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特開2023-81009情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081009
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20230602BHJP
   H04L 51/02 20220101ALI20230602BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230602BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230602BHJP
【FI】
G06F16/90 100
H04L51/02
G06Q50/10
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194643
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 尚也
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175KA11
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】シナリオのメンテナンスの手間をより軽減することができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、シナリオと、当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトと、を対応付けるシナリオ情報を記憶する記憶部と、端末装置から入力情報を受信し、前記シナリオ情報に基づいて、受信したメッセージ情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する応答部と、前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける受付部と、前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する判断部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シナリオと、当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトと、を対応付けるシナリオ情報を記憶する記憶部と、
端末装置から入力情報を受信し、前記シナリオ情報に基づいて、受信した入力情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する応答部と、
前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける受付部と、
前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する判断部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記受付部は、さらに、前記親のオブジェクトが存在しない場合、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する前に、当該変更するシナリオを表示部に表示する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判断部は、前記親のオブジェクトが存在する場合、当該親オブジェクトと対応関係にある子の前記オブジェクトが他に存在するか否かを判断する、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記受付部は、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在しない場合、当該親のオブジェクトを変更する、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記受付部は、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在する場合、当該親のオブジェクトを変更しない、請求項4または5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
端末装置から入力情報を受信し、シナリオと当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトとを対応付けるシナリオ情報に基づいて、受信した入力情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する応答部と、
前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける受付部と、
前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する判断部と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記親のオブジェクトが存在しない場合、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する前に、当該変更するシナリオを表示部に表示する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記判断部は、前記親のオブジェクトが存在する場合、当該親オブジェクトと対応関係にある子の前記オブジェクトが他に存在するか否かを判断する、請求項7から9のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記受付部は、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在しない場合、当該親のオブジェクトを変更する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記受付部は、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在する場合、当該親のオブジェクトを変更しない、請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
応答部が、端末装置から入力情報を受信し、シナリオと当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトとを対応付けるシナリオ情報に基づいて、受信したメッセージ情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する工程と、
受付部が、前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける工程と、
判断部が、前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
前記受付部が、さらに、前記親のオブジェクトが存在しない場合、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する工程をさらに含む請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記受付部が、前記シナリオ情報において前記子のオブジェクトと対応付けられる前記シナリオを変更する前に、当該変更するシナリオを表示部に表示する工程をさらに含む請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記判断部が、前記親のオブジェクトが存在する場合、当該親オブジェクトと対応関係にある子の前記オブジェクトが他に存在するか否かを判断する工程をさらに含む請求項13から15のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記受付部が、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在しない場合、当該親のオブジェクトを変更する工程をさらに含む請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記受付部が、前記親のオブジェクトと対応関係にある前記子のオブジェクトが他に存在する場合、当該親のオブジェクトを変更しない、請求項16または17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータを、
端末装置から入力情報を受信し、シナリオと当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトとを対応付けるシナリオ情報に基づいて、受信した入力情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する応答部と、
前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける受付部と、
前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する判断部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製品およびサービス等の案内および問合せにおけるコスト削減および運用効率の改善のために利用されるチャットボットを用いたサービスがある。チャットボットにおいて、エンドユーザが欲しい回答を得やすくするために、チャットボットのシナリオを作成する機能がある。シナリオには、チャットボットに表示する質問および回答を指定することで、チャットボットからボタンで質問および回答が選択可能となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のチャットボットの機能では、シナリオで選択されている質問または回答等のオブジェクトが削除等の変更が行われた場合に、削除されたオブジェクトに対応するボタンがシナリオから削除されない。しかしながら、上記のチャットボットの機能では、削除されたオブジェクトに対応するボタンが押された後、対応する質問または回答がありませんとのメッセージが表示され、最初の画面に戻ってしまう。そのため、上記のチャットボットの機能では、チャットボットの管理者は、削除したオブジェクトに対応するシナリオも変更する必要があり、シナリオのメンテナンスに手間がかかる。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シナリオのメンテナンスの手間をより軽減することができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、シナリオと、当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトと、を対応付けるシナリオ情報を記憶する記憶部と、端末装置から入力情報を受信し、前記シナリオ情報に基づいて、受信したメッセージ情報に応答する応答情報を前記端末装置に送信する応答部と、前記シナリオ情報に含まれる前記オブジェクトに対する変更を受け付ける受付部と、前記受付部によって変更を受け付けた前記オブジェクトである子のオブジェクトと対応関係にある親の前記オブジェクトが存在するか否かを判断する判断部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シナリオのメンテナンスの手間を軽減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムの構成を示す図である。
図2図2は、本実施の形態にかかるプラットフォームの各装置のブロック図である。
図3図3は、本実施の形態にかかるプラットフォームのAPPサービスサーバ装置の機能ブロック図である。
図4図4は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて実行されるチャットボットにおいて表示されるメッセージのフローの一例を示す図である。
図5図5は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて実行されるオブジェクトの変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ作成画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるカスタムシナリオ画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ管理画面の一例を示す図である。
図9図9は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ管理画面の一例を示す図である。
図10図10は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ管理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態のチャットボットシステム(情報処理システムおよび情報処理装置の一例)は、プラットフォーム10、チャットボットシステムの利用者のパーソナルコンピュータ装置11、および、チャットボットシステムを導入している企業等の管理者のパーソナルコンピュータ装置12を有している。パーソナルコンピュータ装置11、12は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等であり、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して本実施形態の各装置と接続されている。図1には、プラットフォーム10、パーソナルコンピュータ装置11、および、パーソナルコンピュータ装置12をそれぞれ単体として図示しているが、それぞれ複数でもよい。
【0010】
また、チャットボットシステムの利用者のパーソナルコンピュータ装置11は、ユーザがホームページを閲覧し、チャットを行う端末装置、または、インストールされたコミュニケーションツールを用いてチャットを行う端末装置である。
【0011】
一例ではあるが、プラットフォーム10は、APP(Application software)サービスサーバ装置1、ボットサービスサーバ装置2、管理者ツールサービスサーバ装置3、第1のデータベース4、コンテンツ配信サービスサーバ装置5、検索エンジン6、ストレージサービス装置(Storage)7、および第2のデータベース8を有している。
【0012】
このようなプラットフォーム10の各装置1~8は、1台のサーバ装置で実現してもよいし、サービス毎にサーバ装置を設けてもよい。また、1つのサービスを1台のサーバ装置で実現する形態でも、複数のサービスを1台のサーバ装置で実現する形態を混在させた形態でもよい。さらに、1つのサービスを複数台のサーバ装置による分散処理で実現してもよい。
【0013】
図2は、本実施の形態にかかるプラットフォームの各装置のブロック図である。図2に示すように、各装置1~8は、CPU(Center Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Drive)24、操作インタフェース(I/F)25、および通信部26を有している。
【0014】
図3は、本実施の形態にかかるプラットフォームのAPPサービスサーバ装置の機能ブロック図である。APPサービスサーバ装置1のCPU21は、HDD24に記憶されている情報処理プログラムを実行することで、図3に示すように、応答部301、受付部302、および判断部303として機能する。
【0015】
また、HDD24は、図3に示すように、FAQマスタ304、シナリオデータベース305、シナリオオブジェクト関連データベース306、テキストオブジェクトデータベース307、およびFAQオブジェクトデータベース308として機能する。
【0016】
FAQマスタ304は、質問情報と、当該質問情報に対する回答情報と、を対応付けて記憶するデータベースである。本実施の形態では、FAQマスタ304は、下記の表1に示すように、質問情報の識別情報である質問ID、質問情報、および回答情報を対応付けて記憶する。
【表1】
【0017】
シナリオデータベース305は、チャットボットにより質問情報から回答情報に導くシナリオと、当該シナリオにおいて最初に表示するメッセージと、を記憶するデータベースである。本実施の形態では、シナリオデータベース305は、下記の表2に示すように、チャットボットのID、シナリオID、ショーテキスト、およびシナリオ名を対応付けて記憶するデータベースである。ここで、チャットボットのIDはチャットボットを、シナリオIDは、シナリオをそれぞれ特定する識別情報である。ショーテキストは、チャットボットによりボタンに表示するテキストである。シナリオ名は、シナリオの名称である。例えば、本実施の形態にかかるチャットボットシステムが社内で利用するチャットボットシステムである場合、チャットボットのシナリオは、部署(例えば、総務、経理)毎に作成されるため、部署名がシナリオ名となる。
【表2】
【0018】
シナリオオブジェクト関連データベース306は、シナリオにおけるオブジェクト間の親子関係を管理するデータベースである。ここで、オブジェクトは、シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くためのオブジェクト(短冊)である。例えば、オブジェクトは、「なにかご質問はありますか?」(図6参照)等の質問情報から正しい回答情報(「人事の質問」等(図6参照))に誘導するための質問者へのオブジェクトを含む。
【0019】
本実施の形態では、シナリオオブジェクト関連データベース306は、下記の表3に示すように、シナリオID、親オブジェクトID、および子オブジェクトIDを対応付けて記憶するデータベースである。ここで、親オブジェクトIDは、親のオブジェクトの識別情報である。子オブジェクトIDは、子のオブジェクトの識別情報である。
【表3】
【0020】
テキストオブジェクトデータベース307は、リーフノード以外で使われるオブジェクトを管理するデータベースである。オブジェクトIDは、FAQオブジェクトデータベース308を含めてユニークな値とする。本実施の形態では、テキストオブジェクトデータベース307は、下記の表4に示すように、シナリオID、オブジェクトID、およびテキストを対応付けて記憶するデータベースである。ここで、テキストは、オブジェクトに表示するテキストである。
【表4】
【0021】
FAQオブジェクトデータベース308は、リーフノードで使用されるオブジェクトを管理するデータベースであり、シナリオと、当該シナリオにおいて質問情報から回答情報に導くオブジェクトと、を対応付けるシナリオ情報の一例である。また、FAQオブジェクトデータベース308は、オブジェクトと質問IDとの紐付けを管理する。本実施の形態では、FAQオブジェクトデータベース308は、下記の表5に示すように、シナリオID、オブジェクトID、および質問IDを対応付けて記憶するデータベースである。
【表5】
【0022】
受付部302は、FAQオブジェクトデータベース308に含まれるオブジェクトの変更(例えば、削除等)を受け付ける受付部の一例である。本実施の形態では、受付部302は、パーソナルコンピュータ装置12(端末装置の一例)から、FAQオブジェクトデータベース308に含まれるオブジェクトの変更を受け付ける。本実施の形態では、受付部302は、チャットボットの機能以外の機能により実現される。
【0023】
応答部301は、パーソナルコンピュータ装置11(端末装置の一例)からメッセージ情報(入力情報の一例)を受信する。そして、応答部301は、FAQオブジェクトデータベース308に基づいて、受信したメッセージ情報に対応するメッセージ情報(応答情報の一例)をパーソナルコンピュータ装置11に送信する応答部の一例である。応答部301は、チャットボットの機能により実現される。
【0024】
判断部303は、受付部302によってオブジェクトに対する削除等の変更を受け付けた場合、シナリオオブジェクト関連データベース306を参照して、変更を受け付けたオブジェクトである子のオブジェクト(子オブジェクト)と対応関係にある親のオブジェクト(親オブジェクト)が存在するか否かを判断する。本実施の形態では、判断部303は、チャットボットの機能以外の機能により実現される。
【0025】
そして、受付部302は、親オブジェクトが存在しない場合、FAQオブジェクトデータベース308において子オブジェクトと対応付けられるシナリオを変更する。これにより、チャットボットの管理者が、チャットボットのシナリオ内のオブジェクトを変更した場合に、変更したオブジェクトと対応付けられるシナリオも変更される。その結果、チャットボット管理者によるシナリオのメンテナンスの手間を削減することができる。
【0026】
また、受付部302は、FAQオブジェクトデータベース308において子オブジェクトと対応付けられるシナリオを変更する前に、当該変更するシナリオを表示部(例えば、パーソナルコンピュータ装置12)に表示する。これにより、変更したオブジェクトと対応付けられるシナリオを変更する前に、変更するシナリオを表示部に表示して、シナリオが変更されることをチャットボットの管理者にアラート(警告)することができる。
【0027】
さらに、判断部303は、親オブジェクトが存在する場合、シナリオオブジェクト関連データベース306を参照して、当該親オブジェクトと対応関係にある子オブジェクトが他に存在するか否かを判断する。そして、受付部302は、親オブジェクトと対応関係にある子オブジェクトが他に存在しない場合、当該親オブジェクトも変更する。一方、受付部302は、親オブジェクトと対応関係にある子オブジェクトが他に存在する場合、当該親オブジェクトを変更しない。
【0028】
図4は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて実行されるチャットボットにおいて表示されるメッセージのフローの一例を示す図である。ここでは、例えば、シナリオデータベース305のシナリオID:1のシナリオに従って、オブジェクトを表示する例について説明する。応答部301は、チャットボットの実行を要求する最初のメッセージをパーソナルコンピュータ装置11に表示する(ステップS401)。
【0029】
次いで、チャットボットシステムの利用者が最初のメッセージをクリックしてチャットボットの実行が要求されると、応答部301は、シナリオオブジェクト関連データベース306において、実行が要求されたチャットボットのシナリオIDと対応付けられるオブジェクトID(子オブジェクトID):「1」と対応付けられる子オブジェクトID:2を特定する。そして、応答部301は、テキストオブジェクトデータベース307において、特定した子オブジェクトID:2のオブジェクトであるテキスト:「チャットボット」をパーソナルコンピュータ装置11に表示する(ステップS402)。
【0030】
また、チャットボットシステムの利用者がオブジェクトID:2のオブジェクトをクリックすると、応答部301は、シナリオオブジェクト関連データベース306において、親オブジェクトIDであるオブジェクトID:「2」と対応付けられる子オブジェクトID:3を特定する。そして、応答部301は、テキストオブジェクトデータベース307において、特定した子オブジェクトID:3のオブジェクトであるテキスト:「導入事例」をパーソナルコンピュータ装置11に表示する(ステップS403)。
【0031】
さらに、チャットボットシステムの利用者がオブジェクトID:3のオブジェクトをクリックすると、応答部301は、シナリオオブジェクト関連データベース306において、親オブジェクトIDであるオブジェクトID:「3」と対応付けられる子オブジェクトID:4を特定する。そして、応答部301は、テキストオブジェクトデータベース307において、特定した子オブジェクトID:4のオブジェクトであるテキスト:「商品別」をパーソナルコンピュータ装置11に表示する(ステップS404)。
【0032】
図5は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて実行されるオブジェクトの変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、受付部302によって質問情報等のオブジェクトの変更(例えば、削除)が受け付けられると(ステップS501)、受付部302は、テキストオブジェクトデータベース307において、変更を受け付けたオブジェクトのオブジェクトIDおよびテキストを削除する(ステップS502)。
【0033】
次に、判断部303は、シナリオオブジェクト関連データベース306を参照して、削除したオブジェクト(子オブジェクト)のオブジェクトID(子オブジェクトID)と対応付けられる親オブジェクトIDが存在するか否かを判断する(ステップS503)。
【0034】
削除した子オブジェクトのオブジェクトIDと対応付けられる親オブジェクトIDが存在しない場合(ステップS503:No)、受付部302は、シナリオデータベース305から、削除したオブジェクトを含むシナリオのシナリオIDを削除する(ステップS504)。
【0035】
削除したオブジェクトのオブジェクトIDと対応付けられる親オブジェクトIDが存在する場合(ステップS503:Yes)、判断部303は、シナリオオブジェクト関連データベース306を参照して、当該親オブジェクトIDと対応付けられる他の子オブジェクトIDが存在するか否かを判断する(ステップS505)。
【0036】
他の子オブジェクトIDが存在する場合(ステップS505:Yes)、受付部302は、削除したオブジェクトと対応付けられるオブジェクトの削除を行わずに、オブジェクトの変更処理を終了する。一方、他の子オブジェクトIDが存在しない場合(ステップS505:No)、受付部302は、ステップS502に戻り、当該親オブジェクトIDのオブジェクトを削除する。
【0037】
図6は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ作成画面の一例を示す図である。本実施の形態では、受付部302は、図6に示すように、チャットボットのシナリオの作成処理を要求するオブジェクト(例えば、「カスタムシナリオ フロー6」)が配置されたシナリオ作成画面を、パーソナルコンピュータ装置12に表示する。
【0038】
図7は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるカスタムシナリオ画面の一例を示す図である。本実施の形態では、チャットボットのシナリオの作成処理が要求されると、受付部302は、図7に示すように、カスタムシナリオ画面をパーソナルコンピュータ装置12に表示する。カスタムシナリオ画面は、図7に示すように、チャットボットのシナリオ、および当該シナリオに含まれるオブジェクトを含む。チャットボットシステムの管理者は、カスタムシナリオ画面において、チャットボットによって、利用者とどのように会話(例えば、問合せメッセージ情報と応答メッセージ情報のやりとり)を行わせるかを設定することができる。
【0039】
図8~10は、本実施の形態にかかるチャットボットシステムにおいて表示されるシナリオ管理画面の一例を示す図である。本実施の形態では、受付部302は、図8に示すように、チャットボットのシナリオのうち設定するシナリオを選択可能なシナリオ管理画面を、パーソナルコンピュータ装置12に表示する。例えば、本実施の形態にかかるチャットボットシステムが社内で利用するチャットボットシステムである場合、チャットボットのシナリオは、部署(例えば、総務、経理)毎に作成される。したがって、受付部302は、図9に示すように、部署毎に作成されたシナリオを選択可能なシナリオ管理画面を、パーソナルコンピュータ装置12に表示する。そして、シナリオ管理画面において、変更を受け付けるシナリオが選択されると、受付部302は、図10に示すように、シナリオ管理画面の共通項目の設定画面において、選択されたシナリオのオブジェクトのうちいずれのオブジェクトをチャットボットで表示するかを選択可能とする。
【0040】
このように、本実施の形態にかかるチャットボットシステムによれば、チャットボットの管理者が、チャットボットのシナリオ内のオブジェクトを変更した場合に、変更したオブジェクトと対応付けられるシナリオも変更される。その結果、チャットボット管理者によるシナリオのメンテナンスの手間をより削減することができる。
【0041】
なお、本実施の形態のチャットボットシステムで実行されるプログラムは、ROM22等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のチャットボットシステムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0042】
さらに、本実施の形態のチャットボットシステムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のチャットボットシステムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0043】
本実施の形態のチャットボットシステムで実行されるプログラムは、上述した各部(応答部301、受付部302、判断部303)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU21(プロセッサの一例)が上記ROM22からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、応答部301、受付部302、判断部303が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0044】
1 APPサービスサーバ装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 操作インタフェース
26 通信部
301 応答部
302 受付部
303 判断部
304 FAQマスタ
305 シナリオデータベース
306 シナリオオブジェクト関連データベース
307 テキストオブジェクトデータベース
308 FAQオブジェクトデータベース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2021-018741号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10