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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080041
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】濃度測定装置および濃度測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/35 20140101AFI20230601BHJP
   G01N 21/3504 20140101ALN20230601BHJP
【FI】
G01N21/35
G01N21/3504
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188713
(22)【出願日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2021193604
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市村 翔
(72)【発明者】
【氏名】中村 威信
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059BB04
2G059CC04
2G059CC20
2G059EE01
2G059KK01
2G059KK03
2G059MM01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】濃度測定装置および濃度測定方法に関する。
【解決手段】赤外線を用いて測定対象の濃度を測定する濃度測定装置であって、測定対象に対する赤外線の影響を検出する赤外線検出部からの検出信号を取得する信号取得部と、温度測定部が測定した温度情報を取得する温度情報取得部と、温度情報に基づいて、検出信号の温度依存性を補正した補正信号を出力する補正部と、測定対象の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、補正信号に応じた測定対象の濃度を算出する算出部とを備え、補正部は、3つ以上の温度区間毎に異なる予め定められた補正パラメータのうち、温度情報に対応する温度区間における補正パラメータを用いて、検出信号を線形補正した補正信号を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を用いて測定対象の濃度を測定する濃度測定装置であって、
前記測定対象に対する前記赤外線の影響を検出する赤外線影響検出部からの検出信号を取得する信号取得部と、
温度測定部が測定した温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記温度情報に基づいて、前記検出信号の温度依存性を補正した補正信号を出力する補正部と、
前記測定対象の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、前記補正信号に応じた前記測定対象の濃度を算出する算出部と
を備え、
前記補正部は、3つ以上の温度区間毎に異なる予め定められた補正パラメータのうち、前記温度情報に対応する温度区間における前記補正パラメータを用いて、前記検出信号を線形補正した前記補正信号を出力する
濃度測定装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記温度区間毎に異なる前記補正パラメータを用いて前記検出信号の温度依存性を線形補正する
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項3】
前記補正部は、測定濃度範囲において、前記検出信号の強度および強度変化が予め定められた基準出力範囲となるように、前記検出信号を線形補正する
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項4】
前記基準出力範囲は、前記検量線データに基づいて定められる
請求項3に記載の濃度測定装置。
【請求項5】
前記測定対象を通過した赤外線を検出した第1出力信号を出力する第1検出部と、
前記測定対象を通過していない赤外線を検出した第2出力信号を出力する第2検出部と
を有する前記赤外線影響検出部を備え、
前記検出信号は、前記第1出力信号および前記第2出力信号に基づく信号である
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記3つ以上の温度区間毎に、前記第1出力信号および/または前記第2出力信号を線形補正する
請求項5に記載の濃度測定装置。
【請求項7】
前記第2検出部を用いて、前記赤外線影響検出部の温度を測定する前記温度測定部を備える
請求項5に記載の濃度測定装置。
【請求項8】
前記温度測定部は、前記第2出力信号に基づいて、前記第2検出部の温度を測定する
請求項7に記載の濃度測定装置。
【請求項9】
前記温度測定部は、前記第2検出部の抵抗値に基づいて、前記第2検出部の温度を測定する
請求項7に記載の濃度測定装置。
【請求項10】
前記赤外線影響検出部は、前記赤外線を検出するための量子井戸型センサを有する
請求項1から9のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
【請求項11】
前記赤外線影響検出部は、前記赤外線の影響を検出するためのマイクロフォンを有する
請求項1から9のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
【請求項12】
前記3つ以上の温度区間毎に異なる前記補正パラメータを記憶した記憶部を備える
請求項1から9のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
【請求項13】
前記記憶部は、前記3つ以上の温度区間と前記補正パラメータとをテーブル形式で記憶する
請求項12に記載の濃度測定装置。
【請求項14】
前記信号取得部、前記温度情報取得部、前記補正部および前記算出部を有する信号処理部を備え、
前記信号処理部は、マイクロコンピュータで構成される
請求項1から9のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
【請求項15】
前記赤外線を発光するための発光部と、
前記測定対象に前記赤外線を通過させるための光路部と
を備え、
前記濃度測定装置は、1つの筐体に収容されている
請求項1から9のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
【請求項16】
赤外線が通過した測定対象の濃度を測定する濃度測定方法であって、
前記測定対象に対する前記赤外線の影響を検出する赤外線影響検出部からの検出信号を取得する段階と、
温度測定部が測定した温度情報を取得する段階と、
前記検出信号の温度依存性を補正した補正信号を出力する段階であって、
前記測定対象の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、前記補正信号に応じた前記測定対象の濃度を算出する段階と
を備え、
前記補正信号を出力する段階は、3つ以上の温度区間毎に異なる予め定められた補正パラメータのうち、前記温度情報に対応する温度区間における前記補正パラメータを用いて、前記検出信号を線形補正する段階を有する
濃度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃度測定装置および濃度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「光源の劣化の影響を高精度に補正するガスセンサを提供すること」が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2017-015516号公報
特許文献2 特表2007-502407号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、赤外線を用いて測定対象の濃度を測定する濃度測定装置であって、測定対象に対する赤外線の影響を検出する赤外線検出部からの検出信号を取得する信号取得部と、温度測定部が測定した温度情報を取得する温度情報取得部と、温度情報に基づいて、検出信号の温度依存性を補正した補正信号を出力する補正部と、測定対象の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、補正信号に応じた測定対象の濃度を算出する算出部とを備え、補正部は、3つ以上の温度区間毎に異なる予め定められた補正パラメータのうち、温度情報に対応する温度区間における補正パラメータを用いて、検出信号を線形補正した補正信号を出力する濃度測定装置を提供する。
【0004】
本発明の第2の態様においては、赤外線が通過した測定対象の濃度を測定する濃度測定方法であって、測定対象に対する赤外線の影響を検出する赤外線検出部からの検出信号を取得する段階と、温度測定部が測定した温度情報を取得する段階と、検出信号の温度依存性を補正した補正信号を出力する段階であって、測定対象の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、補正信号に応じた測定対象の濃度を算出する段階とを備え、補正信号を出力する段階は、3つ以上の温度区間毎に異なる予め定められた補正パラメータのうち、温度情報に対応する温度区間における補正パラメータを用いて、検出信号を線形補正する段階を有する濃度測定方法を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】濃度測定装置100の構成の一例を示す。
図2A】検出信号Sdの温度特性の一例を示す。
図2B】補正パラメータZero(T)の温度特性の一例を示す。
図2C】補正信号Scを濃度に変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。
図2D】検量線データを用いた測定対象110の濃度の算出方法の一例を示す。
図3A】ゼロ補正により測定誤差を補正する方法を示す。
図3B】スパン補正により測定誤差を補正する方法を示す。
図4A】2次多項式で3つの補正温度点を補正する場合における検出信号の温度特性の比較例を示す。
図4B】2次多項式で3つの補正温度点を補正する場合における補正信号の誤差の比較例を示す。
図5A】3次以上の多項式で4つ以上の補正温度点を補正する場合における検出信号の温度特性の比較例を示す。
図5B】3次以上の多項式で4つ以上の補正温度点を補正する場合における補正信号の誤差の比較例を示す。
図6】濃度測定装置100の動作フローチャートの一例を示す。
図7A】4つの補正温度点で3つの温度区間を線形補正する場合における、補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。
図7B】5つの補正温度点で4つの温度区間を線形補正する場合における、補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。
図7C】7つの補正温度点で6つの温度区間を線形補正する場合における補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の一例を示す。
図8】6次多項式で7つの補正温度点を補正した場合の比較例を示す。
図9】7つの補正温度点で6つの温度区間を線形補正した場合の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、濃度測定装置100の構成の一例を示す。濃度測定装置100は、発光部10と、赤外線影響検出部20と、温度測定部30と、信号処理部40とを備える。本例の濃度測定装置100は、光路部12および反射部14を備える。濃度測定装置100は、赤外線を用いて測定対象110の濃度を測定する。
【0009】
発光部10は、測定対象110の濃度を測定するための赤外線を発光する。発光部10は、測定対象110に赤外線を通過させて測定対象110の濃度を算出するために、一定の光量を有する赤外線を発光してよい。発光部10は、濃度測定装置100の外部に設けられてもよい。
【0010】
光路部12は、測定対象110に赤外線を通過させるための光路である。光路部12は、測定対象110を含み、予め定められた光路長で測定対象110に赤外線を通過させる。光路部12は、閉鎖された空間に測定対象110を保持するための容器であってもよいし、測定対象110を流すための流路であってもよい。光路部12には、反射部14で反射した赤外線が通過してもよい。
【0011】
測定対象110は、発光部10が発光した赤外線を透過して濃度を測定するための物質である。測定対象110は、気体であってもよいし、液体であってもよい。例えば、測定対象110は、二酸化炭素ガスであるが、これに限定されない。測定対象110は、赤外線が通過する光路部12に設けられる。
【0012】
赤外線影響検出部20は、発光部10が発光した赤外線による測定対象110に対する影響を検出して、検出信号Sdを出力する。赤外線影響検出部20は、赤外線を検出するための赤外線センサを有してよい。赤外線影響検出部20は、赤外線を検出するための量子井戸型センサを有してよい。測定対象110が気体である場合、赤外線影響検出部20は、測定対象110が赤外線を吸収し、運動エネルギーが変化することによって生じる測定対象110の圧力変化(音波)を検出するためのマイクロフォンを有してよい。つまり、赤外線影響検出部20は、測定対象110の光音響効果による音響波を検出するためのマイクロフォンを有してよい。
【0013】
本例の赤外線影響検出部20は、第1検出部21および第2検出部22を有する。本例の第1検出部21および第2検出部22は、発光部10が発光した赤外線を検出するための赤外線センサをそれぞれ有する。第1検出部21および第2検出部22は、それぞれ量子井戸型センサであってよい。第1検出部21および第2検出部22はこれに限定されず、第1検出部21および/または第2検出部22は、マイクロフォンを有してよい。第1検出部21および第2検出部22の検出機構は同一であってもよく、異なってもよい。以下では、第1検出部21および第2検出部22が赤外線センサである場合について説明する。
【0014】
第1検出部21は、測定対象110を通過した赤外線を検出した第1出力信号So1を出力する。即ち、第1検出部21に入射する赤外線の光量は、測定対象110の濃度等に応じて変化する。例えば、第1検出部21に入射する赤外線の光量は、ランベルト・ベールの法則に従って変化する。本例の第1検出部21は、反射部14で反射した赤外線を検出する。即ち、第1検出部21は、測定対象110に通過してから反射部14で反射して、再び測定対象110を通過した赤外線を検出している。但し、第1検出部21は、発光部10が発光した赤外線を反射部14に反射させずに検出してもよい。
【0015】
第2検出部22は、測定対象110を通過していない赤外線を検出した第2出力信号So2を出力する。即ち、第2検出部22は、測定対象110の濃度に影響されずに、一定光量の赤外線を検出する。第2検出部22は、発光部10が発光した赤外線を反射部14に反射させずに検出してもよい。第1検出部21の抵抗値を第2出力信号So2としてもよい。第2検出部22の抵抗値を第2出力信号So2としてもよい。発光部10の順方向電圧を第2出力信号So2としてもよい。第2出力信号So2は測定対象110の濃度に影響されない。
【0016】
検出信号Sdは、第1出力信号So1および第2出力信号So2に基づく信号である。検出信号Sdは、第1出力信号So1および第2出力信号So2のそれぞれを含んでよい。検出信号Sdは、第1出力信号So1と第2出力信号So2との信号比を含んでもよい。赤外線影響検出部20が出力した第1出力信号So1および第2出力信号So2を比較することにより、測定対象110の濃度変化を検出することができる。
【0017】
赤外線影響検出部20の赤外線センサは、焦電センサであってもよいし、量子井戸型センサであってもよい。第1検出部21または第2検出部22の少なくとも1つは、量子井戸型センサであってよい。赤外線影響検出部20は、量子井戸型センサを用いることにより、焦電センサと比較してより高速な応答を実現できる。また、量子井戸型センサは、信号絶対値を測定できるので、簡潔な信号処理を実現できる。
【0018】
なお、発光部10は、共通の発光素子から赤外線を発光した後に光路を分岐させることによって、第1検出部21および第2検出部22に異なる光路の赤外線をそれぞれ検出させてよい。また、発光部10は、異なる発光素子から複数の赤外線を発光することにより、第1検出部21と第2検出部22とに異なる光路の赤外線をそれぞれ検出させてよい。
【0019】
温度測定部30は、任意の温度センサを用いて温度を測定する。本例の温度測定部30は、濃度測定装置100の任意の位置の温度を測定する。例えば、温度測定部30は、発光部10、赤外線影響検出部20または信号処理部40の温度を測定する。温度測定部30は、測定対象110の温度を測定してもよい。
【0020】
一例において、温度測定部30は、第2検出部22を用いて、赤外線影響検出部20の温度を測定する。温度測定部30は、第2出力信号So2に基づいて、第2検出部22の温度を測定してよい。具体的には、温度測定部30は、第2検出部22の赤外線信号値に基づいて、第2検出部22の温度を測定してよい。具体的には、温度測定部30は、第2検出部22の抵抗値に基づいて、第2検出部22の温度を測定してよい。第2出力信号So2の温度依存性を予め測定しておくことで、第2出力信号So2を温度計として利用することができる。なお、第2出力信号So2の温度依存性は、後述する記憶部45に記憶されてよい。
【0021】
ここで、濃度算出に影響する温度特性は、発光部10または赤外線影響検出部20で発生する場合がある。また、測定対象110の吸光特性も温度に依存して変化することで、濃度算出に影響する場合がある。そのため、濃度測定装置100は、これらの温度に基づいて補正することで、より高精度に測定対象110の濃度を算出しやすくなる。
【0022】
信号処理部40は、信号取得部41と、温度情報取得部42と、補正部43と、算出部44と、記憶部45とを有する。信号処理部40は、マイクロコンピュータで構成されてよい。
【0023】
信号取得部41は、赤外線影響検出部20からの検出信号Sdを取得する。信号取得部41は、検出信号Sdを補正部43に入力する。信号取得部41は、濃度測定装置100の外部に設けられた赤外線影響検出部20から検出信号Sdを取得してもよい。信号取得部41は、検出信号Sdとして、第1出力信号So1および第2出力信号So2のそれぞれを取得してもよいし、第1出力信号So1と第2出力信号So2との信号比を取得してもよい。信号取得部41は、第1出力信号So1および第2出力信号So2のそれぞれを取得して、第1出力信号So1と第2出力信号So2との信号比を生成してもよい。
【0024】
温度情報取得部42は、温度測定部30が測定した温度情報Itを取得する。温度情報Itは、測定対象110の温度を含んでもよい。温度情報Itは、発光部10、赤外線影響検出部20または信号処理部40の温度を含んでもよい。温度情報取得部42は、濃度測定装置100の外部に設けられた温度測定部30から温度情報Itを取得してもよい。
【0025】
補正部43は、検出信号Sdの温度依存性を補正した補正信号Scを出力する。補正部43は、検出信号Sdおよび温度情報Itに基づいて、補正信号Scを生成する。本例の補正部43は、予め定められた補正パラメータを用いて、3つ以上の温度区間毎に検出信号Sdを線形補正する。補正部43は、温度区間毎に異なる補正パラメータを用いて検出信号Sdの温度依存性を線形補正してよい。補正パラメータについては後述する。
【0026】
算出部44は、測定対象110の濃度を算出するための予め定められた基準温度における検量線データを用いて、補正信号Scに応じた測定対象110の濃度を算出する。例えば、算出部44は、任意の測定温度Tmでの検出信号Sdを補正して検量線データに適用することで、基準温度(25℃)における共通の検量線データを用いて、測定対象110の濃度を算出する。そのため、検量線データを測定温度Tmに応じて変更する必要がない。検量線データについては後述する。算出部44は、算出した測定対象110の濃度を濃度測定装置100の外部に出力してもよい。
【0027】
記憶部45は、測定対象110の濃度の算出に必要な情報を記憶する。本例の記憶部45は、補正部43において検出信号Sdの補正に用いられる補正パラメータなどの情報を記憶する。記憶部45は、算出部44で測定対象110の濃度を算出するための検量線データを記憶してもよい。
【0028】
本例の記憶部45は、3つ以上の温度区間毎に異なる補正パラメータを記憶する。記憶部45は、温度区間と補正パラメータをテーブル形式で記憶してよい。記憶部45は、温度区間T1~Tn毎に線形補正に用いられる関数パラメータを記憶してよい。
【0029】
濃度測定装置100は、1つの筐体50に収容されている。即ち、濃度測定装置100は、筐体50により1パッケージ化されている。本例の濃度測定装置100は、信号処理部40に加えて、発光部10、光路部12、反射部14、赤外線影響検出部20および温度測定部30も含めて1パッケージ化しているものの、いずれかの構成を筐体50の外部に設けてもよい。即ち、濃度測定装置100は、筐体50の外部で測定された検出信号Sdおよび温度情報Itを取得して、測定対象110の濃度を算出してもよい。
【0030】
ここで、測定対象110による赤外線の吸収について、ランベルト・ベールの法則を用いて説明する。本例では、測定対象110としてガスを用いて説明するが、これに限定されない。ガスによる赤外線の吸光量Absは、次式で示される。
Abs=I-I×e-k×l×c
はガスの影響のない理想的な吸光量を示す。kはガス依存の吸収係数であり、lは光路長であり、cはガス濃度である。吸光度ARは、次式で示される。
AR=1-e-k×l×c
ゼロ補正およびスパン補正の補正パラメータに温特係数を持たせると、各補正パラメータは次式で示される。なお、ゼロ補正およびスパン補正については後述する。
補正パラメータZero(T)=Zero×fz(T)
補正パラメータSpan(T)=Span×fs(T)
【0031】
この場合、吸光信号Signal_Absは、次式で示される。
Signal_Abs=Span(T)×(1-Zero(T)×So1/So2)
【0032】
到達光量は次式で示される。
-Abs=I-(I-I×e-k×l×c
そして、到達光量信号Signalは、次式で示される。
Signal=1-(1-(So1/So2)×Zero(T))×Span(T)
【0033】
このように、濃度測定装置100は、測定対象110の濃度に応じた信号を取得することで、測定対象110の濃度を算出することができる。
【0034】
図2Aは、検出信号Sdの温度特性の一例を示す。縦軸は検出信号Sdの信号強度を示し、横軸は温度を示す。本例では、10℃から40℃まで5℃おきに6つの温度区間T1~T6に分けて線形補正している。本例の補正温度点は、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃および40℃である。補正温度点は、線形補正の基準となる点であり、検出信号Sdと補正パラメータとの誤差が最小となる。一例として、補正信号Scは、検出信号Sdを補正パラメータによって除算することで取得される、温度特性を略平坦にした信号であってよい。ここで温度特性が略平坦とは、温度の変化によって信号がほとんど変動しないことである。
【0035】
図2Bは、補正パラメータZero(T)の温度特性の一例を示す。縦軸は信号強度を示し、横軸は温度を示す。補正パラメータZero(T)は、補正信号Scが略平坦となるように求められる関数であってよい。すなわち、検出信号Sdの逆数となる関数であってよい。本例では、10℃から40℃まで5℃おきに6つの温度区間T1~T6に分けて線形補正している。本例の補正温度点は、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃および40℃である。補正温度点は、線形補正の基準となる点であり、補正信号Scの温度特性が略平坦となるように処理される点である。すなわち、補正温度点において、検出信号Sdと補正パラメータZero(T)とを乗算した値は1となってよい。補正パラメータZero(T)は、検出信号Sdの温度特性の逆数となるような関数を線形補間して得られたものであってよい。ここで、線形補間とは、関数の補正点間をフィッティングすることでパラメータを得ることである。線形補正とは、補正パラメータを用いて補正信号の温度特性を略平坦とすることある。したがって、線形補正と線形補間とは異なる概念であってよい。
【0036】
以上のように、補正信号Scは、検出信号Sdに対して、補正パラメータZero(T)を乗算し、または、除算することで、略平坦とされた信号であってよい。図2Aの例では、検出信号Sdに対して、補正パラメータZero(T)を除算することで、補正信号Scを略平坦とし、図2Bの例では、検出信号Sdに対して、補正パラメータZero(T)を乗算することで、補正信号Scを略平坦としている。すなわち、線形補正とは、検出信号Sdを温度の線形関数である補正パラメータを用いて補正することであってよい。
【0037】
補正信号Scは、吸光信号Signal_Absであってもよいし、到達光量信号Signalであってもよい。補正信号Scは、測定対象110の濃度に応じて変化する信号であればよい。本例の補正信号Scは、吸光信号Signal_Absである。
【0038】
本例の濃度測定装置100は、温度区間毎に補正パラメータZero(T)を設定している。本例の補正パラメータは、ゼロ補正のために用いられるが、スパン補正等の他の補正パラメータを用いて温度特性を補正してもよい。
【0039】
本例の補正パラメータZero(T)は、次式で示される。
Zero(T)=ZeroN×(1+azeroNT)
係数ZeroNおよび係数azeroNは、温度区間毎に異なる値であってよい。本例の係数azeroNは、温度区間T1~T6において、azero1~azero6とそれぞれ設定されている。即ち、補正パラメータZero(T)は、温度区間毎に異なる値であってよい。
【0040】
変形例として、スパン補正の補正パラメータSpan(T)を用いて温度特性を補正する場合、補正パラメータSpan(T)は、次式で示される。
Span(T)=SpanN×(1+aspanNT)
係数SpanNおよび係数aspanNは、温度区間毎に異なる値であってよい。即ち、補正パラメータSpan(T)は、温度区間毎に異なる値であってよい。
【0041】
本例の濃度測定装置100は、温度区間毎に異なる補正パラメータを用いて、3つ以上の温度区間毎に線形補正している。すなわち、補正パラメータは温度区間毎に異なっていてよい。これにより、濃度測定装置100は、3つ以上の温度区間に対しても、温特カーブを精度良く近似することができる。そして、3つ以上の温度区間毎に線形補正することで、多項式を用いる場合と比較して、近似による過学習が発生しにくくなる。また、線形補正では、多項式を用いる場合と比較して乗算を減して、演算コストを低減することができる。
【0042】
図2Cは、補正信号Scを濃度に変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。縦軸の誤差は、測定対象110の濃度に対する補正信号Scを濃度に変換した信号の誤差を示す。各温度の複数のプロットは、異なる温度特性サンプルのシミュレーション結果を示す。本例の濃度測定装置100は、3つ以上の温度区間毎に検出信号Sdを線形補正することにより、後述する補正温度点以外の温度における波状誤差を低減している。本例では、10℃から40℃までの範囲において、誤差が±0.4以内に抑えられている。このように、濃度測定装置100は、演算コストを抑制しつつ、より高精度に検出信号Sdを補正することができる。
【0043】
図2Dは、検量線データを用いた測定対象110の濃度の算出方法の一例を示す。本例の検量線データは、予め定められた基準温度(例えば、25℃)におけるデータである。濃度測定装置100は、測定温度Tmでの補正信号Sc(Tm)を生成することで、共通の検量線データを用いて、測定対象110の濃度を算出することができる。すなわち、基準温度と測定温度Tmが異なる場合であっても、測定信号Sdを補正して補正信号Scを取得することで、基準温度における検量線データを用いて、測定対象110の濃度を算出することができる。検量線データは、予め定められた基準温度における1つの検量線データが取得されていればよい。
【0044】
図3Aは、ゼロ補正により測定誤差を補正する方法を示す。実線は、測定信号の濃度依存性を示す基準信号線である。破線は、測定信号の濃度依存性を示す実測信号線である。例えば、0ppmの濃度において、実測信号強度を基準信号強度に合わせるように、実測信号線を移動して補正する。さらに、その温度特性の補正を含んで実施してもよい。本例では、信号強度比S=So1/So2の実測信号線を補正しているが、補正する信号の種類はこれに限定されない。
【0045】
なお、本例では、測定対象110の濃度が0ppmの信号強度を用いて、実測信号線を基準信号線に合わせているが、0ppm以外の濃度を基準として補正してもよい。例えば、測定対象110が二酸化炭素ガスの場合、400ppmの信号強度を用いて補正してもよい。
【0046】
図3Bは、スパン補正により測定誤差を補正する方法を示す。スパン補正では、破線で示された実測信号線の勾配を調整して、測定濃度範囲において基準信号線との差が予め定められた範囲に含まれるように補正する。さらに、その温度特性の補正を含んで実施してもよい。本例では、予め定められたガス濃度(例えば、0ppm)から測定濃度範囲での実測信号線の強度変化が、予め定められた基準出力範囲となるように補正する。基準出力範囲は、基準信号線の出力範囲であってよく、予め定められた基準温度における検量線データに基づいて定められてよく、検量線データの変動範囲に含まれていてよい。
【0047】
濃度測定装置100は、ゼロ補正とスパン補正のいずれか一方の方法を用いて温度特性を補正してもよいし、両方を用いて温度特性を補正してもよい。濃度測定装置100は、使用する方法の補正パラメータを3つ以上の温度区間毎に設定してよい。
【0048】
また、濃度測定装置100は、ゼロ補正および/またはスパン補正に加えて、さらに温度特性の補正を実施してよい。例えば、検出信号Sdが第1出力信号So1と第2出力信号So2との信号比である場合、検出信号Sdにゼロ補正および/またはスパン補正を実施する前に、第1出力信号So1および/または第2出力信号So2に対して温度特性の補正を実施してもよい。第1出力信号So1および/または第2出力信号So2の温度特性の補正は、3つ以上の温度区間毎に設定された補正パラメータを用いて実施されてよく、上述の検出信号Sdの補正と同様の補正であってよい。さらなる温度特性の補正を加えることで、温度特性をより改善することができる。
【0049】
図4Aは、2次多項式で3つの補正温度点を補正する場合における検出信号の温度特性の比較例を示す。本例では、10℃、25℃および40℃の補正温度点を用いて2次多項式で補正している。各温度区間で用いられる補正パラメータZero(T)は次式で示される。
補正パラメータZero(T)=Zero×fz(T)
=Zero×(1+azero1T+azero2
Zero、azero1およびazero2は、任意の補正係数であってよい。
【0050】
図4Bは、2次多項式で3つの補正温度点を補正する場合における補正信号の誤差の比較例を示す。縦軸の誤差は、測定対象110の濃度に対する補正信号の誤差を示す。補正条件および補正温度点は、図4Aの例と同一である。2次多項式で補正すると、本例のように補正温度点以外の温度における波状誤差が発生する場合がある。本例では、10℃から40℃までの範囲において、誤差が±0.5以内である。
【0051】
図5Aは、3次以上の多項式で4つ以上の補正温度点を補正する場合における検出信号の温度特性の比較例を示す。本例では、10℃、20℃、25℃、30℃および40℃の5つの補正温度点を用いて4次多項式で補正している。各温度区間で用いられる補正パラメータZero(T)は次式で示される。
補正パラメータZero(T)=Zero×fz(T)
=Zero×(1+azero1T+azero2+azero3・・・)
【0052】
図5Bは、3次以上の多項式で4つ以上の補正温度点を補正する場合における補正信号の誤差の比較例を示す。補正条件および補正温度点は、図5Aの例と同一である。補正温度点を増やし、3次以上の多項式で補正した場合でも、本例のように補正温度点以外の温度における波状誤差が発生する場合がある。また、3次以上の多項式を用いると、2次多項式を用いる場合よりも補正温度点以外の温度における波状誤差が発生しやすくなる。本例では、10℃から40℃までの範囲において、誤差が±0.5以上であり、2次多項式を用いる場合よりも誤差が増大している。
【0053】
図6は、濃度測定装置100の動作フローチャートの一例を示す。ステップS100において、補正温度区間に応じた補正パラメータを記憶する。ステップS102において、赤外線を発光する。赤外線は、測定対象110を通過して第1検出部21で検出されてよく、測定対象110を通過せずに第2検出部22で検出されてよい。ステップS104において、検出信号Sdおよび温度情報Itを取得する。ステップS106において、温度情報Itに応じた補正パラメータを読み出す。ステップS108において、読み出した補正パラメータに基づいて、検出信号Sdを補正した補正信号Scを生成する。ステップS110において、予め定められた基準温度における検量線データを用いて、補正信号Scに応じた測定対象110の濃度を算出する。濃度測定装置100は、算出した測定対象110の濃度を外部に出力してよい。
【0054】
本例の濃度測定装置100は、ステップS108において、予め定められた補正パラメータを用いて、3つ以上の温度区間毎に検出信号Sdを線形補正する。即ち、ステップS110において、検量線データを用いた測定対象110の濃度の算出よりも前に線形補正している。そのため、濃度測定装置100では、検量線データの温度依存性を補正する必要がない。即ち、本例の濃度測定装置100は、予め定められた基準温度における1つの検量線データを用意すればよく、温度毎に異なる検量線データを用意する必要がない。
【0055】
図7Aは、4つの補正温度点で3つの温度区間を線形補正する場合における、補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。本例では、10℃、20℃、30℃、40℃の4つの補正温度点で、10℃、20℃、30℃、40℃の各温度の間の3つの温度区間T1~T3において、線形補正している。濃度測定装置100が線形補正する場合、補正温度点が多く、温度区間の数が3つとなった場合であっても、多項式を用いた場合のような補正温度点以外の温度における波状誤差の増大がない。
【0056】
図7Bは、5つの補正温度点で4つの温度区間を線形補正する場合における、補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の温度依存性を示すグラフの一例である。本例では、10℃、20℃、25℃、30℃、40℃の5つの補正温度点で、10℃、20℃、25℃、30℃、40℃の各温度の間の4つの温度区間T1~T4において、線形補正している。このように、濃度測定装置100が線形補正する3つ以上の温度区間の幅は均等でなくてもよい。濃度測定装置100が線形補正する場合、補正温度点が多く、温度区間の数が3つ以上(本例では4つ)となった場合であっても、多項式を用いた場合のような補正温度点以外の温度における波状誤差の増大がない。逆に、本例の濃度測定装置100は、比較例において補正温度点以外の温度における波状誤差が発生していた区間に新たな補正温度点を加えることで、補正温度点以外の温度における波状誤差を低減させることができる。
【0057】
図7Cは、7つの補正温度点で6つの温度区間を線形補正する場合における補正信号Scを濃度変換した信号の誤差の一例を示す。本例では、10℃から40℃まで5℃おきに6つの温度区間T1~T6に分けて線形補正している。図7Aおよび図7Bの実施例と同様に、濃度測定装置100が線形補正する場合、温度区間の数が3つ以上(本例では6つ)となった場合であっても、多項式を用いた場合のような補正温度点以外の温度における波状誤差の増大がない。比較例では、補正温度点が増加するにつれて、より高次の多項式を用いて補正することが考えられるものの、本例では、補正温度点が多く温度区間の数が多い場合であっても、線形補正によって補正温度点以外の温度における波状誤差を抑制することができる。例えば、本例では、図4Bおよび図5Bで示した比較例に対して誤差を3割程度低減することができる。
【0058】
図8は、6次多項式で7つの補正温度点を補正した場合の比較例を示す。本例の補正温度範囲は、10℃~40℃である。本例では、25℃で得られる信号値を基準として、25℃からの変化を計算したシミュレーション結果を示している。6次多項式で補正しているので、補正温度範囲外では信号値が急激に変化しており、過学習によって劣化している。過学習は補正温度内の温特補正の信頼性も低下させている場合がある。
【0059】
図9は、6つの温度区間を7つの補正温度点で線形補正した場合の実施例を示す。本例では、25℃で得られる信号値を基準として、25℃からの変化を計算したシミュレーション結果を示している。線形補正した場合、図8の6次多項式を用いた場合と比較して、挙動が大きく異なり、本例の方が補正温度範囲外で明らかに安定している。
【0060】
このように、濃度測定装置100は、3つ以上の温度区間毎に検出信号Sdを線形補正することにより、温度区間が増えた場合にも温度特性を改善しやすくなる。また、濃度測定装置100は、温度区間毎に検出信号Sdを線形補正するので、多項式を用いる場合と比較して乗算を減らして、演算コストを低減することができる。
【0061】
濃度測定装置100は、温度情報Itに基づいて、検出信号Sdの強度および強度変化が、濃度測定範囲において予め定められた基準出力範囲となるように、3つ以上の温度区間毎に線形補正をすることにより、温度依存性を補正した補正信号Scを算出し、予め定められた基準温度における検量線データを用いて、測定対象110の濃度を出力する。すなわち、濃度測定装置100は、温度情報Itに基づいて、3つ以上の温度区間ごとに、温度の線形式で表わされたゼロ補正パラメータZero(T)および/またはスパン補正パラメータSpan(T)を利用して、検出信号Sdの強度および強度変化の温度特性を線形補正する。そして、補正信号Scから、予め定められた基準温度における検量線データを用いて、測定対象110の濃度を算出する。かかる構成により、温度区間が増えた場合にも温度特性を改善しやすくなり、多項式を用いる場合と比較して乗算を減らして、演算コストを低減することができる。
【0062】
以上では、赤外線影響検出部20が赤外線センサを有する場合について説明したが、赤外線影響検出部20は、マイクロフォンを有してよい。赤外線影響検出部20がマイクロフォンを有する場合、検出信号Sdは測定対象110の光音響効果による音響波信号であってよい。検出信号Sdがこれらの信号である場合であっても、上述の温度特性の補正方法は有効である。すなわち、3つ以上の温度区間毎に設定された補正パラメータを用いて、これらの信号の温度特性を補正することができ、温度区間が増えた場合にも温度特性を改善しやすくなり、多項式を用いる場合と比較して乗算を減らして、演算コストを低減することができる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10・・・発光部、12・・・光路部、14・・・反射部、20・・・赤外線影響検出部、21・・・第1検出部、22・・・第2検出部、30・・・温度測定部、40・・・信号処理部、41・・・信号取得部、42・・・温度情報取得部、43・・・補正部、44・・・算出部、45・・・記憶部、50・・・筐体、100・・・濃度測定装置、110・・・測定対象
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9