(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084918
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ付き電線
(51)【国際特許分類】
H01R 24/76 20110101AFI20230613BHJP
H01R 13/533 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H01R24/76
H01R13/533 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199310
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】樋口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 猛
(72)【発明者】
【氏名】谷川 智明
(72)【発明者】
【氏名】加門 創太
(72)【発明者】
【氏名】和田 卓十
【テーマコード(参考)】
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E087EE07
5E087FF12
5E087FF18
5E087GG12
5E087JJ06
5E087LL03
5E087LL05
5E087LL13
5E087MM08
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR03
5E087RR15
5E087RR25
5E223AA30
5E223AB01
5E223AC03
5E223AC04
5E223AC12
5E223AC23
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA23
5E223BA26
5E223BB12
5E223BB14
5E223CA27
5E223CB26
5E223CB31
5E223CB38
5E223CB45
5E223EA18
5E223EA33
5E223EA36
(57)【要約】
【課題】外力の影響を吸収できるとともに、組付け性を向上できるコネクタ及びコネクタ付き電線を提供することを目的とする。
【解決手段】電線側コネクタ20は、端子保持部21の内部に、メス型端子31に接続され、可撓性を有する可撓性導電材32と、電線側端子33及び可撓性導電材32と接続される接続固定材34とが設けられ、接続固定材34は、端子保持部21に固定される貫通孔351が両端に設けられた第1バスバー35と、可撓性導電材32が接続され、第1バスバー35より長手方向の長さが短い第2バスバー36とが奥行き方向Dに積層され、第1バスバー35の上方Huの貫通孔351と第2バスバー36において上方Huに設けられた貫通孔361とを重ね合わせて端子保持部21に固定され、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と電線側端子33とを重ね合わせて端子保持部21に固定された。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の先端に装着される電線側端子と、相手側コネクタの端子と接続される端子金具と、前記電線側端子及び前記端子金具を収容するハウジングとが備えられたコネクタであって、
前記ハウジングの内部に、
前記端子金具に接続され、可撓性を有する可撓性導電材と、
前記電線側端子及び前記可撓性導電材と接続されるとともに、前記ハウジングに固定される固定接続部とが設けられ、
前記固定接続部は、
前記ハウジングに固定される固定部が両端側に設けられるとともに、導電性を有する板状の第1板状体と、
前記可撓性導電材が接続されるとともに、導電性を有する板状の第2板状体とが備えられ、
前記第2板状体は、前記第1板状体より長手方向の長さが短く、前記ハウジングに固定される固定部が両端部側のうち一方に設けられ、
前記第1板状体と前記第2板状体とは板厚方向に積層されるとともに、前記第1板状体の一方の前記固定部と前記第2板状体の前記固定部とを重ね合わせて前記ハウジングに固定され、
前記第1板状体の他方側の前記固定部と前記電線側端子とを重ね合わせて前記ハウジングに固定された
コネクタ。
【請求項2】
前記第2板状体の前記固定部とを重ね合わせて前記ハウジングに固定される前記第1板状体の一方の前記固定部は、前記電線と離れた側に配置された
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2板状体において、前記固定部が設けられた側と反対の端部側に前記可撓性導電材が接続された
請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記電線と前記電線側端子は、前記ハウジングにおける前記端子金具の配置方向に対して交差する方向に延伸され、
前記固定接続部は、前記電線の延伸方向に沿う方向、且つ前記端子金具の配置方向に交差する方向に主面が向いて配置され、
前記可撓性導電材は前記第2板状体の前記主面に接続された
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2板状体は前記第1板状体に対して前記端子金具と離れた側に積層された
請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記固定部は、前記ハウジングに対して締結部材で締結固定された
請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載のコネクタと、
前記電線側端子が先端に装着された前記電線とが備えられ、
前記電線の先端に前記コネクタが配置された
コネクタ付き電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ワイヤーハーネス等に装着され、モータなどの機器に接続されるコネクタ及びコネクタ付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤーハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続されている。
【0003】
また、ボディに固定された機器側コネクタに対して電線に装着されたコネクタを接続する場合、ボディ側の振動や、熱によるコネクタの膨張・収縮等の外力による影響が機器側コネクタの端子金具とコネクタの端子金具との接続部に作用し、接続状態が不安定になるおそれがある。そこで、特許文献1に示すように、外力の影響を吸収するため、導電部材として可撓性を有する電線を使用したコネクタが提案されている。
【0004】
詳しくは、特許文献1に記載のコネクタは、機器側コネクタに設けられた相手側端子に接続される端子接続部を有する雌端子と、ハウジングの内部から外部に引き出された外部電線と、外部電線に接続された金属製の中継部と、雌端子と中継部とを接続する、可撓性を有する内部導電部材とを備え、可撓性を有する内部導電部材によって外力の影響を吸収できるとされている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタは、ハウジングに対して直交方向に延出された外部電線と雌端子とを、内部導電部材と中継部とで接続し、一体化し、ハウジング内部に固定している。詳しくは、外部電線、中継部、内部導電部材及び雌端子を、この順で配置して一体化しているため、これらをハウジング内部で接続することはできない。そのため、外部電線、中継部、内部導電部材及び雌端子を接続した状態でハウジング内部に挿通し、外部電線及び雌端子が直交する方向に延出するように配置し、ハウジング内部の所定箇所に中継部を固定することとなる。このように、外部電線及び雌端子は直交する方向に延出するように、接続された外部電線、中継部、内部導電部材及び雌端子を配置することは困難であり、組付け性が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、外力の影響を吸収できるとともに、組付け性を向上できるコネクタ及びコネクタ付き電線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、電線の先端に装着される電線側端子と、相手側コネクタの端子と接続される端子金具と、前記電線側端子及び前記端子金具を収容するハウジングとが備えられたコネクタであって、前記ハウジングの内部に、前記端子金具に接続され、可撓性を有する可撓性導電材と、前記電線側端子及び前記可撓性導電材と接続されるとともに、前記ハウジングに固定される固定接続部とが設けられ、前記固定接続部は、前記ハウジングに固定される固定部が両端側に設けられるとともに、導電性を有する板状の第1板状体と、前記可撓性導電材が接続されるとともに、導電性を有する板状の第2板状体とが備えられ、前記第2板状体は、前記第1板状体より長手方向の長さが短く、前記ハウジングに固定される固定部が両端部側のうち一方に設けられ、前記第1板状体と前記第2板状体とは板厚方向に積層されるとともに、前記第1板状体の一方の前記固定部と前記第2板状体の前記固定部とを重ね合わせて前記ハウジングに固定され、前記第1板状体の他方側の前記固定部と前記電線側端子とを重ね合わせて前記ハウジングに固定されたことを特徴とする。
【0009】
またこの発明は、上述のコネクタと、前記電線側端子が先端に装着された前記電線とが備えられ、前記電線の先端に前記コネクタが配置されたコネクタ付き電線であることを特徴とする。
上記相手側コネクタの端子は、電装機器や電源機器などの機器に設けられた、或いは接続された端子である。
【0010】
これらの発明により、外力の影響を吸収できるとともに、組付け性を向上することができる。
詳述すると、前記ハウジングの内部に、前記端子金具に接続された可撓性導電材と、前記電線側端子及び前記可撓性導電材と接続されるとともに、前記ハウジングに固定される固定接続部とが設けられ、前記固定接続部は、前記ハウジングに固定される固定部が両端側に設けられた第1板状体と、前記可撓性導電材が接続される第2板状体とが備えられ、前記第2板状体は、前記第1板状体より長手方向の長さが短く形成されている。つまり、端子金具に接続された前記可撓性導電材は、前記第1板状体より長手方向の長さが短い前記第2板状体と接続されている。したがって、端子金具に接続された前記可撓性導電材及び前記第2板状体を前記ハウジングに対して容易に組み付けることができる。
【0011】
そして、前記第2板状体は、前記ハウジングに固定される固定部が両端部側のうち一方に設けられ、前記第1板状体と前記第2板状体とは板厚方向に積層されるとともに、前記第1板状体の一方の前記固定部と前記第2板状体の前記固定部とを重ね合わせて前記ハウジングに固定される。そのため、端子金具に接続された前記可撓性導電材は、前記固定接続部を介して接続される前記電線側端子とは別に前記ハウジングに固定することができる。
【0012】
さらには、前記第1板状体の他方側の前記固定部と前記電線側端子とを重ね合わせて前記ハウジングに固定されるため、前記端子金具と接続された前記可撓性導電材とは別に、前記電線側端子を前記ハウジングに固定することができ、前記第1板状体及び前記第2板状体を介して、前記端子金具と接続された前記可撓性導電材と、前記電線側端子とを電気的に接続することができる。
【0013】
このように、前記端子金具及び前記可撓性導電材は、前記電線側端子とは独立して前記ハウジングに装着して、組み付けることができるとともに、前記電線側端子は、前記端子金具及び前記可撓性導電材とは独立して前記ハウジングに装着して、組み付けることができる。したがって、前記端子金具及び前記可撓性導電材と、前記電線側端子とは、それぞれ容易に前記ハウジングに装着するとともに組み付け、前記第1板状体を介して電気的に接続することができる。よって、前記可撓性導電材によって外力の影響を吸収できるとともに、前記端子金具及び前記可撓性導電材と、前記電線側端子とを容易に組み付けて、コネクタの組付け性を向上することができる。
また、前記第1板状体は両端側の前記固定部で前記ハウジングに固定できるため、安定した接続状態を維持することができる。
【0014】
この発明の態様として、前記第2板状体の前記固定部とを重ね合わせて前記ハウジングに固定される前記第1板状体の一方の前記固定部は、前記電線と離れた側に配置されてもよい。
この発明により、前記第1板状体の他方の前記固定部と前記電線側端子とを重ね合わせて前記ハウジングに固定できるため、板状体や前記可撓性導電材の配索経路の複雑化を抑制し、コネクタをコンパクトに構成することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記第2板状体において、前記固定部が設けられた側と反対の端部側に前記可撓性導電材が接続されてもよい。
この発明により、前記第2板状体と前記可撓性導電材との接続部と前記固定部とが干渉することを防止し、安定した接続状態を実現することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記電線と前記電線側端子は、前記ハウジングにおける前記端子金具の配置方向に対して交差する方向に延伸され、前記固定接続部は、前記電線の延伸方向に沿う方向、且つ前記端子金具の配置方向に交差する方向に主面が向いて配置され、前記可撓性導電材は前記第2板状体の前記主面に接続されてもよい。
【0017】
この発明により、前記可撓性導電材を前記第2板状体に確実に接続することができる。また、前記ハウジングは熱によって前記端子金具の配置方向に沿って膨張・収縮することが多く、前記端子金具の配置方向に沿って主面が向くように前記固定接続部が配置された場合、主面に接続された前記可撓性導電材の接続部分に、膨張・収縮等による外力が作用することとなる。そうすると、前記第2板状体と前記可撓性導電材の接続が不安定になるおそれがある。これに対し、前記可撓性導電材が接続される主面は、前記端子金具の配置方向に交差する方向に向いて配置されるため、主面に接続された前記可撓性導電材の接続部分に、膨張・収縮等による外力が作用しにくくなり、安定した接続状態を維持することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記第2板状体は前記第1板状体に対して前記端子金具と離れた側に積層されてもよい。
この発明により、前記端子金具に接続された前記可撓性導電材は前記固定接続部に対して回り込むようにして前記第2板状体に接続されるため、前記第1板状体に対して前記第2板状体が前記端子金具側に配置される場合に比べて、熱に基づく前記ハウジングの膨張・収縮に追従する変形代が増え、前記ハウジングが膨張・収縮した際に前記可撓性導電材がコンパクトに変形することとなる。そのため、コネクタをコンパクトに構成することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記固定部は、前記ハウジングに対して締結部材で締結固定されてもよい。
この発明により、前記第1板状体と前記電線側端子、及び前記第2板状体と前記第1板状体を重ね合わせて締結部材で締結することで前記ハウジングにしっかりと固定することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、外力の影響を吸収できるとともに、組付け性を向上できるコネクタ及びコネクタ付き電線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の一実施形態を以下図面とともに詳述する。
なお、
図1はコネクタ接続構造1の説明図を示し、
図1(a)は接続状態のコネクタ接続構造1の斜視図を示し、
図1(b)はコネクタ接続構造1を構成する機器側コネクタ10と電線側コネクタ20とが接続される前の状態の斜視図を示している。なお、
図1(b)において機器側コネクタ10は正面、平面及び右側面を示す図で表しており、電線側コネクタ20は正面、平面及び左側面を示す図で表している。また
図1において、機器側コネクタ10を設置する機器筐体100を透過する状態で図示している。
【0023】
図2は
図1(b)におけるA-A矢視の電線側コネクタ20の断面斜視図を示し、
図3は電線側コネクタ20の分解斜視図を示し、
図4は
図1(b)におけるB-B矢視の電線側コネクタ20の断面図を示し、
図5は電線側コネクタ20の電線側コネクタ20の説明図を示している。
【0024】
詳しくは、
図5(a)はメス端子組30の分解斜視図を示し、
図5(b)は端子保持部21にメス端子組30が組付けられたA-A矢視(
図1(b))による電線側コネクタ20の断面斜視図を示している。なお、
図5(b)において、端子保持部21は透過状態で図示している。
【0025】
図6は導体構造の組み付けについての説明図を示し、詳しくは、
図6(a)は端子保持部21にメス端子組30のメス型端子31、可撓性導電材32、接続固定材34及び第1バスバー35を組み付ける状態のA-A矢視(
図1(b))による電線側コネクタ20の断面斜視図を示し、
図6(b)はメス型端子31、可撓性導電材32、接続固定材34及び第1バスバー35が組み付けられた端子保持部21に電線側端子33及び高圧電線201を組み付ける状態のA-A矢視(
図1(b))による電線側コネクタ20の断面斜視図を示している。
【0026】
なお、
図1(a)における上下方向を高さ方向Hとし、左下と右上とを結ぶ方向を幅方向Wとし、右下と左上とを結ぶ方向を奥行き方向Dとしている。さらには、上下方向の高さ方向Hにおける上側を上方Huとし、下側を下方Hdとしている。また、右下と左上とを結ぶ奥行き方向Dにおける左上側を奥側Dbとし、右下側を手前側Dfとしている。
【0027】
なお、当該高さ方向H、幅方向W及び奥行き方向Dは、コネクタ接続構造1の構成の説明において便宜的に、機器側コネクタ10と電線側コネクタ20との脱着方向を奥行き方向Dとして、機器側コネクタ10に対して電線側コネクタ20を取付ける方向を奥側Db、機器側コネクタ10から電線側コネクタ20を取り外す方向を手前側Dfとしている。さらに、奥行き方向Dに対して直交する方向を幅方向W及び高さ方向Hに設定している。しかしながら、機器側コネクタ10、電線側コネクタ20及びコネクタ接続構造1の構成に関して方向を規定するものではない。
【0028】
コネクタ接続構造1は、
図1に示すように、例えば、自動車等に装備されたモータなどの電装機器や電源機器などの機器に設けられた機器側コネクタ10と、被覆電線を束ねたワイヤーハーネス200に装着した電線側コネクタ20とを接続する接続構造である。
【0029】
機器側コネクタ10は、
図2及び
図3に示すように、電装機器の機器筐体100(
図1で破線で示す)に取付けられている。
機器側コネクタ10は、
図1(b)に示すように、オス型ハウジング11及びオス型端子12を備えている。
【0030】
オス型ハウジング11は、破線で示す機器筐体100に取付けられ、オス型端子12を所定位置に保持するとともに、電線側コネクタ20と嵌合するように構成している。
オス型ハウジング11は、手前側Dfが開放された箱状であり、内部にオス型端子12を保持する端子保持部111を幅方向Wに所定間隔を隔てて2つ備えている。
【0031】
オス型端子12は、後述する電線側コネクタ20のメス型端子31と接触して、機器側コネクタ10と電線側コネクタ20とを電気的に接続する端子であり、オス型ハウジング11を奥行き方向Dに貫通し、端子保持部111に装着される。
【0032】
オス型端子12は、+極とー極を構成するように端子保持部111に対応して二つ備えている。
【0033】
上述のように構成された機器側コネクタ10と嵌合して、電気的に接合される電線側コネクタ20は、上述の機器側コネクタ10に取付けてコネクタ接続構造1を構成し、機器側コネクタ10のオス型端子12と内部に配置したメス型端子31とを接続するコネクタである。
【0034】
電線側コネクタ20は、ワイヤーハーネス200の先端に取り付けられ、機器側コネクタ10と接続されるコネクタであり、メス端子組30、端子保持部21、ハウジングシェル22、第1シール23、固定枠24、第2シール25、電線保持部26、第3シール27及び内蓋28を備えている。
【0035】
端子保持部21は、後述するメス端子組30を電線側コネクタ20の内部における所定の位置に保持するものであり、ワイヤーハーネス200を挿通するハーネス挿通筒部211と、ハーネス挿通筒部211に挿通されたワイヤーハーネス200の先端に接続されたメス端子組30を配置する保持部本体212とを備えている。
【0036】
ハーネス挿通筒部211は、下端が開口された底面視長円状の筒状体であり、上端は保持部本体212の内部と連通している。
保持部本体212は、奥行き方向Dに貫通する内部空間を有する倒位の略四角筒状に構成され、メス型端子31、可撓性導電材32及び接続固定材34を内部に固定できるように構成している。なお、保持部本体212の内部には接続固定材34を固定する固定ナット37を高さ方向H及び幅方向Wに所定間隔を隔てて4箇所に設けている。
【0037】
ハウジングシェル22は、端子保持部21の外側を覆うとともに、電線側コネクタ20の外形を形成するものである。
ハウジングシェル22は、端子保持部21と同様の形状であり、端子保持部21よりひとまわり大きく形成し、ハーネス挿通筒外部221及びシェル本体222を備えている。
【0038】
詳しくは、ハーネス挿通筒外部221は、ワイヤーハーネス200を挿通するハーネス挿通筒部211を内部に配置するように、ハーネス挿通筒部211よりひとまわり大きく、下端が開口された底面視長円状の筒状体であり、上端はシェル本体222の内部と連通している。
シェル本体222は、ハーネス挿通筒外部221の上端に配置されるとともに、内部に配置する保持部本体212よりひとまわり大きな、奥側Dbが開放された略直方体状である。
【0039】
このように構成されたハウジングシェル22は、シェル本体222を高さ方向Hに分割した分割構成体22a,22bを組み付けて構成している。
詳述すると、幅方向W及び奥行き方向Dに沿う仮想水平面(図示省略)でシェル本体222を分割し、仮想水平面より上方側の上側分割構成体22aと、仮想水平面より下方側の下側分割構成体22bとを高さ方向Hに組み付けて構成している。
【0040】
シェル本体222の仮想水平面より上方部分で上側分割構成体22aを構成するとともに、シェル本体222の仮想水平面より下方部分とハーネス挿通筒外部221とで下側分割構成体22bを構成し、上側分割構成体22aと下側分割構成体22bとを組み付けてハウジングシェル22を構成している。なお、このように構成したハウジングシェル22は金属製であるため、機器側コネクタ10と接続することでシールド効果を奏することができる。
【0041】
第1シール23は、保持部本体212の奥行き方向Dの中央付近に外嵌し、機器側コネクタ10と電線側コネクタ20との接続状態において、機器側コネクタ10を配置した機器筐体100と電線側コネクタ20の端子保持部21との隙間を封止するシール材である。第1シール23は、保持部本体212の背面視形状と一致する平面視四角形状のリング状であり、ゴム製である。
【0042】
固定枠24は、端子保持部21に奥行き方向Dの奥側Dbから取付けて、端子保持部21の保持部本体212に配置したメス端子組30のメス型端子31を所定位置に固定するものである。
第2シール25は、2本の高圧電線201を挿通する孔251を有し、ハーネス挿通筒部211に挿通した高圧電線201とハーネス挿通筒部211の内面との間を封止するシール部材である。そのため、第2シール25はワイヤーハーネス200を構成する2本の高圧電線201に対応して2つ設けている。
【0043】
電線保持部26は、ハーネス挿通筒部211に挿通した高圧電線201をハーネス挿通筒部211に保持するものであり、2本の高圧電線201を挿通する孔を有し、孔を分割可能に奥行き方向Dに2つの分割体で構成している。
【0044】
第3シール27は、端子保持部21のハーネス挿通筒部211に外嵌し、ハーネス挿通筒部211とハーネス挿通筒外部221との間を封止するシール部材である。第3シール27はハーネス挿通筒部211に外嵌できる長円状に形成している。なお、
図3において、固定枠24及び第3シール27は、端子保持部21における所定位置に装着した状態で図示している。
内蓋28は、奥行き方向Dに貫通する内部空間を有する倒位の略四角筒状に構成された保持部本体212の手前側Dfの開口を閉塞するように構成された蓋体である。
【0045】
端子保持部21の内部に配置するメス端子組30は、
図5に示すように、機器側コネクタ10のオス型端子12と接続するメス型端子31、可撓性を有する可撓性導電材32、ワイヤーハーネス200を構成する高圧電線201の先端に設けた電線側端子33、可撓性導電材32と電線側端子33とを接続し、端子保持部21に固定する接続固定材34とを備えている。なお、メス端子組30は、
図4に示すように、2本のオス型端子12及び2本の高圧電線201に対応してふたつ備えている。
【0046】
メス型端子31は、オス型端子12が挿入されて接続する挿入接続部311と、可撓性導電材32の先端接続部321を接続する電線接続部312とを備えている。
挿入接続部311には、
図4に示すように、オス型端子12を挟み込んで接続するバネ部材を備えている。
【0047】
可撓性導電材32は、可撓性を有する導電部材であり、可撓性を有する電線、撚り線、導体、撚り導体などでもよく、限定するものではないが、本実施形態では、導電性芯線を編み上げた編組線で構成している。
なお、可撓性導電材32における奥側Dbの端部をメス型端子31の電線接続部312と接続された先端接続部321とし、手前側Dfの端部を第2バスバー36の主面362と接続された基端接続部322としている。
【0048】
電線側端子33は、絶縁被覆203で電線202を被覆した高圧電線201の先端から露出した電線202に装着した高圧端子である。電線側端子33は、電線202を接続する電線接続部331と、後述する固定ボルト38を挿通する貫通孔333を有し、接続固定材34とともに固定する固定部332とを有する。
【0049】
接続固定材34は、主面を幅方向W且つ高さ方向Hに沿う方向に向けた帯状の金属製板材で構成され、高さ方向Hに長い第1バスバー35と、第2バスバー36とを奥行き方向Dに積層して構成している。
第1バスバー35は、端子保持部21の内部に固定する固定ボルト38を挿通する貫通孔351を長手方向の両端に設けている。
【0050】
第2バスバー36は、端子保持部21の内部に固定する固定ボルト38を挿通する貫通孔361を上方Huの端部に設けている。
なお、第2バスバー36は、第1バスバー35より半分程度の長さで形成している。
【0051】
このように各要素が構成されたメス端子組30において、メス型端子31の電線接続部312に、編組線で構成された可撓性導電材32の先端接続部321を接続して、メス型端子31と可撓性導電材32とを一体化する。なお、電線接続部312と可撓性導電材32の先端接続部321との接続は、溶接してもよいし、電線接続部312で可撓性導電材32を加締めて接続してもよい。
【0052】
一端が電線接続部312に接続された可撓性導電材32の手前側Dfの端部である基端接続部322を、接続固定材34を構成する第2バスバー36の主面362に接続する。具体的には、主面362が幅方向W且つ高さ方向Hに沿う向きで配置された第2バスバー36において、貫通孔361が配置された側とは反対側の下方Hdに可撓性導電材32の基端接続部322を接続する。なお、可撓性導電材32は、第2バスバー36の奥行き方向Dの両主面のうち手前側Dfの主面に接続する。
【0053】
図5(b)に示すように、可撓性導電材32が手前側Dfの主面の下方Hdに接続された第2バスバー36を、第1バスバー35の上方Huの貫通孔351と貫通孔361とが奥行き方向Dに一致するように、第1バスバー35の手前側Dfに積層して接続固定材34を構成する。また、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と、電線接続部331とを奥行き方向Dに一致するように、第1バスバー35の奥側Dbに電線側端子33を積層してメス端子組30を構成する。
【0054】
このように構成されたメス端子組30は、
図4に示すように、奥行き方向Dに延びるメス型端子31と、幅方向Wかつ高さ方向Hに主面が沿う接続固定材34とを可撓性導電材32で接続している。奥行き方向Dに延びるメス型端子31と、幅方向Wかつ高さ方向Hに主面が沿う接続固定材34とを接続する可撓性導電材32は、手前側Dfかつ幅方向Wに曲がり、接続固定材34を構成する第2バスバー36の幅方向Wの側方を通り、曲がって、第2バスバー36の手前側Dfの主面に接続されることとなる。
【0055】
つまり、可撓性導電材32において、メス型端子31の電線接続部312と接続された先端接続部321は奥行き方向D且つ高さ方向Hに沿って配置され、第2バスバー36の主面362に接続された基端接続部322は幅方向W且つ高さ方向Hに沿って配置され、先端接続部321と基端接続部322とは平面視において互いに直交する向きで配置されることとなる。
【0056】
続いて、端子保持部21に対するメス端子組30の組み付けについて、
図6とともに説明する。
まず、メス型端子31の電線接続部312に可撓性導電材32の先端接続部321を接続するとともに、第2バスバー36の手前側Dfの主面362の下方Hdに可撓性導電材32の基端接続部322を接続して、メス型端子31、可撓性導電材32及び第2バスバー36を一体化する。
【0057】
次に、
図6(a)に示すように、保持部本体212の手前側Dfの開口から、主面が幅方向Wかつ高さ方向Hに沿う向きで第1バスバー35を内部に配置し、奥側Dbの開口から、一体化したメス型端子31、可撓性導電材32及び第2バスバー36を内部に配置する。
【0058】
そして、メス型端子31を所定位置に配置するとともに、幅方向Wかつ高さ方向Hに沿う向きで配置された第1バスバー35の手前側Dfに第2バスバー36を配置する。このとき、第1バスバー35の上方Huの貫通孔351と、第2バスバー36の貫通孔361とを、保持部本体212の内部に配置した固定ナット37のうち上方Huの固定ナット37に合わせて配置し、貫通孔361及び貫通孔351に手前側Dfから固定ボルト38を挿入して固定ナット37に螺合し、接続固定材34を構成する第1バスバー35の上方Huと、第2バスバー36とを保持部本体212に固定する。
【0059】
続いて、ハーネス挿通筒部211の下方Hdから、先端に電線側端子33を接続したワイヤーハーネス200を挿入する。ハーネス挿通筒部211から挿入されたワイヤーハーネス200の先端に接続した電線側端子33の固定部332を、第1バスバー35の下方Hdと、下方Hdの固定ナット37との間に挿入する。
【0060】
そして、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と、固定部332の貫通孔333とを、保持部本体212の内部に配置した固定ナット37のうち下方Hdの固定ナット37に合わせ、貫通孔351及び貫通孔333に手前側Dfから固定ボルト38を挿入して固定ナット37に螺合する。このように、接続固定材34を構成する第1バスバー35の下方Hdと、貫通孔333とを保持部本体212に固定し、メス端子組30の端子保持部21への組付けを完了する。
【0061】
このようにしてメス端子組30が組み付けられた保持部本体212の手前側Dfの開口に内蓋28を装着するとともに、保持部本体212の奥側Dbの開口に固定枠24を装着する。また、第1シール23を保持部本体212に外嵌するが、予め第1シール23を端子保持部21に外嵌していてもよい。
【0062】
さらに、ハーネス挿通筒部211の下方から高圧電線201に対して第2シール25及び電線保持部26を装着するとともに、上側分割構成体22a及び下側分割構成体22bを装着して、ハウジングシェル22を構成し、電線側コネクタ20の組み付けを完了する。なお、第2シール25及び電線保持部26は、ハーネス挿通筒部211にワイヤーハーネス200を挿入する際に予め装着していてもよい。
【0063】
このように構成された電線側コネクタ20の端子保持部21は、高さ方向Hに沿うハーネス挿通筒部211と奥行き方向Dに沿う保持部本体212とで略L字状を構成し、保持部本体212から奥行き方向Dに沿って配置されたメス型端子31と、下方Hdに延出されたワイヤーハーネス200とは、略直交する向きで配置される。
【0064】
このように組み付けられた電線側コネクタ20を、
図1に示すように、機器側コネクタ10と嵌合することでコネクタ接続構造1を構成し、機器側コネクタ10のオス型端子12と、電線側コネクタ20のメス型端子31とが接触し、機器側コネクタ10と電線側コネクタ20とを電気的に接続することができる。
【0065】
上述したように、高圧電線201の先端に装着される電線側端子33と、機器側コネクタ10のオス型端子12と接続されるメス型端子31と、電線側端子33及びメス型端子31を収容する端子保持部21とが備えられた電線側コネクタ20、及び電線側コネクタ20を先端に備えたワイヤーハーネス200は、端子保持部21の内部に、メス型端子31に接続され、可撓性を有する可撓性導電材32と、電線側端子33及び可撓性導電材32と接続されるとともに、端子保持部21に固定される接続固定材34とが設けられ、接続固定材34は、端子保持部21に固定される貫通孔351が両端側に設けられるとともに、導電性を有する板状の第1バスバー35と、可撓性導電材32が接続されるとともに、導電性を有する板状の第2バスバー36とが備えられ、第2バスバー36は、第1バスバー35より長手方向の長さが短く、端子保持部21に固定される貫通孔361が上方Huに設けられ、第1バスバー35と第2バスバー36とは奥行き方向Dに積層されるとともに、第1バスバー35の上方Huの貫通孔351と第2バスバー36の貫通孔361とを重ね合わせて端子保持部21に固定され、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と電線側端子33の貫通孔333とを重ね合わせて端子保持部21に固定されているため、外力の影響を吸収できるとともに、組付け性を向上することができる。
【0066】
詳述すると、端子保持部21の内部に、メス型端子31の電線接続部312に先端接続部321が接続された可撓性導電材32と、電線側端子33及び可撓性導電材32の基端接続部322と接続されるとともに、端子保持部21に固定される接続固定材34とが設けられている。接続固定材34は、端子保持部21に固定される固定ボルト38を挿通する貫通孔351が高さ方向Hの両端部に設けられた第1バスバー35と、可撓性導電材32が接続される第2バスバー36とが備えられ、第2バスバー36は、第1バスバー35より長手方向の長さが短く形成されている。つまり、メス型端子31の電線接続部312に先端接続部321が接続された可撓性導電材32の基端接続部322は、第1バスバー35より長手方向の長さが短い第2バスバー36と接続されている。したがって、メス型端子31に接続された可撓性導電材32及び第2バスバー36を端子保持部21に対して容易に組み付けることができる。
【0067】
そして、第2バスバー36は、端子保持部21に固定される貫通孔361が上方Huに設けられ、第1バスバー35と第2バスバー36とは奥行き方向Dに積層されるとともに、第1バスバー35の上方Huの貫通孔351と第2バスバー36の貫通孔361とを重ね合わせて端子保持部21に固定される。そのため、メス型端子31に接続された可撓性導電材32は、接続固定材34を介して接続される電線側端子33とは別に端子保持部21に固定することができる。
【0068】
さらには、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と電線側端子33の貫通孔333とを重ね合わせて固定ボルト38で端子保持部21に固定される。そのため、メス型端子31と接続された可撓性導電材32とは別に、電線側端子33及びワイヤーハーネス200を端子保持部21に固定することができ、接続固定材34を介して、メス型端子31と接続された可撓性導電材32と、電線側端子33及びワイヤーハーネス200とを電気的に接続することができる。
【0069】
このように、メス型端子31及び可撓性導電材32と、電線側端子33及びワイヤーハーネス200とは、相互に独立して端子保持部21に装着して、組み付けることができる。したがって、メス型端子31及び可撓性導電材32と、電線側端子33及びワイヤーハーネス200とは、それぞれ容易に端子保持部21に装着するとともに組み付け、第1バスバー35を介して電気的に接続することができる。よって、可撓性導電材32によって外力の影響を吸収できるとともに、メス型端子31及び可撓性導電材32と、電線側端子33及びワイヤーハーネス200とを容易に組み付けて、電線側コネクタ20の組付け性を向上することができる。
また、第1バスバー35は高さ方向Hの両側の貫通孔351で端子保持部21に固定できるため、安定した接続状態を維持することができる。
【0070】
また、第2バスバー36の貫通孔361とを重ね合わせて端子保持部21に固定される第1バスバー35の貫通孔351は、上方Huに配置され、第1バスバー35の下方Hdの貫通孔351と電線側端子33の貫通孔333とを重ね合わせて端子保持部21に固定できる。そのため、接続固定材34や可撓性導電材32の配索経路が複雑化せず、電線側コネクタ20をコンパクトに構成することができる。
【0071】
また、第2バスバー36の主面362における下方Hdに可撓性導電材32の基端接続部322が接続されている。そのため、第2バスバー36と可撓性導電材32との接続である基端接続部322と貫通孔361に挿通された固定ボルト38とが干渉することを防止し、安定した接続状態を実現することができる。
【0072】
また、高圧電線201と電線側端子33は、端子保持部21において奥行き方向Dに沿って配置されたメス型端子31と交差する高さ方向Hに延伸され、接続固定材34は、高さ方向Hに沿う方向、且つメス型端子31の配置する奥行き方向Dに直交する幅方向Wに主面が向いて配置され、可撓性導電材32の基端接続部322は第2バスバー36の主面362に接続されているため、可撓性導電材32を第2バスバー36に確実に接続することができる。
【0073】
また、端子保持部21は熱によって奥行き方向Dに沿って膨張・収縮することが多く、奥行き方向Dに沿って第2バスバー36の主面362が向くように接続固定材34が配置された場合、第2バスバー36の主面362に接続された可撓性導電材32の基端接続部322に、膨張・収縮等による外力が作用することとなる。そうすると、第2バスバー36と可撓性導電材32の接続が不安定になるおそれがある。
【0074】
これに対し、可撓性導電材32が接続される第2バスバー36の主面362は、奥行き方向Dに直交する幅方向W且つ高さ方向Hに向いて配置されるため、第2バスバー36の主面362に接続された可撓性導電材32の基端接続部322に、膨張・収縮等による外力が作用しにくくなり、安定した接続状態を維持することができる。
【0075】
また、第2バスバー36は第1バスバー35に対してメス型端子31と離れた手前側Dfに積層されているため、メス型端子31に接続された可撓性導電材32の基端接続部322は接続固定材34に対して回り込むようにして第2バスバー36の主面362に接続される。そのため、第2バスバー36が第1バスバー35に対して奥側Dbに配置される場合に比べて、熱に基づく端子保持部21の膨張・収縮に追従する変形代が増え、端子保持部21が膨張・収縮した際に可撓性導電材32がコンパクトに変形することとなる。そのため、電線側コネクタ20をコンパクトに構成することができる。
【0076】
また、貫通孔333.352.361は、端子保持部21に対して固定ボルト38で締結固定されているため、第1バスバー35と電線側端子33、及び第2バスバー36と第1バスバー35を重ね合わせて固定ボルト38で締結することで端子保持部21にしっかりと固定することができる。
【0077】
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明の電線は高圧電線201に対応し、
以下同様に、
相手側コネクタは機器側コネクタ10に対応し、
相手側コネクタの端子はオス型端子12に対応し、
端子金具はメス型端子31に対応し、
ハウジングは端子保持部21に対応し、
コネクタは電線側コネクタ20に対応し、
固定接続部は接続固定材34に対応し、
固定部は貫通孔351,361に対応し、
第1板状体は第1バスバー35に対応し、
第2板状体は第2バスバー36に対応し、
板厚方向は奥行き方向Dに対応し、
第1板状体の一方の固定部は上方Huの貫通孔351に対応し、
第1板状体の他方側の固定部は下方Hdの貫通孔351に対応し、
電線と離れた側は上方Huに対応し、
固定部が設けられた側と反対の端部側は下方Hdに対応し、
交差する方向は直交する方向に対応し、
電線の延伸方向は高さ方向Hに対応し、
端子金具の配置方向は奥行き方向Dに対応し、
締結部材は固定ボルト38に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0078】
例えば、上述の説明では、電線側コネクタ20を接続する機器側コネクタ10は機器筐体100に固定されていたが、機器筐体100に固定されておらず、電装機器や電源機器などの機器から延びる電線に接続されたコネクタであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…機器側コネクタ
12…オス型端子
20…電線側コネクタ
21…端子保持部
31…メス型端子
32…可撓性導電材
33…電線側端子
34…接続固定材
35…第1バスバー
36…第2バスバー
38…固定ボルト
201…高圧電線
351,361…貫通孔
D…奥行き方向
H…高さ方向
Hu…上方
Hd…下方