(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080370
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】吸収性物品用の流動体の配置方法及び吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/532 20060101AFI20230601BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A61F13/532 100
A61F13/53 100
A61F13/53 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067380
(22)【出願日】2023-04-17
(62)【分割の表示】P 2020033925の分割
【原出願日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2019086814
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】菊池 響
(72)【発明者】
【氏名】岩井 若菜
(72)【発明者】
【氏名】請川 一夫
(72)【発明者】
【氏名】国友 照夫
(57)【要約】
【課題】幅方向の長さが長手方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体が配置された吸収性物品において、粉粒体の偏在が抑制された吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品は、吸収体14を備える。吸収体は、高吸水性ポリマー粒子を有する吸収コア45と、吸収コアにおける少なくとも厚さ方向の一方を覆うコアラップ44、45と、を含む。股間部4の吸収コアの幅方向の長さは、腹側部2及び背側部3の吸収コアの幅方向の長さよりも狭い。股間部の吸収体は、幅方向の中央部に位置し、高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い高坪量部31と、高坪量部の幅方向の両外側に隣接し、高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い一対の低坪量部32と、一対の低坪量部の幅方向の両外側に隣接し、高吸水性ポリマー粒子を含まない一対の非含有部33と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向に沿って腹側部、股間部及び背側部に区画され、吸収体を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、
高吸水性ポリマー粒子を有する吸収コアと、
シート部材で形成され、前記吸収コアにおける少なくとも前記厚さ方向の一方を覆うコアラップを含み、
前記股間部の前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記腹側部及び前記背側部の前記吸収コアの前記幅方向の長さよりも狭く、
前記股間部の前記吸収体は、
前記幅方向の中央部に位置し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い高坪量部と、
前記高坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い一対の低坪量部と、
前記一対の低坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない一対の非含有部と、
を含む、
吸収性物品。
【請求項2】
前記股間部における前記吸収体は、
前記幅方向の少なくとも一箇所に位置し、前記長手方向に沿って前記吸収体の少なくとも前記股間部の領域に配置され、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない、又は、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が相対的に低いスリット部を更に含む、
請求項1に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品用の流動体の配置方法及び吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
高吸水性ポリマー粒子のような粉粒体を含む吸収性物品が知られている。そのような吸収性物品を連続生産する方法として、搬送方向に延びるシート部材上に、粉粒体を搬送方向に沿って配置する方法が知られている。例えば、特許文献1には、搬送方向に移動するシート部材(基材)上に粉粒体を散布する方法が開示されている。この方法では、粉粒体を所定幅の粉粒体の流れが形成されるように供給し、粉粒体の流れの幅を、シート部材を横断する方向に流れ矯正用のガイドで変化させながら、粉粒体を基材上に散布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品には、高吸水性ポリマー粒子、活性炭、温感剤及び漢方薬のような粉粒体や、消臭剤、香料、改質剤及び抗菌剤のような液体が配置される場合がある。粉粒体及び液体のような流動体は、吸収性物品の製造時に、搬送方向に搬送されるシート部材、例えばトップシート用、コアラップ用又はセカンドシート用のシート部材に配置される。シート部材に配置される流動体のパターンとしては、搬送方向に沿った直線状のパターンだけでなく、前記搬送方向に沿って延び、搬送方向に直交する横断方向の幅が、搬送方向の位置に応じて変化するパターンなどが考え得る。
【0005】
特許文献1の粉粒体の散布方法は、横断方向の幅が変化するパターンで粉粒体を配置できる。その方法では、粉粒体が散布される領域の横断方向の幅を小さくするとき、横断方向において、一対の流れ矯正ガイドの各々の傾斜面を外側から内側へ移動させ、横断方向に所定の幅を有する、いわば横断方向に一つながりの粒子の流れのうちの両端部の流れを内側に向かうように矯正する。しかし、その方法では、横断方向において、両端部の粉粒体が内側に寄せられるので、粉粒体が散布された領域のうちの両端部では、粉粒体の坪量が高くなる。すなわち、粉粒体が偏在する領域が生じてしまい、装着者に不快感や違和感を与えるおそれがある。
【0006】
したがって、シート部材における流動体が配置される領域において、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、流動体を比較的均一な坪量で配置する観点で、流動体の配置方法には改善の余地がある。また、それに対応して、幅方向の長さ(幅)が長手方向の位置に応じて変化しても、装着者に不快感や違和感を与えない粉粒体の配置に関して、改善の余地がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、搬送方向に搬送される吸収性物品用のシート部材に、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体を配置する方法において、流動体が偏在することを抑制することが可能な方法を提供することにある。また、幅方向の長さが長手方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体が配置された吸収性物品において、粉粒体の偏在が抑制された吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吸収性物品用の流動体を配置する方法は、(1)搬送方向に搬送される吸収性物品用のシート部材に、前記搬送方向に沿って延び、前記搬送方向に直交する横断方向の幅が前記搬送方向の位置に応じて変動するパターンで、吸収性物品用の流動体を配置する方法であって、前記シート部材における前記搬送方向及び前記横断方向に直交する上下方向の上方から、前記流動体を、前記横断方向に所定の幅で、前記シート部材へ向かって供給する供給工程と、前記供給工程により前記横断方向に所定の幅で供給される前記流動体のうち、前記横断方向の両端部の流動体を、前記パターンにおける前記横断方向の幅の縮小に対応するように除去する除去工程と、を備え、前記供給される前記流動体のうち、前記流動体を除去された残余の流動体が、前記シート部材上に配置される、方法、である。
【0009】
本発明の吸収性物品は、(2)長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向に沿って腹側部、股間部及び背側部に区画され、吸収体を備える吸収性物品であって、前記吸収体は、高吸水性ポリマー粒子を有する吸収コアと、シート部材で形成され、前記吸収コアにおける少なくとも前記厚さ方向の一方を覆うコアラップを含み、前記股間部の前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記腹側部及び前記背側部の前記吸収コアの前記幅方向の長さよりも狭く、前記股間部の前記吸収体は、前記幅方向の中央部に位置し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い高坪量部と、前記高坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い一対の低坪量部と、前記一対の低坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない一対の非含有部と、を含む、吸収性物品、である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬送方向に搬送される吸収性物品用のシート部材に、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体を配置する方法において、流動体が偏在することを抑制することが可能な方法を提供できる。また、幅方向の長さが長手方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体が配置された吸収性物品において、粉粒体の偏在が抑制された吸収性物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係るパンツ型おむつの構成例を示す平面図である。
【
図2】実施形態に係るパンツ型おむつの構成例を示す背面図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子の配置装置の構成例を模式的に示す正面図及び側面図である。
【
図5】実施形態に係る配置装置の回収部の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係る配置装置の回収部の各種態様を説明する模式図である。
【
図7】実施形態に係る配置装置の中央回収部の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図8】実施形態に係る吸収体の製造装置及び製造方法を説明する模式図である。
【
図9】実施形態に係る吸収体の製造方法を説明する模式図である。
【
図10】実施形態に係る吸収体の製造方法を説明する模式図である。
【
図11】実施形態に係る吸収体の製造方法を説明する模式図である。
【
図12】実施形態に係る吸収体の製造方法を説明する模式図である。
【
図13】実施形態に係る吸収体の製造方法を説明する模式図である。
【
図14】実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子のリサイクル装置の構成例を模式的に示す図である。
【
図15】実施形態に係る配置装置の回収部の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図16】実施形態に係る配置装置の回収部の更に他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図17】実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子の配置装置の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図18】実施形態に係る供給装置の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図19】実施形態に係る配置装置の回収部の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図20】実施形態に係る間欠装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図21】実施形態に係る配置装置での高吸水性ポリマー粒子の動きを示す模式図である。
【
図22】実施形態に係る配置装置の回収部の動きを説明するための模式図である。
【
図23】実施形態に係る配置装置の回収部の動きを説明するためのグラフである。
【
図24】実施形態に係る間欠装置の動きを説明するための模式図である。
【
図25】実施形態に係る供給装置の筒状部材部の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図26】実施形態に係る供給装置の筒状部材の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の開示は以下の態様に関する。
[態様1]
搬送方向に搬送される吸収性物品用のシート部材に、前記搬送方向に沿って延び、前記搬送方向に直交する横断方向の幅が前記搬送方向の位置に応じて変動するパターンで、吸収性物品用の流動体を配置する方法であって、前記シート部材における前記搬送方向及び前記横断方向に直交する上下方向の上方から、前記流動体を、前記横断方向に所定の幅で、前記シート部材へ向かって供給する供給工程と、前記供給工程により前記横断方向に所定の幅で供給される前記流動体のうち、前記横断方向の両端部の流動体を、前記パターンにおける前記横断方向の幅の縮小に対応するように除去する除去工程と、を備え、前記供給される前記流動体のうち、前記流動体を除去された残余の流動体が、前記シート部材上に配置される、方法。
本方法では、シート部材における上下方向の上方から、流動体を、横断方向に所定の幅で、いわば横断方向に一つながりで、シート部材へ向かって供給しつつ、横断方向の両端部の流動体を、パターンの横断方向の幅の縮小に応じて除去する。ただし、シート部材は、例えばトップシート用、コアラップ用又はセカンドシート用のシート部材であり、流動体は、例えば高吸水性ポリマー粒子、活性炭、温感剤及び漢方薬のような粉粒体や、消臭剤、香料、改質剤及び抗菌剤のような液体である。すなわち、本方法では、流動体が配置される領域の横断方向の幅を小さくするときには、横断方向の両端部の流動体を内側に寄せるのではなく、取り除いてシート部材に到達しないようにしている。そのため、流動体の横断方向の幅が狭くなるときでも、横断方向の両端部の流動体が、シート部材の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域において、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。すなわち、搬送方向に搬送される吸収性物品用のシート部材に、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化するパターンで、流動体を配置する方法において、流動体が偏在することを抑制し、装着者に偏在に伴う不快感や違和感を与えることを抑制することが可能となる。
【0013】
[態様2]
前記供給工程は、前記流動体を前記シート部材に向かって落下させる工程を含み、前記除去工程は、前記流動体の落下の途中で、前記横断方向の両端部の流動体を除去する工程を含む、態様1に記載の方法。
本方法では、流動体の落下の途中で流動体を除去しているので、除去されなかった残余の流動体は、シート部材に到達するまでそのまま落下している。そのため、流動体が除去された後の横断方向の両端部の領域に、除去されなかった残余の流動体が回り込むことをより抑制できる。それにより、流動体を配置すべきでない領域に流動体が付着することを抑制しつつ、より適切に、横断方向の両端部の流動体が、シート部材の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域において、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。なお、落下とは、自由落下、及び、気体や液体などの流れに乗じた空間中の落下、斜面の滑落を含む。
【0014】
[態様3]
前記除去工程は、平面視で、前記所定の幅で供給される前記流動体における前記横断方向の中心の位置に対して、前記横断方向の両側に設けられた一対の回収部の各々を、前記パターンにおける前記横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、前記横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断するように移動して、落下を遮られた前記流動体を回収するする回収工程を含む、態様2に記載の方法。
本方法では、一対の回収部の各々を、パターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断するように移動することで、横断方向の両端部の流動体をパターンに応じて遮断、回収(除去)することができる。それにより、より確実に、流動体の横断方向の幅をパターンに応じて狭くすることができると共に、横断方向の両端部の流動体が、シート部材の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域で、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0015】
[態様4]
前記一対の回収部は、平面視で、前記所定の幅で供給される前記流動体に対して前記横断方向の両外側の位置に設けられており、前記回収(除去)工程は、前記一対の回収部の各々を、前記横断方向に沿って互いに近づける及び遠ざけることで、前記横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断する工程を含む、態様3に記載の方法。
本方法では、一対の回収部は、平面視で、供給される流動体に対して、横断方向の両外側の位置に設けられている。したがって、一対の回収部の各々を横断方向に沿って互いに近づける及び遠ざけることで、パターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断することができる。それにより、横断方向の両端部の流動体をパターンに応じて遮断、回収(除去)できる。その際、一対の回収部の各々の間の横断方向の距離をパターンに合わせて調整することで、パターンにおける横断方向の幅の縮小の程度が搬送方向に沿って変動する場合に対応できる。よって、より確実に、流動体の横断方向の幅が狭いパターンを実現できる。
【0016】
[態様5]
前記一対の回収部は、平面視で、前記所定の幅で供給される前記流動体のうちの前記横断方向の両端部の流動体に対して、前記搬送方向の上流側又は下流側の位置に設けられており、前記回収(除去)工程は、前記一対の回収部の各々を、前記搬送方向に沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に移動することで、前記横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断する工程を含む、態様3に記載の方法。
本方法では、一対の回収部は、平面視で、供給される流動体のうちの横断方向の両端部の流動体に対して、搬送方向の上流側又は下流側の位置に設けられている。したがって、一対の回収部の各々を搬送方向に沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に移動することで、パターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断することができる。それゆえ、横断方向の両端部の流動体をパターンに応じて遮断、回収(除去)できる。その際、例えば、平面視で、一方の回収部での横断方向の内側の端部と、他方の回収部での横断方向の内側の端部と、の間の距離が、搬送方向に沿って変化するように、一対の回収部の各々の形状を調整することで、パターンにおける横断方向の幅の縮小の程度が搬送方向に沿って変動する場合にも対応できる。よって、より確実に流動体の横断方向の幅が狭いパターンを実現できる。
【0017】
[態様6]
前記一対の回収部の各々は、前記所定の幅で供給される前記流動体に対して前記横断方向の両外側に位置し、前記搬送方向及び前記横断方向に交差する方向に延びる回転軸を有し、前記回転軸を中心として回転する回転部材を含み、前記回転部材は、前記一対の回収部における一方及び他方の前記回転部材を、前記回転軸を中心として回転するとき、互いの距離が最短となる最近接部分を有し、前記回収(除去)工程は、前記一対の回収部の各々の前記回転部材を回転させて、前記最近接部分を前記横断方向に互いに近付ける及び遠ざけることで、前記横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断する工程を含む、態様3に記載の方法。
本方法では、一対の回収部の各々は、搬送方向及び横断方向に交差する方向(例示:上下方向)に延びる回転軸を有する回転部材を含み、その回転部材は対向する回転部材に対して最近接となる最近接部分を有している。それゆえ、一対の回収部の各々の回転部材を回転させて、最近接部分を横断方向に互いに近付ける及び遠ざけることで、一対の回収部の各々の最近接部分同士の間隔を縮小及び拡大できる。それにより、パターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断することができる。その際、例えば、平面視で、一方の最近接部分における横断方向の内側の端部と、他方の最近接部分における横断方向の内側の端部と、の間の距離が、搬送方向に沿って変化するように、一対の回収部の各々の形状を調整することで、パターンにおける横断方向の幅の縮小の程度が搬送方向に沿って変動する場合にも対応できる。したがって、横断方向の両端部の流動体をパターンに応じて遮断、回収(除去)でき、よって、より確実に、流動体の横断方向の幅が狭いパターンを実現できる。
【0018】
[態様7]
前記一対の回収部の各々は、前記シート部材の前記上下方向の上方に位置し、前記搬送方向及び前記上下方向に交差する方向に延びる回転軸を有し、前記回転軸を中心として回転する回転部材を含み、前記回転部材は、前記一対の回収部における一方及び他方の前記回転部材を、前記回転軸を中心として回転するとき、互いの距離が最短となる最近接部分を有し、前記回収(除去)工程は、前記一対の回収部の各々の前記回転部材を回転させて、前記最近接部分を前記搬送方向に沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に回転移動することで、前記横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断する工程を含む、態様3に記載の方法。
本方法では、一対の回収部の各々は、搬送方向及び上下方向に交差する方向(例示:横断方向)に延びる回転軸を有する回転部材を含み、その回転部材は対向する回転部材に対して最近接となる最近接部分を有している。それゆえ、一対の回収部の各々の間に、最近接部分同士が対面して、間隔が狭い領域を形成できる。したがって、一対の回収部の各々の回転部材を回転させて、最近接部分同士が対面して間隔が狭い領域を搬送方向に沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に回転移動することができる。それにより、パターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向の両端部の流動体の落下を遮断及び非遮断することができる。その際、例えば、平面視で、一方の回収部における横断方向の内側の端部と、他方の回収部における横断方向の内側の端部と、の間の距離が、搬送方向に沿って変化するように、一対の回収部の各々の形状を調整することで、パターンにおける横断方向の幅の縮小の程度が搬送方向に沿って変動する場合にも対応できる。したがって、横断方向の両端部の流動体をパターンに応じて遮断、回収(除去)でき、よって、より確実に、流動体の横断方向の幅が狭いパターンを実現できる。
【0019】
[態様8]
前記回収工程は、前記一対の回収部の各々における回収された前記流動体を、前記一対の回収部の各々に連接された吸引装置により吸引して、前記一対の回収部の各々から取り出す吸引工程を含む、態様3乃至7のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、回収工程において、回収部にて回収された流動体を、回収部に連接された吸引装置により吸引して、回収部から取り出している。そのため、回収部が流動体を蓄積し過ぎて、流動体を途中で回収できなくなり、遮断され、回収されたはずの流動体が再び落下することを抑制できる。したがって、流動体の横断方向の幅が狭くなっても、横断方向の両端部の流動体が、シート部材の両端部やその他の部分に過剰に供給されることをより抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域で、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、より確実に、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0020】
[態様9]
前記吸引工程において、前記流動体を吸引する力は、前記流動体の落下を遮断するときに弱く、前記流動体の落下を非遮断するときに強い、態様8に記載の方法。
本方法では、流動体の落下を遮って流動体を回収するときには吸引する力を弱くし、流動体を回収しないときには吸引する力を強くする。そのため、回収する必要のない流動体まで、回収部を介して吸引してしまうことを抑制できると共に、回収部が流動体を蓄積し過ぎて、流動体を回収し難くなることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域で、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、より確実に、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0021】
[態様10]
前記パターンは、前記流動体を配置すべき配置領域と前記流動体を配置すべきでない非配置領域とを前記搬送方向に沿って交互に有しており、前記除去工程は、前記供給工程により前記横断方向に所定の幅で供給される前記流動体を、前記パターンにおける前記配置領域と前記非配置領域とに対応するように、間欠装置により、前記搬送方向に沿って間欠的に除去する間欠除去工程を更に含み、前記間欠除去工程と前記回収工程とを交互に実行し、前記シート部材上において、前記搬送方向に沿って、前記配置領域に前記流動体が配置され、前記非配置領域に前記流動体が非配置となる、態様3乃至9のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、横断方向に所定の幅で供給される流動体を搬送方向に沿って間欠的に除去することで、流動体の集合体をシート部材上に搬送方向に沿って間欠的に配置できる。その流動体の集合体をシート部材上に形成するとき、供給される流動体を、流動体の集合体における搬送方向の上流側及び下流側の端部に寄せるのではなく、回収(除去)してシート部材に到達しないようにしている。そのため、供給される流動体が、流動体の集合体における搬送方向の上流側や下流側の端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体の集合体において、流動体を搬送方向に比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0022】
[態様11]
前記間欠装置は、平面視で、前記一対の回収部の一方及び他方の間に位置し、前記流動体の前記所定の幅よりも前記横断方向に長い間欠部材を有し、前記間欠除去工程は、前記所定の幅で供給される前記流動体の流れに前記間欠部材を間欠的に横切らせることで、前記流動体を間欠的に除去する工程を含む、態様10に記載の方法。
本方法では、間欠装置が平面視で一対の回収部の各々の間に位置しているので、そのサイズがコンパクトであり、かつ、間欠部材が流動体の流れを間欠的に横切ることで流動体の集合体を間欠的にしているので、その構造が簡易的である。それにより、より確実に、流動体を間欠的に除去することができる。
【0023】
[態様12]
前記供給工程は、水平面に対して傾いた斜面を有する斜面部材であって、前記斜面の下方の端縁が前記横断方向に沿うように前記シート部材の上方に位置する斜面部材において、前記斜面上で、前記流動体を滑落させる工程を含み、前記回収工程は、前記斜面の途中、又は、前記斜面の下方の端縁と前記シート部材との間で、前記横断方向の両端部の流動体を回収する工程を含む、態様3乃至11のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、供給工程にて、流動体は斜面を滑落する。このとき、流動体は、斜面を滑落しつつ、斜面の横断方向に拡がり、横断方向には略均一な坪量を有するようになる。すなわち、回収(除去)工程の前に、流動体を横断方向に略均一に分散させることができる。そして、回収(除去)工程にて、斜面を滑落する途中、又は、斜面の下方の端縁と前記シート部材との間で、横断方向の両端部の流動体を回収(除去)している。すなわち、横断方向に略均一に分散された流動体のうち、両端部の流動体を回収(除去)している。したがって、回収(除去)工程で回収(除去)されなかった残余の流動体の分散性を高めることができる。それにより、横断方向の両端部の流動体が、シート部材の両端部に過剰に供給されることをより抑制でき、シート部材における流動体が配置される領域で、横断方向の幅が搬送方向の位置に応じて変化しても、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0024】
[態様13]
前記斜面部材は、前記斜面の前記横断方向の少なくとも一箇所に位置し、前記斜面の上方から下方へ延びる少なくとも一個のスリット形成部材を含み、前記供給工程は、前記横断方向に所定の幅を有する前記流動体を、前記少なくとも一個のスリット形成部材の前記横断方向の一方側を通るものと他方側を通るものとに分割しつつ、前記斜面上で、滑落させる工程を含み、前記供給される前記流動体のうち、前記少なくとも一個のスリット形成部材に対応する前記シート部材上の位置に、前記流動体が非存在又は相対的に低坪量である少なくとも一個のスリット部が形成される、態様12に記載の方法。
本方法では、流動体をスリット形成部材により横断方向に分割している。
したがって、スリット形成部材が斜面の下方の端縁まで存在する場合、分割された流動体は、シート部材に到達するまで、分割された状態まま落下できる。そのため、スリット形成部材に対応するシート部材上の位置に、流動体が存在しないスリット部を形成できる。そして、スリット部に、分割された流動体が回り込むことを抑制できる。それにより、シート部材における横断方向の少なくとも一箇所に、流動体が非存在のスリット部を形成しつつ、シート部材における横断方向の少なくとも一箇所の両側の領域において、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
一方、スリット形成部材が斜面の下方の途中まで存在する場合、スリット形成部材の下方の端縁から斜面の下方の端縁までの間の領域に少量の流動体が回り込むことができる。それにより、シート部材における横断方向の少なくとも一箇所に、流動体が低坪量で存在するスリット部を形成しつつ、シート部材における横断方向の各箇所の両側の領域において、高吸水性ポリマー粒子を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0025】
[態様14]
平面視で、前記所定の幅で供給される前記流動体の流路における前記横断方向の少なくとも一箇所の位置に設けられた少なくとも一個のスリット用除去部で、前記流動体の落下の途中で、前記横断方向の少なくとも一箇所において、前記流動体を除去し、又は、前記流動体の流路を狭くするスリット用除去工程を更に備え、前記供給される前記流動体のうち、前記少なくとも一個のスリット用除去部に対応する前記シート部材上の位置に、前記流動体が非存在又は相対的に低坪量である少なくとも一個のスリット部が形成される、態様3乃至13のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、スリット用除去部により、所定の幅で供給される流動体の一部を除去し、又は、その流動体の一部の流路を狭くしている。そのため、スリット用除去部に対応するシート部材上の位置に、流動体が存在しない又は相対的に低坪量であるスリット部を形成できる。
そのとき、流動体を除去する場合、スリット部の形成に際し、横断方向の中央部の流動体を外側に寄せるのではなく、除去してシート部材に到達しないようにしている。そのため、横断方向の中央部の流動体が、シート部材の中央部の両側に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、シート部材における流動体が配置される領域において、流動体を比較的均一な坪量で配置して、流動体の機能を比較的均一に生じさせることができる。
一方、流動体の流路を狭くする場合、落下途中にスリット用除去部が存在する流動体を、各スリット用除去部の横断方向の一方側を通るものと他方側を通るものとに分割しつつ、落下させることができる。そのとき、スリット部に、分割された高吸水性ポリマー粒子が回り込むことを抑制できる。それにより、シート部材における横断方向の各箇所に、流動体が非存在又は相対的に低坪量であるスリット部を適切に形成できる。
【0026】
[態様15]
前記回収工程で回収された前記流動体を、前記供給工程で使用される前記流動体として循環させるリサイクル工程を更に備える、態様3乃至14のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、回収工程で吸引され回収された流動体を、供給工程で使用される流動体として循環させている。そのため、回収工程で吸引され回収された流動体を無駄なく使用することができ、製造コストを低減することができる。
【0027】
[態様16]
前記流動体は、吸収性物品の吸収体の吸収コア用の高吸水性ポリマー粒子であり、前記シート部材が前記吸収体用のシート部材である、態様1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、流動体が吸収コア用の高吸水性ポリマー粒子であり、シート部材がコアラップ用のシート部材である。すなわち、吸収コアに対応するパターンにおける横断方向の幅が狭くなるとき(股間部)では、横断方向の両端部の高吸水性ポリマー粒子を内側に寄せるのではなく、取り除いてシート部材に到達しないようにしている。そのため、高吸水性ポリマー粒子の横断方向の幅が狭くなるとき(股間部)でも、横断方向の両端部の高吸水性ポリマー粒子が、シート部材の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、股間部の吸収コアにおける横断方向の両端部の高吸水性ポリマー粒子の坪量が高くて、装着者の両大腿部が圧迫されることを抑制できる。それにより、より確実に、高吸水性ポリマー粒子を比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子の機能を比較的均一に生じさせることができ、高吸水性ポリマー粒子の偏在に伴う不快感や違和感を装着者に与えることを抑制できる。
【0028】
[態様17]
長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向に沿って腹側部、股間部及び背側部に区画され、吸収体を備える吸収性物品であって、前記吸収体は、高吸水性ポリマー粒子を有する吸収コアと、シート部材で形成され、前記吸収コアにおける少なくとも前記厚さ方向の一方を覆うコアラップを含み、前記股間部の前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記腹側部及び前記背側部の前記吸収コアの前記幅方向の長さよりも狭く、前記股間部の前記吸収体は、前記幅方向の中央部に位置し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い高坪量部と、前記高坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い一対の低坪量部と、前記一対の低坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない一対の非含有部と、を含む、吸収性物品。
本吸収性物品では、吸収コアにおける股間部の幅が腹側部及び背側部の幅よりも狭い。そして、その股間部の吸収体には、最も外側に一対の非含有部が位置し、それらの内側に一対の低坪量部が隣接し、それらの内側に高坪量部が隣接している。そのため、高坪量部を配置することで、吸収体の吸収性能を確保できると共に、股間部の幅方向両側に一対の低坪量部と一対の非含有部を配置することで、股間部の吸収体が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることを抑制できる。また、股間部の吸収体の高吸水性ポリマー粒子が排泄物を吸収して膨潤したとき、一対の低坪量部の膨潤の程度は小さく、一対の非含有部は膨潤しないので、股間部の吸収体が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることを抑制できる。
【0029】
[態様18]
前記股間部における前記吸収体は、前記幅方向の少なくとも一箇所に位置し、前記長手方向に沿って前記吸収体の少なくとも前記股間部の領域に配置され、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない、又は、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が相対的に低いスリット部を更に含む、態様17に記載の吸収性物品。
本吸収性物品では、股間部の吸収体の幅方向の少なくとも一箇所に、高吸水性ポリマー粒子を含まない、又は、高吸水性ポリマー粒子の坪量が相対的に低いスリット部を更に含んでいる。そのため、装着者の両大腿部が股間部の吸収体を押圧することがあっても、スリット部が幅方向に収縮することができる。それにより、反作用で股間部の吸収体が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることをより抑制できる。また、股間部の吸収体の高坪量部の高吸水性ポリマー粒子が排泄物を吸収して大きく膨潤したとしても、その膨潤による変形をスリット部が折り畳まれる(又は折れ曲がる)ことで吸収できる。それにより、股間部の吸収体が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることを抑制できる。
【0030】
以下、実施形態に係る吸収性物品について、パンツ型の使い捨ておむつ(以下、単に「パンツ型おむつ」ともいう。)を例として説明する。ただし、吸収性物品の種類はこの例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲を逸脱しない限り、他の種類の吸収性物品でもよい。そのような吸収性物品としては、テープ型おむつ、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティライナーが挙げられる。
【0031】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態について
図1~
図16を参照して説明する。
図1~
図3は実施形態に係るパンツ型おむつ1の構成例を示す図である。
図1及び
図2はそれぞれパンツ型おむつ1を展開した状態を示す平面図及び背面図であり
図3は
図1のIII-III線に沿った断面図である。パンツ型おむつ1は、
図1に示す状態において、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線CLと、長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる幅方向中心線CWとを有する。そして、長手方向中心線CLに近づく向き及び側をそれぞれ幅方向Wの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ幅方向Wの外向き及び外側とする。一方、幅方向中心線CWに近づく向き及び側をそれぞれ長手方向Lの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ長手方向Lの外向き及び外側とする。また、長手方向Lにおける、装着者の腹部に対応するパンツ型おむつ1の端縁(腹側の端縁)に向かう側を長手方向Lの前側ともいい、装着者の背中に対応するパンツ型おむつ1の端縁(背側の端縁)に向かう側を長手方向Lの後側ともいう。また、「平面視」とは長手方向L及び幅方向Wを含む平面に展開した状態のパンツ型おむつ1を厚さ方向Tの上方側から見ることをいい、「平面形状」とは平面視で把握される形状をいう。「平面方向」とは幅方向W及び長手方向Lを含む面と平行な任意の方向である。「肌側」及び「非肌側」とはパンツ型おむつ1が装着者に装着されたときに、厚さ方向Tにおいて相対的に装着者の肌面に近くなる側及び遠くなる側をそれぞれ意味する。これら定義はパンツ型おむつ1だけでなく、パンツ型おむつ1の吸収体やそれらに配置された各資材にも共通に用いる。
【0032】
なお、部材が延びる方向が長手方向Lに沿う、とは、部材が延びる方向が長手方向Lに平行な場合に限らず、部材が延びる方向の長手方向Lの成分が、部材が延びる方向の幅方向Wの成分よりも大きい場合も含む。一方、部材が延びる方向が幅方向Wに沿う、とは、部材が延びる方向が幅方向Wに平行な場合に限らず、部材が延びる方向の幅方向Wの成分が、部材が延びる方向の長手方向Lの成分よりも大きい場合も含む。
【0033】
図1に示すように、パンツ型おむつ1は、長手方向Lにおいて、腹側部(腹側ウエストベルト)2と、背側部(背側ウエストベルト)3と、腹側部2と背側部3との間に位置する吸収性本体10と、を備える。本実施形態では、パンツ型おむつ1は、腹側部2と背側部3との間に位置する股間部4を更に備える。腹側部2は、装着者の腹部に当接する部分である。背側部3は、装着者の尻部又は背部に当接する部分である。吸収性本体10は装着者の股間に当接する部分である。吸収性本体10の長手方向Lの一端部は腹側部2の肌側の面に、他端部は背側部3の肌側の面にそれぞれ積層される。股間部4は、吸収性本体10を非肌側から支持する部分であり、長手方向Lの一端部が腹側部2に、他端部が背側部3にそれぞれ連結される。腹側部2の幅方向Wの両端部2a、2aと、背側部3の幅方向Wの両端部3a、3aとが、それぞれ厚さ方向Tに重なり、長手方向Lに沿って接合されることで、パンツ型おむつ1が形成される。この場合、パンツ型おむつ1では、腹側部2における長手方向Lの外側の端部2eと背側部3における長手方向Lの外側の端部3eとにより装着者の腰が通るウエスト開口部が画定される。また、パンツ型おむつ1では、股間部4における幅方向Wの両側の側部5e、5eにより装着者の脚が通る一対のレッグ開口部が画定される。なお、腹側部2及び背側部3は、両端部2a、2aと両端部3a、3aとが接合する長手方向Lの範囲で画定される部分といえる。
【0034】
本実施形態では、
図1に示す状態で、腹側部2及び背側部3はそれぞれ概ね幅方向Wに拡がる矩形形状を有し、長手方向Lに互いに離間している。股間部4は、腹側部2と背側部3との間に位置し、幅方向Wの両側縁が幅方向Wの内向きに窪んでいる。腹側部2、股間部4及び背側部3は互いに一体的に形成される。別の実施形態は、腹側部2、股間部4及び背側部3は互いに別個に形成される。更に、別の実施形態では、パンツ型おむつ1は、腹側部2及び背側部3を備え、股間部4を備えない。
【0035】
本実施形態では、腹側部2、背側部3及び股間部4は、液不透過性のカバーシート5を備える。カバーシート5は、肌側に位置するカバーシート5aと非肌側に位置するカバーシート5bとを含む。カバーシート5aとカバーシート5bとは厚さ方向Tに積層され、接着剤等で互いに接合される。カバーシート5bの長手方向Lの両端部は、カバーシート5aの長手方向Lの両端部を覆うように、肌側に折り返される。その場合、腹側部2及び背側部3における折り返しの位置のカバーシート5bが、それぞれ腹側部2の端部2e及び背側部3の端部3eを構成する。カバーシート5としては、例えば液不透過性の不織布や合成樹脂フィルムなど、任意の液不透過性シートが挙げられる。カバーシート5の材料としては、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系材料が挙げられる。別の実施形態ではカバーシート5は一枚、又は、三枚以上である。更に別の実施形態ではカバーシート5bは折り返されていない。
【0036】
本実施形態では、腹側部2は、カバーシート5aとカバーシート5bとの間にウェストギャザー用の複数の弾性部材6a、6bを備える。複数の弾性部材6aは、腹側部2における長手方向Lの内側かつ吸収性本体10を挟んで幅方向Wの両側に、吸収性本体10の幅方向Wの端縁を跨ぎつつ幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置される。一方、複数の弾性部材6bは、腹側部2における長手方向Lの外側かつ吸収性本体10から離間して、幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置される。同様に、背側部3は、カバーシート5aとカバーシート5bとの間にウェストギャザー用の複数の弾性部材7a、7bを備える。複数の弾性部材7aは、背側部3における長手方向Lの内側かつ吸収性本体10を挟んで幅方向Wの両側に、吸収性本体10の幅方向Wの端縁を跨ぎつつ幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置される。一方、複数の弾性部材7bは、背側部3における長手方向Lの外側かつ吸収性本体10から離間して、幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置される。複数の弾性部材6a、6b、7a、7bは、ウエスト開口部を伸縮させるものであり、糸ゴムに例示される。
【0037】
本実施形態では、パンツ型おむつ1は、股間部4から背側部3及び腹側部2までの領域において、カバーシート5aとカバーシート5bとの間にレッグギャザー用の複数の弾性部材8を備える。複数の弾性部材8は、主に股間部4における幅方向Wの両端部を長手方向Lに沿って延設されている。複数の弾性部材8は、一対のレッグ開口部をそれぞれ伸縮させるものであり、糸ゴムに例示される。
【0038】
本実施形態では、吸収性本体10は、略矩形の形状を有し、液透過性の表面シート12と、液不透過性の裏面シート13と、表面シート12と裏面シート13との間に位置し、液を吸収・保持する吸収体14と、を含む。表面シート12としては、例えば液透過性の不織布や織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、これらの同種又は異種の組み合わせが挙げられる。裏面シート13としては、例えば液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、これらの同種又は異種の組み合わせなどが挙げられる。吸収体14は、本実施形態では液を吸収し保持する吸収体コアと吸収体コアを内包するコアラップとを含む。吸収コアとしては、例えば高吸水性ポリマー粒子及びパルプ繊維などが挙げられ、コアラップとしては例えば親水性の不織布が挙げられる。吸収体14の詳細は後述される。吸収体14と表面シート12及び裏面シート13とはそれぞれ接着剤により接合され、表面シート12と裏面シート13とはそれらの周縁部分において接着剤により接合される。接着剤は、例えばホットメルト接着剤が挙げられる。吸収性本体10の形状は、長手方向Lに長い形状ならば上記例に限定されず、例えば角が丸い矩形や、短辺が外側に凸曲線の矩形や砂時計型が挙げられる。また、別の実施形態では、裏面シート13が省略され、吸収体14の非肌側の面及び表面シート12の周縁部分の非肌側の面がカバーシート5に接合される。
【0039】
本実施形態では、吸収性本体10は、肌側の表面において、幅方向Wの両側に位置し、長手方向Lに延びる一対のサイドシート17、17を含む。各サイドシート17は、防漏壁16と、固定領域15、15とを有する。固定領域15、15は、サイドシート17における長手方向Lの前側及び後側の端部に位置し、吸収性本体10の肌側の表面に固定される。防漏壁16は、サイドシート17における長手方向Lの前側及び後側の固定領域15、15の間に位置し、吸収性本体10の肌側の表面に幅方向Wの外側の端縁を固定され、幅方向Wの内側の端縁を非固定とされている。この場合、防漏壁16及び固定領域15、15は、例えばサイドシート17の幅方向Wの内側の部分で形成され、サイドシート17の幅方向Wの外側の部分は吸収性本体10に固定される。各防漏壁16は、幅方向Wの内側の端部に、長手方向Lに沿って延びる二本の弾性部材61を含む。弾性部材61は糸ゴムに例示される。別の実施形態では、一対の防漏壁16、16の各々は、幅方向Wの内側の端部を、更に幅方向Wの外側へ折り返される。別の実施形態では弾性部材61は一本、又は、三本以上である。一対の防漏壁16、16の各々は疎水性シート、例えば疎水性不織布で形成される。別の実施形態では、一対の防漏壁16、16の各々は、親水性シート、例えば親水性不織布で形成される。
【0040】
次に、吸収体14について説明する。吸収体14は、液吸収性能及び液保持性能を有する層である。本実施形態では、吸収体14は、一層構造を有する。なお、別の実施形態では、吸収体14は、厚さ方向Tの中間に中間層(シート)を有し、上層と下層とに分割された二層構造である。上層及び下層の少なくとも一方における幅方向Wの長さは、股間部4において腹側部2及び背側部3よりも狭くてもよい。更に別の実施形態では、吸収体14は、三層以上の層を有する多層構造である。
【0041】
本実施形態では、吸収体14は、長手方向Lに延びる略矩形の平面形状を有する。ただし、その形状は特に限定されず、例えば、短辺が円弧状に突出した長方形、角丸長方形、楕円、砂時計型が挙げられる。吸収体14の厚さ方向Tの長さ(厚さ)は、例えば0.5~20mmが挙げられ、長手方向Lの長さ(長さ)は、例えば20~40cmが挙げられ、幅方向Wの長さ(幅)は、例えば5~15cmが挙げられる。吸収体14の坪量は、パンツ型おむつ1に要求される吸収性能に応じて適宜調整され得るが、例えば60~1000g/m2が挙げられる。
【0042】
本実施形態では、吸収体14は、液透過性を有するシートで形成された第1基材44と、第1基材44よりも裏面シート13側に配置され、高吸水性ポリマー粒子を含む吸水材で形成された吸水材45と、吸水材45よりも裏面シート13側に配置され、保水性及び液拡散性を有するシートで形成された第2基材46と、を含む。ただし、吸水材45は、平面視で、第1基材44及び第2基材46より長手方向L及び幅方向Wに小さくなるように配置されている。したがって、吸収体14は、吸収コアとして吸水材45を有し、コアラップとして第1基材44及び第2基材46を有すると見ることができる。すなわち、第1基材44と第2基材46とが吸水材45を厚さ方向Tに挟持し、かつ、第1基材44及び第2基材46の周縁部同士が互いに接合されることで、吸水材45はコアラップ(第1基材44及び第2基材46)に封入される。そのとき、吸水材45は、第1基材44の第2基材46側の表面及び第2基材46の第1基材44側の表面の少なくとも一方に塗布された接着剤により、第1基材44及び第2基材46の少なくとも一方に固定される。なお、別の実施形態では、第1基材44及び第2基材46の周縁部同士のうち、長手方向Lの両端部は互いに非接合であり、それら両端部まで吸水材45が存在する。更に別の実施形態では、コアラップとして、第1基材44及び第2基材46とは別に、それらの内側に吸水材45を包む、例えばティッシュ製のコアラップシートを有する。
【0043】
吸収体14において、股間部4の吸収コアの幅方向Wの長さは、腹側部2及び背側部3の吸収コアの幅方向Wの長さよりも狭くなっている。本実施形態において、吸収コアである吸水材45は、長手方向Lに沿って、腹側対応部41aと、背側対応部41bと、股間対応部41cと、を有する。腹側対応部41aは、長手方向Lの前方に位置し概ね腹側部2に属する。背側対応部41bは、長手方向Lの後方に位置し概ね背側部3に属する(一部は股間部4に属する)。股間対応部41cは、腹側対応部41aと背側対応部41bとの間に位置し、股間部4に属する。そして、股間対応部41cの幅方向Wの長さは、腹側対応部41a及び背側対応部41bの幅方向Wの長さよりも狭い。すなわち、吸水材45は、全体として長手方向Lに延びる略矩形の平面形状を有するが、長手方向Lの中央やや前方寄りの部分、すなわち股間対応部41cが幅方向Wに括れた平面形状を有しており、いわゆる砂時計型の形状を有する。したがって、股間対応部41cの幅方向Wの両外側の端縁は、いずれも幅方向Wの内側に凸な曲線状、例えば円弧状又は弓形状である。よって、吸水材45における装着者の両大腿部の内側の部分に対向する部分が、両大腿部の内側の曲線形状に概ね沿うように括れているので、吸収体14が装着者の両大腿部を内側から押圧することを抑制できる。なお、別の実施形態では、更に、腹側部2及び背側部3の少なくとも一方において、長手方向Lの任意の部分で、吸収コアの幅方向Wの長さが、股間部4の吸収コアの幅方向Wの長さと同様に狭い。その場合、装着者の腹部又は臀部の表面に密着しつつ装着者の体の動きに応じて変形し易くなる。
【0044】
吸水材45における腹側対応部41a、股間対応部41c及び背側対応部41bの長手方向Lの長さとしては、装着者の年齢や性別にもよるが、例えば、吸水材45の長手方向Lの長さ(100%)に対してそれぞれ15~25%、45~55%、25~35%が挙げられる。股間対応部41cの幅方向Wの最小長さとしては、主に吸収体14での大腿部への押圧の抑制の観点から、吸水材45の幅方向Wの最大長さ(100%)に対して、例えば60~90%が挙げられ、65~85%が好ましく、70~80%がより好ましい。
【0045】
本実施形態では、股間対応部41cは、幅方向Wの中央部に位置する高坪量部31と、高坪量部31の幅方向Wの両外側に隣接する一対の低坪量部32、32と、一対の低坪量部32、32の幅方向Wの両外側に隣接する一対の非含有部33、33と、を含む。高坪量部31は、股間対応部41cにおける高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い部分であり、高坪量部31内では高吸水性ポリマー粒子は、概ね均一の坪量で配置される。ここで、概ね同一とは、最大坪量(100%)に対して最小坪量が-30%以内をいう。一対の低坪量部32、32は、股間対応部41cにおける高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い部分である。低坪量部32の高吸水性ポリマー粒子の坪量は、例えば、高坪量部31から非含有部33に向かって減少する。一対の非含有部33、33は、高吸水性ポリマー粒子を含まない部分である。ただし、高吸水性ポリマー粒子を含まないとは、高吸水性ポリマー粒子の坪量が極めて低く、高坪量部31における高吸水性ポリマー粒子の最大坪量の5%以下の坪量をいう。一対の非含有部33、33は、第1基材44及び第2基材46の周縁部同士が互いに接合された部分である。一対の低坪量部32、32の各々は、股間対応部41cの幅方向Wの外側の端縁(幅方向Wの内側に凸な曲線状、例えば円弧状又は弓形状)に沿って、幅方向Wの内側に所定幅を有する略帯状の部分である。ただし、所定幅の大きさは、特に制限されるものではないが、股間対応部41cの長手方向Lの両端部で小さく、中央部で大きくてもよいし、長手方向Lの一方の端部から他方の端部まで概ね同じでもよい。高坪量部31の幅方向Wの両外側に一対の低坪量部32、32が隣接することで、吸水材45における装着者の両大腿部に対向する部分の坪量を小さくでき、吸収体14が両大腿部を内側から押圧することをより抑制できる。なお、腹側対応部41a及び背側対応部41bの高吸水性ポリマー粒子の坪量は、概ね高坪量部31と同じである。
【0046】
なお、別の実施形態では、腹側対応部41a及び背側対応部41bも、高坪量部と、一対の低坪量部と、一対の非含有部と、を含む。ただし、腹側対応部41a及び背側対応部41bの各低坪量部の幅方向Wの長さは、股間対応部41cの各低坪量部32の幅方向Wの長さよりも小さい。言い換えると、腹側対応部41a及び背側対応部41bでは、高吸水性ポリマー粒子の坪量が相対的に高い領域が広く形成される。よって、股間対応部41cの幅方向Wの長さを小さくし、高吸水性ポリマー粒子の坪量を低くすることで、吸収体14による大腿部への押圧を抑制しつつ、腹側対応部41a及び背側対応部41bの高吸水性ポリマー粒子の坪量を高くすることで、排泄物の吸収量の低下を抑制できる。
【0047】
股間対応部41cにおいて、低坪量部32の幅方向Wの長さは、主に吸収体14での大腿部への押圧の抑制の観点から、高坪量部31の幅方向Wの最小長さ(100%)に対して、例えば0より大きく45%以下が挙げられ、5~40%が好ましく、10~30%がより好ましい。
【0048】
本実施形態では、吸収体14は、幅方向Wの中央部に位置し、長手方向Lに沿って吸収体14の一端部から他端部まで延びる、高吸水性ポリマー粒子を含まないスリット部(チャネル)48を更に含む。スリット部48は、平面視で、幅方向中心線CWを跨ぐように連続的かつ直線的な帯状に形成される。スリット部48は、高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い、低坪量な部分であり、高坪量部31(の吸水材45)の高吸水性ポリマー粒子の最大坪量の30%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは5%以下(0%を含む)の坪量を有する部分である。スリット部48が幅方向Wに収縮することができるので、吸収体14による大腿部への押圧を抑制できる。別の実施形態では、スリット部48は、平面視で、間欠的及び/又は曲線的な帯状に形成される。更に別の実施形態では、吸収体14は、長手方向Lに沿って延び、幅方向Wに間隔を空けて並んだ複数(例示:2本)のスリット部48を含む。更に別の実施形態では、吸収体14にスリット部が非存在である。
【0049】
本実施形態では、第1基材44の幅方向Wの両端部は、吸水材45の幅方向Wの両側面を覆いつつ、第2基材46の幅方向Wの両端部における非肌側の表面を覆う。すなわち、吸収体14の幅方向Wの端部における非肌側の表面において、第1基材44の幅方向Wの端部と、第2基材46の幅方向Wの端部とが重ね合わされて接合される。それにより、吸水材45が幅方向Wにおいて吸収体14に封入される。その場合、吸水材45が排泄物を吸収し膨潤して、第1基材44と第2基材46との間の接合が外れても高吸水性ポリマー粒子の封入状態を維持できる。別の実施形態では、第2基材46の幅方向Wの両端部が、第1基材44の幅方向Wの両端部を覆う。更に別の実施形態では、幅方向Wの両端部では、第1基材44及び第2基材46が厚さ方向Tに積層され、接合される。
【0050】
本実施形態では、吸収体14の長手方向Lの両端部では、第1基材44及び第2基材46が厚さ方向Tに積層され、接合される。それにより、吸水材45が長手方向Lにおいて第1基材44と第2基材46とにより吸収体14に封入される。別の実施形態では、吸収体14の長手方向Lの両端部は第1基材44及び第2基材46では覆われない。
【0051】
吸水材45は、上記のように、高吸水性ポリマー粒子(Super Absorbent Polymer;SAP)を含む。高吸水性ポリマー粒子としては、水分を吸収し保持できるポリマー粒子であれば特に制限はない。吸水材45(高坪量部31)の高吸水性ポリマー粒子の坪量は、パンツ型おむつ1に要求される吸収性能に応じて適宜調整され得るが、例えば10~500g/m2が挙げられ、好ましくは100~400g/m2である。吸水材45は、パルプ繊維や吸水性繊維のような親水性繊維を更に有してもよい。吸水材45に対する高吸水性ポリマー粒子の割合は、例えば80~100質量%が挙げられ、好ましくは90~100質量%であり、より好ましくは95~100質量%である。したがって、吸水材45は高吸水性ポリマー粒子を主成分として含むということができ、吸収体14はいわゆるSAPシートということができる。ただし、吸収体14(吸水材45だけでなく、接着剤、第1基材44及び第2基材46を含む)に対する高吸水性ポリマー粒子の割合としては、例えば40~80質量%が挙げられ、好ましくは50~80質量%であり、より好ましくは60~80質量%である。本実施形態では、吸水材45は、高吸水性ポリマー粒子のみで構成され、親水性繊維を含まない。
【0052】
高吸水性ポリマー粒子としては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高分子吸収剤が挙げられる。デンプン系又はセルロース系の高吸水性ポリマー粒子としては、例えば、デンプン-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物が挙げられる。合成ポリマー系の高吸水性ポリマー粒子としては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等が挙げられる。本実施の形態では、ポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)の高吸水性ポリマー粒子が好ましい。また、本実施の形態では、吸収体14において、高吸水性ポリマー粒子の90~100質量%が150~500μmの粒径を有する高吸水性ポリマー粒子から構成されることが好ましい。このような粒径分布を有する高吸水性ポリマー粒子は、粒径が小さく均一であるので、第接着剤に保持されやすい。高吸水性ポリマー粒子の粒径は、JIS R 6002:1998に記載のふるい分け試験方法に準拠して測定される。
【0053】
接着剤としては、高吸水性ポリマー粒子を固定できる接着剤であれば特に限定はなく、例えばホットメルト接着剤が挙げられる。接着剤の塗布のパターンとしては、特に制限はないが、例えば連続的又は間欠的なオメガパターン、スパイラルパターン、ラインパターンが挙げられる。接着剤の坪量は、吸収体14の液体吸収性が著しく低下しないように適宜調整され得るが、例えば各層ごとに3~50g/m2が挙げられる。ただし、各層とは、吸水材45と第1基材44との間の接着剤の層、吸水材45と第2基材46との間の接着剤の層である。
【0054】
第1基材44としては、液透過性を有するシートであれば特に制限はない。第1基材44としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル繊維、又はそれらを組み合わせた繊維から形成される不織布、それらの積層不織布が挙げられる。具体的には、例えば、スパンボンド不織布や、エアスルー不織布や、ティッシュが挙げられる。これらの繊維は公知の方法で親水化処理されていることが好ましい。あるいは、例えば、パルプ繊維やレーヨン繊維のような親水性繊維を親水性バインダで被覆したエアレイド不織布や、上記の親水性繊維と上記の合成繊維とを組み合わせたスパンレース不織布が挙げられる。本実施形態では、液透過性、液保持性を有する、レーヨン繊維及びパルプ繊維を含むスパンレース不織布を用いる。第1基材44の坪量は、例えば10~100g/m2が挙げられる。第1基材44の厚さは、例えば0.1~5mmが挙げられる。
【0055】
第2基材46としては、保水性及び液拡散性を有するシートであれば特に制限はない。第2基材46としては、例えば、ポリアミド繊維のような合成繊維、レーヨン繊維のような再生繊維、綿、パルプ(セルロース)繊維のような天然繊維、又はそれらを組み合わせた繊維から形成される不織布、それらの積層不織布が挙げられる。具体的には、例えば、ナイロンを含むスパンボンド不織布や、レーヨン繊維及び/又はパルプ繊維を含むスパンレース不織布や、ティッシュが挙げられる。レーヨン繊維及び/又はパルプ繊維を含むスパンレース不織布には、ポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維を含んでいてもよい。本実施形態では、レーヨン繊維及びパルプ繊維を含むスパンレース不織布を用いる。第2基材46の坪量は、例えば10~200g/m2が挙げられる。第2基材46の厚さは、例えば0.1~5mmが挙げられる。
【0056】
本パンツ型おむつ1では、吸水材45(吸収コア)における股間部4の幅が腹側部2及び背側部3の幅よりも狭い。そして、その股間部4の吸収体14には、最も外側に一対の非含有部33、33が位置し、それらの内側に一対の低坪量部32、32が隣接し、それらの内側に高坪量部31が隣接している。そのため、高坪量部31を配置することで吸収体14の吸収性能を確保できると共に、股間部4の幅方向Wの両側に一対の低坪量部32、32と一対の非含有部33、33を配置することで、股間部4の吸収体14が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることを抑制できる。また、股間部4の吸収体14の吸水材45の高吸水性ポリマー粒子が排泄物を吸収して膨潤したときでも、一対の低坪量部32、32の膨潤の程度は小さく、一対の非含有部33、33は膨潤しないので、股間部4の吸収体14が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることを抑制できる。
【0057】
本実施形態では好ましい態様として、パンツ型おむつ1は、股間部4の吸収体14の幅方向Wの中央部に、高吸水性ポリマー粒子を含まないスリット部48を更に含んでいる。そのため、装着者の両大腿部が股間部の吸収体14を押圧することがあっても、スリット部48が幅方向Wに収縮することができる。それにより、反作用で股間部4の吸収体14が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることをより抑制できる。また、股間部4の吸収体14の吸水材45の高吸水性ポリマー粒子が排泄物を吸収して大きく膨潤しても、その膨潤による変形をスリット部48が折り畳まれる(又は折れ曲がる)ことで吸収できる。それにより、股間部4の吸収体14の吸水材45が装着者の両大腿部を内側から押圧して装着者に不快感や違和感を与えることをより抑制できる。
【0058】
次に、本実施形態に係るパンツ型おむつ1の製造方法について説明する。本製造方法及びそれに用いる製造装置は、パンツ型おむつ1用の資材や半製品が搬送される搬送方向MDと、搬送方向MDと直交し、搬送面と平行な横断方向CDと、搬送方向MDと横断方向CDとに直交する上下方向TDと、を有する。搬送方向MDのうち、資材等の搬送元の側が上流側であり、搬送先の側が下流側である。また、本実施形態では、パンツ型おむつ1の長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tが、それぞれ製造装置の搬送方向MD、横断方向CD及び上下方向TDに対応するように、資材等が搬送されるものとする。
【0059】
まず、本実施形態に係るパンツ型おむつ1用の高吸水性ポリマー粒子をシート部材に配置する配置装置について説明する。
図4は、実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子の配置装置110の構成例を示す模式図であり、
図4(a)が正面図であり、
図4(b)が側面図である。配置装置110は、供給装置112と、調整装置114と、を備える。供給装置112は、搬送方向MDに第1連続シート部材91を搬送する搬送装置261の搬送面の上方に配置される。供給装置112は、高吸水性ポリマー粒子80(流動体)を、横断方向CDに所定の幅Wcで、上下方向TDの下方に位置する第1連続シート部材91へ向かって供給する。調整装置114は、供給装置112の下方かつ搬送装置261の搬送面の上方に配置される。調整装置114は、供給装置112から供給された高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80を除去することにより、高吸水性ポリマー粒子80の横断方向CDの幅を調整(縮小及び縮小後の拡大)可能である。したがって、供給装置112から供給される高吸水性ポリマー粒子80のうち、調整装置114により高吸水性ポリマー粒子80を除去された残余の高吸水性ポリマー粒子80が、第1連続シート部材91上に配置される。
【0060】
供給装置112は、筐体121と、流動体供給部122と、複数の斜面部材123と、を備える。筐体121は、搬送方向MDに第1連続シート部材91を搬送する搬送装置261の搬送面の上方に配置される。筐体121は、流動体供給部122及び複数の斜面部材123を保持する。本実施形態では、筐体121は、上下方向TDに延びる略直方体の外形を有する筒状の部材で、直方体の一方の互いに対向する二つの面121a、121bが搬送方向MDに面し、他方の互いに対向する二つの面121c、121dが横断方向CDに面するように配置される。上部には空気が流通可能な開口部(図示せず)を有する。
【0061】
流動体供給部122は、筐体121の上部に配置される。流動体供給部122は、リサイクル装置(後述)に蓄積された高吸水性ポリマー粒子80を筐体121へ供給する。本実施形態では、流動体供給部122は、一端部をリサイクル装置(図示されず)に、他端部を筐体121に連結され、横断方向CDに延びる円筒部材122bと、その部材内に位置する螺旋状のスクリュー部材122aと、を備えたスクリューフィーダである。円筒部材122bは、筐体121内の部分に、高吸水性ポリマー粒子80を送出する開口部122cを有している。開口部122cは、横断方向CDに沿って延設されており、横断方向CDに一定の幅を持った帯状に高吸水性ポリマー粒子80を送出する。流動体供給部122は、リサイクル装置に蓄積された高吸水性ポリマー粒子80を、円筒部材122bの一端部で受領し、スクリュー部材122aを回転させて筐体121へ輸送し、開口部122cから筐体121内へ送出する。
【0062】
複数の斜面部材123は、筐体121内における流動体供給部122よりも下方の位置に、上下方向TDに互いに離間して配置される。複数の斜面部材123の各々は、高吸水性ポリマー粒子80を、その斜面で滑落させることで、横断方向CDに概ね均一に分散させて、所定の幅Wcで下方へ供給する。本実施形態では、複数の斜面部材123として、矩形状の板状部材である斜面部材123a~123dが用いられる。斜面部材123aは、上下方向TDにおいて、搬送方向MDの下流側の端縁Sa1が、上流側の端縁Sa2よりも高く位置するように、筐体121内に固定される。斜面部材123bは、上下方向TDにおいて、搬送方向MDの上流側の端縁Sb1が、下流側の端縁Sa2よりも高く、斜面部材123aの端縁Sa1と端縁Sa2との間に位置し、かつ、平面視で、斜面部材123aの上流側の部分と斜面部材123bの下流側の部分とが重なる、ように筐体121内に固定される。斜面部材123cは、上下方向TDにおいて、搬送方向MDの下流側の端縁Sc1が、上流側の端縁Sc2よりも高く、斜面部材123bの端縁Sb1と端縁Sb2との間に位置し、かつ、平面視で、斜面部材123bの下流側の部分と斜面部材123cの上流側の部分とが重なる、ように筐体121内に固定される。斜面部材123dは、上下方向TDにおいて、搬送方向MDの上流側の端縁Sd1が、下流側の端縁Sd2よりも高く、斜面部材123cの端縁Sc1と端縁Sc2との間に位置し、かつ、平面視で、斜面部材123cの上流側の部分と斜面部材123dの下流側の部分とが重なる、ように筐体121内に固定される。よって、斜面部材123a、123cの斜面は、搬送方向MDの上流に向かうに連れ下方に向かうように傾いており、斜面部材123b、123dの斜面は、搬送方向MDの下流に向かうに連れ下方に向かうように傾いている。斜面部材123a~123dの斜面と水平面との角度α1~α4は、例えば10~80°が挙げられ、20~60°が好ましい。角度が小さ過ぎると、高吸水性ポリマー粒子80が滑落し難く、角度が大き過ぎると高吸水性ポリマー粒子80が分散し難くなる。本実施形態では、角度α1~α4は同一である。別の実施形態では、角度α1~α4の少なくとも一つが他と異なる。なお、斜面部材123dは、筐体121の傾いた底部と見ることができる。
【0063】
斜面部材123aは、流動体供給部122から供給された高吸水性ポリマー粒子80をその斜面で滑落させ、端縁Sa2から斜面部材123bへ落下させる。斜面部材123bは、斜面部材123aから落下した高吸水性ポリマー粒子80をその斜面で滑落させ、端縁Sb2から斜面部材123cへ落下させる。斜面部材123cは、斜面部材123bから落下した高吸水性ポリマー粒子80をその斜面で滑落させ、端縁Sc2から斜面部材123dへ落下させる。斜面部材123dは、斜面部材123cから落下した高吸水性ポリマー粒子80をその斜面で滑落させ、端縁Sd2から第1連続シート部材91へ向かって、水平面に対する初期角度α4で落下させる。このとき、少なくとも端縁Sd2では、高吸水性ポリマー粒子80は、面121cと面121dで挟まれた斜面部材123dの横断方向CDの幅=横断方向CDに所定の幅Wcとなっている。
【0064】
調整装置114は、一対の回収部124、124と、中央回収部125と、駆動部130と、を備える。一対の回収部124、124は、筐体121(の斜面部材123d)の下端部における横断方向CDの両側(又は両脇)に、横断方向CDに揺動可能に配置される。一対の回収部124、124は、斜面部材123dの端縁Sd2から落下した直後の高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80を、横断方向CDに揺動して除去する。中央回収部125(間欠装置)は、筐体121(の斜面部材123d)の下端部における搬送方向MDの上流側に、搬送方向MDよりも角度α4傾斜した傾斜方向SDに揺動可能に配置される。中央回収部125は、斜面部材123dの端縁Sd2から落下した直後の高吸水性ポリマー粒子80全体を、上記の傾斜方向SDに揺動して除去する。駆動部130は、一対の回収部124、124用の一対の連結部材130a、130aと、中央回収部125用の連結部材130bを備える。駆動部130は、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変動するパターンに応じて、一対の連結部材130a、130aにより、一対の回収部124、124を横断方向CDに揺動させる。更に、駆動部130は、高吸水性ポリマー粒子80を配置すべき配置領域と高吸水性ポリマー粒子80を配置すべきでない非配置領域とを搬送方向MDに沿って交互に有するパターンに応じて、連結部材130bにより、中央回収部125を上記の傾斜方向SDに揺動させる。
【0065】
駆動部130は、一対の回収部124、124及び中央回収部125に所定の動作をさせることができれば特に制限はないが、例えば、カム機構、リンク機構、又は、それらの組み合わせを実現する手段が挙げられる。本実施形態では、駆動部130は、カム機構として、平面カムの一つである、略円形の板の側面に閉曲線状の溝を形成した正面カム、すなわち回転板カム(図示されず)を用いており、従節として一対の連結部材130a、130a及び連結部材130bを用いている。回転板カムは一対の連結部材130a、130a及び連結部材130bの各々ごとに設けられ、同一の回転軸の周りを同時に回転する。それにより、回転板カムの回転と共に、回転板カムの溝をなぞるようにして一対の連結部材130a、130aが動くことで、一対の回収部124、124が横断方向CDに揺動する。一方、回転板カムの回転と共に、回転板カムの溝をなぞるようにして連結部材130bが動くことで、中央回収部125が上記の傾斜方向SDに揺動する。
【0066】
なお、別の実施形態では、一対の回収部124、124は、斜面部材123dの途中に配置される。その場合、一対の回収部124、124は、斜面部材123dの端縁Sd2から落下する前の斜面上の高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80を、横断方向CDに揺動して除去する。言い換えると、高吸水性ポリマー粒子80の落下の途中で、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80を除去する。
【0067】
図5は、実施形態に係る配置装置の回収部の構成例を模式的に示す斜視図である。一対の回収部124、124の各々は、収容部141と、保持部143と、輸送管144と、を備える。収容部141は、回収部124において横断方向CDの内側に向かって突出した部材であり、上方に開口部142を有し、開口部142に連通する内部空間を有する。保持部143は、回収部124における収容部141に対して横断方向CDの外側に連結した部材であり、収容部141の内部空間に連通する内部空間を有する。輸送管144は、一端を保持部143に連接された管であり、他端を吸引装置(又は空気搬送装置)に連接されている。
【0068】
収容部141は、回収部124が連結部材130aで横断方向CDの内側へ移動すると、横断方向CDに所定の幅Wcで斜面部材123dから落下する高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80b、80bの落下を遮り、開口部142を介して内部空間に収容する。それにより、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80が除去され、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80aの横断方向CDの長さが幅Wcよりも小さくなる(縮小する)。保持部143は、収容部141に収容された高吸水性ポリマー粒子80を、一時的に保持しつつ、輸送管144による吸引に応答して輸送管144へ送出する。それにより、収容部141に収容された高吸水性ポリマー粒子80は、保持部143を介して輸送管144からリサイクル装置(後述)へ送出される。
【0069】
本実施形態では、一対の回収部124、124の各々は、矢印D2に示すように、横断方向CDに揺動して、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80b、80bの落下を遮る。別の実施形態では、一対の回収部124、124の各々は、矢印D1に示すように、搬送方向MDに揺動して、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80b、80bの落下を遮る。ただし、その場合、例えば、平面視で、一対の回収部124、124における横断方向CDの内側の端部同士の距離が、搬送方向MDに沿って変化するように、一対の回収部124、124の各々の平面形状を調整する。それにより横断方向CDの幅の縮小の程度が搬送方向MDに沿って変動するパターンに適用できる。
【0070】
図6は、実施形態に係る配置装置の回収部の各種態様を説明する模式図である。
図6(a)は、一対の回収部124、124の各々を横断方向CDに沿って揺動する態様を示し、
図6(b)及び
図6(c)は、一対の回収部124、124の各々を搬送方向MDに沿って揺動する態様を示す。
【0071】
各回収部124が横断方向CDに沿って揺動する態様としては以下の例が挙げられる。すなわち、
図6(a)の矢印K11又はK13に示すように、駆動部130が、各回収部124よりも上方又は下方に中心が位置する円の円弧に沿って各回収部124を揺動させる場合が挙げられる(揺動往復機構)。あるいは、
図6(a)の矢印K12に示すように、駆動部130が、横断方向CDに平行に各回収部124を揺動させる場合が挙げられる(直線往復機構)。本実施形態では、K11の揺動往復機構を採用している。
【0072】
各回収部124が搬送方向MDに沿って揺動する態様としては、以下の例が挙げられる。
図6(b)の矢印L11又はL13に示すように、駆動部130が、斜面部材123dよりも搬送方向MDの下流側において、各回収部124よりも上方又は下方に中心が位置する円の円弧に沿って各回収部124を揺動させる場合が挙げられる(揺動往復機構)。あるいは、
図6(b)の矢印L12に示すように、駆動部130が、斜面部材123dよりも搬送方向MDの下流側において、搬送方向MDに平行に各回収部124を揺動させる場合が挙げられる(直線往復機構)。あるいは、
図6(c)の矢印L21又はL23に示すように、駆動部130が、斜面部材123dよりも搬送方向MDの上流側において、各回収部124よりも上方又は下方に中心が位置する円の円弧に沿って各回収部124を、揺動させる場合が挙げられる(揺動往復機構)。あるいは、
図6(c)の矢印L22に示すように、駆動部130が、斜面部材123dよりも搬送方向MDの上流側において、搬送方向MDに平行に各回収部124を揺動させる場合が挙げられる(直線往復機構)。
【0073】
図7は実施形態に係る配置装置の中央回収部(間欠部材)の構成例を模式的に示す斜視図である。中央回収部125は、収容部146と、輸送管148と、を備える。収容部146は、中央回収部125において上記の傾斜方向SD(搬送方向MDよりも角度α4傾斜した方向)の下方に向かって突出した部材であり、斜面部材123d側の面に開口部147を有し、開口部147に連通する内部空間を有する。輸送管148は、一端を収容部146に連接された管であり、他端を吸引装置(又は空気搬送装置)に連接されている。
【0074】
収容部146は、中央回収部125が連結部材130bで上記の傾斜方向SDの下側へ移動すると、横断方向CDに所定の幅Wcで斜面部材123dから落下する高吸水性ポリマー粒子80全体の落下を遮り、開口部147で収容する。それにより、高吸水性ポリマー粒子80全体が除去され、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80が無くなる。収容部146は、収容された高吸水性ポリマー粒子80を、一時的に保持しつつ、輸送管148による吸引に応答して輸送管148へ送出する。それにより収容部146に収容された高吸水性ポリマー粒子80は、輸送管148からリサイクル装置(後述)へ送出される。
【0075】
本実施形態では、中央回収部125は、矢印D3に示すように、傾斜方向SDに揺動して、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80全体の落下を遮る。別の実施形態では、中央回収部125は、矢印D4に示すように、傾斜方向SDの垂直な方向に揺動して、下方へ落下する高吸水性ポリマー粒子80全体の落下を遮る。
【0076】
次に、本実施形態に係る吸収体14の製造方法について説明する。
図8は、実施形態に係る吸収体の製造装置及び製造方法を説明する模式図である。まず、搬送装置261により搬送方向MDに第1基材44用の第1連続シート部材91を搬送しつつ、接着剤塗布装置241により第1連続シート部材91に接着剤(例示:ホットメルト接着剤)を塗布する。次いで、上述された配置装置110により、接着剤を塗布された第1連続シート部材91に、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変動するパターンで、高吸水性ポリマー粒子80を配置する。配置方法については後述される。それにより、第1連続シート部材91に層状の高吸水性ポリマー粒子82が積層された半製品P1が形成される。
【0077】
次いで、搬送ロールなどにより、第2基材46用の第2連続シート部材92をロールWR1から巻き戻し、搬送方向MDに搬送しつつ、接着剤塗布装置242により第2連続シート部材92に接着剤を塗布する。次いで、接着剤を塗布された第2連続シート部材92と、半製品P1とを、一対の搬送ロール262、262で挟持する(挟持工程)。それにより、半製品P1に第2連続シート部材92が積層された半製品P2が形成される。
【0078】
次いで、搬送装置263により搬送方向MDに半製品P2を搬送しつつ、折り畳み装置272により半製品P2における第1連続シート部材91の両端部を第2連続シート部材92の両端部の上に折り畳んで、積層物を得る。それにより、複数の吸収体14が搬送方向MDに連結した構成を有する、吸収体の連続体である半製品P3が形成される。その後、吸収体の連続体である半製品P3を個々の吸収体に分割することで吸収体14を得る。
【0079】
次に、吸収体14の吸水材45を配置する方法、すなわち配置装置110により、第1連続シート部材91に高吸水性ポリマー粒子80を所定パターンで配置する配置方法について説明する。
図9~
図13は、実施形態に係る吸収体の製造方法、特に第1連続シート部材91に高吸水性ポリマー粒子80を所定パターンで配置する配置方法を説明する模式図である。ここでは、吸収体14の吸水材45がスリット部48を有さない場合について説明する。また、所定パターンは、横断方向CDの長さ(幅)が搬送方向MDの位置に応じて変動するパターンである。具体的には、所定パターンは、吸収体14の吸水材45の平面形状を示すパターンであり、吸水材45における股間対応部41cの幅が、腹側対応部41a及び背側対応部41bの幅よりも狭いパターンである。更に、所定パターンは、高吸水性ポリマー粒子を配置すべき配置領域ARと高吸水性ポリマー粒子を配置すべきでない非配置領域NARとを搬送方向MDに沿って交互に有するパターンである。このうち、配置領域ARは、平面視で、吸水材45の領域であり、非配置領域NARは、平面視で、搬送方向MDに隣接する吸水材45と吸水材45との間の領域である。
【0080】
本実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子80を所定パターンで配置する配置方法は、第1連続シート部材91における上下方向TDの上方から、高吸水性ポリマー粒子80を、横断方向CDに所定の幅Wcで、第1連続シート部材91へ向かって供給する供給工程と、供給工程により横断方向CDに所定の幅Wcで供給される高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを、所定パターンにおける横断方向CDの幅の縮小に対応するように除去する除去工程と、を備えている。このとき、供給される高吸水性ポリマー粒子80のうち、高吸水性ポリマー粒子80bを除去された残余の高吸水性ポリマー粒子80aが、第1連続シート部材91上に配置される。更に、本実施形態では、除去工程は、平面視で、所定の幅Wcで供給される高吸水性ポリマー粒子80における横断方向CDの中心の位置に対して、横断方向CDの両側に設けられた一対の回収部124、124の各々を、パターンにおける横断方向CDの幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80の落下を遮断及び非遮断するように移動して、落下を遮られた高吸水性ポリマー粒子80を回収する回収工程を含む。ただし、「非遮断する」とは、遮断しないことをいう。
【0081】
本実施形態では、具体的には以下のような工程で実施される。供給工程では、高吸水性ポリマー粒子80を第1連続シート部材91に向かって落下させる。すなわち、流動体供給部122から供給された高吸水性ポリマー粒子80は、斜面部材123aの斜面を滑落し、次いで斜面部材123bの斜面を滑落し、次いで斜面部材123cの斜面を滑落し、次いで斜面部材123dの斜面を滑落する。このとき、高吸水性ポリマー粒子80は、長い距離の斜面(斜面部材123a~123dの四部材分の斜面)を滑落することで、斜面の横断方向CDに概ね均一に分散される。すなわち、高吸水性ポリマー粒子80の厚さが、横断方向CDに概ね均一になる。それにより、斜面部材123dの端縁Sd2において、高吸水性ポリマー粒子80は、筐体121の面121cと面121dで挟まれた斜面部材123dの横断方向CDの幅=横断方向CDに所定の幅Wcとなっている。
【0082】
一つの吸収体14の吸水材45における高吸水性ポリマー粒子は、除去工程により、以下のように配置される。まず、
図9に示す場合、すなわち配置領域ARにおける腹側対応部41a(又は背側対応部41b)の吸水材45を形成する場合、一対の回収部124、124は、横断方向CDにおける最も外側の位置に移動する。それにより、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、概ね所定の幅Wcと等しい幅WcMとなる。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は斜面部材123dの端縁Sd2から落下し始めると同時に、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過して、所定の幅Wcと等しい幅WcMを有する高吸水性ポリマー粒子80aとして、初期角度α4で下方に落下する。それにより、第1連続シート部材91に、腹側対応部41aの吸水材45の幅を有する高吸水性ポリマー粒子82aが配置される。
【0083】
次いで、
図10に示す場合、すなわち配置領域ARにおける股間対応部41cの吸水材45を形成する場合、当初、搬送方向MDに沿って、股間対応部41cの吸水材45の横断方向CDの幅が縮小することに対応して、一対の回収部124、124は、横断方向CDの内側に徐々に移動する。すなわち、一対の回収部の各々124、124は、横断方向CDに沿って互いに近づく。その後、搬送方向MDに沿って、第1吸水材45の横断方向CDの幅が回復(拡幅)することに対応して、一対の回収部124、124は、横断方向CDの外側に徐々に移動する。すなわち、一対の回収部の各々124、124は、横断方向CDに沿って互いに遠ざかる。このように一対の回収部の各々124、124が揺動することで、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、搬送方向MDに沿って、所定の幅Wcよりも小さい幅WcNとなり、かつ、当初は、徐々に縮小し、その後に、徐々拡幅する。したがって、高吸水性ポリマー粒子80が斜面部材123dの端縁Sd2から落下し始めると同時に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが一対の収容部141、141に落下を遮られ、一対の開口部142、142に収容される。一方、横断方向CDの中央部の高吸水性ポリマー粒子80aは、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過して、所定の幅Wcよりも小さい幅WcNを有する高吸水性ポリマー粒子80aとして、初期角度α4で下方に落下する。それにより、第1連続シート部材91に、股間対応部41cの吸水材45の幅を有する高吸水性ポリマー粒子82bが配置される。
【0084】
このとき、高吸水性ポリマー粒子80のうちの、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを一対の収容部141、141に収容しており、横断方向CDの内側の、高吸水性ポリマー粒子80aの両端部に移行し難くしている。すなわち、高吸水性ポリマー粒子80aの横断方向CDの両端部に、高吸水性ポリマー粒子80bが追加されることを抑制している。その結果、高吸水性ポリマー粒子80aは、横断方向CDに概ね均一に分散された状態のまま下方に落下できるので、横断方向CDに概ね均一な坪量で第1連続シート部材91に高吸水性ポリマー粒子82bとして配置される。それにより、高吸水性ポリマー粒子82bのうち、横断方向CDの最も内側に、横断方向CDの坪量が概ね均一な高坪量部31が形成される。その際、横断方向CDの両端部に高吸水性ポリマー粒子80bがほとんど追加されていないので、坪量の均一性を高めることができる。また、その高坪量部31の横断方向CDの外側に、高坪量部31の高吸水性ポリマー粒子82bが少し外側に流れて相対的に低坪量になった低坪量部32が形成される。そのとき、高坪量部31の端部に高吸水性ポリマー粒子80bがほとんど追加されていないため、適切な坪量の低坪量部32を形成できる。そして、その外側に、高吸水性ポリマー粒子82bが存在しない非含有部33が形成される。
【0085】
次いで、
図11に示す場合、すなわち配置領域ARにおける背側対応部41b(又は腹側対応部41a)の吸水材45を形成する場合、一対の回収部124、124は、横断方向CDにおける最も外側の位置に移動する。それにより、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、概ね所定の幅Wcと等しい幅WcMとなる。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は斜面部材123dの端縁Sd2から落下し始めると同時に、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過して、所定の幅Wcと等しい幅WcMを有する高吸水性ポリマー粒子80aとして、初期角度α4で下方に落下する。それにより、第1連続シート部材91に、背側対応部41bの第1吸水材45の幅を有する高吸水性ポリマー粒子82aが配置される。
【0086】
次いで、
図12に示す場合、すなわち非配置領域NARを形成する場合、一対の回収部124、124が横断方向CDにおける最も外側の位置に移動すると共に、中央回収部125が傾斜方向SDにおける最も下側の位置に移動する。それゆえ、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は概ね所定の幅Wcと等しい幅WcMとなり、収容部146の下側の端縁は斜面部材123dの端縁Sd2から幅Pdだけはみ出す。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は斜面部材123dの端縁Sd2から落下し始めると同時に、収容部146に落下を遮られ、開口部147に収容される。それにより、第1連続シート部材91に、背側対応部41bの吸水材45の下流側に非配置領域NARが形成される。その後、中央回収部125が傾斜方向SDにおける最も上側の位置に移動する(間欠除去工程)。このように、高吸水性ポリマー粒子80を搬送方向MDに沿って間欠的に除去することで、非配置領域NARと配置領域NAとを搬送方向MDに交互に形成できる。
【0087】
その後、次の吸収体14の吸水材45における高吸水性ポリマー粒子の配置が開始される。すなわち、
図13(実質的に
図9と同じ)に示すように、配置領域ARにおける腹側対応部41aの吸水材45を形成する場合、一対の回収部124、124は、横断方向CDにおける最も外側の位置に移動する。以下、
図9の場合と同様である。そして、その後の工程は、
図9~
図12に示す工程と同様である。
【0088】
なお、本実施形態では、
図9、
図11、
図13の工程において、高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮って高吸水性ポリマー粒子80bを除去した後、除去された高吸水性ポリマー粒子80bを吸引する。すなわち、一対の収容部141、141が高吸水性ポリマー粒子80bを遮って収容する動作をしていないとき、除去されて収容部141又は保持部143に収容又は保持された高吸水性ポリマー粒子80bを、輸送管144を介して吸引する。吸引により、収容部141及び保持部143が高吸水性ポリマー粒子80で満杯になることを防止できる。
【0089】
別の実施形態では、
図10、
図12の工程において、高吸水性ポリマー粒子80bを除去しながら、高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮りつつ、高吸水性ポリマー粒子80bを吸引しながら除去する。すなわち、一対の収容部141、141が高吸水性ポリマー粒子80bを遮って収容する動作をしているときに、除去されて収容部141又は保持部143に収容又は保持された高吸水性ポリマー粒子80bを、輸送管144を介して吸引する。その場合、吸引に伴う空気の流れで、高吸水性ポリマー粒子80bを収容部141にて十分に吸引し、収容できる。
【0090】
なお、本実施形態では、斜面部材123の直下で高吸水性ポリマー粒子80bを遮って収容する動作をしている。しかし、高吸水性ポリマー粒子80の落下の途中で、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを除去していれば、本発明はその例に限定されない。例えば、斜面部材123の斜面の途中の領域、又は、斜面部材123dの端縁Sd2から下方に離間した領域で、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを除去してもよい。ただし、落下とは、自由落下、及び、気体や液体などの流れに乗じた空間中の落下、斜面での滑落を含む。
【0091】
次に、上記のように作製された吸収体14を用いたパンツ型おむつ1の製造方法について説明する。上記のように作製された吸収体14の上面(第1基材44の表面)に、防漏壁16付きサイドシート17用の連続サイドシート部材を横断方向CDの両側に備える、表面シート12用の連続表面シート部材を貼り付ける。一方、吸収体14の下面(第2基材46の表面)に裏面シート13用の連続裏面シート部材を貼り付ける。それにより、吸収性本体10が搬送方向MDに連結した構成を有する、吸収性本体10の連続体が形成される。次いで、吸収性本体10の連続体を、個々の吸収性本体10に分割することで、吸収性本体10を得る。次いで、吸収性本体10をカバーシート5(弾性部材6、7、8を含む)上に貼り付け、腹側部2の幅方向Wの両端部2a、2aと背側部3の幅方向Wの両端部3a、3aとを接合する。それにより、パンツ型おむつ1が製造される。
【0092】
以上のようにして、最終的にパンツ型おむつ1が製造される。
【0093】
本方法では、シート部材、すなわち第1連続シート部材91における上下方向TDの上方から、流動体、すなわち高吸水性ポリマー粒子80を、横断方向CDに所定の幅Wcで、いわば横断方向CDに一つながりで、第1連続シート部材91へ向かって供給する。それと共に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを、所定のパターンの横断方向CDの幅の縮小に応じて除去する。すなわち、本方法では、高吸水性ポリマー粒子80が配置される領域の横断方向CDの幅を小さくするときには、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを内側に寄せるのではなく、取り除いて第1連続シート部材91に到達しないようにしている。そのため、高吸水性ポリマー粒子80の横断方向CDの幅が狭くなるときでも、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが、第1連続シート部材91の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における高吸水性ポリマー粒子80が配置される領域において、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変化しても、高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子80の機能を比較的均一に生じさせることができる。すなわち、搬送方向MDに搬送される吸収性物品用のシート部材に、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変化するパターンで、高吸水性ポリマー粒子を配置する方法において、高吸水性ポリマー粒子80が偏在することを抑制し、装着者に偏在に伴う不快感や違和感を与えることを抑制することが可能となる。ただし、本方法において、シート部材は第1連続シート部材91に限定されず、他のシート部材、例えばトップシート用、コアラップ用又はセカンドシート用のシート部材であってもよい。また、本方法において、流動体は高吸水性ポリマー粒子80に限定されず、他の流動体、例えば活性炭、温感剤及び漢方薬のような粉粒体や、消臭剤、香料、改質剤及び抗菌剤のような液体であってもよい。
【0094】
本実施形態では好ましい態様として、高吸水性ポリマー粒子80の落下の途中で高吸水性ポリマー粒子80bを除去しているので、除去されなかった残余の高吸水性ポリマー粒子80aは、第1連続シート部材91に到達するまでそのまま落下している。そのため、高吸水性ポリマー粒子80bが除去された後の横断方向CDの両端部の領域に、除去されなかった残余の高吸水性ポリマー粒子80aが回り込むことをより抑制できる。それにより、高吸水性ポリマー粒子80を配置すべきでない領域に高吸水性ポリマー粒子80が付着することを抑制しつつ、より適切に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが、第1連続シート部材91の両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における高吸水性ポリマー粒子80aが配置される領域において、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変化しても、高吸水性ポリマー粒子80aを比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子80の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0095】
本実施形態では好ましい態様として、一対の回収部124、124の各々を、パターンにおける横断方向CDの幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断するように移動して、落下を遮られた前記流動体を回収する(回収工程)。すなわち、横断方向VDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bをパターンに応じて遮断、回収(除去)できる。それにより、より確実に、高吸水性ポリマー粒子80aの横断方向CDの幅をパターンに応じて狭くすることができると共に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが、第1連続シート部材91の横断方向CDの両端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における高吸水性ポリマー粒子80aが配置される領域で、横断方向CDの幅が搬送方向MDの位置に応じて変化しても、高吸水性ポリマー粒子80aを比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子80の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0096】
本実施形態では好ましい態様として、一対の回収部124、124は、平面視で、供給される高吸水性ポリマー粒子80に対して、横断方向CDの両外側の位置に設けられる。したがって、一対の回収部124、124の各々を横断方向CDに沿って互いに近づける及び遠ざけることで、所定のパターンにおける横断方向CDの幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。それにより、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80をパターンに応じて遮断、回収(除去)できる。その際、一対の回収部124、124の各々の間の横断方向CDの距離をパターンに合わせて調整することで、横断方向CDの幅の縮小の程度が搬送方向MDに沿って変動するパターンに対応できる。
【0097】
別の実施形態として、本方法では、一対の回収部124、124は、平面視で、供給される高吸水性ポリマー粒子80のうちの横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80に対して、搬送方向MDの上流側又は下流側の位置に設けられる。したがって、一対の回収部124、124の各々を搬送方向MDに沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に移動することで、所定のパターンにおける横断方向CDの幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。それにより、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bをパターンに応じて遮断、回収(除去)できる。その際、例えば、平面視で、一方の回収部124における横断方向CDの内側の端部と、他方の回収部124における横断方向の内側の端部と、の間の距離が、搬送方向MDに沿って変化するように、一対の回収部124の各々の形状を調整することで、横断方向CDの幅の縮小の程度が搬送方向MDに沿って変動するパターンにも対応できる。
【0098】
別の実施形態として、斜面部材123のうち、少なくとも斜面部材123dは、斜面の横断方向CDの少なくとも一箇所に位置し、斜面の上方から下方へ延びる少なくとも一個のスリット形成部材(図示されず)を含む。その場合、横断方向CDに所定の幅Wcを有する高吸水性ポリマー粒子を、各スリット形成部材の横断方向CDの一方側を通るものと他方側を通るものとに分割しつつ、斜面上で、滑落させることができる。その場合、高吸水性ポリマー粒子のうち、少なくとも一個のスリット形成部材に対応する第1連続シート部材91上の位置に、高吸水性ポリマー粒子が非存在又は相対的に低坪量である少なくとも一個のスリット部48を形成できる。
そのとき、スリット形成部材が斜面の下方の端縁まで存在する場合、スリット部48に、分割された高吸水性ポリマー粒子が回り込むことを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における横断方向CDの少なくとも一箇所に、高吸水性ポリマー粒子が非存在であるスリット部48を形成しつつ、第1連続シート部材91における横断方向CDの各箇所の両側の領域において、高吸水性ポリマー粒子を比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子の機能を比較的均一に生じさせることができる。
一方、スリット形成部材が斜面の下方の途中まで存在する場合、スリット形成部材の下方の端縁から斜面の下方の端縁までの間の領域に少量の高吸水性ポリマー粒子が回り込むことができる。それにより、第1連続シート部材91における横断方向CDの少なくとも一箇所に、高吸水性ポリマー粒子が低坪量で存在するスリット部48を形成しつつ、第1連続シート部材91における横断方向CDの各箇所の両側の領域において、高吸水性ポリマー粒子を比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子の機能を比較的均一に生じさせることができる。
【0099】
更に別の実施形態として、平面視で、記所定の幅Wcで供給される高吸水性ポリマー粒子の流路における横断方向CDの少なくとも一箇所の位置に設けられた少なくとも一個のスリット用除去部(図示されず)で、高吸水性ポリマー粒子の落下の途中で、横断方向CDの少なくとも一箇所において、高吸水性ポリマー粒子を回収、除去し、又は、高吸水性ポリマー粒子の流路を狭くする。その場合、高吸水性ポリマー粒子のうち、少なくとも一個のスリット用除去部に対応する第1連続シート部材91上の位置に、高吸水性ポリマー粒子が非存在又は相対的に低坪量である少なくとも一個のスリット部48を形成できる。
そのとき、高吸水性ポリマー粒子を回収、除去する場合には、スリット部48の形成に際し、横断方向CDの中央部の高吸水性ポリマー粒子を外側に寄せるのではなく、除去して第1連続シート部材91に到達しないようにしている。そのため、横断方向CDの各箇所の高吸水性ポリマー粒子が、第1連続シート部材91の各箇所の両側に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における高吸水性ポリマー粒子が配置される領域において、高吸水性ポリマー粒子を比較的均一な坪量で配置して、高吸水性ポリマー粒子の機能を比較的均一に生じさせることができる。
一方、高吸水性ポリマー粒子の流路を狭くする場合には、落下途中にスリット用除去部が存在する高吸水性ポリマー粒子を、各スリット用除去部の横断方向CDの一方側を通るものと他方側を通るものとに分割しつつ、落下させることができる。そのとき、スリット部48に、分割された高吸水性ポリマー粒子が回り込むことを抑制できる。それにより、第1連続シート部材91における横断方向CDの各箇所に、高吸水性ポリマー粒子が非存在又は相対的に低坪量であるスリット部48を適切に形成できる。
【0100】
本実施形態では好ましい態様として、除去工程において、一対の回収部124、124、中央回収部125及びスリット用除去部(図示されず)で回収された高吸水性ポリマー粒子は、供給工程で使用される高吸水性ポリマー粒子として再循環(リサイクル)される。
図14は、本実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子のリサイクル装置300の構成例を模式的に示す図である。リサイクル装置300では、まず、供給装置112から供給され、調整装置114で一対の回収部124、124及び中央回収部125で回収された(回収工程)高吸水性ポリマー粒子は、空気搬送装置312により、輸送管144、148、311aを介して吸引されつつ、輸送管311bを介して分離機313へ供給される。高吸水性ポリマー粒子は、分離機313により、空気と分離されて、高吸水性ポリマー粒子供給タンク314に貯蔵される。高吸水性ポリマー粒子は、空気搬送装置322により、輸送管321aを介して吸引されつつ、輸送管321bを介して分離機323へ供給される。高吸水性ポリマー粒子は、分離機323により、空気と分離されて、高吸水性ポリマー定量送出装置324に供給される。それにより、一対の回収部124、124及び中央回収部125で回収された高吸水性ポリマー粒子は、再び、流動体供給部122により、供給装置112に所定流量で供給される。そのため、除去工程で吸引され回収された高吸水性ポリマー粒子を無駄なく使用することができ、製造コストを低減することができる。
【0101】
なお、一対の回収部124、124の形態は、
図5の構成に限定されず、他の構成を有してもよい。
図15及び
図16は、別の実施形態に係る配置装置の一対の回収部の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【0102】
図15に示すように、一対の回収部124a、124aの各々は、所定の幅Wcで供給される高吸水性ポリマー粒子80に対して横断方向CDの両外側に位置し、搬送方向MD及び横断方向CDに交差する方向に延びる回転軸Ox1を有する。各回収部124aは、回転軸Ox1を中心として回転する回転部材、すなわち保持部143aを含む。保持部(回転部材)143aは、一対の回収部124a、124aにおける一方及び他方の保持部(回転部材)143a、143aを、回転軸Ox1を中心として回転するとき、互いの距離が最短となる最近接部分、すなわち収容部141aを有する。収容部141aの上面には、収容部141aの内部空間へ連通する開口部142aが設けられている。そして、回収(除去)工程では、一対の回収部124a、124aの一対の保持部(回転部材)143a、143aを回転させて、収容部(最近接部分)141a同士を横断方向CDに互いに近付ける及び遠ざけることで、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。すなわち、所定のパターンにおける横断方向CDの幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。その際、例えば、平面視で、一対の収容部(最近接部分)141a、141aにおける横断方向CDの内側の端部同士の間の距離が、搬送方向MDに沿って変化するように、一対の回収部124a、124aの各々の形状を調整することで、横断方向CDの幅の縮小の程度が搬送方向MDに沿って変動するパターンにも対応できる。
【0103】
また、
図16に示すように一対の回収部124b、124bの各々は、第1連続シート部材91の上下方向TDの上方に位置し、搬送方向MD及び上下方向TDに交差する方向に延びる回転軸Ox2を有する。各回収部124bは、回転軸Ox2を中心として回転する回転部材、すなわち保持部143bを含む。保持部(回転部材)143bは、一対の回収部124b、124bにおける一方及び他方の保持部(回転部材)143bを、回転軸Ox2を中心として回転するとき、互いの距離が最短となる最近接部分、すなわち収容部141bを有する。収容部141bの上面には、収容部141bの内部空間へ連通する開口部142bが設けられている。そして、回収(除去)工程では、一対の回収部124b、124bの一対の保持部(回転部材)143b、143bを回転させて、収容部(最近接部分)141b同士を搬送方向MDに沿って下流側及び上流側、又は、上流側及び下流側に回転移動することで、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。すなわち、所定のパターンにおける横断方向の幅の縮小及び拡大に対応して、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bの落下を遮断及び非遮断することができる。その際、例えば、平面視で、一対の収容部(最近接部分)141b、141bにおける横断方向CDの内側の端部同士の間の距離が、搬送方向MDに沿って変化するように、一対の回収部124b、124bの各々の形状を調整することで、横断方向CDの幅の縮小の程度が搬送方向MDに沿って変動するパターンにも対応できる。
【0104】
本実施形態では好ましい態様として、供給工程において、高吸水性ポリマー粒子80は斜面を滑落している。このとき、高吸水性ポリマー粒子80は、斜面を滑落しつつ、斜面の横断方向に拡がって、横断方向CDには概ね均一な坪量を有するようになる。すなわち、回収(除去)工程の前に、高吸水性ポリマー粒子80を横断方向CDに略均一に分散させることができる。そして、回収(除去)工程において、横断方向CDに略均一に分散された高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを回収(除去)している。したがって、回収(除去)工程で回収(除去)されなかった残余の高吸水性ポリマー粒子80aの分散性を高めることができる。それにより、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが、第1連続シート部材91の両端部に過剰に供給されることをより抑制でき、高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置できる。
【0105】
本実施形態では好ましい態様として、高吸水性ポリマー粒子80を除去するとき、高吸水性ポリマー粒子80を吸引しながら除去する。そのため、除去が不十分で、除去したはずの高吸水性ポリマー粒子80が再び落下することを抑制できる。よって、高吸水性ポリマー粒子80の横断方向CDの幅が狭くなっても、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80が、第1連続シート部材91の両端部やその他の部分に過剰に供給されることをより抑制でき、高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置できる。
【0106】
本実施形態では好ましい態様として、高吸水性ポリマー粒子80の落下を遮って高吸水性ポリマー粒子80を除去した後に、除去された高吸水性ポリマー粒子80を吸引する。そのため、除去する必要のない高吸水性ポリマー粒子80まで吸引して除去してしまうことを抑制できると共に、除去した高吸水性ポリマー粒子80が除去手段に蓄積して、高吸水性ポリマー粒子80が除去し難くなることを抑制できる。それにより、高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置できる。この場合、本方法は、吸引工程を有しており、吸引工程において、高吸水性ポリマー粒子80を吸引する力は、高吸水性ポリマー粒子80の落下を遮断するときに弱く(例示:吸引力なし)、高吸水性ポリマー粒子80の落下を非遮断するときに強い(例示:吸引力あり)、ということができる。
【0107】
本実施形態では好ましい態様として、横断方向CDに所定の幅Wcで供給される高吸水性ポリマー粒子80を搬送方向MDに沿って間欠的に除去する。それゆえ、高吸水性ポリマー粒子80の集合体を第1連続シート部材91上に搬送方向MDに沿って間欠的に配置できる。その高吸水性ポリマー粒子80の集合体を第1連続シート部材91上に形成するとき、供給される高吸水性ポリマー粒子80を、高吸水性ポリマー粒子80の集合体における搬送方向MDの上流側及び下流側の端部に寄せるのではなく、除去(回収)して第1連続シート部材91に到達しないようにしている。そのため、供給される高吸水性ポリマー粒子80が、高吸水性ポリマー粒子80の集合体における搬送方向の上流側や下流側の端部に過剰に供給されることを抑制できる。それにより、高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置できる。
【0108】
本実施形態では好ましい態様として、第1連続シート部材91に、第2連続シート部材92を積層することにより、第1連続シート部材91と第2連続シート部材92とで高吸水性ポリマー粒子80を挟持している。そのため、第1連続シート部材91上の所定パターンの高吸水性ポリマー粒子80の移動を第2連続シート部材92で抑制することができる。それにより、第1連続シート部材91に高吸水性ポリマー粒子80を比較的均一な坪量で配置した後に、高吸水性ポリマー粒子80が移動するなどして、高吸水性ポリマー粒子80が偏在する領域が生じてしまうことを抑制できる。
【0109】
[第2実施形態]
以下、説明する。
第2実施形態は、主に配置装置110の構成が第1実施形態と相違する。以下では、
図17~
図26等を参照し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
【0110】
本実施形態に係るパンツ型おむつ1用の高吸水性ポリマー粒子をシート部材に配置する配置装置について説明する。
図17は、実施形態に係る高吸水性ポリマー粒子の配置装置110の他の構成例を模式的に示す斜視図である。配置装置110は、高吸水性ポリマー粒子80(流動体)を第1連続シート部材91へ供給する供給装置112と、供給される高吸水性ポリマー粒子80の横断方向CDの幅を調整(縮小及び縮小後に拡大)する調整装置114と、を備える。調整装置114は、一対の回収部124、124と、間欠装置425と、駆動部130(130a、130bなど)と、を備える。
【0111】
図18は、実施形態に係る供給装置112の他の構成例を模式的に示す斜視図である。供給装置112は、基本的に第1実施形態のものと同じ構成、すなわち、筐体121と、流動体供給部122と、複数の斜面部材123(
図4、
図21参照)と、を備える。ただし、本実施形態の供給装置112は、筐体121が下部に筒状部材121exを有する点、及び、筐体121の上部及び下部(筒状部材121ex)にそれぞれ開口部121w1及び開口部121w2を有する点で、第1実施形態の供給装置112と相違する。高吸水性ポリマー粒子80は、流動体供給部122から筐体121に供給され、複数の斜面部材123を滑落して、筒状部材121exから送出される。
【0112】
筒状部材121exは、筐体121の下端(斜面部材123dの端縁)から落下する高吸水性ポリマー粒子80の流路を囲む部材であり、高吸水性ポリマー粒子80の周囲への飛散を防止する。なお、落下する高吸水性ポリマー粒子80の流路を部分的に狭めるために使用することもできる。流路を部分的に狭める例については後述される(
図25~
図26)。
【0113】
開口部121w1は、筐体121の面121a、面121d及び面121b(
図4参照)に形成された窓状の開口である。開口部121w2は、筒状部材121exにおける、上記の面121a、面121d及び面121bに対応する三面に形成された窓状の開口である。開口部121w1及び開口部121w2は、高吸水性ポリマー粒子80を搬送方向MDに沿って間欠的に除去する間欠装置425の部材が筐体121を略搬送方向MDに横切るための通路である。間欠装置425については後述される(
図20)。
【0114】
図19は、実施形態に係る調整装置114の一対の回収部124、124の他の構成例を模式的に示す斜視図である。一対の回収部124、124は、筐体121(の筒状部材121ex)の下端における横断方向CDの両側(又は両脇)に、横断方向CDに揺動可能に配置される。一対の回収部124、124は、筒状部材121exの下端から落下した直後の高吸水性ポリマー粒子80のうち、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80を、横断方向CDに揺動して回収し、除去する。回収部124は、基本的に第1実施形態のものと同じ構成、すなわち、収容部141と輸送管144と、を備える。ただし、輸送管144(144a、144b)は、フランジFJ(FJa、FJb)を含む。なお、本実施形態の回収部124では保持部143は省略される。
【0115】
開口部142を有する収容部141は、搬送方向MDに延びる輸送管144aに連接される。輸送管144aは、フランジFJa、FJbを介して輸送管144bに連接される。したがって、収容部141に回収された高吸水性ポリマー粒子80は、輸送管144a、144bを介して吸引装置(又は空気搬送装置)に吸引され得る。ただし、フランジFJaとフランジFJbとは、互いに摺動可能に連接される。したがって、フランジFJaとフランジFJbとが互いに摺動することで、輸送管144aと輸送管144bとは互いに連接されたり、されなかったりする、すなわち、収容部141は吸引されたり、されなかったりする。フランジFJaとフランジFJbとが接する面には、密接しつつ摺動可能な摺動材が配置されている。
【0116】
駆動部130は、一対の回収部124、124用の一対の動力部130CD、130CDと、一対の連結部材130a、130aと、を備え、各連結部材130aは、本体130a1と、支持体130a2と、を含む。本体130a1は、支点FP、力点EP及び作用点LPを有する。本体130a1は、支点FPではベアリング等で回転可能に製造装置に固定され、力点EPではベアリング等で回転可能に支持体130a2の一端に固定され、作用点LPでは輸送管144aの途中の部分に固定される。支持体130a2の他端は、ベアリング等でモーター等の動力部130CDに回転可能に固定される。ただし、動力部130CDのモーターの回転軸と、支持体130a2の他端のベアリングの回転軸とは互いに平行だがずれている。
【0117】
動力部130CDが回転すると、その回転軸の周りを支持体130a2の他端が回転する。それにより、平面視で、支持体130a2の一端が横断方向CDに揺動して、本体130a1の力点EPを横断方向CDに揺動させる(矢印G1)。その結果、作用点LPに固定された輸送管144aが横断方向CDに揺動して、回収部124を横断方向CDに揺動させる(矢印G2)。なお、駆動部130は、一対の回収部124、124に所定の動作をさせることができれば上記の例に限定されず、例えば、カム機構、リンク機構、又は、それらの組み合わせなどであってもよい。
【0118】
図20は、実施形態に係る間欠装置425の構成例を模式的に示す斜視図である。
図20(a)は全体図であり、
図20(b)は部分拡大図である。間欠装置425は、配置領域と非配置領域とを搬送方向MDに沿って交互に有するパターンに応じて、高吸水性ポリマー粒子80を搬送方向MDに沿って間欠的に除去する。
【0119】
間欠装置425は、横断方向CDに平行に配置された一対の円環部材445、445と、一対の円環部材445、445間に架け渡され、円環部材の円周に沿って間隔を空けて配置された複数の間欠部材446と、を備える。間欠部材446と間欠部材446との間には、開口部447が形成されている。一方の円環部材445には同心の円板448が接合され、円板448が同心の軸の周りを回転することで、複数の間欠部材446を含む一対の円環部材445、445が、その軸の周りを回転する。
【0120】
間欠部材446は、高吸水性ポリマー粒子80の所定の幅Wcよりも横断方向CDに長い。間欠部材446の形状は略三角柱であり、円環部材445の周方向に対して角度αで傾く面446S1と、円環部材445の周方向に対して垂直な面446S2と、円環部材445の周方向に対して略平行な面446S3と、を有する。ただし、角度αは、0°より大きく、90°より小さく、高吸水性ポリマー粒子80の除去効率の観点から、好ましくは20°以上、80°以下、より好ましくは30°以上、70°以下である。面446S1は、一対の円環部材445、445が回転するとき、前面側の面である。なお、間欠部材446の形状は略三角柱でなくてもよく、円環部材445の周方向に対して角度αで傾く面446S1があれば、他の形状でもよい。
【0121】
駆動部130は、間欠装置425用の動力部130MDと、連結部材130bと、を備える。連結部材130bは、一端をモーター等の動力部130MDに回転可能に同心に固定され、他端を円板448の中心に連結される。動力部130MDが回転すると、連結部材130bが回転する。それにより、円板448が回転することで、一対の円環部材445、445が回転する(矢印R1)。そのとき、複数の間欠部材446の各々及び複数の開口部447の各々は、上方で筐体121の開口部121w1を順次通過し、下方で筐体121(筒状部材121ex)の開口部121w2を順次通過する。
【0122】
図17に示すように、間欠装置425は、一対の円環部材445、445等の搬送方向MDの上流側に、一対の円環部材445、445等を覆う間欠回収部450を更に備える。間欠回収部450は、間欠部材446に衝突して搬送方向MDの上流側(回転方向)に弾き飛ばされた高吸水性ポリマー粒子80を回収する間欠筐体451と、間欠筐体451の底部に配置され、孔部453を有し、孔部453を介して高吸水性ポリマー粒子80を吸引する回収管452と、を含む。
【0123】
図21は、実施形態に係る配置装置110での高吸水性ポリマー粒子80の動きを示す模式図である。高吸水性ポリマー定量送出装置324から流動体供給部122へ送出された高吸水性ポリマー粒子80は、流動体供給部122から筐体121へ供給される。流動体供給部122から筐体121へ供給された高吸水性ポリマー粒子80は、斜面部材123a、123b、123c、123dを順次滑落しつつ、横断方向CDに概ね均一に分散されて、所定の幅Wcとなる。所定の幅Wcの高吸水性ポリマー粒子80は、斜面部材123dから筒状部材121exへ落下する。そして、第1連続シート部材91に形成されるパターンに応じ、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bは、一対の回収部124、124の各々の収容部141に回収され、輸送管144a、144bへ吸引される。一方、残余の高吸水ポリマー粒子80aは第1連続シート部材91に配置される。
【0124】
図22は、実施形態に係る配置装置110の一対の回収部124、124の動きを説明するための模式図である。
図22(a)~(c)は、それぞれ製造方法の
図9~
図11の工程における一対の回収部124、124の状態である。
【0125】
図22(a)に示すように、一対の収容部141、141は、横断方向CDにおける最も外側の位置に移動する。それにより、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、概ね所定の幅Wcと等しい(又はやや広い)幅WcMとなる。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は、筒状部材121exから落下して、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過し(一対の収容部141、141に回収されず)、所定の幅Wcで第1連続シート部材91に配置される。このとき、輸送管144aの中心軸と輸送管144bの中心軸とのずれΔ
1はゼロ(0)となり、輸送管144aと輸送管144bとはほぼ完全に連通した状態となる。その結果、一対の収容部141、141が、輸送管144a、144bを介して吸引装置に強く吸引される。したがって、既に回収された高吸水性ポリマー粒子80が一対の収容部141、141に残存していれば(高吸水性ポリマー粒子80b)、強く吸引され、そのほとんどが一対の収容部141、141から排出される。
【0126】
次いで、
図22(b)に示すように、一対の収容部141、141は、横断方向CDの内側に徐々に移動し、互いに近づく。それにより、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、所定の幅Wcよりも小さい幅WcN1となる。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は、筒状部材121exから落下すると共に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが一対の収容部141、141に落下を遮られ、一対の開口部142、142に回収される。一方、横断方向CDの中央部の高吸水性ポリマー粒子80aが一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過して、所定の幅Wcよりも小さい幅WcN1で第1連続シート部材91に配置される。このとき、輸送管144aの中心軸と輸送管144bの中心軸とのずれΔ
2はΔ
1よりも大きくなり、輸送管144aと輸送管144bとはややずれて連通した状態となる。その結果、一対の収容部141、141が、輸送管144a、144bを介して吸引装置に弱く吸引される。したがって、一対の収容部141、141に回収された高吸水性ポリマー粒子80bの一部は吸引、排出され、他は残存することになる。また、吸引する力が弱いため、一対の開口部142、142から高吸水性ポリマー粒子80を吸引することはほとんどない。なお、残存する高吸水性ポリマー粒子80bは、次の
図22(a)で示す工程で吸引、排出される。
【0127】
このとき、高吸水性ポリマー粒子80のうちの、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bを一対の収容部141、141に弱く吸引しつつ回収しており、横断方向CDの内側の、高吸水性ポリマー粒子80aの両端部により移行し難くしている。すなわち、高吸水性ポリマー粒子80aの横断方向CDの両端部に、高吸水性ポリマー粒子80bが追加されることをより抑制している。その結果、高吸水性ポリマー粒子80aは、横断方向CDに、より均一に分散された状態のまま下方に落下できるので、横断方向CDに、より均一な坪量で第1連続シート部材91に高吸水性ポリマー粒子82bとして配置される。それゆえ、高吸水性ポリマー粒子82bのうち、横断方向CDの最も内側に、横断方向CDの坪量がより均一な高坪量部31が形成される。その際、横断方向CDの両端部に高吸水性ポリマー粒子80bがほとんど追加されていないので、坪量の均一性をより高めることができる。また、その高坪量部31の横断方向CDの外側に、高坪量部31の高吸水性ポリマー粒子82bが少し外側に流れて相対的に低坪量になった低坪量部32が形成される。そのとき、高坪量部31の端部に高吸水性ポリマー粒子80bがほとんど追加されていないため、より適切な坪量の低坪量部32を形成できる。そして、その外側に、高吸水性ポリマー粒子82bが存在しない非含有部33が形成される。
【0128】
次いで、
図22(c)に示すように、一対の収容部141、141は、横断方向CDにおける最も内側の位置に移動する。それにより、一対の収容部141、141の両内側の端縁の間の距離は、幅WcN1よりも小さい幅WcN2となる。したがって、高吸水性ポリマー粒子80は、筒状部材121exから落下すると共に、横断方向CDの両端部の高吸水性ポリマー粒子80bが一対の収容部141、141に落下を遮られ、一対の開口部142、142に回収される。一方、横断方向CDの中央部の高吸水性ポリマー粒子80aが一対の収容部141、141の両内側の端縁の間を通過して、幅WcN1よりも小さい幅WcN2で第1連続シート部材91に配置される。このとき、輸送管144aの中心軸と輸送管144bの中心軸とのずれΔ
3はΔ
2よりも大きくなり、輸送管144aと輸送管144bとはずれてほとんど連通しない状態となる。その結果、一対の収容部141、141が、輸送管144a、144bを介して吸引装置にほとんど吸引されなくなる。したがって、一対の収容部141、141に回収された高吸水性ポリマー粒子80bは残存することになる。また、吸引する力がほとんどないため、一対の開口部142、142から高吸水性ポリマー粒子80を吸引することはない。なお、残存する高吸水性ポリマー粒子80bは、次の
図22(a)で示す工程で吸引、排出される。
【0129】
その後、一対の回収部124、124は、
図22(b)の状態を経て、再び
図22(a)の状態に戻る。
【0130】
本実施形態の好ましい態様では、間欠装置425の円環部材445及び間欠部材446は、平面視で、一対の回収部124、124の各々の間に位置しているので、そのサイズがコンパクトであり、よって、配置装置110を全体としてコンパクトにできる。また、間欠装置425の間欠部材446が高吸水性ポリマー粒子80の流れを間欠的に横切ることで高吸水性ポリマー粒子80の集合体を間欠的にしているので、その構造が簡易的であり、よって、配置装置110を全体として簡易的にできる。
【0131】
図23は、実施形態に係る配置装置110の一対の回収部124、124の動きを説明するためのグラフである。横軸は時間t、左縦軸は輸送管144aの中心軸と輸送管144bの中心軸とのずれΔ(グラフは実線)、右縦軸は収容部141での吸引力Q(グラフは波線)、をそれぞれ示す。このブラフは、一周期T分のずれΔ及び吸引力Qの変化を示している。ただし、周期Tとは、
図22(a)の状態から、
図22(b)、
図22(c)、
図22(b)の状態を経て、再び
図22(a)に戻る期間をいい、すなわち、一個の吸収体14のための吸水材45を第1連続シート部材91に配置する期間をいう。
【0132】
図22(a)の状態は、時間0≦t<t
1、t
3<t≦Tまでの状態である。この状態では、ずれΔは最小値Δ
min(例示:Δ
1)であり、吸引力Qは最大値Q
maxである。次に、
図22(b)の状態は、時間t
1≦t<t
2、t
2<t≦t
3での状態である。この状態では、ずれΔは最小値Δ
minと最大値Δ
maxとの間の値(例示:Δ
2)であり、吸引力Qは最小値Q
minと最大値Q
maxとの間の値である。次に、
図22(c)の状態は、時間t
2での状態である。この状態では、ずれΔは最大値Δ
max(例示:Δ
3)であり、吸引力Qは最小値Q
min(ゼロでも可)である。
【0133】
このように、本実施形態では、収容部141における、高吸水性ポリマー粒子80の回収の最大/最小のタイミングと吸引の最大/最小のタイミングとを逆にしている。それにより、収容部141での吸引力が強すぎて、回収する必要のない高吸水性ポリマー粒子80まで吸引力により開口部142から回収してしまうことを抑制できる。また、回収した高吸水性ポリマー粒子80が収容部141に蓄積して、高吸水性ポリマー粒子80が回収され難くなることを抑制できる。
【0134】
図24は、実施形態に係る間欠装置425の動きを説明するための模式図である。
図24(a)は製造方法の
図9~
図11の工程における間欠装置425の状態であり、
図24(b)は製造方法の
図12の工程における間欠装置425の状態である。ただし、一対の回収部124、124の記載を省略している。複数の間欠部材446及び複数の開口部447は、一対の円環部材445、445と共に回転する(矢印R1)。
【0135】
図24(a)に示すように、高吸水性ポリマー粒子80を配置領域に配置するとき、筐体121(筒状部材121ex)の開口部121w2を、間欠部材446と間欠部材446との間の開口部447が通過する。それにより、筒状部材121exを落下している高吸水性ポリマー粒子80は、開口部447を通過して、(一対の回収部124、124の間を通過して)第1連続シート部材91に配置される。
【0136】
次に、
図24(b)に示すように、高吸水性ポリマー粒子80を非配置領域に配置しないときには、筐体121(筒状部材121ex)の開口部121w2を、開口部447と開口部447との間の間欠部材446が通過する。それにより、筒状部材121exを落下している高吸水性ポリマー粒子80は、回転している間欠部材446の面446S1に衝突して、搬送方向MDの上流側(回転方向)に弾き飛ばされる。弾き飛ばされた高吸水性ポリマー粒子80Sは、間欠回収部450の間欠筐体451に回収される。そして、高吸水性ポリマー粒子80Sは、孔部453を介して回収管452に吸引される。
【0137】
なお、本実施形態の回収管452は、
図14における輸送管148と見ることができる。したがって、回収管452に回収された高吸水性ポリマー粒子80は、その後、輸送管311aを介して空気搬送装置312(吸引装置)で吸引されつつ、輸送管311bを介して分離機313へ供給されて、リサイクルされる。
【0138】
次に、本実施形態に係る筒状部材121exの変形例について説明する。
図25及び
図26は、実施形態に係る供給装置112の筒状部材121exa~121exfの構成例を模式的に示す斜視図である。
【0139】
筒状部材121exaは、
図25(a)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路511を、横断方向CDの中央部において分割するスリット用除去部502aと、を備える。それにより、スリット用除去部502aに対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が非存在のスリット部48を形成できる。
【0140】
筒状部材121exbは、
図25(b)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路511を、横断方向CDの中央部において、搬送方向MDの一方側から狭くするスリット用除去部502bと、を備える。それにより、狭くなった流路512に対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が低坪量のスリット部48を形成できる。
【0141】
筒状部材121excは、
図25(c)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路511を、横断方向CDの中央部において、搬送方向MDの両側から狭くする二個のスリット用除去部502cと、を備える。それにより、狭くなった流路512に対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が低坪量のスリット部48を形成できる。
【0142】
筒状部材121exdは、
図26(a)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路513を、横断方向CDの二箇所で分割する二個のスリット用除去部503aと、を備える。それにより、二個のスリット用除去部503aに対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が非存在の二個のスリット部48を形成できる。
【0143】
筒状部材121exbは、
図25(b)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路513を、横断方向CDの二箇所部において、搬送方向MDの一方側から狭くする二個のスリット用除去部503bと、を備える。それにより、狭くなった二個の流路515に対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が低坪量の二個のスリット部48を形成できる。
【0144】
筒状部材121excは、
図25(c)に示すように、筐体501と、筐体501内の流路513を、横断方向CDの二箇所において、搬送方向MDの両側から狭くする四個のスリット用除去部503cと、を備える。それにより、狭くなった二個の流路515に対応する第1連続シート部材91の位置に、高吸水性ポリマー粒子80が低坪量の二個のスリット部48を形成できる。
【0145】
なお、筒状部材121exのスリット用除去部の数は特に制限はなく、形成するスリット部48の数に応じて適宜変更可能である。
【0146】
本発明のパンツ型おむつやその吸収体は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、各実施形態同士を組合せることや公知技術を適用すること等が可能である。
【符号の説明】
【0147】
1 パンツ型おむつ
91 第1連続シート部材(シート部材)
80、80b 高吸水性ポリマー粒子(流動体)
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向に沿って腹側部、股間部及び背側部に区画され、吸収体を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、
高吸水性ポリマー粒子を有する吸水材で形成された吸収コアと、
シート部材で形成され、前記吸収コアにおける少なくとも前記厚さ方向の一方を覆うコアラップを含み、
前記吸水材に対する前記高吸水性ポリマー粒子の割合は、90~100質量%であり、
前記股間部の前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記腹側部及び前記背側部の前記吸収コアの前記幅方向の長さよりも狭く、
前記股間部の前記吸収体は、
前記幅方向の中央部に位置し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が高い高坪量部と、
前記高坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が低い一対の低坪量部と、
前記一対の低坪量部の前記幅方向の両外側に隣接し、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない一対の非含有部と、
を含む、
吸収性物品。
【請求項2】
前記高吸水性ポリマー粒子の90~100質量%は、150~500μmの粒径を有する高吸水性ポリマー粒子から構成される、
請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記一対の低坪量部の各々の前記高吸水性ポリマー粒子の坪量は、前記高坪量部から前記一対の非含有部の各々に向かって減少する、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸水材は、
前記股間部に属する股間対応部と、
前記股間対応部の前記長手方向の前方に位置する腹側対応部と、
前記股間対応部の前記長手方向の後方に位置する背側対応部と、
を有し、
前記股間対応部の前記幅方向の長さは、前記腹側対応部及び前記背側対応部の前記吸収コアの前記幅方向の長さよりも狭く、
前記一対の低坪量部は、前記股間対応部のみに形成されている、
請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収体は、
前記幅方向の少なくとも一箇所に位置し、前記長手方向に沿って前記吸収体の少なくとも前記股間部の領域に配置され、前記高吸水性ポリマー粒子を含まない、又は、前記高吸水性ポリマー粒子の坪量が相対的に低いスリット部を更に含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記スリット部は、前記吸収体の前記幅方向の中央部に位置し、前記吸収体における前記長手方向の一方の端部から他方の端部まで延びるように形成されている、
請求項5に記載の吸収性物品。