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特開2023-84217基板支持台、プラズマ処理装置及びリングの交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084217
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】基板支持台、プラズマ処理装置及びリングの交換方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230612BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198257
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】松浦 伸
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信峰
(72)【発明者】
【氏名】パク ギョンミン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA04
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BD03
5F131AA02
5F131BA19
5F131BB04
5F131CA42
5F131CA46
5F131DA20
5F131DA22
5F131DA43
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB72
5F131DB77
5F131DD25
5F131EA03
5F131EB12
5F131EB13
5F131EB16
5F131EB72
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板支持台が備える2種類のリングを共通のリフタで交換可能にする基板支持台、リングの交換方法及びプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】ウェハ支持台101は、基板載置部(静電チャック104の中央部)と、基板載置部を囲むように設けられる第1リング(エッジリングE)と、第1リングを囲み、且つ、第1リングと平面視で重ならないように設けられる第2リング(外側リングD)と、その内側部分が平面視で第1リングと重なり、その外側部分が平面視で第2リングと重なるように、第1リング及び第2リングの下方に設けられ、内側部分に孔Taを有する第3リング(搬送リングT)と、第3リングの孔から上方に突出して第1リングと係合する第1係合部108a及び第1係合部の下方に位置し第3リングと係合する第2係合部が設けられたリフタ108と、リフタを昇降させるアクチュエータと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板載置部と、
前記基板載置部を囲むように設けられる第1リングと、
前記第1リングを囲み且つ当該第1リングと平面視で重ならないように設けられる第2リングと、
その内側部分が平面視で前記第1リングと重なり、その外側部分が平面視で前記第2リングと重なるように、前記第1リング及び前記第2リングの下方に設けられ、前記内側部分に孔を有する第3リングと、
前記第3リングの前記孔から上方に突出して前記第1リングと係合する第1係合部と、前記第1係合部の下方に位置し前記第3リングと係合する第2係合部とが設けられたリフタと、
前記リフタを昇降させるアクチュエータと、を備える、基板支持台。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記第2係合部に前記第3リングが係合した前記リフタを昇降させて、前記第3リングに係合した前記第2リングを昇降させる、請求項1に記載の基板支持台。
【請求項3】
前記第3リングは、絶縁性材料または前記第1リングの材料より電気抵抗率が高い導電性材料で形成される、請求項1または2に記載の基板支持台。
【請求項4】
前記第1リングは、導電性材料で形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項5】
前記第1リングは、エッジリングである、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項6】
前記第2リングは、導電性材料で形成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項7】
前記第2係合部は、前記リフタの軸方向に沿って前記第1係合部に連接され、当該第1係合部の外周から突出する突出部を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記第1係合部に前記第1リングが係合した前記リフタを昇降させて、前記第1リングを昇降させる、請求項1~7のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記第1リングの搬送時、前記第1係合部の頂部が所定の高さに到達するまで前記リフタを上昇させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記第2リングが係合した前記第3リングの搬送時、前記第2係合部の頂部が所定の高さに到達するまで前記リフタを上昇させる、請求項1~9のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記第1リング及び前記第2リングが係合した前記第3リングの搬送時、前記第1係合部の頂部が所定の高さに到達するまで前記リフタを上昇させる、請求項1~10のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項12】
基板載置部の外周側に設けられ前記第2リング及び前記第3リングが載置されるリング載置面をさらに備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項13】
前記第1リングは、前記第2リング及び前記第3リングが載置された前記リング載置面と前記基板載置部との間の別のリング載置面上に、載置される、請求項12に記載の基板支持台。
【請求項14】
前記第1リングを前記別のリング載置面に静電吸着する電極と、
前記別のリング載置面と前記第1リングの下面との間に伝熱ガスを供給するガス供給機構と、をさらに備える、請求項13に記載の基板支持台。
【請求項15】
前記アクチュエータは、前記第1リング、前記第2リング及び前記第3リングのうち前記第1リングにのみ選択的に係合した前記リフタを昇降させる、請求項1~14のいずれか1項に記載の基板支持台。
【請求項16】
基板載置部と、
前記基板載置部を囲むように設けられる外側リングと、
その外側部分が平面視で前記外側リングと重なるように、前記外側リングの下方に設けられた内側リングと、
前記内側リングと係合する係合部が設けられたリフタと、
前記リフタを昇降させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記係合部に前記内側リングが係合した前記リフタを昇降させて、前記内側リングに係合した前記外側リングを昇降させる、基板支持台。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の基板支持台と、
前記基板支持台が内部に設けられ、減圧可能に構成された処理容器と、を備える、プラズマ処理装置。
【請求項18】
基板支持台のリングの交換方法であって、
前記基板支持台は、
基板載置部と、
前記基板載置部を囲むように設けられる第1リングと、
前記第1リングを囲み且つ当該第1リングと平面視で重ならないように設けられる第2リングと、
その内側部分が平面視で前記第1リングと重なり、その外側部分が平面視で前記第2リングと重なるように、前記第1リング及び前記第2リングの下方に設けられ、前記内側部分に孔を有する第3リングと、
リフタと、を備え、
前記第3リングの前記孔から上方に突出する前記リフタの第1係合部で前記第1リングを支持して当該第1リングを搬送し、前記第1係合部の下方に位置する前記リフタの第2係合部で前記第3リングを支持して当該第3リングを前記第2リングと共に搬送する、交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板支持台、プラズマ処理装置及びリングの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のプラズマ処理装置の載置台は、ウェハ載置面と、リング載置面と、リフタピンと、駆動機構と、を備える。ウェハ載置面はウェハを載置する。リング載置面は、第1係合部を有する第1リングと、第1係合部の下面に至る貫通孔を有し第1係合部に係合する第2係合部を有する第2リングと、を載置する。また、リング載置面は、貫通孔に対応する位置に孔を有し、ウェハ載置面の外周側に設けられる。リフタピンは、貫通孔に嵌合する第1保持部と、当該第1保持部の軸方向に連接され第1保持部の外周から突出する突出部を有する第2保持部と、を有する。リフタピンは、第1保持部をリング載置面側にしてリング載置面の孔内に収容される。駆動機構は、リフタピンを昇降可能に駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板支持台が備える2種類のリングを共通のリフタで交換可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板載置部と、前記基板載置部を囲むように設けられる第1リングと、前記第1リングを囲み且つ当該第1リングと平面視で重ならないように設けられる第2リングと、その内側部分が平面視で前記第1リングと重なり、その外側部分が平面視で前記第2リングと重なるように、前記第1リング及び前記第2リングの下方に設けられ、前記内側部分に孔を有する第3リングと、前記第3リングの前記孔から上方に突出して前記第1リングと係合する第1係合部と、前記第1係合部の下方に位置し前記第3リングと係合する第2係合部とが設けられたリフタと、前記リフタを昇降させるアクチュエータと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板支持台が備える2種類のリングを共通のリフタで交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかるプラズマ処理装置を有するプラズマ処理システムの構成の概略を示す平面図である。
図2】処理モジュールの構成の概略を示す縦断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4】ウェハ支持台の周方向にかかる図2とは異なる部分の拡大断面図である。
図5】エッジリング及び外側リングの両方の取り付け処理中の、ウェハ支持台の周囲の状態を示す図である。
図6】エッジリング及び外側リングの両方の取り付け処理中の、ウェハ支持台の周囲の状態を示す図である。
図7】エッジリング及び外側リングの両方の取り付け処理中の、ウェハ支持台の周囲の状態を示す図である。
図8】エッジリング単体の取り付け処理中の、ウェハ支持台の周囲の状態を示す図である。
図9】エッジリングが取り外された状態での外側リングの取り外し処理中の、ウェハ支持台の周囲の状態を示す図である。
図10】外側リング及び搬送リングの他の例を示す図である。
図11】外側リングと搬送リングの位置決め形態の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイス等の製造プロセスでは、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板に対して、プラズマを用いて、エッチング等のプラズマ処理が行われる。プラズマ処理は、減圧された処理容器内の基板支持台に基板が載置された状態で行われる。
【0009】
この基板支持台は、基板が載置される基板載置部の他、定期的な交換が必要な消耗部材を備える。消耗部材には、例えば、基板載置部上の基板に隣接するように配置されるエッジリングがある。エッジリングは、プラズマに晒されることによりエッチングされるため、交換が必要となる。エッジリングの交換は、例えば、エッジリングを支持した状態で昇降するリフタと、エッジリングを搬送する搬送装置とを用いて行われる。
【0010】
ところで、基板支持台には、エッジリングに加えて、エッジリングの外側面を覆うように配置される他のリングも備える場合がある。この他のリングも、プラズマに晒されることによりエッチングされるため、定期的に交換するニーズ、すなわち、消耗部材として扱うニーズがある。
ただし、エッジリングの交換用と上記他のリングの交換用に別々のリフタを設けると、高コストとなってしまう。
【0011】
そこで、本開示にかかる技術は、基板支持台が備える2種類のリングを共通のリフタで交換可能にする。
【0012】
以下、本実施形態にかかる基板支持台、プラズマ処理装置及び基板支持台のリングの交換方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<プラズマ処理システム>
図1は、本実施形態にかかるプラズマ処理装置を有するプラズマ処理システムの構成の概略を示す平面図である。
図1のプラズマ処理システム1では、基板としてのウェハWに対して、プラズマを用いて例えばエッチング等のプラズマ処理を行う。
【0014】
プラズマ処理システム1は、大気部10と減圧部11とを有し、これら大気部10と減圧部11とがロードロックモジュール20、21を介して一体に接続されている。大気部10は、大気圧雰囲気下においてウェハWに所望の処理を行う大気モジュールを備える。減圧部11は、減圧雰囲気(真空雰囲気)下においてウェハWに所望の処理を行う処理モジュール60を備える。
【0015】
ロードロックモジュール20、21は、ゲートバルブ(図示せず)を介して、大気部10に含まれるローダモジュール30と、減圧部11に含まれるトランスファモジュール50を連結するように設けられている。ロードロックモジュール20、21は、ウェハWを一時的に保持するように構成されている。また、ロードロックモジュール20、21は、内部を大気圧雰囲気と減圧雰囲気とに切り替えられるように構成されている。
【0016】
大気部10は、後述する搬送装置40を備えたローダモジュール30と、フープ31を載置するロードポート32とを有している。フープ31は、複数のウェハWを保管可能なものである。なお、ローダモジュール30には、ウェハWの水平方向の向きを調節するオリエンタモジュール(図示せず)、複数のウェハWを一時的に格納するバッファモジュール(図示せず)等が接続されていてもよい。
【0017】
ローダモジュール30は矩形の筐体を有し、筐体の内部は大気圧雰囲気に維持されている。ローダモジュール30の筐体の長辺を構成する一側面には、複数、例えば5つのロードポート32が並設されている。ローダモジュール30の筐体の長辺を構成する他側面には、ロードロックモジュール20、21が並設されている。
【0018】
ローダモジュール30の筐体の内部には、ウェハWを搬送可能に構成された搬送装置40が設けられている。搬送装置40は、ウェハWを搬送時に支持する搬送アーム41と、搬送アーム41を回転可能に支持する回転台42と、回転台42を搭載した基台43とを有している。また、ローダモジュール30の内部には、ローダモジュール30の長手方向に延伸するガイドレール44が設けられている。基台43はガイドレール44上に設けられ、搬送装置40はガイドレール44に沿って移動可能に構成されている。
【0019】
減圧部11は、トランスファモジュール50と、プラズマ処理装置としての処理モジュール60と、収納部としての収納モジュール61と、を有している。トランスファモジュール50及び処理モジュール60の内部(具体的には後述の減圧搬送室51及びプラズマ処理チャンバ100の内部)はそれぞれ、減圧雰囲気に維持され、収納モジュール61の内部も減圧雰囲気に維持される。1つのトランスファモジュール50に対し、処理モジュール60は複数、例えば6つ設けられ、収納モジュール61も複数、例えば2つ設けられている。なお、処理モジュール60の数や配置は本実施形態に限定されず、任意に設定することができ、後述のウェハ支持台を備える少なくとも1つの処理モジュールが設けられていればよい。また、収納モジュール61の数及び配置も本実施形態に限定されず、任意に設定することができ、例えば、少なくとも1つ設けられる。
【0020】
トランスファモジュール50は、ウェハWを搬送するように構成されている。また、トランスファモジュール50は、後述のエッジリングE、外側リングD及び搬送リングTを搬送するように構成されている。
このトランスファモジュール50は、平面視多角形状(図示の例では平面視四角形状)の筐体を有する減圧搬送室51を含み、減圧搬送室51がロードロックモジュール20、21に接続されている。
【0021】
トランスファモジュール50は、ロードロックモジュール20に搬入されたウェハWを一の処理モジュール60に搬送すると共に、処理モジュール60で所望のプラズマの処理が行われたウェハWを、ロードロックモジュール21を介して大気部10に搬出する。
また、トランスファモジュール50は、収納モジュール61内のエッジリングE、外側リングD及び搬送リングTをまとめて一の処理モジュール60に搬送すると共に、処理モジュール60内のエッジリングE、外側リングD及び搬送リングTをまとめて収納モジュール61に搬出する場合がある。
さらに、トランスファモジュール50は、収納モジュール61内のエッジリングEを単体で一の処理モジュール60に搬送すると共に、処理モジュール60内のエッジリングEを単体で収納モジュール61に搬出する場合がある。
また、トランスファモジュール50は、収納モジュール61内の外側リングD及び搬送リングTをまとめて一の処理モジュール60に搬送すると共に、処理モジュール60内の外側リングD及び搬送リングTをまとめて収納モジュール61に搬出する場合がある。
【0022】
処理モジュール60は、トランスファモジュール50から搬送されたウェハWに対し、例えばエッチング等の所望のプラズマ処理を行う。また、処理モジュール60は、ゲートバルブ62を介してトランスファモジュール50に接続されている。なお、この処理モジュール60の具体的な構成は後述する。
【0023】
収納モジュール61は、エッジリングE、外側リングD及び搬送リングTを収納する。エッジリングEは、収納モジュール61内に単体で収納され、または、外側リングDを支持した搬送リングTに支持された状態で収納される。また、外側リングDは、搬送リングTに支持された状態で収納される。搬送リングTは、外側リングDのみを支持した状態、または、外側リングD及びエッジリングEの両方を支持した状態で収納される。搬送リングTの具体的な構成は後述する。
また、収納モジュール61は、ゲートバルブ63を介してトランスファモジュール50に接続されている。
【0024】
トランスファモジュール50の減圧搬送室51の内部には、搬送装置70が設けられている。搬送装置70は、ウェハWを保持して搬送可能に構成されている。また、搬送装置70は、エッジリングEと外側リングDを支持した状態及び外側リングDのみを支持した状態の搬送リングTを保持して搬送可能に構成されている。さらに、搬送装置70は、エッジリングE単体を保持して搬送可能に構成されている。
【0025】
この搬送装置70は、ウェハW、上述の状態の搬送リングT及びエッジリングE単体を搬送時に保持する搬送アーム71と、搬送アーム71を回転可能に支持する回転台72と、回転台72を搭載した基台73と、を有している。また、トランスファモジュール50の減圧搬送室51の内部には、トランスファモジュール50の長手方向に延伸するガイドレール74が設けられている。基台73はガイドレール74上に設けられ、搬送装置70はガイドレール74に沿って移動可能に構成されている。
【0026】
トランスファモジュール50では、ロードロックモジュール20内で保持されたウェハWを搬送アーム71が受け取り、処理モジュール60に搬入する。また、処理モジュール60内で保持されたウェハWを搬送アーム71が受け取り、ロードロックモジュール21に搬出する。
【0027】
さらに、トランスファモジュール50では、収納モジュール61内の、エッジリングEと外側リングDを支持した状態の搬送リングT、外側リングDのみを支持した状態の搬送リングTまたはエッジリングE単体を搬送アーム71が受け取り、処理モジュール60に搬入する場合がある。また、処理モジュール60内の、エッジリングEと外側リングDを支持した状態の搬送リングT、外側リングDのみを支持した状態の搬送リングTまたはエッジリングE単体を搬送アーム71が受け取り、収納モジュール61に搬出する場合がある。
【0028】
さらに、プラズマ処理システム1は制御装置80を有する。一実施形態において、制御装置80は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理システム1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御装置80は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理システム1の他の要素それぞれを制御するように構成され得る。一実施形態において、制御装置80の一部又は全てがプラズマ処理システム1の他の要素に含まれてもよい。制御装置80は、例えばコンピュータ90を含んでもよい。コンピュータ90は、例えば、処理部(CPU:Central Processing Unit)91、記憶部92、及び通信インターフェース93を含んでもよい。処理部91は、記憶部92に格納されたプログラムに基づいて種々の制御動作を行うように構成され得る。記憶部92は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース93は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理システム1の他の要素との間で通信してもよい。
【0029】
<プラズマ処理システム1のウェハ処理>
次に、以上のように構成されたプラズマ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
【0030】
まず、搬送装置40によって、所望のフープ31からウェハWが取り出され、ロードロックモジュール20に搬入される。その後ロードロックモジュール20内が密閉され、減圧される。その後、ロードロックモジュール20の内部とトランスファモジュール50の内部が連通される。
【0031】
次に、搬送装置70によってウェハWが保持され、ロードロックモジュール20からトランスファモジュール50に搬送される。
【0032】
次に、ゲートバルブ62が開放され、搬送装置70によって所望の処理モジュール60にウェハWが搬入される。その後、ゲートバルブ62が閉じられ、処理モジュール60においてウェハWに所望の処理が行われる。なお、この処理モジュール60においてウェハWに対して行われる処理については後述する。
【0033】
次に、ゲートバルブ62が開放され、搬送装置70によって処理モジュール60からウェハWが搬出される。その後、ゲートバルブ62が閉じられる。
【0034】
次に、搬送装置70によって、ロードロックモジュール21にウェハWが搬入される。ロードロックモジュール21にウェハWが搬入されると、ロードロックモジュール21内が密閉され、大気開放される。その後、ロードロックモジュール21の内部とローダモジュール30の内部が連通される。
【0035】
次に、搬送装置40によってウェハWが保持され、ロードロックモジュール21からローダモジュール30を介して所望のフープ31に戻されて収容される。これで、プラズマ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
【0036】
<処理モジュール60>
続いて、処理モジュール60について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、処理モジュール60の構成の概略を示す縦断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、後述のウェハ支持台101の周方向にかかる図2とは異なる部分の拡大断面図である。
【0037】
図2に示すように、処理モジュール60は、処理容器としてのプラズマ処理チャンバ100、ガス供給部130、RF(Radio Frequency:高周波)電力供給部140及び排気システム150を含む。また、処理モジュール60は、ガス供給部125(図4参照)も含む。さらに、処理モジュール60は、基板支持台としてのウェハ支持台101及び上部電極102を含む。
【0038】
ウェハ支持台101は、減圧可能に構成されたプラズマ処理チャンバ100内のプラズマ処理空間100sの下部領域に配置される。上部電極102は、ウェハ支持台101の上方に配置され、プラズマ処理チャンバ100の天部(ceiling)の一部として機能し得る。
【0039】
ウェハ支持台101は、プラズマ処理空間100sにおいてウェハWを支持するように構成される。一実施形態において、ウェハ支持台101は、下部電極103、静電チャック104、支持体105、絶縁体106、リフタ107、リフタ108、エッジリングE、外側リングD及び搬送リングTを含む。
【0040】
下部電極103は、例えばアルミニウム等の導電性材料で形成されている。一実施形態において、下部電極103の内部には、温調流体の流路109が形成されている。流路109には、プラズマ処理チャンバ100の外部に設けられたチラーユニット(図示せず)から温調流体が供給される。流路109に供給された温調流体は、チラーユニットに戻るようになっている。流路109の中に、温調流体として例えば低温のブラインを循環させることによって、例えば、ウェハ支持台101、ウェハ支持台101に載置されたウェハW、エッジリングEまたは外側リングDを所定の温度に冷却することができる。流路109の中に、温調流体として例えば高温のブラインを循環させることによって、例えば、ウェハ支持台101、ウェハ支持台101に載置されたウェハW、エッジリングEまたは外側リングDを所定の温度に加熱することができる。
なお、ウェハ支持台101に温調機構を設ける場合、温調機構の形態は、上述の流路109に限られず、例えば抵抗加熱式のヒータ等、他の形態であってもよい。また、ウェハ支持台101において温調機構が配設される部材は、下部電極103に限られず、他の部材であってもよい。
【0041】
静電チャック104は、下部電極103上に設けられている。静電チャック104は、ウェハWが載置されるものであり、一実施形態において、その中央部が基板載置部を構成する。また、一実施形態において、静電チャック104は、エッジリングEも載置される。静電チャック104は、ウェハWとエッジリングEとの両方を静電力により吸着保持してもよい。一実施形態において、静電チャック104は、周縁部の上面に比べて中央部の上面が高く形成され、静電チャック104の中央部の上面104aにウェハWが載置され、静電チャック104の周縁部の上面104bにエッジリングEが載置される。
【0042】
エッジリングEは、静電チャック104の中央部(具体的には中央部の外周)を囲むように設けられる部材である。言い換えると、エッジリングEは、静電チャック104に載置された(具体的には静電チャック104の中央部の上面104aに載置された)ウェハWを囲むように配置される部材である。エッジリングEは、本開示にかかる「第1リング」の一例であり、環状に形成され、より具体的には、平面視円環状に形成されている。
エッジリングEの材料には、Si、SiO等の導電性材料が用いられる。
【0043】
エッジリングEの外側面を覆う部材が外側リングDである。外側リングDは、言い換えると、エッジリングE(具体的にはエッジリングEの外周)を囲むように設けられる部材である。また、外側リングDは、本開示にかかる「第2リング」の一例であり、環状に形成され、より具体的には、平面視円環状に形成されている。
外側リングDの材料には、Si、SiC等の導電性材料が用いられる。エッジリングEの材料と外側リングDの材料とは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0044】
この外側リングDは、エッジリングEと平面視で重ならないように設けられる。具体的には、外側リングDは、エッジリングEと同心としたときに平面視で当該エッジリングEと重ならないように形成されている。より具体的には、例えば、外側リングDの最内周部の直径が、エッジリングEの最外周部の直径より大きくなるように、外側リングDは形成されている。
ウェハ支持台101における外側リングDの交換は、搬送リングTを用いて行われる。エッジリングEの交換にも搬送リングTが用いられることがある。
【0045】
搬送リングTは、平面視で、その内側部分がエッジリングEと重なり、その外側部分が外側リングDと重なるように、エッジリングE及び外側リングDの下方に設けられる部材である。また、搬送リングTは、本開示にかかる「第3リング」及び「内側リング」の一例であり、環状に形成され、より具体的には、平面視円環状に形成されている。例えば、搬送リングTの最内周部の直径が、エッジリングEの最外周部の直径より小さく、且つ、搬送リングTの最外周部の直径が、外側リングDの最内周部の直径より大きくなるように、搬送リングTは形成されている。
【0046】
搬送リングTの材料には、例えば、SiO、セラミックス材料(例えばAl)等の絶縁性材料が用いられる。また、搬送リングTの材料は、エッジリングEより電気抵抗率が高い、Si、SiC等の導電性材料、すなわち、エッジリングEの材料より電気抵抗率が高くなるよう不純物濃度が調整された、Si、SiC等の導電性材料であってもよい。
【0047】
また、搬送リングTは、リフタ108それぞれに対応する位置に、リフタ108が挿通される孔Taを有する。孔Taは、平面視でエッジリングEの外周部と重なる搬送リングTの内周部に、当該搬送リングTを貫通するように設けられている。
一実施形態において、図3に示すように、外側リングDの最内周部には、外側リングDの径方向外側に凹む凹部Daが全周に亘って形成されている。搬送リングTは、外側リングDの凹部Daに収まるように形成されている。
【0048】
静電チャック104の中央部には、図2に示すように、ウェハWを静電吸着により保持するための電極110が設けられている。静電チャック104の周縁部に、エッジリングEを静電吸着により保持するための電極111が設けられていてもよい。電極111は、具体的には、平面視で、エッジリングEと重なり且つ搬送リングTと重ならない部分に設けられている。静電チャック104は、例えば絶縁材料からなる絶縁材の間に電極110、111を挟んだ構成を有する。
【0049】
電極110には、直流電源(図示せず)からの直流電圧が印加される。これにより生じる静電力により、静電チャック104の中央部の上面104aにウェハWが吸着保持される。同様に、電極111には、直流電源(図示せず)からの直流電圧が印加される。これにより生じる静電力により、静電チャック104の周縁部の上面104bにエッジリングEが吸着保持される。電極111は、例えば、一対の電極111a、111bを含む双極型である。
本実施形態において、電極110が設けられる静電チャック104の中央部と、電極111が設けられる周縁部とは一体となっているが、これら中央部と周縁部とは別体であってもよい。
また、本実施形態において、エッジリングEを吸着保持するための電極111は、双極型であるものとしたが、単極型であってもよい。
【0050】
また、静電チャック104の中央部は、例えば、ウェハWの直径よりも小径に形成されており、ウェハWが静電チャック104の中央部の上面104aに載置されたときに、ウェハWの周縁部が静電チャック104の中央部から張り出すようになっている。
なお、エッジリングEは、その上部に段差が形成されており、外周部の上面が内周部の上面より高く形成されている。エッジリングEの内周部は、静電チャック104の中央部から張り出したウェハWの周縁部の下側にもぐり込むように形成されている。つまり、エッジリングEは、その内径が、ウェハWの外径よりも小さく形成されている。
【0051】
支持体105は、例えば石英等の絶縁性材料を用いて、平面視環状に形成された部材であり、下部電極103及び静電チャック104を支持する。一実施形態において、支持体105には、外側リングD及び搬送リングTが載置される。
【0052】
静電チャック104の中央部の上面104aは、ウェハWが載置される基板載置面となる。また、支持体105の上面105aは、外側リングD及び搬送リングTが載置されるリング載置面となり、静電チャック104の周縁部の上面104bは、前述の基板載置部と上記リング載置面との間に位置する、エッジリングEが載置される別のリング載置面となる。
【0053】
絶縁体106は、セラミック等で形成された円筒状の部材であり、支持体105を支持する。絶縁体106は、例えば、支持体105の外径と同等の外径を有するように形成され、支持体105の周縁部を支持する。
【0054】
リフタ107は、静電チャック104の中央部の上面104aに対して昇降する部材であり、例えば、セラミックを材料として柱状に形成される。リフタ107は、上昇したときに、その上端が上記上面104aから突出し、ウェハWを支持することが可能である。このリフタ107により、ウェハ支持台101と搬送装置70の搬送アーム71との間でウェハWを受け渡すことができる。
なお、リフタ107は、互いに間隔を空けて3本以上設けられ、上下方向に延びるように設けられている。
【0055】
リフタ107は、アクチュエータ112によって昇降する。アクチュエータ112は、例えば、複数のリフタ107を支持する支持部材113と、支持部材113を昇降させる駆動力を発生させ、複数のリフタ107を昇降させる駆動部114とを有する。駆動部114は、上記駆動力を発生する駆動源として、例えばモータ(図示せず)を有する。
【0056】
リフタ107は、静電チャック104の中央部の上面104aに上端が開口する挿通孔115に挿通される。挿通孔115は、例えば、静電チャック104の中央部の上面104aから下方に延び下部電極103の底面まで至るように形成されている。
【0057】
リフタ108は、前述のリング載置面を構成する支持体105の上面105aに対して昇降する昇降部材であり、例えばセラミックを材料として柱状に形成される。リフタ108は、上昇したときに、その上端が支持体105の上面105aから突出可能に構成されている。リフタ108は、具体的には、支持体105の内周部の上面105aにおける平面視でエッジリングEと搬送リングTと重なる位置から突出可能に構成されている。
なお、リフタ108は、静電チャック104の周方向に沿って、互いに間隔を空けて3本以上設けられ、上下方向に延びるように設けられている。
【0058】
リフタ108は、アクチュエータ116によって昇降する。アクチュエータ116は、例えば、複数のリフタ108を支持する支持部材117と、支持部材117を昇降させる駆動力を発生させ、複数のリフタ107を昇降させる駆動部118とを有する。駆動部118は、上記駆動力を発生する駆動源として、例えばモータ(図示せず)を有する。
【0059】
リフタ108は、外側リングD及び搬送リングTを支持する支持体105の上面105aに上端が開口する挿通孔119に挿通される。挿通孔119は、支持体105の内周部に、例えば支持体105を貫通するように形成されている。
【0060】
また、リフタ108は、図3に示すように、第1係合部108aと第2係合部108bとを有する。
第1係合部108aは、リフタ108の上部により構成され、搬送リングTの孔Taから上方に突出して、エッジリングEと係合する。第1係合部108aは、リフタ108が上昇したときに、搬送リングTの孔Taを通過し、エッジリングEの底面に当接し、これにより、エッジリングEを底面から支持するように構成されている。
【0061】
第2係合部108bは、第1係合部108aの下方に位置し、搬送リングTと係合する。具体的には、第2係合部108bは、搬送リングTの孔Taを通過せずに搬送リングTの底面に当接し、これにより、搬送リングTを底面から支持するように構成されている。
また、第2係合部108bは、リフタ108の軸方向に沿って、第1係合部108aの基端側に連接されている。また、第2係合部108bは、第1係合部108aに連接する位置に、第1係合部108aの外周から外側に向けて突出する突出部108cを有する。
【0062】
第1係合部108a、第2係合部108b及び突出部108cの具体的な形状は特に限定されない。例えば、第1係合部108a、第2係合部108b及び突出部108cはそれぞれ、円柱状部材であって、互いに同軸となっていてもよい。
【0063】
前述のアクチュエータ116は、第2係合部108bに搬送リングTが係合したリフタ108を昇降させて、搬送リングTに係合した外側リングDを昇降させる。
また、アクチュエータ116は、第1係合部108aにエッジリングEが係合したリフタ108を昇降させて、エッジリングEを昇降させる。
【0064】
静電チャック104の中央部の上面104aには、当該上面104aに載置されたウェハWの裏面に伝熱ガスを供給するため、ガス供給穴(図示せず)が形成されている。ガス供給穴からは、ガス供給部(図示せず)からの伝熱ガスが供給される。ガス供給部は、1又はそれ以上のガスソース及び1又はそれ以上の圧力制御器を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部は、例えば、ガスソースからの伝熱ガスを、圧力制御器を介して上記ガス供給穴に供給するように、構成される。
【0065】
さらに、図4に示すように、静電チャック104の周縁部の上面104bに対しては、伝熱ガス供給路120が形成されている。伝熱ガス供給路120は、上面104bに載置されたエッジリングEの裏面に、ヘリウムガス等の伝熱ガスを供給する。伝熱ガス供給路120は、上面104bに流体連通するように設けられている。また、伝熱ガス供給路120の上面104bとは反対側は、ガス供給部125と流体連通している。ガス供給部125は、1又はそれ以上のガスソース126及び1又はそれ以上の流量制御器127を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部125は、例えば、ガスソース121から流量制御器127を介して伝熱ガス供給路に供給するように構成される。各流量制御器127は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。
【0066】
図2に示すように、上部電極102は、ガス供給部130からの1又はそれ以上の処理ガスをプラズマ処理空間100sに供給するシャワーヘッドとしても機能する。一実施形態において、上部電極102は、ガス入口102a、ガス拡散室102b、及び複数のガス出口102cを有する。ガス入口102aは、例えば、ガス供給部130及びガス拡散室102bと流体連通している。複数のガス出口102cは、ガス拡散室102b及びプラズマ処理空間100sと流体連通している。一実施形態において、上部電極102は、1又はそれ以上の処理ガスをガス入口102aからガス拡散室102b及び複数のガス出口102cを介してプラズマ処理空間100sに供給するように構成される。
【0067】
ガス供給部130は、1又はそれ以上のガスソース131及び1又はそれ以上の流量制御器132を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部130は、例えば、1又はそれ以上の処理ガスを、それぞれに対応のガスソース131からそれぞれに対応の流量制御器132を介してガス入口102aに供給するように構成される。各流量制御器132は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部130は、1又はそれ以上の処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
【0068】
RF電力供給部140は、RF電力、例えば1又はそれ以上のRF信号を、下部電極103、上部電極102、又は、下部電極103及び上部電極102の双方のような1又はそれ以上の電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間100sに供給された1又はそれ以上の処理ガスからプラズマが生成される。したがって、RF電力供給部140は、プラズマ処理チャンバにおいて1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。RF電力供給部140は、例えば、2つのRF生成部141a、141b及び2つの整合回路142a、142bを含む。一実施形態において、RF電力供給部140は、第1のRF信号を第1のRF生成部141aから第1の整合回路142aを介して下部電極103に供給するように構成される。例えば、第1のRF信号は、27MHz~100MHzの範囲内の周波数を有してもよい。
【0069】
また、一実施形態において、RF電力供給部140は、第2のRF信号を第2のRF生成部141bから第2の整合回路142bを介して下部電極103に供給するように構成される。例えば、第2のRF信号は、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数を有してもよい。代わりに、第2のRF生成部141bに代えて、DC(Direct Current)パルス生成部を用いてもよい。
【0070】
さらに、図示は省略するが、本開示においては他の実施形態が考えられる。例えば、代替実施形態において、RF電力供給部140は、第1のRF信号をRF生成部から下部電極103に供給し、第2のRF信号を他のRF生成部から下部電極103に供給し、第3のRF信号をさらに他のRF生成部から下部電極103に供給するように構成されてもよい。加えて、他の代替実施形態において、DC電圧が上部電極102に印加されてもよい。
【0071】
またさらに、種々の実施形態において、1又はそれ以上のRF信号(すなわち、第1のRF信号、第2のRF信号等)の振幅がパルス化又は変調されてもよい。振幅変調は、オン状態とオフ状態との間、あるいは、2又はそれ以上の異なるオン状態の間でRF信号振幅をパルス化することを含んでもよい。
【0072】
排気システム150は、例えばプラズマ処理チャンバ100の底部に設けられた排気口100eに接続され得る。排気システム150は、圧力弁及び真空ポンプを含んでもよい。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、粗引きポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0073】
<処理モジュール60のウェハ処理>
次に、処理モジュール60を用いて行われるウェハ処理の一例について説明する。なお、処理モジュール60では、ウェハWに対して、例えばエッチング処理等の処理を行う。
【0074】
先ず、搬送装置70により、プラズマ処理チャンバ100の内部にウェハWが搬入され、リフタ107の昇降により静電チャック104上にウェハWが載置される。その後、静電チャック104の電極110に直流電圧が印加され、これにより、ウェハWが、静電力によって静電チャック104に静電吸着され、保持される。また、ウェハWの搬入後、排気システム150によってプラズマ処理チャンバ100の内部が所定の真空度まで減圧される。
【0075】
次に、ガス供給部130から上部電極102を介してプラズマ処理空間100sに処理ガスが供給される。また、RF電力供給部140からプラズマ生成用の高周波電力HFが下部電極103に供給され、これにより、処理ガスを励起させて、プラズマを生成する。この際、RF電力供給部140からイオン引き込み用の高周波電力LFが供給されてもよい。そして、生成されたプラズマの作用によって、ウェハWにプラズマ処理が施される。
【0076】
なお、プラズマ処理中、静電チャック104の電極111に直流電圧が印加され、これにより、エッジリングEが、静電力によって静電チャック104に静電吸着され、保持される。また、プラズマ処理中、静電チャック104に吸着保持されたウェハW及びエッジリングEの底面に向けて、伝熱ガス供給路120等を介して、伝熱ガスが供給される。
【0077】
プラズマ処理を終了する際には、RF電力供給部140からの高周波電力HFの供給及びガス供給部130からの処理ガスの供給が停止される。プラズマ処理中に高周波電力LFを供給していた場合には、当該高周波電力LFの供給も停止される。次いで、静電チャック104によるウェハWの吸着保持が停止される。また、ウェハWの底面への伝熱ガスの供給が停止されるようにしてもよい。
【0078】
その後、リフタ107によりウェハWを上昇させ、静電チャック104からウェハWを離脱させる。この離脱の際には、ウェハWの除電処理を行ってもよい。そして、搬送装置70によって、プラズマ処理チャンバ100からウェハWを搬出して、一連のウェハ処理が終了する。
【0079】
<外側リングDの作用効果及び搬送リングTを設けた理由>
処理モジュール60において、外側リングDは導電性材料で形成されている。したがって、外側リングDが絶縁性材料で形成されている場合と異なり、プラズマ処理の際に、外側リングDの上方にシースが形成される。そのため、以下の効果がある。
【0080】
(1)シースにより反応生成物が外側リングDに付着しにくいため、外側リングDに付着した反応生成物に起因したパーティクルがウェハWに影響を及ぼすのを抑制することができる。
(2)シースにより外側リングDの消耗が少ないため、外側リングDを長寿命化することができる。
(3)外側リングDの消耗が少ない結果、外側リングDの消耗に起因したウェハWの周縁部のエッチングレートの低下を抑制することができる。
【0081】
ただし、外側リングDもエッジリングEと消耗するため、交換の必要があるが、消耗度合いは外側リングDとエッジリングEとでは異なる。そのため、外側リングDとエッジリングEとを別々に交換可能であることが好ましい。しかし、別々に交換するために外側リングDとエッジリングEとで個別にリフタ108を設けると高コストとなってしまう。高コスト化を防ぐためには、リング間で共通のリフタ108を利用することが好ましい。
【0082】
また、導電性材料で形成された外側リングDは、プラズマ処理中、電気的に浮いた状態にあるため、同様に導電性材料で形成されているエッジリングEとの間でプラズマの影響により電位差が生じる。そのため、外側リングDとエッジリングEとの間の隙間が小さいと、上記電位差が大きくなった時等に異常放電が生じるおそれがある。また、外側リングDとエッジリングEとが平面視で重なるようにした場合、両者の間の隙間を大きく(例えば2mm以上)にすることは難しい。
したがって、本実施形態では、外側リングDとエッジリングEとが平面視で重ならず、外側リングDの外周部とエッジリングEの内周部との間に比較的な大きな隙間(例えば室温で0.1mm~3mm、より好ましくは、0.2mm~2.5mm)を設けるようにしている。
【0083】
さらに、外側リングDとエッジリングEが上述のように形成される場合、対策を施さないと、リング間で共通のリフタ108を利用して、外側リングDとエッジリングEとの両方を交換することはできない。
そこで、外側リングDとエッジリングEとの両方を支持可能に構成された搬送リングTと、エッジリングEに係合する第1係合部108a及び外側リングDを支持した搬送リングTに係合する第2係合部108bを有するリフタ108を用いている。以下では、搬送リングT及びリフタ108を用いたエッジリングE及び外側リングDの交換処理について説明する。
【0084】
<交換処理>
まず、プラズマ処理システム1における、ウェハ支持台101のエッジリングE及び外側リングDを同時に取り付ける処理の一例について、図5図7を用いて説明する。図5図7は、上記処理中のウェハ支持台101の周囲の状態を示す図である。なお、以下の処理は、制御装置80による制御の下、行われる。
【0085】
(ステップS1:搬入)
まず、収納モジュール61内の、エッジリングE及び外側リングDを支持した搬送リングTが、搬送装置70により、エッジリングE及び外側リングDの取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に搬入される。
具体的には、収納モジュール61内の上記搬送リングTが、搬送装置70の搬送アーム71によって保持される。次いで、上記取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、上記搬送リングTを保持した搬送アーム71が挿入される。この際、プラズマ処理チャンバ100は減圧されていてもよい。そして、図5に示すように、静電チャック104の周縁部の上面104b及び支持体105の上面105aの上方へ、上記搬送リングTが搬送アーム71によって搬送される。
【0086】
(ステップS2:載置)
続いて、エッジリングE及び外側リングDが、搬送装置70から静電チャック104及び支持体105に載置される。
【0087】
具体的には、全てのリフタ108の上昇が行われ、図6に示すように、エッジリングEが、搬送アーム71に保持された搬送リングTから、搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第1係合部108aへ、受け渡される。その後、全てのリフタ108の上昇が継続され、図7に示すように、搬送アーム71からリフタ108の第2係合部108bへ、外側リングDを支持した搬送リングTが受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第2係合部108bの頂部が第1の所定の高さになるまで、行われる。ここでの第1の所定の高さは、静電チャック104の中央部の上面104aと、第2係合部108bに支持された搬送された搬送リングT及び当該搬送リングTに支持された外側リングDとの間を、搬送アーム71を挿抜させたときに、当該搬送アーム71が外側リングD及び搬送リングT等と干渉しない高さである。
【0088】
続いて、搬送アーム71のプラズマ処理チャンバ100からの抜き出しが行われる。また、リフタ108の下降が行われる。これにより、エッジリングE、外側リングD及び搬送リングTが静電チャック104の周縁部の上面104b及び支持体105の上面105aに載置される。具体的には、まず、搬送リングT及び外側リングDが支持体105の上面105aに載置され、次いで、エッジリングEが静電チャック104の周縁部の上面104bに載置される。つまり、エッジリングEについては、支持体105の上面105a(すなわちリング載置面)に搬送リングT及び外側リングDが載置された状態で、静電チャック104の周縁部の上面104b(すなわち別のリング載置面)に載置される。
これで、エッジリングE及び外側リングDを同時に取り付ける一連の処理が完了する。
【0089】
なお、エッジリングEの載置後、静電チャック104に設けられた電極111に、直流電源(図示せず)からの直流電圧が印加され、これによって生じる静電力により、エッジリングEが吸着保持されてもよい。
また、一実施形態において、エッジリングEの載置後の状態において、エッジリングEの下面と搬送リングTの上面との間には小さな隙間が設けられている。これは、エッジリングEが静電チャック104に適切に載置されるようにするためである。
【0090】
続いて、プラズマ処理システム1におけるウェハ支持台101のエッジリングE及び外側リングDを同時に取り外す処理の一例について説明する。
【0091】
(ステップS11:エッジリングE及び外側リングDの受け渡し)
まず、エッジリングE及び外側リングDが、静電チャック104上からリフタ108に受け渡される。
【0092】
具体的には、まず、電極111へ直流電圧の印加が行われていた場合は、当該引火が停止され、エッジリングEの静電チャック104への吸着保持が解除される。
次いで、全てのリフタ108の上昇が行われ、静電チャック104の周縁部の上面104bから、挿通孔119及び搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第1係合部108aへ、エッジリングEが受け渡される(後述の図8参照)。その後、全てのリフタ108の上昇が継続され、支持体105の上面105aから、リフタ108の第2係合部108bへ、外側リングDを支持した搬送リングTが受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第2係合部108bの頂部が前述の第1の所定の高さになるまで行われる。
【0093】
(ステップS12:)
続いて、エッジリングE及び外側リングDが、処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内から搬出される。
【0094】
具体的には、減圧されたプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、搬送アーム71が挿入される。そして、図7に示すように、静電チャック104の中央部の上面104aと、リフタ108の第2係合部108bに支持された搬送リングT及び当該搬送リングTに支持された外側リングDとの間に、搬送アーム71が移動される。
【0095】
次いで、全てのリフタ108の下降が行われ、図6に示すように、リフタ108の第2係合部108bから搬送アーム71へ、外側リングDを支持した搬送リングTが受け渡される。その後、全てのリフタ108の下降が継続され、図5に示すように、リフタ108の第1係合部108aから搬送アーム71に支持された搬送リングTへ、エッジリングEが受け渡される。
続いて、搬送アーム71がプラズマ処理チャンバ100から抜き出され、外側リングD及びエッジリングEを支持した搬送リングTが、処理モジュール60外へ搬出される。搬出された外側リングD及びエッジリングEを支持した搬送リングTは、収納モジュール61内に搬入される。
これで、エッジリングE及び外側リングDを同時に取り外す一連の処理が完了する。
【0096】
次に、エッジリングE単体の取り外し処理の一例について、図8を用いて説明する。図8は、上記処理中のウェハ支持台101の周囲の状態を示す図である。
【0097】
(ステップS21:エッジリングEの受け渡し)
まず、エッジリングEが、静電チャック104上からリフタ108に受け渡される。
【0098】
具体的には、まず、電極111への直流電圧の印加が行われていた場合は、当該印加が停止され、エッジリングEの静電チャック104の吸着保持が解除される。
次いで、全てのリフタ108の上昇が行われ、図8に示すように、静電チャック104の周縁部の上面104bから、挿通孔119及び搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第1係合部108aへ、エッジリングEが受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第2係合部108bへ搬送リングTが受け渡されない範囲で行われ、また、第1係合部108aの頂部が第2の所定の高さになるまで行われる。ここでの第2の所定の高さは、支持体105に載置された外側リングDと第1係合部108aに支持されたエッジリングEとの間を、搬送アーム71を挿抜させたときに、当該搬送アーム71が、エッジリングE及び外側リングD等と干渉しない高さである。
【0099】
(ステップS22:搬出)
続いて、エッジリングEが処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内から搬出される。
具体的には、減圧されたプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、搬送アーム71が挿入される。そして、支持体105に載置された外側リングDと、リフタ108の第1係合部108aに支持されたエッジリングEとの間に、搬送アーム71が移動される。
【0100】
次いで、全てのリフタ108の下降が行われ、リフタ108の第1係合部108aから搬送アーム71へ、エッジリングEが受け渡される。続いて、搬送アーム71がプラズマ処理チャンバ100から抜き出され、エッジリングE単体が、処理モジュール60外へ搬出される。搬出されたエッジリングEは、収納モジュール61内に搬入される。
これで、一連の、エッジリングE単体の取り外し処理が完了する。
【0101】
次に、エッジリングE単体を取り付ける処理の一例について説明する。
【0102】
(ステップS31:搬入)
まず、収納モジュール61内のエッジリングEが、搬送装置70により、エッジリングEの取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に搬入される。
具体的には、収納モジュール61内のエッジリングEが、搬送装置70の搬送アーム71によって保持される。次いで、上記取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、エッジリングEを保持した搬送アーム71が挿入される。この際、プラズマ処理チャンバ100は減圧されていてもよい。そして、静電チャック104の周縁部の上面104bの上方へ、エッジリングEが搬送アーム71によって搬送される。このとき、支持体105の上面105aには搬送リングT及び外側リングDが載置された状態である。
【0103】
(ステップS32:載置)
続いて、エッジリングEが、搬送装置70から静電チャック104に載置される。
【0104】
具体的には、全てのリフタ108の上昇が行われ、エッジリングEが、搬送アーム71から、搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第1係合部108aへ、受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第1係合部108aの頂部が前述の第2の所定の高さになるまで行われる。
続いて、搬送アーム71のプラズマ処理チャンバ100からの抜き出しが行われる。また、リフタ108の下降が行われる。これにより、エッジリングEが静電チャック104の周縁部の上面104bに載置される。
これで、一連の、エッジリングE単体の取り付け処理が完了する。
【0105】
続いて、エッジリングEが取り外された状態での、外側リングDの取り外し処理の一例について、図9を用いて説明する。図9は、上記処理中のウェハ支持台101の周囲の状態を示す図である。
【0106】
(ステップS41:外側リングDの受け渡し)
まず、外側リングDを支持した搬送リングTが、静電チャック104上からリフタ108に受け渡される。
【0107】
具体的には、まず、全てのリフタ108の上昇が行われ、図9に示すように、支持体105の上面105aから、挿通孔119及び搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第2係合部108bへ、エッジリングEが受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第2係合部108bの頂部が前述の第1の所定の高さになるまで行われる。
【0108】
(ステップS42:搬出)
続いて、外側リングDを支持した搬送リングTが処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内から搬出される。
具体的には、減圧されたプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、搬送アーム71が挿入される。そして、静電チャック104の中央部の上面104aと、リフタ108の第2係合部108bに支持された搬送リングT及び当該搬送リングTに支持された外側リングDとの間に、搬送アーム71が移動される。
【0109】
次いで、全てのリフタ108の下降が行われ、リフタ108の第2係合部108bから搬送アーム71へ、外側リングDを支持した搬送リングTが受け渡される。続いて、搬送アーム71がプラズマ処理チャンバ100から抜き出され、外側リングDを支持した搬送リングTが、処理モジュール60外へ搬出される。搬出された、外側リングDを支持した搬送リングTは、収納モジュール61内に搬入される。
これで、一連の、エッジリングEが取り外された状態での、外側リングDの取り外し処理が完了する。
【0110】
次に、外側リングD単体の取り付け処理の一例について説明する。
【0111】
(ステップS51:搬入)
まず、収納モジュール61内の外側リングDのみを支持した搬送リングTが、搬送装置70により、外側リングDの取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に搬入される。
具体的には、収納モジュール61内の外側リングのみを支持した搬送リングTが、搬送装置70の搬送アーム71によって保持される。次いで、上記取り付け対象である処理モジュール60のプラズマ処理チャンバ100内に、搬入出口(図示せず)を介して、上記搬送リングTを保持した搬送アーム71が挿入される。この際、プラズマ処理チャンバ100は減圧されていてもよい。そして、支持体105の上面105aの上方へ、上記搬送リングTが搬送アーム71によって搬送される。
【0112】
(ステップS52:載置)
続いて、エッジリングEが、搬送装置70から静電チャック104に載置される。
【0113】
具体的には、全てのリフタ108の上昇が行われ、外側リングDのみを支持した搬送リングTが、搬送アーム71から、搬送リングTの孔Taを通過したリフタ108の第2係合部108bへ、受け渡される。この際、リフタ108の上昇は、第2係合部108bの頂部が前述の第1の所定の高さになるまで行われる。
続いて、搬送アーム71のプラズマ処理チャンバ100からの抜き出しが行われる。また、リフタ108の下降が行われる。これにより、外側リングD及び搬送リングTが支持体105の上面105aに載置される。
これで、一連の、外側リングD単体の取り付け処理が完了する。
【0114】
<効果等>
以上のように、本実施形態によれば、ウェハ支持台101が備える、エッジリングEと外側リングDとの2種類のリングを、共通のリフタ108で交換することができる。
また、本実施形態によれば、エッジリングE及び外側リングDの同時交換とエッジリングE単体での交換とを選択的に行うことができる。そのため、エッジリングEの方が外側リングDより消耗度合いが大きい場合に、エッジリングEと外側リングDの双方を適切なタイミングで交換することができ、その結果、双方の長寿命化を図ることができる。
【0115】
さらに、本実施形態によれば、エッジリングEと外側リングDとを同時に交換することができるため、これらの交換に要する時間を短縮することができる。また、エッジリングEと外側リングDとでリフタ108が共通であるため、低コスト化・省スペース化を図ることができる。
【0116】
また、前述のように、搬送リングTの材料には、SiCやセラミックス材料を用いてもよい。SiCやセラミックス材料を用いることで、SiOを用いる場合に比べて、搬送リングTのプラズマに対する体制を高くすることができる。
【0117】
なお、エッジリングE及び外側リングDの両方を交換する場合、エッジリングE及び外側リングDを同時に取り外すようにし、搬送リングTを用いて外側リングDを取り付けた後、搬送リングTを用いずにエッジリングE単体の取り付けを行うようにしてもよい。これにより、外側リングD及びエッジリングEの両方をより適切な位置に取り付けることができる。
【0118】
<外側リング及び搬送リングの変形例>
図10は、外側リング及び搬送リングの他の例を示す図である。
外側リングと搬送リングとの径方向にかかる位置ずれが生じないように、いずれか一方に突起を設け、いずれか他方にその突起と係合する凹部を設けてもよい。具体的には、図10に示すように、外側リングD1の内周部の下面に、当該外側リングD1の湾曲に沿って全周に亘って上方に凹む凹部(以下、「環状凹部」という。)D1bが形成されていてもよい。そして、搬送リングT1の外周部の上面における環状凹部D1bと対応する位置に当該搬送リングT1の湾曲に沿って全周に亘って上方に突出する凸部(以下、「環状凸部」という。)T1bが形成されていてもよい。環状凹部D1bと環状凸部T1bとの係合により、外側リングD1と搬送リングT1との径方向にかかる位置ずれを抑制することができる。
【0119】
上述の例に代えて、外側リングD1の内周部の下面に凸部が形成され、搬送リングT1の外周部の上面に外側リングD1の上記凹部に対応する形状の突起が形成されていてもよい。これによっても、外側リングD1と搬送リングT1との位置ずれを抑制することができる。
【0120】
<外側リング及び搬送リングの位置決め形態の変形例>
図11は、外側リングと搬送リングの位置決め形態の他の例を示す図である。
図11に示すように、外側リングD2と搬送リングT2との径方向にかかる位置決めは、外側リングD2の内周部の下面と搬送リングT2の外周部の上面との両方に差し込まれる位置決めピンPを用いて行ってもよい。位置決めピンPは、上下方向に延びる柱状(具体的には円柱状)の部材である。また、位置決めピンPは、外側リングD2及び搬送リングT2の周方向に沿って、互いに間隔を空けて3本以上設けられる。
【0121】
また、外側リングと搬送リングとの径方向にかかる位置決めは、搬送リングに比べて外側リングの方が、熱膨張率が低い場合は、外側リングの内周部と搬送リングの外周部との嵌め合いにより行ってもよい。具体的には、例えば、外側リングに、搬送リングが嵌る部分を設け、これにより上記位置決めを行ってもよい。搬送リングに比べて外側リングの方が、熱膨張率が低ければ、上述のように嵌め合いで位置決めを行っても、搬送リング及び外側リングの両方が熱膨張したときに搬送リングや外側リングが破損することがない。
【0122】
搬送リングは、外側リングより電気抵抗率が高い材料で形成されている。つまり、外側リングと搬送リングとは互いに異なる材料で形成されている。このように異種材料で形成されている外側リングと搬送リングとを溶着等によって一体化することにより、外側リングと搬送リングとの径方向にかかる位置決めを行ってもよい。
【0123】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
101 ウェハ支持台
104 静電チャック
108 リフタ
108a 第1係合部
108b 第2係合部
116 アクチュエータ
D、D1、D2 外側リング
E エッジリング
T、T1、T2 搬送リング
Ta 孔
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11