(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083601
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】変倍光学系、光学機器および変倍光学系の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20230608BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20230608BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072264
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2021525977の分割
【原出願日】2020-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2019110863
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸介
(57)【要約】
【課題】合焦レンズ群を軽量化し、合焦時の収差変動を抑制する変倍光学系を提供する。
【解決手段】変倍光学系ZL(1)は複数のレンズ群G1~G7を有する。変倍の際には、隣り合う各レンズ群の間隔が変化する。複数のレンズ群は、合焦の際に移動する第1合焦レンズ群G5と、第1合焦レンズ群より像面側に配置され合焦の際に第1合焦レンズ群とは異なる軌跡で移動する第2合焦レンズ群G6とを含む。第1合焦レンズ群および第2合焦レンズ群は、いずれも負の屈折力を有する。第1合焦レンズ群または第2合焦レンズ群は、正の屈折力を有するレンズを少なくとも一つ含み、以下の条件式を満足するように構成される。
1.40<fFP/(-fFN)<3.50
但し、
fFP:第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の、最も正の屈折力の強いレンズの焦点距離
fFN:第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の、最も負の屈折力の強いレンズの焦点距離
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ群を有し、
前記複数のレンズ群は、変倍の際、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、
前記複数のレンズ群は、合焦の際に移動する第1合焦レンズ群と、前記第1合焦レンズ群より像面側に配置され合焦の際に前記第1合焦レンズ群とは異なる軌跡で移動する第2合焦レンズ群とを含み、
前記第1合焦レンズ群および前記第2合焦レンズ群は、いずれも負の屈折力を有し、
前記第1合焦レンズ群または前記第2合焦レンズ群は、正の屈折力を有するレンズを少なくとも一つ含み、
以下の条件式を満足する変倍光学系。
1.40<fFP/(-fFN)<3.50
但し、
fFP:前記第1合焦レンズ群と前記第2合焦レンズ群を構成するレンズのうち、最も正の屈折力の強いレンズの焦点距離
fFN:前記第1合焦レンズ群内または前記第2合焦レンズ群内の、最も負の屈折力の強いレンズの焦点距離
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変倍光学系、光学機器および変倍光学系の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等に適した変倍光学系が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。変倍光学系においては、合焦レンズ群の軽量化と、合焦時の収差の変動を抑制することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明は、以下に説明する変倍光学系と、その変倍光学系を搭載した光学機器を提案するものである。本発明の変倍光学系は複数のレンズ群を有し、複数のレンズ群は、変倍の際、隣り合う各レンズ群の間隔が変化する。複数のレンズ群は、合焦の際に移動する第1合焦レンズ群と、第1合焦レンズ群より像面側に配置され合焦の際に第1合焦レンズ群とは異なる軌跡で移動する第2合焦レンズ群とを含む。第1合焦レンズ群および第2合焦レンズ群は、いずれも負の屈折力を有する。第1合焦レンズ群または第2合焦レンズ群は、正の屈折力を有するレンズを少なくとも一つ含み、以下の条件式を満足するように構成される。
1.40<fFP/(-fFN)<3.50
但し、
fFP:第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群を構成するレンズのうち、最も正の屈折力の強いレンズの焦点距離
fFN:第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の、最も負の屈折力の強いレンズの焦点距離
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】変倍光学系の第1実施例におけるレンズ構成を示す図である。
【
図2】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第1実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【
図3】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第1実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【
図4】変倍光学系の第2実施例におけるレンズ構成を示す図である。
【
図5】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第2実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【
図6】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第2実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【
図7】変倍光学系の第3実施例におけるレンズ構成を示す図である。
【
図8】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第3実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【
図9】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第3実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【
図10】変倍光学系の第4実施例におけるレンズ構成を示す図である。
【
図11】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第4実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【
図12】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第4実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【
図13】変倍光学系の第5実施例におけるレンズ構成を示す図である。
【
図14】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第5実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【
図15】(A)、(B)および(C)はそれぞれ、第5実施例の変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【
図16】光学機器の一実施形態であるデジタルカメラの構成を示す図である。
【
図17】変倍光学系の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態を示す。
【0007】
図16に、本発明の光学機器の一実施形態であるデジタルカメラの概略構成を示す。このカメラは、撮像素子3が搭載された本体1と、本発明の変倍光学系の実施形態に相当する撮影レンズ2とにより構成される。不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、撮像素子3に到達する。これにより被写体からの光が撮像素子3により撮像され、被写体画像として不図示のメモリに記録される。撮影レンズ2の詳細は、以下に、変倍光学系の実施形態として説明する。
【0008】
本発明の一実施形態における変倍光学系は、複数のレンズ群を有し、複数のレンズ群は、変倍の際、隣り合う各レンズ群の間隔が変化する。複数のレンズ群は、合焦の際に移動する第1合焦レンズ群と、第1合焦レンズ群より像面側に配置され合焦の際に第1合焦レンズ群とは異なる軌跡で移動する第2合焦レンズ群とを含んでいる。第1合焦レンズ群および第2合焦レンズ群は、いずれも負の屈折力を有している。第1合焦レンズ群または第2合焦レンズ群は、正の屈折力を有するレンズを少なくとも一つ含み、以下の条件式(1)を満足するように構成される。
1.40<fFP/(-fFN)<3.50 ・・・(1)
但し、
fFP:第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群を構成するレンズのうち、最も正の屈折力の強いレンズの焦点距離
fFN:第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の、最も負の屈折力の強いレンズの焦点距離
【0009】
上記条件式(1)は、第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の最も正の屈折力の強いレンズの焦点距離と、第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の最も負の屈折力の強いレンズの焦点距離との比を規定するものである。この条件式(1)を満足することで、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0010】
条件式(1)の対応値が上限値3.50を上回ると、第1合焦レンズ群内または第2合焦レンズ群内の最も負の屈折力の強いレンズの屈折力が強くなり、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(1)の上限値を3.45に設定することが好ましい。条件式(1)の上限値をより小さな値、例えば3.40、3.30、3.20、3.15、3.10、3.05、3.00、2.95、2.90に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0011】
一方、条件式(1)の対応値が下限値1.40を下回ると、第1合焦レンズ群内、または第2合焦レンズ群内の最も正の屈折力の強いレンズの屈折力が強くなり、無限遠物体か
ら近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(1)の下限値を1.45に設定することが好ましい。条件式(1)の下限値をより大きな値、例えば1.50、1.55、1.60、1,65、1.70、1.75、1.80、1.90、2.00に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0012】
上記構成の変倍光学系は、変倍の際に隣り合う各レンズ群の間隔を変化させることで良好な収差補正を図り、屈折力を有する合焦レンズ群を複数配置することにより、合焦レンズ群を大型化することなく、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0013】
第1合焦レンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、像面方向に移動することが好ましい。これにより、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を、効果的に抑えることができる。
【0014】
第2合焦レンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、像面方向に移動することが好ましい。これにより、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を、さらに効果的に抑えることができる。
【0015】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
1.00<(-fFs)/fw<4.00 ・・・(2)
但し、
fFs:第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離
fw:広角端状態における変倍光学系の焦点距離
【0016】
条件式(2)は、第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離と広角端状態における変倍光学系の焦点距離との比を規定するものである。この条件式(2)を満足することで、鏡筒を大型化することなく広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0017】
条件式(2)の対応値が上限値4.00を上回ると、合焦レンズ群の屈折力が弱くなり、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の合焦レンズ群の移動量が大きくなり、鏡筒が大型化してしまう。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(2)の上限値を3.90に設定することが好ましい。条件式(2)の上限値をより小さな値、例えば3.80、3.50、3.30、3.15、3.00、2.80、2.50、2.20、2.00に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0018】
一方、条件式(2)の対応値が下限値1.00を下回ると、合焦レンズ群の屈折力が強くなり、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(2)の下限値を1.10に設定することが好ましい。条件式(2)の下限値をより大きな値、例えば1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0019】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.10<MWF1/MWF2<3.00 ・・・(3)
但し、
MWF1:広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体から近距離物体への合焦の際の移動量の絶対値
MWF2:広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体から近距離物体への合焦の際の移動量の絶対値
【0020】
条件式(3)は、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体から近距離物体への合焦の際の移動量の絶対値と広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体から近距離物体への合焦の際の移動量の絶対値の比を規定するものである。この条件式(3)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0021】
条件式(3)の対応値が上限値3.00を上回ると、第1合焦レンズ群の移動量が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(3)の上限値を2.50に設定することが好ましい。条件式(3)の上限値をより小さな値、例えば2.00、1.75、1.50、1.30、1.15、1.00、0.85、0.80、0.75に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0022】
一方、条件式(3)の対応値が下限値0.10を下回ると、第2合焦レンズ群の移動量が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(3)の下限値を0.13、0.15、0.18、0.20、0.21、0.23に設定することが好ましい。条件式(3)の下限値をより大きな値、例えば0.25、0.30、0.35、0.38に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0023】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.20<βWF1/βWF2<5.00 ・・・(4)
但し、
βWF1:広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
βWF2:広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
【0024】
条件式(4)は、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率と広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率の比を規定するものである。この条件式(4)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0025】
条件式(4)の対応値が上限値5.00を上回ると、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(4)の上限値を4.80に設定することが好ましい。条件式(4)の上限値をより小さな値、例えば4.60、4.00、3.50、3.30、3.00、2.50、2.00、1.50、1.25に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0026】
一方、条件式(4)の対応値が下限値0.20を下回ると、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(4)の下限値を0.
30または0.35に設定することが好ましい。条件式(4)の下限値をより大きな値、例えば0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0027】
また、前記複数のレンズ群は、第2合焦レンズ群より像面側に配置された後続レンズ群を含み、後続レンズ群は少なくとも一つのレンズ群により構成されることが好ましい。これにより、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を効果的に抑えることができる。
【0028】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
-2.00<(-fFs)/fR<2.00 ・・・(5)
但し、
fFs:第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離
fR:後続レンズ群の焦点距離
【0029】
条件式(5)は、第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離と後続レンズ群の焦点距離との比を規定するものである。この条件式(5)を満足することで、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0030】
条件式(5)の対応値が上限値2.00を上回ると、後続レンズ群の正の屈折力が強くなり、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(5)の上限値を1.90に設定することが好ましい。また、条件式(5)の上限値をより小さな値、例えば1.80、1.65、1.50、1.35、1.20、1.10、1.10、0.90、0.80に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0031】
一方、条件式(5)の対応値が下限値-2.00を下回ると、後続レンズ群の負の屈折力が強くなり、無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(5)の下限値を-1.90に設定することが好ましい。また、条件式(5)の下限値をより大きな値、例えば-1.80、-1.65、-1.50、-1.25、-1.00、-0.75、-0.50、-0.25、-0.10に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0032】
また、上記複数のレンズ群は、第1合焦レンズ群より物体側に配置された先行レンズ群を含み、先行レンズ群は少なくとも一つのレンズ群により構成されることが好ましい。これにより、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を効果的に抑えることができる。
【0033】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.30<(-fFs)/fF<3.00 ・・・(6)
但し、
fFs:第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離
fF:先行レンズ群のうち、第1合焦レンズに隣接するレンズ群の焦点距離
【0034】
条件式(6)は、第1合焦レンズ群と第2合焦レンズ群のうち、屈折力が強い方のレンズ群の焦点距離と先行レンズ群の焦点距離との比を規定するものである。この条件式(6
)を満足することで、鏡筒を大型化することなく広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0035】
条件式(6)の対応値が上限値3.00を上回ると、先行レンズ群の屈折力が強くなり、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(6)の上限値を2.90に設定することが好ましい。また、条件式(6)の上限値をより小さな値、例えば2.80、2.65、2.50、2.30、2.15、2.00、1.90、1.85、1.80に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0036】
一方、条件式(6)の対応値が下限値0.30を下回ると、先行レンズ群の屈折力が弱くなり、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の先行レンズ群の移動量が大きくなり、鏡筒が大型化してしまう。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(6)の下限値を0.40に設定することが好ましい。条件式(6)の下限値をより大きな値、例えば0.50、0.70、0.85、1.00、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0037】
また、先行レンズ群は、最も物体側に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群を有することが好ましい。これにより、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を効果的に抑えることができる。
【0038】
また、先行レンズ群は、第1レンズ群に隣接する負の屈折力を有する第2レンズ群を有することが好ましい。これにより、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を効果的に抑えることができる。
【0039】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
4.00<f1/(-f2)<8.00 ・・・(7)
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
【0040】
条件式(7)は、第1レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離の比を規定するものである。この条件式(7)を満足することで、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0041】
条件式(7)の対応値が上限値8.00を上回ると、第2レンズ群の屈折力が強くなり、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えるのが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(7)の上限値を7.80に設定することが好ましい。条件式(7)の上限値をより小さな値、例えば7.50、7.25、7.00、6.75、6.50、6.30、6.20、6.10、6.00に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0042】
一方、条件式(7)の対応値が下限値4.00を下回ると、第1レンズ群の屈折力が強くなり、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えるのが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(7)の下限値を4.20に設定することが好ましい。条件式(7)の下限値をより大きな値、例えば4.50、4.70、4.85、5.00、5.20、5.40、5.50、5.60、5.70に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0043】
また、上記変倍光学系は、上述した構成をとることにより、広角端状態から望遠端状態
への変倍時の収差変動を良好に抑えながら、以下の条件式(8)を満たすことができる。
2ωw>75.0° ・・・(8)
但し、
ωw:広角端状態における変倍光学系の半画角
【0044】
上述した構成では、各条件式の対応値の範囲を絞り込むことで、条件式(8)の下限値をより大きな値、例えば77.0°、80.0°、82.0°、83.5°とすることもできる。
【0045】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
0.10<BFw/fw<1.00 ・・・(9)
但し、
BFw:広角端状態における変倍光学系の空気換算距離(バックフォーカス)
fw:広角端状態における変倍光学系の焦点距離
【0046】
条件式(9)は、広角端状態における変倍光学系のバックフォーカスと広角端状態における変倍光学系の焦点距離の比を規定するものである。この条件式(9)を満足することで、広角端状態におけるコマ収差をはじめとする諸収差を効果的に補正することができる。
【0047】
条件式(9)の対応値が上限値1.00を上回ると、広角端状態における焦点距離に対して広角端状態におけるバックフォーカスが大きくなり、広角端状態におけるコマ収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(9)の上限値を0.90または0.85に設定することが好ましい。条件式(9)の上限値をより小さな値、例えば0.80、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0048】
一方、条件式(9)の対応値が下限値0.10を下回ると、広角端状態における焦点距離に対して広角端状態におけるバックフォーカスが小さくなり、広角端状態におけるコマ収差をはじめとする諸収差を補正することが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(9)の下限値を0.15、0.20または0.25に設定することが好ましい。条件式(9)の下限値をより大きな値、例えば0.30、0.35、0.38、0.40、0.42、0.45に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0049】
また、第2合焦レンズ群は、負の屈折力を有するレンズ成分を有し、そのレンズ成分は以下の条件式(10)を満足することが好ましい。ここで、「レンズ成分」は、単レンズ、接合レンズの両方を意味する用語として用いている。
-2.00<(r2+r1)/(r2-r1)<6.00 ・・・(10)
但し、
r1:前記レンズ成分の物体側のレンズ面の曲率半径
r2:前記レンズ成分の像面側のレンズ面の曲率半径
【0050】
条件式(10)は、第2合焦レンズ群内にある負の屈折力を有するレンズのシェイプファクターを規定するものである。この条件式(10)を満足することで、無限遠物体から近距離物体への合焦の際のコマ収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0051】
条件式(10)の対応値が上限値6.00を上回ると、第2合焦レンズ群のコマ収差補正力が不足し、無限遠物体から近距離物体への合焦の際のコマ収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件
式(10)の上限値を5.50に設定することが好ましい。また、条件式(10)の上限値をより小さな値、例えば5.00、4.75、4.50、4.25、4.00、3.70、3.50、3.20に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0052】
一方、条件式(10)の対応値が下限値-2.00を下回ると、第2合焦レンズ群のコマ収差補正力が不足し、無限遠物体から近距離物体への合焦の際のコマ収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(10)の下限値を-1.50に設定することが好ましい。条件式(10)の下限値をより大きな値、例えば-1.00、-0.50、-0.10、-0.05、0.05、0.08、0.12、0.40、0.55に設定すれば、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0053】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
1.05<βWF1<1.80 ・・・(11)
但し、
βWF1:広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
【0054】
条件式(11)は、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率を規定するものである。この条件式(11)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0055】
条件式(11)の対応値が上限値1.80を上回ると、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(11)の上限値を1.75に設定することが好ましい。条件式(11)の上限値をより小さな値、例えば1.70、1.65、1.60、1.58、1.55、1.53、1.50、1.49、さらに1.48に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0056】
条件式(11)の対応値が下限値1.05を下回ると、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が小さくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめ、歪曲収差やコマ収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(11)の下限値を1.06に設定することが好ましい。条件式(11)の下限値を、1.08、1.10、1.12、1.15、1.16、1.20、1.22、さらに1.25に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0057】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(12)を満足することが好ましい。
1.05<βWF2<1.80 ・・・(12)
但し、
βWF2:広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
【0058】
条件式(12)は、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率を規定するものである。この条件式(12)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
【0059】
条件式(12)の対応値が上限値1.80を上回ると、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が大きくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体か
ら近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(12)の上限値を1.75に設定することが好ましい。条件式(12)の上限値を、1.70、1.68、1.65、1.63、1.60、1.58、1.55、さらに1.54に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0060】
条件式(12)の対応値が下限値1.05を下回ると、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が小さくなりすぎ、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差をはじめ、歪曲収差やコマ収差の変動を抑えることが困難となる。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(12)の下限値を1.08に設定することが好ましい。条件式(12)の下限値を、1.10、1.13、1.15、1.18、1.20、1.23、1.24、1.28、さらに1.30に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0061】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(13)を満足することが好ましい。
(βWF1+1/βWF1)-2<0.250 ・・・(13)
但し、
βWF1:広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
【0062】
条件式(13)は、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率が満たす条件を規定するものである。この条件式(13)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差や歪曲収差、コマ収差をはじめとする諸収差の変動を抑えつつ、第1合焦レンズ群の移動量を小さくすることができる。
【0063】
条件式(13)の対応値が上限値0.250を上回ると、広角端状態における第1合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の移動量が大きくなりすぎるため好ましくない。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(13)の上限値を0.249に設定することが好ましい。条件式(13)の上限値を、0.248、0.247、0.246、さらに0.245に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0064】
また、上記変倍光学系は、さらに以下の条件式(14)を満足することが好ましい。
(βWF2+1/βWF2)-2<0.250 ・・・(14)
但し、
βWF2:広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率
【0065】
条件式(14)は、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の横倍率を規定するものである。この条件式(14)を満足することで、広角端状態における無限遠物体から近距離物体への合焦の際の球面収差や歪曲収差、コマ収差をはじめとする諸収差の変動を抑えつつ、第2合焦レンズ群の移動量を小さくすることができる。
【0066】
条件式(14)の対応値が上限値0.249を上回ると、広角端状態における第2合焦レンズ群の無限遠物体合焦時の移動量が大きくなりすぎるため好ましくない。本実施形態の効果を確実なものとするためには、条件式(14)の上限値を0.248に設定することが好ましい。条件式(14)の上限値を、0.245、0.240、0.238、0.235、0.233、0.230、0.228、さらに0.225に設定することで、本実施形態の効果はさらに確実なものとなる。
【0067】
先に説明した光学機器は、以上に説明した変倍光学系を搭載することにより、鏡筒を大型化することなく高速且つ静粛なオートフォーカスを実現するとともに、広角端状態から
望遠端状態への変倍時の収差変動、ならびに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑えることができる。
【0068】
続いて、
図17を参照しながら、上記変倍光学系の製造方法について概説する。変倍光学系は、複数のレンズ群をそれぞれ構成し(ST1)、構成されたレンズ群を以下の条件でレンズ鏡筒内に配置する(ST2)ことにより製造される。複数のレンズ群は、変倍の際に隣り合う各レンズ群の間隔が変化するように配置する。ここで配置する複数のレンズ群の中には、合焦の際に移動する第1合焦レンズ群と、第1合焦レンズ群より像面側に配置され合焦の際に前記第1合焦レンズ群とは異なる軌跡で移動する第2合焦レンズ群とが含まれている。第1合焦レンズ群および第2合焦レンズ群は、いずれも負の屈折力を有している。第1合焦レンズ群または第2合焦レンズ群は、正の屈折力を有するレンズを少なくとも一つ含み、前述の条件式(1)を満足するように構成される。
【0069】
上記手順により製造された変倍光学系およびその変倍光学系を搭載した光学機器は、鏡筒を大型化することなく高速且つ静粛なオートフォーカスを実現するとともに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、ならびに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑えることができる。
【実施例0070】
以下、上記変倍光学系について、第1実施例から第5実施例までの5つの数値実施例を示して、さらに説明する。はじめに、各実施例の説明の中で参照する図表の見方を説明する。
【0071】
図1、
図4、
図7、
図10および
図13は、各実施例における変倍光学系のレンズ構成および動作を示す図である。各図の中央には、レンズ群の配列を断面図により示している。各図の下段には、広角端状態(W)から望遠端状態に(T)ズーミング(変倍)するときのレンズ群Gおよび絞りSの光軸に沿った移動軌跡を、2次元平面上の矢印で示している。2次元平面の横軸は光軸上の位置、縦軸は変倍光学系の状態である。また、各図の上段には、無限遠から近距離物体に合焦する際の合焦レンズ群の移動軌跡(移動方向および移動量)を、「合焦」および「∞」の文字とともに矢印で示している。
【0072】
図1、
図4、
図7、
図10および
図13では、各レンズ群を符号Gと数字の組み合わせにより表し、各レンズを符号Lと数字の組み合わせにより表している。本明細書では、符号の増加による煩雑化を防ぐため、実施例ごとに付番を行っている。このため、複数の実施例において同一の符号と数字の組み合わせが用いられる場合があるが、これは、その符号と数字の組み合わせが示す構成が同一であることを意味するものではない。
【0073】
図2、
図5、
図8、
図11および
図14は、各実施例における変倍光学系の無限遠合焦時の諸収差図であり、
図3、
図6、
図9、
図12および
図15は、各実施例における変倍光学系の近距離合焦時の諸収差図である。これらの図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Yは像高をそれぞれ示す。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーまたは開口数の値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。倍率色収差図では、g線を基準とした倍率色収差を示す。
【0074】
続いて、各実施例の説明に用いられる表について説明する。[全体諸元]の表において、fはレンズ全系の焦点距離、FNОはFナンバー、2ωは画角(単位は°(度)で、ωが半画角である)、Ymaxは最大像高を示す。TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えた距離を示し、BFは無限遠合焦時の光
軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの空気換算距離(バックフォーカス)を示す。なお、これらの値は、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態におけるそれぞれについて示している。
【0075】
また、[全体諸元]の表において、MWF1は、広角端状態において無限遠物体から近距離物体(最も近距離の物体)へ合焦する際の第1の合焦レンズ群の移動量の絶対値を示す。MWF2は、広角端状態において無限遠物体から近距離物体(最も近距離の物体)へ合焦する際の第2の合焦レンズ群の移動量の絶対値を示す。βWF1は、広角端状態において無限遠物体に合焦する場合の第1の合焦レンズ群の横倍率を示す。βWF2は、広角端状態において無限遠物体に合焦する場合の第2の合焦レンズ群の横倍率を示す。
【0076】
[レンズ諸元]の表において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を示し、Rは各光学面の曲率半径(曲率中心が像面側に位置する面を正の値としている)、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を、それぞれ示す。(絞りS)は開口絞りを、曲率半径の「∞」は平面又は開口を、それぞれ示す。空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。レンズ面が非球
面である場合には面番号に*印を付して曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示している。
【0077】
[非球面データ]の表には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(A)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離(ザグ量)を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、その記載を省略している。
X(y)=(y2/R)/{1+(1-κ×y2/R2)1/2}+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10+A12×y12 ・・・(A)
【0078】
[レンズ群データ]の表には、各レンズ群のそれぞれの始面(最も物体側の面)と焦点距離を示す。
【0079】
[可変間隔データ]の表には、[レンズ諸元]を示す表において面間隔が「可変」となっている面番号での面間隔を示す。ここでは無限遠および近距離に合焦させたときのそれぞれについて、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態における面間隔を示す。
【0080】
[条件式対応値]の表には、各条件式に対応する値を示す。
【0081】
なお、焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さの単位としては、一般に「mm」が用いられているため、本明細書の各表でも長さの単位は「mm」としている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、長さの単位は必ずしも「mm」に限られるものではない。
【0082】
ここまでの図および表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
【0083】
(第1実施例)
第1実施例について、
図1、
図2、
図3および表1を用いて説明する。
図1は、第1実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第1実施例に係る変倍光学系ZL(1)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を
有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5(第1合焦レンズ群)と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6(第2合焦レンズ群)と、正の屈折力を有する第7レンズ群G7とから構成されている。ここでは、第1から第4までのレンズ群G1~G4が先行レンズ群GFに該当し、第7レンズ群G7が後続レンズ群GRに該当する。像面Iは、第7レンズ群G7の後に位置する。
【0084】
広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍の際には、第1~第7レンズ群G1~G7が
図1下段の矢印が示す軌跡に沿って移動することで、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、変倍が行われる。また、合焦の際には、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6が、
図1上段の矢印で示す方向(像面方向)に、独立して(異なる軌跡で)移動することで、無限遠物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0085】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
【0086】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側の面が非球面である。
【0087】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合負レンズとから構成される。
【0088】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凹形状の負レンズL42と両凸形状の正レンズL43との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL44とから構成される。正レンズL41は、物体側の面が非球面である。正レンズL44は、像面側の面が非球面である。
【0089】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と、両凹形状の負レンズL52とから構成される。
【0090】
第6レンズ群G6は、両凹形状の負レンズL61から構成される。負レンズL61は、物体側の面が非球面である。
【0091】
第7レンズ群G7は、両凸形状の正レンズL71から構成される。
【0092】
以下の表1に、第1実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0093】
(表1)
[全体諸元]
変倍比=2.74
fFP=53.823(L51)
fFN=-26.346(L52)
MWF1=0.255
MWF2=0.618
βWF1=1.418
βWF2=1.530
W M T
f 24.8 50.0 67.9
FNO 2.92 2.92 2.92
2ω 85.14 45.20 34.12
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 135.45 153.76 169.45
BF 13.08 25.53 33.89
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物体面 ∞
1 11820.3050 2.500 1.84666 23.80
2 254.8436 3.832 1.59319 67.90
3 1938.9860 0.200
4 81.3609 6.634 1.81600 46.59
5 717.8392 D5(可変)
6* 170.2224 2.000 1.67798 54.89
7 19.0228 8.030
8 -102.7918 1.200 1.59319 67.90
9 39.9274 0.200
10 30.7705 3.844 1.85000 27.03
11 120.7450 4.556
12 -26.6990 1.200 1.60300 65.44
13 -48.1940 D13(可変)
14(絞りS) ∞ 1.500
15 51.8883 3.971 1.90265 35.73
16 -335.1012 0.200
17 34.2757 7.394 1.49782 82.57
18 -32.4829 1.300 1.81600 46.59
19 124.5969 D19(可変)
20* 73.3752 4.605 1.82098 42.50
21 -40.9497 0.222
22 -60.6253 1.200 1.85478 24.80
23 23.2350 6.747 1.49782 82.57
24 -68.9735 0.930
25 51.1526 5.532 1.80604 40.74
26* -59.8674 D26(可変)
27 364.3227 3.545 1.94595 17.98
28 -58.9057 0.200
29 -87.4737 1.200 1.77250 49.62
30 26.6831 D30(可変)
31* -54.3769 1.300 1.95150 29.83
32 226.2913 D32(可変)
33 84.9939 5.357 1.83481 42.73
34 -133.1562 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
K=1.0000
A4=2.79734E-06, A6=-1.48626E-09, A8=2.33651E-12, A10=-3.91747E-17
第20面
K=1.0000
A4=-1.24053E-05, A6=2.41375E-10, A8=1.23614E-11, A10=-2.66251E-14
第26面
K=1.0000
A4=1.94712E-06, A6=-7.52657E-09, A8=-2.53945E-12, A10=9.10643E-15
第31面
K=1.0000
A4=-5.72467E-06, A6=-2.85790E-08, A8=9.21679E-11, A10=-4.86764E-13
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
1 1 129.519
2 6 -21.862
3 14 47.382
4 20 28.141
5 27 -53.501
6 31 -45.973
7 33 62.847
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
D5 2.000 20.511 30.687 2.000 20.511 30.687
D13 18.977 5.779 2.000 18.977 5.779 2.000
D19 9.078 3.248 2.000 9.078 3.248 2.000
D26 2.614 2.197 2.001 2.869 2.555 2.431
D30 7.108 7.282 6.363 7.472 7.442 6.438
D32 3.198 9.812 13.117 2.579 9.294 12.612
[条件式対応値]
条件式(1) fFP/(-fFN) = 2.043
条件式(2) (-fFs)/fw = 1.857
条件式(3) MWF1/MWF2 = 0.412
条件式(4) βWF1/βWF2 = 0.927
条件式(5) (-fFs)/fR = 0.732
条件式(6) (-fFs)/fF = 1.634
条件式(7) f1/(-f2) = 5.924
条件式(8) 2ωw = 85.14
条件式(9) BFw/fw = 0.529
条件式(10) (r2+r1)/(r2-r1) = 0.613
条件式(11) βWF1 = 1.418
条件式(12) βWF2 = 1.530
条件式(13) (βWF1+1/βWF1)-2 = 0.2218
条件式(14) (βWF2+1/βWF2)-2 = 0.2097
【0094】
図2に、第1実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける無限遠合焦時の諸収差を示す。また、
図3に、第1実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける近距離合焦時の諸収差値を示す。
【0095】
各諸収差図より、第1実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0096】
(第2実施例)
第2実施例について、
図4、
図5、
図6および表2を用いて説明する。
図4は、第2実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第2実施例に係る変倍光学系ZL(2)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5(第1合焦レンズ群)と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6(第2合焦レンズ群)と、正の屈折力を有する第7レンズ群G7とから構成されている。ここでは、第1から第4までのレンズ群G1~G4が先行レンズ群GFに該当し、第7レンズ群G7が後続レンズ群GRに該当する。像面Iは、第7レンズ群G7の後に位置する。
【0097】
広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍の際には、第1~第7レンズ群G1~G7が
図4下段の矢印が示す軌跡に沿って移動することで、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、変倍が行われる。また、合焦の際には、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6が、
図4上段の矢印で示す方向(像面方向)に、独立して(異なる軌跡で)移動することで、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0098】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
【0099】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側の面が非球面である。
【0100】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合負レンズとから構成される。
【0101】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凹形状の負レンズL42と両凸形状の正レンズL43との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL44とから構成される。正レンズL41は、物体側の面が非球面である。
【0102】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と、両凹形状の負レンズL52とから構成される。
【0103】
第6レンズ群G6は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL61から構成される。負メニスカスレンズL61は、物体側の面が非球面である。
【0104】
第7レンズ群G7は、両凸形状の正レンズL71から構成される。正レンズL71は、物体側の面が非球面である。
【0105】
(表2)
[全体諸元]
変倍比=2.74
fFP=61.860(L51)
fFN=-26.486(L52)
MWF1=0.274
MWF2=0.666
βWF1=1.466
βWF2=1.399
W M T
f 24.8 50.0 67.9
FNO 2.92 2.92 2.92
2ω 85.14 45.14 33.98
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 136.45 152.83 166.55
BF 11.75 22.94 28.76
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物体面 ∞
1 11836.0180 2.500 1.84666 23.80
2 263.6060 3.519 1.81600 46.59
3 996.8722 0.200
4 97.5302 5.847 1.81600 46.59
5 894.1609 D5(可変)
6* 469.8262 2.000 1.58887 61.13
7 20.0932 8.459
8 -202.0263 1.200 1.77250 49.62
9 46.2591 0.200
10 32.7348 4.789 1.75520 27.57
11 757.6545 3.868
12 -30.1213 1.200 1.60300 65.44
13 -58.1128 D13(可変)
14(絞りS) ∞ 1.500
15 43.9945 3.971 1.90265 35.73
16 1479.7660 0.603
17 33.0299 7.156 1.49782 82.57
18 -34.0457 1.300 1.81600 46.59
19 92.8728 D19(可変)
20* 124.2240 4.029 1.77387 47.25
21 -37.2228 0.200
22 -64.0093 1.200 1.85478 24.80
23 21.9014 6.529 1.59319 67.90
24 -90.1349 0.921
25 48.3180 5.294 1.83400 37.18
26 -66.0132 D26(可変)
27 -1051.5067 3.250 1.94595 17.98
28 -55.5153 0.431
29 -85.9904 1.200 1.69680 55.52
30 23.6335 D30(可変)
31* -49.1357 1.300 1.95150 29.83
32 -2454.5649 D32(可変)
33* 121.4403 4.780 1.88202 37.22
34 -126.7893 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
K=1.0000
A4=3.12101E-06, A6=-1.77766E-09, A8=2.07046E-12, A10=-3.82388E-16
第20面
K=1.0000
A4=-1.59181E-05, A6=-3.41748E-10, A8=5.24280E-11, A10=-1.12143E-13
第31面
K=1.0000
A4=-8.64573E-06, A6=-1.85220E-08, A8=3.17657E-11, A10=-2.40014E-13
第33面
K=1.0000
A4=1.15695E-06, A6=7.52900E-10, A8=-4.19329E-12, A10=4.10233E-15
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
1 1 151.194
2 6 -25.501
3 14 49.576
4 20 27.755
5 27 -47.512
6 31 -52.709
7 33 70.966
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
D5 2.000 21.966 33.591 2.000 21.966 33.591
D13 23.054 7.122 2.000 23.054 7.122 2.000
D19 8.670 3.016 2.000 8.670 3.016 2.000
D26 2.760 2.196 2.542 3.034 2.530 2.948
D30 7.661 8.136 7.640 8.053 8.378 7.816
D32 3.109 10.012 12.574 2.444 9.436 11.991
[条件式対応値]
条件式(1) fFP/(-fFN) = 2.336
条件式(2) (-fFs)/fw = 1.920
条件式(3) MWF1/MWF2 = 0.412
条件式(4) βWF1/βWF2 = 1.048
条件式(5) (-fFs)/fR = 0.670
条件式(6) (-fFs)/fF = 1.712
条件式(7) f1/(-f2) = 5.929
条件式(8) 2ωw = 85.14
条件式(9) BFw/fw = 0.475
条件式(10) (r2+r1)/(r2-r1) = 1.041
条件式(11) βWF1 = 1.466
条件式(12) βWF2 = 1.399
条件式(13) (βWF1+1/βWF1)-2 = 0.2167
条件式(14) (βWF2+1/βWF2)-2 = 0.2238
【0106】
図5に、第2実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける無限遠合焦時の諸収差を示す。また、
図6に、第2実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける近距離合焦時の諸収差値を示す。
【0107】
各諸収差図より、第2実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたっ
て諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0108】
(第3実施例)
第3実施例について、
図7、
図8、
図9および表3を用いて説明する。
図7は、第3実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第3実施例に係る変倍光学系ZL(3)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4(第1合焦レンズ群)と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5(第2合焦レンズ群)と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成されている。ここでは、第1から第3までのレンズ群G1~G3が先行レンズ群GFに該当し、第6レンズ群G6が後続レンズ群GRに該当する。像面Iは、第6レンズ群G6の後に位置する。
【0109】
広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍の際には、第1~第6レンズ群G1~G6が
図7下段の矢印が示す軌跡に沿って移動することで、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、変倍が行われる。また、合焦の際には、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5が、
図7上段の矢印で示す方向(像面方向)に、独立して(異なる軌跡で)移動することで、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0110】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
【0111】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と、両凸形状の正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側の面が非球面である。
【0112】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL34と、両凹形状の負レンズL35と両凸形状の正レンズL36との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL37とから構成される。正レンズL34は、物体側の面が非球面である。正レンズL37は、像面側の面が非球面である。
【0113】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL42とから構成される。
【0114】
第5レンズ群G5は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51から構成される。負メニスカスレンズL51は、物体側の面が非球面である。
【0115】
第6レンズ群G6は、両凸形状の正レンズL61から構成される。
【0116】
以下の表3に、第3実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0117】
(表3)
[全体諸元]
変倍比=2.74
fFP=119.327(L41)
fFN=-43.472(L51)
MWF1=0.419
MWF2=0.625
βWF1=1.168
βWF2=1.427
W M T
f 24.8 50.0 67.9
FNO 3.50 3.50 3.50
2ω 85.10 45.60 34.40
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 135.45 152.59 169.45
BF 11.75 18.25 23.91
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物体面 ∞
1 800.0000 2.500 1.84666 23.80
2 149.2823 3.000 1.59319 67.90
3 205.0385 0.200
4 75.1891 6.257 1.81600 46.59
5 947.1276 D5(可変)
6* 500.0000 2.000 1.67798 54.89
7 18.8391 14.459
8 -25.1985 1.200 1.59319 67.90
9 -118.4665 0.200
10 97.8539 3.812 1.85000 27.03
11 -61.2035 1.947
12 -28.1128 1.200 1.60300 65.44
13 -45.1446 D13(可変)
14(絞りS) ∞ 1.500
15 39.0407 5.431 1.75520 27.57
16 -150.5310 0.200
17 27.2134 6.774 1.49782 82.57
18 -75.8975 1.300 2.00069 25.46
19 65.0385 2.024
20* 112.8457 3.574 1.66755 41.87
21 -42.5203 0.290
22 -65.7387 1.200 1.85478 24.80
23 18.5000 7.483 1.49782 82.57
24 -72.5400 3.463
25 94.8511 5.524 1.72825 28.38
26* -33.9997 D26(可変)
27 -157.1254 2.312 1.94594 17.98
28 -66.1574 0.200
29 77.0731 1.200 1.80400 46.60
30 30.1840 D30(可変)
31* -20.0000 1.300 1.95150 29.83
32 -39.9506 D32(可変)
33 389.0189 2.631 1.84666 23.80
34 -287.6232 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
K=1.0000
A4=9.81697E-06, A6=-1.08680E-08, A8=1.23597E-11, A10=-2.17136E-15
第20面
K=1.0000
A4=-2.26533E-05, A6=5.36979E-09, A8=1.47314E-11, A10=-1.43415E-14
第26面
K=1.0000
A4=2.62785E-07, A6=-1.29286E-08, A8=-4.74230E-12, A10=-5.79020E-14
第31面
K=1.0000
A4=1.10646E-06, A6=-1.33919E-08, A8=2.15561E-11, A10=-5.38428E-13
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
1 1 154.131
2 6 -25.881
3 14 30.388
4 27 -131.942
5 31 -43.472
6 33 195.660
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
D5 2.000 18.585 26.409 2.000 18.585 26.409
D13 22.225 5.535 2.000 22.225 5.535 2.000
D26 2.386 3.229 2.000 2.805 3.825 2.582
D30 10.756 9.234 9.377 10.962 9.079 9.166
D32 3.151 14.573 22.575 2.526 14.132 22.204
[条件式対応値]
条件式(1) fFP/(-fFN) = 2.745
条件式(2) (-fFs)/fw = 1.756
条件式(3) MWF1/MWF2 = 0.671
条件式(4) βWF1/βWF2 = 0.819
条件式(5) (-fFs)/fR = 0.222
条件式(6) (-fFs)/fF = 1.431
条件式(7) f1/(-f2) = 5.955
条件式(8) 2ωw = 85.10
条件式(9) BFw/fw = 0.475
条件式(10) (r2+r1)/(r2-r1) = 3.005
条件式(11) βWF1 = 1.168
条件式(12) βWF2 = 1.427
条件式(13) (βWF1+1/βWF1)-2 = 0.2440
条件式(14) (βWF2+1/βWF2)-2 = 0.2096
【0118】
図8に、第3実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける無限遠合焦時の諸収差を示す。また、
図9に、第3実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける近距離合焦時の諸収差値を示す。
【0119】
各諸収差図より、第3実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたっ
て諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0120】
(第4実施例)
第4実施例について、
図10、
図11、
図12および表4を用いて説明する。
図10は、第4実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第4実施例に係る変倍光学系ZL(4)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5(第1合焦レンズ群)と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6(第2合焦レンズ群)と、正の屈折力を有する第7レンズ群G7とから構成されている。ここでは、第1から第4までのレンズ群G1~G4が先行レンズ群GFに該当し、第7レンズ群G7が後続レンズ群GRに該当する。像面Iは、第7レンズ群G7の後に位置する。
【0121】
広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍の際には、第1~第7レンズ群G1~G7が
図10下段の矢印が示す軌跡に沿って移動することで、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、変倍が行われる。また、合焦の際には、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6が、
図10上段の矢印で示す方向(像面方向)に、独立して(異なる軌跡で)移動することで、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0122】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
【0123】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21から構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側の面が非球面である。
【0124】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31と、両凸形状の正レンズL32と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL33とから構成される。
【0125】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凸形状の正レンズL42と両凹形状の負レンズL43との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL44と、両凹形状の負レンズL45と両凸形状の正レンズL46との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL47とから構成される。正レンズL44は、物体側の面が非球面である。正レンズL47は、像面側の面が非球面である。
【0126】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52とから構成される。
【0127】
第6レンズ群G6は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL61から構成される。負メニスカスレンズL61は、物体側の面が非球面である。
【0128】
第7レンズ群G7は、両凸形状の正レンズL71から構成される。
【0129】
以下の表4に、第4実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0130】
(表4)
[全体諸元]
変倍比=2.74
fFP=104.146(L51)
fFN=-39.924(L61)
MWF1=0.375
MWF2=0.564
βWF1=1.173
βWF2=1.459
W M T
f 24.8 50.0 67.9
FNO 3.50 3.50 3.50
2ω 85.08 45.84 34.44
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 135.43 152.96 169.45
BF 11.75 20.53 22.23
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物体面 ∞
1 800.0000 2.500 1.84666 23.80
2 161.6173 3.000 1.59319 67.90
3 233.4567 0.200
4 88.3647 5.578 1.81600 46.59
5 1494.7667 D5(可変)
6* 500.0000 2.000 1.67798 54.89
7 20.0442 D7(可変)
8 -23.6909 1.200 1.59319 67.90
9 -99.5585 0.200
10 130.0428 3.826 1.85000 27.03
11 -52.3275 1.221
12 -32.7025 1.200 1.60300 65.44
13 -46.7034 D13(可変)
14(絞りS) ∞ 1.658
15 42.4477 4.725 1.75520 27.57
16 -240.9219 1.366
17 27.1858 6.996 1.49782 82.57
18 -51.9273 1.300 2.00069 25.46
19 50.0514 2.382
20* 108.1669 2.719 1.66755 41.87
21 -76.2004 0.200
22 -3410.9598 1.200 1.85478 24.80
23 20.2029 7.635 1.49782 82.57
24 -49.1628 1.439
25 149.7679 6.074 1.72825 28.38
26* -30.1914 D26(可変)
27 -162.6654 2.460 1.94594 17.98
28 -61.8074 0.200
29 86.8437 2.035 1.80400 46.60
30 28.2564 D30(可変)
31* -20.2693 1.300 1.95150 29.83
32 -44.8147 D32(可変)
33 15425.4800 2.506 1.84666 23.80
34 -190.6511 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
K=1.0000
A4=7.50942E-06, A6=-6.77248E-09, A8=6.81523E-12, A10=-1.86349E-15
第20面
K=1.0000
A4=-2.45608E-05, A6=-6.09341E-09, A8=4.23890E-11, A10=-3.30984E-13
第26面
K=1.0000
A4=-1.46127E-06, A6=-1.78339E-08, A8=1.84178E-11, A10=-1.65357E-13
第31面
K=1.0000
A4=-1.14793E-07, A6=-2.17369E-08, A8=6.66752E-11, A10=-6.03155E-13
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
1 1 176.909
2 6 -30.851
3 8 -1135.437
4 14 29.673
5 27 -109.998
6 31 -39.925
7 33 222.447
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
D5 2.000 19.897 29.314 2.000 19.897 29.314
D7 17.679 14.397 13.852 17.679 14.397 13.852
D13 20.371 5.813 2.000 20.371 5.813 2.000
D26 4.463 2.867 2.000 4.838 3.299 2.417
D30 8.754 8.749 8.885 8.943 8.714 8.824
D32 3.289 13.586 24.053 2.725 13.189 23.697
[条件式対応値]
条件式(1) fFP/(-fFN) = 2.609
条件式(2) (-fFs)/fw = 1.613
条件式(3) MWF1/MWF2 = 0.665
条件式(4) βWF1/βWF2 = 0.804
条件式(5) (-fFs)/fR = 0.179
条件式(6) (-fFs)/fF = 1.346
条件式(7) f1/(-f2) = 5.734
条件式(8) 2ωw = 85.08
条件式(9) BFw/fw = 0.475
条件式(10) (r2+r1)/(r2-r1) = 2.652
条件式(11) βWF1 = 1.1727
条件式(12) βWF2 = 1.4585
条件式(13) (βWF1+1/βWF1)-2 = 0.2438
条件式(14) (βWF2+1/βWF2)-2 = 0.2175
【0131】
図11に、第4実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける無限遠合焦時の諸収差を示す。また、
図12に
、第4実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける近距離合焦時の諸収差値を示す。
【0132】
各諸収差図より、第4実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0133】
(第5実施例)
第5実施例について、
図13、
図14、
図15および表5を用いて説明する。
図13は、第5実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。第5実施例に係る変倍光学系ZL(5)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5(第1合焦レンズ群)と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6(第2合焦レンズ群)と、正の屈折力を有する第7レンズ群G7と、正の屈折力を有する第8レンズ群G8とから構成されている。ここでは、第1から第4までのレンズ群G1~G4が先行レンズ群GFに該当し、第7レンズ群G7と第8レンズ群G8が後続レンズ群GRに該当する。像面Iは、第8レンズ群G8の後に位置する。
【0134】
広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍の際には、第1~第8レンズ群G1~G8が
図13下段の矢印が示す軌跡に沿って移動することで、隣り合う各レンズ群の間隔が変化し、変倍が行われる。また、合焦の際には、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6が、
図13上段の矢印で示す方向(像面方向)に、独立して(異なる軌跡で)移動することで、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0135】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
【0136】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側の面が非球面である。
【0137】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合正レンズとから構成される。
【0138】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凹形状の負レンズL42と両凸形状の正レンズL43との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL44とから構成される。正レンズL41は、物体側の面が非球面である。正レンズL44は、像面側の面が非球面である。
【0139】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と、両凹形状の負レンズL52とから構成される。
【0140】
第6レンズ群G6は、両凹形状の負レンズL61から構成される。負レンズL61は、物体側の面が非球面である。
【0141】
第7レンズ群G7は、両凸形状の正レンズL71から構成される。
【0142】
第8レンズ群G8は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL81から構成される。
【0143】
以下の表5に、第5実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0144】
(表5)
[全体諸元]
変倍比=2.74
fFP=60.229(L51)
fFN=-28.641(L52)
MWF1=0.201
MWF2=0.694
βWF1=1.405
βWF2=1.534
W M T
f 24.8 50.0 67.9
FNO 2.92 2.92 2.92
2ω 85.18 45.24 34.12
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 135.45 154.15 169.45
BF 11.38 23.63 31.35
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物体面 ∞
1 11891.6830 2.500 1.84666 23.80
2 259.8551 3.953 1.59319 67.90
3 4532.4082 0.200
4 82.2793 6.511 1.81600 46.59
5 637.5320 D5(可変)
6* 166.9549 2.000 1.67798 54.89
7 18.9915 7.826
8 -128.0661 1.200 1.59319 67.90
9 39.3297 0.200
10 30.2329 3.805 1.85000 27.03
11 108.1671 4.249
12 -26.7310 1.200 1.60300 65.44
13 -50.1190 D13(可変)
14(絞りS) ∞ 1.500
15 52.2117 3.906 1.90265 35.72
16 -426.9813 0.200
17 36.5119 7.383 1.49782 82.57
18 -31.0542 1.300 1.81600 46.59
19 191.2416 D19(可変)
20* 83.3066 4.681 1.82098 42.50
21 -38.9988 0.299
22 -52.7599 1.200 1.85478 24.80
23 26.2315 6.594 1.49782 82.57
24 -62.9470 0.212
25 52.3086 5.490 1.80604 40.74
26* -58.3708 D26(可変)
27 592.1811 3.338 1.94594 17.98
28 -62.8662 0.200
29 -106.8070 1.200 1.77250 49.62
30 28.0432 D30(可変)
31* -84.0436 1.300 1.95150 29.83
32 101.0812 D32(可変)
33 76.7980 4.332 1.83481 42.73
34 -571.5236 D34(可変)
35 -84.4248 2.428 1.67252 26.52
36 -64.1857 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
K=1.0000
A4=2.89860E-06, A6=-1.09792E-09, A8=1.24848E-12, A10=1.65714E-15
第20面
K=1.0000
A4=-1.21758E-05, A6=2.33795E-10, A8=1.34229E-11, A10=-2.74633E-14
第26面
K=1.0000
A4=2.89243E-06, A6=-6.52485E-09, A8=1.47471E-14, A10=1.05852E-14
第31面
K=1.0000
A4=-5.73632E-06, A6=-2.30482E-08, A8=6.15426E-11, A10=-2.77958E-13
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
1 1 130.490
2 6 -21.991
3 14 47.900
4 20 27.873
5 27 -56.211
6 31 -48.064
7 33 81.345
8 35 379.801
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
D5 2.000 20.708 31.055 2.000 20.708 31.055
D13 18.835 5.825 2.000 18.835 5.825 2.000
D19 9.480 3.315 2.000 9.480 3.315 2.000
D26 2.777 2.126 2.000 2.977 2.460 2.419
D30 6.407 6.601 5.787 6.901 6.815 5.893
D32 3.039 10.144 13.339 2.345 9.596 12.814
D34 2.329 2.594 2.721 2.329 2.594 2.721
[条件式対応値]
条件式(1) fFP/(-fFN) = 2.103
条件式(2) (-fFs)/fw = 1.942
条件式(3) MWF1/MWF2 = 0.289
条件式(4) βWF1/βWF2 = 0.916
条件式(5) (-fFs)/fR = 0.702
条件式(6) (-fFs)/fF = 1.724
条件式(7) f1/(-f2) = 5.934
条件式(8) 2ωw = 85.18
条件式(9) BFw/fw = 0.460
条件式(10) (r2+r1)/(r2-r1) = 0.092
条件式(11) βWF1 = 1.405
条件式(12) βWF2 = 1.534
条件式(13) (βWF1+1/βWF1)-2 = 0.2232
条件式(14) (βWF2+1/βWF2)-2 = 0.2093
【0145】
図14に、第5実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける無限遠合焦時の諸収差を示す。また、
図15に、第5実施例に係る変倍光学系の、広角端状態(A)、中間焦点距離状態(B)、望遠端状態(C)のそれぞれにおける近距離合焦時の諸収差値を示す。
【0146】
各諸収差図より、第5実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0147】
以上に説明した各実施例によれば、合焦用レンズ群を小型軽量化することで、鏡筒を大型化することなく高速なAF、AF時の静粛性を実現し、さらに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、ならびに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑えた変倍光学系を実現することができる。
【0148】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項の記載により特定される光学性能を損なわない範囲で、適宜変更可能である。
【0149】
また、上記実施例では、6群構成、7群構成、8群構成の変倍光学系を示したが、その他の群構成の変倍光学系(例えば、変倍光学系の最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した9群構成等)とすることもできる。ここで、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0150】
また、本願の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面としては、球面、平面、非球面のいずれを採用してもよい。球面または平面のレンズ面は、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができ、さらには像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないという利点がある。非球面のレンズ面としては、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、またはガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
【0151】
また、本願の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面には、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。