IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、方法およびプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081550
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20230606BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195341
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】畑中 裕厚
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA32
5B376CA14
5B376CA45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】更新に伴って追加された機能を提示可能にする情報処理装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】画像形成装置110と、サーバ120とが、インターネットやLANなどのネットワークを介して接続されるシステムにおいて、画像形成装置110は、ソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、ソフトウェアの機能を示す機能情報と、機能を実行するのに必要な情報処理装置の構成要件を示す構成要件情報とを含む、ソフトウェアの更新データを取得するデータ取得部312と、当該情報処理装置の構成と、データ取得部312が取得した更新データに含まれる構成要件とに応じて、機能情報に基づく機能を提示する画面を表示する表示制御部324と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記ソフトウェアの機能を示す機能情報と、前記機能を実行するのに必要な情報処理装置の構成要件を示す構成要件情報とを含む、前記ソフトウェアの更新データを取得する取得手段と、
当該情報処理装置の構成と、前記取得手段が取得した更新データに含まれる前記構成要件とに応じて、前記機能情報に基づく前記機能を提示する画面を表示する表示手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
当該情報処理装置の構成が、前記機能を実行する要件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに含み、
前記表示手段は、前記判定手段によって前記構成が前記要件を満たすと判定された機能を表示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
当該情報処理装置において有効化されているソフトウェアの第1のバージョン情報と、前記取得手段が取得した更新に係るソフトウェアの第2のバージョン情報とを比較して、前記第2のバージョン情報のほうが新しいものである場合に、前記第2のバージョン情報を有するソフトウェアを有効化の対象と判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機能情報は、前記ソフトウェアの更新によって追加される機能を示す情報を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画面は、前記機能を有効にする設定を行う画面に遷移する表示を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ソフトウェアがインストールされた情報処理装置が実行する方法であって、
前記ソフトウェアの機能を示す機能情報と、前記機能を実行するのに必要な情報処理装置の構成要件を示す構成要件情報とを含む、前記ソフトウェアの更新データを取得するステップと、
当該情報処理装置の構成と、前記取得するステップにおいて取得した更新データに含まれる前記構成要件とに応じて、前記機能情報に基づく前記機能を提示する画面を表示するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
情報処理装置にインストールされたソフトウェアを更新するプログラムであって、
当該更新によって追加される機能を示す情報と、
前記機能を実行するのに必要な構成要件を示す情報と
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェアの更新に伴って追加される機能を提示する情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続した情報処理装置にインストールされたファームウェアやアプリケーションなどの各種ソフトウェア(以下、単に「ソフトウェア」として参照する)を自働的にアップデートする技術が知られている。
【0003】
例えば、特開2015-138297号公報(特許文献1)には、ファームウェアを自働的にアップデートする技術が開示されている。特許文献1によれば、画像形成装置の複数のファームウェアを含むパッケージを登録し、特定ファームのアップデートを許可するか否かを示す情報に基づいて特定のファームウェアの自動更新を制御することが可能となり、効率的にアップデートを行い、コストを抑えることができる。
【0004】
ところで、ソフトウェアの更新は、バグの修正や軽微な仕様変更のみならず、新たに開発された機能などを追加する場合など、大幅な変更を含む更新を行うこともある。かかる場合には、情報処理装置が特定の構成要件を満たさなければ、新機能を利用することができない場合がある。このような場合、ユーザは、更新によって如何なる機能が利用可能になるのか把握しにくい。
【0005】
この点に関し、特許文献1をはじめとする従来技術では、自動的にソフトウェアの更新ができるものの、新たに追加された機能が利用できるか否かをユーザが依然として把握できないものであった。そのため、ユーザの利便性をさらに向上する技術が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、更新に伴って追加された機能を提示可能にする情報処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、
ソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記ソフトウェアの機能を示す機能情報と、前記機能を実行するのに必要な情報処理装置の構成要件を示す構成要件情報とを含む、前記ソフトウェアの更新データを取得する取得手段と、
当該情報処理装置の構成と、前記取得手段が取得した更新データに含まれる前記構成要件とに応じて、前記機能情報に基づく前記機能を提示する画面を表示する表示手段と
を含む、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、更新に伴って追加された機能を提示可能にする情報処理装置、方法およびプログラムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態におけるシステム全体のハードウェアの概略構成を示す図。
図2】本実施形態の画像形成装置に含まれるハードウェア構成を示す図。
図3】本実施形態の画像形成装置に含まれるソフトウェアブロック図。
図4】本実施形態の各種記憶部に記憶されるデータの例を示す図。
図5】本実施形態において画像形成装置が実行する処理を示すフローチャート。
図6】本実施形態のディスプレイに表示される画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。また、以下の実施形態では、情報処理装置の例として画像形成装置を示して説明するが、特に実施形態を限定するものではない。したがって、画像形成装置以外の情報処理装置であってもよい。
【0011】
図1は、本実施形態におけるシステム100全体のハードウェアの概略構成を示す図である。図1では、例として、画像形成装置110と、サーバ120とが、インターネットやLANなどのネットワーク130を介して接続された環境を例示している。なお、画像形成装置110やサーバ120の台数は、図1に示したものに限らず、システム100に含まれる台数に制限はない。また、画像形成装置110やサーバ120から、ネットワーク130へ接続する方法は、有線または無線のどちらでもよい。
【0012】
画像形成装置110は、他の情報処理装置から送信された印刷ジョブを実行する情報処理装置である。本実施形態の画像形成装置110は、各種ソフトウェアがインストールされ、サーバ120からネットワーク130を通じて提供される更新プログラムを適宜ダウンロードすることができる。
【0013】
サーバ120は、画像形成装置110に各種サービスを提供する情報処理装置である。本実施形態のサーバ120は、画像形成装置110へのソフトウェアや更新プログラムなどの提供、画像形成装置110のユーザのアカウント管理、認証、契約内容の管理などを行うことができる。なお、本実施形態のサーバ120は、上記の各種サービスを1台の情報処理装置によって提供してもよいし、複数の情報処理装置によって提供してもよい。
【0014】
次に、画像形成装置110のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置110に含まれるハードウェア構成を示す図である。画像形成装置110は、コントローラ111、操作部112、プリンタ装置113、スキャナ装置114を含んで構成される。
【0015】
本実施形態のコントローラ111は、CPU201と、RAM202と、ROM203と、記憶装置204と、通信I/F205と、操作部I/F206と、エンジンI/F207とを含んで構成される。
【0016】
CPU201は、画像形成装置110の動作を制御するプログラムを実行し、所定の処理を行う装置である。RAM202は、CPU201が実行するプログラムの実行空間を提供するための揮発性の記憶装置であり、プログラムやデータの格納用、展開用として使用される。ROM203は、CPU201が実行するプログラムやソフトウェアなどを記憶するための不揮発性の記憶装置である。
【0017】
記憶装置204は、画像形成装置110を機能させるOSや種々のソフトウェア、設定情報、各種データなどを記憶する、読み書き可能な不揮発性の記憶装置である。記憶装置204の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0018】
通信I/F205は、画像形成装置110とネットワーク130とを接続し、ネットワーク130を介して他の情報処理装置との通信を可能にする。ネットワーク130を介した通信は、有線通信または無線通信のいずれであってもよく、TCP/IPなどの所定の通信プロトコルを使用し、各種データを送受信できる。
【0019】
操作部I/F206は、操作部112との間で制御信号などの送受信を行うインターフェースである。エンジンI/F207は、プリンタ装置113やスキャナ装置114との間で制御信号などの送受信を行うインターフェースである。
【0020】
本実施形態の操作部112は、CPU201と、RAM202と、ROM203と、記憶装置204と、コントローラI/F208と、ディスプレイ209と、入力装置210とを含んで構成される。なお、操作部112に含まれるCPU201、RAM202、ROM203、記憶装置204は、コントローラ111に含まれるものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0021】
コントローラI/F208は、コントローラ111との間で制御信号などの送受信を行うインターフェースである。
【0022】
ディスプレイ209は、各種データや画像形成装置110の状態などを、ユーザに対して表示する装置であり、例として、LCD(Liquid Crystal Display)などが挙げられる。入力装置210は、ユーザが画像形成装置110を操作するための装置であり、例として、ボタンなどが挙げられる。なお、ディスプレイ209と入力装置210は、それぞれ別個の装置であってもよいし、タッチパネルディスプレイのような両方の機能を備えるものであってもよい。
【0023】
プリンタ装置113は、レーザ方式やインクジェット方式などによって、用紙に画像を形成する構成の装置である。スキャナ装置114は、印刷物の画像を読み取り、データ化する構成の装置である。また、例えば画像形成装置110は、スキャナ装置114とプリンタ装置113の協働により、印刷物のコピーを行うことができる。
【0024】
以上、本実施形態の画像形成装置110に含まれるハードウェア構成について説明した。なお、図2に示したハードウェア構成は一例であって実施形態を限定するものではない。したがって、画像形成装置110は、図2に示した以外のハードウェアを含んで構成されてもよい。また、図2では、コントローラ111と操作部112が別個のハードウェアとして構成されているが、1つのハードウェアとして構成されてもよい。
【0025】
次に、本実施形態における各ハードウェアによって実行される機能手段について、図3を以て説明する。図3は、本実施形態の画像形成装置110に含まれるソフトウェアブロック図である。
【0026】
本実施形態のコントローラ111は、コントローラ電源制御部311、データ取得部312、機器情報管理部313、機器情報記憶部314の各機能手段を含む。また、本実施形態の操作部112は、操作部電源制御部321、ソフトウェア情報記憶部322、判定部323、表示制御部324の各機能手段を含む。以下では、各機能手段の詳細を説明する。
【0027】
コントローラ電源制御部311は、コントローラ111に含まれるハードウェアに供給する電力を制御する手段である。本実施形態のコントローラ電源制御部311は、画像形成装置110の主電源の投入に伴って、ハードウェアに電力を供給する。また、画像形成装置110の主電源が入った場合に、コントローラ電源制御部311は、操作部電源制御部321に対して、操作部112の起動要求することができる。
【0028】
データ取得部312は、通信I/F205の動作を制御し、画像形成装置110にインストールされているソフトウェアの更新プログラムを、サーバ120から取得する手段である。データ取得部312が取得する更新プログラムは、ソフトウェアの更新データの他に、ソフトウェアの機能を示す情報、当該機能を実行するのに必要な画像形成装置110の構成要件を示す情報、ソフトウェアのバージョン情報などを含んでもよい。また、ソフトウェアの機能を示す情報は、ソフトウェアの更新によって新たに追加される機能を示す情報であってもよい。
【0029】
機器情報管理部313は、画像形成装置110の構成情報を管理する手段である。本実施形態の機器情報管理部313は、画像形成装置110のハードウェアの有無や仕様、インストールされているソフトウェアのバージョン情報などを機器情報記憶部314に格納することができる。また、機器情報管理部313は、判定部323からの要求に応じて、機器情報記憶部314を参照して、機器情報記憶部314内のデータを取得し、判定部323に通知することができる。
【0030】
機器情報記憶部314は、コントローラ111の記憶装置204の動作を制御し、機器情報に関する各種データの読み出しや書き込みを行う手段である。ここで、本実施形態の機器情報記憶部314に記憶されるデータの例について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の各種記憶部に記憶されるデータの例を示す図であり、図4(a)は機器情報記憶部314内のデータの例を示している。なお、図4に示すデータの例は、特に実施形態を限定するものではない。
【0031】
本実施形態の機器情報記憶部314は、図4(a)に示すデータを画像形成装置110の機器情報として記憶している。すなわち、説明する実施形態の画像形成装置110は、図4(a)に示すように、2GBのHDD、タッチパネル、フィニッシャ装置を備えるが、カードリーダは備えない。また、画像形成装置110には、バージョン2.1のソフトウェアがインストールされているが、アクティベート(有効化)されておらず、バージョン2.0のソフトウェアがアクティベート済みである。
【0032】
説明を図3に戻す。操作部電源制御部321は、コントローラ電源制御部311からの要求に応じて、操作部112に含まれるハードウェアに供給する電力を制御する手段である。
【0033】
ソフトウェア情報記憶部322は、操作部112の記憶装置204の動作を制御し、インストールされたソフトウェアに関する情報を記憶する手段である。ここで、本実施形態のソフトウェア情報記憶部322に記憶されるデータの例について図4(b)を参照して説明する。
【0034】
本実施形態のソフトウェア情報記憶部322は、図4(b)に示すデータを画像形成装置110にインストールされているソフトウェアの情報として記憶している。図4(b)に示す例では、ソフトウェア情報記憶部322には、更新されたソフトウェアのバージョン情報と、当該更新によって追加された機能の名称と、追加機能を実行するのに必要な構成要件と、機能の説明とが関連付けられて記憶されている。ここで、説明する実施形態の画像形成装置110にインストールされているソフトウェアはバージョンが2.1であり、更新によって、コピー蓄積機能、履歴呼び出し機能、ステープル処理機能、ICカード認証機能が追加されている。また、図4(b)に示す例では、コピー蓄積機能には1GB以上のHDDが要求され、履歴呼び出し機能には500MB以上のHDDが要求され、ステープル処理機能にはフィニッシャ装置を備えていることが要求され、ICカード認証機能にはカードリーダを備えていることが要求される。
【0035】
再び説明を図3に戻す。判定部323は、機器情報記憶部314内の機器情報と、ソフトウェア情報記憶部322内のソフトウェア情報とを参照して、ソフトウェアの更新によって画像形成装置110で利用可能となる機能を判定する手段である。判定部323は、判定した結果、すなわち、利用可能となる機能を表示制御部324に通知する。
【0036】
表示制御部324は、ディスプレイ209の動作を制御し、判定部323による判定結果に基づいて、画像形成装置110が利用可能となる機能の一覧画面を表示する手段である。
【0037】
なお、上述したソフトウェアブロックは、CPU201が本実施形態のプログラムを実行することで、各ハードウェアを機能させることにより、実現される機能手段に相当する。また、各実施形態に示した機能手段は、全部がソフトウェア的に実現されても良いし、その一部または全部を同等の機能を提供するハードウェアとして実装することもできる。
【0038】
さらに、上述した各機能手段は、必ずしも全てが図3に示すような構成で含まれていなくてもよい。例えば、他の好ましい実施形態では、各機能手段は、コントローラ111と、操作部112との協働によって実現されてもよい。
【0039】
ここまで、本実施形態の画像形成装置110に含まれる機能手段について説明した。次に、上述した各機能手段によって実行される処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態において画像形成装置110が実行する処理を示すフローチャートである。なお、以下の図5の説明では、図4に示した各種データを記憶する画像形成装置110を例示して説明する。したがって、図5の説明においては、適宜図4を参照するものとする。
【0040】
本実施形態の画像形成装置110は、ステップS1000から処理を開始する。ステップS1001において、データ取得部312は、更新プログラムをサーバ120から取得し、画像形成装置110にインストールする。なお、ステップS1001の段階では、更新プログラムはインストールされているものの、アクティベートされておらず、したがって、更新によって追加された機能はこの段階では利用可能となっていない。
【0041】
次に、ステップS1002では、インストールしたソフトウェアに関する情報を機器情報記憶部314やソフトウェア情報記憶部322に記憶する。例えば、ステップS1002において機器情報記憶部314は、インストールしたソフトウェアのバージョンを「未アクティベート」の項目に記憶する。また、ソフトウェア情報記憶部322は、更新されたバージョン情報、更新プログラムに含まれる機能名、構成要件、機能の説明などを記憶する。
【0042】
その後、ステップS1003では、ソフトウェアが起動されたか否かによって処理を分岐する。ソフトウェアが起動されていない場合には(NO)、ステップS1003に戻って処理を繰り返し、ソフトウェアの起動を待機する。ソフトウェアが起動された場合には(YES)、ステップS1004に進む。なお、図5の例では、ソフトウェアの起動を契機に処理を分岐しているが、特に実施形態を限定するものではない。例えば、他の実施形態においては、画像形成装置110の主電源が投入され、コントローラ電源制御部311および操作部電源制御部321が電力の供給を開始したことを契機として、ステップS1003の処理を行ってもよい。
【0043】
次いでステップS1004において、判定部323が機器情報とソフトウェア情報とを取得する。ステップS1004では、判定部323は、機器情報管理部313を介して機器情報記憶部314を参照し、画像形成装置110の構成情報と、ソフトウェアのバージョン情報とを取得する。また、判定部323は、ソフトウェア情報記憶部322を参照し、未アクティベートのバージョンのソフトウェアによって追加された機能名、構成要件、機能の説明を取得する。なお、本実施形態の判定部323は、ソフトウェア情報記憶部322内に記憶されているバージョン情報と、アクティベート済みのバージョン情報とを比較し、ソフトウェア情報記憶部322内に記憶されているバージョン情報のほうが大きい場合には、当該バージョンのソフトウェアがアクティベートの対象であると判定することができる。
【0044】
ステップS1004で機器情報とソフトウェア情報を取得した後、ステップS1005において判定部323は、取得した情報を参照して、アクティベートすることによって、画像形成装置110で利用となる機能があるか否かを判定する。ここで、図4の例を参照して、ステップS1005における判定処理を説明する。
【0045】
図4に示すように、本実施形態の画像形成装置110は、ソフトウェアが更新されバージョン2.1がインストールされているが、当該バージョンはアクティベートされていないため、バージョン2.0がアクティベートされている状態である。バージョン2.1のソフトウェアでは、コピー蓄積機能、履歴呼び出し機能、ステープル処理機能、ICカード認証機能が新たに追加されている。そのため、画像形成装置110がこれらの機能を実行する要件を満たしている場合には、アクティベートすることで各機能が利用可能となる。
【0046】
ここで、コピー蓄積機能は、1GB以上のHDDを備えていることが要件となっているところ(図4(b)参照)、本実施形態の画像形成装置110は2GBのHDDを備えている(図4(a)参照)。そのため、バージョン2.1のソフトウェアをアクティベートした場合には、画像形成装置110は、コピー蓄積機能を利用することができる。したがって、判定部323は、コピー蓄積機能が利用可能であると判定する(ステップS1005参照)。
【0047】
同様に、履歴呼び出し機能は、500MGB以上のHDDを備えていることが要件となっているところ(図4(b)参照)、本実施形態の画像形成装置110は2GBのHDDを備えている(図4(a)参照)。そのため、バージョン2.1のソフトウェアをアクティベートした場合には、画像形成装置110は、履歴呼び出し機能を利用することができる。したがって、判定部323は、履歴呼び出し機能が利用可能であると判定する(ステップS1005参照)。
【0048】
また、ステープル処理機能は、フィニッシャ装置を備えていることが要件となっているところ(図4(b)参照)、本実施形態の画像形成装置110はフィニッシャ装置を備えている(図4(a)参照)。そのため、バージョン2.1のソフトウェアをアクティベートした場合には、画像形成装置110は、ステープル処理機能を利用することができる。したがって、判定部323は、ステープル処理機能が利用可能であると判定する(ステップS1005参照)。
【0049】
一方で、ICカード認証機能は、カードリーダを備えていることが要件となっているところ(図4(b)参照)、本実施形態の画像形成装置110はカードリーダを備えていない(図4(a)参照)。そのため、バージョン2.1のソフトウェアをアクティベートした場合であっても、画像形成装置110は、ICカード認証処理機能を利用することができない。したがって、判定部323は、ICカード認証機能が利用不可であると判定する(ステップS1005参照)。
【0050】
ここまでに説明した通り、本実施形態の画像形成装置110は、バージョ2.1のソフトウェアをアクティベートすることで、コピー蓄積機能、履歴呼び出し機能、ステープル処理機能は利用可能になるが、ICカード認証機能は利用できない。ここで、本実施形態の画像形成装置110は、利用可能となる機能をユーザが把握できるように、ステップS1006の処理を行う。
【0051】
説明を図5に戻す。ステップS1005において、アクティベートすることによって画像形成装置110で利用可能となる機能がない場合には(NO)、ステップS1007に進み、処理を終了する。一方で、アクティベートすることによって画像形成装置110で利用可能となる機能がある場合には(YES)、ステップS1006に進む。
【0052】
ステップS1006では、表示制御部324は、ディスプレイ209を制御して、ソフトウェアを更新することによって追加され、かつ、アクティベート後に画像形成装置110で利用可能な機能を表示する。ここで、ステップS1006で表示される画面について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態のディスプレイ209に表示される画面の例を示す図である。
【0053】
本実施形態のディスプレイ209には、図6に例示する画面が表示される。説明する実施形態の例では、図6に示すように、アクティベートによって有効になる機能の一覧として、コピー蓄積、履歴呼び出し、ステープル処理の各機能と、その説明が表示される。一方で、ICカード認証機能は、画像形成装置110が構成要件を満たさないことから、一覧表示されない。このように、ソフトウェアを更新することによって追加され、かつ、アクティベート後に画像形成装置110で利用可能となる機能を表示することで、ユーザは、どのような機能が利用できるのかを知ることができ、新機能の利用を促進することができる。
【0054】
また、図6に示すように、追加される機能の一覧表示画面には、新たなバージョンのソフトウェアをアクティベートする画面に遷移するためのボタンなどが含まれてもよい。これによってユーザは、新たに追加される機能を把握したうえでアクティベートを行うことができる。
【0055】
説明を再び図5に戻す。ステップS1006において、図6に示したような画面を表示した後、ステップS1007に進む。ステップS1007では、画像形成装置110は、処理を終了する。
【0056】
図5に示した処理によって、画像形成装置110は、ソフトウェアを更新することによって追加され、かつ、アクティベート後に画像形成装置110で利用可能となる機能を表示することができる。これによってユーザは、どのような機能が利用できるのかを知ることができ、新機能の利用を促進することができる。
【0057】
以上、説明した本発明の実施形態によれば、更新に伴って追加された機能を提示可能にする情報処理装置、方法およびプログラムを提供することができる。
【0058】
上述した本発明の実施形態の各機能は、C、C++、C#、Java(登録商標)等で記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD-ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM(登録商標)、EPROM等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0059】
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュールなどのデバイスを含むものとする。
【0060】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
100…システム、110…画像形成装置、111…コントローラ、112…操作部、113…プリンタ装置、114…スキャナ装置、120…サーバ、130…ネットワーク、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…記憶装置、205…通信I/F、206…操作部I/F、207…エンジンI/F、208…コントローラI/F、209…ディスプレイ、210…入力装置、240…記憶装置、311…コントローラ電源制御部、312…データ取得部、313…機器情報管理部、314…機器情報記憶部、321…操作部電源制御部、322…ソフトウェア情報記憶部、323…判定部、324…表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2015-138297号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6