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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081527
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】医療用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/008 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
A61B1/008 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195298
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋 辰也
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161HH33
4C161HH34
4C161LL02
(57)【要約】
【課題】簡素かつコンパクトな構成で操作性および利便性に優れた医療用デバイスを提供する。
【解決手段】操作機構は、長尺部材に連結された把持可能なケースと、ケースに対して回動可能に配置された回動操作板、および該回動操作板の板面に設けられたリブ状または溝状の回動カム34eを有する円板部材34と、操作線材の近位端部のそれぞれに連結されており、ケースに対して操作線材の軸線方向に移動可能であるとともに回動操作板の回動中心を挟んで両側に離間して配置され、回動カム34eに係合するフォロワ部材35、36とを含んで構成されている。回動操作板の回動に応じて回動カム34eに係合するフォロワ部材35、36が互いに逆方向に移動して、操作線材を軸線方向に互いに逆方向に移動させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲可能な被操作部が遠位端側に配置された長尺部材と、
前記長尺部材の近位端側に連結された操作機構と、
前記長尺部材に取り付けられて前記被操作部と前記操作機構の間に操作伝達可能に介在する第1および第2の操作線材と、を備えた医療用デバイスであって、
前記操作機構は、
前記長尺部材に連結された把持可能なケースと、
前記ケースに対して回動可能に配置された回動操作板、および該回動操作板の板面に設けられたリブ状または溝状の回動カムを有する操作部材と、
前記第1および第2の操作線材の近位端部のそれぞれに連結されており、前記ケースに対して前記第1および第2の操作線材の軸線方向に移動可能であるとともに前記回動操作板の回動中心を挟んで両側に離間して配置され、前記回動カムに係合する第1および第2のフォロワ部材と、を含んで構成されており、
前記回動操作板の回動に応じて前記回動カムに係合する前記第1および第2のフォロワ部材が互いに逆方向に移動して、前記第1および第2の操作線材を軸線方向に互いに逆方向に移動させることを特徴とする医療用デバイス。
【請求項2】
前記第1および第2のフォロワ部材が、前記第1および第2の操作線材の軸線方向に沿って互いに平行に配置されたそれぞれのスライド部と、該スライド部と前記第1および第2の操作線材とを連結するそれぞれの線材連結部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記回動操作板の板面上において、前記回動操作板の回動中心を通り前記第1および第2のフォロワ部材の移動方向に延びる基準線と前記フォロワ部材の回動カムに係合する係合位置との距離が、前記基準線と前記線材連結部の移動方向に延びる線との距離より大きいことを特徴とする請求項2に記載の医療用デバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のフォロワ部材のそれぞれの前記線材連結部が移動する軌道の離間距離が、前記長尺部材に取り付けられた前記第1および第2の操作線材の離間距離と同等であることを特徴とする請求項2または3に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記回動カムが、前記回動操作板の板面上に直線状に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
前記回動カムが、前記回動操作板の板面上に、前記回動操作板の回動中心に対して径方向外側に膨らんだ湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記第1および第2のフォロワ部材が、それぞれリブ状の前記回動カムの延在方向に対して交差する方向に離間するとともに、前記回動カムの両側で前記回動操作板に向かって突出する複数の凸状係合部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内に挿入される長尺部材を備え、その遠位端に設けられた被操作部の偏向操作を行うことが可能な医療用デバイスに関し、特に、体内に挿入される長尺部材を備えたシングルユース(単回使用)の内視鏡やカテーテル等の医療用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の低侵襲的な医療手技において、体内に挿入して体内管腔を通過させるために好適な長尺部材を備えた内視鏡やカテーテル等の医療用デバイスが用いられている。長尺部材は細径長尺形状を有する可撓性部材からなり、長尺部材を体外から体内管腔内に挿入してその遠位端を体内の所望の部位に到達させることで、種々の治療や検査等を行うことができるように構成されている。
【0003】
従来、長尺部材の遠位端に屈曲可能な被操作部が設けられており、体外側における術者の操作により体内に挿入された被操作部を偏向させることを可能にする技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、ロッカーアームの回転により、ケーブルドライバアセンブリのハンドルに巻き付いた一対のプッシュプルケーブルのそれぞれが、摺動本体を近位および遠位に摺動させながら反対方向に同時に作動することで、シース遠位端に配設されたエンドエフェクタを偏向させるように構成されたカテーテルアセンブリが記載されている。
【0005】
特許文献2には、回転部材の回転によりワイヤを近位側に牽引してカテーテルチューブの遠位側を屈曲させる構成が記載されている。また、好適な構成として、回転部材にワイヤガイド部材を設けてワイヤがその外縁に接するように配置することで、回転部材の回転量に対するワイヤの牽引量を大きくする構成が記載されている。
【0006】
特許文献3には、回動摘みの回転運動を利用して、回動摘みの表面に設けられた突起や回動軸に操作用ワイヤを巻き付けて牽引することで、カテーテルの遠位端を首振り偏向させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-3556号公報
【特許文献2】特開2020-182526号公報
【特許文献3】特許第4283703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術は、摺動部材を摺動させるために、回転運動を行うロッカーアームと並進運動を行う摺動部材との間に空間を設ける必要があり、このため、操作機構を小型化することができないという課題がある。また、特許文献1に記載の技術は、プッシュプルケーブルをハンドルに巻き付けるため、部材の摩耗(特にプッシュブルケーブル、ハンドル等の摩耗)が生じ、摩耗により微粉が発生しやすく部材の損傷および破断が生じやすいという課題がある。さらに、特許文献1に記載の技術は、部材の摩耗を伴ったプッシュブルケーブルの牽引を行う必要があるとともにプッシュブルケーブルを巻き付けて折り返す構成であるため、操作荷重が大きくなり操作性に難があるという課題や、張力ブロックにより近位端ブロックの移動を規制する等、複数の部品を複雑に組み合わせる必要があるという課題もある。
【0009】
特許文献2に記載の技術は、回転部材およびワイヤガイド部材を用いて、回転部材の周方向にワイヤを牽引するため、部材の摩耗(特にワイヤ、ワイヤガイド部材等の摩耗)が生じ、摩耗により微粉が発生しやすく部材の損傷および破断が生じやすいという課題がある。また、特許文献2に記載の技術は、部材の摩耗を伴ったワイヤの牽引を行う必要があるため、操作荷重が大きくなり操作性に難があるという課題もある。
【0010】
特許文献3に記載の技術は、操作用ワイヤを突起や回動軸に巻き付ける構成であり、特に突起に巻き付いた操作用ワイヤは回動摘みの回動に伴ってその牽引方向が大きく変化するため、部材の摩耗(特に操作用ワイヤ、突起等の摩耗)が生じ、摩耗により微粉が発生しやすく部材の損傷および破断が生じやすいという課題がある。また、特許文献3に記載の技術は、部材の摩擦を伴った操作用ワイヤの牽引を行う必要があるため、操作荷重が大きくなり操作性に難があるという課題もある。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡素かつコンパクトな構成で操作性および利便性に優れた医療用デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明に係る医療用デバイスは、屈曲可能な被操作部が遠位端側に配置された長尺部材と、
前記長尺部材の近位端側に連結された操作機構と、
前記長尺部材に取り付けられて前記被操作部と前記操作機構の間に操作伝達可能に介在する第1および第2の操作線材と、を備えた医療用デバイスであって、
前記操作機構は、
前記長尺部材に連結された把持可能なケースと、
前記ケースに対して回動可能に配置された回動操作板、および該回動操作板の板面に設けられたリブ状または溝状の回動カムを有する操作部材と、
前記第1および第2の操作線材の近位端部のそれぞれに連結されており、前記ケースに対して前記第1および第2の操作線材の軸線方向に移動可能であるとともに前記回動操作板の回動中心を挟んで両側に離間して配置され、前記回動カムに係合する第1および第2のフォロワ部材と、を含んで構成されており、
前記回動操作板の回動に応じて前記回動カムに係合する前記第1および第2のフォロワ部材が互いに逆方向に移動して、前記第1および第2の操作線材を軸線方向に互いに逆方向に移動させることを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、簡素かつコンパクトな構成で回動操作板の回転運動を第1および第2のフォロワ部材および第1および第2の操作線材の進退運動に変換することができるとともに、第1および第2の操作線材を軸線方向に操作するために両操作線材を大きく湾曲させたり折り返したりする必要がなく、操作性および利便性に優れた医療用デバイスを提供することができる。特に、本発明に係る医療用デバイスは、内視鏡やカテーテル等を構成する長尺部材の遠位端側に配置された被操作部を所望の偏向方向に屈曲させる際の操作性に優れている。
【0014】
本発明に係る医療用デバイスは、前記第1および第2のフォロワ部材が、前記第1および第2の操作線材の軸線方向に沿って互いに平行に配置されたそれぞれのスライド部と、該スライド部と前記第1および第2の操作線材とを連結するそれぞれの線材連結部と、を有してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、第1および第2のフォロワ部材のケースへの組付けや、第1および第2のフォロワ部材への第1および第2の操作線材の近位端部の組付け作業を容易化できるとともに、構成部品数を抑えた簡素な構成で優れた操作性を実現することができる。
【0016】
本発明に係る医療用デバイスは、前記回動操作板の板面上において、前記回動操作板の回動中心を通り前記第1および第2のフォロワ部材の移動方向に延びる基準線と前記フォロワ部材の回動カムに係合する係合位置との距離が、前記基準線と前記線材連結部の移動方向に延びる線との距離より大きくてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、操作部材の回動操作板の回動径方向に関して、操作部材の回動カムから第1および第2のフォロワ部材へ伝達される操作力の伝達位置(力点)が、第1および第2の操作線材を移動させる作用力の伝達位置(作用点)よりも径方向外側に位置するので、操作力を抑えながら第1および第2の操作線材の移動量を大きくすることができる。
【0018】
本発明に係る医療用デバイスは、前記第1および第2のフォロワ部材のそれぞれの前記線材連結部が移動する軌道の離間距離が、前記長尺部材に取り付けられた前記第1および第2の操作線材の離間距離と同等であってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、第1および第2のフォロワ部材から第1および第2の操作線材に略直線的に操作力を伝達できるので、操作力のロスが生じ難く、第1および第2の操作線材の他部材との干渉による損傷を有効に抑制することができる。
【0020】
本発明に係る医療用デバイスは、前記回動カムが、前記回動操作板の板面上に直線状に形成されていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、操作部材を操作して回動操作板を回動させることで、回動カムを介して第1および第2のフォロワ部材を互いに逆方向に大きく移動させることができる。
【0022】
本発明に係る医療用デバイスは、前記回動カムが、前記回動操作板の板面上に、前記回動操作板の回動中心に対して径方向外側に膨らんだ湾曲状に形成されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、操作部材を操作して回動操作板を回動させることで、回動カムを介して第1および第2のフォロワ部材を互いに逆方向に大きく移動させることができるとともに、操作角度が大きくなる範囲での操作力(操作トルク)を有効に低減することができる。
【0024】
本発明に係る医療用デバイスは、前記第1および第2のフォロワ部材が、それぞれリブ状の前記回動カムの延在方向に対して交差する方向に離間するとともに、前記回動カムの両側で前記回動操作板に向かって突出する複数の凸状係合部を有してもよい。
【0025】
上記に係る構成によれば、回動操作板が一方または他方の回動方向に回動した場合、リブ状の回動カムが、該回動カムの両側に突出した凸状係合部の一方または他方に付勢して第1および第2のフォロワ部材が駆動されるようになり、簡素かつコンパクトな構成で、回動操作板の回転運動をフォロワ部材および前記第1および第2の操作線材の進退運動に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る医療用デバイスの一例である内視鏡を示す概略構成図である。
図2】本発明に係る医療用デバイスにおいて、長尺部材の被操作部の屈折動作を示す図であり、(a)は被操作部が屈曲せずに真っ直ぐ伸びた状態を示す図、(b)は被操作部が面内一方向に屈曲した状態を示す図、(c)は被操作部が面内一方向に最も屈曲した状態を示す図、(d)は被操作部が面内他方向に屈曲した状態を示す図、(e)は被操作部が面内他方向に最も屈曲した状態を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を上方から見た斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を下方から見た斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を上方から見た分解斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を下方から見た分解斜視図である。
図7図3に示す円板部材およびフォロワ部材35、36を模式的に図示した部分透過図である。
図8図7のA-A部分断面図である。
図9】本発明の第1実施形態において、操作機構の構成を上方から模式的に図示した部分透過図であり、(a)は操作ノブのハンドルが左右対称な位置にある初期状態、(b)は操作ノブを一方向に回動させた状態、(c)は操作ノブを他方向に回動させた状態を示す図である。
図10】本発明の第2実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を上方から見た斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を下方から見た斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を上方から見た分解斜視図である。
図13】本発明の第2実施形態において、操作機構のケース内に含まれる操作系構成要素を下方から見た分解斜視図である。
図14】本発明の第2実施形態におけるフォロワ部材の正面図であり、線材連結部に対してピンの位置をオフセットした構成を説明するための図である。
図15】本発明の第2実施形態において、操作機構の構成を上方から模式的に図示した部分透過図であり、(a)は操作ノブのハンドルが左右対称な位置にある初期状態、(b)は操作ノブを一方向に回動させた状態、(c)は操作ノブを他方向に回動させた状態を示す図である。
図16】本発明に係る回動カムの一例を示す図であり、(a)~(e)はそれぞれ回動カムの第1~第5の例を示す図である。
図17】本発明に係る回動カムおよびピンの配置に関する派生例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本明細書では、本発明に係る医療用デバイスの使用者である術者を基準として、患者の体内側を遠位側とし、術者の手元側を近位側とする。本明細書において参照する図面は、実際の寸法に対して必ずしも正確な縮尺を有するものではなく、本発明に係る構成を模式的に示すために一部を誇張または簡略化したものである。
【0028】
本発明に係る医療用デバイスは、長尺部材を備えた内視鏡やカテーテル等であり、長尺部材の遠位端側に配置された被操作部を術者が偏向可能に操作できるように構成されたものである。以下、本明細書では、長尺部材として内腔を有する管状部材を備えたシングルユース(単回使用)の内視鏡に対して本発明を適用した構成を一例に挙げて説明するが、本発明は本明細書で説明する構成に限定されるものではない。
【0029】
(医療用デバイスの構成例)
図1は、本実施形態における医療用デバイスの一例である内視鏡1を示す概略構成図である。図1には、内視鏡1の概略構成が図示されている。図1に示す内視鏡1は、内視鏡1のシャフトを構成する長尺の管状部材2と、術者が操作を行うための操作機構3とを備えている。内視鏡1の使用時には、管状部材2の遠位端2cに配置された画像センサからのビデオ信号を受信してモニタに画像出力を行うイメージングシステムを備えたコントローラ、体液等の吸引を行う吸引ポンプ、生理食塩水や薬液等の灌流水の送水および吸引を行う灌流水制御ポンプ等の各種機器を操作機構3に接続することが可能であるが、図1では図示省略している。本発明は、これらの各種機器と操作機構3との接続態様について特に限定するものではない。
【0030】
管状部材2は、長尺形状を有する細径の可撓性を有する管からなり、体外から体内管腔内に挿入される内視鏡1のシャフトを構成する部材である。術者が体内の治療や検査等を行う際には、管状部材2を体外から体内管腔内へ挿入して、管状部材2の遠位端2cを体内の所望の部位に到達させることができるようになっている。
【0031】
管状部材2は、その延在方向に沿って1つまたは複数の内腔(ルーメンまたはチャネル)が形成された管状構造を有している。例えば、管状部材2の遠位端2cに画像センサや光出力部等が配置されるとともに、管状部材2の内腔には、画像センサからのビデオ信号を伝送する配線や光出力部へ光を伝送する光ファイバ等が挿通され、操作機構3に接続された各種機器により動作制御できるようになっている。さらに、管状部材2の内腔に、鉗子やスネア等の内視鏡用処置具を挿通させたり、灌流水、体液、造影剤等の流体を流通させたりすることができるようになっていてもよい。
【0032】
管状部材2の遠位端側には、術者が操作機構3を用いて屈曲操作可能な可動部である被操作部2aが設けられている。なお、本明細書における屈曲とは、弓なりに曲がる湾曲を含む意味を有する。
【0033】
管状部材2の内部には、2本の操作線材4a、4bが挿通されている。2本の操作線材4a、4bは、被操作部2aと操作機構3との間に操作伝達可能に介在する部材である。2本の操作線材4a、4bは軸線方向に剛性を有しており、近位端から遠位端まで力を伝達するプッシャビリティを有している。後述する図2(a)~(e)に示すように、2本の操作線材4a、4bの遠位端側は、被操作部2aの一部または全体にわたって、管状部材2の断面径方向に対向する位置(すなわち、管状部材2の断面において、管状部材2の中心軸を挟んで反対側となる位置)に固定されている。また、後述する図4または図11に示すように、2本の操作線材4a、4bの近位端側は、それぞれ操作機構3内に配置されたフォロワ部材35、36の線材連結部35d、36dに連結されている。
【0034】
このように2本の操作線材4a、4bが操作機構3と管状部材2の遠位端側との間に配置されていることで、2本の操作線材4a、4bは、フォロワ部材35、36の摺動に連動してそれぞれの軸線方向に移動可能となっており、対向する2本の操作線材4a、4bの軸線方向を含む面内において、被操作部2aを所望の方向に偏向させることができるようになっている。なお、2本の操作線材4a、4bの屈曲を被操作部2aの屈曲に効率的に反映させるために、2本の操作線材4a、4bは、管状部材2の中心軸から離れた管状部材2の周面近傍に配置されることが好ましい。また、本実施形態では、2本の操作線材4a、4bが管状部材2の内部(内腔)に挿通されることによって取り付けられているが、操作線材4a、4bを取り付ける方法はこれに限定されるものではなく、例えば、操作線材4a、4bを管状部材2に沿うようにその外側に配置して、操作線材4a、4bの遠位端側と管状部材2の遠位端側とを固定することによって取り付けてもよい。
【0035】
管状部材2は、体内の治療や検査等に適した寸法に設定されることが好ましく、特に限定されないが、例えば断面径方向の寸法が2~20mm程度、軸方向の寸法が20~200cm程度とすることができる。また、被操作部2aの範囲は、体内の治療または検査の対象部位に応じて適宜設定可能であり、特に限定されないが、例えば管状部材2の遠位端2cから2~10cm程度の範囲とすることができる。
【0036】
管状部材2の材質は、管状部材2に可撓性を持たせる材質であるとともに人体に害の無い材質であることが好ましく、特に限定されないが、例えばポリウレタンまたはポリエチレン、ポリプロピレン等の生体適合性を有する高分子材料であってもよい。また、被操作部2aと中間部2b(被操作部2aよりも近位側の管状部材2)とは同様の材質であってもよい。
【0037】
管状部材2の遠位端側に配置された被操作部2aは、管状部材2の中間部2bと比較して高い可撓性を有することが好ましい。管状部材2の中間部2bは体内管腔に合わせて柔軟に変形できることが好ましく、一方、被操作部2aは、術者による操作により柔軟に偏向できることが好ましい。特に、操作機構3を用いて術者が操作を行った場合には、管状部材2の中間部2bは連動して屈曲することはなく、管状部材2の遠位端側に配置された被操作部2aのみが連動して偏向可能であることが好ましい。
【0038】
管状部材2の近位端側には操作機構3が連結されている。操作機構3は、術者が体内の治療や検査等を行う際に体外に配置され、術者が手で把持可能なケース(筐体)3aを備えて構成されている。本実施形態においては、術者が片手でケース3aを把持しながら操作機構3に設けられた操作ノブ31を操作できるようになっている。
【0039】
ケース3aは、術者が把持可能な形状および寸法を有している。ケース3aの材質は特に限定されないが、軽量かつ丈夫な材質であることが好ましく、例えば、PET等の高分子材料であってもよい。
【0040】
上述したように、操作機構3は、図示省略した各種機器と接続できるようになっており、各種ポート(例えば、鉗子チャンネルポート、吸引ポート、送水ポート等)やケーブルコネクタ等を備えている。図1には、一例として、鉗子チャネルポート3bおよび灌流水の送水および吸引を同時に行うためのY字型アダプタ3c、ユニバーサルケーブル3dおよびイメージングシステムを備えたコントローラに接続可能なケーブルコネクタ3eが図示されている。操作機構3の各種ポートやコネクタ等は、操作機構3に連結された管状部材2の内腔に連通しており、管状部材2の遠位端2cを体内に配置して適切な処置を適宜行うことができるようになっているが、本発明は、これらの構成を特に限定するものではない。
【0041】
(被操作部2aの屈曲動作)
図2(a)~(e)を参照しながら、管状部材2の遠位端側に設けられた被操作部2aの屈曲動作について説明する。図2(a)~(e)は、図1に示す内視鏡1において、管状部材2の遠位端側を拡大した部分拡大図である。図2(a)は被操作部2aが屈曲せずに真っ直ぐに伸びた状態を示す図、図2(b)は被操作部2aが面内一方向に屈曲した状態を示す図、図2(c)は被操作部2aが面内一方向に最も屈曲した状態を示す図、図2(d)は被操作部2aが面内他方向に屈曲した状態を示す図、図2(e)は被操作部2aが面内他方向に最も屈曲した状態を示す図である。
【0042】
管状部材2の内部には2本の操作線材4a、4bが挿通されており、2本の操作線材4a、4bの一部または全体が管状部材2の被操作部2aに固定されている。図2(a)~(e)では、2本の操作線材4a、4bは管状部材2の断面径方向に対向する位置に固定されており、対向する2本の操作線材4a、4bの軸線方向を含む面が紙面と一致するように図示されている。
【0043】
一方の操作線材4aが遠位側へ押し出されて他方の操作線材4bが近位側へ引き込まれると、被操作部2aは、操作線材4bが配置されている側(図2(b)の下側)に屈曲して、管状部材2の遠位端2cの向き(図2(b)に示す角度α)が変わるようになっている。管状部材2の遠位端2cの向きは、一例として図2(c)に示すように、角度αが最大275°となるまで屈曲できるようになっている。
【0044】
反対に、一方の操作線材4aが近位側へ引き込まれて他方の操作線材4bが遠位側へ押し出されると、被操作部2aは、操作線材4aが配置されている側(図2(d)の上側)に屈曲して、管状部材2の遠位端2cの向き(図2(d)に示す角度β)が変わるようになっている。管状部材2の遠位端2cの向きは、一例として図2(e)に示すように、角度βが最大275°となるまで屈曲できるようになっている。
【0045】
(第1実施形態)
図3図6を参照しながら、本発明の第1実施形態における操作機構3の構成について説明する。図3は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を上方から見た斜視図であり、図4は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を下方から見た斜視図である。操作機構3のケース3a内には、図3および図4に示す組立状態で操作系構成要素が配置される。また、図5は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を上方から見た分解斜視図であり、図6は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を下方から見た分解斜視図である。図示明瞭化のため、図4においてのみ2本の操作線材4a、4bの近位端側が図示されている。
【0046】
以下の説明では、便宜上、図3図6において操作ノブ31が配置される側を上方とし、基部37が配置される側を下方とするが、術者は当該上方および下方を意識することなく操作を行うことができる。
【0047】
第1実施形態における操作機構3は、操作ノブ31、回動支持部材33、円板部材34、一対のフォロワ部材35、36、基部37をケース3a内に備えて構成されている。
【0048】
操作ノブ31は、一対のハンドル31a、31b、支持部材31cにより構成されている。支持部材31cの両端には、一対のハンドル31a、31bが互いに対向するように連結または一体化して設けられている。一対のハンドル31a、31bは、支持部材31cの両端において、支持部材31cの延在方向に対して両側方に突出し、円板部材34の周方向に沿った形状を有している。
【0049】
支持部材31cの中央部下面側は、回動支持部材33の回動貫通孔33fを通じて、円板部材34の上面中央部34dに連結されている。支持部材31cと円板部材34との連結方法は特に限定されるものではなく、例えば、支持部材31cと円板部材34とを接着剤で接着してもよく、支持部材31cと円板部材34とが係合固定されるようにしてもよい。支持部材31cは円板部材34の中心(回動中心)を通るように連結されており、支持部材31cおよび円板部材34は、回動支持部材33に対して一体化して回動可能となるように構成されている。
【0050】
回動支持部材33はケース3aに固定して設けられており、側方を取り囲む4つの側壁部33a、33b、33c、33dと、4つの側壁部33a、33b、33c、33dの上面側に伸展する平板部33eとが連結または一体化した構成を有している。平板部33eの中央部には、平板部33eの上面と下面とを貫通する略円状の回動貫通孔33fが設けられている。
【0051】
円板部材34は円板状に成形されている。上述したように、円板部材34の上面中央部34dは、回動支持部材33の回動貫通孔33fを通じて、支持部材31cの中央部下面側に連結されている。
【0052】
円板部材34は、回動支持部材33の下面側から回動貫通孔33fに挿入された状態で、支持部材31cの中央部下面側に連結されている。円板部材34は、回動貫通孔33fの内側に配置され、支持部材31cおよび円板部材34は、回動支持部材33に対して一体となって回動可能となっている。なお、円板部材34が回動貫通孔33fの内側に常に位置するように、操作ノブ31および円板部材34は、回動軸方向における移動が規制されることが好ましい。
【0053】
このように構成されていることで、操作ノブ31および円板部材34は、回動支持部材33に対して一体となって回動可能となっている。回動支持部材33はケース3aに対して固定されていることから、操作ノブ31および円板部材34は、回動支持部材33およびケース3aに対して回動可能となっている。円板部材34は、本発明の操作部材に対応しており、本発明の回動操作板を含んだ構成となっている。
【0054】
円板部材34の下面には、回動カム34eが設けられている。一例として、回動カム34eは、円板部材34の下面から下方に向けて突出したリブ状に形成されている。図3図6に図示されている構成では、直線状の回動カム34eが設けられているが、これに限定されるものではなく、操作ノブ31の回転運動をフォロワ部材35、36の進退運動に変換する形状であればよい。また、図3図6に図示されている構成では、回動カム34eの個数(本数)は1つであるが、これに限定されるものではなく、2つ以上であってもよい。回動カム34eの派生例については、図16(a)~(e)を参照しながら後述する。
【0055】
円板部材34の下方には、互いに同一形状を有する一対のフォロワ部材35、36が配置されている。フォロワ部材35は、直方体形状の摺動部材35a、摺動部材35aの上面に設けられた2つのピン35b、35c、摺動部材35aの下面に設けられた線材連結部35dを備えて構成されている。同様に、フォロワ部材36は、直方体形状の摺動部材36a、摺動部材36aの上面に設けられた2つのピン36b、36c、摺動部材36aの下面に設けられた線材連結部36dを備えて構成されている。摺動部材35a、36aは本発明のスライド部に対応しており、ピン35b、35c、36b、36cは本発明の凸状係合部に対応している。
【0056】
摺動部材35aの上面に設けられた2つのピン35b、35cは、上方に向けて突出しており、フォロワ部材35の摺動方向である摺動部材35aの長手方向に離隔して配置されている。摺動部材36aの上面に設けられた2つのピン36b、36cも同様に、フォロワ部材36の摺動方向である摺動部材36aの長手方向に離隔して配置されている。そして、2つのピン35b、35cの間および2つのピン36b、36cの間に回動カム34eが配置されることで、後述するカムフォロワ構造が実現される。
【0057】
摺動部材35aの下面に設けられた線材連結部35dは、下方に向けて突出するように設けられており、任意の連結方法で操作線材4aの近位端側と連結されている。同様に、摺動部材36aの下面に設けられた線材連結部36dは、下方に向けて突出するように設けられており、任意の連結方法で操作線材4bの近位端側と連結されている。線材連結部35d、36dが移動する軌道の離間距離は、管状部材2内に挿通されて取り付けられた操作線材4a、4bの離間距離と同等となるように設計されてもよい。これらの離間距離が同等である場合には、フォロワ部材35、36から操作線材4a、4bに略直線的に操作力が伝達されて操作力のロスが生じ難くなるとともに、操作線材4a、4bの損傷(他の部材との干渉による損傷等)を抑制することができる。
【0058】
本実施形態では、線材連結部35dは、摺動部材35aを挟んで2つのピン35b、35cのほぼ反対側の位置(ほぼ真裏の位置)に設けられており、線材連結部36dは、摺動部材36aを挟んで2つのピン36b、36cのほぼ反対側の位置(ほぼ真裏の位置)に設けられている。
【0059】
基部37は、底板部37cと、当該底板部37cの幅方向(短手方向)両端部において長手方向に沿って上方に立設された一対の支持壁部37a、37bとにより概略構成されている。本実施形態では、基部37の支持壁部37a、37bの長手方向の寸法(基部37の長手方向の外寸)が、回動支持部材33の側壁部33a、33bの内側面間の寸法(回動支持部材33の長手方向の内寸)と同等であるとともに、基部37の支持壁部37a、37bの外側面間の寸法(基部37の幅方向の外寸)が、回動支持部材33の側壁部33c、33dの内側面間の寸法(回動支持部材33の幅方向の内寸)と同等であり、回動支持部材33の下方内側に基部37が嵌合固定されるようになっている。
【0060】
底板部37cには、上面と下面とを貫通する一対の摺動孔37d1、37e1が設けられている。摺動孔37d1、37e1の上面側には、摺動孔37d1、37e1の周囲に長手方向に沿って摺動面37d2、37e2が設けられている。摺動孔37d1、37e1の幅方向の寸法は、摺動部材35a、36aの幅方向の寸法よりも小さくなっており、摺動部材35a、36aが摺動孔37d1、37e1を通過しないようになっている。摺動部材35a、36aは、摺動方向(基部37の長手方向)に摺動可能となるように摺動面37d2、37e2上に載置される。このとき、摺動部材35a、36aの下面側に設けられた線材連結部35d、36dは、それぞれ摺動孔37d1、37e1を通じて基部37の下面側に露出するようになっている。
【0061】
図4に示すように、基部37の下面側に露出するフォロワ部材35、36の線材連結部35d、36dには、それぞれ操作線材4a、4bの近位端側が連結されている。本実施形態では、基部37の下面の遠位側に線材挿通孔37f、37gが設けられており、操作線材4a、4bは、それぞれ線材挿通孔37f、37gを通って管状部材2内に挿通され、管状部材2の遠位端側へ延びている。摺動部材35a、36aの摺動方向への移動に伴って、摺動部材35a、36aにそれぞれ連結された操作線材4a、4bの近位端側が進退して操作線材4a、4bが軸線方向に移動し、これにより、管状部材2の遠位端側に設けられた被操作部2aが偏向できるようになっている。
【0062】
以下、図7および図8を参照しながら、円板部材34の回動カム34eと、フォロワ部材35、36のピン35b、35c、36b、36cとの配置位置について説明する。図7は、図3に示す円板部材34およびフォロワ部材35、36を模式的に図示した部分透過図である。図7では、回動カム34eおよびピン35b、35c、36b、36cのみが実線で示されており、その他の部分については点線で示されている。また、図8図7のA-A部分断面図であり、回動カム34eおよびピン35b、35c、36b、36cの配置位置を説明するための図である。
【0063】
組立状態では、図7および図8に示すように、フォロワ部材35の2つのピン35b、35cの間およびフォロワ部材36の2つのピン36b、36cの間に、リブ状の回動カム34eが配置されたカムフォロワ構造が実現される。
【0064】
フォロワ部材35、36は、円板部材34の回動中心を挟んで両側に離間して配置された状態で、回動カム34eに係合するようになっている。また、フォロワ部材35、36はそれぞれ、リブ状の回動カム34eの延在方向に対して交差する方向に離間するとともに、回動カム34eを挟むように円板部材34に向かって突出する複数のピン35b、35cおよびピン36b、36cを有している。
【0065】
円板部材34が回動した場合には、フォロワ部材35においては2つのピン35b、35cのうちのいずれかの側面に回動カム34eの側面が当接し、フォロワ部材36においては2つのピン36b、36cのうちのいずれかの側面に回動カム34eの側面が当接する。円板部材34がさらに回動した場合には、回動カム34eは当接したピンを駆動して、フォロワ部材35、36を摺動方向へ進退移動させることができるようになっている。
【0066】
図9(a)~(c)を参照しながら、回転運動を進退運動に変換する動作について説明する。図9(a)~(c)は、図3図6に示す操作機構3の構成を上方から模式的に図示した部分透過図であり、(a)は操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある初期状態、(b)は操作ノブ31を一方向に回動させた状態、(c)は操作ノブ31を他方向に回動させた状態をそれぞれ模式的に示す図である。なお、図示明瞭化のため、円板部材34およびフォロワ部材35、36に関して、回動カム34eおよびピン35b、35c、36b、36cのみを実線で表している。
【0067】
図9(a)に示すように、操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある場合には、一対のフォロワ部材35、36も左右対称な位置に配置される。このとき、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(a)に示すように屈曲せずに真っ直ぐに伸びた状態となっている。
【0068】
図9(b)に示すように、術者が操作ノブ31のハンドル31a、31bを一方向に回動させると、円板部材34も連動して同一方向に回動する(例えば、図9(b)の矢印方向R1)。当該回動に伴って、リブ状の回動カム34eがフォロワ部材35のピン35bの側面およびフォロワ部材36のピン36cの側面に当接する。円板部材34がさらに回動を続けると、ピン35bは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材35が一方向に移動し(例えば、図9(b)の矢印方向L11)、一方、ピン36cは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材36が逆方向に移動する(図9(b)の矢印方向L12)。そして、フォロワ部材35、36に連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に移動し、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(b)に示す方向に屈曲した状態となる。
【0069】
術者がハンドル31a、31bを反対方向に回動させた場合も同様である。図9(c)に示すように、術者が操作ノブ31のハンドル31a、31bを他方向に回動させると、円板部材34も連動して同一方向に回動する(例えば、図9(c)の矢印方向R2)。当該回動に伴って、リブ状の回動カム34eがフォロワ部材35のピン35cの側面およびフォロワ部材36のピン36bの側面に当接する。円板部材34がさらに回動を続けると、ピン35cは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材35が一方向に移動し(例えば、図9(c)の矢印方向L21)、一方、ピン36bは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材36が逆方向に移動する(図9(c)の矢印方向L22)。そして、フォロワ部材35、36に連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に移動し、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(d)に示す方向に屈曲した状態となる。
【0070】
このように本実施形態では、円板部材34の回転運動が、回動カム34eおよびピン35b、35c、36b、36cを介して、フォロワ部材35、36の進退運動に変換され、フォロワ部材35、36が互いに反対方向に移動するようになっている。フォロワ部材35、36が進退運動を行った場合には、フォロワ部材35、36に連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に進退運動を行い、その結果、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aの偏向が可能なようになっている。
【0071】
(第2実施形態)
図10図13を参照しながら、本発明の第2実施形態における操作機構3の構成について説明する。図10は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を上方から見た斜視図であり、図11は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を下方から見た斜視図である。操作機構3のケース3a内には、図10および図11に示す組立状態で操作系構成要素が配置される。また、図12は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を上方から見た分解斜視図であり、図13は、図1に示す操作機構3のケース3a内に含まれる操作系構成要素を下方から見た分解斜視図である。図示明瞭化のため、図11においてのみ2本の操作線材4a、4bの近位端側が示されている。なお、図3図6に示す操作系構成要素と実質的に同一の構成要素については同一の参照符号を付すとともに、以下では説明を省略または簡略化することがある。
【0072】
第2実施形態における操作機構3は、操作ノブ31、回動支持部材33、円板部材34、一対のフォロワ部材35z、36z、基部37zをケース3a内に備えて構成されている。
【0073】
操作ノブ31、回動支持部材33、円板部材34は、上述した第1実施形態と実質的に同一のものを用いることができる。
【0074】
円板部材34の下方には、互いに同一形状を有する一対のフォロワ部材35z、36zが配置されている。フォロワ部材35zは、直方体形状の摺動部材(スライド部)35a、摺動部材35aの上面に設けられた2つのピン35zb、35zc、摺動部材35aの下面に設けられた線材連結部35dを備えて構成されている。同様に、フォロワ部材36zは、直方体形状の摺動部材(スライド部)36a、摺動部材36aの上面に設けられた2つのピン36zb、36zc、摺動部材36aの下面に設けられた線材連結部36dを備えて構成されている。
【0075】
摺動部材35aの上面に設けられた2つのピン35zb、35zcは、フォロワ部材35zの摺動方向である摺動部材35aの長手方向に離隔した位置に、上方に向けて突出するように設けられている。同様に、摺動部材36aの上面に設けられた2つのピン36zb、36zcは、フォロワ部材36zの摺動方向である摺動部材36aの長手方向に離隔した位置に設けられている。
【0076】
図14は、本実施形態におけるフォロワ部材35zの正面図であり、線材連結部35d、36dに対してピン35zb、35zc、36zb、36zcの位置をオフセットした構成を説明するための図である。上述の第1実施形態では、2つのピン35b、35cは、摺動部材35aを挟んで線材連結部35d、36dのほぼ真裏に位置している。これに対して本実施形態では、2つのピン35zb、35zcは、図14に示すように線材連結部35dのほぼ真裏の位置よりも幅方向外側にずれた位置に設けられている。より詳細には、本実施形態では、2つのピン35zb、35zcの配置位置P1を、線材連結部35dにおける操作線材4aとの連結位置P2よりも幅方向外側にずらして、当該位置間のオフセット距離D1がゼロより大きな値となるように設定されている。なお、フォロワ部材36zもフォロワ部材35zと同様の形状を有しており、2つのピン36zb、36zcも同様に線材連結部36dに対してずらした位置に設けられている。
【0077】
基部37zは、一対の支持壁部37a、37bと底板部37cとにより概略構成されており、上述した第1実施形態と同様に、回動支持部材33の下方内側に嵌合固定されるようになっている。
【0078】
本実施形態では、図12に示すように、基部37zの支持壁部37a、37bのそれぞれの内側には、円板部材34の外周面に対向する位置に操作板接触壁部41、42が設けられている。操作板接触壁部41、42は、それぞれ円板部材34の外周面に沿った形状となるように形成された2つのストッパ面41a、41bおよびストッパ面42a、42bを有している。ストッパ面41a、41b、42a、42bは、円板部材34の外周面が摩擦接触して円板部材34の回動を制限することができるようになっている。
【0079】
術者が操作ノブ31を操作して円板部材34が回転運動を行う際には、円板部材34の外周面とストッパ面41a、41b、42a、42bとの間に所定のクリアランスが生じ、円板部材34の外周面とストッパ面41a、41b、42a、42bとがほとんど接触しないようになっている。一方、術者が操作ノブ31から手を離した場合には、円板部材34が操作線材4a、4bの張力により遠位側へ引っ張られて、円板部材34の外周面とストッパ面41a、41b、42a、42b(特に遠位側に位置するストッパ面41a、42a)とが摩擦接触する。その結果、円板部材34の回転運動が規制され、被操作部2aの屈曲状態を固定して維持できるようになっている。ただし、本発明は、操作板接触壁部41、42およびストッパ面41a、41b、42a、42bの構成を特に限定するものでない。また、上述した第1実施形態のように、本実施形態においても、操作板接触壁部41、42およびストッパ面41a、41b、42a、42bを必ずしも設ける必要はない。
【0080】
また、本実施形態では、基部37zの下面の遠位側には線材挿通溝37hが設けられている。操作線材4a、4bは、線材挿通溝37hを通って管状部材2内に挿通され、管状部材2の遠位端側へ延びている。ただし、線材挿通溝37hに代えて、上述した第1実施形態のように操作線材4a、4bがそれぞれ挿通可能な線材挿通孔37f、37gを設けるようにしてもよい。
【0081】
以下、図15(a)~(c)を参照しながら、線材連結部に対してピンの位置をオフセットした構成について説明する。図15(a)~(c)は、図10図13に示す操作機構3の構成を上方から模式的に図示した部分透過図であり、(a)は操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある初期状態、(b)は操作ノブ31を一方向に回動させた状態、(c)は操作ノブ31を他方向に回動させた状態をそれぞれ模式的に示す図である。
【0082】
図15(a)に示すように、操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある場合には、一対のフォロワ部材35z、36zも左右対称な位置に配置される。このとき、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(a)に示すように、屈曲せずに真っ直ぐに伸びた状態となっている。
【0083】
本実施形態に係るフォロワ部材35zでは、2つのピン35zb、35zcの位置が、線材連結部35dにおける操作線材4aとの連結位置より幅方向外側に設けられている。また、本実施形態に係るフォロワ部材36zでは、2つのピン36zb、36zcの位置が、線材連結部36dにおける操作線材4bとの連結位置よりオフセット距離D1だけ幅方向外側に設けられている。
【0084】
具体的には、円板部材34の板面上において、円板部材34の回動中心Oを通りフォロワ部材36zの移動方向に延びる基準線L1と、線材連結部36dにおける操作線材4aとの連結位置を通り線材連結部36dの移動方向に延びる仮想線L2とを考えた場合、基準線L1とフォロワ部材36zが回動カム34eに係合する係合位置との距離D2が、基準線L1と仮想線L2との距離D3より大きく設定されている。フォロワ部材35zも同様の構成となっている。
【0085】
図15(b)に示すように、術者が操作ノブ31のハンドル31a、31bを一方向に回動させると、円板部材34も連動して同一方向に回動する(例えば、図15(b)の矢印方向R3)。当該回動に伴って、リブ状の回動カム34eがフォロワ部材35zのピン35zbの側面およびフォロワ部材36zのピン36zcの側面に当接する。円板部材34がさらに回動を続けると、ピン35zbは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材35zが一方向に移動し(例えば、図15(b)の矢印方向L31)、一方、ピン36zcは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材36zが逆方向に移動する(図15(b)の矢印方向L32)。そして、フォロワ部材35z、36zに連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に移動し、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(b)に示す方向に屈曲した状態となる。
【0086】
図15(c)に示すように、術者が操作ノブ31のハンドル31a、31bを他方向に回動させると、円板部材34も連動して同一方向に回動する(例えば、図15(c)の矢印方向R4)。当該回動に伴って、リブ状の回動カム34eがフォロワ部材35zのピン35zcの側面およびフォロワ部材36zのピン36zbの側面に当接する。円板部材34がさらに回動を続けると、ピン35zcは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材35zが一方向に移動し(例えば、図15(c)の矢印方向L41)、一方、ピン36zbは回動カム34eにより押し動かされてフォロワ部材36zが逆方向に移動する(図15(c)の矢印方向L42)。そして、フォロワ部材35z、36zに連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に移動し、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aは、図2(d)に示す方向に屈曲した状態となる。
【0087】
このように本実施形態では、円板部材34の回転運動が、回動カム34eおよびピン35zb、35zc、36zb、36zcを介して、フォロワ部材35z、36zの進退運動に変換され、フォロワ部材35z、36zが互いに反対方向に移動するようになっている。フォロワ部材35z、36zが進退運動を行った場合には、フォロワ部材35z、36zに連結されている操作線材4a、4bも連動して軸線方向に進退運動を行い、その結果、管状部材2の遠位端側に配置されている被操作部2aの偏向が可能なようになっている。
【0088】
特に、本実施形態では、線材連結部35d、36dに対してピン35zb、35zc、36zb、36zcの位置をオフセットすることで、回転運動の際に、ピン35zb、35zc、36zb、36zc(回動カム34eから力を受ける点)の回転半径が、線材連結部35d、36d(操作線材4a、4bを進退させる力が働く点)の回転半径より大きくなるようにしている。このように、ピン35zb、35zc、36zb、36zcの回転半径を線材連結部35d、36dの回転半径より大きくした場合には、回動カム34eからフォロワ部材35z、36zへ伝達される操作力の伝達位置(力点)が、操作線材4a、4bを移動させる作用力の伝達位置(作用点)よりも径方向外側に位置する。その結果、ピン35zb、35zc、36zb、36zcに作用するトルクに対して線材連結部35d、36dの摺動方向への移動量を大きくすることができ、操作力を軽減させながら操作線材4a、4bの軸線方向への移動距離を効率良く大きくすることができるようになる。
【0089】
(派生例)
以下、回動カム34eの派生例について説明する。図16(a)~(e)は、本発明に係る回動カム34eの第1~第5の例を示す図である。図16(a)~(e)では、円板部材34の下面側に設けられた回動カム34eの形状に係る派生例が示されている。本派生例は、上述した第1および第2実施形態のいずれに対しても適用することができる。
【0090】
上述した第1および第2実施形態では、円板部材34の下面に、直線状の回動カム34eを1つ設けている。図16(a)にはこの回動カム34eが示されている。直線状の回動カム34eを用いた場合には、回動カム34eを介してフォロワ部材35、36を互いに逆方向に大きく移動させることができる。
【0091】
図16(b)に示すように、湾曲した回動カム34eを設けてもよい。回動カム34eの湾曲形状は、回動中心から等距離の円弧以外であれば特に限定されるものではないが、円板部材34の回動中心に対して径方向外側に膨らんだ湾曲状に形成されていることが好ましい。この形状とすることで、回動カム34eを介してフォロワ部材35、36を互いに逆方向に大きく移動させることができるとともに、操作角度が大きくなる範囲での操作力(操作トルク)を有効に低減することができ、操作性を向上させることができるようになる。
【0092】
また、図16(c)に示すように、2つの直線状の回動カム34e1、34e2を設けてもよい。この場合、操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある初期状態において、フォロワ部材35のピン35b、35cの間にどちらの回動カム34e1、34e2を配置してもよく、フォロワ部材36のピン36b、36cの間にどちらの回動カム34e1、34e2を配置してもよい。
【0093】
図16(d)に示すように、2つの湾曲状の回動カム34e1、34e2を設けてもよい。この場合も、操作ノブ31のハンドル31a、31bが左右対称な位置にある初期状態において、フォロワ部材35のピン35b、35cの間にどちらの回動カム34e1、34e2を配置してもよく、フォロワ部材36のピン36b、36cの間にどちらの回動カム34e1、34e2を配置してもよい。図16(d)に示す回動カム34e1、34e2は両方共、円板部材34の回動中心に対して径方向外側に膨らんだ湾曲状に形成されており、操作角度が大きくなる範囲での操作力(操作トルク)を有効に低減することができるようになっている。
【0094】
図16(e)に示すように2つの回動カム34e1、34e2を設けてもよい。図16(e)に示す回動カム34e1、34e2は、図16(a)に示す1つの直線状の回動カム34eの中央部をなくし両端側のみを残した形状を有している。図16(a)に示す回動カム34e1では、ピン35b、35c、36b、36cが当接する範囲は限られており、回動カム34eの中央部に当接することはない。このため、図16(e)に示す回動カム34e1、34e2であっても、図16(a)に示す回動カム34eと同様の動作が実現される。なお、回動カム34eを他の任意の形状とした場合であっても同様に、図16(e)に示す例のように当接範囲を考慮した形状としてもよい。
【0095】
図17は、本発明に係る回動カムおよびピンの配置に関する派生例を示す図である。図17は、図7のA-A部分断面図であり、図8と同様の表現となっている。
【0096】
上述した第1および第2実施形態では、回動カム34eをリブ状に形成しているが、図17に示すように、回動カム34mを溝状に形成してもよい。この場合、フォロワ部材35、36のそれぞれにおいて、溝状の回動カム34mに対向する位置に1つのピンのみを設けることが好ましい。図17には、フォロワ部材35に設けられたピン35mのみが示されているが、フォロワ部材36にも同様のピンが設けられている。
【0097】
組立状態では、フォロワ部材35、36のそれぞれに設けられたピン(図17に示すピン35m)が、溝状の回動カム34m内に配置される。円板部材34が回動した場合には、フォロワ部材35、36に設けられたピンの側面に回動カム34mの溝面が当接する。円板部材34がさらに回動した場合には、回動カム34mは当接したピンを駆動して、フォロワ部材35、36を摺動方向へ進退移動させることができるようになっている。
【0098】
以下、本発明に係る作用について説明する。
【0099】
本発明に係る医療用デバイス(内視鏡1やカテーテル等)は、屈曲可能な被操作部2aが遠位端側に配置された長尺部材(管状部材2)と、長尺部材の近位端側に連結された操作機構3と、長尺部材に取り付けられて被操作部2aと操作機構3の間に操作伝達可能に介在する操作線材4a、4bと、を備えている。操作機構3は、長尺部材に連結された把持可能なケース3aと、ケース3aに対して回動可能に配置された回動操作板、および該回動操作板の板面に設けられたリブ状または溝状の回動カム34e、34mを有する操作部材(円板部材34)と、操作線材4a、4bの近位端部のそれぞれに連結されており、ケース3aに対して操作線材4a、4bの軸線方向に移動可能であるとともに回動操作板の回動中心を挟んで両側に離間して配置され、回動カム34e、34mに係合するフォロワ部材35、35z、36、36zと、を含んで構成されている。そして、回動操作板の回動に応じて回動カム34e、34mに係合するフォロワ部材35、35z、36、36zが互いに逆方向に移動して、操作線材4a、4bを軸線方向に互いに逆方向に移動させるように構成されている。
【0100】
上記の構成によれば、簡素かつコンパクトな構成で回動操作板の回転運動をフォロワ部材35、35z、36、36zおよび操作線材4a、4bの進退運動に変換することができるとともに、操作線材4a、4bを軸線方向に操作するために両操作線材4a、4bを大きく湾曲させたり折り返したりする必要がなく、操作性および利便性に優れた医療用デバイス1を提供することができる。特に、本発明に係る医療用デバイス1は、内視鏡やカテーテル等を構成する管状部材の遠位端側に配置された被操作部を所望の偏向方向に屈曲させる際の操作性に優れている。
【0101】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0102】
1 内視鏡(医療用デバイス)
2 管状部材(長尺部材)
2a 被操作部
2b 中間部
2c 遠位端
3 操作機構
3a ケース
3b 鉗子チャネルポート
3c Y字型アダプタ
3d ユニバーサルケーブル
3e ケーブルコネクタ
4a、4b 操作線材
31 操作ノブ
31a、31b ハンドル
31c 支持部材
33 回動支持部材
33a、33b、33c、33d 側壁部
33e 平板部
33f 回動貫通孔
34 円板部材(操作部材)
34d 上面中央部
34e、34e1、34e2、34m 回動カム
35、35z、36、36z フォロワ部材
35a、36a 摺動部材(スライド部)
35b、35c、35m、35zb、35zc、36b、36c、36zb、36zc ピン(凸状係合部)
35d、36d 線材連結部
37、37z 基部
37a、37b 支持壁部
37c 底板部
37d1、37e1 摺動孔
37d2、37e2 摺動面
37f、37g 線材挿通孔
37h 線材挿通溝
41、42 操作板接触壁部
41a、41b、42a、42b ストッパ面
図1
図2
図3
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図5
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