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特開2023-82625コード決済システム、方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082625
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】コード決済システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20230607BHJP
【FI】
G06Q20/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196538
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515320123
【氏名又は名称】コスモ石油マーケティング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595119914
【氏名又は名称】太陽石油株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399036246
【氏名又は名称】キグナス石油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 栞里
(72)【発明者】
【氏名】奥本 主計
(72)【発明者】
【氏名】田中 彩
(72)【発明者】
【氏名】太田 好美
(72)【発明者】
【氏名】阿波井 重幸
(72)【発明者】
【氏名】市川 雄彦
(72)【発明者】
【氏名】大竹 聡史
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 友良
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】商品又はサービスの提供後に料金が決定する場合でも、ユーザの利便性確保と不正利用防止との両立を図る。
【解決手段】ユーザ端末10は、決済事業者コード及び仮決済額を表すコード画像を読み取ってコード情報を取得し(S18)、コード情報を含む仮決済情報を決済事業者装置40へ送信し(S19)、決済事業者装置40における仮決済処理が完了すると(S20-S22)、店舗端末20が給油機を給油可能な状態に制御し(S23)、給油完了を検知すると(S24)、実際の給油量から本決済額を決定し、本決済情報を決済事業者装置40へ送信し(S25-S26)、決済事業者装置40が、仮決済額と本決済額との差額に関する決済処理を実行する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する取得部と、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行する第1決済部と、
前記第1決済部による決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御する制御部と、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する第2決済部と、
を含むコード決済システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1決済部による決済処理がエラーとなった場合、前記商品又は前記サービスの提供を開始することなく、エラーメッセージを出力する請求項1に記載のコード決済システム。
【請求項3】
前記決済事業者の管轄下の決済事業者装置と、前記商品又は前記サービスが提供される店舗に備えられる店舗端末と、前記商品又は前記サービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ端末とを含むコード決済システムであって、
前記取得部は、前記ユーザ端末又は前記店舗端末において、前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信し、
前記第1決済部は、前記決済事業者装置において、前記仮決済情報を受信し、前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、前記決済処理の完了を前記店舗端末へ送信し、
前記制御部は、前記店舗端末において、前記決済処理の完了を前記決済事業者装置から受信した場合に、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記第2決済部は、
前記店舗端末において、前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記第1の決済額を決定し、決定した前記第1の決済額を前記決済事業者装置へ送信し、
前記決済事業者装置において、前記第1の決済額と、前記店舗端末から受信した前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
請求項1又は請求項2に記載のコード決済システム。
【請求項4】
前記取得部は、
前記店舗端末において、前記決済事業者の指定、及び前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付け、指定された前記決済事業者装置へ前記第1の決済額の情報を送信し、前記決済事業者装置から、前記第1の決済額の情報を含む前記コード画像を受信し、受信した前記コード画像を表示装置に表示し、
前記ユーザ端末において、前記表示装置に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する
請求項3に記載のコード決済システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記店舗端末において、前記ユーザ端末に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する請求項3に記載のコード決済システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記ユーザ端末において、固定的に表示又は印字された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する請求項3に記載のコード決済システム。
【請求項7】
前記コード画像を、複数の決済事業者で共通のコード画像とする請求項6に記載のコード決済システム。
【請求項8】
前記取得部は、前記第1の決済額を特定するための情報として、前記商品又は前記サービスの量を受け付けた場合、前記量と前記商品又は前記サービスの単価とに基づいて、前記第1の決済額を算出する請求項4~請求項7のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【請求項9】
前記店舗端末と前記決済事業者装置との間に、前記店舗端末で対応可能な複数の決済事業者の各々による決済を一元的に受け付け、それぞれ対応する前記決済事業者装置に対応する処理を中継する中継装置をさらに含む請求項3~請求項8のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【請求項10】
前記第1の決済額は、前記第2の決済額より多くなるように設定される請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【請求項11】
前記商品又は前記サービスが、ガソリンスタンドにおける給油であり、
前記制御部は、前記第1決済部による決済処理が終了した後で、給油機を給油可能な状態に制御する
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【請求項12】
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得し、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、
前記第1の決済額の決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
ことを含む処理をコンピュータが実行するコード決済方法。
【請求項13】
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得し、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、
前記第1の決済額の決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのコード決済プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、コード決済システム、コード決済方法、及びコード決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャッシュレス決済の方法の1つとして、QRコード(登録商標)やバーコード等のコードを用いたコード決済がある。コード決済に関する技術として、多くのカードを携帯する必要がなく、カードでの決済時に、購入場所、購入日時、購入金額、顧客の定めた優先事項に応じて、決済に最適なカードを顧客に提案するカード決済システムが提案されている。このシステムでは、顧客は、商品購入の際に自身の顧客端末上で専用アプリを起動しておく。そして、店舗のレジにおいて店員がPOS端末に購入金額を入力すると、POS端末は、顧客端末に登録されたカード情報を読み取り、それらのカード情報と、購入情報をカード決済管理サーバに送信する。サーバでは、カード毎特典情報を定期的に取得しており、サーバが取得したカードの特典情報のうち、POS端末から送信されてきたカードに関する特典情報を抽出し、顧客端末の画面にカード毎の特典情報を表示させる。このとき、カードのおすすめ順を判定して表示する。顧客がこの画面から決済に利用するカードを選択すると、2次元バーコードが画面に表示され、この画面をPOS端末にかざすと決済が完了する。
【0003】
また、コード決済をガソリンスタンド等における給油の精算に適用する技術も提案されている。例えば、携帯端末を用いる顧客の個人データ等の情報漏洩を防止しながら給油を行う給油システムが提案されている。このシステムでは、携帯端末から給油設定に関する情報を読取手段で読み取ると、給油装置に給油設定がなされる。給油設定に関する情報は、油種、決済カード番号及び給油量を含んでもよく、読取手段は、携帯端末に表示された識別コードを読み取ることができる。そして、このシステムは、給油後に得られる該給油に関する情報に基づいて精算に関する情報を生成し、精算に関する情報を識別コードとして表示し、携帯端末で、精算に関する情報を読み取ると、精算に関する情報が決済カード会社へ出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-130092号公報
【特許文献2】特開2020-070089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コード決済の中でも、コードの読み取り時に、事前にチャージしてある残高から料金を支払う後払いの決済システムでは、商品又はサービスの提供後に、その対価となる料金が決定する場合に問題が生じる。例えば、セルフサービスのガソリンスタンドなどで、給油完了後にコード決済を行う場合、給油完了後に確定した料金に対して、チャージ残高の不足が発生する場合がある。また、ガソリンの入れ逃げ等の不正利用が行われる可能性もある。
【0006】
上記のように、商品又はサービスの提供後に料金が決定する場合において、後払いのコード決済を利用する際には、商品又はサービスの提供前に一度コードの読み取りを行い、残高確認を行った上で商品又はサービスの提供することが考えられる。この場合、商品又はサービスの提供後に、改めて決済のためにコードの読み取りを行う必要があり、利用者の利便性が損なわれる。
【0007】
一つの側面として、開示の技術は、商品又はサービスの提供後に料金が決定する場合でも、ユーザの利便性確保と不正利用防止との両立を図ることができるコード決済システム、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様として、開示の技術は、決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する取得部を含む。また、開示の技術は、前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行する第1決済部と、前記第1決済部による決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御する制御部とを含む。また、開示の技術は、前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する第2決済部を含む。
【発明の効果】
【0009】
一つの側面として、商品又はサービスの提供後に料金が決定する場合でも、ユーザの利便性確保と不正利用防止との両立を図ることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1及び第3実施形態に係るコード決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態におけるユーザ端末の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態における店舗端末の機能ブロック図である。
図4】第1~第3実施形態における中継装置の機能ブロック図である。
図5】第1実施形態における決済事業者装置の機能ブロック図である。
図6】仮決済及び本決済の実装例を説明するための図である。
図7】ユーザ端末として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図8】店舗端末として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図9】中継装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図10】決済事業者装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図11】第1実施形態に係るコード決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
図12】店舗端末の表示装置に表示される選択画面の一例を示す図である。
図13】決済状況DBの一例を示す図である。
図14】店舗端末の表示装置に表示されるQR画面、メッセージ画面、及びレシート画面の一例を示す図である。
図15】第2実施形態に係るコード決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図16】第2実施形態におけるユーザ端末の機能ブロック図である。
図17】第2実施形態における店舗端末の機能ブロック図である。
図18】第2及び第3実施形態における決済事業者装置の機能ブロック図である。
図19】第2実施形態に係るコード決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
図20】ユーザ端末の表示装置にQRコードが表示された一例を示す図である。
図21】第3実施形態におけるユーザ端末の機能ブロック図である。
図22】第3実施形態における店舗端末の機能ブロック図である。
図23】第3実施形態に係るコード決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
図24】決済ブランド毎のQRコードが印字されたカード、及びユーザ端末の表示装置に表示される選択画面の一例を示す図である。
図25】決済ブランド毎、かつ金額指定するための金額毎のQRコードが印字されたカードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、開示の技術に係る実施形態の一例を説明する。以下の各実施形態では、ユーザ自身が給油を行うセルフサービスのガソリンスタンドにおける給油料金の決済に、開示の技術のコード決済システムを適用した場合について説明する。
【0012】
<第1実施形態>
第1実施形態では、店舗側で動的に提示したQRコード(登録商標)をユーザ側で読み取る動的MPM(Merchant-Presented Mode)方式の例について説明する。
【0013】
図1に、第1実施形態に係るコード決済システム1の概略構成を示す。図1に示すように、第1実施形態に係るコード決済システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、中継装置30と、決済事業者装置40とを含む。ユーザ端末10と決済事業者装置40、店舗端末20と中継装置30、及び中継装置30と決済事業者装置40は、それぞれネットワークを介して通信可能に接続される。なお、コード決済システム1に含まれる各構成の数は図1の例に限定されない。
【0014】
ユーザ端末10は、商品又はサービス(ここでは、ガソリンの給油)の提供を受けるユーザが利用する情報処理端末である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等である。ユーザ端末10上では、コード決済システム1を利用するためのアプリケーションが動作する。
【0015】
店舗端末20は、商品又はサービスが提供される店舗(ここでは、ガソリンスタンドGS)に備えられる、決済処理のための情報処理端末である。店舗端末20は、例えば、POS(Point Of Sales)端末、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。店舗端末20上では、コード決済システム1を利用するためのアプリケーションが動作する。また、店舗端末20は給油機28と接続される。
【0016】
給油機28は、タンクからガソリンを汲み上げるポンプ、ポンプの駆動機構、汲み上げたガソリンを車両の給油口へ流入するためのホース及びノズル、ガソリンの流入の制御に必要な情報を取得するためのセンサ、ノズルのロック機構、コントローラ等を含む。センサは、例えば給油量を検知するためのものである。コントローラは、店舗端末20から指定された量のガソリンが給油されるように、センサの検知結果に基づいて、ポンプの駆動機構を制御する。ノズルのロック機構は、ロック解除状態においてノズルを使用可能な状態とし、ロック状態においてノズルを使用不可の状態とするための機構である。例えば、コントローラは、ノズルが所定位置に係留された状態で、店舗端末20から給油可の指示を受信するまで、ロック機構をロック状態に制御し、所定位置からノズルを取り外せないようにする。また、コントローラは、店舗端末20から給油可の指示を受信すると、ロック機構を解除するように制御し、所定位置からのノズルの取り外しを可能にする。
【0017】
中継装置30は、店舗と決済事業者との中継を行うゲートウェイ事業者の管轄下におかれる情報処理装置である。中継装置30は、店舗端末20で対応可能なコード決済に対応する複数の決済事業者の各々による決済を一元的に受け付け、管理すると共に、それぞれ対応する決済事業者装置40に対応する処理を中継する。中継装置30はサーバ装置等である。
【0018】
決済事業者装置40は、各決済事業者の管轄下におかれる情報処理装置である。決済事業者装置40はサーバ装置等である。
【0019】
以下、ユーザ端末10、店舗端末20、中継装置30、及び決済事業者装置40の各々の機能構成について説明する。
【0020】
まず、ユーザ端末10の機能構成について説明する。図2に示すように、ユーザ端末10は、読取部11と、送受信部12とを含む。読取部11及び送受信部12は、開示の技術の取得部の一例である。
【0021】
読取部11は、店舗端末20が備える表示装置に表示されたQRコードを読み取る。詳細は後述するが、ここで表示されるQRコードは、決済事業者コード、商品又はサービスの仮の対価を示す仮決済額の情報、及び決済IDを含むコード情報に基づくコード画像である。決済事業者コードは、ユーザが利用する決済ブランドに対応する決済事業者を識別するためのコードである。決済IDは、一連の決済処理の識別情報である。仮決済額は、開示の技術の第1の決済額の一例である。読取部11は、QRコードを読み取ることにより取得したコード情報(決済事業者コード、仮決済額、及び決済ID)と、ユーザの識別情報であるユーザIDとを含む仮決済情報を送受信部12へ受け渡す。なお、仮決済情報には、ユーザIDに紐づくパスワード等、ユーザの本人認証に必要な情報を含めてもよい。
【0022】
送受信部12は、読取部11から受け渡された仮決済情報を、決済事業者コードが示す決済事業者装置40へ送信する。また、送受信部12は、決済事業者装置40による本決済処理終了後に、決済事業者装置40から送信される本決済処理の結果(以下、「本決済結果」という。詳細は後述)を受信する。送受信部12は、受信した本決済結果を、ユーザ端末10が備える表示装置に表示する。
【0023】
次に、店舗端末20の機能構成について説明する。図3に示すように、店舗端末20は、受付部21と、送受信部22と、表示制御部23と、給油制御部24と、決定部25とを含む。受付部21、送受信部22、及び表示制御部23は、開示の技術の取得部の一例であり、給油制御部24は、開示の技術の制御部の一例である。
【0024】
受付部21は、ユーザから、決済ブランドの指定、及び仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を受け付ける。仮決済額を特定するための情報は、例えば、提供される商品又はサービスの数量である。例えば、ユーザは、所定金額分の給油を行いたい場合、仮決済額を指定する。また、ユーザは、所定リットル分の給油を行いたい場合、仮決済額を特定するための情報として数量を指定する。
【0025】
具体的には、受付部21は、店舗端末20が備える表示装置に、決済ブランド、及び仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を選択するための選択画面を表示する。受付部21は、ユーザの選択操作により選択画面から選択された情報(以下、「選択情報」という)を受け付ける。受付部21は、仮決済額を特定するための情報として数量を受け付けた場合、数量と、商品又はサービスの単価とに基づいて、仮決済額を算出する。受付部21は、受け付けた決済ブランド及び仮決済額を送受信部22へ受け渡す。なお、選択画面の操作はユーザが行う場合に限定されず、ユーザからの指定を聞いた店舗のスタッフが操作してもよい。
【0026】
送受信部22は、受け付けられ決済ブランドに対応する決済事業者の管轄下の決済事業者装置40へQRコードを要求するためのQR要求を、中継装置30へ送信する。送受信部22は、QR要求に、決済事業者コード、店舗の識別情報である店舗コード、及び仮決済額の情報を含める。また、送受信部22は、中継装置30からコード情報を受信する。コード情報は、決済事業者装置40から中継装置30へ送信されるQR返送(詳細は後述)に含まれる。送受信部22は、受信したコード情報を表示制御部23へ受け渡す。
【0027】
また、送受信部22は、決定部25から本決済額(詳細は後述)の情報を受け取ると、決済ID、決済事業者コード、店舗コード、及び本決済額を含む本決済情報を中継装置30へ送信する。
【0028】
表示制御部23は、送受信部22からコード情報を受け取ると、コード情報が表すコード画像、すなわちQRコードを表示装置に表示する。表示制御部23は、QRコードを表示すると、表示完了を給油制御部24へ通知する。
【0029】
給油制御部24は、決済事業者装置40による仮決済処理(詳細は後述)が終了した後で、商品又はサービスを提供可能な状態に制御する。ここでは、給油制御部24は、給油可能な状態となるように給油機28を制御する。具体的には、給油制御部24は、表示制御部23から表示完了を通知されると、中継装置30に対してポーリングを行い、中継装置30が決済事業者装置40から、仮決済処理の結果(以下、「仮決済結果」という。詳細は後述)を受信したか否かを監視する。給油制御部24は、中継装置30が仮決済結果を受信しており、仮決済結果が仮決済処理の完了を示すものである場合、給油機28に給油可能を通知すると共に、ユーザから指定された仮決済額又は数量に応じた給油量を給油機28に通知する。なお、給油制御部24は、給油機28に通知する給油量を、その給油量に対する正式な対価である本決済額が仮決済額以下となるように決定する。
【0030】
給油制御部24は、給油可能な状態に制御した場合は、その旨を決定部25へ通知する。なお、仮決済結果が、例えば残高不足等によりエラーとなったことを示している場合、給油制御部24は、給油機28に給油開始を通知することなく、表示装置にエラーメッセージを表示するなどしてよい。
【0031】
決定部25は、商品又はサービスの提供完了を検知した場合に、商品又はサービスの正式な対価を示す本決済額を決定する。本決済額は、開示の技術の第2の決済額の一例である。具体的には、決定部25は、給油機28における給油が完了したことを示す完了動作が行われると、給油完了を検知する。例えば、決定部25は、ユーザがノズルを所定位置に戻したことをセンサにより検知した検知データを取得することにより、給油完了を検知する。決定部25は、給油完了を検知すると、給油機28から実際の給油量を取得し、取得した給油量に、ガソリンの単価を乗算して本決済額を決定する。決定部25は、決定した本決済額を送受信部22へ受け渡す。
【0032】
また、決定部25は、中継装置30に対してポーリングを行い、中継装置30が決済事業者装置40から、本決済結果を受信したか否かを監視する。中継装置30が本決済結果を受信すると、決定部25は、中継装置30から本決済結果を取得し、本決済情報と本決済結果とを対応付けて所定の記憶領域に記憶する。また、決定部25は、決済の内容を示すレシートを表示装置に表示、又はプリンタで出力する。
【0033】
次に、中継装置30の機能構成について説明する。図4に示すように、中継装置30は、送受信部31と、管理部32とを含む。また、中継装置30の所定の記憶領域には、決済状況DB(database)38が記憶される。
【0034】
送受信部31は、店舗端末20から送信されるQR要求を受信し、QR要求に含まれる決済事業者コードが示す決済事業者装置40へQR要求を送信する。また、送受信部31は、QR要求に対して決済事業者装置40から返送されるQR返送を受信する。QR返送には、店舗コード及びコード情報が含まれる。送受信部31は、受信したQR返送を管理部32へ受け渡すと共に、QR返送に含まれるコード情報を、店舗コードが示す店舗端末20へ送信する。
【0035】
また、送受信部31は、決済事業者装置40から仮決済結果を受信する。仮決済結果には、決済ID及び結果関連情報が含まれる。結果関連情報は、ユーザIDによる本人認証が成功し、仮決済額分の残高がある場合には、仮決済処理が完了した旨の情報(例えば、「OK」)を含む。また、結果関連情報は、本人認証の失敗、残高不足、決済事業者装置40における処理又は通信等のエラーが発生した場合に、発生したエラーの種別を示すエラーコードを含む。送受信部31は、受信した仮決済結果を管理部32へ受け渡す。
【0036】
また、送受信部31は、店舗端末20から本決済情報を受信する。送受信部31は、本決済情報に含まれる決済事業者コードが示す決済事業者装置40へ本決済情報を送信する。また、送受信部31は、受信した本決済情報を管理部32へ受け渡す。
【0037】
また、送受信部31は、決済事業者装置40から本決済結果を受信する。本決済結果には、決済ID及び結果関連情報が含まれる。結果関連情報は、決済金額を含む。決済金額は、最終的な取引金額がわかるものであればよく、本決済額であってもよいし、仮決済額及び差額であってもよい。また、結果関連情報は、仮決済結果の場合と同様に、エラーが発生した場合にはエラーコードを含む。送受信部31は、受信した本決済結果を管理部32へ受け渡す。
【0038】
管理部32は、送受信部31からQR返送を受け取ると、QR返送に含まれる店舗コードと、コード情報が表す決済事業者コード及び仮決済額とに、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、QRコードを発行済み、かつ仮決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する。
【0039】
また、管理部32は、送受信部31から仮決済結果を受け取ると、仮決済結果に含まれる決済IDに、受信日時を付与して決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、仮決済結果に含まれる結果が「OK」の場合、決済処理の状況を示す情報として、仮決済完了、かつ給油完了待ちの状況であることを示す情報を、対応する決済IDに対応付けて記憶する。また、管理部32は、仮決済結果にエラーコードが含まれる場合、決済処理の状況を示す情報として、そのエラーコードを、対応する決済IDに対応付けて記憶する。
【0040】
また、管理部32は、送受信部31から本決済情報を受け取ると、本決済情報に含まれる決済事業者コード、店舗コード、及び本決済額に、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、給油完了、かつ本決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する。
【0041】
また、管理部32は、送受信部31から本決済結果を受け取ると、本決済結果に含まれる決済金額に、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、決済処理の状況を示す情報として、本決済完了であることを示す情報を、対応する決済IDに対応付けて記憶する。また、管理部32は、本決済結果にエラーコードが含まれる場合、決済処理の状況を示す情報として、そのエラーコードを、対応する決済IDに対応付けて記憶する。
【0042】
次に、決済事業者装置40の機能構成について説明する。図5に示すように、決済事業者装置40は、送受信部41と、発行部42と、第1決済部43と、第2決済部44とを含む。
【0043】
送受信部41は、中継装置30からQR要求を受信する。送受信部41は、受信したQR要求を発行部42へ受け渡す。また、送受信部41は、発行部42で発行されたQRコードに関する情報(詳細は後述)を受け取ると、QR返送として中継装置30へ送信する。
【0044】
また、送受信部41は、ユーザ端末10から仮決済情報を受信する。送受信部41は、受信した仮決済情報を第1決済部43及び第2決済部44へ受け渡す。また、送受信部41は、第1決済部43から仮決済結果を受け取ると、中継装置30へ送信する。
【0045】
また、送受信部41は、中継装置30から本決済情報を受信する。送受信部41は、受信した本決済情報を第2決済部44へ受け渡す。また、送受信部41は、第2決済部43から本決済結果を受け取ると、中継装置30及びユーザ端末10へ送信する。
【0046】
発行部42は、送受信部41からQR要求を受け取ると、その決済処理に対して決済IDを付与し、QR要求に含まれる決済事業者コード、仮決済額、及び決済IDを表すQRコードを発行する。発行部42は、発行したQRコードを表すコード情報、及びQR要求に含まれる店舗コードを、QRコードに関する情報として送受信部41へ受け渡す。
【0047】
第1決済部43は、仮決済情報が示す仮決済額の決済処理を実行する。具体的には、第1決済部43は、送受信部41から受け渡された仮決済情報に含まれるユーザIDに基づいて本人認証を実行する。また、第1決済部43は、本人認証に成功した場合、ユーザIDが示すユーザの残高が仮決済額以上の場合には、残高から仮決済額を差し引く仮決済処理を実行する。第1決済部43は、本人認証に失敗した場合、又は残高不足の場合、エラーコードを生成する。第1決済部43は、本人認証結果、及び仮決済処理が完了した旨の情報又はエラーコードを含む結果関連情報に、仮決済情報に含まれる決済IDと対応付けて仮決済結果として送受信部41へ受け渡す。
【0048】
第2決済部44は、仮決済額と本決済額との差額に関する決済処理を実行する。具体的には、第2決済部44は、最終的な決済金額が本決済額となるように、送受信部41から受け渡された仮決済情報に含まれる仮決済額と、送受信部41から受け渡された本決済情報に含まれる本決済額との差額に関する本決済処理を実行する。第2決済部44は、決済金額、及び本決済処理の結果又はエラーコードを含む結果関連情報に、本決済情報に含まれる決済IDを対応付けて本決済結果として送受信部41へ受け渡す。
【0049】
ここで、差額に関する本決済処理は、図6に示す実装例のように、いくつかのパターンが想定される。図6の例1では、仮決済額で一旦支払を実行し、本決済額が確定すると、仮決済額での支払を取り消し、本決済額での支払を実行するものである。なお、「支払」とは、ユーザの残高から該当金額を引き去り、店舗コードが示す店舗へ該当金額を支払う処理である。例2は、仮決済額で一旦支払を実行し、本決済額が確定すると、仮決済額と本決済額との差額の返金を実行するものである。なお、本実施形態では、仮決済額≧本決済額となるように設定されているため、仮決済額と本決済額との差額が発生している場合、例2における本決済処理では必ず返金となる。例3は、仮決済額を仮売上として計上し、本決済額が確定すると、仮売上の金額を本決済額に修正したうえで、本売上を実行するものである。
【0050】
いずれの場合でも、本実施形態では、図6に示す基本モデルのように、ユーザは、仮決済の際に一度QRコードの読み取りを行うだけで、本決済は自動で行われるため、ユーザの利便性は損なわれない。なお、決済処理の実装例としてどのようなパターンを採用するかは決済事業者によって異なるが、この相違はゲートウェイ事業者において吸収すればよい。例えば、中継装置30において、決済事業者に応じた本決済処理が可能となるように、本決済情報を加工して決済事業者装置40へ送信すればよい。
【0051】
次に、ユーザ端末10、店舗端末20、中継装置30、及び決済事業者装置40の各々のハードウェア構成について説明する。
【0052】
ユーザ端末10は、例えば図7に示すコンピュータ50で実現されてよい。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51と、一時記憶領域としてのメモリ52と、不揮発性の記憶部53とを備える。また、コンピュータ50は、タッチパネルディスプレイ等で実現される入力装置及び表示装置、カメラ等を含む入出力装置54と、記憶媒体59に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するR/W(Read/Write)部55とを備える。また、コンピュータ50は、インターネット等のネットワークに接続される通信I/F(Interface)56を備える。CPU51、メモリ52、記憶部53、入出力装置54、R/W部55、及び通信I/F56は、バス57を介して互いに接続される。
【0053】
記憶部53は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現されてよい。記憶媒体としての記憶部53には、コンピュータ50を、ユーザ端末10として機能させるためのユーザ端末プログラム60が記憶される。ユーザ端末プログラム60は、読取プロセス61と、送受信プロセス62とを有する。
【0054】
CPU51は、ユーザ端末プログラム60を記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、ユーザ端末プログラム60が有するプロセスを順次実行する。CPU51は、読取プロセス61を実行することで、図2に示す読取部11として動作する。また、CPU51は、送受信プロセス62を実行することで、図2に示す送受信部12として動作する。これにより、ユーザ端末プログラム60を実行したコンピュータ50が、ユーザ端末10として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU51はハードウェアである。
【0055】
店舗端末20は、例えば図8に示すコンピュータ70で実現されてよい。コンピュータ70は、CPU71と、一時記憶領域としてのメモリ72と、不揮発性の記憶部73とを備える。また、コンピュータ70は、タッチパネルディスプレイ等で実現される入力装置及び表示装置、プリンタ等を含む入出力装置74と、装置記憶媒体79に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するR/W部75とを備える。また、コンピュータ70は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続される通信I/F76とを備える。CPU71、メモリ72、記憶部73、入出力装置74、R/W部75、及び通信I/F76は、バス77を介して互いに接続される。
【0056】
記憶媒体としての記憶部73には、コンピュータ70を、店舗端末20として機能させるための店舗端末プログラム80が記憶される。店舗端末プログラム80は、受付プロセス81と、送受信プロセス82と、表示制御プロセス83と、給油制御プロセス84と、決定プロセス85とを有する。
【0057】
CPU71は、店舗端末プログラム80を記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、店舗端末プログラム80が有するプロセスを順次実行する。CPU71は、受付プロセス81を実行することで、図3に示す受付部21として動作する。また、CPU71は、送受信プロセス82を実行することで、図3に示す送受信部22として動作する。また、CPU71は、表示制御プロセス83を実行することで、図3に示す表示制御部23として動作する。また、CPU71は、給油制御プロセス84を実行することで、図3に示す給油制御部24として動作する。また、CPU71は、決定プロセス85を実行することで、図3に示す決定部25として動作する。これにより、店舗端末プログラム80を実行したコンピュータ70が、店舗端末20として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU71はハードウェアである。
【0058】
中継装置30は、例えば図9に示すコンピュータ90で実現されてよい。コンピュータ90は、CPU91と、一時記憶領域としてのメモリ92と、不揮発性の記憶部93とを備える。また、コンピュータ90は、入出力装置94と、記憶媒体99に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するR/W部95と、通信I/F96とを備える。CPU91、メモリ92、記憶部93、入出力装置94、R/W部95、及び通信I/F96は、バス97を介して互いに接続される。
【0059】
記憶媒体としての記憶部93には、コンピュータ90を、中継装置30として機能させるための中継装置プログラム100が記憶される。中継装置プログラム100は、送受信プロセス101と、管理プロセス102とを有する。また、記憶部93は、決済状況DB38を構成する情報が記憶される情報記憶領域108を有する。
【0060】
CPU91は、中継装置プログラム100を記憶部93から読み出してメモリ92に展開し、中継装置プログラム100が有するプロセスを順次実行する。CPU91は、送受信プロセス101を実行することで、図4に示す送受信部31として動作する。また、CPU91は、管理プロセス102を実行することで、図4に示す管理部32として動作する。また、CPU91は、情報記憶領域108から情報を読み出して、決済状況DB38をメモリ92に展開する。これにより、中継装置プログラム100を実行したコンピュータ90が、中継装置30として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU91はハードウェアである。
【0061】
決済事業者装置40は、例えば図10に示すコンピュータ110で実現されてよい。コンピュータ110は、CPU111と、一時記憶領域としてのメモリ112と、不揮発性の記憶部113とを備える。また、コンピュータ110は、入出力装置114と、記憶媒体119に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するR/W部115と、通信I/F116とを備える。CPU111、メモリ112、記憶部113、入出力装置114、R/W部115、及び通信I/F116は、バス117を介して互いに接続される。
【0062】
記憶媒体としての記憶部113には、コンピュータ110を、決済事業者装置40として機能させるための決済事業者装置プログラム120が記憶される。決済事業者装置プログラム120は、送受信プロセス121と、発行プロセス122と、第1決済プロセス123と、第2決済プロセス124とを有する。
【0063】
CPU111は、決済事業者装置プログラム120を記憶部113から読み出してメモリ112に展開し、決済事業者装置プログラム120が有するプロセスを順次実行する。CPU111は、送受信プロセス121を実行することで、図5に示す送受信部41として動作する。また、CPU111は、発行プロセス122を実行することで、図5に示す発行部42として動作する。また、CPU111は、第1決済プロセス123を実行することで、図5に示す第1決済部43として動作する。また、CPU111は、第2決済プロセス124を実行することで、図5に示す第2決済部44として動作する。これにより、決済事業者装置プログラム120を実行したコンピュータ110が、決済事業者装置40として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU111はハードウェアである。
【0064】
なお、各プログラムにより実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現することも可能である。
【0065】
次に、図11に示すシーケンス図を参照して、第1実施形態に係るコード決済システム1の作用について説明する。図11のシーケンス図で示す一連の処理は、開示の技術のコード決済方法の一例である。
【0066】
図12に、店舗端末20の表示装置に表示される選択画面131の一例を示す。初期状態の選択画面131Aは、現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード(コード決済)等の決済方法を選択するための画面である。ユーザが店舗に来店し、選択画面131Aから「QRコード」を選択することで、図11に示すシーケンス図の処理が開始する。
【0067】
店舗端末20の受付部21は、選択画面131を、給油方法を選択するための選択画面131Bに遷移させる。選択画面131Bは、例えば、給油するガソリンの種別、及び仮決済額を直接金額で指定する(以下、「金額指定」という)か、数量で指定する(以下、「数量指定」という)かを選択するための画面である。例えば、ユーザが金額指定を選択すると、受付部21は、選択画面131を、給油金額、すなわち仮決済額を選択するための選択画面131Cに遷移させる。図12の例では、選択画面131Cは、複数種類の金額から仮決済額を選択するための画面となっている。なお、受付部21は、選択画面131Cにテンキーを表示して、ユーザにより入力される仮決済額を受け付けるようにしてもよい。
【0068】
ユーザが選択画面131Cにおいて給油金額を選択すると、受付部21は、選択画面131を、決済ブランドを選択するための選択画面131Dに遷移させる。ユーザは、選択画面131Dから決済ブランドを選択する。これにより、受付部21は、選択画面131C及び131Dに対するユーザの選択操作により、仮決済額及び決済ブランドを選択情報として受け付ける(ステップS10)。
【0069】
なお、選択画面131C及び選択画面131Dの遷移順は、逆でもよい。また、選択画面131Bにおいて、数量指定が選択された場合には、受付部21は、給油量、すなわち仮決済額を特定するための情報を選択するための選択画面に遷移させるようにすればよい。そして、受付部21は、受け付けた数量から仮決済額を算出すればよい。また、選択画面131Bにおいて、「満タン」が選択された場合には、受付部21は、予め定めた上限金額を仮決済額として受け付ければよい。予め定めた上限金額は、満タン給油を行った場合に想定される最大の金額や、決済の取り決め上定められている上限金額等としてよい。
【0070】
受付部21は、受け付けた決済ブランド及び仮決済額を店舗端末20の送受信部22へ受け渡す。そして、送受信部22が、決済ブランドに対応する決済事業者の決済事業者コード、店舗コード、及び仮決済額の情報を含むQR要求を、中継装置30へ送信する(ステップS11)。
【0071】
そして、中継装置30の送受信部31が、店舗端末20から送信されたQR要求を受信する。送受信部31は、QR要求に含まれる決済事業者コードが示す決済事業者装置40へQR要求を送信する(S12)。
【0072】
そして、決済事業者装置40の送受信部41が、中継装置30から送信されたQR要求を受信する。送受信部41は、受信したQR要求を発行部42へ受け渡す。発行部42は、該当の決済処理に対して決済IDを付与し、QR要求に含まれる決済事業者コード、仮決済額、及び決済IDを表すQRコードを発行する。そして、発行部42は、発行したQRコードを表すコード情報、及びQR要求に含まれる店舗コードを、QRコードに関する情報として送受信部41へ受け渡す。送受信部41は、QRコードに関する情報をQR返送として中継装置30へ送信する(ステップS13)。
【0073】
中継装置30の送受信部31は、決済事業者装置40から送信されたQR返送を受信する。送受信部31は、受信したQR返送に含まれるコード情報を、店舗コードが示す店舗端末20へ送信する(ステップS14)。
【0074】
また、送受信部31は、受信したQR返送を中継装置30の管理部32へ受け渡す。管理部32は、QR返送に含まれる店舗コードと、コード情報が表す決済事業者コード及び仮決済額とに、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、コード情報を送付済み、かつ仮決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する(ステップS15)。図13に決済状況DB38の一例を示す。図13の例では、1行目が本ステップで記憶される情報の一例である。
【0075】
店舗端末20の送受信部22は、中継装置30から送信されたコード情報を受信する。送受信部22は、受信したコード情報を店舗端末20の表示制御部23へ受け渡す。表示制御部23は、コード情報が表すコード画像、すなわちQRコードを表示装置に表示する(ステップS16)。表示制御部23は、QRコードを表示すると、表示完了を給油制御部24へ通知する。給油制御部24は、中継装置30に対するポーリングを開始し、中継装置30が決済事業者装置40から仮決済結果を受信したか否かを監視する(ステップS17)。具体的には、給油制御部24は、表示されたQRコードを示すコード情報に含まれる決済IDに対応する最新の状況を中継装置30の決済状況DB38から取得することにより、仮決済結果を受信したか否かを監視する。決済IDに対応する最新の状況は、図13に示す決済状況DB38の場合、該当の「決済ID」のうち、「日時」が最新の「決済ID」に対応付けられた「状況」である。
【0076】
図14の上図に、店舗端末20の表示装置に表示されるQR画面132の一例を示す。ユーザは、ユーザ端末10において、指定した決済ブランドに対応する決済アプリケーションを起動し、QR画面132に表示されたQRコードの読取操作を行う。これにより、ユーザ端末10の読取部11が、QRコードを読み取る(ステップS18)。読取部11は、QRコードを読み取ることにより取得したコード情報と、ユーザIDとを含む仮決済情報をユーザ端末10の送受信部12へ受け渡す。送受信部12は、読取部11から受け渡された仮決済情報を、決済アプリケーションに対応する決済事業者装置40へ送信する(ステップS19)。
【0077】
決済事業者装置40の送受信部41は、ユーザ端末10から送信された仮決済情報を受信する。送受信部41は、受信した仮決済情報を第1決済部43及び第2決済部44へ受け渡す。第1決済部43は、送受信部41から受け渡された仮決済情報が示す仮決済額についての仮決済処理を実行する。そして、第1決済部43は、本人認証結果、及び仮決済処理が完了した旨の情報又はエラーコードを含む結果関連情報に、仮決済情報に含まれる決済IDを対応付けて仮決済結果として送受信部41へ受け渡す。送受信部41は、第1決済部43から受け取った仮決済結果を中継装置30へ送信する(ステップS20)。
【0078】
中継装置30の送受信部31は、決済事業者装置40から送信された仮決済結果を受信する。送受信部31は、受信した仮決済結果を管理部32へ受け渡す。管理部32は、仮決済結果に含まれる決済IDに、受信日時を付与して決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、仮決済結果に含まれる結果が「OK」の場合、決済処理の状況を示す情報として、仮決済完了、かつ給油完了待ちの状況であることを示す情報を、対応する決済IDに対応付けて記憶する。また、管理部32は、仮決済結果にエラーコードが含まれる場合、決済処理の状況を示す情報として、そのエラーコードを、対応する決済IDに対応付けて記憶する(ステップS21)。図13の例では、2行目が、結果が「OK」の場合に本ステップで記憶される情報の一例である。また、6行目が、エラーとなった場合に本ステップで記憶される情報の一例である。
【0079】
店舗端末20の給油制御部24は、中継装置30へのポーリングにより、対象の決済IDに対応する仮決済結果がOKとなったことを検知すると(ステップS22)、給油機28に給油可能を通知する(ステップS23)。また、給油制御部24は、ユーザから指定された仮決済額又は数量に応じた給油量を給油機28に通知する。さらに、給油制御部24は、店舗端末20の表示装置に、例えば、図14の中段の図に示すように、給油可能になったことをユーザに通知するためのメッセージ画面133を表示する(ステップS23)。なお、仮決済結果が、例えば残高不足等によりエラーとなったことを示している場合、給油制御部24は、給油機28に給油開始を通知することなく、図14に示すようなメッセージ画面133に替えて、エラーメッセージを表示する。また、給油制御部24は、給油可能な状態に制御した場合は、その旨を決定部25へ通知する。
【0080】
ユーザが給油を実施し、給油が完了して、ノズルを所定位置に戻す等の完了動作を行うと、決定部25が完了動作を検知すると共に、給油機28から実際の給油量を取得する(ステップS24)。決定部25は、取得した給油量に、選択画面131Bで選択された種別のガソリンの単価を乗算して本決済額を決定する。決定部25は、決定した本決済額を送受信部22へ受け渡す。送受信部22は、決済ID、決済事業者コード、店舗コード、及び本決済額を含む本決済情報を中継装置30へ送信する(ステップS25)。
【0081】
中継装置30の送受信部31は、店舗端末20から送信された本決済情報を受信する。送受信部31は、本決済情報に含まれる決済事業者コードが示す決済事業者装置40へ本決済情報を送信する(ステップS26)。また、送受信部31は、受信した本決済情報を管理部32へ受け渡す。管理部32は、本決済情報に含まれる決済事業者コード、店舗コード、及び本決済額に、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、給油完了、かつ本決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する(ステップS27)。図13の例では、3行目が本ステップで記憶される情報の一例である。
【0082】
決済事業者装置40の送受信部41は、中継装置30から送信された本決済情報を受信する。送受信部41は、受信した本決済情報を第2決済部44へ受け渡す。第2決済部44は、最終的な決済金額が本決済額となるように、送受信部41から受け渡された仮決済情報に含まれる仮決済額と、本決済情報に含まれる本決済額との差額に関する本決済処理を実行する。第2決済部44は、決済金額、及び本決済処理の結果又はエラーコードを含む結果関連情報に、本決済情報に含まれる決済IDを対応付けて本決済結果として送受信部41へ受け渡す。送受信部41は、本決済結果を中継装置30及びユーザ端末10へ送信する(ステップS28及びS29)。
【0083】
中継装置30の送受信部31は、決済事業者装置40から送信された本決済結果を受信する。送受信部31は、受信した本決済結果を管理部32へ受け渡す。管理部32は、本決済結果に含まれる決済金額に、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部32は、決済処理の状況を示す情報として、本決済完了であることを示す情報を、対応する決済IDに対応付けて記憶する。また、管理部32は、本決済結果にエラーコードが含まれる場合、決済処理の状況を示す情報として、そのエラーコードを、対応する決済IDに対応付けて記憶する(ステップS30)。
【0084】
店舗端末20の決定部25は、中継装置30へのポーリングにより、対象の決済IDに対応する本決済結果がOKとなったことを検知すると、決済状況DB38から本決済結果を取得する(ステップS31)。決定部25は、本決済情報と本決済結果とを対応付けて所定の記憶領域に記憶する。また、決定部25は、決済の内容を示すレシートを表示装置に表示、又はプリンタで出力する。例えば、決定部25は、図14の下段の図のようなレシート画面134を表示装置に表示する。図14のレシート画面134では、実際の給油量とその本決済額である給油金額と共に、仮決済額を預かり金、仮決済額と本決済額との差額を返金として表示している。なお、レシート画面134の表示例は図14の場合に限定されない。例えば、「合計:4,000円 支払い:5,000円 お釣り1,000円」のような表示や、「支払:5,000円 取消:5,000円 支払:4,000円」のような表示としてもよい。決済事業者で採用される実装例(例えば、図6の実装例)に応じた表示が行われればよい。また、ユーザ端末10においても、受信した本決済結果に基づいて、上記のレシート画面134と同様の表示を行ってもよい(ステップS32)。
【0085】
以上説明したように、第1実施形態に係るコード決済システムによれば、決済事業者と対応付けられたQRコードをユーザ端末が読み取ったコード情報に、給油額の仮決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する。そして、ユーザ端末から仮決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済情報が示す仮決済額についての仮決済処理を実行する。そして、店舗端末が、仮決済処理が終了した後で給油可能な状態に制御し、給油完了を検知した場合に、実際の給油量に相当する本決済額を決定する。そして、店舗端末から本決済額を含む本決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済額と本決済額との差額に関する本決済処理を実行する。このように、ユーザはQRコードを一度読み取るだけでよいため、ユーザの利便性を確保することができる。また、仮決済が完了するまで給油可能な状態にはならないため、ガソリンの入れ逃げ等の不正利用を防止することができる。
【0086】
なお、第1実施形態では、店舗端末が備える表示装置に選択画面等を表示する場合について説明したが、店舗端末と表示装置とが一体となった形態に限定されない。例えば、店舗端末とは別に表示装置を設け、店舗端末と表示装置とをLANで接続するようにしてもよい。また、店舗のスタッフにタブレット端末等を保持させ、このタブレット端末等を表示装置として機能させてもよい。
【0087】
<第2実施形態>
第2実施形態では、ユーザ側で提示したQRコード(登録商標)を店舗側で読み取るCPM(Consumer-Presented Mode)方式の例について説明する。なお、第2実施形態に係るコード決済システムにおいて、第1実施形態に係るコード決済システム1と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と第2実施形態とで符号の末尾2桁が共通する機能部について、同様の機能についての説明を省略する。
【0088】
図15に、第2実施形態に係るコード決済システム2の概略構成を示す。図15に示すように、第2実施形態に係るコード決済システム2は、ユーザ端末210と、店舗端末220と、ハンディ端末229と、中継装置230と、決済事業者装置240とを含む。店舗端末220とハンディ端末229とは、LANを介して通信可能に接続される。なお、コード決済システム2に含まれる各構成の数は図15の例に限定されない。
【0089】
ハンディ端末229は、店舗のスタッフが保持する情報処理端末である。ハンディ端末229は、QRコードの読取部と、タッチパネルディスプレイ等で実現される表示部及び入力部と、通信部とを含む。ハンディ端末229は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ポータブルタイプのPOS端末等である。ハンディ端末229は、ユーザ端末210の表示装置に表示されたQRコードを読み取ることにより取得したコード情報を店舗端末220へ送信する。
【0090】
以下、ユーザ端末210、店舗端末220、中継装置230、及び決済事業者装置240の各々の機能構成について説明する。
【0091】
まず、ユーザ端末210の機能構成について説明する。図16に示すように、ユーザ端末210は、表示制御部213と、送受信部212とを含む。表示制御部213及び送受信部212は、開示の技術の取得部の一例である。
【0092】
表示制御部213は、ユーザがユーザ端末210において、指定した決済ブランドに対応する決済アプリケーションを起動し、QRコードの表示メニューを選択すると、ユーザ端末10の表示装置にQRコードを表示する。ここでのQRコードは、決済ID、決済事業者コード、及びユーザIDを表す。
【0093】
送受信部212は、決済事業者装置40から本決済結果を受信する。
【0094】
次に、店舗端末220の機能構成について説明する。図17に示すように、店舗端末220は、受付部221と、送受信部222と、給油制御部24と、決定部25とを含む。
【0095】
受付部221は、ユーザの指定を聞いたスタッフによる選択画面に対する選択操作により、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を受け付ける。受付部221は、第1実施形態の受付部21が受け付ける決済ブランドの指定を受け付けない点を除いて、第1実施形態の受付部21と同様である。受付部221は、仮決済額を送受信部222へ受け渡す。なお、選択画面に対する選択操作はスタッフが行う場合に限定されず、ユーザ自身が行ってもよい。
【0096】
送受信部222は、ハンディ端末229からコード情報を受信する。送受信部222は、受信したコード情報(決済ID、決済事業者コード、及びユーザID)と、店舗コードと、受付部221から受け取った仮決済額とを含む仮決済情報を中継装置230へ送信する。また、送受信部222は、仮決済情報を送信すると、仮決済情報の送信完了を給油制御部24へ通知する。
【0097】
第1実施形態における給油制御部24は、QRコードの表示完了の通知を受けてポーリングを開始したのに対して、第2実施形態における給油制御部24は、上記の仮決済情報の送信完了の通知を受けてポーリングを開始する点が異なるだけである。
【0098】
次に、中継装置230の機能構成について説明する。図4に示すように、中継装置230は、送受信部231と、管理部232とを含む。また、中継装置230の所定の記憶領域には、決済状況DB38が記憶される。
【0099】
送受信部231は、店舗端末220から仮決済情報を受信する。送受信部231は、受信した仮決済情報を、仮決済情報に含まれる決済事業者コードに対応する決済事業者装置240へ送信する。また、送受信部231は、受信した仮決済情報を管理部232へ受け渡す。また、送受信部231において、仮決済結果、本決済情報、及び本決済結果の受信については、第1実施形態における送受信部31と同様である。
【0100】
管理部232は、送受信部231から仮決済情報を受け取ると、仮決済情報に含まれる店舗コードと、コード情報に含まれる決済事業者コードとに、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部232は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、仮決済情報送付済み、かつ仮決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する。また、管理部232において、仮決済結果、本決済情報、及び本決済結果を決済状況DB38に記憶する処理は、第1実施形態における管理部32と同様である。
【0101】
次に、決済事業者装置240の機能構成について説明する。図18に示すように、決済事業者装置240は、送受信部241と、第1決済部43と、第2決済部44とを含む。
【0102】
送受信部241は、QR要求の受信及びQR返送の送信を行わない点と、仮決済情報をユーザ端末210ではなく中継装置230から受信する点を除いて、第1実施形態における送受信部41と同様である。
【0103】
次に、ユーザ端末210、店舗端末220、中継装置230、及び決済事業者装置240の各々のハードウェア構成について説明する。
【0104】
ユーザ端末210は、例えば図7に示すコンピュータ50で実現されてよい。コンピュータ50の記憶部53には、コンピュータ50を、ユーザ端末210として機能させるためのユーザ端末プログラム260が記憶される。ユーザ端末プログラム260は、表示制御プロセス263と、送受信プロセス262とを有する。
【0105】
CPU51は、ユーザ端末プログラム260を記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、ユーザ端末プログラム260が有するプロセスを順次実行する。CPU51は、表示制御プロセス263を実行することで、図16に示す表示制御部213として動作する。また、CPU51は、送受信プロセス262を実行することで、図16に示す送受信部212として動作する。これにより、ユーザ端末プログラム260を実行したコンピュータ50が、ユーザ端末210として機能することになる。
【0106】
店舗端末220は、例えば図8に示すコンピュータ70で実現されてよい。コンピュータ70の記憶部73には、コンピュータ70を、店舗端末220として機能させるための店舗端末プログラム280が記憶される。店舗端末プログラム280は、受付プロセス281と、送受信プロセス282と、給油制御プロセス84と、決定プロセス85とを有する。
【0107】
CPU71は、店舗端末プログラム280を記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、店舗端末プログラム280が有するプロセスを順次実行する。CPU71は、受付プロセス281を実行することで、図17に示す受付部221として動作する。また、CPU71は、送受信プロセス282を実行することで、図17に示す送受信部222として動作する。他のプロセスについては、第1実施形態に係る店舗端末プログラム80と同様である。これにより、店舗端末プログラム280を実行したコンピュータ70が、店舗端末220として機能することになる。
【0108】
中継装置230は、例えば図9に示すコンピュータ90で実現されてよい。コンピュータ90の記憶部93には、コンピュータ90を、中継装置230として機能させるための中継装置プログラム2100が記憶される。中継装置プログラム2100は、送受信プロセス2101と、管理プロセス2102とを有する。また、記憶部93は、決済状況DB38を構成する情報が記憶される情報記憶領域108を有する。
【0109】
CPU91は、中継装置プログラム2100を記憶部93から読み出してメモリ92に展開し、中継装置プログラム2100が有するプロセスを順次実行する。CPU91は、送受信プロセス2101を実行することで、図4に示す送受信部231として動作する。また、CPU91は、管理プロセス2102を実行することで、図4に示す管理部232として動作する。また、CPU91は、情報記憶領域108から情報を読み出して、決済状況DB38をメモリ92に展開する。これにより、中継装置プログラム2100を実行したコンピュータ90が、中継装置230として機能することになる。
【0110】
決済事業者装置240は、例えば図10に示すコンピュータ110で実現されてよい。コンピュータ110の記憶部113には、コンピュータ110を、決済事業者装置240として機能させるための決済事業者装置プログラム2120が記憶される。決済事業者装置プログラム2120は、送受信プロセス2121と、第1決済プロセス123と、第2決済プロセス124とを有する。
【0111】
CPU111は、決済事業者装置プログラム2120を記憶部113から読み出してメモリ112に展開し、決済事業者装置プログラム2120が有するプロセスを順次実行する。CPU111は、送受信プロセス2121を実行することで、図18に示す送受信部241として動作する。他のプロセスについては、第1実施形態に係る決済事業者装置プログラム120と同様である。これにより、決済事業者装置プログラム2120を実行したコンピュータ110が、決済事業者装置240として機能することになる。
【0112】
なお、各プログラムにより実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0113】
次に、図19に示すシーケンス図を参照して、第2実施形態に係るコード決済システム2の作用について説明する。図19のシーケンス図で示す一連の処理は、開示の技術のコード決済方法の一例である。
【0114】
ユーザが店舗に来店し、ユーザ端末210において、指定した決済ブランドに対応する決済アプリケーションを起動し、QRコードの表示メニューを選択するなどして、QRコードの表示操作を行う。これにより、図19に示すシーケンス図の処理が開始する。ユーザ端末210の表示制御部213は、ユーザ端末10の表示装置に、決済ID、決済事業者コード、及びユーザIDを表すQRコードを表示する(ステップS210)。図20に、ユーザ端末210の表示装置にQRコードが表示された一例を示す。
【0115】
店舗のスタッフは、ハンディ端末229により、ユーザ端末210の表示装置に表示されたQRコードの読取操作を行う(ステップS211)。ハンディ端末229は、QRコードを読み取ることにより取得したコード情報を店舗端末220へ送信する(ステップS212)。
【0116】
店舗端末220の送受信部222は、ハンディ端末229から送信されたコード情報を受信する。また、受付部221が、ユーザの指定を聞いたスタッフから、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報である選択情報を受け付ける(ステップS213)。例えば、受付部221は、第1実施形態における受付部21と同様に、図12に示すような選択画面131を表示して、選択情報を受け付ける。なお、決済ブランドの選択は、ユーザ端末210側で行われるため、図12の選択画面131Dは不要である。受付部221は、選択情報に基づく仮決済額を送受信部222へ受け渡す。送受信部222は、受信したコード情報(決済ID、決済事業者コード、及びユーザID)と、店舗コードと、受付部221から受け取った仮決済額とを含む仮決済情報を中継装置230へ送信する(ステップS214)。
【0117】
中継装置230の送受信部231は、店舗端末220から送信された仮決済情報を受信する。送受信部231は、受信した仮決済情報を、仮決済情報に含まれる決済事業者コードに対応する決済事業者装置240へ送信する(ステップS215)。また、送受信部231は、受信した仮決済情報を管理部232へ受け渡す。管理部232は、仮決済情報に含まれる店舗コードと、コード情報に含まれる決済事業者コードとに、受信日時を付与して、決済IDをキーとして決済状況DB38に記憶する。また、管理部232は、その決済IDが示す決済処理の状況を示す情報として、仮決済情報送付済み、かつ仮決済結果待ちの状況であることを示す情報を、その決済IDに対応付けて記憶する(ステップS216)。
【0118】
以降、第1実施形態のコード決済システム1と同様に、ステップS20~S32の処理が実行される。
【0119】
以上説明したように、第2実施形態に係るコード決済システムによれば、ユーザ端末に表示された、決済事業者と対応付けられたQRコードを、店舗端末と接続されるハンディ端末で読み取る。ハンディ端末は、読み取ったコード情報に、給油額の仮決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する。そして、店舗端末から仮決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済情報が示す仮決済額についての仮決済処理を実行する。そして、店舗端末が、仮決済処理が終了した後で給油可能な状態に制御し、給油完了を検知した場合に、実際の給油量に相当する本決済額を決定する。そして、店舗端末から本決済額を含む本決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済額と本決済額との差額に関する本決済処理を実行する。このように、ユーザはQRコードの提示を一度だけ行えばよいため、ユーザの利便性を確保することができる。また、仮決済が完了するまで給油可能な状態にはならないため、ガソリンの入れ逃げ等の不正利用を防止することができる。
【0120】
なお、第2実施形態では、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報である選択情報を、店舗端末に表示された選択画面に対してスタッフ又はユーザが選択操作を行うことにより取得する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末で動作するアプリケーションにおいて、店舗端末に表示される選択画面と同様の画面を表示し、ユーザから選択情報を受け付け、ユーザ端末から店舗端末へ選択情報を送信するようにしてもよい。
【0121】
<第3実施形態>
第3実施形態では、店舗側で固定的に提示されたQRコード(登録商標)をユーザ側で読み取る静的MPM方式の例について説明する。なお、第3実施形態に係るコード決済システムにおいて、第1実施形態に係るコード決済システム1、又は第2実施形態に係るコード決済システム2と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、第1実施形態又は第2実施形態と、第3実施形態とで符号の末尾2桁が共通する機能部について、同様の機能についての説明を省略する。
【0122】
図1に、第3実施形態に係るコード決済システム3の概略構成を示す。図1に示すように、第3実施形態に係るコード決済システム3は、ユーザ端末310と、店舗端末320と、中継装置330と、決済事業者装置340とを含む。なお、コード決済システム3に含まれる各構成の数は図1の例に限定されない。
【0123】
以下、ユーザ端末310、店舗端末320、中継装置330、及び決済事業者装置340の各々の機能構成について説明する。
【0124】
まず、ユーザ端末310の機能構成について説明する。図21に示すように、ユーザ端末310は、読取部311と、受付部314と、送受信部312とを含む。読取部311、受付部314、及び送受信部312は、開示の技術の取得部の一例である。
【0125】
読取部311は、固定的に表示又は印字されたQRコードを読み取る。第3実施形態に係るQRコードは、決済事業者コードを表す。例えば、QRコードが印字されたカードをスタッフが携帯していてもよいし、QRコードが印字されたパネルやシール等を店舗の所定位置に配置しておいてもよいし、店舗の所定位置に配置された表示装置に固定のQRコードを表示するようにしてもよい。ユーザは、決済ブランドを指定し、その決済ブランドに対応するQRコードに対して読取操作を行う。読取部311は、QRコードを読み取ることにより取得したコード情報(決済事業者コード)を送受信部312へ受け渡す。
【0126】
受付部314は、ユーザから、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を受け付ける。具体的には、受付部314は、ユーザ端末310が備える表示装置に、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を選択するための選択画面を表示する。受付部314は、ユーザの選択操作により選択画面から選択された選択情報を受け付ける。受付部314は、仮決済額を特定するための情報として数量を受け付けた場合、数量と、商品又はサービスの単価とに基づいて、仮決済額を算出する。受付部314は、受け付けた仮決済額を送受信部312へ受け渡す。
【0127】
送受信部312は、読取部311から受け渡されたコード情報、受付部314から受け渡された仮決済額、及びユーザIDを含む仮決済情報を、対応する決済事業者装置40へ送信する。また、送受信部312において、本決済結果の受信については、第1実施形態における送受信部12と同様である。
【0128】
次に、店舗端末320の機能構成について説明する。図22に示すように、店舗端末320は、給油制御部24と、決定部25と、送受信部322とを含む。
【0129】
送受信部322は、決定部25から本決済額の情報を受け取ると、決済ID、決済事業者コード、店舗コード、及び本決済額を含む本決済情報を中継装置330へ送信する。
【0130】
次に、中継装置330の機能構成について説明する。図4に示すように、中継装置330は、送受信部331と、管理部332とを含む。また、中継装置330の所定の記憶領域には、決済状況DB38が記憶される。
【0131】
送受信部331は、店舗端末320からの仮決済情報の受信、決済事業者装置340への仮決済情報の送信、及び仮決済情報の管理部332への受け渡しを行わない点を除いて、第2実施形態における送受信部231と同様である。
【0132】
管理部332は、仮決済情報の決済状況DB38への記憶を行わない点を除いて、第2実施形態における管理部232と同様である。
【0133】
次に、決済事業者装置340の機能構成について説明する。図18に示すように、決済事業者装置340は、送受信部341と、第1決済部43と、第2決済部44とを含む。
【0134】
送受信部341は、仮決済情報を中継装置330ではなくユーザ端末310から受信する点を除いて、第2実施形態における送受信部241と同様である。
【0135】
次に、ユーザ端末310、店舗端末320、中継装置330、及び決済事業者装置340の各々のハードウェア構成について説明する。
【0136】
ユーザ端末310は、例えば図7に示すコンピュータ50で実現されてよい。コンピュータ50の記憶部53には、コンピュータ50を、ユーザ端末310として機能させるためのユーザ端末プログラム360が記憶される。ユーザ端末プログラム360は、読取プロセス361と、受付プロセス364と、送受信プロセス362とを有する。
【0137】
CPU51は、ユーザ端末プログラム360を記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、ユーザ端末プログラム360が有するプロセスを順次実行する。CPU51は、読取プロセス361を実行することで、図21に示す読取部311として動作する。また、CPU51は、受付プロセス364を実行することで、図21に示す受付部314として動作する。また、CPU51は、送受信プロセス362を実行することで、図21に示す送受信部312として動作する。これにより、ユーザ端末プログラム360を実行したコンピュータ50が、ユーザ端末310として機能することになる。
【0138】
店舗端末320は、例えば図8に示すコンピュータ70で実現されてよい。コンピュータ70の記憶部73には、コンピュータ70を、店舗端末320として機能させるための店舗端末プログラム380が記憶される。店舗端末プログラム380は、送受信プロセス382と、給油制御プロセス84と、決定プロセス85とを有する。
【0139】
CPU71は、店舗端末プログラム380を記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、店舗端末プログラム380が有するプロセスを順次実行する。CPU71は、送受信プロセス382を実行することで、図22に示す送受信部322として動作する。他のプロセスについては、第1実施形態に係る店舗端末プログラム80と同様である。これにより、店舗端末プログラム380を実行したコンピュータ70が、店舗端末320として機能することになる。
【0140】
中継装置330は、例えば図9に示すコンピュータ90で実現されてよい。コンピュータ90の記憶部93には、コンピュータ90を、中継装置330として機能させるための中継装置プログラム3100が記憶される。中継装置プログラム3100は、送受信プロセス3101と、管理プロセス3102とを有する。また、記憶部93は、決済状況DB38を構成する情報が記憶される情報記憶領域108を有する。
【0141】
CPU91は、中継装置プログラム3100を記憶部93から読み出してメモリ92に展開し、中継装置プログラム3100が有するプロセスを順次実行する。CPU91は、送受信プロセス3101を実行することで、図4に示す送受信部331として動作する。また、CPU91は、管理プロセス3102を実行することで、図4に示す管理部332として動作する。また、CPU91は、情報記憶領域108から情報を読み出して、決済状況DB38をメモリ92に展開する。これにより、中継装置プログラム3100を実行したコンピュータ90が、中継装置330として機能することになる。
【0142】
決済事業者装置340は、例えば図10に示すコンピュータ110で実現されてよい。コンピュータ110の記憶部113には、コンピュータ110を、決済事業者装置340として機能させるための決済事業者装置プログラム3120が記憶される。決済事業者装置プログラム3120は、送受信プロセス3121と、第1決済プロセス123と、第2決済プロセス124とを有する。
【0143】
CPU111は、決済事業者装置プログラム3120を記憶部113から読み出してメモリ112に展開し、決済事業者装置プログラム3120が有するプロセスを順次実行する。CPU111は、送受信プロセス3121を実行することで、図18に示す送受信部341として動作する。他のプロセスについては、第1実施形態に係る決済事業者装置プログラム120と同様である。これにより、決済事業者装置プログラム3120を実行したコンピュータ110が、決済事業者装置340として機能することになる。
【0144】
なお、各プログラムにより実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0145】
次に、図23に示すシーケンス図を参照して、第3実施形態に係るコード決済システム3の作用について説明する。図23のシーケンス図で示す一連の処理は、開示の技術のコード決済方法の一例である。
【0146】
店舗のスタッフは、例えば、図24に示すように、決済ブランド毎のQRコードが印字されたカード140を保持している。ユーザが店舗に来店し、スタッフに指定の決済ブランドを伝えると、スタッフが該当のカード140を提示する。ユーザは、ユーザ端末310において、指定した決済ブランドに対応する決済アプリケーションを起動し、提示されたカード140に印字されているQRコードの読取操作を行う。読取部311は、QRコードを読み取ることにより取得したコード情報(決済事業者コード)を送受信部312へ受け渡す(ステップS310)。
【0147】
受付部314は、図24に示すように、ユーザ端末310が備える表示装置に、仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を選択するための選択画面142を表示する。図24の例は、ユーザが金額指定を選択した場合に表示される、給油金額を選択するための選択画面142である。受付部314は、ユーザが数量指定を選択した場合、給油量を選択するための選択画面を表示すればよい。受付部314は、ユーザの選択操作により選択画面から選択された選択情報を受け付ける(ステップS311)。受付部314は、仮決済額を特定するための情報として数量を受け付けた場合、数量と、商品又はサービスの単価とに基づいて、仮決済額を算出する。受付部314は、受け付けた仮決済額を送受信部312へ受け渡す。
【0148】
送受信部312は、読取部311から受け渡されたコード情報、受付部314から受け渡された仮決済額、及びユーザIDを含む仮決済情報を、対応する決済事業者装置40へ送信する(ステップS312)。以降、第1実施形態のコード決済システム1と同様に、ステップS20~S32の処理が実行される。
【0149】
以上説明したように、第3実施形態に係るコード決済システムによれば、固定的に表示又は印字された、決済事業者と対応付けられたQRコードを、ユーザ端末で読み取ったコード情報に、給油額の仮決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する。そして、ユーザ端末から仮決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済情報が示す仮決済額についての仮決済処理を実行する。そして、店舗端末が、仮決済処理が終了した後で給油可能な状態に制御し、給油完了を検知した場合に、実際の給油量に相当する本決済額を決定する。そして、店舗端末から本決済額を含む本決済情報を決済事業者装置へ送信し、決済事業者装置が、仮決済額と本決済額との差額に関する本決済処理を実行する。このように、ユーザはQRコードを一度だけ読み取ればよいため、ユーザの利便性を確保することができる。また、仮決済が完了するまで給油可能な状態にはならないため、ガソリンの入れ逃げ等の不正利用を防止することができる。
【0150】
なお、第3実施形態では、ユーザ端末に表示された選択画面で仮決済額又は仮決済額を特定するための情報を入力する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図25に示すように、決済ブランド毎、かつ金額指定するための金額毎のQRコードを用意してもよい。この場合、ユーザは、指定する決済ブランド、かつ指定する仮決済額に対応するQRコードをユーザ端末310で読み取ればよい。また、この場合、QRコードを読み取ることにより取得されるコード情報は、決済事業者コード及び仮決済額を表す。
【0151】
また、第3実施形態において、スタッフは、中継装置330から仮決済結果を取得するための操作を店舗端末320において行う。ユーザによるQRコードの読み取りの前に店舗端末320の操作が行われる場合は、店舗端末320は、中継装置330の決済状況DB38に仮決済結果が記憶されるまでポーリングを継続する。また、ユーザによるQRコードの読み取りの後に店舗端末320の操作が行われる場合は、店舗端末320の操作により、店舗端末320から中継装置330へ仮決済結果の取得要求を送信し、該当の仮決済結果を取得する。
【0152】
また、第3実施形態では、決済ブランド毎のQRコードを用意する場合について説明したが、決済ブランド共通のQRコードを用意してもよい。共通のQRコードとしてJPQRが存在するが、JPQRは決済手数料率が高いという課題があるため、何れのガソリンスタンドでも使用できる石油業界共通の識別子を含むQRコードを用意してもよい。この場合、ユーザ端末又は店舗端末で読み取られたQRコードが示すコード情報を含む仮決済情報が決済事業者装置へ送信される。決済事業者装置は、ユーザの本人認証及び残高確認と共に、仮決済情報に含まれるコード情報から石油業界共通の識別子が確認できた場合に、中継装置へ仮決済結果「OK」を通知する。
【0153】
また、上記各実施形態では、ユーザ端末、店舗端末、中継装置、及び決済事業者装置での一連の決済処理を特定するために決済IDを用いる場合について説明したが、これに限定されない。店舗コード、決済事業者コード、受信日時等に基づいて、該当の決済処理を特定するようにしてもよい。また、店舗に複数の給油レーンが設置されている場合には、店舗コードと共に、給油レーンの識別番号も含めるようにすればよい。
【0154】
また、上記各実施形態において、決済事業者装置において、ユーザIDに対応付けてユーザの会員登録情報を保持して起き、本決済処理の際に、会員登録情報を参照して、ポイントやクーポンを利用した支払を実行するようにしてもよい。
【0155】
また、上記各実施形態において、決済事業者装置における処理や通信でエラーが発生した場合、その旨のエラーコードを含む仮決済結果又は本決済結果が中継装置へ送信される(例えば、図13の8行目)。この場合、ユーザ端末又は店舗端末は、送信した仮決済情報又は本決済情報に基づく処理の取消処理を行うようにすればよい。中継装置における処理や通信でエラーが発生した場合も同様である。
【0156】
例えば、仮決済情報に対する処理で、中継装置と決済事業者装置間で障害が発生し、中継装置の決済状況DBに仮決済結果としてエラーが記憶された場合、店舗端末から、仮決済情報に対する処理の取消を行うようにすればよい。また、例えば、仮決済情報に対する処理で、店舗端末と中継装置間で障害が発生し、店舗端末において処理がタイムアウトになったとする。この場合、店舗端末から仮決済情報に対する処理を要求した後、一定時間経過しても中継装置からの応答がない場合には、店舗端末から、仮決済情報に対する処理の取消を行うようにすればよい。
【0157】
また、例えば、仮決済結果「OK」を確認し、給油可能とした後、ノズルが所定位置に戻されない等の理由で給油完了が検知されず、中継装置の処理がタイムアウトになったとする。この場合、中継装置は仮決済結果を返した後、一定時間を経過しても本決済情報を受信しない場合には、タイムアウトによるエラーの取消を行うようにすればよい。なお、給油に時間を要する場合なども考慮して、店舗端末から中継装置へ、中継装置におけるタイムアウトの延長を要求可能としてもよい。
【0158】
また、例えば、本決済情報に対する処理で、中継装置と決済事業者装置間で障害が発生し、中継装置の決済状況DBに本決済結果としてエラーが記憶された場合、店舗端末から、仮決済情報に対する処理の取消を行うようにすればよい。また、例えば、本決済情報に対する処理で、店舗端末と中継装置間で障害が発生し、店舗端末において処理がタイムアウトになったとする。この場合、店舗端末から本決済情報に対する処理を要求した後、一定時間経過しても中継装置からの応答がない場合には、店舗端末から、本決済情報に対する処理の取消を行うようにすればよい。本決済情報に対する処理を取り消した場合、本決済情報に対する処理の再実施、差額の現金精算等、予め定めた処理を実施すればよい。
【0159】
また、例えば、第3実施形態の静的MPMで、ユーザ端末でQRコードを読み取った後にスタッフが店舗端末を操作する場合に、店舗端末の操作が遅れ、タイムアウトとなったとする。この場合、店舗端末から、仮決済情報に対する処理の取り消しを行った後、再度ユーザ端末でQRコードを読み取るようにすればよい。
【0160】
また、上記各実施形態では、セルフサービスのガソリンスタンドにおける給油料金の決済に、開示の技術のコード決済システムを適用する場合について説明したが、これに限定されない。商品又はサービスの提供後に正式な金額が決定する場合であれば、開示の技術を適用可能である。
【0161】
また、上記実施形態では、各プログラムが記憶部に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。開示の技術に係るプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等の記憶媒体に記憶された形態で提供することも可能である。
【0162】
以上の各実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0163】
(付記1)
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得する取得部と、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行する第1決済部と、
前記第1決済部による決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御する制御部と、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する第2決済部と、
を含むコード決済システム。
【0164】
(付記2)
前記制御部は、前記第1決済部による決済処理がエラーとなった場合、前記商品又は前記サービスの提供を開始することなく、エラーメッセージを出力する付記1に記載のコード決済システム。
【0165】
(付記3)
前記決済事業者の管轄下の決済事業者装置と、前記商品又は前記サービスが提供される店舗に備えられる店舗端末と、前記商品又は前記サービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ端末とを含むコード決済システムであって、
前記取得部は、前記ユーザ端末又は前記店舗端末において、前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信し、
前記第1決済部は、前記決済事業者装置において、前記仮決済情報を受信し、前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、前記決済処理の完了を前記店舗端末へ送信し、
前記制御部は、前記店舗端末において、前記決済処理の完了を前記決済事業者装置から受信した場合に、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記第2決済部は、
前記店舗端末において、前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記第1の決済額を決定し、決定した前記第1の決済額を前記決済事業者装置へ送信し、
前記決済事業者装置において、前記第1の決済額と、前記店舗端末から受信した前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
付記1又は付記2に記載のコード決済システム。
【0166】
(付記4)
前記取得部は、
前記店舗端末において、前記決済事業者の指定、及び前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付け、指定された前記決済事業者装置へ前記第1の決済額の情報を送信し、前記決済事業者装置から、前記第1の決済額の情報を含む前記コード画像を受信し、受信した前記コード画像を表示装置に表示し、
前記ユーザ端末において、前記表示装置に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する
付記3に記載のコード決済システム。
【0167】
(付記5)
前記取得部は、前記店舗端末において、前記ユーザ端末に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する付記3に記載のコード決済システム。
【0168】
(付記6)
前記取得部は、前記ユーザ端末において、固定的に表示又は印字された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する付記3に記載のコード決済システム。
【0169】
(付記7)
前記コード画像を、複数の決済事業者で共通のコード画像とする付記6に記載のコード決済システム。
【0170】
(付記8)
前記取得部は、前記第1の決済額を特定するための情報として、前記商品又は前記サービスの量を受け付けた場合、前記量と前記商品又は前記サービスの単価とに基づいて、前記第1の決済額を算出する付記4~付記7のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【0171】
(付記9)
前記店舗端末と前記決済事業者装置との間に、前記店舗端末で対応可能な複数の決済事業者の各々による決済を一元的に受け付け、それぞれ対応する前記決済事業者装置に対応する処理を中継する中継装置をさらに含む付記3~付記8のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【0172】
(付記10)
前記第1の決済額は、前記第2の決済額より多くなるように設定される付記1~付記9のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【0173】
(付記11)
前記商品又は前記サービスが、ガソリンスタンドにおける給油であり、
前記制御部は、前記第1決済部による決済処理が終了した後で、給油機を給油可能な状態に制御する
付記1~付記10のいずれか1項に記載のコード決済システム。
【0174】
(付記12)
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得し、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、
前記第1の決済額の決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
ことを含む処理をコンピュータが実行するコード決済方法。
【0175】
(付記13)
前記第1の決済額の決済処理がエラーとなった場合、前記商品又は前記サービスの提供を開始することなく、エラーメッセージを出力するように制御する処理をさらに含む付記12に記載のコード決済方法。
【0176】
(付記14)
前記決済事業者の管轄下の決済事業者装置と、前記商品又は前記サービスが提供される店舗に備えられる店舗端末と、前記商品又は前記サービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ端末とをコード決済システムで実行されるコード決済方法であって、
前記ユーザ端末又は前記店舗端末において、前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信し、
前記決済事業者装置において、前記仮決済情報を受信し、前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、前記決済処理の完了を前記店舗端末へ送信し、
前記店舗端末において、前記決済処理の完了を前記決済事業者装置から受信した場合に、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記店舗端末において、前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記第1の決済額を決定し、決定した前記第1の決済額を前記決済事業者装置へ送信し、
前記決済事業者装置において、前記第1の決済額と、前記店舗端末から受信した前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
付記12又は付記13に記載のコード決済方法。
【0177】
(付記15)
前記店舗端末において、前記決済事業者の指定、及び前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付け、指定された前記決済事業者装置へ前記第1の決済額の情報を送信し、前記決済事業者装置から、前記第1の決済額の情報を含む前記コード画像を受信し、受信した前記コード画像を表示装置に表示し、
前記ユーザ端末において、前記表示装置に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する
付記14に記載のコード決済方法。
【0178】
(付記16)
前記店舗端末において、前記ユーザ端末に表示された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する付記14に記載のコード決済方法。
【0179】
(付記17)
前記ユーザ端末において、固定的に表示又は印字された前記コード画像を読み取ることにより前記コード情報を取得すると共に、前記第1の決済額又は前記第1の決済額を特定するための情報を受け付けることにより前記仮決済情報を取得し、取得した前記仮決済情報を前記決済事業者装置へ送信する付記14に記載のコード決済方法。
【0180】
(付記18)
前記コード画像を、複数の決済事業者で共通のコード画像とする付記17に記載のコード決済方法。
【0181】
(付記19)
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得し、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、
前記第1の決済額の決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのコード決済プログラム。
【0182】
(付記20)
決済事業者と対応付けられたコード画像を読み取ったコード情報に、商品又はサービスの仮の対価を示す第1の決済額が対応付けられた仮決済情報を取得し、
前記仮決済情報が示す第1の決済額の決済処理を実行し、
前記第1の決済額の決済処理が終了した後で、前記商品又は前記サービスを提供可能な状態に制御し、
前記商品又は前記サービスの提供完了を検知した場合に、前記商品又は前記サービスの正式な対価を示す第2の決済額を決定し、前記第1の決済額と前記第2の決済額との差額の決済処理を実行する
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのコード決済プログラムを記憶した記憶媒体。
【符号の説明】
【0183】
1、2,3 コード決済システム
10、210、310 ユーザ端末
11、311 読取部
12、212、312 送受信部
213 表示制御部
314 受付部
20、220、320 店舗端末
21、221 受付部
22、222、322 送受信部
23 表示制御部
24 給油制御部
25 決定部
28 給油機
229 ハンディ端末
30、230、330 中継装置
31、231、331 送受信部
32、232、332 管理部
38 決済状況DB
40、240、340 決済事業者装置
41、241、341 送受信部
42 発行部
43 第1決済部
44 第2決済部
50、70、90、110 コンピュータ
52、72、92、112 メモリ
53、73、93、113 記憶部
59、79、99、119 記憶媒体
60、260、360 ユーザ端末プログラム
80、280、380 店舗端末プログラム
100、2100、3100 中継装置プログラム
120、2120、3120 決済事業者装置プログラム
131、131A、131B、131C、131D、142 選択画面
132 QR画面
133 メッセージ画面
134 レシート画面
140 カード
図1
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