(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081328
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】処理アセンブリ、チャンバー、および方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20230602BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230602BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022188538
(22)【出願日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】63/284,092
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンッティ・ニスカネン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030CA01
4K030CA02
4K030CA04
4K030CA05
4K030EA03
4K030GA02
4K030GA06
5F004AA01
5F004BB18
5F004CA05
5F045AA08
5F045AA15
5F045BB01
5F045DP03
5F045DP28
5F045EF05
5F045EM10
(57)【要約】
【課題】処理アセンブリ、チャンバー、および方法を提供する。
【解決手段】本開示は、シャワーヘッドを備える半導体処理チャンバーに関し、シャワーヘッドは処理チャンバー内に反応物質を供給するためのシャワープレートを備える。処理チャンバーは、基材を保持するための可動サセプターをさらに備え、処理チャンバーは、シャワープレートを垂直に貫通して延在するシャワープレート軸を有し、基材軸は、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心が構成および配置される位置に垂直に延在し、基材軸はシャワーヘッド軸からずれている。本開示はさらに、半導体処理アセンブリ、および半導体基材を処理する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバーであって、
前記処理チャンバー内に反応物質を供給するためのシャワープレートを備えるシャワーヘッドと、
基材を保持するための可動サセプターと、を備え、
前記処理チャンバーが、
前記シャワープレートを貫通して垂直に延在するシャワープレート軸と、
反応物質を前記処理チャンバー内に供給する間、前記基材の中心が構成および配置される位置に垂直に延在する基材軸と、を有し、
前記基材軸が、前記シャワーヘッド軸からずれている、半導体処理チャンバー。
【請求項2】
前記サセプターが前記サセプターを貫通して垂直に延在するサセプター軸を備え、前記サセプターが前記サセプター軸を中心に回転可能に移動可能である、請求項1に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項3】
前記サセプターおよび前記シャワープレートが円形状である、請求項1または2に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項4】
前記シャワープレート軸が、前記サセプターの中心を貫通して延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項5】
前記基材軸と前記シャワープレート軸との間の距離が、反応物質が前記処理チャンバー内に供給される場合、一定に保たれるように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項6】
前記基材軸と前記シャワープレート軸との間の前記距離が、前記シャワープレートの半径の0.1~1倍である、請求項5に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項7】
前記シャワープレート軸と前記サセプター軸とが一致する、請求項1~6のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項8】
前記基材が、反応物質を前記処理チャンバー内に供給する間、前記サセプターに対して静止したままになるように構成される、請求項7に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項9】
前記基材が、反応物質を前記処理チャンバー内に供給する間、前記サセプターに対して回転するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項10】
前記基材軸と前記サセプター軸とが一致する、請求項1~6のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項11】
前記処理チャンバーが蒸着チャンバーである、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項12】
前記蒸着チャンバーがALDチャンバーである、請求項11に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項13】
前記処理チャンバーがエッチングチャンバーである、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバー。
【請求項14】
半導体基材を処理するための基材処理アセンブリであって、前記アセンブリが請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバーを備える、基材処理アセンブリ。
【請求項15】
半導体基材を処理する方法であって、前記方法は、
処理チャンバー内に中心を有する基材を提供することと、
中心を有する円形のシャワープレートを介して反応物質を前記処理チャンバー内に供給することと、を含み、
前記反応物質を前記処理チャンバー内に供給する間、
前記基材の前記中心が、前記基材上の、前記シャワープレートの投影面の前記中心から少し離れており、
前記基材が回転する、方法。
【請求項16】
前記基材が、前記基材上の、前記シャワープレートの前記投影面の前記中心を中心に回転する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基材が、それ自体の中心を中心に回転する、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記反応物質が、気相で前記処理チャンバー内に供給される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記反応物質が、前記基材上に材料を堆積させるための前駆体である、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記前駆体が、シリコン前駆体、窒素前駆体、酸素前駆体、金属前駆体、半金属前駆体、遷移金属前駆体、希土類金属前駆体、およびカルコゲン前駆体を含む群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記反応物質がエッチング反応物質である、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスを製造するための方法およびアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、半導体基材を処理するための方法およびアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造において、半導体基材、例えばシリコンウェーハは、基材上に目的のデバイスを製造するために、さまざまな処理工程を通じて処理される。処理工程は、特定の領域に材料の薄層を形成するための慎重に制御された堆積工程が含む。処理工程は、蒸着プロセス、例えば化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)、およびプラズマ増強ALD(PEALD)を含むことができる。さらに、基材表面を洗浄してもよく、基材表面から材料をエッチングすることができる。デバイスの寸法が非常に小さいため、場合により、処理した基材全体および様々なプロセスにわたって、堆積またはエッチングの均一性を最大化するために注意を払わなければならない。
【0003】
多くの用途では、処理ガスは、シャワーヘッドを通して処理チャンバー内に供給される。基材全体のガス分布の均一性は、処理チャンバー内の気相反応器を制御する重要なパラメーターである。堆積またはエッチング処理を行うように構成される処理チャンバーでは、基材の表面全体にわたる実質的な温度差は、それぞれ堆積速度やエッチング速度などの不均一な反応を引き起こす可能性がある。シャワーヘッドを備える処理チャンバーは、中心対称の設計であるにも関わらず、基材処理において依然としていくつかの未解決の不均一性パターンを示す。これにより、特に、薄い材料層が処理される用途では、プロセス開発の可能性が制限される可能性がある。したがって、気相基材処理の均一性をさらに向上させるために、より優れたガス分布を制御できる改良された処理チャンバー、アセンブリ、および方法が当技術分野で必要とされている。
【0004】
このセクションに記載される問題および解決策の考察を含む任意の考察は、本開示の状況を提供する目的のためにのみこの開示に含まれる。こうした考察は、本発明がなされた時点で、または別の方法で先行技術を構成する時点で、情報のいずれかまたはすべてが既知であったことを認めるものと解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の概要は、選択された概念を単純化した形態で導入する場合があり、これは以下でさらに詳細に記述される場合がある。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを必ずしも意図してはおらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0006】
一態様では、シャワーヘッドおよび基材を保持するための可動サセプターを備える半導体処理チャンバーが開示される。シャワーヘッドは、反応物質を処理チャンバー内に供給するためのシャワープレートを備え、処理チャンバーは、シャワープレートを貫通して垂直に延在するシャワープレート軸と、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心が構成および配置される位置に垂直に延在する基材軸とを有する。基材軸は、シャワーヘッド軸からずれている。
【0007】
いくつかの実施形態では、シャワープレート軸は、シャワープレートの中心を貫通して垂直に延在する。いくつかの実施形態では、基材軸は、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心が構成および配置される位置に、サセプターを貫通して垂直に延在する。
【0008】
いくつかの実施形態では、シャワープレートはシャワーヘッドの不可欠な部分である。いくつかの実施形態では、シャワープレートはシャワーヘッドから取り外し可能である。
【0009】
一部の実施形態では、サセプターはサセプターを貫通して垂直に延在するサセプター軸を備え、サセプターはサセプター軸の周りを回転可能に移動可能である。いくつかの実施形態では、サセプター軸はサセプターの中心を貫通して垂直に延在する。いくつかの実施形態では、サセプター軸は、サセプターをサセプターの中心からずれて貫通して垂直に延在する。サセプターがサセプター軸の周りを回転可能に移動可能であるということは、サセプターが回転運動でサセプター軸に垂直な平面内で移動することを意味する。回転移動は、一方向に一定であってもよく、または回転の方向が変化してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、サセプターおよびシャワープレートは円形状を有する。いくつかの実施形態では、シャワープレート軸はサセプターの中心を貫通して垂直に延在する。いくつかの実施形態では、基材軸とシャワープレート軸との間の距離は、反応物質が処理チャンバー内に供給される場合、一定に保たれるように構成される。いくつかの実施形態では、基材軸とシャワープレート軸との間の距離は、シャワープレートの半径の0.1倍~1倍である。いくつかの実施形態では、シャワープレート軸とサセプター軸は一致する。
【0011】
いくつかの実施形態では、基材は、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、サセプターに対して静止したままになるように構成される。いくつかの実施形態では、基材は、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、サセプターに対して回転するように構成される。いくつかの実施形態では、基材軸とサセプター軸は一致している。
【0012】
いくつかの実施形態では、処理チャンバーは蒸着チャンバーである。いくつかの実施形態では、蒸着チャンバーはALDチャンバーである。いくつかの実施形態では、処理チャンバーは、堆積プロセスを実行するように構成および配置される。いくつかの実施形態では、処理チャンバーは、エッチング処理を実行するように構成および配置される。いくつかの実施形態では、堆積チャンバーは、シリコン含有材料の堆積のために構成および配置される。シリコン含有材料は、例えば、シリコン酸化物(例えば、SiO2)、SiN、SiC、SiOC、SiON、またはSiOCNであってもよい。いくつかの実施形態では、堆積チャンバーは、金属含有材料、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、または金属リン化物の堆積のために構成および配置される。例えば、金属含有材料は、窒化チタン、酸化チタン、炭化チタン、high-k材料、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、または酸化アルミニウムであってもよい。いくつかの実施形態では、堆積チャンバーは、熱堆積プロセスのために構成および配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、処理チャンバーはエッチングチャンバーである。
【0014】
別の態様では、半導体基材を処理するための基材処理アセンブリが開示される。アセンブリは半導体処理チャンバーを備え、処理チャンバーはシャワーヘッドを備え、基材を保持するための可動サセプターが開示される。シャワーヘッドは、反応物質を処理チャンバー内に供給するためのシャワープレートを備え、処理チャンバーは、シャワープレートを貫通して垂直に延在するシャワープレート軸と、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心が構成および配置される位置に垂直に延在する基材軸とを有する。基材軸は、シャワーヘッド軸からずれている。
【0015】
別の態様では、半導体基材を処理する方法が開示される。方法は、処理チャンバー内に中心を有する基材を提供することと、中心を有する円形のシャワープレートを介して処理チャンバー内に反応物質を供給することとを含み、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心は、基材上の、シャワープレートの投影面の中心から少し離れており、基材は回転する。
【0016】
いくつかの実施形態では、基材は、基材上の、シャワープレートの投影面の中心を中心に回転する。いくつかの実施形態では、基材は基材自体の中心を中心に回転される。
【0017】
いくつかの実施形態では、反応物質は、気相で処理チャンバー内に供給される。いくつかの実施形態では、反応物質は、基材上に材料を堆積させるための前駆体である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前駆体は、シリコン前駆体、窒素前駆体、酸素前駆体、金属前駆体、半金属前駆体、遷移金属前駆体、希土類金属前駆体、およびカルコゲン前駆体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、反応物質はエッチャントである。
【0019】
本開示では、変数のうちの任意の二つの数はその変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示された任意の範囲は、端点を含んでもよく、または除外してもよい。加えて、示された変数の任意の値は(それらが「約」を有して示されているか否かにかかわらず)、正確な値またはおおよその値を指し、等価物を含んでもよく、また平均値、中央値、代表値、または大多数またはこれに類するものを指してもよい。さらに、この開示では、「含む」「によって構成される」、および「有する」という用語は、一部の実施形態では、「典型的にまたは広く含む」、「含む」、「から本質的に成る」、または「から成る」を独立して指す。本開示では、任意の定義された意味は、一部の実施形態では、通常および慣習的な意味を必ずしも排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、かつこの明細書の一部を構成する添付図面は、例示的な実施形態を例示し、また記述とともに本開示の原理を説明するのを助ける。図面中、以下を表す。
【
図1】
図1は、本開示による処理チャンバーの一実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、本開示による処理チャンバーの別の実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、本開示による方法の一実施形態である。
【
図4】
図4は、本開示による処理チャンバーの一実施形態の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に提供される処理チャンバー、アセンブリ、および方法の例示的な実施形態の説明は、単なる例示であり、説明のみを目的とする。以下の記述は、開示の範囲または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、示された特徴を有する多数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図しない。例えば、様々な実施形態が例示的な実施形態として記載されてもよく、また従属請求項において列挙されてもよい。別段の記載のない限り、例示的な実施形態またはその構成要素は、組み合わされてもよく、または互いに分離して適用されてもよい。
【0022】
本開示は、半導体処理チャンバー、基材処理アセンブリ、および半導体基材を処理する方法の様々な実施形態に関する。半導体基材は、様々な処理、例えば、堆積およびエッチングがされ、それらの処理において、物質が半導体基材表面に接触して半導体デバイスを形成する反応を引き起こす。最先端技術、例えば、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、およびそれらのプラズマ増強バージョン(PE-ALD、PE-CVD)、ならびに原子層エッチング(ALEt)を含むドライエッチング法の多くでは、基材表面への反応物質の気相送達が使用される。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「基材」は任意の材料または任意の複数の材料を指すことができ、それらを使用して、デバイス、回路、材料もしくは材料層を形成することができ、またはそれらの上に、デバイス、回路、材料もしくは材料層を形成することができる。基材は、シリコン(例えば単結晶シリコン)などのバルク材料、ゲルマニウムなどの他の第IV族材料、または第II-VI族、もしくは第III-V族半導体材料などの他の半導体材料を含むことができる。基材は、バルク材料の上にある一つ以上の層を含むことができる。基材は、基材の層の少なくとも一部分内に、またはその一部分上に形成された、陥凹部、線、トレンチ、またはフィンなどの上昇している部分の間の空間、およびこれに類するものを含む様々なトポロジー(ギャップなど)を含むことができる。基材としては、窒化物(例えばTiN)、酸化物、絶縁材料、誘電材料、導電性材料、金属(タングステン、ルテニウム、モリブデン、コバルト、アルミニウム、または銅など)、もしくは金属材料、結晶材料、エピタキシャル、ヘテロエピタキシャル、および/または単結晶材料が挙げられうる。本開示の一部の実施形態において、基材はシリコンを含む。基材は、シリコンに加えて、上述の通りの他の材料を含んでもよい。他の材料は層を形成してもよい。本開示による基材は、異なる材料特性を有する二つの表面を備える。
【0024】
本開示において、「ガス」は、常温常圧(NTP)にて気体である材料、気化した固体、および/または気化した液体を含むことができ、また状況に応じて単一の気体、また気体の混合物によって構成されることができる。本開示による前駆体は、気相で処理チャンバーに供給されてもよい。「不活性ガス」という用語は、化学反応に関与しない、および/または相当な程度まで層の一部にならないガスを指すことができる。例示的な不活性ガスは、HeおよびAr、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。一部の事例では、分子窒素および/または水素は不活性ガスとすることができる。プロセスガス以外のガス、すなわち、前駆体インジェクターシステム、他のガス分配装置などを通過せずに導入されるガスは、例えば、反応空間を封止するために使用されることができ、封止ガスを含むことができる。
【0025】
用語「前駆体」および「反応物質」は、別の化合物を生成する化学反応に関与する分子(化合物、または単一の元素を含む分子)を指す場合がある。前駆体は典型的に、問題になっている化学反応から生じる化合物または元素に少なくとも部分的に組み込まれる部分を含む。結果として生じるこのような化合物または元素は、基材上に堆積されることができる。反応物質は、得られる化合物または元素内に少しも取り込まれない元素または化合物であってもよい。しかし、特定の実施形態では、反応物質はまた、得られる化合物または元素にも寄与する可能性がある。エッチングプロセスにおいて、反応物質は目的材料のエッチングに関与する。例えば、ALEt技術では、二つの異なる反応物質を使用する場合があり、それらが一緒になって目的材料の自己制御エッチングを引き起こす。そのうちの一つのみが目的材料をエッチングすることができるが、機能するプロセスには両方とも必要である。
【0026】
CVDタイプのプロセスは典型的に、二つ以上の前駆体および/または反応物質間の気相反応を含む。前駆体または反応物質は、反応空間もしくは基材に同時に、または部分的にもしくは完全に分離されたパルスで供給されることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、周期的蒸着法を用いて、シリコンおよび酸素を含む材料を堆積させる。用語「周期的堆積プロセス」は、材料、例えば、シリコンおよび酸素を含む材料を基材上に堆積させるために、前駆体および/または反応物質を処理チャンバー内に順次導入することを指すことができる。周期的堆積には、処理技術、例えば、原子層堆積(ALD)、周期的化学気相堆積(周期的CVD)、ならびにALD成分および周期的CVD成分を含むハイブリッド周期的堆積プロセスが含まれる。周期的CVDプロセスでは、前駆体および/または反応物質は、重ならない、または部分的もしくは完全に重なるパルスで処理チャンバーに供給されることができる。このプロセスは、処理チャンバー内への前駆体の供給の間に、または前駆体の供給と反応物質の供給との間にパージ工程を含むことができる。周期的堆積プロセスでは、基材および/または反応空間を加熱して、気体前駆体および/または反応物質間の反応を促進することができる。このようなプロセスは、熱堆積プロセスと呼ばれる。いくつかの実施形態では、所望の厚さを有する層が堆積されるまで、前駆体および反応物質が供給される。
【0028】
用語「原子層堆積」(ALD)は、堆積サイクル、例えば複数の連続堆積サイクルが処理チャンバー内で行われる蒸着プロセスを指す場合がある。本明細書で使用する場合、用語、原子層堆積はまた、前駆体/反応物質、および必要に応じてパージガスの交互パルスで実施される場合、関連する用語、例えば化学蒸着原子層堆積、により示されるプロセスを含むことを意味する。一般的に、ALDプロセスについては、各サイクル中に、前駆体が、反応チャンバーへ導入され、そして堆積表面(例えば、以前のALDサイクルによって以前堆積された材料または他の材料を含むことができる基材表面)に化学吸着され、別の前駆体と容易に反応しない材料のほぼ単分子層または準単分子層を形成する(すなわち、自己制御反応)。その後、場合によっては、化学吸着された前駆体を堆積表面上で所望の材料に変換する際に使用するために、続いて別の前駆体または反応物質を処理チャンバー内に導入することができる。第二の前駆体または反応物質は、前駆体とさらに反応することができる。一つまたは複数のサイクルの間、例えば各サイクルの各工程の間にパージ工程を利用して、過剰な前駆体を処理チャンバーから除去し、ならびに/または過剰な反応物質および/もしくは反応副生成物を処理チャンバーから除去することができる。したがって、いくつかの実施形態では、周期的堆積プロセスは、前駆体または反応物質を処理チャンバー内に供給した後に処理チャンバーをパージすることを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本開示によるチャンバーは、プラズマ増強プロセス、例えばプラズマ増強ALD(PEALD)またはプラズマ増強CVD(PECVD)のために構成および配置される。このようなプロセスでは、プラズマが処理チャンバー内に供給され、気相または基材表面上のいずれかで反応を促進するための反応種を形成する。いくつかの実施形態では、プラズマは、基材または反応空間から離れたプラズマ放電(「リモートプラズマ」)によってリモートで形成されることができる。いくつかの実施形態では、プラズマは、基材の近傍にまたは基材の真上に形成されることができる(「ダイレクトプラズマ」)。いくつかの実施形態では、プラズマは、高周波(RF)パワーによるガスの気相イオン化によって生成される。いくつかの実施形態では、プラズマは、マイクロ波放射によるガスの気相イオン化によって生成される。いくつかの実施形態では、本開示によるチャンバーは、プラズマ増強プロセス、例えばラジカル増強ALD(RETD)のために構成および配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示による処理チャンバー、および本開示による方法は、基材表面から材料をエッチングすることに関する。「通常の」連続エッチング処理では、材料を除去するためにエッチャント配合物が処理チャンバー内に供給される。いくつかの実施形態では、エッチング処理は少なくとも一つの反応物質の連続的な流れを含む。いくつかの実施形態では、反応物質のうちの一つまたは複数が処理チャンバー内に連続的に供給される。
【0031】
いくつかの実施形態では、エッチング処理は周期的エッチング処理である。例えば、エッチングの多くは、二つの反応物質を交互に順次、処理チャンバー内に供給することを含む。いくつかの実施形態では、エッチング処理は原子層エッチング(ALEt)処理を含む。ALEtでは、材料の薄層は一連の反応工程を使用して制御可能に除去される。いくつかの実施形態では、一連の反応工程は自己制御的である。従来の連続エッチングとは対照的に、ALEtは通常、材料を除去するために一つまたは複数のエッチングサイクルを利用する。一つまたは複数のエッチングサイクルが、ALEt処理に提供されてもよい。
【0032】
本開示の処理チャンバーは、原子層堆積(ALD)アセンブリの一部を形成することができる。処理チャンバーは、化学気相堆積(CVD)アセンブリの一部を形成することができる。処理チャンバーは、原子層エッチング(ALET)アセンブリの一部を形成することができる。反応器は枚葉式反応器であってもよい。代替的に、反応器はバッチ反応器であってもよい。アセンブリは、一つまたは複数のマルチステーション堆積チャンバーを備えてもよい。必要に応じて、処理チャンバーを備えるアセンブリには、基材ならびに/または反応物質および/もしくは前駆体の温度を上昇させることによって反応を活性化させるためのヒーターを設けることができる。代わりに、またはそれに加えて、処理チャンバーを備えるアセンブリにプラズマ源を設けて、反応種(例えば、ラジカルおよび/またはイオン)を処理チャンバー内に供給することにより反応を活性化することができる。
【0033】
本開示による処理チャンバーは、シャワーヘッドタイプの処理チャンバーである。シャワーヘッドタイプの処理チャンバーでは、ガス分配システムは、ガスを基材表面に分配するためのシャワーヘッドアセンブリを備えることができる。シャワーヘッドアセンブリは、基材の上方に配置されることができる。基材の処理中に、一つまたは複数の反応ガスが、シャワーヘッドアセンブリから基材に向かって下向きに流れ、次に、基材の上を基材の縁部に向かって外側方向に流れる。例えば、シャワーヘッドアセンブリは、チャンバー側および分配側を有するシャワープレートと、シャワープレートのチャンバー側に隣接するシャワーヘッドチャンバーと、シャワープレートのチャンバー側と分配側との間でシャワープレートに延在する複数の開口部と、を備えることができる。シャワープレートの分配側は、処理チャンバー内に配置された基材に面するように構成および配置される。
【0034】
本開示は、図面に図示される以下の例示的な実施形態によってさらに説明される。本明細書に示される図は、任意の特定の処理チャンバー、処理チャンバー構成要素、または材料層の実際の図であることを意味するものではなく、本開示の実施形態を説明するための単なる概略図である。当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために図示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の図示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素と相対的に誇張されている場合がある。図面に示されている構造およびデバイスは、明確にするために省略される場合がある別の要素および詳細を含む場合がある。
【0035】
図面全体を通して、以下の番号が用いられる。
100 - 処理チャンバー
10 - サセプター
11 - サセプター軸
20 - シャワーヘッド
21 - シャワープレート
22 - シャワープレート軸
30 - 基材
31 - 基材軸
32 - 基材の処理中の基材中心の経路
300~303 - プロセス工程(
図3)
【0036】
図1は、本開示による半導体処理チャンバー100の例示的な実施形態を示す。半導体処理チャンバー100は、反応物質を処理チャンバー内に供給するためのシャワープレート21を備えるシャワーヘッド20と、基材30を保持するための可動サセプター10とを備える。処理チャンバー100は、シャワープレート21を貫通して垂直に延在するシャワープレート軸22と、反応物質を処理チャンバー100内に供給する間、基材30の中心が構成および配置される位置に垂直に延在する基材軸31と、を有する。いくつかの実施形態では、シャワープレート軸22は、シャワープレート21の中心を貫通して延在する。本開示による処理チャンバー100では、基材軸31はシャワーヘッド軸22からずれている。
【0037】
図1のパネルAは、処理チャンバー100を概略上面図で示す。サセプター10は、最大の円として示される。シャワープレート21の位置は、破線の円で示される。シャワープレート21は、表示面の上方にあるため、破線の円は、サセプター10表面上の、シャワープレート21の投影面を表す。シャワープレート21は、反応物質を処理チャンバー100内に供給するための開口部を備えるが、それらはパネルAでは見えない。
図1の実施形態では、サセプター10およびシャワープレート21の両方が円形である。
【0038】
図1のパネルAの実施形態では、シャワープレート21の表面積は、サセプターの面積よりもわずかに小さい。しかし、いくつかの実施形態では、シャワープレート21の表面積は、サセプターの表面積に等しい。いくつかの実施形態では、シャワープレート21の表面積は、サセプターの表面積より大きい。シャワープレートの半径は、点線(r
sp)で示されている。
【0039】
基材、例えば半導体ウェーハは、円30によって示される。基材軸は、十字線31によって示される。上で説明したように、基材は任意の半導体基材であってもよく、半導体デバイスの製造中、例えば、材料の堆積または材料のエッチング中に使用される任意の処理の対象とすることができる。基材30は、シャワーヘッド軸22およびサセプター10に対してずらされている。シャワープレート軸22は、破線の十字22で示されている。シャワープレート21とサセプター10とが同心円状に配置されると、シャワープレート軸22はサセプター10の中心を貫通して延在する。したがって、シャワープレート軸22およびサセプター軸は一致している。
【0040】
図中、サセプター10は、サセプターを貫通して垂直に延在するサセプター軸を備える。いくつかの実施形態では、サセプター軸は、サセプター10の中心を貫通して垂直に延在する。しかし、例えば、サセプターが非円形状である場合、軸はサセプター平面の中心以外の場所に配置される可能性がある。
図1のパネルAでは、サセプター軸はサセプター10の中心を貫通して延在する。サセプター10およびシャワープレート21は同心円状に配置されるため、シャワープレート軸22はまた、サセプター軸(図には図示せず)の位置を示す。
【0041】
本開示によるサセプター10は、移動可能である。サセプター10を移動させることにより、基材30の処理に及ぼす位置の影響を軽減することができる。
図1のパネルAでは、サセプターはサセプター軸を中心に回転可能に移動可能である。したがって、基材軸31とシャワープレート軸22との間の距離は、反応物質が処理チャンバー100内に供給される場合、一定に保たれるように構成される。
【0042】
換言すると、サセプターは水平方向に、つまりサセプター軸に対して垂直に回転する。点線の円32は、サセプター10が(シャワープレート軸22と同じ位置の)サセプター軸を中心に回転される場合、基材軸31がたどる経路を示す。回転は、一方向に行われてもよく、または回転方向を交互にしてもよい。サセプターを移動させることにより、シャワープレートの開口部が基材全体の反応の均一性に及ぼす影響を減少させる場合がある。いくつかの実施形態では、基材30は、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、サセプター10に対して静止したままになるように構成される。
【0043】
基材30上の所定位置の、サセプター10および/またはシャワープレート21の縁部に対する距離を変更することが有益である場合がある。したがって、サセプター10およびシャワープレート21の共通の中心を中心として基材30を単純に回転させるだけでは、すべての状況で十分ではない場合がある。基材31の中心をシャワープレート21の中心に対してずらして配置する場合、改善される可能性がある。いくつかの実施形態では、サセプターが回転する場合、シャワープレートからの基材表面の距離が変化するように、サセプターは、垂直方向に傾けられてもよい。いくつかの実施形態では、サセプターは、約1°(度)~約5°、例えば、約2°または約3°傾けられてもよい。
【0044】
基材の中心がシャワープレート21の中心とずれるように基材30を配置する場合、サセプター10上の基材30の位置は、シャワープレート21およびサセプター10の相対的なサイズおよび位置により異なる場合がある。例えば、サセプター10がサセプターおよびシャワープレートの共有軸22を中心に回転する間、基材30がそれ自体の軸31を中心に回転する場合、サセプター位置のシャワーヘッドの縁部に対する距離がサセプター10の移動中に変化する。いくつかの実施形態では、基材30は、反応物質を処理チャンバー100内に供給する間、サセプター10に対して回転するように構成される。
【0045】
これは、
図1のパネルAにおいて、基材30上の二つの位置iおよびiiによって例示される。両方の位置は、基材30の縁部から同じ距離にある。しかし、
図1のパネルAに示す位置では、位置iは、位置iiよりもシャワープレート21の縁部により近い。したがって、二つの位置は、処理チャンバー内で実行される処理の異なる位置の影響を一時的に受けることになる。基材30がサセプター10に静止して固定されている場合、位置iおよびiiは、サセプター10から、およびしたがってシャワープレート21の端部から固定された距離にとどまる。しかし、サセプターがシャワープレート軸22を中心とする円形以外のパターンで、例えば往復で移動する場合、シャワープレート21の縁部までの距離は変化することができる。別の選択肢として、サセプター10がシャワーヘッド軸22を中心に回転する間、基材は、それ自体の軸31を中心に回転することができる。これにより、シャワープレート21に対する位置iおよびiiの位置が変更されることになる。このように、シャワープレート21もしくはサセプター10の縁部からの距離、またはシャワープレート21の開口部までの距離に関連する可能性がある任意の位置の影響は、処理中に変化する可能性があり、これにより、異なる位置における処理の影響の違いが低減される可能性がある。
【0046】
さらに、基材30の縁部からの距離はエッジ効果を引き起こす可能性があり、エッジ効果はシャワープレート21に対する位置に起因する位置の影響とは少なくとも部分的に無関係である。これらのエッジ効果は、処理チャンバー100壁の近傍で部分的に引き起こされる可能性がある。基材30がそれ自体の軸を中心に回転することにより、これらの影響によって引き起こされる不均一性を低減するのに役立つことができる。さらに、堆積の下流効果(反応副生成物等)も、ウェーハの端部がシャワーヘッドの中心に近くなる(下流の影響が少なくなる)こともあれば、シャワーヘッドの端に近づく(下流の影響が大きくなる)こともあるため、均一化される。
【0047】
いくつかの実施形態では、基材軸31とシャワープレート軸22との間の距離は、シャワープレートの半径の0.1倍~0.5倍である。例えば、
図1のパネルAの実施形態では、基材軸31とシャワープレート軸22との間の距離は、シャワープレート21の半径(r
sp)の約0.25倍である。いくつかの実施形態では、基材軸31とシャワープレート軸22との間の距離は、シャワープレート21の半径(r
sp)の約0.2、0.3、0.4倍である。
【0048】
図1のパネルBは、
図1のパネルAの処理チャンバー100の例示的な実施形態を概略側面図で示す。処理チャンバーは、固定位置を有する堆積アセンブリの一部であるため、処理チャンバーは通常の向きで示されている。すなわち、本開示では、処理アセンブリが使用位置にある場合の方向を示すために上下方向が使用されている。処理チャンバー100は、その一部にシャワーヘッド20のシャワープレート21の、制限された空間を形成する。分かりやすくするために、他の囲い込む機能、例えば、壁、シールリング等は図から省略されている。サスセプター10は、処理チャンバー底部の少なくとも一部を形成し、基材30はその上に配置される。側面図では、ガス流は下向きの矢印によって概略的に示される。プロセスガスは、シャワーヘッドの内部の導管を通して処理チャンバー100内に供給される。ガスは、シャワープレート21から開口部(図示せず)を通って基材(30)に向かって下方に流れる。シャワーヘッドの形状により、ガスは基材30の縁部に向かって実質的に対称的に流れる。
【0049】
基材30、サセプター10、およびシャワープレート21の中心は小さな十字で示されている。
図1Bに示すように、シャワープレート軸22は、シャワープレート21およびサセプター10の中心を貫通して垂直に延在するのに対して、基材30の中心はこの軸22からずれている。
【0050】
いくつかの実施形態では、処理チャンバー100は、堆積プロセスを実行するように構成および配置される。処理チャンバー100は、蒸着チャンバーであってもよい。いくつかの実施形態では、蒸着チャンバーはALDチャンバーである。本開示による回転サセプターは、サセプター縁部の温度を上昇させることができないプロセスにおいて利点を有することができる。このような状況は、例えば、基材が、限定された熱収支を有する予備堆積層を備える場合に生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、処理チャンバー100はエッチングチャンバーである。一態様では、本開示は、半導体基材を処理するための基材処理アセンブリに関する。アセンブリは、本開示による半導体処理チャンバーを備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、サセプターは、複数の基材に対して構成および配置されてもよい。例えば、サセプターは、二つ、三つ、または四つの基材の位置を備えることができる。基材の位置は、サセプター上に対称的に配置されてもよい。
【0052】
図2は、本開示による処理チャンバー100の別の例示的な実施形態を示す。
図1の実施形態では、サセプター10は、シャワープレート21に対して同心円状に配置される。しかし
図2の実施形態のように、サセプター10はシャワープレート21に対して非対称に配置されてもよい。このような実施形態では、基材軸31およびサセプター軸11は一致してもよく、基材軸31とシャワープレート軸22との間のずれは、なお保持される。いくつかの実施形態では、サセプター10、シャワープレート21および基材30のいずれも同心円状に配置されない。
【0053】
図2のパネルAは、例示的な処理チャンバー100を上方からの概略図で示す。
図1と同様に、最大の円はサセプター10を示し、サセプター10および基材30の上方のシャワープレート21の位置は破線の円21によって示される。
図1の実施形態と同様に、シャワープレート軸22と基材軸31は、互いにずれている。しかし、
図2の実施形態では、シャワープレート21とサセプター10は同心円状に配置されていない。サスセプター10は、サセプター10を貫通して垂直に延在するサセプター軸11(点線の十字)を含む。この実施形態では、サセプター軸11は、サセプター10の中心を貫通して延在する。シャワープレート21およびサセプター10の配置により、シャワープレート軸22とサセプター軸は一致しない。
【0054】
さらに、基材30は、サセプター10およびシャワープレート21のいずれとも同心円状に配置されない。したがって、サセプター10がサセプター軸を中心に回転する場合、基材軸31はシャワープレート21に対して移動する(点線の円形矢印)。シャワープレート21、サセプター10、および基材30の非同心円状の配置により、シャワープレート21に対する基材30上の(
図1の位置iおよびiiと同様の)異なる位置の配置は、サセプター10の移動中に変化することになる。
【0055】
図2のパネルBは、側面からの
図2のパネルAの実施形態を示す。サセプター10、シャワープレート21、および基材30の中心は十字で示され、それぞれの軸11、22、および31は垂直線で示されている。各軸は、異なる水平位置にあり、基材30の配置をシャワープレート21に対して変化させる。垂直方向の矢印は、プロセスガス、例えば反応物質の流れを示す。
【0056】
図3は、本開示による方法300の一実施形態のブロック図である。図において、半導体基材を処理する方法を示す。方法は、第一に、ブロック301で処理チャンバー内に中心を有する基材を提供することを含む。その後、方法は、ブロック302で中心を有する円形のシャワープレートを介して処理チャンバー内に反応物質を供給することを含む。ブロック303では、反応物質を処理チャンバー内に供給する間、基材の中心は、基材上の、シャワープレートの投影面の中心から少し離れており、基材は回転する。
【0057】
本開示による方法は、意図される反応が基材上でより均一に行われることができる。例えば、シャワープレートの開口部の影響、または反応副生成物の蓄積の影響が低減される可能性がある。現在の方法に従って反応物質を供給することは、連続エッチングの場合のような、単一の反応物質を供給することを意味する場合がある。あるいは、ALDまたはALEtで行われるように、二つ以上の反応物質が反応チャンバー内に供給されてもよい。反応物質は、プラズマ、またはパージガスを意味する場合がある。
【0058】
基材の回転速度は、用途により異なる場合がある。いくつかの実施形態では、基材は、反応物質が処理チャンバー内に供給される(反応物質パルス)間に、少なくとも1周回転する。いくつかの実施形態では、基材は、反応物質パルス中に1周未満回転する。いくつかの実施形態では、サセプターは、反応物質パルス中に少なくとも1周回転する。いくつかの実施形態では、サセプターは、反応物質パルス中に1周未満回転する。いくつかの実施形態では、回転方向は交互になる。いくつかの実施形態では、基材は、パルス当たり約1°~パルス当たり約360°、例えばパルス当たり5°~15°回転する。連続堆積処理(すなわち、反応物質がパルスで供給されない)、例えばCVDでは、回転速度は、堆積材料の成長速度に基づいて調整されることができる。例えば、基材を1~2周回転させると、材料が1ナノメートル堆積されることができる。いくつかの実施形態では、これは、単位時間当たり、例えば1分間に1~2周と表すことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、基材は、基材上の、シャワープレートの投影面の中心を中心に回転する。いくつかの実施形態では、基材は基材自体の中心を中心に回転される。いくつかの実施形態では、反応物質は、気相で処理チャンバー内に供給される。いくつかの実施形態では、反応物質は、基材上に材料を堆積させるための前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は、シリコン前駆体、窒素前駆体、酸素前駆体、金属前駆体、半金属前駆体、遷移金属前駆体、希土類金属前駆体、およびカルコゲン前駆体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、前駆体はシリコン前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は窒素前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は酸素前駆体である。
【0060】
いくつかの実施形態では、前駆体は金属前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は遷移金属前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は半金属前駆体である。いくつかの実施形態では、前駆体は希土類金属前駆体である。いくつかの実施形態では、反応物質はエッチング反応物質である。いくつかの実施形態では、エッチング反応物質は、ハロゲン含有反応物質である。いくつかの実施形態では、エッチング反応物質は、フッ素含有反応物質である。いくつかの実施形態では、エッチング反応物質は、塩素含有反応物質である。
【0061】
図4は、
図1に示されたものと類似した処理チャンバー100を例示する。サセプター10およびシャワープレート21は同心円状に配置される。しかし、
図4の実施形態では、サセプター10は三つの基材30を収容する。サセプターの回転方向は、点線の円の矢印で示されている。各基材30は基材軸31を有し、基材軸31はシャワープレート軸22からずれている。
図4の実施形態では、シャワープレート軸22から基材軸31の距離は、シャワープレート30の半径にほぼ等しい(1)。
【0062】
上述の本開示の例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される、本発明の実施形態の単なる実施例であるので、本発明の範囲を限定しない。いかなる均等の実施形態も、本発明の範囲内にあることが意図される。本開示の様々な修正は、記述された要素の代替的な有用な組み合わせなど、本明細書に示され、かつ記述されるものに加えて、記述から当業者に明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】