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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080849
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】生産進捗自動推定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230602BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194382
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(71)【出願人】
【識別番号】303055453
【氏名又は名称】株式会社日本電機研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】古田 侑大
(72)【発明者】
【氏名】横田 和浩
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA02
3C100AA03
3C100AA08
3C100AA18
3C100AA23
3C100AA29
3C100AA38
3C100BB12
3C100BB14
3C100BB17
3C100BB33
3C100BB39
3C100EE14
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】工場内の生産ラインにおけるその瞬間の生産の進捗や生産能力の客観的な評価情報を常にリアルタイムに管理者に提供する。
【解決手段】全生産ラインに配置された人員数及び該人員数を配置したときの前記全生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの実績生産食数を含む生産能力を記憶する生産能力記憶部と、前記全生産ラインにおいて生産を行う前記食品受注アイテムの生産食数及び生産開始時刻を記憶する生産計画記憶部と、前記生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力を用いて前記生産計画記憶部に記憶されている前記生産食数の生産を行った場合の生産終了見込時刻を算出する生産終了見込時刻算出部と、前記生産終了見込時刻算出部により算出された生産終了見込時刻を表示する生産終了見込時刻表示部を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品受注アイテムの生産の進捗状況を表示する表示部を備える生産進捗自動推定システムであって、
全生産ラインに配置された人員数及び該人員数を配置したときの前記全生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの実績生産食数を含む生産能力を記憶する生産能力記憶部と、
前記全生産ラインにおいて生産を行う前記食品受注アイテムの生産食数及び生産開始時刻を記憶する生産計画記憶部と、
前記生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力を用いて前記生産計画記憶部に記憶されている前記生産食数の生産を行った場合の生産終了見込時刻を算出する生産終了見込時刻算出部と、
前記生産終了見込時刻算出部により算出された生産終了見込時刻を表示する生産終了見込時刻表示部を備える生産進捗自動推定システム。
【請求項2】
前記生産終了見込時刻算出部は、一定時間ごとに、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、
前記生産終了見込時刻表示部は、再算出された生産終了見込時刻を表示する請求項1記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項3】
前記全生産ラインに配置された人員数の変更情報を取得する変更情報取得部と、
前記変更情報取得部により前記変更情報が取得された場合に、変更された人員数を配置したときの前記全生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を算出する生産能力算出部とを備え、
前記生産能力記憶部は、前記生産能力算出部により算出された生産食数を含む生産能力を記憶し、
前記生産終了見込時刻算出部は、前記生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力により、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、
前記生産終了見込時刻表示部は、再算出された生産終了見込時刻を表示する請求項1または2記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項4】
各生産ラインの1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を含む生産能力を記憶するライン生産能力記憶部と、
所定の生産ラインにおいて生産を行う前記食品受注アイテムの生産食数及び生産開始時刻を記憶するライン生産計画記憶部と、
前記ライン生産能力記憶部に記憶されている前記ライン生産能力を用いて前記ライン生産計画記憶部に記憶されている前記生産食数の生産を行った場合のライン生産終了見込時刻を算出するライン生産終了見込時刻算出部と、
前記ライン生産終了見込時刻算出部により算出されたライン生産終了見込時刻を表示するライン生産終了見込時刻表示部を備える請求項1~3の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項5】
前記ライン生産終了見込時刻算出部は、一定時間ごとに、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、
前記ライン生産終了見込時刻表示部は、再算出されたライン生産終了見込時刻を表示する請求項4記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項6】
前記所定の生産ラインに配置された人員数の変更情報を取得するライン変更情報取得部と、
前記ライン変更情報取得部により前記ライン変更情報が取得された場合に、変更された人員数を配置したときの前記所定の生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を算出するライン生産能力算出部とを備え、
前記ライン生産能力記憶部は、前記ライン生産能力算出部により算出された生産食数を含むライン生産能力を記憶し、
前記ライン生産終了見込時刻算出部は、前記ライン生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力により、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、
前記ライン生産終了見込時刻表示部は、再算出されたライン生産終了見込時刻を表示する請求項4または5記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項7】
前記食品受注アイテム毎の受注数、前記食品受注アイテム毎の盛付包装の終了予定時刻、前記食品受注アイテム毎の盛付包装の終了予定時刻よりも所定時間前の目安時刻を記憶する受注情報記憶部と、
前記食品受注アイテムの生産を行う生産ライン毎に投入する作業員の数である標準作業人員数、前記標準作業人員数で作業したときの標準作業時間及び前記標準作業人員数で作業したときの標準生産能力を含む食品アイテム情報を記憶する食品アイテム情報記憶部と、
前記食品受注アイテム毎の生産実績を記憶する生産実績記憶部と、
前記受注情報記憶部に記憶されている前記食品受注アイテム毎の受注数と前記生産実績記憶部に記憶されている前記食品受注アイテム毎の生産実績とに基づいて生産進捗状況を示す第1の値の算出を行なう第1の算出部と、
所定の食品受注アイテムの生産を行っている所定の生産ラインに実際に投入された作業人員数と、実際の作業時間とに基づいて前記所定の生産ラインにおける実績生産能力を算出する第2の算出部と、
前記食品受注アイテムに対応して記憶されている前記目安時刻になったときに、前記第1の算出部により算出された生産進捗状況を示す前記第1の値に基づき、前記食品受注アイテムの前記受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の注意表示を行う第1の表示制御部と、
前記食品アイテム情報記憶部に記憶されている前記所定の食品受注アイテムの標準生産能力と、前記第2の算出部で算出された実績生産能力を前記所定の生産ラインにおける生産能力を示す情報として前記表示部において表示する第2の表示制御部と、
を備える請求項1~6の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項8】
前記食品アイテム情報記憶部は、前記所定の生産ラインの標準切替時間を更に記憶し、
前記第2の表示制御部は、更に前記標準切替時間と前記所定の生産ラインの実績切替時間を生産能力を示す情報として表示する請求項7記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項9】
前記食品受注アイテムの前記受注数は、受注先毎の受注数を集約した数であり、前記終了予定時刻は、前記受注先毎の納品時刻の中で、最も早い時刻に基づいて決定される請求項7または8記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項10】
前記第1の表示制御部は、前記前記食品受注アイテムの前記終了予定時刻になったときに、前記生産進捗の状況を示す第1の値に基づき前記食品受注アイテムの前記受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の警告表示を行う請求項7~9の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項11】
前記表示部には、前記第1の表示制御部による表示と前記第2の表示制御部による表示が切り替えて表示される請求項7~10の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項12】
前記第1の表示制御部に係る前記警告表示は、前記第2の表示制御部による表示に重ねて表示される請求項11に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項13】
前記第2の表示制御部は、前記表示部に各生産ラインにおける生産能力を示す情報を順次表示する請求項7~12何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項14】
前記第2の表示制御部は、各生産ラインに対応して設けられた前記表示部に各生産ラインにおける生産能力を示す情報をそれぞれ表示する請求項7~13の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項15】
前記表示部は複数あるラインごとまたは、あらかじめ決めたグループごとに設置される請求項7~14記載の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項16】
前記表示部に係る表示は、あらかじめ決められたスケジュールに従って切り替わる請求項7~15の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項17】
前記食品受注アイテムの包装に貼り付けるラベルの出力を行なうラベラーを備え、
前記ラベラーにより出力されたラベルの数に基づいて、前記食品受注アイテムの生産実績の計数を行なう請求項7~16の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【請求項18】
前記表示部は、前記食品受注アイテムの調理を行う調理室及び前記食品受注アイテムの盛付包装を行なう盛付包装室のそれぞれに設置される請求項7~17の何れか一項に記載の生産進捗自動推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品生産において食品受注アイテムの生産の進捗を的確に監視する生産進捗自動推定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生産の進捗状況を監視するシステムとして封筒内に書類を封入する封入機を複数台設置している工場内において、各封入機による生産数、進捗率、総目標生産数等を大型モニターに表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-174019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、惣菜の生産を行なう工場においては多数の取引先へ多種類の惣菜を出荷し、更に惣菜は取引先ごとに量目、配合、出荷時刻等が異なるため、工場では惣菜の多品種少量生産が行なわれている。工場内は、食材を調理する調理エリアと調理された食品を盛付包装する包装エリアがある。また生産する惣菜は調理および盛付包装の工程数が多く、かつ生産した食品受注アイテムを目標時間に出荷する為、同一時間に調理エリアおよび包装エリアに対して多数の作業員を必要とする。
【0005】
また惣菜の生産は、複数の生産ラインにおいて行われており、更に各生産ラインに配置される作業員は、頻繁に交代することから、工場内の大型モニターに生産ライン毎における生産の進捗実績や生産能力の客観的な評価の実績情報を表示しても、管理者が各生産ラインに食品受注アイテムと人員を適切に分配し生産効率を高めることができたか十分に把握し難い為、食品受注アイテムと人員の分配に対して改善策が打ち難いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、工場内の生産ラインにおけるその瞬間の生産の進捗や生産能力の客観的な評価情報を常にリアルタイムに管理者に周知させることにより作業員の配置を的確に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生産進捗自動推定システムは、食品受注アイテムの生産の進捗状況を表示する表示部を備える生産進捗管理監視システムであって、全生産ラインに配置された人員数及び該人員数を配置したときの前記全生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの実績生産食数を含む生産能力を記憶する生産能力記憶部と、前記全生産ラインにおいて生産を行う前記食品受注アイテムの生産食数及び生産開始時刻を記憶する生産計画記憶部と、前記生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力を用いて前記生産計画記憶部に記憶されている前記生産食数の生産を行った場合の生産終了見込時刻を算出する生産終了見込時刻算出部と、前記生産終了見込時刻算出部により算出された生産終了見込時刻を表示する生産終了見込時刻表示部を備える。
【0008】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記生産終了見込時刻算出部は、一定時間ごとに、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、前記生産終了見込時刻表示部は、再算出された生産終了見込時刻を表示する。
【0009】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記全生産ラインに配置された人員数の変更情報を取得する変更情報取得部と、前記変更情報取得部により前記変更情報が取得された場合に、変更された人員数を配置したときの前記全生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を算出する生産能力算出部とを備え、前記生産能力記憶部は、前記生産能力算出部により算出された生産食数を含む生産能力を記憶し、前記生産終了見込時刻算出部は、前記生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力により、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、前記生産終了見込時刻表示部は、再算出された生産終了見込時刻を表示する。
【0010】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、各生産ラインの1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を含む生産能力を記憶するライン生産能力記憶部と、所定の生産ラインにおいて生産を行う前記食品受注アイテムの生産食数及び生産開始時刻を記憶するライン生産計画記憶部と、前記ライン生産能力記憶部に記憶されている前記ライン生産能力を用いて前記ライン生産計画記憶部に記憶されている前記生産食数の生産を行った場合のライン生産終了見込時刻を算出するライン生産終了見込時刻算出部と、前記ライン生産終了見込時刻算出部により算出されたライン生産終了見込時刻を表示するライン生産終了見込時刻表示部を備える。
【0011】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記ライン生産終了見込時刻算出部は、一定時間ごとに、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、前記ライン生産終了見込時刻表示部は、再算出されたライン生産終了見込時刻を表示する。
【0012】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記所定の生産ラインに配置された人員数の変更情報を取得するライン変更情報取得部と、前記ライン変更情報取得部により前記ライン変更情報が取得された場合に、変更された人員数を配置したときの前記所定の生産ラインにおける1時間当たりの前記食品受注アイテムの生産食数を算出するライン生産能力算出部とを備え、前記ライン生産能力記憶部は、前記ライン生産能力算出部により算出された生産食数を含むライン生産能力を記憶し、前記ライン生産終了見込時刻算出部は、前記ライン生産能力記憶部に記憶されている前記生産能力により、生産が終了していない前記食品受注アイテムの食数の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、前記ライン生産終了見込時刻表示部は、再算出されたライン生産終了見込時刻を表示する。
【0013】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記食品受注アイテム毎の受注数、前記食品受注アイテム毎の盛付包装の終了予定時刻、前記食品受注アイテム毎の盛付包装の終了予定時刻よりも所定時間前の目安時刻を記憶する受注情報記憶部と、前記食品受注アイテムの生産を行う生産ライン毎に投入する作業員の数である標準作業人員数、前記標準作業人員数で作業したときの標準作業時間及び前記標準作業人員数で作業したときの標準生産能力を含む食品アイテム情報を記憶する食品アイテム情報記憶部と、前記食品受注アイテム毎の生産実績を記憶する生産実績記憶部と、前記受注情報記憶部に記憶されている前記食品受注アイテム毎の受注数と前記生産実績記憶部に記憶されている前記食品受注アイテム毎の生産実績とに基づいて生産進捗状況を示す第1の値の算出を行なう第1の算出部と、所定の食品受注アイテムの生産を行っている所定の生産ラインに実際に投入された作業人員数と、実際の作業時間とに基づいて前記所定の生産ラインにおける実績生産能力を算出する第2の算出部と、前記食品受注アイテムに対応して記憶されている前記目安時刻になったときに、前記第1の算出部により算出された生産進捗状況を示す前記第1の値に基づき、前記食品受注アイテムの前記受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の注意表示を行う第1の表示制御部と、前記食品アイテム情報記憶部に記憶されている前記所定の食品受注アイテムの標準生産能力と、前記第2の算出部で算出された実績生産能力を前記所定の生産ラインにおける生産能力を示す情報として前記表示部において表示する第2の表示制御部とを備える。
【0014】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記食品アイテム情報記憶部は、前記所定の生産ラインの標準切替時間を更に記憶し、前記第2の表示制御部は、更に前記標準切替時間と前記所定の生産ラインの実績切替時間を生産能力を示す情報として表示する。
【0015】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記食品受注アイテムの前記受注数は、受注先毎の受注数を集約した数であり、前記終了予定時刻は、前記受注先毎の納品時刻の中で、最も早い時刻に基づいて決定される。
【0016】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記第1の表示制御部は、前記前記食品受注アイテムの前記終了予定時刻になったときに、前記生産進捗の状況を示す第1の値に基づき前記食品受注アイテムの前記受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の警告表示を行う。
【0017】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記表示部には、前記第1の表示制御部による表示と前記第2の表示制御部による表示が切り替えて表示される。
【0018】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記第1の表示制御部に係る前記警告表示は、前記第2の表示制御部による表示に重ねて表示される。
【0019】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記第2の表示制御部は、前記表示部に各生産ラインにおける生産能力を示す情報を順次表示する。
【0020】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記第2の表示制御部は、各生産ラインに対応して設けられた前記表示部に各生産ラインにおける生産能力を示す情報をそれぞれ表示する。
【0021】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記表示部は複数あるラインごとまたは、あらかじめ決めたグループごとに設置される。
【0022】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記表示部に係る表示は、あらかじめ決められたスケジュールに従って切り替わる。
【0023】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記食品受注アイテムの包装に貼り付けるラベルの出力を行なうラベラーを備え、前記ラベラーにより出力されたラベルの数に基づいて、前記食品受注アイテムの生産実績の計数を行なう。
【0024】
また本発明の生産進捗自動推定システムは、前記表示部は、前記食品受注アイテムの調理を行う調理室及び前記食品受注アイテムの盛付包装を行なう盛付包装室のそれぞれに設置される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、工場内の生産ラインにおけるその瞬間の生産の進捗や生産能力の客観的な評価情報を管理者に周知させることにより、作業員の配置を的確に行うことができる生産進捗自動推定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態に係る惣菜生産の工程を示す図である。
図2】実施の形態に係る盛付包装ラインの構成を示す概略図である。
図3】実施の形態に係る生産進捗自動推定システムのシステム構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る食品受注アイテム毎に記憶された各情報を示す図である。
図5】実施の形態に係る受注情報を示す図である。
図6】実施の形態に係る全生産ラインの生産能力を示す図である。
図7】実施の形態に係る全生産ラインの生産計画を示す図である。
図8】実施の形態に係る全生産ラインの生産終了予定時刻の表示態様を示す図である。
図9】実施の形態に係る各生産ラインの生産能力を示す図である。
図10】実施の形態に係る各生産ラインの生産計画を示す図である。
図11】実施の形態に係る各生産ラインの生産終了予定時刻の表示態様を示す図である。
図12】実施の形態に係る全生産ラインの生産終了予定時刻の他の表示態様を示す図である。
図13】実施の形態に係る表示部に表示される食品受注アイテムの生産進捗状況を示す画面である。
図14】形態に係る表示部に表示される所定のラインにおける生産能力を示す画面である。
図15】形態に係る警告表示を独立の画面として表示した画面である。
図16】実施の形態に係る警告表示を割り込ませて表示された画面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本実施の形態に係る生産進捗自動推定システムについて説明する。図1は実施の形態に係る生産進捗自動推定システム2(図3参照)が設置された惣菜や弁当など(以下惣菜という)の生産工場における惣菜調理の工程を示す図である。惣菜の生産工場内には、たとえば煮物類の生産を行なうエリアとサラダ類の生産を行なうエリアなど複数のエリアがあり、各エリアに調理エリアが設けられ、更に各調理エリアで生産された惣菜の盛付包装を行なう包装エリア、及び包装エリアで盛付包装された惣菜の仕分けを行なう仕分室が設けられている。
【0028】
たとえば煮物類を生産するエリアでは、図1に示すように、先ず入荷した肉、魚、野菜等の原料が調理エリアに運ばれる。そして調理エリアでは、原料処理室で原料毎に洗浄や切断等の処理が行なわれ、加熱調理室で煮炊き等が行なわれて煮物類の惣菜が調理される。調理された煮物類の惣菜は、冷却室で冷却され、半製品として半製品冷蔵庫において保管される。
【0029】
半製品冷蔵庫に保管されている調理済みの惣菜は、出荷予定時刻に間に合うように包装エリアに運ばれ、盛付包装室で作業員によって盛付、包装が行なわれる。盛付包装室には、図2に示す盛付包装ラインが複数設置されている(例えばAライン~Hライン)。ここで盛付包装ライン(生産ライン)においては、生産計画で割り当てられた惣菜(食品受注アイテム)の盛付包装が行なわれる。
【0030】
次に図2に示すに盛付包装ライン(Aライン)について説明する。Aラインには包装された惣菜を搬送するためのベルトコンベアー20が設けられており、矢印で示すベルトコンベアー20による惣菜の搬送方向の上流側のベルトコンベアー20の左右に作業員が盛付、包装作業を行なうための盛付包装台22が複数設けられている。また搬送方向の下流側に金属異物を検出する金属検出器24、異物を検出するX線検査器26、惣菜の包装に貼り付けるラベルを出力するラベラー14が順に配置されている。従って作業員が盛付包装台22で盛付、包装した惣菜をベルトコンベアー20に載せると、惣菜は金属検出器24、X線検査器26を順に通過して異物の検出が行なわれる。
【0031】
X線検査器26を通過した惣菜はラベラー14まで搬送され、ラベラー14において、搬送されてきた惣菜の包装にラベルの貼り付けが行なわれる。作業員は、ラベルが貼り付けられた惣菜を、番重に載せて仕分室に運び入れる。なおBライン~HラインもAラインと同様な構成を有し、惣菜の盛り付け包装が行われ、惣菜はラベラー14まで搬送され、ラベラー14において、搬送されてきた惣菜の包装にラベルの貼り付けが行なわれる。そして作業員は、ラベルが貼り付けられた惣菜を、番重に載せて仕分室に運び入れる。
【0032】
次に、本発明の実施の形態に係る生産進捗自動推定システムについて説明する。図3は実施の形態に係る生産進捗自動推定システム2のシステム構成を示すブロック図である。生産進捗自動推定システム2は、制御部4、記憶部6、入力部用表示部8、入力部10、通信部12を備え、更に複数のラベラー14(14a、14b、14c…)及び複数の表示部16(16a、16b、16c…)を備えている。
【0033】
制御部4は、生産進捗自動推定システム2の各部の動作を制御する。記憶部6は、図4に示すように、受注アイテム(食品受注アイテム)、受注アイテム毎の目安時刻、終了予定時刻、出荷予定時刻、受注数、実績数、終了実績時刻、進捗率等を記憶する記憶エリアを有している。ここで終了予定時刻は盛付包装の終了を予定している時刻であり、目安時刻は盛付包装の終了予定時刻よりも所定時間前の時刻である。
【0034】
入力部用表示部8は、記憶部6に記憶されている受注情報などの変更等を行なう入力画面等を表示する。入力部10は、キーボードやマウス等を含み、入力画面等への入力を行なう。
【0035】
食品受注アイテムの受注数、納品日時等からなる受注情報は、入力部10から入力するか、通信部12によって、出荷先(受注先)等からインターネット回線等を介して受信する。ここで図5は受注情報を示すものであり、図5には、A社a店(受注先)からアイテムA(食品受注アイテムA)を200個受注し、その納品時刻が18:00であることを示している。またA社b店からアイテムAを100個受注し、その納品時刻が19:00であること、A社c店からアイテムAを191個受注し、その納品時刻が18:30であることを示している。なおB社、C社などからもA社からの受注情報と同様な受注情報を通信部12等を介して受信する。
【0036】
ラベラー14は、図2に示すように盛付包装ライン1列に対して1台ずつ設置されている。表示部16は、例えば60インチのモニターであって、調理エリア及び包装エリアにそれぞれ配置され、食品受注アイテムの生産の進捗状況を示す画面を表示する。なお、表示部16は、各エリアに1台ずつではなく複数台配置してもよい。またエリアの大きさに応じて各エリアにおける表示部16の配置数を定めてもよい。また、複数のラインで1台の表示部16を共用してもよい。
【0037】
また生産進捗の監視を行うため、管理者向けの生産進捗情報を表示する表示部16を設置してもよい。即ち全生産ラインの生産進捗情報を表示する表示部16及び各生産ラインの生産進捗情報を表示する表示部16を設置してもよい。
【0038】
次に生産進捗自動推定システム2に出荷先(受注先)から受注情報が送信されてきた場合の処理について説明する。制御部4は、入力部10または通信部12を介して図5に示すような受注情報を取得し、受注情報に基づいて記憶部6の記憶エリアに受注情報の各項目を記憶させる。即ち、図4に示すように受注アイテムには、受注情報に含まれている受注アイテム、例えばアイテムAを記憶する。また受注数には、受注情報に含まれている受注先毎のアイテムAの受注数を集約した値、例えばA社a店、A社b店、A社c店のそれぞれから受注したアイテムAの受注数を合計した値、491を記憶する。出荷予定時刻には、アイテムAの受注数を集約したA社a店、A社b店、A社c店の中で最も早い納品時刻に間に合うように、定めた出荷時刻が記憶され、終了予定時刻には出荷時刻から所定時間前(例えば45分~1時間前とする。)の時刻が記憶され、目安時刻には終了予定時刻から所定時間前(例えば1時間前とする。)の時刻が記憶される。
【0039】
なお、実績数には、盛付包装後にラベラー14によりラベルが貼り付けられた食品受注アイテム毎の生産実績数が記憶される。また進捗率は、生産進捗の状況を示す値であって、例えばアイテムAの受注数に対するアイテムAの生産の実績数の割合が記憶される。終了実績時刻には生産進捗の状況を示す値が100%となった時刻が記憶される。
【0040】
次に全生産ライン(Aライン~Hライン)を用いた食品受注アイテムの生産について説明する。記憶部(生産能力記憶部)6には、全生産ライン(Aライン~Hライン)で生産を行った場合の生産の実績、即ち全生産ラインにおける生産能力が記憶されている。即ち、図6に示すように全生産ライン(Aライン~Hライン)に作業員を65名(人員数)配置して、食品受注アイテム6000(食/H)の生産を行う計画を立てて、実際に生産を行った結果、6050(食/H)の生産を行うことがでた、また全生産ライン(Aライン~Hライン)に作業員を58名(人員数)配置して、食品受注アイテムを6000(食/H)生産を行う計画を立てて、実際に生産を行った結果、5400(食/H)の生産を行うことができたなど、過去の生産実績が記憶されている。
【0041】
次に全生産ライン(Aライン~Hライン)を用いて食品受注アイテムの生産を行う場合について説明する。ここでは、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置する人員数を65名とする場合について説明する。まず入力部10を用いて、食品受注アイテムの生産食数と生産開始時刻を入力し、更に全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置する人員数を入力する。例えば生産食数として6000食、生産開始時刻18:00、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置する人員数65名を入力する。制御部4は、入力された情報を図7に示すように全生産ラインの生産計画として記憶部(生産計画記憶部)6に記憶する。
【0042】
制御部4は、記憶部(生産能力記憶部)6に記憶されている生産能力を用いて、記憶部(生産計画記憶部)6に記憶されている生産食数の生産を行った場合の、生産終了計画時刻及び生産終了見込時刻を算出する。即ち全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置される生産計画能力6000(食/H)、生産食数6000、生産開始時刻18:00を用いて、生産終了計画時刻を算出する。この場合には、生産終了計画時刻として19:00が算出され、制御部4は、記憶部6(生産計画記憶部)に生産終了計画時刻として19:00を記憶する。また生産実績(生産能力)6050(食/H)、生産食数6000、生産開始時刻18:00を用いて、生産終了見込時刻を算出する。この場合には、生産終了見込時刻として18:50が算出され、制御部4は、記憶部(生産計画記憶部)6に生産終了見込時刻として18:50を記憶する。
【0043】
なお記憶部(生産計画記憶部)6には、生産食数から生産済みの食数を減算した生産残食数も記憶される。生産済の食数は、盛付包装後にラベラー14によりラベルが貼り付けられた食品受注アイテムの食数である。
【0044】
図8は、表示部(生産終了見込時刻表示部)16の表示態様を示す図である。表示部(生産終了見込時刻表示部)16には、図6に示す記憶部(生産能力記憶部)6に記憶されている生産計画能力6000(食/H)、生産実績(生産能力)6050(食/H)、図7に示す記憶部(生産計画記憶部)6に記憶されている生産終了計画時刻19:00、生産終了見込時刻18:50、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置される人員数65名が表示される。なお表示部(生産終了見込時刻表示部)16は、全生産ライン(Aライン~Hライン)が設置されている包装エリアに少なくとも1台配置される。
【0045】
制御部4は、一定時間ごと(例えば1分ごと)に、生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、表示部(生産終了見込時刻表示部)16は、再算出された生産終了見込時刻を表示する。即ち、制御部4は、生産実績(生産能力)6050(食/H)により生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)を生産する場合の時間、及び現在の時刻を用いて、生産終了見込時刻を再算出し、表示部16に表示する。
【0046】
なお全生産ラインに配置された人員数の変更情報を取得した場合に、生産終了見込時刻を再算出して表示するようにしてもよい。即ち制御部4は、入力部10により人員数の変更情報が入力された場合、または図示しないセンサにより全生産ラインに配置された人員数の変更が検出された場合には、全生産ラインにおける1時間当たりの食品受注アイテムの生産食数を算出し、即ち生産能力を再算出する。ここで生産能力の再算出には、人員1名分の生産能力として、生産実績(生産能力)6050(食/H)を、人員数65名で除算した値を用いる。そして再計算した生産能力を記憶部(生産能力記憶部)6に記憶させる。また制御部4は、記憶部(生産能力記憶部)6に記憶されている生産能力により、生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)の生産を行う場合の生産終了見込時刻を再算出し、算出された生産終了見込時刻を表示部16に表示する。
【0047】
また、記憶部(ライン生産能力記憶部)6には、各生産ライン(Aライン~Hライン)で生産を行った場合の生産の実績、即ち各生産ラインにおける生産能力が記憶されている。即ち、図9に示すように例えばAラインにおいて、食品受注アイテムを800(食/H)生産を行う計画を立てて、実際に生産を行った結果、870(食/H)の生産を行うことができ、またBラインにおいて、食品受注アイテムを800(食/H)生産を行う計画を立てて、実際に生産を行った結果、680(食/H)の生産を行うことができたなど、過去のライン毎の生産実績が記憶されている。
【0048】
ここで、各生産ラインの構成及び処理は同様なものであるため、Aラインについてのみ説明を行う。Aラインを用いて食品受注アイテムの生産を行う場合には、まず入力部10を用いて、食品受注アイテムの生産食数を入力する。例えば生産食数として800食を入力する。制御部4は、入力された情報を図10に示すようにAラインの生産計画として記憶部(ライン生産計画記憶部)6に記憶する。なお生産開始時刻には、全生産ラインの生産計画として記憶されている全生産ラインの生産開始時刻18:00が記憶される。また記憶部(ライン生産計画記憶部)6には、生産食数から生産済みの食数を減算した生産残食数も記憶される。生産済の食数は、盛付包装後にラベラー14によりラベルが貼り付けられた食品受注アイテムの食数である。
【0049】
制御部4は、記憶部(ライン生産能力記憶部)6に記憶されているAラインの生産能力を用いて、記憶部(ライン生産計画記憶部)6に記憶されている生産食数の生産を行った場合の、ライン生産終了計画時刻及びライン生産終了見込時刻を算出する。即ち生産食数800、生産開始時刻18:00を用いて、生産終了計画時刻を算出する。この場合には、ライン生産終了計画時刻として19:00が算出され、制御部4は、記憶部(ライン生産計画記憶部)6にライン生産終了計画時刻として19:00を記憶する。また生産実績(生産能力)870(食/H)、生産食数800、生産開始時刻18:00を用いて、ライン生産終了見込時刻を算出する。この場合には、生産終了見込時刻として18:20が算出され、制御部4は、記憶部(ライン生産計画記憶部)6にライン生産終了見込時刻として18:20を記憶する。
【0050】
図11は、表示部(ライン生産終了見込時刻表示部)16の表示態様を示す図である。表示部(ライン生産終了見込時刻表示部)16には、ライン生産計画能力800(食/H)、生産実績(生産能力)870(食/H)、ライン生産終了計画時刻19:00、ライン生産終了見込時刻18:20が表示される。なお表示部(ライン生産終了見込時刻表示部)16は、生産ライン毎に1台配置される。
【0051】
制御部4は、一定時間ごと(例えば1分ごと)に、Aラインで生産を行う食品受注アイテムのうち生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、表示部(ライン生産終了見込時刻表示部)16に再算出された生産終了見込時刻を表示する。即ち、制御部4は、生産実績(生産能力)870(食/H)により生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)を生産する場合の時間、及び現在の時刻を用いて、ライン生産終了見込時刻を再算出し、表示部16に表示する。
【0052】
なおAラインに配置された人員数の変更情報を取得した場合に、ライン生産終了見込時刻を再算出して表示するようにしてもよい。即ち制御部4は、入力部により人員数の変更情報が入力された場合、または図示しないセンサによりAラインに配置された人員数の変更が検出された場合には、Aラインにおける1時間当たりの食品受注アイテムの生産食数を算出し、即ち生産能力を再算出する。ここで生産能力の再算出には、人員1名分の生産能力として、Aラインの生産実績(生産能力)870(食/H)を、Aラインに配置された人員数で除算した値を用いる。そして、再計算された生産能力を記憶部(ライン生産能力記憶部)6に記憶させる。また制御部4は、記憶部(ライン生産能力記憶部)6に記憶されているライン生産能力により、生産が終了していない食品受注アイテムの食数(生産残食数)の生産を行う場合のライン生産終了見込時刻を再算出し、算出されたライン生産終了見込時刻を表示部16に表示する。
【0053】
なお全生産ラインの生産計画として、生産食数として6000食、生産開始時刻18:00、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置する人員数として58名が入力された場合には、図7に示すように全生産ラインの生産計画として記憶部(生産計画記憶部)6に、生産食数として6000食、人員数58名、生産開始時刻18:00が記憶される。この場合制御部4は、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置される人員は58名であることから、計画生産能力である6000(食/H)を用いて、生産終了計画時刻として19:00を算出し、記憶部(生産計画記憶部)6に生産終了計画時刻として19:00を記憶する。また生産実績(生産能力)である5400(食/H)を用いて、生産終了見込時刻として、19:30を算出し、記憶部(生産計画記憶部)6に生産終了見込時刻として19:30を記憶する。
【0054】
図12は、全生産ライン(Aライン~Hライン)に人員数58名が配置された場合の表示部(生産終了見込時刻表示部)16の表示態様を示す図である。表示部(生産終了見込時刻表示部)16には、図6に示す生産計画記憶部に記憶されている生産計画能力6000(食/H)、生産実績(生産能力)5400(食/H)、生産終了計画時刻19:00、生産終了見込時刻19:30、全生産ライン(Aライン~Hライン)に配置される人員数58名が表示される。
【0055】
この生産進捗自動推定システムにおいては、全生産ライン(Aライン~Hライン)の生産終了見込時刻、生産ライン毎の生産終了見込時刻を表示部にリアルタイムで表示するため、管理者は全生産ライン(Aライン~Hライン)の生産の進捗状況のみならず、生産ライン毎の生産の進捗状況を把握することができ、生産が遅れている場合には、人員の追加等を的確なタイミングで行うことができ、食品受注アイテムの生産を計画時間内に的確に行うことができる。
【0056】
次に食品受注アイテムの生産について、アイテムAの生産を例として、アイテムAの生産が開始された後の実績数、進捗率について説明する。制御部4は、ラベラー14によってラベルを発行する毎に、記憶部6のアイテムAにおける実績数の加算を行なう(図4参照)。従って、例えばアイテムAの盛付包装及びラベル貼りを行なっている場合、記憶部6の実績数には、ラベルを発行する毎に、実績数の加算が行なわれ、また制御部4は、実績数の加算される毎に、記憶部6に記憶されている受注数及び実績数に基づいて生産の進捗率を算出し、記憶部6の進捗率の記憶エリアに記憶させる。
【0057】
制御部4は、食品受注アイテムの生産を行なっている間、記憶部6の各記憶エリアに記憶された内容等に基づいて生産の進捗状況を示す画面を全ての表示部16a、16b、16c…にリアルタイムで表示する。生産の進捗状況を示す画面には、図13に示すように受注アイテム毎に、受注数、現時点で生産した実績数、受注数と実績数とに基づく進捗率が表示される。
【0058】
制御部4は、記憶部6に記憶されている食品受注アイテムの中で、現在時刻が目安時刻となったものがある場合には、その食品受注アイテムの進捗率を記憶部6から読み出す(図4参照)。制御部4は、読み出した進捗率が100%未満の場合、表示部16に表示している食品受注アイテムの欄を黄色で表示する等により生産が終了していない旨の注意表示を行なう。
【0059】
制御部4は、記憶部6に記憶されている食品受注アイテムの中で、現在時刻が終了予定時刻となったものがある場合、その食品受注アイテムの進捗率を記憶部6の記憶エリアから読み出す。制御部4は、読み出した進捗率が100%未満の場合、表示部16に表示している食品受注アイテムの欄を赤色で表示する等により生産が終了していない旨の警告表示を行なう。また各ライン共通または、あらかじめ設定されたラインのグループごとに、生産が終了していない旨の警告表示を行う専用の画面を作成して表示してもよい(図15)。
【0060】
また、その警告表示は図13の画面に重ねて表示することができる(図16)。この時注意表示をスクロールしながら表示することもできる。
【0061】
またこの実施の形態に係る生産進捗自動推定システムにおいては、盛付包装ライン(生産ライン)毎の生産能力に関する情報の表示を行う。ここで図14は、表示部16におけるAライン(生産ライン)の生産能力に関する情報の表示状態を示すものである。この表示においては、Aラインにおいて、アイテムAの生産を行った後にアイテムBの生産を行うことを示している。
【0062】
記憶部6には、図14に示す表示状態に対応する記憶エリア、即ち生産を行う食品受注アイテムごとに、生産計画に関する記憶エリアとして、数量(生産数量)、開始(生産開始時刻)、終了(生産終了時刻)、投入人数(Aラインに投入される標準作業人員数)、Aラインの計画生産能力(食/h)、次の生産アイテムに切り替えるのに必要な時間(切替時間(min))の記憶エリアを有している。ここで生産開始時刻と生産終了時刻との差が標準作業時間である。また計画生産能力(食/h)は、標準作業時間と標準作業人員数から求められるAラインにおける計画された生産能力に関する値である。
【0063】
また生産実績に関する値を記憶するエリアとして、数量(実際に生産した数量)、開始(実際に生産を開始した時刻)、終了(実際に生産を終了した時刻)、投入人数(実際にAラインに投入された作業人員数)、Aラインの実際の生産能力(食/h)、実際に切替えに要した時間(切替時間(min))の記憶エリアを有している。ここで実際の生産能力(食/h)は、実際の作業時間と実際に投入された作業人員数から求められるAラインにおける実績生産能力に関する値である。
【0064】
記憶部6の生産計画に関する値は、食品受注アイテムの生産を開始する前に入力部10などから入力された値である。また生産実績に関する値は、食品受注アイテムの生産中または生産を終了した際に、生産実績に基づいて記憶された値である。制御部4は、記憶部6に記憶されている生産計画に関する値と生産実績に関する値を生産能力に関する情報として表示部16に表示する。
【0065】
なお制御部4は、包装エリアに設置されている表示部16には、図13に示す表示と図14に示す表示を切替えて表示する。また制御部4は、包装エリアに設置されている表示部16に、複数設置されている生産ラインの各生産ラインにおける生産能力に関する情報を順次表示してもよい。更に各生産ラインに対応して表示部16a、16b、16c……が設けられている場合には、各生産ラインにおける生産能力に関する情報をそれぞれ表示する。
【0066】
さらに生産ライン毎の生産実績に関する値を蓄積しておき業務の効率化のための情報として用いてもよい。
【0067】
この実施の形態に係る生産進捗自動推定システムによれば、表示部16を調理エリア及び包装エリアに配置し、表示部16にその瞬間の生産進捗の状況をリアルタイムで表示するので、調理エリア及び包装エリアにいる作業員に食品受注アイテムの生産の進捗状況を把握させることができ、生産効率を向上させることができる。
【0068】
また実施の形態に係る生産進捗自動推定システムによれば、現在時刻が目安時刻になったときに表示部16によって注意表示を行ない、更に現在時刻が終了時刻となったときに表示部16によって警告表示を行ない、さらに告知情報をも表示部16に表示することができるので、作業員は生産の遅れの度合を的確に把握し、行うべき作業や現況を把握することができる。
【0069】
さらに、実施の形態に係る生産進捗自動推定システムは、表示部16に係る複数の画面をあらかじめ決められたスケジュールに従って、切り替えて表示する。例えば、生産開始時は食品受注アイテムの生産進捗状況を示す画面(図13)を長めに表示するとともに警告表示画面は短めにしておき、目安時刻が近づくにしたがって警告表示画面が長めに表示されるようにスケジュールする。また、実施の形態に係る生産進捗自動推定システムは、その表示部16の設置場所により設置場所に近い生産ラインの生産進捗状況を長めに表示し、他のラインを短めに表示する。さらに、設置場所により設置場所から遠い生産ラインの表示は短時間にとどめるか表示しない。
【0070】
また実施の形態に係る生産進捗自動推定システムによれば、生産ライン毎に生産計画に関する値と生産実績に関する値を並べて表示することにより生産ライン毎の生産能力の客観的な評価情報を示すことができることから、作業員の意識改善を行うことができ生産効率を向上させることができる。
【0071】
また生産実績に関する値に基づいて、各生産ラインに投入する作業人員数を変更するなど生産計画を変更することができ、生産効率を向上させることができる。
【0072】
また複数の生産ラインで同一の食品受注アイテムを生産している場合には、生産ライン毎の生産実績に関する値を比較することにより、また同一の生産ラインで過去に同一の食品受注アイテムの生産を行っていた場合には、過去の生産実績に関する値と、現在の生産実績に関する値を比較することにより、現在の生産ラインの生産能力の客観的な評価情報を得ることができ作業員の意識改善を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
2…生産進捗自動推定システム、4…制御部、6…記憶部、8…入力部用表示部、10…入力部、12…通信部、14…ラベラー、16…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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