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  • 特開-粘着テープ及びそれを用いた物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080634
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】粘着テープ及びそれを用いた物品
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20230602BHJP
   C09J 133/08 20060101ALN20230602BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J133/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194079
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 剛
(72)【発明者】
【氏名】菊池 洋匡
(72)【発明者】
【氏名】武井 秀晃
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004EA05
4J004FA08
4J040DF041
4J040JA09
4J040JB09
4J040KA16
4J040KA26
4J040LA06
4J040MB16
(57)【要約】
【課題】本開示は、多孔部材に対する接着性に優れた粘着テープ、及び該粘着テープを用いた物品を提供する。
【解決手段】本開示は、粘着剤層(A)を少なくとも有する粘着テープであって、上記粘着剤層(A)がアクリル系粘着剤で形成され、上記粘着剤層(A)を5μm圧縮した時の強度が18N/cm2以下である粘着テープ、及び、多孔部材に上記粘着テープの粘着剤層(A)が貼合してなる物品を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層(A)を少なくとも有する粘着テープであって、
前記粘着剤層(A)がアクリル系粘着剤で形成され、前記粘着剤層(A)を5μm圧縮した時の強度が18N/cm2以下である粘着テープ
【請求項2】
前記粘着剤層(A)は、厚みが15μm以上である、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記粘着剤層(A)は、ゲル分率が20%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記粘着剤層(A)は、40℃における貯蔵弾性率が50,000Pa以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着テープ
【請求項5】
基材の両面に粘着剤層を有し、前記基材の少なくとも一方の面に前記粘着剤層(A)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着テープ
【請求項6】
前記粘着剤層(A)を多孔部材に貼合して用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項7】
多孔部材に請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着テープの粘着剤層(A)が貼合してなる物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏貫通する多数の開孔が形成されたメッシュ部材や多孔質シート(以下、総じて多孔部材とする。)の固定に用いられる粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、テレビやオーディオ製品等のスピーカーやイヤフォンには、ゴミや水滴等の異物が入るのを防ぐために、発音部および受音部に対応する位置に、通気性や通音性を有するメッシュや多孔質シート等の多孔部材が配置される。これらの部材は接着テープを介して筐体等の他の部材に固定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-305038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粘着テープにより部品を固定するためには、粘着テープと部品との接触面積を確保する必要があるが、多孔部材は一般的に単位面積当たりの開孔率が大きく、開孔を画定する領域の線幅が小さいことに加え、接触部分が曲面の場合はさらに、粘着テープの粘着剤層との接触面積が十分に得られにくく、多孔部材が粘着テープから容易に剥離して強固に固定することが困難である。
【0005】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、多孔部材に対する接着性に優れた粘着テープ等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、粘着剤層(A)を少なくとも有し、上記粘着剤層(A)が、アクリル系粘着剤で形成され、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が18N/cm以下である粘着テープを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘着テープによれば、多孔部材に対する接着性に優れ、上記多孔部材を他の被着体に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】粘着剤層(A)の圧縮率ごとの圧縮強度を測定する方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の粘着テープは、粘着剤層(A)を少なくとも有し、上記粘着剤層(A)が、アクリル系粘着剤で形成され、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が18N/cm以下であることを特徴とする。
【0010】
本発明の粘着テープによれば、粘着剤層(A)を多孔部材に貼り合わせたときに、粘着剤層(A)が多孔部材の表面(被着面)に有する多数の開孔内に食い込みやすくなることで粘着剤層(A)と多孔部材との接触面積が増える結果、多孔部材に対して高い接着力を発揮することができる。
【0011】
本発明の粘着テープは、所定の粘着剤層(A)を少なくとも有すればよく、粘着剤層(A)の両表面に剥離フィルムが設けられた基材レスの両面粘着テープの仕様であっても良く、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層(A)を有する片面又は両面仕様の粘着テープであってもよい。本発明の粘着テープが、基材の両面に粘着剤層を有する両面仕様の場合、上記基材の少なくとも一方の面に上記粘着剤層(A)を有すればよく、上記基材の両面に粘着剤層(A)を有してもよく、上記基材の一方の面に粘着剤層(A)を有し他方の面に上記粘着剤層(A)とは異なる粘着剤層(B)を有しても良い。上記基材の両面に粘着剤層(A)を有する粘着テープによれば、両面とも多孔部材に対して高い接着力を発揮できるため、多孔部材に貼付する際の粘着テープの貼合面の自由度を付与できる点で好ましい。一方、上記基材の一方の面に粘着剤層(A)を有し他方の面に粘着剤層(B)を有する粘着テープによれば、粘着剤層(A)側の面を多孔部材との接着面とすることで多孔部材に対して高い接着力を発揮でき、粘着剤層(B)は多孔部材を固定する他の被着体に貼合されるため、上記他の被着体の種類に応じて粘着剤層(B)の組成や物性を適宜調整できるため好ましい。
【0012】
なお、上記粘着テープが、基材の片面又は両面に粘着剤層を有する場合、上記粘着剤層は、上記基材に直接形成されていても良く、他の層を介して形成されていても良い。
【0013】
以下、本発明の粘着テープについて詳細を説明する。
<1>粘着剤層(A)
本発明における粘着剤層(A)はアクリル系粘着剤で形成され、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が18N/cm以下である。粘着剤層(A)は、本発明の粘着テープと多孔部材とを接着する際に上記多孔部材に貼合する面を構成する。
【0014】
上記粘着剤層(A)は、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が18N/cm以下とすることで、多孔部材に貼合するときに粘着剤層(A)の変形により多孔部材の表面に有する多数の開孔内に食い込みやすくなり、多孔部材との接触面積を増やすことができ、高い接着力を発現することができる。中でも粘着剤層(A)の変形性及び開口内への食い込み性が更に向上することから、上記粘着剤層(A)の圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が16N/cm以下であることが好ましく、14N/cm以下であることがより好ましく、11N/cm以下であることが更に好ましい。なお、上記粘着剤層(A)の圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度の下限は特に限定されず、0N/cm以上とすることができ、0N/cm超であってもよく、0.5N/cm以上であってもよく、1N/cm以上であってもよい。
【0015】
上記粘着剤層(A)の圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度は、以下の手順1~3に従い規定することができる。
・手順1:乾燥後厚さが50μmの粘着剤層(A)を、総厚みが約1mmになるように積層して試験片(20mm角、総厚み約1mm)を作成し、図1に示すように上記試験片1を、厚さ10mm、50mm角のステンレス(SUS)製ブロック2に貼合してセットしたのち、23℃50%RH環境で、直径7mmのステンレス(SUS)製プローブ3を取り付けた引張試験機(圧縮モード)で、上記試験片の中央部を速度10mm/分で圧縮(図1中の矢印X)して、圧縮率ごとの圧縮強度を測定する。圧縮率は下記式(1)に基づく値とする。
圧縮率(%)={プローブの移動距離(μm)/試験片の実測厚さ(μm)}×100 …式(1)
・手順2:次に、粘着テープの粘着剤層(A)の厚さ(圧縮前の厚さ)から5μm分を圧縮したときの上記粘着テープの粘着剤層(A)の圧縮率を下記式(2)から算出する。
圧縮率(%)={5μm/粘着テープの粘着剤層(A)の厚さ(μm)}×100 …式(2)
・手順3:手順2で求めた圧縮率での圧縮強度を、手順1で測定した「圧縮率ごとの圧縮強度」から特定し、その値を粘着剤層(A)の5μm圧縮したときの強度とする。
【0016】
粘着剤層(A)の圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度は、粘着剤層(A)を構成する粘着剤組成物の組成、粘着剤層(A)の架橋度(ゲル分率)、粘着剤層(A)の厚み等により調整することができる。
【0017】
なお、本発明の粘着テープが基材の両面にそれぞれ粘着剤層(A)を有する場合、一方の面の粘着剤層(A1)及び他方の面の粘着剤層(A2)のそれぞれの圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度は、上記の範囲内であれば同一であっても良く異なっても良い。
【0018】
(アクリル系粘着剤)
上記粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤は、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体からなるアクリル系共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を好ましく使用することができる。
【0019】
アクリル系粘着剤に含まれる上記アクリル系共重合体としては、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを主たるモノマー成分とするアクリル系共重合体を好ましく使用でき、上記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基は直鎖のものであっても分岐鎖のものであってもよいが、圧縮強度を低く調整しやすいことから、アルキル基が直鎖のアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
【0020】
上記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素原子数が1~18であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。なかでも、アルキル基の炭素原子数が2~16の(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、炭素原子数が3~14の(メタ)アクリレートモノマーがより好ましく、n-ブチル(メタ)アクリレート及び/又は2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを少なくとも用いることが更に好ましい。上記モノマーを使用することで、圧縮荷重により所望の接着強度を発現し、多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力を高めることができる。
【0021】
上記アクリル系共重合体中のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の80~98.5質量%の範囲内であることが好ましく、90~98.5質量%の範囲内であることがより好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに占める直鎖アルキル(メタ)アクリレートモノマーの含有量は60モル%以上が好ましく、75モル%がより好ましく、85モル%以上であることが更に好ましい。直鎖アルキル(メタ)アクリレートモノマーの占める割合を多くすることで、圧縮強度を低く調整でき、多数の開孔内に食い込みやすくなり、多孔部材に対する接着力をより高めることができるからである。
【0022】
上記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分は、上述したアルキル(メタ)アクリレートモノマーの他に、水酸基を有するビニルモノマーを含有していてもよい。水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。中でも水酸基を有するビニルモノマーとして、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを少なくとも用いることが好ましい。
【0023】
上記アクリル系共重合体中の上記水酸基を有するビニルモノマーの含有量は、上記アクリル系共重合体を構成する全モノマー成分中0.01質量%~0.2質量%の範囲内で使用することが好ましく、0.01質量%~0.1質量%の範囲内で使用することが好ましい。全モノマー中の水酸基を有するビニルモノマーの含有量を上記の範囲内とすることで、粘着剤層(A)が圧縮荷重により所望の接着強度を発現し、多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力を高めることができる。
【0024】
上記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分は、上述したアルキル(メタ)アクリレートモノマーの他に、酸基を有するビニルモノマーを含有していてもよい。酸基を有するビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマー;(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニルモノマー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することがより好ましい。カルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを用いること、中でもアクリル酸またはメタクリル酸を用いることで、粘着剤層(A)が圧縮荷重により所望の接着強度を発現し、多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力を高めることができる。
【0025】
上記アクリル系共重合体中の上記酸基を有するビニルモノマーの含有量は、上記アクリル系共重合体を構成する全モノマー成分中1質量%~30質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%~15質量%の範囲内で使用することより好ましく、1質量%~7質量%の範囲内で使用することがさらに好ましい。全モノマー中の酸基を有するビニルモノマーの含有量を上記の範囲内とすることで、粘着剤層(A)が圧縮荷重により所望の接着強度を発現し、多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力を高めることができる。
【0026】
上記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分は、上述したアルキル(メタ)アクリレートモノマーの他に、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート脂肪族環式構造を有するビニルモノマー;(メタ)アクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、n-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、2-(パーヒドロフタルイミド-N-イル)エチルアクリレート等のアミド基を有するモノマー;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有するビニルモノマー:シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等のイミド基を有するビニルモノマー等を含んでいても良い。
【0027】
また、アクリル系共重合体を構成するモノマーは、酢酸ビニル、スチレンなどその他の共重合が可能なビニル系単量体を含んでいても良い。
【0028】
上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は40万以上であることが好ましく、具体的には、40万~200万の範囲内が好ましく、42万~150万の範囲内がより好ましく、60万~130万の範囲内が更に好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量を上記の範囲内とすることで、凝集力が高く、多孔部材の被着面に対して高い接着力を発現することができる。
【0029】
上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算値である。GPC法による重量平均分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8320GPC)を用いて以下の条件で測定される。
【0030】
サンプル濃度:0.5質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μL
溶離液:THF
流速:1.0mL/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR-H(S) ×2本)
ガードカラム: TSKguradcolumn HHR(S)
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万~2000万(東ソー株式会社製)
【0031】
上記アクリル系粘着剤は、被着体との密着性や接着力を向上させるため粘着付与樹脂を含有してもよい。上記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。中でも重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上を組み合わせ使用することが、上記アクリル系共重合体との相溶性に優れ、多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力をより高めることができるため好ましい。
【0032】
上記アクリル系共重合体中の上記粘着付与樹脂の含有量は、上記アクリル系共重合体100質量部に対して10質量部~60質量部の範囲内で使用することが好ましく、20質量部~50質量部の範囲内で使用することが更に好ましく、20質量部~40質量部の範囲内で使用することがより好ましい。アクリル系共重合体100質量部に対し粘着付与樹脂の量を上記の範囲内とすることで、粘着剤層(A)の多孔部材の被着面に対する追従密着性及び接着力を高めることができる。
【0033】
上記アクリル系粘着剤は、粘着剤層の凝集力を高めるために、架橋剤により架橋されていてもよい。上記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、アクリル系共重合体またはその溶液と混合しやすく且つ速やかに架橋反応を進行させることのできることから、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
【0034】
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
【0035】
上記架橋剤は、上記粘着剤層(A)のゲル分率が上述した範囲内となるように、アクリル系共重合体に対する配合量を調整して使用することができる。
【0036】
上記アクリル系粘着剤は、必要に応じて、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
【0037】
(粘着剤層(A))
上記粘着剤層(A)の厚みは、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が上述した所定の範囲となる厚みであればよいが、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、25μm以上であることが更に好ましい。また、上記粘着剤層(A)の厚みの上限は特に限定されないが、150μm以下とすることができ、中でも粘着テープの薄型化の観点から100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。粘着剤層(A)の厚みを上記の範囲内とすることで、粘着剤層(A)が十分に変形して多孔部材の表面に有する多数の開孔内に食い込みやすくなる。なお、粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤が柔らかくても粘着剤層(A)の厚みが小さすぎると、見かけの変形量が小さくなるため多孔部材の表面の開孔内に食い込みにくくなり、一方、上記アクリル系粘着剤が硬くても粘着剤層(A)の厚みが大きいと、見かけの変形量が大きくなるため、多孔部材の表面の開孔内に食い込みやすくなる。
【0038】
なお、本発明の粘着テープが基材の両面にそれぞれ粘着剤層(A)を有する場合、一方の面の粘着剤層(A1)及び他方の面の粘着剤層(A2)のそれぞれの厚みは、上記の範囲内であれば、同一であっても良く異なっても良い。
【0039】
上記粘着剤層(A)のゲル分率は、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が上述した所定の範囲となれば特に限定されないが、17%以上であることが好ましく、20%以上50%以下であることがより好ましく、22%以上40%以下であることが更に好ましい。上記粘着剤層(A)のゲル分率を好ましい範囲内にすることで、多孔部材の被着面に対して高い接着力を示すと共に上記被着面に対するせん断保持特性も良好となるからである。
【0040】
上記粘着剤層(A)のゲル分率は、トルエンに24時間浸漬した後の不溶分で表され、以下の測定方法及び式から算出される値を指す。
(測定方法)
剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚みが50μmになるように、粘着剤層(A)の形成に用いる粘着剤(a)を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層(A)を形成し、得られた粘着剤層(A)を縦50mm及び横40mmの正方形に裁断したものを試験片とした。上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させ、上記浸漬後の上記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出し、上記不溶成分を105℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。上記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
【0041】
上記粘着剤層(A)の40℃における貯蔵弾性率G’40、換言すれば、上記粘着剤層(A)を構成するアクリル系粘着剤の40℃における貯蔵弾性率G’40は、52000Pa以下であることが好ましく、中でも40000Pa以上51000Pa以下であることが好ましく、42000Pa以上51000Pa以下であることが更に好ましい。粘着剤層(A)を構成するアクリル系粘着剤の貯蔵弾性率G’40を上記の範囲とすることで、多孔部材の開孔への食い込みが更に生じやすくなり接着力が向上し、且つせん断保持力も高くすることができる。なお、貯蔵弾性率G’40の値が高すぎると多孔部材の被着面に有する開孔に食い込みにくくなる場合があり、一方、上記値が低すぎるとせん断保持力が得られにくい場合がある。
【0042】
上記粘着剤層(A)及び上記粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤の、40℃における貯蔵弾性率G’40は、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、厚さ約2mmに形成した粘着剤層を同試験機の測定部である直径8mmの平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで-50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)を測定したときの、40℃における値とする。
【0043】
本発明の粘着テープは、下記の方法で測定される上記粘着剤層(A)の180°ピール接着力が、2.5N/20mm以上であることが好ましく、中でも好ましくは3.0N/20mm以上、より好ましくは3.5N/20mm以上であることにより、多孔部材に対して十分に接着することができる。
(測定方法)
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、本発明の粘着テープの接着力を評価しない側の接着面を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで裏打ちをした後、長さ100mm、幅20mmに裁断して試験片を得る。次に、上記試験片の粘着剤層(A)面を、長さ150mm、幅50mmに裁断したメッシュ(T-No.180T、撥水処理あり、メッシュ180、開口率37%、NBC工業株式会社製)の中央部に23℃50%RHで線圧1000Nのラミネータに1回通してラミネートする。温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で24時間放置後、上記メッシュの、上記試験片がラミネートされた面とは反対側の面を、厚さ2mm、長さ200mm、幅50mmのステンレス板に固定用テープ(実施例1に記載の粘着テープ)で全面固定したのち、引張試験機を用いて上記メッシュから上記試験片を引張速度300mm/分で180°方向に引き剥がした際の接着力を、粘着テープにおける粘着剤層(A)の180°ピール接着力とする。なお、粘着テープが粘着剤層(A)のみからなる基材レスの場合は、粘着剤層(A)の一方の面をメッシュとの接着面とし、他方の面を接着力を評価しない側の接着面(裏打ち面)とする。また、基材の両面に粘着剤層を有する場合は、一方の粘着剤層の表面(粘着剤層(A)の面)をメッシュとの接着面とし、他方の粘着剤層の表面を接着力を評価しない側の接着面(裏打ち面)とする。
【0044】
<2>基材
本発明の粘着テープは、基材を有していても良い。上記基材は、上記粘着剤層(A)を支持する層として機能することができる。また、本発明の粘着テープが、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープである場合、上記基材は中芯として機能する。
【0045】
上記基材としては、特に限定されず、例えば樹脂基材、発泡体基材、不織布、ゴムシート、織布、紙、ガラス、金属箔、これらの複合体等を用いることができる。樹脂基材は、非発泡又は非多孔質の樹脂製のフィルム又はシートであり、不織布や発泡体基材と区別される。
【0046】
中でも粘着剤層(A)と基材との層間で高い接着性を発現でき、また、容易に着色することができ、基材の色による遮蔽性や意匠性を発現しやすいことから、上記基材は樹脂基材が好ましい。
【0047】
上記樹脂基材としては、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどを用いて得られるシート又はフィルムを使用することができる。
【0048】
上記基材は、光安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐熱安定剤、顔料や染料等の着色剤、滑剤、充填材、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤等の公知の添加剤が配合されていてもよい。
【0049】
上記基材は単層構造であってもよく、二層以上の多層構造を有していてもよい。
【0050】
上記基材は、粘着剤層との密着性を向上させる目的で、表面にプライマー層を有していても良く、表面処理がされていても良い。表面処理としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等による凹凸化処理、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、酸化処理、アンカーコート処理等が挙げられる。また、上記基材の表面は、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
【0051】
上記基材は、無色であってもよく、着色されていてもよい。中でも上記基材は、多孔部材と同色の着色基材であることが好ましい。多孔部材と同色にすることで多孔部材の開孔から粘着テープが視認されることに起因した意匠性の低下を抑制することができ、製品の外観性を高めることができる。
【0052】
上記着色基材は、例えば樹脂フィルム等の表面に印刷や塗布により着色層を設けることで形成してもよく、樹脂フィルム等を構成する樹脂材料に着色剤を含有させることで形成することができる。
【0053】
上記基材の厚みは、粘着テープの用途に応じて適宜設定することができる。薄型化の観点から、例えば200μm以下とすることができ、100μm以下でもよく、80μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。また、粘着テープのハンドリング性や加工性の観点から、上記基材の厚みは、1μm以上とすることができ、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。
【0054】
<3>粘着剤層(B)
本発明の粘着テープが基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープの仕様である場合、上記基材の一方の面に粘着剤層(A)を有し、上記基材の他方の面に上記粘着剤層(A)とは異なる上記粘着剤層(B)を有していても良い。粘着剤層(B)が粘着剤層(A)と異なるとは、圧縮強度試験で5μm圧縮したときの強度が粘着剤層(A)で規定される範囲を外れることを意味する。
【0055】
上記粘着剤層(B)を構成する粘着剤(b)は、一般的な粘着テープに使用される粘着剤を用いることができる。当該粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。中でもアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤に含有されるアクリル系共重合体の詳細(アクリル系共重合体を構成するモノマー、架橋剤、粘着付与樹脂、及び任意の添加剤等の組成、並びに物性等)については、上記「<1>粘着剤層(A)」の項で説明したアクリル系粘着剤の詳細と同様とすることができる。
【0056】
上記粘着剤層(B)の厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定することができるが、例えば1μm以上150μm以下とすることができる。中でも粘着テープの薄型化の観点から、上記厚みは100μm以下であってもよく、70μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、30μm以下であっても良い。また、上記粘着剤層(B)による接着性を担保するために、上記厚みは、3μm以上であっても良く、5μm以上であっても良く、10μm以上であってもよく、20μm以上であっても良い。
【0057】
<4>剥離ライナー
本発明の粘着テープは、粘着剤層の表面に剥離ライナーが配置されていてもよい。剥離ライナーとしては特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されているものが例示できる。なかでも、ポリエチレンをラミネートした紙、およびポリエステルフィルムの片面に、シリコーン系剥離処理を施されている剥離ライナーが好ましい。
【0058】
本発明の粘着テープの総厚は、テープの仕様に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、例えば15μm~400μmの範囲内であることが好ましい。中でもスピーカーやイヤフォン等の小型物品においては薄型が要求されることから、粘着テープ総厚は250μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、60μm以下がさらに好ましい。また、多孔部材への接着性や加工性の観点から、粘着テープの総厚は15μm以上が好ましく、中でも20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、42μm以上が更に好ましく、52μm以上が好ましい。なお、上記粘着テープの総厚には、剥離ライナーの厚みは含まないものとする。
【0059】
<5>製造方法
本発明の粘着テープの製造方法は、粘着テープの仕様に応じて適宜選択することができる。本発明の粘着テープが基材レスの仕様であれば、剥離ライナーに粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤を塗工し乾燥当することにより製造することができる。また、本発明の粘着テープが基材を有する仕様であれば、例えば基材の片面または両面に粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤を塗工し乾燥等することにより製造する方法(直接法)であってもよく、剥離ライナーの表面に粘着剤層(A)を形成するためのアクリル系粘着剤を塗工し乾燥等することによって粘着剤層(A)を形成した後、上記粘着剤層(A)を、上記基材の片面または両面に転写することによって製造する方法(転写法)等を用いることができる。両面仕様において基材の一方の面に粘着剤層(A)が形成され他方の面に粘着剤層(B)が形成される場合は、粘着剤層(A)を形成するアクリル系粘着剤及び粘着剤層(B)を形成する粘着剤を用いて上述の直接法又は転写法によりそれぞれの粘着剤層を形成することができる。
【0060】
粘着剤を基材または離型ライナーに塗工する方法としては、例えば、アプリケーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等を使用する方法が挙げられる。
【0061】
<6>物品
本発明の物品は、多孔部材に上述した粘着テープが貼合してなる物品である。
【0062】
本発明において多孔部材とは、表裏貫通する多数の開孔が形成された部材をいい、表面に多数の開孔を有する部材であれば特に限定されない。このような多孔部材としては、例えば織網、エキスパンド、パンチング等で形成されたメッシュ部材、厚み方向を連通する微細孔が多数形成された多孔質シートが挙げられる。上記メッシュ部材は、通常、平面視において一方の面から見た開孔位置と他方の面から見た開孔位置とが一致する構造を有する。一方、上記多孔質シートは、平面視において一方の面から見た開孔位置と他方の面から見た開孔位置とが一致しても良く一致しなくてもよい。上記多孔部材は、表面が親液性を示すものであってもよく、撥液性を示すものであってもよい。
【0063】
上記多孔部材がメッシュ部材である場合、上記メッシュ部材を構成する材料は特に限定されず、金属であってもよく樹脂であってもよい。金属としては、例えば銅、ニッケル、銀、金、プラチナ、アルミニウム、鉄、白金、モリブテン、チタン、クロム、コバルト、亜鉛等、汎用の金属メッシュに用いられる金属が挙げられる。また、樹脂としては、メッシュを作成できれば特に限定されず、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フッ素系樹脂等の公知の樹脂を使用することができる。
【0064】
上記メッシュ部材の1インチ当たりの開孔数(メッシュ)が多い場合であっても上記メッシュが少ない場合であっても、本発明の粘着テープは、粘着剤層(A)が開孔内に食い込むことによる機能を十分に発揮することができる。上記メッシュとしては特に限定されないが、所望の接着強度140個以上であることが好ましい。なお、メッシュの上限は、メッシュ部材としての機能を奏すれば特に限定されず、例えば1000個以下、中でも700個以下とすることができる。
【0065】
また、上記メッシュ部材の開孔率が高い場合であっても上記開孔率が低い場合であっても、本発明の粘着テープは、粘着剤層(A)が開孔内に食い込むことによる機能を十分に発揮することができる。上記開孔率は特に限定されないが、例えば60%以下であることが好ましい。なお、開口率の下限はメッシュ部材としての機能を奏すれば特に限定されず、例えば10%以上とすることができる。
【0066】
メッシュ部材のメッシュ及び開孔率が上記の範囲内にあると、粘着剤層(A)がメッシュ部材の開孔に食い込む割合と開孔を画定する非開孔領域に接着する割合とのバランスが図れ、メッシュ部材に対してより優れた接着強度を示すことができ、本発明の粘着テープによる効果をより高く奏することができる。
【0067】
上記メッシュ部材として具体的には、スピーカーメッシュやイヤホンメッシュ等のオーディオ関連機器やモバイルデバイス等に用いられるメッシュカバー、スクリーン印刷に用いられるスクリーンメッシュ、メッシュベルト、エアフィルターやリキッドフィルター等のフィルター、ワイヤーネット、金属鋼、網板、パンチングメタル、電極基材、集電体等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
上記多孔部材が多孔質シートである場合、上記多孔質シートを形成する材料は特に限定されず、汎用の多孔質シートに使用される材料を例示することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素樹脂:ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等の樹脂;シリコーンゴム等のエラストマー等が挙げられる。多孔質シートは、単層であってもよく、複数の層が積層された多層体であってもよい。
【0069】
上記多孔質シートの平均孔径は、通気性や通音性、防水性等、要求される特性に応じて適宜設計することができ、例えば0.01μm以上1μm以下とすることができる。また、上記多孔質シートの気孔率は、通気性や通音性、防水性等、要求される特性に応じて適宜設計することができ、例えば、5%以上95%以下とすることができ、10%以上80%以下が好ましく、20%以上50%以下がより好ましい。
【0070】
上記多孔質シートとして具体的には、スポンジシート、コルク、防水膜、通音膜、通気膜、防水通音膜、防水通気膜、フィルター、セパレータ、被覆材等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【実施例0072】
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
【0073】
[評価方法]
実施例及び比較例で得た粘着テープに対して行った評価方法を以下に示す。
【0074】
(粘着剤層を5μm圧縮したときの強度)
以下の手順1~3に従い、実施例及び比較例で得た粘着テープの粘着剤層(A1)を5μm圧縮したときの強度を求めた。
・手順1:下記の「アクリル系粘着剤の調製」の項で調製した各アクリル系粘着剤組成物を用いて乾燥後の厚さが50μmの粘着剤層を形成し、総厚みが約1mm(測定前に厚さを測定する)になるように上記粘着剤層を積層して試験片(20mm角、総厚みが約1mm)を作成した。図1に示すように上記試験片1を、厚さ10mm、50mm角のステンレス(SUS)製ブロック2の中央にセットしたのち、23℃50%RH環境で、直径7mmのステンレス(SUS)製プローブ3を取り付けた引張試験機(圧縮モード)で、上記試験片の中央部を速度10mm/分で圧縮して、各アクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層について圧縮率ごとの圧縮強度を測定した。上記試験片の圧縮率は下記式(1)に基づき算出した。
圧縮率(%)={プローブの移動距離(μm)/試験片の実測厚さ(μm)}×100 …式(1)
・手順2:次に、実施例及び比較例で得た粘着テープについて、各粘着テープの粘着剤層(A1)の厚さ(圧縮前の厚さ)から5μm分を圧縮したときの上記粘着剤層(A1)の圧縮率を下記式(2)から算出した。
圧縮率(%)={5μm/粘着テープの粘着剤層(A1)の厚さ(μm)}×100 …式(2)
・手順3:手順2で求めた圧縮率での圧縮強度を、同じアクリル系粘着剤組成物を用いて手順1で測定した「圧縮率ごとの圧縮強度」から特定し、その値をその粘着テープの粘着剤層(A1)の5μm圧縮したときの強度とした。
【0075】
(180°ピール接着力)
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、実施例及び比較例で作製した粘着テープの片面(粘着剤層(A2)面)に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで裏打ちをした後、長さ100mm、幅20mmに裁断して試験片を得た。次に、上記試験片の粘着剤面(粘着剤層(A1)面)を、長さ150mm、幅50mmに裁断したメッシュ(T-No.180T、撥水処理あり、メッシュ180、開口率37%、NBC工業株式会社製)の中央部に23℃50%RHで線圧1000Nのラミネータに1回通してラミネートした。温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で24時間放置後、上記メッシュの、上記試験片がラミネートされた面とは反対側の面を、厚さ2mm、長さ200mm、幅50mmのステンレス板に固定用テープ(実施例1に記載の粘着テープ)で全面固定したのち、引張試験機を用いて上記メッシュから上記試験片を引張速度300mm/分で180°方向に引き剥がした際の接着力を測定した。上記接着力を、実施例及び比較例の粘着テープにおける粘着剤層(A1)の180°ピール接着力とした。
【0076】
(せん断保持力)
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、実施例及び比較例で作製した粘着テープの片面(粘着剤層(A1)面)に、厚さ50μmのアルミ箔裏打ちをした後、長さ100mm、幅20mmに裁断した。次に、他方の粘着剤面(粘着剤層(A2)面)をステンレス板(SUS304を#360のサンドペーパーでヘアライン仕上げしたもの)に接着面積が20mm×20mm(4cm2)になる様に2kgローラー一往復で加圧貼付して試験片を作成した。温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で1時間放置後、測定温度40℃の環境下に試験片のステンレス板側を固定した後、粘着テープの自由端に500gの荷重をせん断方向に付与した。上記荷重が付与された状態で40℃の環境下に放置して、粘着テープが剥離(落下)するまでの時間(分)を測定した。なお、24時間保持した場合はそこで試験を終了して「1440<」とした。
【0077】
(ゲル分率)
剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚みが50μmになるように下記の「アクリル系粘着剤の調製」の項で調製した各アクリル系粘着剤組成物を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層(A)を形成し、得られた粘着剤層(A)を縦50mm及び横40mmの正方形に裁断したものを試験片とした。上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させ、上記浸漬後の上記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出し、上記不溶成分を105℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。上記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいてそのゲル分率を算出し、実施例及び比較例の粘着テープにおいて各アクリル系粘着剤組成物を用いた形成された粘着剤層(A1)、(A2)のゲル分率とした。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
【0078】
(貯蔵弾性率G’40
貯蔵弾性率G’40は、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、下記の「アクリル系粘着剤の調製」の項で調製した各アクリル系粘着剤組成物を用いて乾燥後厚さ約2mmに形成した粘着剤層を、同試験機の測定部である直径8mmの平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで-50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)を測定したときの40℃における値を、実施例及び比較例の粘着テープにおいて各アクリル系粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層(A1)、(A2)の夫々の40℃における貯蔵弾性率G’40とした。
【0079】
[アクリル系粘着剤の調製]
実施例および比較例で用いたアクリル系粘着剤をそれぞれ以下の方法で調製した。
【0080】
(アクリル系粘着剤組成物P-1)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、モノマー組成としてn-ブチルアクリレート93.4質量部、酢酸ビニル3.0質量部、アクリル酸3.5質量部、及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部と、酢酸エチル150質量部とを仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。次に、上記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。上記混合物を酢酸エチルで希釈して、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量100万のアクリル共重合体(A-1)の溶液(不揮発分35質量%)を得た。
【0081】
上記アクリル共重合体(A-1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D-125(荒川化学工業株式会社製)9.3質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A-100(荒川化学工業株式会社製)9.3質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分38質量%の粘着剤溶液を得た。次に、上記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD-40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)0.6質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合してアクリル系粘着剤組成物(P-1)を得た。
【0082】
(アクリル系粘着剤組成物P-2)
バーノックD-40の添加量を0.5質量部に変更した以外は、アクリル系粘着剤組成物(P-1)と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物(P-2)得た。
【0083】
(アクリル系粘着剤組成物P-3)
バーノックD-40の添加量を0.9質量部に変更した以外は、アクリル系粘着剤組成物(P-1)と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物(P-3)得た。
【0084】
(アクリル系粘着剤組成物P-4)
バーノックD-40の添加量を1.24質量部に変更した以外は、アクリル系粘着剤組成物(P-1)と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物(P-4)得た。
【0085】
(アクリル系粘着剤組成物P-5)
モノマー組成を、n-ブチルアクリレート70.0質量部、2-エチルヘキシルアクリレート25.9質量部、アクリル酸4.0質量部、及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部に変更した以外は、アクリル共重合体(A-1)の調製と同様の操作で重量平均分子量80万のアクリル共重合体(A-2)の溶液(不揮発分35質量%)を得た。
【0086】
上記アクリル共重合体(A-2)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D-125(荒川化学工業株式会社製)10質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A-100(荒川化学工業株式会社製)15質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%の粘着剤溶液を得た。次に、上記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD-40を1.5質量部添加し、均一になるよう攪拌混合してアクリル系粘着剤組成物(P-5)を得た。
【0087】
(アクリル系粘着剤組成物P-6)
バーノックD-40の添加量を1.8質量部に変更した以外は、アクリル系粘着剤組成物(P-5)と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物(P-6)得た。
【0088】
(アクリル系粘着剤組成物P-7)
モノマー組成を、n-ブチルアクリレート60.0質量部、2-エチルヘキシルアクリレート30.9質量部、酢酸ビニル6.0質量部、アクリル酸3.0質量部、及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部に変更した以外は、アクリル共重合体(A-1)の調製と同様の操作で重量平均分子量60万のアクリル共重合体(A-3)の溶液(不揮発分35質量%)を得た。
【0089】
上記アクリル共重合体(A-3)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D-125(荒川化学工業株式会社製)10質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A-100(荒川化学工業株式会社製)15質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%の粘着剤溶液を得た。次に、上記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD-40を1.1質量部添加し、均一になるよう攪拌混合してアクリル系粘着剤組成物(P-7)を得た。
【0090】
(アクリル系粘着剤組成物P-8)
モノマー組成を、n-ブチルアクリレート97.94質量部、アクリル酸2.0質量部、及び4-ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部に変更した以外は、アクリル共重合体(A-1)の調製と同様の操作で重量平均分子量110万のアクリル共重合体(A-4)の溶液(不揮発分35質量%)を得た。
【0091】
上記アクリル共重合体(A-4)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D-125(荒川化学工業株式会社製)5質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A-100(荒川化学工業株式会社製)25質量部と石油系樹脂FTR6100(三井化学株式会社製)20質量部を混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%の粘着剤溶液を得た。次に、上記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD-40を1.0質量部添加し、均一になるよう攪拌混合して粘着剤組成物(P-8)を得た。
【0092】
[実施例1]
上記粘着剤組成物(P-1)を、剥離ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが22μmとなるように塗工し、85℃で3分間乾燥させることによって粘着剤層を作製した。次に、基材として厚さ6μmの無色透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(両面をコロナ処理機でヌレ指数56mN/mに処理したもの)の両面に、粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせ、上記剥離ライナー側から23℃50%RHで線圧50N/cmのラミネートロールで貼り合わせた。これを40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ50μmの粘着テープ(T-1)を得た。上記基材の両面に貼り合わせた粘着剤層のうち、一方を粘着剤層(A1)、他方を粘着剤層(A2)とした。他の実施例及び比較例についても同様とする。
【0093】
[実施例2~4]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-2)~(P-4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-2)~(T-4)を得た。
【0094】
[実施例5]
上記粘着剤組成物(P-1)の乾燥後の厚さが47μmであること以外は、実施例1と同様の操作で厚さ100μmの粘着テープ(T-5)を得た。
【0095】
[実施例6]
上記粘着剤組成物(P-1)の乾燥後の厚さが20μmであることと、基材を厚さ10μmの黒色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ6μmの無色透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に厚さ4μmの黒色コート層あり。両面をコロナ処理機でヌレ指数56mN/mに処理したもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-6)を得た。
[実施例7]
基材を厚さ25μmの無色透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(両面をコロナ処理機でヌレ指数56mN/mに処理したもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ69μmの粘着テープ(T-7)を得た。
【0096】
[実施例8]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-5)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-8)を得た。
【0097】
[実施例9]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-6)を用い乾燥後の厚さが24μmであることと、基材を厚さ16μmの無色透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(両面をコロナ処理機でヌレ指数56mN/mに処理したもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ64μmの粘着テープ(T-9)を得た。
【0098】
[実施例9]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-7)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-10)を得た。
【0099】
[比較例1]
上記粘着剤組成物(P-1)の乾燥後の厚さが12μmであること以外は、実施例1と同様の操作で厚さ30μmの粘着テープ(T-11)を得た。
【0100】
[比較例2]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-6)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-12)を得た。
【0101】
[比較例3]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-5)を用い乾燥後の厚さが19μmであることと、基材を厚さ12μmの無色透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(両面をコロナ処理機でヌレ指数56mN/mに処理したもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ50μmの粘着テープ(T-13)を得た。
【0102】
[比較例4]
上記粘着剤組成物(P-7)の乾燥後の厚さが12μmであること以外は、実施例9と同様の操作で厚さ30μmの粘着テープ(T-14)を得た。
【0103】
[比較例5]
上記粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(P-8)を乾燥後の厚さが17μmであること以外は、実施例1と同様の操作で厚さ40μmの粘着テープ(T-15)を得た。
【0104】
実施例1~10及び比較例1~5で得た粘着テープについて、先述した評価方法を行った結果を下記表に示す。
【0105】
【表1】

【0106】
【表2】

【0107】
【表3】

【符号の説明】
【0108】
1…試験片1、2…ステンレス(SUS)製ブロック、3…ステンレス(SUS)製プローブ
図1