IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
  • 特開-画像形成装置 図10
  • 特開-画像形成装置 図11
  • 特開-画像形成装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008343
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20230112BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20230112BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G21/16 120
G03G21/16 147
G03G21/18 150
B41J29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111845
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】長野 竜明
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB10
2C061BB35
2C061CD03
2C061CF05
2H171FA03
2H171FA14
2H171FA28
2H171GA11
2H171GA12
2H171JA07
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA48
2H171JA52
2H171KA05
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA27
2H171KA29
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA22
2H171SA28
2H171SA31
2H171SA32
2H171WA02
2H171WA07
2H171WA17
2H171WA21
(57)【要約】
【課題】引出ユニットの奥側に配置された箇所の保守のための保守作業の煩雑さを軽減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】セット位置に対する引き出し及び挿入が可能に引出ユニット140を支持するユニット支持手段150を備えた画像形成装置において、ユニット支持手段150は、引き出された状態で引き出し方向に直交する方向において、セット位置とは異なる変位位置を取り得るように引出ユニット140を支持する。引出ユニット140の奥側に配置され、引出ユニット140の引出方向へ脱着可能な奥側脱着ユニット110を備え、変位位置を、脱着ユニット110が脱着中に接触しない位置にしてもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セット位置に対する引き出し及び挿入が可能なように引出ユニットを支持するユニット支持手段を備えた画像形成装置において、
前記ユニット支持手段は、引き出された状態で引き出し方向に直交する方向において、前記セット位置とは異なる変位位置を取り得るように前記引出ユニットを支持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記引出ユニットの奥側に配置され、前記引出ユニットの引出方向へ脱着可能な奥側脱着ユニットを備え、
前記変位位置は、前記奥側脱着ユニットが脱着中に接触しない位置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記引出ユニットは画像形成物質の補給ユニットであり、前記奥側脱着ユニットは前記画像形成物質を用いて画像を形成する画像形成部の少なくとも一部の構成要素を含むユニットであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部と前記補給ユニットとを複数備え、前記引出ユニットは複数の補給ユニットを保持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一に記載の画像形成装置において、
前記引出ユニットを引き出し状態で、引出方向での移動をロックするロック機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一に記載の画像形成装置において、
前記変位位置は前記セット位置と鉛直方向で異なる位置であり、
前記引出ユニットの自重による降下に対する速度緩和装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一に記載の画像形成装置において、
前記引出ユニットは取手を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一に記載の画像形成装置において、
前記ユニット支持手段は、前記引出ユニットの引き出しと、挿入の少なくとも一方で前記引出ユニットの移動のために作用する外力の一部を、前記直交する方向おける前記引出ユニットの変位力に変換する変換機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セット位置に対する引き出し及び挿入が可能に引出ユニットを支持するユニット支持手段を備えた画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1には、係る画像形成装置であって、作像ユニットを水平方向へスライド移動可能、かつ、交換作業位置からセット位置まで作像ユニットを水平方向へスライド移動可能に、作像ユニットを支持するユニット支持手段を備えたものが記載されている。また、このような作像ユニットで使用されるトナー(画像形成物質)の補給ニットを作像ユニットよりも装置手前側に配置し、補給ユニット用のユニット支持手段で水平方向へスライド移動可能に補給ニットを支持する画像形成装置も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、補給ニットを作像ユニットよりも装置手前側に配置した装置では、保守作業のために作像ユニットをスライドによって引き出す場合、次のような作業者の手間が煩雑であった。つまり、手前に配置されている補給ニットを引きだした後、作像ユニットの引き出しの邪魔にならないよう、手作業で補給ユニットを補給ユニット支持手段から持ち上げて床面上に載置するなどの、作業者の手間である。このような保守作業の手間は装置奥側に配置されているものがセット位置に対する引き出し及び挿入が可能に支持されている画像形成装置に限らず、セット位置にある状態のまま保守作業を行う画像形成装置でも生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、セット位置に対する引き出し及び挿入が可能なように引出ユニットを支持するユニット支持手段を備えた画像形成装置において、前記ユニット支持手段は、引き出された状態で引き出し方向に直交する方向において、前記セット位置とは異なる変位位置を取り得るように前記引出ユニットを支持することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、引出ユニットの奥側に配置された箇所の保守のための保守作業の煩雑さを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】画像形成装置の基本構成を示す説明図。
図2】画像形成装置の内部構造の一例の概略構成を示す正面図。
図3】スライドレールの説明図。
図4】従来の画像形成装置における作像ユニットの保守の説明図。
図5】本実施例におけるトナー補給ユニットの支持手段の説明図。
図6】トナー補給ユニット引き出し動作の説明図。
図7】作像ユニット交換及びその後のトナー補給ユニットの押し込み動作の説明図。
図8】変形例の説明図。
図9】他の変形例の説明図。
図10】衝撃緩和機構の動作の説明図。
図11】更に他の変形例の説明図。
図12】更に他の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。図1は画像形成装置の基本構成を示す説明図である。図1(a)は内部構造を示す左側面図、図1(b)は外観を示す正面図である。この画像形成装置100は、セット位置に対する引き出し及び挿入が可能な引出ユニットとして、トナー補給ユニット140を備えている。トナー補給ユニット140は、画像形成物質としてのトナーの補給ユニットである。トナー補給ユニット140の奥側には引出ユニットの引出方向へ脱着可能な奥側脱着ユニットとして、画像形成物質を用いて画像を形成する画像形成部の少なくとも一部の構成要素を含む作像ユニット110が配置されている。カラーの画像を形成するため作像ユニット110とトナー補給ユニット140とを複数備える。画像形成部は後に一例を挙げて説明するように記録方式として電子写真方式のものでもよいし、インクジェット方式など他の記録方式のものでもよい。
【0008】
図示の例は、電子写真方式の例であり、奥側脱着ユニットとして感光体、現像装置、クリーニング装置などを一体に脱着可能な作像ユニット110を備えている。この作像ユニット110より上方には、書込ユニット9や読取装置10が配置されている。画像形成装置100の天板上にはADF120や操作パネル130も配置されている。そして、トナー補給ユニット140を、装置内におけるセット位置から引き出し、また、このセット位置に挿入が可能なように支持するユニット支持手段としてスライドレールを備えている。
【0009】
図1(b)に示すように、トナー補給ユニット140は前面板141を備え、この前面板141の下方もそれぞれ水平に引出、挿入可能なユニットが配置されている。トナー補給ユニット140の下方は中間転写ベルトなどを保持するユニットの前面板121、反転装置ユニットの前面板122、二段の給紙カセットの前面板123である。
【0010】
図2は、画像形成装置100の内部構造の一例の概略構成を示す正面図である。この画像形成装置100は、4つの作像ユニット110Y,110M,110C,110Kが並列に配置された画像形成部1を有している。各作像ユニット110Y,110M,110C,110Kは、潜像担持体であるドラム状の感光体21Y,21M,21C,21Kを備えた潜像担持体モジュールである感光体モジュール20Y,20M,20C,20Kと、帯電装置を備えた帯電モジュール30Y,30M,30C,30Kと、2成分現像方式の現像装置40Y,40M,40C,40Kと、ドラムクリーニング装置を備えたクリーニングモジュール50Y,50M,50C,50Kとを共通のユニット枠体で支持したものである。これらの作像ユニット110Y,110M,110C,110Kは、いわゆるプロセスカートッジあるいは感光体ユニットとも呼ばれ、それぞれ個別に画像形成装置本体に対して脱着可能な構成になっている。
【0011】
画像形成部1の上方には、潜像形成手段としての書込ユニット9が設けられている。また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置10が設けられている。画像形成部1の下方には、被転写体である中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に無端移動する。転写ユニット2の下方には二次転写装置4が設けられている。二次転写装置4は、二次転写ローラ17を備えており、二次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ17には電源によって二次転写バイアスが印加されている。また、転写対向ローラ16は、電気的に接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。二次転写装置4の図中左方には、用紙上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、二次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の用紙を定着ユニット7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、さらに下方に配置されている給紙収容部から1枚ずつ分離して給送された用紙を二次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7を通過した用紙を機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0012】
図3はスライドレールの説明図である。図3(a)は縮んだ状態の斜視図、図3(b)は伸びた状態の斜視図である。左右のスライドレール150a、150bは画像形成装置本体に固定される外側のスライドレール151a、151b(以下、固定スライドレールという)と、固定スライドレール151a、150bに移動自在に保持された内側のスライドレール152a、152b(以下、移動スライドレールという)とを有する構成となっている。移動スライドレール152にトナー補給ユニット140が固定され、移動スライドレール152が動くことで、トナー補給ユニット140が移動される。左右のスライドレールは添え字a、bを付して符号を区別している。左右同様の動きをするので、レールの動きの説明にあっては、以降、添え字aを付した左側のレールについて説明する。
【0013】
図4は基本構成を同じくする従来の画像形成装置100における作像ユニット110の保守の説明図である。まず図4(a)に示すように、トナー補給ユニット140を矢印Aで示すように装置手前側(前方)に引き出す。次に図4(b)に示すように、トナー補給ユニット140をスライドレール150から取り外し、トナー補給ユニット140を別の箇所、例えば床面上に置く。図4(c)はトナー補給ユニット140をスライドレール150から取り外し状態トナー補給ユニット140より奥側に位置する内部構造を示す正面図である。作像ユニット110はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色それぞれについて、個別に脱着可能に設けられている。例えばそれぞれ水平に引出挿入可能なスライドレール150で支持している。図中、符号141aで示すのはセット位置にあるときのトナー補給ユニット140の上端位置、符号141bで示すのは同下端位置である。トナー補給ユニット140が引出状態でも、引出方向に直交する方向でセット位置におけるのと同じ位置を取ると、作像ユニット110が引出にあたって接触してしまう。これを避けるために、トナー補給ユニット140をスライドレール150から取り外して床面上に置くなどの手間が生じ、作像ユニット110の例えば交換といった保守作業をその分、煩雑にしていた。
【0014】
図5は本実施例におけるトナー補給ユニット140の支持手段の説明図である。本実施形態では、引き出された状態で引き出し方向に直交する方向において、セット位置とは異なる変位位置を取り得るように支持する。具体的には、トナー補給ユニット140の奥側に配置され、トナー補給ユニット140の引出方向へ脱着可能な奥側脱着ユニットである作像ユニット110の脱着中に接触しない位置である、鉛直方向下方に退避した位置できるようになっている。
【0015】
具体的には、図5(a)の斜視図に示すように、本実施形態におけるスライドレール150の移動スライドレール152a、152bは内側側面にそれぞれ2本のピン153a、153bが装着されている。そして、図5(b)のトナー補給ユニット140の斜視図に示すように、トナー補給ユニット140の左右それぞれの側面には、鉛直方向に対し上側が装置手前側に位置するように傾斜した直線状の前傾斜部142a,142bと、直傾線部の下端から装置奥側に延在する下直線部143a、143bとを有するガイド溝144a、144bが形成されている。図示の例では、下直線部143aは、水平に直線状に伸びる。トナー補給ユニット140は装置本体に組付けられるとき、移動スライドレール152aのピン153aをガイド溝144aに挿入されるように移動スライドレール152aを取り付けた状態で固定スライドレール151aを装置本体に固定するなどして組付けられる。
【0016】
図5(c)はガイド溝144aの前傾斜部142aにピン153aが位置するとき、トナー補給ユニット140に引き出す外力を加えた場合に、トナー補給ユニット140がピン153aから受ける抗力F1を示すものである。抗力F1は鉛直方向で上向きの成分を有する。すなわち、このガイド溝144aの前傾斜部142aとピン153aとで、トナー補給ユニット140の引き出しでトナー補給ユニット140の移動のために作用する外力の一部を、トナー補給ユニット140の上方向への変位力に変換する変換機構を構成している。
【0017】
図6はトナー補給ユニット140の引き出し動作の説明図である。図6(a)はセット位置にある状態であり、ピン153aはガイド溝144aの前傾斜部142aの上端に位置する。図6(b)は矢印A方向に外力を加えてトナー補給ユニット140を引出した状態であり、トナー補給ユニット140全体が本体から引き出されている。この状態ではピン153aはガイド溝144aの前傾斜部142aの上端に位置している。図6(c)は移動スライドレール152aの固定スライドレール151aに対する引出限界まで来た後もトナー補給ユニット140に引き出す向きの外力を加えつづけると、図5(c)の変換機構の機能によりトナー補給ユニット140が矢印C方向へ上昇する。そして、さらにトナー補給ユニット140を引くのに伴い、図6(d)に示すようにピン153aがガイド溝144aの下直線部143aにいたり、その下直線部143aを奥側端に向かって移動ししながらトナー補給ユニット140が上方及び前方へ移動する。そして、ピン153aがガイド溝144aの下直線部143aの奥側端に到達してトナー補給ユニット140の移動が完了する。
【0018】
図7は作像ユニット交換及びその後のトナー補給ユニット140の押し込み動作の説明図である。図7(a)に示すように、図6を用いて説明したトナー補給ユニット140の引出の完了で、作像ユニット110を矢印Bで示すように、前方から取り出す空間が確保できる。すなわち、この引出完了後のトナー補給ユニット140の変位位置は、作像ユニット110が脱着中に接触しない位置である。作像ユニット110の交換後、トナー補給ユニット140を戻す場合、図7(b)で矢印Dで示すように外力を加えてトナー補給ユニット140を奥側に押し込み、画像形成装置内へのトナー補給ユニット140の挿入を開始する。
【0019】
まず図7(c)に示すように、トナー補給ユニット140に矢印Dで示す外力を加えると、移動スライドレール152aが固定スライドレール151a側に後退しはじめる前に、トナー補給ユニット140が奥側に移動しピン153aがガイド溝144aの下直線部143a内を移動し前傾斜部142aに至る。この段階までの移動スライドレール152aの後退を規制するためには移動スライドレール152aの引出限界から移動スライドレール152aを奥側に戻す際に固定スライドレール151aとの間にある程度の抵抗を係るようにしておくとよい。ピン153aがガイド溝144aの前傾斜部内に至ると、矢印Eで示すようにトナー補給ユニット140が降下しながら奥側に移動し、図7(d)に示すように、ガイド溝144aの前傾斜部142aの上端にピン153aが位置し、さらに矢印Dで示す外力をかけ続けることでトナー補給ユニット140が画像形成装置100内に挿入されていく。
【0020】
以上、実施形態では、トナー補給ユニット140が前方に有り、作像ユニット110が後方に位置構成で、トナー補給ユニット140は、スライドレール150に装着されており、前方に移動するスライドレールによる移動終了後、トナー補給ユニット140は、下方に移動することが可能な構成を有している。そして、下方への移動量は、作像ユニット110を前に移動させたときに、接触しない距離以上とする。よって、作像ユニット110を外すのに、トナー補給ユニット140の位置を、作像ユニット110の取り出し範囲から、移動させることで、トナー補給ユニット140を外さずに、作像ユニット110を外すことができるので作像ユニット110の交換性を良くすることができる。
【0021】
〔変形例1〕
図8は変形例の説明図である。変形例に係るトナー補給ユニット140は図8(a)に示すように、ガイド溝144aの前傾斜部142aの下端から装置奥側に延びる溝部分が先端ほど高い位置を取る下逆傾斜部163aになっている。トナー補給ユニット140の右側面のガイド溝144aも同様である。トナー補給ユニット140の引き出し動作で、移動スライドレール152aのピン153aからの抗力を前傾斜部142aが受けながらトナー補給ユニット140が上昇し、ピン153aが前傾斜部142aの下端に達したとき、さらにトナー補給ユニット140を引っ張ることで、移動スライドレール152aのピン153aがガイド溝144aの下逆傾斜部163aに沿うことで、トナー補給ユニット140が多少降下して上方前方への移動が終了する。
【0022】
この移動終了の状態で、図8(b)に示すように下逆傾斜部163aの上端にピン153aが位置することになる。よって、トナー補給ユニット140は手を放しても、きちんと保持される。しかも、サービスマンが誤動作で、トナー補給ユニット140に押し込む方向の力を加えても、その力が、下逆傾斜部163aの下端にピン153aが位置するまでトナー補給ユニット140を上昇させ得るほどに加えられないかぎり、トナー補給ユニット140が装置奥側に移動することはない。つまり、ロック機構として機能する。このため、サービスマンの誤動作などではトナー補給ユニット140が動かずサービスマンの安全性が確保される。
【0023】
〔変形例2〕
図9は、他の変形例の説明図である。この変形例は、衝撃緩和機構(速度緩和装置)を備えている。トナー補給ユニット140が重いので、トナー補給ユニット140を押し込んだ際、ガイド溝144の前傾斜部142で、急激に落下する虞がある。トナー補給ユニット140が落下方向に対してのみ、ダンパー効果が働く衝撃緩和機構を設け、急激な落下を防ぎ、サービスメンテナンス時の安全性を確保するものである。
【0024】
図9(a)に示すように、移動スライドレール152a、152bの内側側面に、トナー補給ユニット140が落下する回転方向のみ、ダンパー効果が働く歯車付きのディスクダンパー160a、160bを設ける。一方、図9(b)に示すように、トナー補給ユニット140の左右の側面それぞれに、歯車付きのディスクダンパー160a、160bがかみ合うラック機構をもった溝を設ける。この図のガイド溝161aは下直線部が下逆傾斜部163aを採用している。図10は衝撃緩和機構の動作の説明図である。トナー補給ユニット140の押し込みの矢印Dで示す外力及び矢印Eの自重でトナー補給ユニット140が降下しているとき、ダンパー効果が働き、急激な落下を防ぐ。
【0025】
〔変形例3〕
図11は更に他の変形例の説明である。この変形例では、トナー補給ユニット140を容易に引き出せるように、折り畳み式の取手170a、170bが、トナー補給ユニット140の左右の側面それぞれに設けられている。図11(a)は取手170aが開いた状態を示す斜視図、図11(b)が折り畳まれた状態の斜視図である。折り畳み式にすることで、トナー補給ユニット140の挿入時に折りたたんだ状態を取らせることができ、機械の小型化を図れる。
【0026】
〔変形例4〕
図12は更に他の変形例の説明図である。トナー補給ユニット140と作像ユニット110とスライドレール150の位置関係によっては、下方にトナー補給ユニット140をさげても良い。図12の変形例は、このような位置関係の場合のトナー補給ユニット140保持構造例である。奥側脱着ユニットとしての作像ユニット110が、これまで図示した例に比して上方に位置している。図12(a)はトナー補給ユニット140の引き出し開始時の状態の説明図、図12(b)はトナー補給ユニット140の引き出し完了時の説明図、図12(c)はトナー補給ユニット140の左右の側面それぞれに形成する溝の説明図である。このガイド溝180は上直線部183、上直線部183の前方端から下端側が装置前側に位置するように傾斜した後傾斜部181、後傾斜部の下端から装置前方に延在する下直線部182とを備えている。
【0027】
以上の実施形態では、ガイド溝144、180とピン153とで、変換機構を構成したが、これに限らず他の変換機構を採用することもできる。また、装置手前側に位置する引出ユニットとしてのトナー補給ユニット140に対し装置奥側に位置するのが作像ユニット110であったが、これにかぎらない。図の例では書込ユニット9を装置上方から出し入れするようにしているが、これも装置手前から出し入れするようにしてもよい。その場合トナー補給装置の移動量は、書込ユニット9の脱着に邪魔にならない変位位置まで移動できるものに設定する。各側装置は脱着でないものであってもよい。引出ユニットを引出し方向と直交する方向に変位することにより、奥側の装置の保守をしやすくできる。さらに、装置前面に位置する引出ユニットはトナー補給ユニット140にも限られない。
【符号の説明】
【0028】
1 :画像形成部
2 :転写ユニット
3 :給紙ユニット
4 :二次転写装置
5 :両面ユニット
6 :搬送ベルト
7 :定着ユニット
8 :排紙ユニット
9 :書込ユニット
10 :読取装置
15 :中間転写ベルト
16 :転写対向ローラ
17 :二次転写ローラ
20 :感光体モジュール
21 :感光体
30 :帯電モジュール
40 :現像装置
50 :クリーニングモジュール
100 :画像形成装置
110 :作像ユニット
120 :ADF
121 :前面板
122 :前面板
123 :前面板
130 :操作パネル
140 :トナー補給ユニット
141 :前面板
142 :前傾斜部
142a :前傾斜部
142b :前傾斜部
143a :下直線部
143b :下直線部
144 :ガイド溝
144a :ガイド溝
144b :ガイド溝
150 :スライドレール
151 :固定スライドレール
152 :移動スライドレール
153 :ピン
160 :ディスクダンパー
161 :ガイド溝
163 :下逆傾斜部
170 :取手
180 :ガイド溝
181 :後傾斜部
182 :下直線部
183 :上直線部
F1 :抗力
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】特開2012-58430号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12