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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008286
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】接離装置、定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230112BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G03G15/20
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111719
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 聖治
(72)【発明者】
【氏名】今田 高広
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良州
(72)【発明者】
【氏名】池田 保
(72)【発明者】
【氏名】高木 啓正
(72)【発明者】
【氏名】岡本 潤
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA29
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB35
2H171FA03
2H171FA19
2H171GA06
2H171GA13
2H171JA12
2H171KA08
2H171KA11
2H171KA25
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB16
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171SA10
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】狙いの位置に精度よく接離部材を位置させることができる接離装置、定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】接離装置たる接離機構は、付勢部材たる加圧バネと、付勢部材の付勢力により、被当接部材たる定着ローラに対して接離可能に構成された接離部材たる加圧ローラを定着ローラに当接するように押し込む押し込み部材たる加圧レバーとを備えている。また、接離機構は、加圧ローラを押し込む方向とは逆方向に加圧レバー31を押し込むカム部材41を備えている。加圧レバーのカム部材41が当接するカム当接面131dを、カム部材41のカム面41aの最大曲率よりも小さく、カム面41aの最小曲率よりも大きい凸曲面とした。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力により、被当接部材に対して接離可能に構成された接離部材を前記被当接部材に当接するように押し込む押し込み部材と、
前記接離部材を押し込む方向とは逆方向に前記押し込み部材を押し込むカム部材とを備えた接離装置において、
前記押し込み部材の前記カム部材が当接するカム当接面が、凸曲面であり、
前記カム当接面の曲率が、前記カム部材のカム面の最大曲率よりも小さく、前記カム面の最小曲率よりも大きくしたことを特徴とする接離装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接離装置において、
前記押し込み部材に設けられ、前記カム当接面を有する樹脂製のカム受け部材を有することを特徴とする接離装置。
【請求項3】
請求項2に記載の接離装置において、
前記カム受け部材の前記カム当接面のみを凸曲面としたことを特徴とする接離装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項に記載の接離装置において、
前記カム部材の停止位置は、複数あることを特徴とする接離装置。
【請求項5】
請求項4に記載の接離装置において、
前記押し込み部材に設けられ、前記カム当接面を有するカム受け部材を有し、
複数の停止位置のうち、前記カム部材が最も押し込み部材を最も押し込む停止位置において、前記カム部材の回転軸方向から見たとき、前記カム部材の回転中心と、前記カム面と前記カム当接面との当接位置を通る線が、前記カム受け部材の前記押し込み部材との接触面に対して垂直となるように構成したことを特徴とする接離装置。
【請求項6】
請求項4に記載の接離装置において、
前記押し込み部材に設けられ、前記カム当接面を有するカム受け部材を有し、
複数の停止位置のうち、最も頻度の高い停止位置において、前記カム部材の回転軸方向から見たとき、前記カム部材の回転中心と、前記カム面と前記カム当接面との当接位置を通る線が、前記カム受け部材の前記押し込み部材との接触面に対して垂直となるように構成したことを特徴とする接離装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか一項に記載の接離装置において、
前記カム当接面は、段差を有し、段差面を、前記カム部材のカム面の最大曲率以下、前記カム部材の停止時に前記カム当接面に当接するカム面の曲率以上としたことを特徴とする接離装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか一項に記載の接離装置において、
前記押し込み部材の一端側に前記カム当接面を有し、
前記押し込み部材は、前記カム部材の押し込みにより他端側を支点にして回動するように構成されており、
前記カム面は、前記カム部材の回転方向において、前記カム部材の回転の中心からの距離が漸増するものであって、
前記押し込み部材の回動の支点を、前記カム面と前記カム当接面との当接位置を基準にして、カム面の前記回転の中心からの距離が漸減する側に位置させたことを特徴とする接離装置。
【請求項9】
定着部材と、
定着部材に当接する加圧部材と、
前記加圧部材を前記定着部材に対して接離させる接離装置とを備えた定着装置において、
前記接離装置として請求項1乃至8いずれか一項に記載の接離装置を用いたことを特徴とする定着装置。
【請求項10】
被当接部材と、
前記被当接部材に対して接離可能に構成された接離部材と、
前記接離部材を前記被当接部材に対して接離させる接離装置とを備えた画像形成装置において、
前記接離装置として請求項1乃至8いずれか一項に記載の接離装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接離装置、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被当接部材に対して接離可能に構成された接離部材を被当接部材に当接するように押し込む押し込み部材と、接離部材を押し込む方向とは逆方向に押し込み部材を押し込むカム部材とを備えた接離装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記接離装置として、カム部材のカム面が当接する押し込み部材のカム当接面が平面のものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カム部材を所定の位置で停止させたとき、カム部材のカム面の狙いの当接位置とは異なる箇所が、カム当接面に当接することがあり、狙いの位置に精度よく接離部材を位置させることができないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、被当接部材に対して接離可能に構成された接離部材を前記被当接部材に当接するように押し込む押し込み部材と、前記接離部材を押し込む方向とは逆方向に前記押し込み部材を押し込むカム部材とを備えた接離装置において、前記押し込み部材の前記カム部材が当接するカム当接面が、凸曲面であり、前記カム当接面の曲率が、前記カム部材のカム面の最大曲率よりも小さく、前記カム面の最小曲率よりも大きいことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、狙いの位置に精度よく接離部材を位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
図2】本実施形態に係る定着装置の概略構成図。
図3】カム部材と遮光部材と光学センサとを抜き出して示す図。
図4】カム部材を駆動するカム駆動部の概略構成図。
図5】接離機構の制御系のブロック図。
図6】通常の加圧力から脱圧する脱圧動作について説明する説明図。
図7】脱圧状態から通常の加圧力に戻す加圧動作について説明する図。
図8】カム部材のカム線図。
図9】カム受け部材のカム当接面が平面のときのカム面の当接位置ずれについて説明する図。
図10】(a)は、通常加圧状態におけるカム部材の停止位置の様子を示しており、(b)は、紙種に応じた加圧状態におけるカム部材の停止位置を示している。また、(c)は、脱圧状態におけるカム部材の停止位置を示している。
図11】本実施形態に係るカム当接面とカム面との当接状態を示す図。
図12】カム当接面の曲率が、カム面の最大曲率よりも大きい場合の不具合について説明する図。
図13】本実施形態におけるカム当接面の摩耗について説明する図。
図14】カム当接面の変形例を示す図。
図15】加圧レバーの回動によるカム受け部材の姿勢変化について説明する図。
図16】カム部材のカム面と、加圧レバーの回動の支点との関係について説明する図。
図17】カム受け部材の姿勢と、カム受け部材が受けるカム部材からの力の方向とを模式的に示した図。
図18】最も好ましいカム受け部材とカム部材との位置関係を示す図。
図19】無端状の定着ベルトを備える定着装置の概略構成図。
図20】定着ローラが対向ローラに対して接近離間するように構成した定着装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0009】
まず、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。なお、本発明が適用される画像形成装置は、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機などが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、モノクロ画像形成装置である。装置本体(画像形成装置本体)100には、作像ユニットとしてのプロセスユニット1が着脱可能に装着されている。
【0011】
プロセスユニット1は、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2上の潜像を可視画像化する現像手段としての現像装置4とを備えている。さらに、プロセスユニット1は、表面感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード5等を備える。また、感光体2に対向する位置に、感光体2の表面を露光する露光手段としてのLEDヘッドアレイ6が配置されている。
【0012】
プロセスユニット1には、画像形成用の粉体であるトナーを収容する粉体収容器としてのトナーカートリッジ7が着脱可能に装着されている。トナーカートリッジ7は、未使用のトナーを収容する未使用トナー収容部8と、使用された廃トナーを収容する廃トナー収容部9とを有する。
【0013】
また、画像形成装置は、記録媒体としての用紙に画像を転写する転写装置10と、用紙を供給する給紙装置11と、用紙に転写された画像を定着させる定着装置12とを備えている。さらに画像形成装置は、用紙を装置外へ排出する排紙装置13と、タイミングローラとしての一対のレジストローラ17も備えている。
【0014】
転写装置10は、転写部材としての転写ローラ14を備える。転写ローラ14は、プロセスユニット1を装置本体100に装着した状態で感光体2と接触するように配置されている。また、転写ローラ14は、電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加されるようになっている。
【0015】
給紙装置11は、用紙Pが収容される給紙カセット15と、給紙カセット15に収容されている用紙Pを給送する給紙ローラ16とを備える。なお、用紙Pには、普通紙のほか、厚紙、薄紙、はがき、封筒、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等も含まれる。さらに、用紙以外に、OHPシートやOHPフィルム等を記録媒体として用いることも可能である。
【0016】
定着装置12は、互いに対向する一対の回転体を備える。一方の回転体は、用紙に画像を定着させる定着回転体としての定着ローラ18であり、他方の回転体は、定着ローラ18に対して加圧される加圧回転体としての加圧ローラ19である。定着ローラ18は、内部に加熱手段としてのハロゲンヒータ22が設けられている。定着ローラ18と加圧ローラ19とは互いに接触し、両ローラ18,19間に定着ニップが形成されている。
【0017】
排紙装置13は、用紙を装置外に排出する一対の排紙ローラ20を備える。また、装置本体100の外装上面部には、排紙ローラ20によって排出された用紙を載置するための排紙トレイ21が形成されている。
【0018】
また、装置本体100内には、給紙カセット15から、レジストローラ17、転写ローラ14と感光体2との間の画像転写部(転写ニップ)、定着装置12を経由して、排紙ローラ20まで用紙Pを搬送するための搬送路R1が設けられている。さらに、画像形成装置の装置本体100内には、両面印刷する際に定着装置12を通過した用紙Pを再度画像転写部に搬送するための両面搬送路R2が設けられている。
【0019】
続いて、図1を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置の作像動作について説明する。
作像動作が開始されると、感光体2が回転駆動され、帯電ローラ3によって感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置又はコンピュータ等からの画像情報に基づいてLEDヘッドアレイ6が感光体2の帯電面を露光し、静電潜像が形成される。そして、現像装置4によって感光体2上の静電潜像にトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0020】
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ16が回転駆動を開始し、給紙カセット15から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、レジストローラ17によって搬送を一旦停止される。その後、所定のタイミングでレジストローラ17の回転駆動を開始し、感光体2上のトナー画像が画像転写部に達するタイミングに合わせて、用紙Pを画像転写部へ搬送する。
【0021】
そして、用紙Pが画像転写部に搬送されると、転写ローラ14に所定の電圧が印加されることにより生じた転写電界によって感光体2上のトナー画像が用紙P上に転写される。また、このとき用紙Pに転写されなかった感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去され、トナーカートリッジ7の廃トナー収容部9へ回収される。
【0022】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置12へと搬送され、定着ローラ18と加圧ローラ19とによって形成される定着ニップを通過することにより加熱及び加圧されて、用紙P上のトナー画像が定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ20によって装置外に排出され、排紙トレイ21上に載置される。
【0023】
また、両面印刷を行う場合は、定着装置12を通過した用紙Pを装置外に排出せずにスイッチバックさせて両面搬送路R2に送る。用紙Pは両面搬送路R2を通ってレジストローラ17の手前側で搬送路R1に送り込まれ、レジストローラ17によって再度画像転写部へ搬送される。そして、用紙Pの裏面に画像が転写され、定着装置12によって裏面側の画像が定着された後、用紙Pは装置外へ排出される。
【0024】
図2は、本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
定着ローラ18と加圧ローラ19のそれぞれの両端部は、軸受23,24を介して一対の支持部材25によって回転可能に支持されている。装置本体に設けられた駆動源から定着ローラ18に駆動力が伝達されると、定着ローラ18は図2中の矢印Aで示す方向に回転駆動し、これに伴って、加圧ローラ19は図2中の矢印Bで示す方向に従動回転する。なお、本実施形態とは反対に、加圧ローラ19を駆動ローラとし、定着ローラ18を従動ローラとしてもよい。
【0025】
ハロゲンヒータ22から発せられる輻射熱によって定着ローラ18が所定の温度にまで加熱された状態で、用紙が図2中の矢印C1で示す方向から定着ニップNへ進入すると、回転する定着ローラ18と加圧ローラ19によって用紙は挟持されながら搬送される。このとき、用紙上の未定着画像が、定着ローラ18の熱によって加熱されると共に、定着ローラ18と加圧ローラ19とによって加圧されることで、用紙に画像が定着される。そして、画像が定着された用紙は定着ニップNから図2中の矢印C2方向へ排出される。
【0026】
また、加圧ローラ19は、支持部材25によって定着ローラ18に対して図2中の矢印D方向に接近離間可能に支持されている。具体的には、加圧ローラ19を支持する軸受24が、支持部材25に設けられた長方形状の孔である軸受ガイド部25bに嵌め込まれており、この軸受ガイド部25bに沿って軸受24が案内されることで、加圧ローラ19は定着ローラ18に対して接近離間する。一方、定着ローラ18を支持する軸受23は、各支持部材25に設けられた円形の孔である軸受嵌合部25aに嵌め込まれており、定着ローラ18はその軸位置が軸方向と直交する方向に移動しないように固定されている。
【0027】
また、本実施形態に係る定着装置12は、被当接部材たる定着ローラ18に対して接離部材たる加圧ローラ19を接離させる接離装置たる接離機構40を備えている。
接離機構40は、カム部材41と、押し込み部材としての加圧レバー31と、付勢部材としての加圧バネ32とを備えている。
【0028】
加圧レバー31及び加圧バネ32は、加圧ローラ19の両端部側にそれぞれ1つずつ設けられている。加圧レバー31は、その一端部31aが支持部材25の下部に設けられた支軸33に取り付けられ、支軸33を中心に図2の矢印E方向に回動可能に構成されている。各加圧バネ32は、加圧レバー31の他端部31b側と支持部材25の上部とに設けられた引っ掛け部31c,25cに引っ掛けて取り付けられている。これにより、加圧レバー31の他端部31bは、加圧バネ32によって常時図2における上方へ引っ張られた状態で保持されている。そして、加圧レバー31は、支持部材25の軸受ガイド部25bに嵌め込まれたパッド34を介して加圧ローラ19を支持する軸受24を押圧し、加圧ローラ19を定着ローラ18に向かって加圧している。
【0029】
カム部材41は、一対の支持部材25によって回転可能に支持される回転軸42の両端部側にそれぞれ設けられている。回転軸42が回転すると、一対のカム部材41は回転軸42と一体的に回転する。また、カム部材41は、回転中心からの距離が回転方向に向かって変化するカム面41aを有する。カム部材41は、加工が容易で安価な樹脂材料からなるカム部材を用いている。樹脂材料からなるカム部材を用いることで、低コスト化、省スペース化を図ることができる。
カム部材41のカム面41aは、加圧レバー31に設けられた樹脂製のカム受け部材31dに当接している。
【0030】
加圧レバー31が加圧バネ32によって引っ張られることで、加圧レバー31に設けられたカム受け部材31dがカム面41aに対して接触した状態で保持されている。この状態で、カム部材41が一方向に回転すると、加圧レバー31がカム面41aによって図2における下方へ押し込まれることで、加圧ローラ19が定着ローラ18に対して離間する。カム部材41が逆回転すると、加圧レバー31が加圧バネ32の付勢力により図2における上方へ戻されることで、加圧ローラ19が定着ローラ18に対して接近する。
【0031】
また、本実施形態に係る定着装置12は、カム部材41の回転位置(回転角度)を検知する回転位置検知機構50を備えている。回転位置検知機構50は、光学センサ51と、遮光部材52とを備えている。光学センサ51は、透過型の光学センサであり、光を照射する投光部と、投光部から照射された光を受ける受光部とを有する。遮光部材52は、カム部材41と一体的に回転することで、光学センサ51の照射光を遮蔽又は透過し、受光の有無を切り換えることにより光学センサ51によって回転位置が検知される被検知部材である。光学センサ51及び遮光部材52は、2つあるカム部材41のうちの片方のカム部材41側にのみ設けられている。
【0032】
図3は、カム部材41と遮光部材52と光学センサ51とを抜き出して示す図である。
図3に示すように、カム部材41に設けられたカム面41aは、回転中心からの距離が図における時計回りに漸増するように形成されている。そして、カム面41aは、回転方向の半周(180°)よりも多い領域に渡って設けられている。具体的に、本実施形態では、カム面41aの回転中心からの距離が最も小さい最下点e1から、カム面41aの回転中心からの距離が最も大きい最上点e2まで、約220°の範囲に渡って設けられている。
【0033】
遮光部材52は、回転方向に長い(回転方向の長さがX1である)被検知領域としての長遮光部52aと、長遮光部52aよりも回転方向に短い(回転方向の長さがX2である)被検知領域としての短遮光部52bとを有する。長遮光部52aと短遮光部52bは、いずれも回転に伴って光学センサ51の光照射部Lを通過することで照射光を遮蔽する。また、長遮光部52aと短遮光部52bとの間には、光学センサ51の照射光を透過させる孔部(透光部)52jが形成されている。
【0034】
図4は、本実施形態に係るカム部材を駆動するカム駆動部49の概略構成図である。
図4に示すように、カム駆動部49は、駆動源としてのモータ43と、モータ43からの駆動力をカム部材41や遮光部材52に伝達するギア列44とを備える。モータ43は、小型で安価なDCブラシモータを用いている。ギア列44は、モータ43の出力軸に取り付けられた第1のウォームギア45と、第1のウォームギア45と噛み合う第2のウォームギア46とを備える。さらに、ギア列44は、第2のウォームギア46と一体に設けられた第1の平歯車47と、第1の平歯車47と噛み合うと共に遮光部材52と一体に設けられた第2の平歯車48とを備える。モータ43の出力軸が一方向又はこれと逆方向に回転すると、各ウォームギア45,46と各平歯車47,48が回転する。第2の平歯車48と遮光部材52が一体的に回転することで、回転軸42を介して各カム部材41が一方向(図3中の矢印Fで示す方向)又はこれとは逆方向(図3中の矢印Gで示す方向)に回転する。
【0035】
図5は、本実施形態に係る接離機構の制御系のブロック図である。
図5に示すように、制御系は、カム部材41の回転を制御する制御部60と、カム部材41の回転位置を検知するための上記光学センサ51、及び、カム部材41の回転時間を計測するタイマー70を備える。制御部60は、例えば、画像形成装置本体に設けられたCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。制御部60は、光学センサ51によって検知された信号やタイマー70によって計測された時間に基づいてモータ43の駆動を制御してカム部材41の回転を制御する。また、制御部60は、光学センサ51によって検知された信号に基づいてタイマー70による時間計測開始のタイミングや時間計測停止のタイミングを制御するようにも設定されている。
【0036】
本実施形態に係る定着装置12では、加圧ローラ19を定着ローラ18に対して接近離間可能にすることで、紙種に応じて定着ニップにおける加圧力を変更できるようにしている。以下、通常の加圧力から脱圧する場合の脱圧動作と、通常の加圧力に戻す場合の加圧動作について説明する。
【0037】
図6は、通常の加圧力から脱圧する脱圧動作について説明する説明図である。
図6(a)に示すように、通常の加圧力のときは、加圧レバー31のカム受け部材31dがカム面41aに対して最下点e1側で接触している。
【0038】
図6の(a)に示す状態から、制御部60は、モータ43を駆動させ、図6の(b)に示すように、カム部材41を図における反時計回りに回転させる。このカム部材41の回転によって、カム面41aがカム受け部材31dに対して摺動し、カム面41aのカム受け部材31dとの当接位置が変更される。カム部材41およびカム受け部材31dを、POMなどの摺動性樹脂で構成し、カム部材41およびカム受け部材31dの摩耗を抑えるともに、良好にカム面41aをカム受け部材31dに対して摺動させている。
【0039】
また、このカム部材41とともに遮光部材52も回転(図3の反時計回りに回転)し、遮光部材52により光学センサ51の光が遮られなくなり、光学センサ51が遮光部材52を検知しなくなる。制御部60は、モータの回転開始からタイマー70による時間計測開始しており、所定の時間までに、光学センサ51の信号が変わらないとき(遮光状態から透光状態に切り替わらないとき)は、異常が発生したとして動作を停止する。
【0040】
上記カム部材41の図中反時計回りの回転に伴って、カム受け部材31dがカム面41aによって図中下方へ押し込まれる。これにより、加圧レバー31が加圧ローラの軸受から退避するように回動し、加圧ローラが定着ローラに対して離間する方向へ移動する。
【0041】
カム部材41とともに遮光部材52が図3における反時計回りに回転していくと、カム面41aのカム受け部材31dへの当接位置が最上点e2へ至る直前で、遮光部材52の短遮光部52bが光学センサ51に対向する位置に到達する。これにより、光学センサ51の光が短遮光部52bに遮られ、光学センサ51の信号が変化する(透光状態から遮光状態に切り替わる)。その後、すぐに遮光部材52の孔部(透光部)52jが光学センサ51の位置に到達し、光学センサ51の信号が変化する(遮光状態から透光状態に切り替わる)。制御部60は、この光学センサ51の信号が変化(遮光状態から透光状態に切り替わる)したタイミングでモータ43の駆動を停止する。これにより、図6(c)に示すカム面41aのカム受け部材31dへの当接位置が最上点e2へ至るタイミングで、カム部材の回転が停止し、定着ローラ18に対する加圧ローラ19の離間動作が完了し脱圧状態となる。
【0042】
図7は、脱圧状態から通常の加圧力に戻す加圧動作について説明する図である。
制御部60は、脱圧動作時とは、逆方向にモータ43を回転させ、図7(a)に示す脱圧状態から、図7(b)に示すように、カム部材41を図中時計回り(上記脱圧移行時の回転方向とは逆方向)に回転させる。すると、カム面41aがカム受け部材31dに対して摺動し、カム面41aのカム受け部材31dとの当接位置が、最上点e2側から最下点e1側へ相対的に移動する。これに伴って、カム受け部材31dが加圧バネ32の付勢力によって図における上方へ引き上げられ、加圧レバー31が加圧ローラ19の軸受を押圧する。これにより、加圧ローラ19が定着ローラ18に対して接近する方向に移動する。
【0043】
また、脱圧動作時とは、逆方向にモータ43を回転させることで、遮光部材52もカム部材とともに回転する。そして、カム面41aのカム受け部材31dへの当接位置が最下点e1へ至る前に長遮光部52aの一端が光学センサ51と対向し、光学センサ51の光を遮光する。こにより、光学センサ51の信号が変化する(透光状態から遮光状態に切り替わる)。制御部60は、光学センサ51の信号が変化したタイミングでタイマー70による時間計測を開始し、計測時間が設定時間となったら、モータ43の駆動を停止する。これにより、図7(c)に示すカム面41aのカム受け部材31dへの当接位置が最下点e1へ至るタイミングで、カム部材の回転が停止し、定着ローラ18に対する加圧ローラ19の加圧動作が完了し通常の加圧状態に戻される。
【0044】
このように、本定着装置12は、加圧ローラ19を離間させるときはカム部材41を一方向に回転させ、加圧ローラ19を接近させるときはカム部材41を逆方向に回転させる。これにより、加圧レバー31を押し動かすのと戻すのとを同じカム面41aを用いることができる。
【0045】
通常の加圧力から脱圧する脱圧動作は、定着ニップから詰まった紙を取り除きやすくするために加圧力を低減する場合や、加圧による加圧ローラと定着ローラの塑性変形を抑制するために通紙後に加圧力を低減する場合などにおいて実行する。また、脱圧状態としたときに定着ローラに対して加圧ローラが完全に離間した状態(非接触状態)となるようにしてもよい。
【0046】
定着ニップを通紙する紙種により定着ニップにおける加圧力を変更するのが好ましい。例えば、封筒等の2枚重ねの用紙を通紙する場合、普通紙を通紙する場合と同様の加圧力で定着ローラと加圧ローラとを加圧すると、用紙にシワが発生する可能性がある。そのため、封筒等の用紙を通紙する場合は、普通紙を通紙する際の通常の加圧力に比べて小さい加圧力で定着ニップを形成するのがよい。
【0047】
そのため、カム部材41の停止位置として、次の3つの停止位置が設定されている。すなわち、一つ目の停止位置は、カム面41aの最下点e1がカム受け部材31dに当接する通常加圧状態の停止位置である。2つ目の停止位置は、カム面41aの最上点e2がカム受け部材31dに当接する脱圧状態の停止位置である。3つ目の停止位置は、紙種に応じた加圧力に対応する複数の停止位置である。紙種に応じた加圧力に対応する複数の停止位置は、カム面41aの最下点e1とカム面41aの最上点e2との間に設定される。
【0048】
また、カム面41aの最下点e1とカム面41aの最上点e2との間に複数の停止を設定する場合は、遮光部材の長遮光部52aの一端から短遮光部52bの間の透光領域の間の停止位置に対応する箇所に短遮光部を設ける。制御部60は、光学センサ51の信号の切り替わり(透光状態から遮光状態の切り替わり)のタイミングでモータの駆動を停止することで、紙種に応じた加圧力に対応する停止位置でカム部材41を停止させることができる。
【0049】
図8は、カム部材41のカム線図を示している。
図8のカム線図は、カム面41aの最上点e2を0°としている。
カム部材41をスムーズに動作させるため、カム面41aは図9に示すような正弦曲線に構成される。これはカム面41aにかかる負荷が大きくなるにつれカム面の変化量を小さくすることで、大きな負荷の時の急激な負荷変動を防ぎ、動作を安定させる、モータ43の負荷を低減する、異常音を防止する等の目的がある。この結果、カム面41aの曲率は負荷が小さいときは曲率が大きく、負荷が大きいときは曲率が小さくなっており、図9のカム線図においても、カム部材の外径が大きくなる(最上点e2付近、図9の0°付近)につれその傾きが徐々に小さくなっているのがわかる。
【0050】
従来においては、カム受け部材31dのカム面41aが当接するカム当接面131dが平面であった。このように、カム当接面131dが平面の場合は、カム部材41を精度よく所定の回転位置で停止できたとしても、カム面41aの狙いの当接位置とは、異なる位置でカム当接面131dに当接することがあった。その結果、カム部材41による加圧レバー31の押し込み量が狙い押し込み量とはならず、加圧ローラ19の位置が狙いの位置からずれてしまう。その結果、定着ニップにおける加圧力が狙いの加圧力とならず、定着に影響を及ぼすおそれがあった。
カム受け部材31dのカム面41aが当接するカム当接面が平面である場合にカム面の狙いの当接位置とは、異なる位置でカム当接面に当接する理由について、説明する。
【0051】
図9は、カム受け部材31dのカム当接面131dが平面のときのカム面41aの当接位置ずれについて説明する図である。
図9(a)に示す細破線Hは、カム面の狙いの当接位置における曲率で引いて目安の円弧であり、図中太破線は、カム面41aを示している。太破線の狙いの当接位置N1よりも図中左側が、カム面の最上点e2側であり、カム部材の外径が大きくなる側(カム面の回転中心からの距離が長くなる側)である。太破線の狙いの当接位置N1よりも図中右側が、カム面41aの最下点e1側であり、カム部材の外径が小さくなる側(カム面の回転中心からの距離が短くなる側)である。
【0052】
上述したように、本カム部材41は、負荷が大きくなるカム面の最上点e2側(図中左側)の曲率が小さく、負荷が小さくなるカム面41aの最下点e1側(図中右側)の曲率が大きくなっている。そのため、図9(a)に示すように、カム面41aの狙いの当接位置N1よりも図中左側は、細破線Hの目安の円弧に対して、カム受け部材31d側に位置する。カム面41aの狙いの当接位置N1よりも図中右側は、細破線Hの目安の円弧に対して、カム受け部材31dから離れた側に位置する。
そして、図9(a)に示すように、カム面41aの狙いの当接位置N1よりも図中左側は、カム受け部材31dに食い込んだ形となる。
【0053】
しかし、実際は、図9(a)に示したようなカム面41aがカム受け部材31dに食い込んだ状態とはならない。そのため、図9(b)に示すように、カム面41aの狙いの当接位置N1に対して図中左側(カム面の最上点e2側)の図中N2の位置(以下、実際の当接位置という)がカム当接面131dに当接する。そして、カム面41aの狙いの当接位置N1は、カム当接面131dから離間する。
【0054】
カム当接面131dに当接するカム面の実際の当接位置N2は、狙いの当接位置N1よりもカムの外径よりも大きい。そのため、カム当接面131dの位置が狙いの位置J1よりも図中下側へ位置してしまう。
【0055】
すなわち、図9(c)に示すように、カム当接面が平面であると、カム面41aのカム当接面131dに当接する実際の当接位置N2が、狙いの当接位置N1に対して、図中左側(カム面41aの最上点e2側)にT1ずれる。カム面41aの当接位置がT1ずれることで、カム部材41による押し込み量がD1多くなる。その結果、加圧レバー31による加圧ローラの押し込み量が、狙いの押し込み量から低下し、定着ニップにおける加圧力が、狙いの加圧力よりも低下してしまう。
【0056】
このような問題の回避策のひとつとして、カム当接面の狙いの当接位置N1よりも図中左側がカム面から離れるようにカム受け部材31dの角度を変更することで、カム面の狙いの当接位置N1をカム当接面に当接できるようにすることも考えられる。しかし、装置のレイアウト等によりこのような回避策が取れないことがありうる。
【0057】
そこで、本実施形態は、図10に示すように、カム受け部材31dのカム当接面131dを円弧状の凸曲面とするとともに、この凸曲面の曲率を、カム部材41のカム面の最小曲率と最大曲率の間に設定する。
【0058】
図10(a)は、通常加圧状態におけるカム部材の停止位置の様子を示しており、図10(b)は、紙種に応じた加圧状態におけるカム部材の停止位置を示している。また、図10(c)は、脱圧状態におけるカム部材の停止位置を示している。
【0059】
本実施形態では、図8に示したように、最上点e2の曲率が最も小さいので、カム当接面131dの曲率は、この最上点e2の曲率よりも大きくすればよい。図10(a)~図10(c)の各停止位置での狙いの当接位置のよりも最上点e2側の曲率は、最上点e2の曲率よりも大きい。よって、カム当接面131dの曲率が、最上点e2の曲率よりも大きければ、各停止位置で、狙いの当接位置よりも最上点e2側で、カム面がカム当接面131dに当接することはない。よって、図10(a)~図10(c)に示すように、各停止位置でカム面41aの狙いの当接位置N1をカム当接面131dに当接させることができる。
なお、図10では、紙種に応じた加圧状態におけるカム部材41の停止位置は、1箇所であるが、紙種に応じた加圧状態におけるカム部材41の停止位置を複数設けてもよい。
【0060】
また、カム受け部材31dは、カム当接面131dのみを円弧状の凸曲面とし、その他の面を平面状としている。これにより、例えば、カム受け部材を円筒状とし、カム受け部材31dの面全体を円弧状とした場合に比べて省スペース化を図ることができる。また、カム受け部材31dを、加圧レバー31の窪みに嵌め込むだけで、加圧レバー31へ取り付けることができ、構成の簡略化、交換の簡略化を図ることができる。
【0061】
図11は、本実施形態におけるカム当接面131dとカム面41aとの当接状態を示す図である。
図11に示す細破線K1は、カム当接面131dが平面の場合を示している。
図11に示すように細破線K1に示すカム当接面が平面のときは、細破線K1が、狙いの当接位置N1よりも図中左側(最上点e2側)でカム面41aに干渉している。しかし、本実施形態では、カム当接面131dを凸曲面とすることで、凸曲面の頂点にカム面41aの狙いの当接位置N1が当接する。そして、カム当接面131dのカム面41aの狙いの当接位置N1が当接している位置から両側は、カム面41aから遠ざかる軌跡を示す。従って、本実施形態では、カム当接面131dが、カム面41aの狙いの当接位置N1よりも図中左側(最上点e2側)でカム面41aに干渉するのを回避できる。
【0062】
カム当接面131dの曲率をカム面41aの最小曲率よりも大きい曲率とすることで、カム部材41をどの回転位置で停止させても、狙いの当接位置N1よりも図中左側(最上点e2側)で、カム面41aがカム当接面131dに当接することがない。
【0063】
このように、本実施形態では、カム当接面131dの曲率をカム面41aの最小曲率よりも大きくすることで、カム面41aの狙いの当接位置をカム当接面131dに当接させることができ、カム部材41による押し込み量を狙いの押し込み量にできる。その結果、加圧レバー31による加圧ローラの押し込み量を狙いの押し込み量にでき、定着ニップにおける加圧力を狙いの加圧力にできる。これにより、良好な定着性を得ることができる。
【0064】
図12は、カム当接面131dの曲率が、カム面41aの最大曲率よりも大きい場合の不具合について説明する図である。
図12(a)に示すように、カム当接面131dの曲率が、カム面41aの最大曲率よりも大きい場合も、カム面41aの狙いの当接位置N1をカム当接面131dに当接させることができる。
カム部材41が回転することでカム面41aがカム当接面131dに摺動することでカム当接面131dが摩耗する。特に、本実施形態では、カム部材41との摺動性などの観点からカム受け部材31dを樹脂製としている。そのため、カム当接面131dは、カム面41aの摺動で摩耗しやすい。図12(b)に示すように、カム当接面131dの曲率が大き過ぎると、カム当接面131dの摩耗により、高さ方向(カム当接面131dの突出方向)の変動が大きくなる。その結果、摩耗により、カム部材41による狙いの押し込み量に対する押し込み量のずれ量(減少量)が大きくなる。よって、経時にわたり定着ニップにおける加圧力を狙いの加圧力に維持できないおそれがある。
【0065】
また、上記摩耗による押し込み量のずれの他に、カム当接面131dの曲率が、カム面41aの最大曲率よりも大きいと、部品のばらつきによりカム当接面131dの高さ方向の誤差が大きくなる。その結果、押し込み量の精度が不安定になりやすいという不具合もある。
【0066】
図13は、本実施形態におけるカム当接面の摩耗について説明する図である。
図13に示すように、カム当接面131dの曲率を、カム面41aの最大曲率(本実施形態では、最下点e1の曲率)よりも小さくすることで、図12の場合と同じ体積カム当接面131dが摩耗したときの高さ方向の減少が、図12に示す構成に比べて抑えられる。
【0067】
なお、カム当接面131dの曲率を、カム面の最大曲率(本実施形態では、最下点e1の曲率)よりも小さくすることで、図12に示す場合に比べて、摩耗幅(図中左右方向の摩耗)は長くなってしまう。しかし、カム当接面131dは、図13に示すようにカム面41aに倣うように摩耗し、カム当接面131dの摩耗面は、凹状の摩耗面となる。特に、カム当接面131dとの当接圧が高まるカム面41aの曲率が小さい最上点e2付近のカム面41aが当接しているときにカム当接面131dの摩耗が進行する。従って、カム当接面131dの凹状の摩耗面は、カム面41aの最上点e2付近の曲率に倣って摩耗する。そのため、カム部材41が停止したとき、図13に示すように、カム当接面131dに凹状の摩耗に入り込むように当接する。従って、カム当接面131dの摩耗によって、カム部材41の停止時におけるカム面41aの当接位置が狙いの当接位置N1から図中左側(最上点e2側)にずれることはない。従って、摩耗による狙いの押し込み量対するずれ量は、高さ方向の摩耗量が支配的となる。
【0068】
よって、図13に示すように、カム当接面131dの曲率を、カム面41aの最大曲率(本実施形態では、最下点e1の曲率)よりも小さくし、摩耗による高さ方向の減少を抑えることで、摩耗による狙いの押し込み量に対するずれ量を低減できる。これにより、カム当接面131dの摩耗による定着ニップにおける加圧力の低下を経時にわたりに抑制することができる。
【0069】
さらに、カム当接面131dの曲率を、カム面41aの最大曲率よりも小さくすることで、カム当接面131dの曲率がカム面41aの最大曲率よりも大きい場合に比べて、部品ばらつきによる高さ方向(カム当接面の凸方向)の変動を抑えることができる。これにより、部品ばらつきによる押し込み量の変動も抑えることができるという効果もある。
【0070】
図14は、カム当接面131dの変形例を示す図である。
この変形例では、カム当接面131dの図中左側(カム面41aの最上点e2側)を一段低い段差形状とし、その段差形状の段差面Mをカム面41aの最大曲率と最小曲率の中間の曲率の凸曲面としたものである。
このように、カム当接面131dの図中左側(カム面41aの最上点e2側)を一段低くすることで、カム面41aの狙いの当接位置N1に対して図中左側(最上点e2側)からカム当接面131dを遠ざけることができる。これにより、より一層、カム面41aの狙いの当接位置N1に対して図中左側でカム面41aがカム当接面131dに当接するのを防止することができる。よって、より確実に、カム面41aの狙いの当接位置N1をカム当接面131dに当接させることができる。
【0071】
図2を用いて説明したように、加圧レバー31は、カム受け部材31d側とは反対側の一端部31aが支軸33を支点にして回動するように構成されている。そのため、加圧レバー31の回動により加圧レバーに設けられているカム受け部材31dの姿勢が変化し、カム当接面131dのカム面41aとの当たり方も変化する。
【0072】
図15は、加圧レバーの回動によるカム受け部材31dの姿勢変化について説明する図である。
なお、図15は、加圧レバー31の回動によるカム受け部材31dの姿勢変化をわかりやすくするため、姿勢変化が大きくなるように描画している。
図中(a)は、通常加圧状態におけるカム受け部材31dの姿勢を示しており、図中(b)は、紙種に応じた加圧状態におけるカム受け部材31dの姿勢を示している。また、図中(c)は、脱圧状態におけるカム受け部材31dの姿勢を示している。
【0073】
図15からわかるように、脱圧状態のときに比べて、通常加圧状態のときは、カム受け部材31dが傾く。その結果、カム当接面131dの図中左側は、通常加圧状態のときは、図中右側よりも高い位置に位置し、カム当接面131dの図中左側が、カム部材に近い位置関係となる。そして、カム当接面131dの図中左側は、脱圧状態のときが、カム部材から最も難れた位置関係となる。これとは逆に、カム当接面131dの図中右側は、脱圧状態のときが、カム部材に近い位置関係であり、通常加圧状態のときが、カム部材から最も離れた位置関係となる。
【0074】
図16は、カム部材41のカム面41aと、加圧レバー31の回動の支点との関係について説明する図である。
図16(a)は、カム受け部材31dとの当接位置を基準として、漸減側(曲率が大きくなる側)が加圧レバーの回動の支点側となるように、カム部材を配置した場合を示している。一方、図16(b)は、図16(a)とは逆の、カム受け部材31dとの当接位置を基準として、漸増側(曲率が小さくなる側)が加圧レバー31の回動の支点側となるように、カム部材41を構成した場合を示している。
なお、この図16においても、説明をわかりやすくするため、実際の加圧レバー31の回動角度よりも広くし、カム受け部材31dの姿勢変化を大きくしている。
【0075】
上述したように、カム面41aは、最下点e1が最も曲率が大きく、最上点e2に向かうにつれて曲率が小さくなり最上点e2の曲率が最も小さくなっている。そのため、カム面41aの最下点e1付近では、カム面41aのカム当接面131dに当接する当接位置よりも外側(図中左側)は、当接位置から外側へいくに連れてカム当接面131dから急激に遠ざかる関係である。カム面41aの最上点e2付近では、カム面41aのカム当接面131dに当接する当接位置よりも外側(図中左側)は、当接位置付近と当接位置から離れた箇所とでカム当接面131dからの距離関係があまり変化せず、カム当接面131dと近い位置関係にある。
【0076】
図16(a)の配置の場合は、カム受け部材31dのカム面41aとの当接位置よりも図中左側(支点と反対側、以下外側という)が最もカム面41aに近い状態から、カム部材41を図中反時計回り回動させる。カム部材41を図中反時計回り回動させると、カム部材41がカム受け部材31dを押し込んでいく。カム部材41がカム受け部材31dを押し込んでいくと、カム当接面131dの外側は、カム面41aから徐々に遠ざかる。よって、図16(a)の配置の場合は、カム面41aのカム当接面131dに当接する当接位置よりも外側がカム当接面131dから急激に遠ざかる関係のとき、カム当接面131dは、カム面41aに最も近い位置にある。カム面41aのカム当接面131dに当接する当接位置よりも外側がカム当接面131dと近い位置関係になるにつれてカム当接面131dがカム面41aから遠ざかる。よって、図17(a)の構成では、カム面41aのカム当接面131dに当接する当接位置よりも外側がカム当接面131dに当たりづらい構成となる。その結果、カム面41aの狙いの当接位置N1を、カム当接面131dに良好に当接させることができる。
【0077】
一方、図16(b)の配置の場合は、カム面41aのカム受け部材31dとの当接位置よりも図中右側(支点側、以下内側という)が、曲率の小さい側となり、カム面41aの最上点e2付近でカム当接面131dと近い位置関係となる。
【0078】
一方、カム受け部材31dの内側(カム面41aとの当接位置よりも図中右側)は、最もカム面41aから離れた状態からカム部材41による押し込みでカム面41aから徐々に近づく。そして、カム面41aの最上点e2付近でカム面41aと最も近い位置関係となる。その結果、図16(b)の配置の場合、脱圧状態のとき(カム面41aの最上点e2付近が狙いの当接位置となるとき)、カム面41aの内側が、カム当接面131dの内側に当接するおそれがある。これにより、カム面41aの狙いの当接位置N1がカム当接面131dに当接しないおそれがある。従って、図16(a)に示すように、カム受け部材31dとの当接位置を基準として、漸減側(曲率が大きくなる側)が加圧レバー31の回動の支点側となるように、カム部材41を配置するのが好ましい。
【0079】
図17は、カム受け部材の姿勢と、カム受け部材が受けるカム部材からの力(押圧力)の方向とを模式的に示した図である。図17に示すように、加圧レバーの回動によってカム受け部材の姿勢が変化することで、カム面41aとの位置関係も変化し、図18に示す矢印のカム部材から受ける力(押圧力)の方向が一定ではなくなる。
なお、図中一点鎖線は、カム受け部材31dの中心線である。この中心線は、カム受け部材31dの加圧レバー31との接触面である底面132dの幅方向中央から延びる垂線である。
【0080】
図18は、最も好ましいカム受け部材31dとカム部材41との位置関係を示す図である。
図18に示すように、カム部材41の中心線とカム受け部材31dの中心線が合致し、かつ双方の中心線が当接位置の接線に対して垂直となる位置関係が最も好ましい。このような位置関係とすることで、カム受け部材31dは、カム部材41からカム受け部材31dの中心線と平行に力を受け、カム受け部材31dに幅方向(図中左右方向)で局所的な負荷が発生しない。
【0081】
しかし、図17を用いて説明したように、カム受け部材31dの姿勢によってカム受け部材31dとカム部材41との位置関係が変化するため、図18に示す最も好ましい位置関係をすべてのカム受け部材31dの姿勢で維持することはできない。そのため、最もカム部材41から受ける力が大きくなる脱圧状態のとき(カム面41aの最上点e2付近が狙いの当接位置のとき)に、図18に示す位置関係となるように、カム部材41、カム受け部材31dを配置するのが好ましい。
【0082】
図17に示す一番下が、脱圧状態のときを示しており、このときに図18に示す配置関係となっている。図17の矢印に示すように、脱圧状態のときは、図中一点鎖線で示すカム受け部材31dの中心線と平行にカム部材41から力を受ける。一方、図17の上2つのカム受け部材31dの姿勢のときは、矢印に示すカム部材41から力は、カム受け部材31dの中心線とは平行ではない。そのため、カム受け部材31dの加圧レバー31の支点側(内側)にカム部材41からの力が作用し、カム受け部材31dに不均一な力がかかる。図17の上2つのカム受け部材31dの姿勢のときは、図17に示す一番下の脱圧状態のときに比べて、カム部材41から受ける力(加圧バネの反力)が少ない。従って、脱圧状態のときに比べてカム受け部材31dに不均一な力がかかったときの不具合が軽減される。よって、脱圧状態のとき(カム面41aの最上点e2付近が狙いの当接位置のとき)に、図18に示す位置関係となるように、カム部材41、カム受け部材31dを配置するのが好ましい。
【0083】
複数のカム回転停止位置のうち、定着装置の使用状態において最も長時間維持される回動位置におけるカム受け部材31dの姿勢で、図18に示す関係となるように、カム部材41およびカム受け部材31dを配置してもよい。
【0084】
本発明を適用する定着装置は、上記実施形態のような一対のローラ(定着ローラ及び加圧ローラ)を備える定着装置に限らない。例えば、図19に示すように、定着ローラに代えて、無端状の定着ベルト83を備える定着装置80であってもよい。この例では、定着ベルト83の内周側に加熱源82とニップ形成部材81が配置されており、定着ベルト83に対して加圧ローラ84がニップ形成部材81の位置で加圧されることで定着ニップNが形成されている。
【0085】
また、上記実施形態では、加圧ローラが定着ローラに対して接近離間する構成としているが、図20に示すように、定着ローラ91がこれと対向する対向ローラ92に対して接近離間するように構成してもよい。係る構成においては、定着ローラ91が接離部材に該当し、対向ローラ92が被当接部材に該当する。
【0086】
また、上記実施形態では、定着装置に本発明の接離装置を適用した例について説明したが、定着装置だけでなく、用紙等の記録媒体に画像を転写する転写装置等にも適用可能である。
【0087】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
加圧バネ32などの付勢部材と、付勢部材の付勢力により、定着ローラ18などの被当接部材に対して接離可能に構成された加圧ローラ19などの接離部材を被当接部材に当接するように押し込む加圧レバー31などの押し込み部材と、接離部材を押し込む方向とは逆方向に押し込み部材を押し込むカム部材41とを備えた接離機構40などの接離装置において、押し込み部材のカム部材が当接するカム当接面131dが、凸曲面であり、カム当接面131dの曲率が、カム部材41のカム面41aの最大曲率以下、カム部材41の停止時にカム当接面131dに当接するカム面41aの曲率以上である。
図9(a)~図9(c)を用いて説明したように、カム面の狙いの当接位置を基準にして、カムの回転方向において、カム面の曲率が狙いの当接位置の曲率よりも小さい側が、狙いの当接位置よりもカム当接面に近接する。その結果、カム当接面が平面であると、狙いの当接位置の曲率よりも曲率が小さい側がカム当接面に当接してしまい、カム部材による押し込み部材の押し込み量が、狙い押し込み量とはならない。これにより、接離部材の位置が狙いの位置からずれるおそれがある。
そのため、態様1では、カム当接面を凸曲面とし、カム当接面の曲率を、カム面の最小曲率よりも大きくした。これにより、図11を用いて説明したように、カム面の狙いの当接位置をカム当接面に当接させることができる。よって、狙いの押し込み量で押し込み部材を押し込むことができ、接離部材の位置を狙いの位置に位置させることができる。
また、カム当接面の曲率を、カム部材のカム面の最大曲率よりも小さくすることで、カム当接面の曲率がカム部材のカム面の最大曲率以上の場合に比べて、カム当接面摩耗時の高さの減少を抑えることができる。これにより、経時にわたり接離部材の位置を狙いの位置に位置させることができる。
【0088】
(態様2)
態様1において、加圧レバー31などの押し込み部材に設けられ、カム当接面131dを有する樹脂製のカム受け部材31dを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、カム部材との摺動抵抗を抑えることができ、カム部材をスムーズに回動させることが可能となる。また、カム受け部材31dを安価に製造することができる。
【0089】
(態様3)
態様2において、カム受け部材31dのカム当接面131dのみを凸曲面とした。
これによれば、実施形態で説明したように、カム受け部材31dを円筒状とし、カム受け部材31dの面全体を円弧状とした場合に比べて省スペース化を図ることができる。また、カム受け部材31dを、加圧レバー31の窪みに嵌め込むだけで、加圧カバーへ取り付けることができ、構成の簡略化、交換の簡略化を図ることができる。
【0090】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、カム部材41の停止位置は、複数ある。
これによれば、各停止位置で、加圧ローラ19などの接離部材の位置を狙いの位置に位置させることができる。
【0091】
(態様5)
態様4において、複数の停止位置のうち、カム部材41が最も加圧レバー31などの押し込み部材を最も押し込む停止位置において、カム部材41の回転軸方向から見たとき、カム部材41の回転中心と、カム面41aとカム当接面131dとの当接位置を通る線が、カム受け部材の底面132dなどの押し込み部材との接触面に対して垂直となるように構成した。
これによれば、図18図19を用いて説明したように、最もカム部材から力を受けるカム部材の停止位置で、カム受け部材に局所的な負荷が生じることがなく、カム受け部材の破損や変形を抑制することができる。
【0092】
(態様6)
態様4において、複数の停止位置のうち、最も頻度の高い停止位置において、カム部材41の回転軸方向から見たとき、カム部材41の回転中心と、カム面41aとカム当接面131dとの当接位置を通る線が、カム受け部材31dの底面132dなどの加圧レバー31などの押し込み部材との接触面に対して垂直となるように構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、停止頻度の高いカム部材の停止位置で、カム受け部材に局所的な負荷が生じることがなく、カム受け部材の破損や変形を抑制することができる。
【0093】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、カム当接面131dは、段差を有し、段差面Mを、カム部材41のカム面41aの最大曲率よりも小さく、カム面の最小曲率よりも大きくした。
これによれば、図14を用いて説明したように、カム当接面の一段低い側を、カム面から遠ざけることができ、より一層、カム面41aの狙いの当接位置N1とは異なる位置が、カム当接面に当接するのを抑制できる。
【0094】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、加圧レバー31などの押し込み部材の一端側にカム当接面131dを有し、押し込み部材は、カム部材41の押し込みにより他端側を支点にして回動するように構成されており、カム面41aは、カム部材の回転方向において、カム部材41の回転の中心からの距離が漸増するものであって、押し込み部材の回動の支点を、カム面41aとカム当接面131dとの当接位置を基準にして、カム面41aの回転の中心からの距離が漸減する側に位置させた。
これによれば、図17(a)を用いて説明したように、押し込み部材の回動の支点を、カム面41aとカム当接面131dとの当接位置を基準にして、カム面41aの回転の中心からの距離が漸増する側に位置させた場合に比べて、カム面の狙いの当接位置とは異なる位置が、カム当接面に当接するのを抑制することができる。
【0095】
(態様9)
定着ローラ18などの定着部材と、定着部材に当接する加圧ローラ19などの加圧部材と、加圧部材を定着部材に対して接離させる接離機構40などの接離装置とを備えた定着装置12において、接離装置として態様1乃至8いずれかの接離装置を用いた。
これによれば、定着ニップにおける加圧力の精度を高めることができ、良好に画像を定着することができる。
【0096】
(態様10)
被当接部材と、被当接部材に対して接離可能に構成された接離部材と、接離部材を被当接部材に対して接離させる接離装置とを備えた画像形成装置において、接離装置として態様1乃至8いずれかの接離装置を用いた。
これによれば、接離部材を精度よく所定の位置に位置させることができる。
【符号の説明】
【0097】
18 :定着ローラ
19 :加圧ローラ
23 :軸受
24 :軸受
25 :支持部材
25a :軸受嵌合部
25b :軸受ガイド部
25c :引っ掛け部
31 :加圧レバー
31a :一端部
31b :他端部
31c :引っ掛け部
31d :カム受け部材
31e :受け部
32 :加圧バネ
33 :支軸
34 :パッド
40 :接離機構
41 :カム部材
41a :カム面
42 :回転軸
43 :モータ
44 :ギア列
49 :カム駆動部
50 :回転位置検知機構
51 :光学センサ
52 :遮光部材
52a :長遮光部
52b :短遮光部
60 :制御部
70 :タイマー
131d :カム当接面
132d :底面
M :段差面
N :定着ニップ
N1 :狙いの当接位置
N2 :実際の当接位置
e1 :最下点
e2 :最上点
α :加圧レバーの回転角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2018-72792号公報
図1
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図5
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図19
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