行う。そして、帯域制限フィルタ部23は、波形整形後のSC-FDEブロックシンボル系列を直交変調部24に出力する。帯域制限フィルタとしては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
【0077】
直交変調部24は、帯域制限フィルタ部23から波形整形後のSC-FDEブロックシンボル系列を入力し、当該SC-FDEブロックシンボル系列に対し直交変調を行い、アパーチャ補正を行う。そして、直交変調部24は、直交変調及びアパーチャ補正後のデジタル信号をDA変換部25に出力する。アパーチャ補正は、後段のDA変換部25のデジタル/アナログ変換によるアパーチャ効果を補正するための処理である。
【0078】
DA変換部25は、直交変調部24から直交変調及びアパーチャ補正後のデジタル信号を入力し、当該デジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号を周波数変換部26に出力する。
【0079】
周波数変換部26は、DA変換部25からアナログ信号を入力し、アナログ信号の周波数を無線周波数に変換し、無線周波数の変調信号を電力増幅部27に出力する。
【0080】
電力増幅部27は、周波数変換部26から無線周波数の変調信号を入力し、無線周波数の変調信号の電力が所定値となるように、当該変調信号を増幅する。電力増幅部27により増幅された変調信号は、変調波の無線信号として、送信アンテナ28を介して送信される。
【0081】
以上のように、本発明の実施形態の送信装置1によれば、RS符号化部14は、DVB-ASI入力I/F部11、フレーム同期部12及びエネルギー拡散部13の処理により送信対象の信号であるDVB-ASI信号から生成されたフレームに対し、外符号として短縮化RS(204,188)符号を用いて符号化を行う。
【0082】
畳み込み符号化部16は、バイトインタリーブ部15の処理により符号化後のフレームから生成されたバイトインタリーブ後のバイト系列に対し、内符号として所定の符号化率(符号化率は1/2,2/3,3/4,5/6のいずれか)の畳み込み符号を用いて符号化を行う。
【0083】
マッピング部20は、遅延補正部17、ビットインタリーブ部18及び時間インタリーブ部19の処理により符号化後のバイト系列から生成された信号系列に対し、予め設定されたマッピングルールにてマッピングを行う。
【0084】
そして、UW生成部21、SCブロック構成部22、帯域制限フィルタ部23、直交変調部24、DA変換部25、周波数変換部26及び電力増幅部27の処理により、マッピング後のデータシンボルから変調信号が生成され、変調波の無線信号が、送信アンテナ28を介して送信される。
【0085】
ここで、マッピング部20にて用いるマッピングルールは、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置によるものである。また、マッピングルールは、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置によるものである。
【0086】
変調方式が16APSKの場合、マッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R12は、まず、データのみの信号系列に対し、前述の非特許文献1に記載された基準となる半径比R’12=2.70を用いて、BERが1×10-4となるCNRを算出し、次に、このCNRにおいて、半径比r2/r1を様々に変更させたときのBERを算出し、そして、BERが最小となる半径比r2/r1を特定することにより得られたものである(BERが最小となる半径比r2/r1を半径比R12としたものである)。このようにして、変調方式が16APSKの場合のマッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R12が得られる。
【0087】
また、変調方式が32APSKの場合、まず、データのみの信号系列に対し、変調方式が16APSKのときに得られた半径比R12と、半径比R’12=2.70及び半径比R’13=4.10においてBERが1×10-4となるCNR_32とを用いて、半径比r3/r1を様々に変更させたときのBERを算出し、BERが最小となる半径比r3/r1を特定することにより仮の半径比R13が得られる(BERが最小となる半径比r3/r1を仮の半径比R13とする)。
【0088】
そして、変調方式が32APSKの場合におけるマッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R12は、データのみの信号系列に対し、得られた仮の半径比R13と、CNR_32とを用いて、半径比r2/r1を様々に変更させたときのBERを算出し、BERが最小となる半径比r2/r1を特定することにより得られたものである(BERが最小となる半径比r2/r1を半径比R12としたものである)。
【0089】
また、変調方式が32APSKの場合におけるマッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R13は、データのみの信号系列に対し、変調方式が32APSKのときに得られた半径比R12と、CNR_32とを用いて、半径比r3/r1を様々に変更させたときのBERを算出し、BERが最小となる半径比r3/r1を特定することにより得られたものである(BERが最小となる半径比r3/r1を半径比R13としたものである)。このようにして、変調方式が32APSKの場合のマッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R12,R13が得られる。
【0090】
前述の非特許文献1に記載された基準となる半径比R’12=2.70,R’13=4.10(前述のとおり、非特許文献1において、R13=4.2は誤記であり、正しくは4.1である。)は、変調方式が32APSKの場合に、誤り訂正が行われず雑音もないときの、最小ユークリッド距離が最大となる信号点配置の最適値である。しかし、誤り訂正が行われる場合には、特定の雑音及び伝搬路によって最適な半径比R12,R13は変動する。
【0091】
そこで、外符号にて復号が可能なBERの1×10-4を所要BERとして、そのときのCNRを基準とし、BERが最小となる半径比R12,R13を算出するようにした。所要CNRは、基準としたCNRよりも良くなるため、伝送性能を改善することができる。
【0092】
したがって、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、当該送信装置1の構成を大幅に変更することなく、すなわち新たな信号処理を追加することなく、伝送性能を改善することができる。
【0093】
〔受信装置〕
次に、本発明の実施形態による受信装置について説明する。この例は、誤り訂正符号の内符号に畳み込み符号を用い、外符号にRS符号を用いたものである。図14は、本発明の実施形態による受信装置の概略構成例を示すブロック図である。この受信装置2は、SC-FDE方式の無線伝送システムにおいて、周波数領域でMMSE基準によるチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式を用いた装置であり、データ部分の変調方式が16APSKまたは32APSKの場合に、図8図10に示した信号点配置によるマッピングルール(送信装置1にて使用したマッピングルールと同じもの)を使用する。
【0094】
この受信装置2は、受信アンテナ31、周波数変換部32、AD(アナログ/デジタル)変換部33、直交復調部34、帯域制限フィルタ部35、ブロック同期部36,37、フーリエ変換部38、チャネル推定部39、S/N測定部40、周波数領域等化部41、逆フーリエ変換部42、シンボル判定部43、時間デインタリーブ部44、ビットデインタリーブ部45、ビタビ復号部46、バイトデインタリーブ部47、RS復号部48、エネルギー逆拡散部49、フレーム同期部50及びDVB-ASI出力I/F部51を備えている。
【0095】
尚、ここでは受信ブランチ数を1とするが、2以上としてもよい。受信ブランチ数が2以上の場合、ダイバーシチ合成が可能であるものとする。
【0096】
受信装置2は、図1に示した送信装置1から送信された変調波の無線信号を、受信アンテナ31を介して受信する。周波数変換部32は、受信アンテナ31を介して受信した変調波の無線信号の無線周波数を、中間周波数に変換し、中間周波数の信号をAD変換部33に出力する。
【0097】
AD変換部33は、周波数変換部32から中間周波数の信号を入力し、中間周波数の信号のアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を直交復調部34に出力する。
【0098】
直交復調部34は、AD変換部33からデジタル信号を入力し、デジタル信号に対し自動周波数制御を行い、周波数ずれを補正しながら、直交復調した複素ベースバンド信号を生成する。そして、直交復調部34は、周波数補正後の複素ベースバンド信号を帯域制限フィルタ部35に出力する。
【0099】
帯域制限フィルタ部35は、直交復調部34から周波数補正後の複素ベースバンド信号を入力し、当該複素ベースバンド信号に対し、フィルタ処理による帯域制限を行い、帯域制限した複素ベースバンド信号をブロック同期部36に出力する。帯域制限フィルタとしては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
【0100】
ブロック同期部36は、帯域制限フィルタ部35から帯域制限した複素ベースバンド信号を入力する。そして、ブロック同期部36は、当該複素ベースバンド信号に対し、UWの部分のIQ信号に基づいて自己相関による相関ピーク位置を判断し、SC-FDEブロックの同期タイミングを検出する。ブロック同期部36は、SC-FDEブロックの同期タイミングが検出されたSC-FDEブロックをブロック同期部37に出力する。
【0101】
ブロック同期部37は、ブロック同期部36からSC-FDEブロックの同期タイミングが検出されたSC-FDEブロックを入力する。そして、ブロック同期部37は、当該SC-FDEブロックの開始位置前後の複素ベースバンド信号と既知のUWとの間の相互相関により、精密なSC-FDEブロックの開始位置(同期タイミング)を検出する。ブロック同期部37は、精密なSC-FDEブロックの開始位置が検出されたSC-FDEブロックをフーリエ変換部38、チャネル推定部39及びS/N測定部40に出力する。
【0102】
フーリエ変換部38は、ブロック同期部37から精密なSC-FDEブロックの開始位置が検出されたSC-FDEブロックを入力する。そして、フーリエ変換部38は、当該SC-FDEブロックのうち2倍オーバーサンプリングされているペイロード部(図13に示したデータ及び後方のUWからなる等化対象の部分)を高速フーリエ変換(FFT)する。フーリエ変換部38は、データ及びUWの部分に関する周波数領域の信号を周波数領域等化部41に出力する。
【0103】
チャネル推定部39は、ブロック同期部37から精密なSC-FDEブロックの開始位置が検出されたSC-FDEブロックを入力する。そして、チャネル推定部39は、当該SC-FDEブロックのうち2倍オーバーサンプリングされているUWの部分を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果を参照信号(既知のUWが高速フーリエ変換された信号)で除算することでチャネル推定する。チャネル推定部39は、チャネル推定により得られた伝搬路情報を周波数領域等化部41に出力する。
【0104】
S/N測定部40は、ブロック同期部37から精密なSC-FDEブロックの開始位置が検出されたSC-FDEブロックを入力する。そして、S/N測定部40は、当該SC-FDEブロックのうち連続するUWの部分を抽出し、UWが連続することを利用して、UWからS/Nを測定し、S/Nを周波数領域等化部41に出力する。
【0105】
周波数領域等化部41は、フーリエ変換部38からデータ及びUWの部分に関する周波数領域の信号、チャネル推定部39から伝搬路情報、S/N測定部40からS/N(データシンボルのS/N)をそれぞれ入力する。
【0106】
周波数領域等化部41は、データ及びUWの部分に関する周波数領域の信号、伝搬路情報、及びS/Nを用いて、周波数領域でMMSE基準によるチャネル等化を行う。そして、周波数領域等化部41は、チャネル等化後のデータ及びUWの部分に関する周波数領域の信号を逆フーリエ変換部42に出力する。
【0107】
逆フーリエ変換部42は、周波数領域等化部41からチャネル等化後のデータ及びUWの部分に関する周波数領域の信号を入力し、当該周波数領域の信号を逆高速フーリエ変換(IFFT)する。そして、逆フーリエ変換部42は、データ及びUWの部分に関する時間領域の信号をシンボル判定部43に出力する。
【0108】
シンボル判定部43は、逆フーリエ変換部42からデータ及びUWの部分に関する時間領域の信号を入力し、当該時間領域の信号からデータの部分に関する時間領域の信号を抽出する。
【0109】
シンボル判定部43は、データの部分に関する時間領域の信号に対し、予め設定されたマッピングルール(送信装置1にて使用したマッピングルールと同じもの)にてデマッピングを行い、ビット尤度を計算することで、シンボル判定を行う。そして、シンボル判定部43は、符号化ビット系列に対応したビット尤度系列を生成し、ビット尤度系列を時間デインタリーブ部44に出力する。
【0110】
具体的には、シンボル判定部43は、変調方式が16APSKの場合、図8及び図10に示した信号点配置による符号化率に応じたマッピングルールを使用して、データの部分に関する時間領域の信号とマッピングルールにおける信号点配置の信号とを比較し、信号間の距離に基づいて、ビット尤度を算出する。
【0111】
また、シンボル判定部43は、変調方式が32APSKの場合、図9及び図10に示した信号点配置による符号化率に応じたマッピングルールを使用して、データの部分に関する時間領域の信号とマッピングルールにおける信号点配置の信号とを比較し、信号間の距離に基づいて、ビット尤度を算出する。
【0112】
時間デインタリーブ部44は、シンボル判定部43からビット尤度系列を入力し、ビット尤度系列に対し、図1に示した時間インタリーブ部19と対になる時間デインタリーブを行う。そして、時間デインタリーブ部44は、時間デインタリーブ後のビット尤度系列をビットデインタリーブ部45に出力する。
【0113】
ビットデインタリーブ部45は、時間デインタリーブ部44から時間デインタリーブ後のビット尤度系列を入力し、当該ビット尤度系列に対し、図1に示したビットインタリーブ部18と対になるビットデインタリーブを行う。そして、ビットデインタリーブ部45は、ビットデインタリーブ後のビット尤度系列をビタビ復号部46に出力する。
【0114】
ビタビ復号部46は、ビットデインタリーブ部45からビットデインタリーブ後のビット尤度系列を入力し、ビット尤度を用いて軟判定ビタビ復号を行い、ビット系列を生成する。そして、ビタビ復号部46は、ビット系列をバイトデインタリーブ部47に出力する。
【0115】
バイトデインタリーブ部47は、ビタビ復号部46からビット系列を入力し、ビット系列に対し、図1に示したバイトインタリーブ部15と対になるバイトデインタリーブを行い、バイトデインタリーブ後のバイト系列をRS復号部48に出力する。
【0116】
RS復号部48は、バイトデインタリーブ部47からバイトデインタリーブ後のバイト系列を入力し、当該バイト系列に対してRS復号を行い、RS復号後の信号系列をエネルギー逆拡散部49に出力する。
【0117】
エネルギー逆拡散部49は、RS復号部48からRS復号後の信号系列を入力し、当該信号系列に対し、図1に示したエネルギー拡散部13と対になるエネルギー逆拡散を行い、エネルギー逆拡散後の信号系列をフレーム同期部50に出力する。
【0118】
フレーム同期部50は、エネルギー逆拡散部49からエネルギー逆拡散後の信号系列を入力し、当該信号系列に対し、図1に示したフレーム同期部12と対になるフレーム同期を行う。そして、フレーム同期部50は、フレームの先頭バイトの0xB8をTS同期バイト(0x47)に差し替えることで元に戻し、8パケット単位のフレームから8個のTSパケットを再構成し、TS信号をDVB-ASI出力I/F部51に出力する。
【0119】
尚、図1に示したDVB-ASI入力I/F部11により、ヌルパケットを挿入する処理が行われた場合、フレーム同期部50は、TS信号からヌルパケットを削除して出力する。
【0120】
DVB-ASI出力I/F部51は、フレーム同期部50からTS信号を入力し、TS信号に対し、図1に示したDVB-ASI入力I/F部11と対になる処理を行う。DVB-ASI出力I/F部51は、TS信号をDVB-ASI信号に変換し、DVB-ASI信号を出力する。
【0121】
以上のように、本発明の実施形態の受信装置2によれば、送信装置1から送信された変調波の無線信号を受信し、シンボル判定部43は、周波数変換部32、AD変換部33、直交復調部34、帯域制限フィルタ部35、ブロック同期部36,37、フーリエ変換部38、チャネル推定部39、S/N測定部40、周波数領域等化部41及び逆フーリエ変換部42の処理により、受信信号から生成されたデータ及びUWの部分に関する時間領域の信号のうちデータの部分に関する時間領域の信号に対し、予め設定されたマッピングルールにてデマッピングを行い、ビット尤度を計算することで、シンボル判定を行う。
【0122】
そして、時間デインタリーブ部44、ビットデインタリーブ部45、ビタビ復号部46、バイトデインタリーブ部47、RS復号部48、エネルギー逆拡散部49、フレーム同期部50及びDVB-ASI出力I/F部51の処理により、ビット尤度系列からDVB-ASI信号が生成され出力される。
【0123】
ここで、シンボル判定部43にて用いるマッピングルールは、図1に示した送信装置1が使用するものと同じである。つまり、マッピングルールは、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置によるものである。また、マッピングルールは、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図10に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置によるものである。
【0124】
これにより、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、当該受信装置2の構成を大幅に変更することなく、すなわち新たな信号処理を追加することなく、伝送性能を改善することができる。
【0125】
〔送信装置/他の実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態による送信装置について説明する。この例は、誤り訂正符号の内符号にLDPC符号を用い、外符号にBCH符号を用いたものである。図15は、本発明の他の実施形態による送信装置の概略構成例を示すブロック図である。この送信装置3は、SC-FDE方式の無線伝送システムにおいて、周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式を用いた装置であり、データ部分の変調方式が16APSKまたは32APSKの場合に、前述の図8及び図9並びに後述する図19に示す半径比の信号点配置によるマッピングルールを使用する。
【0126】
この送信装置3は、DVB-ASI入力I/F部61、FEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)ブロック構成部62、BCH符号化部63、エネルギー拡散部64、LDPC符号化部65、時間インタリーブ部66、マッピング部67、UW生成部68、SCブロック構成部69、帯域制限フィルタ部70、直交変調部71、DA変換部72、周波数変換部73、電力増幅部74及び送信アンテナ75を備えている。
【0127】
DVB-ASI入力I/F部61は、送信対象の信号であるDVB-ASI信号を入力する。そして、DVB-ASI入力I/F部61は、図1に示したDVB-ASI入力I/F部11と同様に、DVB-ASI信号からTSパケット単位の204バイトまたは188バイトのTS信号を抽出し、TSパケット単位のTS信号をFECブロック構成部62に出力する。
【0128】
尚、DVB-ASI入力I/F部61は、TS信号のレートが伝送容量よりも小さい場合、ヌルパケットを挿入する等、適切なバッファ処理を行う。
【0129】
FECブロック構成部62は、DVB-ASI入力I/F部61からTS信号を入力する。そして、FECブロック構成部62は、後段のLDPC符号化部65にて使用するLDPC符号化率に対応するサイズの領域であって、ブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ、スタッフビット及びLDPC符号パリティからなるFECブロックの各領域を確保する。
【0130】
図16は、FECブロック構成例を示す図である。ブロックヘッダのビット数であるブロックヘッダビット数をH、主信号のビット数である主信号ビット数をD、BCH符号パリティのビット数であるBCHパリティビット数をpbchとする。また、スタッフビットのビット数であるスタッフビット数をS、LDPC符号パリティのビット数であるLDPCパリティビット数をpldpcとする。
【0131】
また、ブロックヘッダビット数Hに主信号ビット数Dを加算したサイズ(ビット数)をkbch、kbchにBCHパリティビット数pbchを加算したサイズをnbch、nbchにスタッフビット数Sを加算したサイズをkldpcとする。また、kldpcにLDPCパリティビット数pldpcを加算したサイズであるLDPC符号化後ビット数をnldpcとする。
【0132】
このFECブロックは、ブロックヘッダビット数Hのブロックヘッダ、主信号ビット数Dの主信号、BCHパリティビット数pbchのBCH符号パリティ、スタッフビット数Sのスタッフビット、及びLDPCパリティビット数pldpcのLDPC符号パリティから構成される。ブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ及びスタッフビットは、後段のエネルギー拡散部64により電力(エネルギー)拡散される範囲である。
【0133】
図17は、近似LDPC符号化率、LDPC符号化率、ブロックヘッダビット数H、主信号ビット数D等を示す図である。より詳細には、近似LDPC符号化率及びLDPC符号化率に対応する各領域のビット割り当て、すなわちブロックヘッダビット数H、主信号ビット数D、BCHパリティビット数pbch、スタッフビット数S及びLDPCパリティビット数pldpcを示しており、さらに、LDPC符号化後ビット数nldpc及びTSパケット格納数を示している。
【0134】
近似LDPC符号化率はLDPC符号化率の近似値を示し、後段のLDPC符号化部65にて実際に使用される値は、LDPC符号化率61/120,81/120,89/120,101/120のいずれかである。これらのLDPC符号化率は、それぞれ近似LDPC符号化率1/2,2/3,3/4,5/6に対応する。TSパケット格納数は、1ブロックに格納されるTSパケットの数、すなわちFECブロックの主信号の領域に格納されるTSパケットの数を示す。
【0135】
図17において、例えば近似LDPC符号化率が1/2の場合、すなわちLDPC符号化率が61/120の場合、ブロックヘッダビット数Hは176、主信号ビット数Dは22440、BCHパリティビット数pbchは192、スタッフビット数Sは6、LDPCパリティビット数pldpcは22066、LDPC符号化後ビット数nldpcは44880、TSパケット格納数は15である。同様に、近似LDPC符号化率が2/3等の場合、すなわちLDPC符号化率が81/120等の場合、図17に示す値が用いられる。これらの値は予め設定される。以下、説明の便宜上、近似LDPC符号化率をLDPC符号化率として説明する。
【0136】
尚、LDPC符号化率については、以下の文献を参照されたい。
[非特許文献2] ARIB STD-B71
【0137】
図15に戻って、FECブロック構成部62は、FECブロックのLDPC符号化率に対応する各領域(図17に示したサイズの領域)を確保した後、ブロックヘッダの領域(ブロックヘッダビット数H=176の領域)について、予め設定された任意のビットのデータ(未使用時は全てのビットを‘1’としたデータ)を、当該領域に格納する。
【0138】
FECブロック構成部62は、入力したTS信号に含まれるそれぞれのTSパケットから、同期バイト0x47を取り除く。そして、FECブロック構成部62は、主信号の領域(LDPC符号化率に対応するTSパケット格納数のビット数(主信号ビット数D)の領域)について、同期バイト0x47が取り除かれたそれぞれのTSパケットであって、前記TSパケット格納数に対応する主信号ビット数Dの信号を、当該領域に格納する。
【0139】
FECブロック構成部62は、スタッフビットの領域(スタッフビット数S=6の領域)について、全てのビットを‘1’としたデータを、当該領域に格納する。
【0140】
BCH符号パリティの領域(BCHパリティビット数pbch=192の領域)については、後段のBCH符号化部63によりBCH符号パリティが生成され、当該領域に格納される。また、LDPC符号パリティの領域(LDPC符号化率に対応するLDPCパリティビット数pldpcの領域)については、後段のLDPC符号化部65によりLDPC符号パリティが生成され、当該領域に格納される。
【0141】
FECブロック構成部62は、ブロックヘッダ、主信号及びスタッフビットについては前述のデータが格納され、BCH符号パリティ及びLDPC符号パリティについては前述の領域が確保されたFECブロックの信号系列を構成する。そして、FECブロック構成部62は、FECブロックの信号系列をBCH符号化部63に出力する。
【0142】
BCH符号化部63は、FECブロック構成部62からFECブロックの信号系列を入力する。そして、BCH符号化部63は、当該信号系列に対し、誤り訂正能力t=12のBCH(65535,65343)の短縮符号を用いて、前述の非特許文献2に準拠したBCH符号化を行うことで、BCH符号パリティを生成する。
【0143】
BCH符号化部63は、BCH符号パリティを、FECブロックに含まれるBCH符号パリティの領域に格納し、BCH符号パリティが格納されたFECブロックの信号系列をエネルギー拡散部64に出力する。尚、BCH符号化処理の詳細については、前述の非特許文献2を参照されたい。
【0144】
エネルギー拡散部64は、BCH符号化部63からBCH符号パリティが格納されたFECブロックの信号系列を入力する。そして、エネルギー拡散部64は、FECブロックの信号系列のうちブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ及びスタッフビットに対してエネルギー拡散の処理を行い、LDPC符号パリティの領域に対してはエネルギー拡散の処理を行わない。エネルギー拡散の周期は1FECブロックとする。
【0145】
エネルギー拡散部64は、エネルギー拡散後のブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ及びスタッフビット、並びにエネルギー拡散されていないLDPC符号パリティ(の領域のデータ)からなる信号系列を、エネルギー拡散後の信号系列としてLDPC符号化部65に出力する。
【0146】
図18は、エネルギー拡散部64の構成及び処理例を説明する図である。エネルギー拡散部64は、疑似ランダムビット系列生成部、加算制御スイッチ及び排他的論理和演算部を備えている。疑似ランダムビット系列生成部は、25次の生成多項式(X25+X22+1)により疑似ランダムビット系列を生成する。
【0147】
加算制御スイッチは、オンの状態のときに、疑似ランダムビット系列生成部により生成された疑似ランダムビット系列を排他的論理和演算部に出力し、オフの状態のときに、‘0’のビットを排他的論理和演算部に出力する。
【0148】
排他的論理和演算部は、加算スイッチから疑似ランダムビット系列または‘0’のビットを入力する。また、排他的論理和演算部は、BCH符号化部63から入力したFECブロックの信号系列のうち、エネルギー拡散対象のデータ信号(ブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ及びスタッフビット)を入力する。
【0149】
排他的論理和演算部は、これらに対して排他的論理和の演算を行う。排他的論理和の演算が行われた信号系列は、エネルギー拡散されたデータ信号(エネルギー拡散後のブロックヘッダ、主信号、BCH符号パリティ及びスタッフビット)として出力される。
【0150】
このエネルギー拡散されたデータ信号は、BCH符号化部63から入力したFECブロックの信号系列のうちのエネルギー拡散されないLDPC符号パリティ(の領域のデータ)と共に、エネルギー拡散後の信号系列としてLDPC符号化部65に出力される。
【0151】
図15に戻って、LDPC符号化部65は、エネルギー拡散部64からエネルギー拡散後の信号系列を入力する。そして、LDPC符号化部65は、当該信号系列に対し、誤り訂正符号の内符号として所定の符号化率のLDPC符号を用いて、前述の非特許文献2に準拠したLDPC符号化を行うことで、LDPC符号パリティを生成する。LDPC符号化部65は、LDPC符号パリティを、信号系列に含まれるLDPC符号パリティの領域に格納する。
【0152】
LDPC符号化部65は、LDPC符号パリティが格納された信号系列を時間インタリーブ部66に出力する。尚、LDPC符号化処理の詳細については、前述の非特許文献2を参照されたい。
【0153】
時間インタリーブ部66は、LDPC符号化部65からLDPC符号パリティが格納された信号系列を入力し、図1に示した時間インタリーブ部19と同様に、当該信号系列に対し、時間インタリーブを行い、時間インタリーブ後の信号系列をマッピング部67に出力する。この場合、時間インタリーブ部66は、図7に示した時間インタリーブ部19の回路構成の下で、畳み込みインタリーブによってシンボルを時間軸上で分散させる。
【0154】
マッピング部67は、時間インタリーブ部66から時間インタリーブ後の信号系列を入力し、当該信号系列に対し、予め設定されたマッピングルールにてマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルをSCブロック構成部69に出力する。
【0155】
図19は、本発明の他の実施形態において、変調方式が16APSK,32APSKの場合における各符号化率の半径比を示す図であり、内符号にLDPC符号を用い、外符号にBCH符号を用いた場合を示している。
【0156】
変調方式が16APSKの場合の信号点配置は、図8に示したとおりであり、変調方式が32APSKの場合の信号点配置は、図9に示したとおりである。前述のとおり、変調方式が16APSKの場合、図8に示した同心円α1の半径r1及び同心円α2の半径r2を用いて、半径比R12=r2/r1とする。また、変調方式が32APSKの場合、図9に示した同心円β1の半径r1、同心円β2の半径r2及び同心円β3の半径r3を用いて、半径比R12=r2/r1,R13=r3/r1とする。
【0157】
図19に示すように、変調方式が16APSKの場合、信号点配置は、LDPC符号化部65にて用いるLDPC符号の符号化率が1/2のときに、半径比R12=3.38とし、LDPC符号の符号化率が2/3のときに、半径比R12=3.36とする。また、信号点配置は、LDPC符号の符号化率が3/4のときに、半径比R12=3.06とし、LDPC符号の符号化率が5/6のときに、半径比R12=2.82とする。
【0158】
変調方式が32APSKの場合、信号点配置は、LDPC符号化部65にて用いるLDPC符号の符号化率が1/2のときに、半径比R12=3.24,R13=7.00とし、LDPC符号の符号化率が2/3のときに、半径比R12=3.35,R13=6.64とする。また、信号点配置は、LDPC符号の符号化率が3/4のときに、半径比R12=3.07,R13=5.87とし、LDPC符号の符号化率が5/6のときに、半径比R12=2.81,R13=5.05とする。
【0159】
このように、マッピング部67は、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置のマッピングルールを用いて、入力した信号系列に対してマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルを生成する。
【0160】
また、マッピング部67は、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置のマッピングルールを用いて、入力した信号系列に対してマッピングを行い、マッピングされたデータシンボルを生成する。
【0161】
ここで、図19に示した変調方式が16APSKの場合の各符号化率の半径比R12は、次の算出手法により得られる。まず、LDPC符号の符号化率を固定にして、CNRの値を変化させながら、CNR毎に、半径比r2/r1を様々に変更させたときの、各半径比r2/r1に対するBERを算出することで、半径比r2/r1及びBERの特性を求める。そして、CNR毎の半径比r2/r1及びBERの特性において、最も低いBERがおおよそ1×10-5となる半径比r2/r1を、固定にした符号化率に対応する半径比R12として探索する。
【0162】
尚、本来であれば、BCH符号復号後にエラーフリーとなるためには、LDPC符号復号後のBERが1×10-7以下となる必要があるが、内符号であるLDPC符号の誤り訂正能力は、CNRに対するBERの改善量が急激に変化する。そこで、シミュレーションの簡単化のため、BERカーブにおいてほぼ傾きが等しいBERが1×10-5を基準としている。
【0163】
また、CNRについては、半径比R12を探索する際に、LDPC符号復号後のBERがエラーフリーとなりBERの最小点が探索できない場合は、CNRの値を0.05dB小さくしながら処理を進めた。
【0164】
図20は、本発明の他の実施形態において、変調方式が16APSKの場合における各符号化率の半径比r2/r1及びBERの関係を示す図である。図20(1)は符号化率1/2、図20(2)は符号化率2/3、図20(3)は符号化率3/4、図20(4)は符号化率5/6の場合をそれぞれ示している。横軸は半径比r2/r1を示し、縦軸はBERを示す。
【0165】
各符号化率の半径比R12の算出手法において、CNRの値を変化させながら、各CNRにつき、半径比r2/r1を様々に変更したときの各半径比r2/r1に対するBERを算出する。
【0166】
これにより、符号化率1/2の場合の各CNRにつき、CNR=6.35dBのときの図20(1)の特性を含むCNR毎の半径比r2/r1及びBERの特性が得られる。また、符号化率2/3の場合の各CNRにつき、CNR=9.00dBのときの図20(2)の特性を含むCNR毎の半径比r2/r1及びBERの特性が得られる。同様に、符号化率3/4の場合に、CNR=10.00dBのときの図20(3)の特性を含むCNR毎の特性が得られ、符号化率5/6の場合に、CNR=11.75dBのときの図20(4)の特性を含むCNR毎の特性が得られる。
【0167】
そして、各符号化率につき、CNR毎の半径比r2/r1及びBERの特性において、最も低いBERがおおよそ1×10-5となる半径比r2/r1を、当該符号化率に対応する半径比R12として探索する。図20(1)~(4)に示す提案半径比が最下点であり、最もBERが低くなる。つまり、図20(1)~(4)に示す提案半径比が、最も低いBERがおおよそ1×10-5となる半径比r2/r1=R12として得られる。
【0168】
例えば符号化率1/2の場合、図20(1)に示すように、CNR=6.35dBのときの従来半径比2.70に対し、提案半径比3.38が最下点であり、最もBERが低い半径比r2/r1=R12=3.38が得られる。また、符号化率2/3の場合、図20(2)に示すように、CNR=9.00dBのときの従来半径比2.70に対し、提案半径比3.36が最下点であり、最もBERが低い半径比r2/r1=R12=3.36が得られる。
【0169】
また、符号化率3/4の場合、図20(3)に示すように、CNR=10.00dBのときの従来半径比2.70に対し、提案半径比3.06が最下点であり、最もBERが低い半径比r2/r1=R12=3.06が得られる。また、符号化率5/6の場合、図20(4)に示すように、CNR=11.75dBのときの従来半径比2.70に対し、提案半径比2.82が最下点であり、最もBERが低い半径比r2/r1=R12=2.82が得られる。
【0170】
これにより、16APSKの符号化率1/2,2/3,3/4,5/6のそれぞれについて、半径比r2/r1に対するBERの特性の最下点である半径比R12を反映した信号点配置のマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0171】
また、図19に示した変調方式が32APSKの場合の各符号化率の半径比R12,R13は、次の算出手法により得られる。まず、LDPC符号の符号化率を固定にして、変調方式が16APSKの場合の前述した算出手法において、半径比R12を探索する(ステップS1)。
【0172】
そして、ステップS1における16APSKの場合に探索した半径比R12を使用し、CNRの値を変化させながら、CNR毎に、半径比r3/r1を様々に変更させたときの、各半径比r3/r1に対するBERを算出することで、半径比r3/r1及びBERの特性を求める。そして、CNR毎の半径比r3/r1及びBERの特性において、最も低いBERがおおよそ1×10-5となる半径比r3/r1を探索する(ステップS2)。このときのCNRをCNR1とする。
【0173】
そして、ステップS2にて探索した半径比r3/r1を使用し、CNR1を固定にして、半径比r2/r1を様々に変更させたときの、各半径比r2/r1に対するBERを算出することで、半径比r2/r1及びBERの特性を求める。そして、半径比r2/r1及びBERの特性において、BERが最も低くなる半径比r2/r1を半径比R12として探索する(ステップS3)。
【0174】
そして、ステップS3にて探索した半径比R12を使用し、CNR1を固定にして、半径比r3/r1を様々に変更させたときの、各半径比r3/r1に対するBERを算出することで、半径比r3/r1及びBERの特性を求める。そして、半径比r3/r1及びBERの特性において、BERが最も低くなる半径比r3/r1を半径比R13として探索する(ステップS4)。
【0175】
尚、これらの半径比r2/r1,r3/r1については、全ての信号点の平均振幅が1となるように正規化して処理を行っている。また、ステップS3,S4において半径比R12,R13を探索中にエラーフリーとなる(LDPC符号復号後に誤りが発生しない)場合は、ステップS2に戻り、CNRの値を小さくして処理を進める。
【0176】
このように、ステップS3,S4にて探索された半径比R12,R13が、マッピングルールとして用いられる。ここで、ステップS4(ステップS3にて得られた半径比R12を用いる処理)及びS3を繰り返すことにより、半径比R12,R13が収束して精度は高くなるが、ステップS1の処理の後、ステップS2,S3,S4の3回の処理により、マッピングルールとして使用するのに十分な精度の半径比R12,R13を得ることができる。そして、32APSKの各符号化率において、前述の算出手法にて得られた半径比R12,R13を反映したマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0177】
図15に戻って、UW生成部68、SCブロック構成部69、帯域制限フィルタ部70、直交変調部71、DA変換部72、周波数変換部73及び電力増幅部74は、図1に示したUW生成部21、SCブロック構成部22、帯域制限フィルタ部23、直交変調部24、DA変換部25、周波数変換部26及び電力増幅部27と同様であるため、ここでは説明を省略する。電力増幅部74により増幅された変調信号は、変調波の無線信号として、送信アンテナ75を介して送信される。
【0178】
以上のように、本発明の他の実施形態の送信装置3によれば、BCH符号化部63は、DVB-ASI入力I/F部61及びFECブロック構成部62の処理により送信対象の信号であるDVB-ASI信号から生成された信号系列に対し、外符号として誤り訂正能力t=12のBCH(65535,65343)の短縮符号を用いて符号化を行う。
【0179】
LDPC符号化部65は、エネルギー拡散部64の処理により符号化後の信号系列から生成されたエネルギー拡散後の信号系列に対し、内符号として所定の符号化率(符号化率は1/2,2/3,3/4,5/6のいずれか)のLDPC符号を用いて符号化を行う。
【0180】
マッピング部67は、時間インタリーブ部66の処理により符号化後の信号系列から生成された時間インタリーブ後の信号系列に対し、予め設定されたマッピングルールにてマッピングを行う。
【0181】
そして、UW生成部68、SCブロック構成部69、帯域制限フィルタ部70、直交変調部71、DA変換部72、周波数変換部73及び電力増幅部74の処理により、マッピング後のデータシンボルから変調信号が生成され、変調波の無線信号が、送信アンテナ75を介して送信される。
【0182】
ここで、マッピング部67にて用いるマッピングルールは、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置によるものである。また、マッピングルールは、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置によるものである。
【0183】
変調方式が16APSKの場合、マッピングルールに含まれる各符号化率の半径比R12は、CNR毎に算出した半径比r2/r1に対するBERの特性において、最下点の半径比r2/r1である。このような信号点配置のマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0184】
また、変調方式が32APSKの場合、まず、変調方式が16APSKの場合の半径比R12を用いて、CNR毎に算出した半径比r3/r1に対するBERの特性において、最下点の半径比r3/r1を探索し、このときのCNRをCNR1とする。そして、この半径比r3/r1を用いて、CNR1のときに算出した半径比r2/r1に対するBERの特性において、最下点の半径比r2/r1を32APSKの場合の半径比R12として探索する。そして、この半径比R12を用いて、CNR1のときに算出した半径比r3/r1に対するBERの特性において、最下点の半径比r3/r1を半径比R13として探索する。このような信号点配置のマッピングルールを用いることにより、BERは最小となるため、伝送性能を改善することができる。
【0185】
したがって、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、当該送信装置3の構成を大幅に変更することなく、すなわち新たな信号処理を追加することなく、伝送性能を改善することができる。
【0186】
〔受信装置/他の実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態による受信装置について説明する。この例は、誤り訂正符号の内符号にLDPC符号を用い、外符号にBCH符号を用いたものである。図21は、本発明の他の実施形態による受信装置の概略構成例を示すブロック図である。この受信装置4は、SC-FDE方式の無線伝送システムにおいて、周波数領域でMMSE基準によるチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式を用いた装置であり、データ部分の変調方式が16APSKまたは32APSKの場合に、前述の図8図9及び図19に示した信号点配置によるマッピングルール(送信装置3にて使用したマッピングルールと同じもの)を使用する。
【0187】
この受信装置4は、受信アンテナ81、周波数変換部82、AD変換部83、直交復調部84、帯域制限フィルタ部85、ブロック同期部86,87、フーリエ変換部88、チャネル推定部89、S/N測定部90、周波数領域等化部91、逆フーリエ変換部92、シンボル判定部93、時間デインタリーブ部94、LDPC復号部95、エネルギー逆拡散部96、BCH復号部97、フレーム同期部98及びDVB-ASI出力I/F部99を備えている。
【0188】
尚、ここでは受信ブランチ数を1とするが、2以上としてもよい。受信ブランチ数が2以上の場合、ダイバーシチ合成が可能であるものとする。
【0189】
受信装置4は、図15に示した送信装置3から送信された変調波の無線信号を、受信アンテナ81を介して受信する。周波数変換部82は、図14に示した周波数変換部32と同様に、受信アンテナ81を介して受信した変調波の無線信号の無線周波数を、中間周波数に変換し、中間周波数の信号をAD変換部83に出力する。
【0190】
AD変換部83、直交復調部84、帯域制限フィルタ部85、ブロック同期部86,87、フーリエ変換部88、チャネル推定部89、S/N測定部90、周波数領域等化部91及び逆フーリエ変換部92は、図14に示したAD変換部33、直交復調部34、帯域制限フィルタ部35、ブロック同期部36,37、フーリエ変換部38、チャネル推定部39、S/N測定部40、周波数領域等化部41及び逆フーリエ変換部42と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0191】
シンボル判定部93は、逆フーリエ変換部92からデータ及びUWの部分に関する時間領域の信号を入力し、当該時間領域の信号からデータの部分に関する時間領域の信号を抽出する。
【0192】
シンボル判定部93は、データの部分に関する時間領域の信号に対し、予め設定されたマッピングルール(送信装置3にて使用したマッピングルールと同じもの)にてデマッピングを行い、ビット尤度を計算することで、シンボル判定を行う。そして、シンボル判定部93は、符号化ビット系列に対応したビット尤度系列を生成し、ビット尤度系列を時間デインタリーブ部94に出力する。
【0193】
具体的には、シンボル判定部93は、変調方式が16APSKの場合、図8及び図19に示した信号点配置による符号化率に応じたマッピングルールを使用して、データの部分に関する時間領域の信号とマッピングルールにおける信号点配置の信号とを比較し、信号間の距離に基づいて、ビット尤度を算出する。
【0194】
また、シンボル判定部93は、変調方式が32APSKの場合、図9及び図19に示した信号点配置による符号化率に応じたマッピングルールを使用して、データの部分に関する時間領域の信号とマッピングルールにおける信号点配置の信号とを比較し、信号間の距離に基づいて、ビット尤度を算出する。
【0195】
時間デインタリーブ部94は、シンボル判定部93からビット尤度系列を入力し、図14に示した時間デインタリーブ部44と同様に、図15に示した時間インタリーブ部66と対になる時間デインタリーブを行う。そして、時間デインタリーブ部94は、時間デインタリーブ後のビット尤度系列をLDPC復号部95に出力する。
【0196】
LDPC復号部95は、時間デインタリーブ部94から時間デインタリーブ後のビット尤度系列を入力し、ビット尤度を用いて、前述の非特許文献2に準拠したLDPC復号を行い、ビット系列を生成する。そして、LDPC復号部95は、ビット系列をエネルギー逆拡散部96に出力する。尚、LDPC復号処理の詳細については、前述の非特許文献2を参照されたい。
【0197】
エネルギー逆拡散部96は、LDPC復号部95からビット系列を入力し、当該ビット系列に対し、図15に示したエネルギー拡散部64と対になるエネルギー逆拡散を行い、エネルギー逆拡散後のビット系列をBCH復号部97に出力する。
【0198】
BCH復号部97は、エネルギー逆拡散部96からエネルギー逆拡散後のビット系列を入力し、当該ビット系列に対し、前述の非特許文献2に準拠したBCH復号を行い、BCH復号後のビット系列をフレーム同期部98に出力する。尚、BCH復号処理の詳細については、前述の非特許文献2を参照されたい。
【0199】
フレーム同期部98は、BCH復号部97からBCH復号後のビット系列を入力する。そして、フレーム同期部98は、図15に示したFECブロック構成部62により、TS信号からTSパケットの同期バイト0x47が取り除かれてFECブロックの主信号の領域に格納される処理に対応して、入力したビット系列に対し、1バイトの同期バイト(0x47)を付加することでTSパケットの再構成を行い、TS信号をDVB-ASI出力I/F部99に出力する。
【0200】
尚、図15に示したDVB-ASI入力I/F部61により、ヌルパケットを挿入する処理が行われた場合、フレーム同期部98は、TS信号からヌルパケットを削除して出力する。
【0201】
DVB-ASI出力I/F部99は、フレーム同期部98からTS信号を入力し、TS信号に対し、図15に示したDVB-ASI入力I/F部61と対になる処理を行う。DVB-ASI出力I/F部99は、TS信号をDVB-ASI信号に変換し、DVB-ASI信号を出力する。
【0202】
以上のように、本発明の他の実施形態の受信装置4によれば、送信装置3から送信された変調波の無線信号を受信し、シンボル判定部93は、周波数変換部82、AD変換部83、直交復調部84、帯域制限フィルタ部85、ブロック同期部86,87、フーリエ変換部88、チャネル推定部89、S/N測定部90、周波数領域等化部91及び逆フーリエ変換部92の処理により、受信信号から生成されたデータ及びUWの部分に関する時間領域の信号のうちデータの部分に関する時間領域の信号に対し、予め設定されたマッピングルールにてデマッピングを行い、ビット尤度を計算することで、シンボル判定を行う。
【0203】
そして、時間デインタリーブ部94、LDPC復号部95、エネルギー逆拡散部96、BCH復号部97、フレーム同期部98及びDVB-ASI出力I/F部99の処理により、ビット尤度系列からDVB-ASI信号が生成され出力される。
【0204】
ここで、シンボル判定部93にて用いるマッピングルールは、図15に示した送信装置3が使用するものと同じである。つまり、マッピングルールは、変調方式が16APSKの場合、図8に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12の信号点配置によるものである。また、マッピングルールは、変調方式が32APSKの場合、図9に示した信号点配置であって、かつ図19に示した符号化率に応じた半径比R12,R13の信号点配置によるものである。
【0205】
これにより、SC-FDE方式において、変調方式及び誤り訂正符号に応じた最適な信号点配置のマッピングルールを用いることで、当該受信装置4の構成を大幅に変更することなく、すなわち新たな信号処理を追加することなく、伝送性能を改善することができる。
【0206】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0207】
1,3 送信装置
2,4 受信装置
11,61 DVB-ASI入力I/F部
12,50,98 フレーム同期部
13,64 エネルギー拡散部
14 RS符号化部
15 バイトインタリーブ部
16 畳み込み符号化部
17 遅延補正部
18 ビットインタリーブ部
19,66 時間インタリーブ部
20,67 マッピング部
21,68 UW生成部
22,69 SCブロック構成部
23,70 帯域制限フィルタ部
24,71 直交変調部
25,72 DA変換部
26,32,73,82 周波数変換部
27,74 電力増幅部
28,75 送信アンテナ
31,81 受信アンテナ
33,83 AD変換部
34,84 直交復調部
35,85 帯域制限フィルタ部
36,37,86,87 ブロック同期部
38,88 フーリエ変換部
39,89 チャネル推定部
40,90 S/N測定部
41,91 周波数領域等化部
42,92 逆フーリエ変換部
43,93 シンボル判定部
44,94 時間デインタリーブ部
45 ビットデインタリーブ部
46 ビタビ復号部
47 バイトデインタリーブ部
48 RS復号部
49,96 エネルギー逆拡散部
51,99 DVB-ASI出力I/F部
62 FECブロック構成部
63 BCH符号化部
65 LDPC符号化部
95 LDPC復号部
97 BCH復号部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21