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特開2023-84770溶剤蒸気供給装置及び溶剤蒸気供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084770
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】溶剤蒸気供給装置及び溶剤蒸気供給方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
H01L21/30 566
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199047
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】宮田 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5F146
【Fターム(参考)】
5F146AA28
5F146KA01
(57)【要約】
【課題】安価な構成の溶剤蒸気供給装置で、基板処理装置に供給する溶剤蒸気の温度と濃度を安定させる。
【解決手段】少なくとも2つのポリマーを含むブロック共重合体の膜が形成された基板を溶剤蒸気の雰囲気下で加熱して前記ブロック共重合体を相分離させる基板処理装置に、前記溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給装置であって、内部に貯留する溶剤の飽和温度以上の温度で保温される溶剤貯留部と、前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気を予備冷却する予備冷却部と、予備冷却された前記溶剤蒸気の温度を前記基板処理装置へ供給するときの目標温度に調節する温度調節部と、を備え、前記温度調節部は、前記目標温度に調節した後の溶剤蒸気を前記基板処理装置へ供給する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのポリマーを含むブロック共重合体の膜が形成された基板を溶剤蒸気の雰囲気下で加熱して前記ブロック共重合体を相分離させる基板処理装置に、前記溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給装置であって、
内部に貯留する溶剤の飽和温度以上の温度で保温される溶剤貯留部と、
前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気を予備冷却する予備冷却部と、
予備冷却された前記溶剤蒸気の温度を前記基板処理装置へ供給するときの目標温度に調節する温度調節部と、を備え、
前記温度調節部は、前記目標温度に調節した後の溶剤蒸気を前記基板処理装置へ供給する、溶剤蒸気供給装置。
【請求項2】
前記予備冷却部は、前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気が流れる配管であり、
前記配管は、前記溶剤貯留部と前記温度調節部とに接続されている、請求項1に記載の溶剤蒸気供給装置。
【請求項3】
前記予備冷却部は、前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気が流入するタンクを有し、
前記溶剤貯留部と前記予備冷却部との間、及び前記予備冷却部と前記温度調節部との間には、前記溶剤蒸気の流路となる配管を有し、
各配管は、断熱材で覆われている、請求項1に記載の溶剤蒸気供給装置。
【請求項4】
前記溶剤貯留部と、前記予備冷却部と、前記温度調節部は、1つの容器に設けられ、
前記溶剤貯留部の上方に前記予備冷却部が、前記予備冷却部の上方に前記温度調節部が配置されている、請求項1に記載の溶剤蒸気供給装置。
【請求項5】
前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気の一部が凝縮して生じた溶剤を、前記溶剤貯留部に送液する送液機構を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の溶剤蒸気供給装置。
【請求項6】
少なくとも2つのポリマーを含むブロック共重合体の膜が形成された基板を溶剤蒸気の雰囲気下で加熱して前記ブロック共重合体を相分離させる基板処理装置に、前記溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給方法であって、
溶剤を加熱して前記溶剤蒸気を発生させる工程と、
前記溶剤蒸気を発生させる工程で発生した前記溶剤蒸気を予備冷却する工程と、
予備冷却された前記溶剤蒸気の温度を前記基板処理装置へ供給するときの目標温度に調節し、前記目標温度に調節した後の溶剤蒸気を前記基板処理装置へ供給する工程と、を備える、溶剤蒸気供給方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶剤蒸気供給装置及び溶剤蒸気供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、少なくとも二のポリマーを含むブロック共重合体の膜を基板に形成するステップと、ブロック共重合体の膜を溶剤蒸気雰囲気の下で加熱して、ブロック共重合体を相分離させるステップと、相分離されたブロック共重合体の膜のうち一のポリマーを除去するステップとを含むパターン形成方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-249430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、安価な構成の溶剤蒸気供給装置で、基板処理装置に供給する溶剤蒸気の温度と濃度を安定させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、少なくとも2つのポリマーを含むブロック共重合体の膜が形成された基板を溶剤蒸気の雰囲気下で加熱して前記ブロック共重合体を相分離させる基板処理装置に、前記溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給装置であって、内部に貯留する溶剤の飽和温度以上の温度で保温される溶剤貯留部と、前記溶剤貯留部で発生した前記溶剤蒸気を予備冷却する予備冷却部と、予備冷却された前記溶剤蒸気の温度を前記基板処理装置へ供給するときの目標温度に調節する温度調節部と、を備え、前記温度調節部は、前記目標温度に調節した後の溶剤蒸気を前記基板処理装置へ供給する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、安価な構成の溶剤蒸気供給装置で、基板処理装置に供給する溶剤蒸気の温度と濃度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかるパターン形成方法を説明するための説明図である。
図2】本実施形態にかかる加熱装置の構成の概略を示す説明図である。
図3】加熱装置の透過窓の開閉機構を説明するための説明図である。
図4】本実施形態にかかる溶剤蒸気供給装置の構成の概略を示す説明図である。
図5】溶剤蒸気供給装置の他の構成例を示す説明図である。
図6】溶剤蒸気供給装置の他の構成例を示す説明図である。
図7】溶剤蒸気供給装置の他の構成例を示す説明図である。
図8】溶剤蒸気供給装置の他の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイス等の製造プロセスにおいては、自己組織的(DSA)リソグラフィ技術を用いて半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)に所望のパターンを形成する方法が知られている。
【0009】
この方法においては、まず、例えばAポリマー鎖とBポリマー鎖とを含むブロック共重合体の塗布液をウェハに塗布し、ウェハ上にブロック共重合体の薄膜を形成する。次いで、ウェハを加熱し、薄膜中にランダムに固溶しているAポリマー鎖とBポリマー鎖を相分離させる。次いで、ウェハに紫外光を照射し、有機溶剤に対する可溶領域と難溶領域を形成する。その後、ウェハに有機溶剤を供給して可溶領域を溶解させる。これにより、ウェハに所望のパターンが形成される。
【0010】
上述のパターン形成方法のブロック共重合体を相分離させる工程では、所定の温度と濃度に制御された溶剤の蒸気(以下、「溶剤蒸気」という)が、ウェハが収容された加熱装置に供給される。この溶剤蒸気は、例えば溶剤が貯留するタンクを加熱して溶剤を気化させることで生成される。
【0011】
ところで、タンク内の溶剤から溶剤蒸気を発生させる際には、気化熱によってタンク内の溶剤の温度が低下することから、タンクから加熱装置に供給される溶剤蒸気の温度と濃度が変動しやすい。このため、加熱装置に供給される溶剤蒸気を所定の温度と濃度で安定させるためには、気化熱によるタンク内の溶剤温度の変動に追従する制御を行い、溶剤温度の調節、あるいは溶剤蒸気の温度調節又は濃度調節を行う必要がある。
【0012】
しかしながら、例えばタンクの温度制御によってタンク内の溶剤温度を調節する方法では、タンクの熱効率が低いために、タンクの温度制御に対する溶剤の温度変化の応答性が低い。このため、加熱装置に供給する溶剤蒸気の温度と濃度を安定させる観点では改善の余地がある。また、タンク温度の温度制御ではなく、タンク内の溶剤を直接加熱する制御方法も考えられるが、溶剤に対する耐薬性や安全性を担保するための機構が必要となり、溶剤蒸気供給装置の構成の複雑化と高価格化を招くことが懸念される。また例えば、タンク内の圧力制御によって溶剤蒸気の濃度を調節する制御方法も考えられるが、圧力制御が可能な供給装置もまた装置構成の複雑化と高価格化が懸念される。
【0013】
そこで、本開示にかかる技術は、安価な構成の溶剤蒸気供給装置で、基板処理装置に供給する溶剤蒸気の温度と濃度を安定させる。
【0014】
以下、本実施形態にかかるパターン形成方法、基板処理装置及び溶剤蒸気の供給装置について、図面を参照しながら順に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
<パターン形成方法>
図1は、本実施形態にかかるパターン形成方法を説明するための説明図である。
【0016】
まず、図1(a)に示すように、基板としてのウェハW上に、ポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレート(PMMA)のブロック共重合体(PS-b-PMMA)を有機溶剤に溶解させた塗布液を塗布し、ウェハW上にPS-b-PMMAの膜10を形成する。この膜10は、第1のポリマーとしてのPSポリマーと、第2のポリマーとしてのPMMAポリマーとが互いにランダムに混ざり合っている。
【0017】
次に、図1(b)に示すように、PS-b-PMMAの膜10が形成されたウェハWを基板処理装置としての加熱装置F内へ搬入し、ホットプレートHP上にウェハWを載置する。そして、加熱装置Fの上壁部から溶剤蒸気を供給し、溶剤蒸気雰囲気の下でウェハWを所定温度に加熱する。これにより、ウェハW上のブロック共重合体の膜10の相分離が生じ、PSポリマー領域とPMMAポリマー領域とが交互に配列される。なお、PSポリマー領域とPMMAポリマー領域とを所定のパターンで配列させるためには、ウェハWの表面にガイドパターンを形成することが好ましい。
【0018】
PS-b-PMMAが溶解された塗布液の溶剤は、PSポリマーとPMMAポリマーとが溶解可能なものであれば、特に限定されることはなく、例えばトルエン、アセトン、エタノール、メタノール、及びシクロヘキサノンなどを用いることができる。また、加熱中の膜10の温度は、PS-b-PMMAのガラス転移温度より高いことが好ましく、例えば150~350℃の温度であってもよい。
【0019】
ウェハWを所定の時間加熱した後、加熱装置F内への溶剤蒸気の供給を停止する。そして、膜10を乾燥させるため、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガスやヘリウムガスなどの希ガス)の雰囲気の下で、PS-b-PMMAの膜10を更に加熱する。これにより、膜10中の溶剤(及び溶媒)が蒸発する。なお、乾燥時の膜10の温度は、乾燥時にPSポリマー及びPMMAポリマーが流動しないように、ガラス転移温度よりも低いことが好ましい。
【0020】
次に、図1(c)に示すように、ウェハW上のPS-b-PMMAの膜10に対して、紫外光が照射される。紫外光の照射は、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの希ガスや、窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行われる。紫外光は、紫外光領域に属する波長成分を有していれば、特に限定されることはないが、例えば200nm以下の波長成分を有していることが好ましい。また、紫外光が、PMMAに吸収され得る185nm以下の波長成分を含んでいることが更に好ましい。波長200nm以下の波長成分を有する紫外光を使用する場合、光源Lとして、波長172nmの紫外光を発するXeエキシマランプを好適に使用することができる。
【0021】
PS-b-PMMAの膜10に紫外光が照射されると、PSポリマー領域においては架橋反応が生じ、PSポリマー領域が有機溶剤へ溶け難くなる一方、PMMAポリマー領域においては主鎖が切断されるため、PMMAポリマー領域は有機溶剤へ溶け易くなる。なお、波長172nmの紫外光を用いる場合、その照射強度(ドーズ量)は約180mJ以下であることが好ましい。紫外光の照射強度が180mJ以下である場合には、後述するPS-b-PMMAの膜10への有機溶剤の供給時に、有機溶剤がPSポリマー領域に浸透し難くなる。その結果、PSポリマー領域の膨潤が抑制され、PMMAポリマー領域を除去し易くなる。また、紫外光の照射強度が180mJ以下である場合、PMMAポリマー領域の変質を抑制することができ、PMMAポリマー領域が有機溶剤に溶解し易くなる。
【0022】
次に、図1(d)に示すように、PS-b-PMMAの膜10に対して有機溶剤OSを供給する。これにより、膜10中のPMMAポリマー領域が溶解し、PSポリマー領域がウェハWの表面上に残る。有機溶剤OSとしては、例えばイソプロピルアルコール(IPA)を好適に使用することができる。
【0023】
その後、ウェハWの表面を乾燥させると、図1(e)に示すように、ウェハWの表面上にPSポリマー領域DSによるパターンが得られる。
【0024】
上述したパターン形成方法によれば、PS-b-PMMAの膜10の加熱が溶剤蒸気雰囲気の下で行われるため、加熱中の膜10に溶剤が吸収され得る。このため、膜10に残存する溶媒が加熱中に蒸発しても、吸収された溶剤により膜10中のPSポリマー及びPMMAポリマーの溶媒及び溶剤に対する濃度の低下が抑制される。これにより、PSポリマー及びPMMAポリマーの流動性が維持されるため、PS-b-PMMAの流動化が促進し、相分離を促進させることができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、ブロック共重合体としてPS-b-PMMAを例示したが、ブロック共重合体はこれに限定されることはない。ブロック共重合体は、例えばポリブタジエン-ポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン-4-ビニルピリジン、ポリブタジエン-メチルメタクリレート、ポリブタジエン-ポリ-t-ブチルメタクリレート、ポリブタジエン-t-ブチルアクリレート、ポリ-t-ブチルメタクリレート-ポリ-4-ビニルピリジン、ポリエチレン-ポリメチルメタクリレート、ポリ-t-ブチルメタクリレート-ポリ-2-ビニルピリジン、ポリエチレン-ポリ-2-ビニルピリジン、ポリエチレン-ポリ-4-ビニルピリジン、ポリイソプレンーポリー2-ビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート-ポリスチレン、ポリ-t-ブチルメタクリレート-ポリスチレン、ポリメチルアクリレート-ポリスチレン、ポリブタジエンーポリスチレン、ポリイソプレン-ポリスチレン、ポリスチレン-ポリ-2-ビニルピリジン、ポリスチレン-ポリ-4-ビニルピリジン、ポリスチレン-ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン-ポリ-N,N-ジメチルアクリルアミド、ポリブタジエン-ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタジエン-ポリエチレンオキシド、ポリ-t-ブチルメタクリレート-ポリエチレンオキシド、ポリスチレン-ポリアクリル酸、ポリスチレン-ポリメタクリル酸、ポリスチレン-ポリジメチルシロキサン(PS-b-PDMS)等であってもよい。
【0026】
<基板処理装置の構成>
次に、上述のパターン形成を実施する基板処理装置の一例としての加熱装置について説明する。図2は、本実施形態にかかる加熱装置の構成の概略を模式的に示す説明図である。
【0027】
加熱装置100は、上端開口及び底部を有する円筒形状の容器本体101と、この容器本体101の上端開口を覆う蓋体102を備えている。容器本体101は、円環形状を有する枠体101aと、枠体101aの底部から内側に延びる鍔状の底部101bと、底部101bに支持された、ウェハWを保持する載置台103とを備えている。
【0028】
容器本体101の枠体101aの上面と蓋体102の周縁部102aとの間には、Oリングなどのシール部材104が設けられている。これにより、容器本体101と蓋体102との間に処理室105が区画されている。
【0029】
載置台103の内部には、加熱部106が設けられ、加熱部106には、電源107が接続されている。載置台103は、加熱部106及び温調器(図示せず)によって加熱され、載置台103に載置されるウェハWも加熱される。
【0030】
載置台103には、外部の搬送手段(図示せず)との間でウェハWの受け渡しを行うための複数本の昇降ピン108が設けられ、これらの昇降ピン108は、昇降機構109により昇降自在に構成されている。載置台103の裏面には、昇降機構109の周囲を囲むカバー体110が設けられている。容器本体101と蓋体102は、互いに相対的に昇降自在に構成されている。図2に示す例では、図示しない昇降機構によって、蓋体102が、容器本体101と接続される処理位置と、容器本体101の上方側に位置するウェハ搬出入位置との間で昇降自在である。
【0031】
蓋体102の中央部には、載置台103上に載置されるウェハWに対して溶剤蒸気を含む気体を供給するためのガス供給路111が貫通している。ガス供給路111には、配管112が接続され、配管112は、処理室105をパージする窒素ガス供給源113が接続されている。これにより、パージガスとしての窒素ガスを処理室105へ供給することができる。また、配管112には、三方弁114が設けられ、その三方弁114には、後述する溶剤蒸気供給装置200の蒸気供給管240が接続されている。
【0032】
ガス供給路111の下端部の下方に整流板115が配置されている。整流板115には、複数のスリット(又は開口)115aが形成されている。複数のスリット115aは、整流板115の上側の空間と下側の空間との間に大きな圧力差が生じるように形成されている。このため、ガス供給路111を通して処理室105に供給される溶剤蒸気は、整流板115の上側で横方向に広がると共に、スリット115aを通してウェハWに向かって流れる。このため、溶剤蒸気はほぼ均一な濃度でウェハWに対して供給される。
【0033】
また、蓋体102の上壁部102bの内部には、ガス供給路111が形成された中央領域以外の領域に面状に広がる、例えばリング状の平面形状を有する扁平な空洞部116が形成されている。この空洞部116には、蓋体102の外周側であって載置台103の外側において上下方向に延び、処理室105に開口する排気路117が連結されている。また、空洞部116には、例えば蓋体102の中央部に複数本の(例えば6本の)排気管118が接続されている。排気管118は、エジェクタ119に接続され、エジェクタ119は、トラップタンク120に接続されている。
排気路117と整流板115の間の位置における蓋体102の内部には、ヒータ121が設けられ、蓋体102が所定の温度に加熱される。これにより蓋体102に供給される溶剤蒸気の凝縮(液化)が抑制される。
【0034】
加熱装置100は、制御部300を備えている。制御部300は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、加熱装置100におけるブロック共重合体を相分離させる処理を制御する各種のプログラムが格納されている。例えば、制御部300は、そのプログラムに基づいて、電源107やエジェクタ119などの部品又は部材に指令信号を出力し、電源107から加熱部106へ供給される電力、及び処理室105からエジェクタ119により排気される溶剤蒸気を含む気体の排気量などの制御を行う。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部300にインストールされたものであってもよい。記憶媒体は一時的記憶媒体か非一時的記憶媒体かを問わない。プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
【0035】
また、加熱装置100においては、In-situ膜厚計として例えばエリプソメータを用いて、ウェハW上のブロック共重合体の膜の厚みが測定される。このため、図3に示すように、加熱装置100の蓋体102の上壁部102bには、エリプソメータ(図示せず)から照射される紫外光及びウェハWで反射した反射光を透過する透過窓122が設けられている。透過窓122の上方には、透過窓122を覆う遮光板123が設けられている。遮光板123は、移動機構(図示せず)によってX軸方向に移動可能であって、透過窓122を覆う位置と透過窓122を覆わない位置との間で移動自在に構成されている。
【0036】
膜厚測定のためにウェハWに紫外光を照射する場合、ウェハWの一定領域に紫外光を照射し続けると、膜が変質し、膜厚の測定が困難になる場合がある。一方、図3に示す加熱装置100においては、膜厚を測定しない間は遮光板123で透過窓122を覆い、膜厚を測定する間は、透過窓122を覆わない位置に遮光板123を移動させて透過窓122の上方を開放することができる。すなわち、図3に示す加熱装置100によれば、膜厚測定に必要な時間のみ、ウェハWに紫外光が照射されるため、膜の変質を抑制することができる。なお、膜の変質を抑制する観点では、図3のような遮光板123による透過窓122の開閉機構に代えて、例えばウェハWを回転させる機構を設けてもよいし、ウェハWをX軸方向及びY軸方向に移動させる機構を設けてもよい。また、透過窓122の開閉機構と上記回転及び移動機構の両方を設けて、同じ位置での計測回数を任意に設定可能なようにしても良い。
【0037】
<溶剤蒸気供給装置の構成>
次に、加熱装置100に溶剤蒸気を供給する溶剤蒸気供給装置200について説明する。図4は、本実施形態にかかる溶剤蒸気供給装置の構成の概略を模式的に示す説明図である。なお、図面中の破線矢印は溶剤蒸気の流れを示し、実線矢印は溶剤蒸気の一部が凝縮(液化)して生じた溶剤の流れを示す。また、図面中の配管構造は、説明の便宜のために模式的に示したものであって、各配管の接続位置などの配管構造は、以下で説明する機能を実現するために当業者によって適宜構成される。
【0038】
(構成例1)
図4に示す溶剤蒸気供給装置200は、溶剤貯留部210と、予備冷却部220と、温度調節部230を備えている。
【0039】
溶剤貯留部210は、内部に溶剤が貯留するタンク211(以下、「第1のタンク」という)と、第1のタンク211を加熱する加熱部212を有する。
【0040】
加熱部212は、第1のタンク211内の溶剤を加熱することができれば、具体的な加熱手段は特に限定されず、例えばヒータを用いた加熱手段を適用できる。第1のタンク211は、加熱部212によって、第1のタンク211に貯留する溶剤の飽和温度以上の温度に加熱される。これにより、第1のタンク211内の溶剤が気化し、溶剤蒸気が発生する。なお、第1のタンク211の具体的な温度は、第1のタンク211の材質や大きさ、第1のタンク211内の圧力等に応じて適宜変更されるが、例えば40℃以上の温度である。
【0041】
第1のタンク211で溶剤蒸気が発生する際には、気化熱によって第1のタンク211内に貯留する溶剤は吸熱されるが、第1のタンク211は、溶剤の飽和温度以上の温度となるように加熱され続ける。このため、第1のタンク211は、溶剤の飽和温度以上の温度で保温される。なお、溶剤蒸気の温度は、後述の温度調節部230で目標温度に調節されるため、第1のタンク211で溶剤蒸気を発生させることができれば、溶剤貯留部210における厳密な温度管理は不要である。
【0042】
第1のタンク211には、第1のタンク211内に貯留する溶剤に窒素ガスを供給する窒素ガス供給管213が接続されている。第1のタンク211の加熱時においては、溶剤の温度と濃度を均一化するために、第1のタンク211に窒素ガスを供給して溶剤のバブリングを行う。なお、バブリングのために供給されるガスは、窒素ガスに限定されず、アルゴンガスやヘリウムガスなどの他の不活性ガスであってもよい。
【0043】
第1のタンク211の底面には、ドレン管214が接続され、ドレン管214には弁215が設けられている。この弁215が定期的に開放されることによって、第1のタンク211の底部に溜まった不純物が排出されて、第1のタンク211の清浄度が維持される。
【0044】
第1のタンク211には、内部に貯留する溶剤の液面センサ(図示せず)が設けられていて、溶剤の液面が所定の高さ未満となった場合には、第1のタンク211に溶剤供給源(図示せず)から自動的に溶剤が供給される。
【0045】
図4の例における予備冷却部220は、溶剤蒸気の流路となる配管221であり、配管221は、第1のタンク211と後述の第2のタンク231に接続されている。配管221は、断熱材で覆われておらず、周囲の雰囲気に曝されている。配管221の周囲の雰囲気温度は、第1のタンク211の温度よりも低いため、第1のタンク211で発生した溶剤蒸気は配管221を通過することで温度が低下する。
【0046】
溶剤蒸気は、この配管221内において、加熱装置100に供給される溶剤蒸気の目標温度よりも数℃高い温度に冷却される。すなわち、第1のタンク211で発生した溶剤蒸気は、後述の第2のタンク231で温度調節される前に予備冷却される。なお、配管221の長さや径は、第1のタンク211の設定温度や後述の温度調節部230における溶剤蒸気の温度調節能力に応じて適宜変更される。
【0047】
図4の例における温度調節部230は、配管221で予備冷却された溶剤蒸気が流入する第2のタンク231と、第2のタンク231を冷却する冷却部232を有する。
【0048】
冷却部232は、第2のタンク231内の溶剤を冷却することができれば、具体的な冷却手段は特に限定されず、例えばペルチェ素子を用いた冷却手段を適用できる。第2のタンク231は、冷却部232によって、第2のタンク231内に供給された溶剤蒸気の温度が加熱装置100に供給するときの目標温度となるように冷却される。
【0049】
溶剤蒸気の“濃度”は、溶剤蒸気の“温度”と相関があるため、溶剤蒸気供給装置200を使用する場合の溶剤蒸気の濃度と温度の相関関係を、実験などによって予め取得しておくことで、溶剤蒸気が所望の濃度となるときの温度を特定することができる。すなわち、溶剤蒸気の温度を、溶剤蒸気の目標濃度に対応する目標温度に調節することによって、加熱装置100に目標濃度の溶剤蒸気を供給することができる。温度調節部230においては、溶剤蒸気がその目標温度まで冷却されることによって、溶剤蒸気の濃度が加熱装置100に供給するときの目標濃度となる。
【0050】
前述の溶剤貯留部210においては、第1のタンク211内に溶剤と溶剤蒸気が混在しているために、第1のタンク211の温度を制御しても、その温度制御に対する溶剤蒸気の温度変化の応答性が低く、溶剤蒸気の温度を一定温度に安定させることが困難である。一方、温度調節部230においては、第2のタンク231内に溶剤が貯留していないため、第2のタンク231の温度制御に対する溶剤蒸気の温度変化の応答性が高く、溶剤蒸気の温度を一定温度に安定させやすい。すなわち、溶剤蒸気の生成と温度調節をそれぞれ異なる容器で行うことによって、溶剤蒸気の温度制御の応答性を高めることができ、溶剤蒸気の温度を目標温度に調節し易くなる。
【0051】
また、温度調節部230において、溶剤蒸気の温度制御に対する応答性を高める観点では、第1のタンク211の容積よりも第2のタンク231の容積が小さいことが好ましい。
【0052】
なお、本実施形態においては、第2のタンク231内の溶剤蒸気を冷却するために冷却部232を設けているが、冷却部232に加え、第2のタンク231を加熱する加熱部(図示せず)を設けてもよい。溶剤蒸気が目標温度よりも低下する場合には、その加熱部により第2のタンク231を加熱してもよい。
【0053】
第2のタンク231には、加熱装置100に溶剤蒸気を供給するための蒸気供給管240が接続され、第2のタンク231で目標温度に温度調節された溶剤蒸気は、蒸気供給管240を介して加熱装置100に供給される。蒸気供給管240は、溶剤蒸気の温度が変化しないように断熱材241で覆われている。
【0054】
溶剤蒸気供給装置200は、冷却された溶剤蒸気の一部が凝縮(液化)して生じる溶剤を第1のタンク211に送液する送液機構250を備えている。送液機構250は、配管221に接続された配管251と、第2のタンク231に接続された配管252と、配管251内の溶剤と配管252内の溶剤が合流する合流配管253を有する。合流配管253は、第1のタンク211に接続されている。
【0055】
この送液機構250が設けられることによって、溶剤蒸気の凝縮により生じた溶剤を回収して再利用することができる。なお、送液機構250の構成は、本実施形態で説明された構成に限定されず、溶剤貯留部210で発生した溶剤蒸気の一部が凝縮して生じた溶剤を、第1のタンク211内に送液できる構成であればよい。
【0056】
以上、溶剤蒸気供給装置200の構成について説明したが、以下の説明では、溶剤蒸気供給装置200の他の構成例について説明する。なお、以下の構成例の説明においては、図4に示す構成例と同様の構成である点については、重複する説明を省略する。
【0057】
(構成例2)
図5に示す溶剤蒸気供給装置200においては、予備冷却部220が、第3のタンク222と、第3のタンク222を冷却する冷却部223を備えている。
【0058】
第3のタンク222は、第1のタンク211で発生した溶剤蒸気が流入する容器であり、第1のタンク211と第2のタンク231の間に配置されている。冷却部223は、第3のタンク222内の溶剤を冷却することができれば、具体的な冷却手段は特に限定されず、例えばペルチェ素子を用いた冷却手段を適用できる。第3のタンク222が冷却部223によって冷却されることで、第3のタンク222内に供給された溶剤蒸気の温度が、加熱装置100に供給するときの目標温度近傍まで低下する。
【0059】
第1のタンク211と第3のタンク222は配管242で接続され、配管242の周囲は断熱材243で覆われている。また、第3のタンク222と第2のタンク231は配管244で接続され、配管244は断熱材245で覆われている。なお、この配管構造においては、配管242と配管244で溶剤蒸気の凝縮が生じないように、例えば第1のタンク211の余熱を、配管242と断熱材243の間、及び配管244と断熱材245の間に取り込むような構成であってもよい。
【0060】
以上のように構成された溶剤蒸気供給装置200においては、溶剤蒸気が、第1のタンク211、第3のタンク222、第2のタンク231の順に送られる。そして、第1のタンク211で発生した溶剤蒸気は、第3のタンク222で予備冷却されるが、この予備冷却においては、溶剤蒸気の温度が目標温度近傍まで冷却される。すなわち、温度調節部230で溶剤蒸気の温度が目標温度に調節される前に、予備冷却部220で溶剤蒸気の温度が目標温度近傍まで調節される。これにより、温度調節部230においては、溶剤蒸気の温度の微調節を行うだけで、溶剤蒸気の温度を目標温度にすることができる。
【0061】
なお、溶剤蒸気の温度制御に対する応答性を高める観点では、第1のタンク211の容積よりも第3のタンク222の容積が小さく、第3のタンク222の容積よりも第2のタンク231の容積が小さいことが好ましい。
【0062】
(構成例3)
図6に示す溶剤蒸気供給装置200は、溶剤貯留部210と、予備冷却部220と、温度調節部230が一体化して1つの容器260に設けられている。この容器260においては、溶剤貯留部210の上方に予備冷却部220が配置され、予備冷却部220の上方に温度調節部230が配置されている。
【0063】
容器260の内部においては、容器260の高さ方向に間隔をおいて2枚のプレート261、262が配置され、これらのプレート261、262によって溶剤貯留部210、予備冷却部220及び温度調節部230が区画されている。詳述すると、溶剤貯留部210と予備冷却部220の間にプレート261が配置され、予備冷却部220と温度調節部230の間にプレート262が配置されている。なお、容器260の高さ方向における溶剤貯留部210と予備冷却部220と温度調節部230の各々の領域の大きさは、容器260の大きさや加熱部212の加熱能力、冷却部232の冷却能力等に応じて適宜変更される。
【0064】
プレート261、262には、溶剤蒸気が通過可能な複数の開口263が形成されている。溶剤貯留部210で発生した溶剤蒸気は、それらの開口263を介して予備冷却部220と温度調節部230に通過することで蒸気供給管240に供給される。なお、プレート261、262は、容器260の内部を区画する仕切り壁の一例であって、例えばパンチングメタルを用いることができる。ここで、パンチングメタルは、その表面に樹脂コーティングを施したものを用いても良い。また、プレート261、262は、金属材料に限らず樹脂により成形されたものであっても良い。
【0065】
予備冷却部220においては、容器260の側面に、溶剤貯留部210の加熱部212や温度調節部230の冷却部232のような温度調節機構が設けられておらず、予備冷却部220は、容器260の周囲の雰囲気に曝されている。このため、溶剤貯留部210で発生した溶剤蒸気は、予備冷却部220を通過することで予備冷却される。その後、予備冷却された溶剤蒸気は、温度調節部230において目標温度まで冷却される。
【0066】
予備冷却部220と温度調節部230によって溶剤蒸気の一部が凝縮(液化)した場合には、凝縮によって生じた溶剤は、容器260の内面や各プレート261、262に付着する。これらの溶剤は、自重によって溶剤貯留部210に落下し、再利用される。
【0067】
なお、予備冷却部220における冷却手段は特に限定されず、例えば冷却部232のような冷却部(図示せず)を設けてもよい。また、例えば予備冷却部220に溶剤蒸気の流れを阻害しないように断熱材(図示せず)を配置して、溶剤貯留部210の余熱が予備冷却部220及び温度調節部230に伝達されないようにしてもよい。
【0068】
また、図7に示すように、容器260の底面を、中央部が下方に突出するテーパ状に形成し、テーパ状の底面の下端にドレン管214を接続してもよい。これにより、溶剤貯留部210に不純物が生じた場合には、容器260の下端に不純物が集まり、ドレン管214からの溶剤の排液時に不純物を除去し易くなる。テーパ状の底面は、前述の第1のタンク211の底面に適用してもよい。
【0069】
また、プレート261、262は、中央部が上方に突出するテーパ状に形成されてもよい。プレート261、262がそのような形状であれば、溶剤蒸気の凝縮により生じた溶剤の液滴がプレート261、262の周縁部に向かって流下し易くなる。これにより、複数の液滴が集合して大きな液滴となり、自重による落下が起こり易くなる。すなわち、凝縮した溶剤を回収し易くなる。また、溶剤の液滴がプレート261、262の開口263を覆うような目詰まりが生じ難くなり、溶剤貯留部210から温度調節部230までの溶剤蒸気の流量を安定させることができる。
【0070】
(構成例4)
図8に示す溶剤蒸気供給装置200は、第1のタンク211で発生した溶剤蒸気を窒素ガスで希釈する希釈室270を備えている。希釈室270には、窒素ガスを供給するガス供給管271が接続され、ガス供給管271は、窒素ガスのガス供給源272に接続されている。なお、溶剤蒸気の希釈のために供給するガスは、窒素ガスに限定されず、アルゴンガスやヘリウムガスなどの他の不活性ガスであってもよい。
【0071】
この構成における溶剤蒸気供給装置200においては、溶剤蒸気の温度が、加熱装置100に供給する目標温度となるように窒素ガスで溶剤蒸気を希釈する。これにより、溶剤蒸気の濃度を目標濃度にすることができる。
【0072】
以上の構成例で説明した溶剤蒸気供給装置200によれば、装置構成の複雑化と高価格化を招くような、タンク内の溶剤の直接加熱制御や、圧力制御による溶剤蒸気の濃度制御を実施せずに、溶剤蒸気の温度と濃度を所望の値に調節できる。換言すると、溶剤蒸気の発生時の気化熱によって溶剤の温度が変動しても、安価な装置構成で、溶剤蒸気の温度と濃度を所望の値に調節できる。すなわち、溶剤蒸気供給装置200によれば、安価な装置構成で、加熱装置100に供給する溶剤蒸気の濃度と温度を安定させることができる。
【0073】
なお、本開示にかかる溶剤蒸気供給装置は、半導体ウェハ以外の処理対象基板、例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)基板の基板処理装置に溶剤蒸気を供給する装置にも適用できる
【0074】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100 加熱装置
200 溶剤蒸気供給装置
210 溶剤貯留部
220 予備冷却部
230 温度調節部
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8