IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大陽日酸株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-供給管理システム 図1
  • 特開-供給管理システム 図2
  • 特開-供給管理システム 図3
  • 特開-供給管理システム 図4
  • 特開-供給管理システム 図5
  • 特開-供給管理システム 図6
  • 特開-供給管理システム 図7
  • 特開-供給管理システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085130
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】供給管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230613BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20230613BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230613BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20230613BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20230613BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20230613BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20230613BHJP
   C25B 15/02 20210101ALI20230613BHJP
【FI】
G06Q50/06
F17C5/06
G06Q10/04
C01B3/00 Z
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B15/08 302
C25B15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199630
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永冨 眞司
(72)【発明者】
【氏名】久野 広喜
【テーマコード(参考)】
3E172
4G140
4K021
5L049
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BD03
3E172EA02
3E172EA15
3E172EA25
3E172EA35
4G140AB01
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC07
4K021CA09
4K021DC03
4K021EA06
5L049AA04
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】供給管理システムにおいて効率よく水素を発生させることができる。
【解決手段】外部から得られた気象予測情報に基づいて、将来の特定期間の天気に対する前記発電電力を発電可能な天気の度合いを示す発電指標を算出する算出部と、過去に前記燃料電池装置に対して充填された水素の充填量を示す過去実績データを含む情報に基づいて、前記特定期間において前記燃料電池装置へ充填が行われた後の前記貯蔵タンク内の水素残量である将来タンク残量を予測し、前記発電指標と前記将来タンク残量とに基づいて、前記水素発生装置の駆動を制御する制御部と、を備える供給管理システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギーにより発電された発電電力を用いて水素を発生させる水素発生装置と、
前記水素発生装置で発生させた前記水素を貯蔵タンクで貯蔵し、貯蔵した前記水素を燃料電池装置に対して充填する水素供給装置と、
前記水素発生装置の駆動を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
外部から得られた気象予測情報に基づいて、将来の特定期間の天気に対する、前記発電電力を発電可能な天気の度合いを示す発電指標を算出する算出部と、
過去に前記燃料電池装置に対して充填された前記水素の充填量を示す過去実績データを含む情報に基づいて、前記特定期間において前記燃料電池装置への充填後の前記貯蔵タンク内の水素残量である将来タンク残量を予測する予測部と、
前記発電指標と前記将来タンク残量とに基づいて、前記水素発生装置の駆動を制御する制御部と、
を備える供給管理システム。
【請求項2】
前記発電指標は、前記特定期間の天気に対する晴れの割合又は前記晴れの割合から求まる指標である、
請求項1に記載の供給管理システム。
【請求項3】
前記予測部は、前記過去実績データに基づいて前記特定期間において前記水素発生装置から前記燃料電池装置に充填される充填量である予測充填量を予測し、予測した前記予測充填量と前記貯蔵タンク内の現在の水素残量とを含む情報を用いて前記将来タンク残量を予測する、
請求項1又は2に記載の供給管理システム。
【請求項4】
前記特定期間は、一日のうちの操業時間以内の期間であり、
前記算出部は、当日から少なくとも一日後までの日ごとの前記発電指標を算出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の供給管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、複数日分の前記発電指標と前記将来タンク残量とに応じて前記水素発生装置を駆動するか否かを判定し、前記水素発生装置を駆動させると判定された場合には、前記水素発生装置を起動させることで前記水素を発生させる、
請求項4に記載の供給管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記貯蔵タンク内の現在の水素残量が閾値を下回る場合には前記発電指標に関わらず前記水素発生装置を駆動し、
前記閾値は、前記水素供給装置から前記燃料電池装置へ前記水素を充填可能な水素残量を示す、
請求項1から5のいずれか一項に記載の供給管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電などの再生可能エネルギーによって発電された発電電力を用いて水電解装置で水素を発生させ、その発生させた水素を、燃料電池を搭載した車両に供給する供給管理システムがある(例えば、特許文献1)。この供給管理システムは、水電解装置が駆動することで発生した水素(水素ガス)を貯蔵装置で貯蔵し、その貯蔵装置で貯蔵した水素を必要に応じて車両に対して充填する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-34089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、具体的にどのような方法で水電解装置を駆動させるのかは記載されておらず、人の判断で水素発生装置を起動させているのが現状である。そのため、再生可能エネルギーを有効活用できているとは言えず、供給管理システムにおいて効率よく水素を発生させることが求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、効率よく水素を発生させることができる供給管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、再生可能エネルギーにより発電された発電電力を用いて水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置で発生させた前記水素を貯蔵タンクで貯蔵し、貯蔵した前記水素を燃料電池装置に対して充填する水素供給装置と、前記水素発生装置の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、外部から得られた気象予測情報に基づいて、将来の特定期間の天気に対する前記発電電力を発電可能な天気の度合いを示す発電指標を算出する算出部と、過去に前記燃料電池装置に対して充填された前記水素の充填量を示す過去実績データを含む情報に基づいて、前記特定期間において前記燃料電池装置への充填後の前記貯蔵タンク内の水素残量である将来タンク残量を予測する予測部と、前記発電指標と前記将来タンク残量とに基づいて、前記水素発生装置の駆動を制御する制御部と、を備える供給管理システムである。
【0007】
(2)上記(1)の供給管理システムであって、前記発電指標は、前記特定期間の天気に対する晴れの割合又は前記晴れの割合から求まる指標であってもよい。
【0008】
(3)上記(1)又は上記(2)の供給管理システムであって、前記予測部は、前記過去実績データに基づいて前記特定期間において前記水素発生装置から前記燃料電池装置に充填される充填量である予測充填量を予測し、予測した前記予測充填量と前記貯蔵タンク内の現在の水素残量とを含む情報を用いて前記将来タンク残量を予測してもよい。
【0009】
(4)上記(1)から上記(3)のいずれかの供給管理システムであって、前記特定期間は、一日のうちの操業時間以内の期間であり、前記算出部は、当日から少なくとも一日後までの日ごとの前記発電指標を算出してもよい。
【0010】
(5)上記(4)の供給管理システムであって、前記制御部は、複数日分の前記発電指標と前記将来タンク残量とに応じて前記水素発生装置を駆動するか否かを判定し、前記水素発生装置を駆動させると判定された場合には、前記水素発生装置を起動させることで前記水素を発生させてもよい。
【0011】
(6)上記(1)から上記(5)のいずれかの供給管理システムであって、前記制御部は、前記貯蔵タンク内の現在の水素残量が閾値を下回る場合には前記発電指標に関わらず前記水素発生装置を駆動し、前記閾値は、前記水素供給装置から前記燃料電池装置へ前記水素を充填可能な最小水素残量を示すものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、供給管理システムにおいて効率よく水素を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る供給管理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る制御装置の機能部のブロック図である。
図3】本実施形態に係る予測運転設定情報の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る発電指標の算出方法のフロー図である。
図5】本実施形態に係る発電指標を説明する図である。
図6】本実施形態に係る予測部及び処理部の動作のフロー図である。
図7】本実施形態に係る判定部の動作のフロー図である。
図8】本実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態に係る供給管理システム1を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る供給管理システム1の概略構成の一例を示す図である。供給管理システム1は、発電装置10、蓄電池20、水電解装置30、水素供給装置40、1つ以上の燃料電池車50及び制御装置60を備える。水電解装置30は、「水素発生装置」の一例である。供給管理システム1は、燃料電池車50に水素を充填したりすればよく、燃料電池車50を備えない構成としてもよい。すなわち、供給管理システム1では、燃料電池車50は、必須の構成ではない。燃料電池車50は、水素を燃料として利用する装置である「燃料電池装置」の一例である。
【0016】
発電装置10は、再生可能なエネルギーを利用して発電する発電電源である。発電装置10は、例えば太陽光発電や風力発電などである。本実施形態の一例として、発電装置10が太陽光発電を利用する場合には、発電装置10は、太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ:Power Conditioning Subsystem)などを備えてもよい。発電装置10が発電した電力(以下、「発電電力」という)は、蓄電池20に蓄電されたり、水電解装置30に供給されたりする。なお、発電装置10が発電した発電電力の電力量(以下、「発電量」という。)の情報は、通信ネットワークNWを介して制御装置60に逐次送信されてもよい。
【0017】
通信ネットワークNWは、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワークNWは、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、通信ネットワークNWは、省電力広域ネットワーク(LPWAN:LPWAN:Low-power Wide-area Network)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を用いてもよい。
【0018】
蓄電池20は、発電電力を蓄える。例えば、蓄電池20は、発電装置10と電気的に接続されており、発電装置10が発電した発電電力を蓄える。この発電装置10に蓄えられた発電電力は、水電解装置30に供給される。ただし、供給管理システム1は、蓄電池20を備えなくてもよい。すなわち、供給管理システム1では、蓄電池20は、必須の構成ではない。
【0019】
水電解装置30は、発電装置10が発電した発電電力により駆動して水素(水素ガス)を発生させる。水電解装置30は、発電装置10が発電した発電電力を駆動源として駆動することができ、水を電気分解して水素を発生させる。水電解装置30の駆動源である発電電力は、発電装置10から直接供給される電力であってもよいし、蓄電池20に蓄電された電力であってもよいし、その両方であってもよい。
【0020】
水電解装置30は、通信ネットワークNWを介して制御装置60に接続し、制御装置60と情報を送受する。水電解装置30は、通信ネットワークNWを介して制御装置60から駆動指令を受信すると、発電電力を動作源として駆動を開始して水素の生成を開始する。
【0021】
水素供給装置40は、水電解装置30によって発生した水素を貯蔵し、貯蔵した水素を燃料電池車50に供給する。水素供給装置40は、例えば、貯蔵タンク41及び充填装置42を備える。なお、水素供給装置40は、オンサイト型であってもよいし、オフサイト型であってもよい。
【0022】
貯蔵タンク41は、水電解装置30によって生成された水素を貯蔵する。貯蔵タンク41は、例えば、バッファータンクや複数の蓄圧器411などを備える。貯蔵タンク41は、水電解装置30によって生成されて不図示の圧縮機によって圧縮された水素を貯蔵する。
【0023】
貯蔵タンク41には、圧力計及び温度計が設けられている。水素供給装置40は、圧力計及び温度計の計測値、すなわち貯蔵タンク41内に貯蔵されている水素の圧力及び温度の計測値の情報を通信ネットワークNW経由で制御装置60に送信する。例えば、蓄圧器411のそれぞれにおいて、圧力計及び温度計が設けられており、その計測結果は、通信ネットワークNWを介して制御装置60に送信される。
【0024】
充填装置42は、貯蔵タンク41に貯蔵されている水素を燃料電池車50に充填する。例えば、充填装置42は、貯蔵タンク41内の水素を燃料電池車50に充填するディスペンサである。充填装置42は、燃料電池車50に水素ガスを充填した際には、充填した水素の量(以下、「充填量」という。)と、充填した日時と、の情報を記録し、その記録した情報を制御装置60に送信する。また、充填装置42は、充填に使用した蓄圧器411の情報を制御装置60に送信してもよい。
【0025】
燃料電池車50は、水素を燃料として利用する車両である。例えば、燃料電池車50は、燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle:FCV)であってもよいし、図1に示すように燃料電池フォークリフト(FCFL)であってもよい。例えば、燃料電池車50は、自動運転又は手動運転によって水素供給装置40に向かい、水素の充填(補給)が行われる。なお、図1に示す例では、供給管理システム1は、1台以上の燃料電池車50を有する。供給管理システム1では、燃料電池車50に限定されず、水素を燃料として利用する装置であればよい。
【0026】
制御装置60は、コンピュータであってもよい。制御装置60は、サーバ装置であってもよい。前記サーバ装置は、少なくとも一つの物理サーバを備えてもよい。複数の物理サーバは、通信ネットワークを介して互いに接続されていることにより、互いに通信可能である。前記物理サーバは、少なくとも一つの仮想サーバを備えてもよい。仮想サーバは、クラウドシステム上のサーバ(クラウドサーバ)であってもよい。
【0027】
制御装置60は、通信ネットワークNWを介して水電解装置30と接続されており、水電解装置30の駆動を制御する。制御装置60は、外部から得られる気象予測情報、現在の貯蔵タンク41の水素残量、及び燃料電池装置に対する過去の充填量のデータを用いて水電解装置30を駆動するか否かを判定する駆動判定を実行する。制御装置60は、駆動判定によって水電解装置30を駆動(運転)させると判定した場合には、通信ネットワークNWを介して駆動信号を水電解装置30に送信する。これにより、制御装置60は、水電解装置30を起動させて運転させることができる。
【0028】
以下において、本実施形態の制御装置60の機能部について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置60の機能部のブロック図である。
【0029】
図2に示すように、制御装置60は、算出部61、予測部62、過去実績データベース63及び制御部64を備える。
【0030】
算出部61は、外部から得られた気象予測情報に基づいて、将来の特定期間の天気に対する、発電電力を発電可能な天気の度合いを示す発電指標を算出する。例えば、特定期間は、一日のうちの操業時間内の期間である。例えば、操業時間が8:00~17:00である場合には、特定期間は、8:00~17:00までの期間以内に含まれていればよく8:00から12:00までの午前の期間であってもよいし、12:00から17:00までの午後の期間であってもよいし、両方であってもよい。特定期間は、午前及び午後のように、一日のうちの複数の期間を示すものであってもよい。なお、以下に説明する例では、特定期間は操業時間であることを示すが、これに限定されず、数日、又は数週間であってもよい。
【0031】
ここで、発電装置10が太陽光発電を利用して発電する装置である場合には、発電電力を発電可能な天気とは、「晴れ」である。
【0032】
算出部61は、通信ネットワークNWを介して外部サーバ100から発電装置10を含む地域の気象予測情報を取得する。外部サーバ100は、例えば、気象庁及び気象庁以外の企業の少なくともいずれかが運用しているサーバである。
【0033】
気象予測情報は、現在の時刻から先の時刻である予測時刻と、その予測時刻での地域の天気の予測情報と、が対応付けられた情報を含む。天気の予測情報とは、晴れ、曇り、雨のような気象状態の情報である。
【0034】
例えば、算出部61は、複数日分の単位時間ごとの気象予測情報を外部サーバ100から取得する。複数日分とは、二日分以上であればよい。算出部61は、現在からn(nは1以上の整数)日後までの各日における単位時間ごとの気象予測情報を外部サーバ100から取得する。例えば、n=2である場合には、算出部61が、当日、一日後、二日後の3日分の単位時間ごとの気象予測情報を取得する。
【0035】
算出部61は、取得した気象予測情報に基づいて日ごとの発電指標を算出する。すなわち、算出部61は、取得した気象予測情報から一日における特定期間の単位時間ごとの「晴れ」を示すデータを収集し、その特定期間の全体の天気予測情報に対する晴れの度合いを発電指標として算出する。これにより、算出部61は、当日からn日後までの日ごとの発電指標を算出する。
【0036】
発電指標は、特定期間の全体の天気予測情報に対する晴れの割合(以下、単に「晴れの割合」という。)を示すものであってもよいし、その晴れの割合から求まる指標であってもよい。例えば、算出部61は、晴れの割合を算出する。そして、算出部61は、算出した晴れの割合が、以下に例示する複数の区分(以下、「割合区分」という。)(a),(b)及び(c)のうち、どの割合区分に当てはまるかを決定する。一例として、区分範囲は、0~100%が複数の区分に分割されたものである。なお、以下に示す(a),(b)及び(c)の割合区分は、例示であって、割合区分の数及び割合区分の範囲には特に限定されない。
【0037】
・晴れの割合が70%以上…(a)
・晴れの割合が30%以上~70%未満…(b)
・晴れの割合が30%未満…(c)
【0038】
算出部61は、複数の割合区分の中から、晴れの割合が当てはまる割合区分を特定する。そして、算出部61は、特定した割合区分の情報を制御部64に送信する。なお、この割合区分は、発電指標の一例である。すなわち、割合区分は、晴れの割合から求まる指標の一例である。
【0039】
過去実績データベース63には、過去に燃料電池車50に対して充填された水素の充填量を示す過去実績データが格納されている。この過去実績データは、貯蔵タンク41に設置されている圧力計や温度計などから得られる情報であってもよい。一例として、過去実績データベース63には、過去実績データとして、燃料電池車50に対して行われた充填ごとの充填量データを含む。充填量データは、充填ごとに得られるデータであって、充電が行われた日時(以下、「充電日時」という。)とその充電日時での充電量とが関連付けられたデータである。
【0040】
予測部62は、過去に燃料電池車50に対して充填された水素の充填量を示す過去実績データを含む情報に基づいて、当日の特定期間における貯蔵タンク41内の水素残量(以下、「将来タンク残量」という。)を予測する。当日とは、駆動判定を実行する日や制御装置60によって水電解装置30の駆動を制御する日である。
【0041】
将来タンク残量は、当日における将来の特定期間において燃料電池車50への充填が行われた後の貯蔵タンク41内の水素残量の予測値である。例えば、過去実績データから予測される当日の充填量の充填(以下、「予測充填」という。)が、当日の特定期間内に燃料電池車50に対して行われると仮定した場合において、その予測充填後の貯蔵タンク41の水素残量が将来タンク残量に相当する。以下において、将来タンク残量の予測方法の一例を説明する。
【0042】
予測部62は、過去実績データを含む情報に基づいて、燃料電池車50に対する当日の予測充填量X1の予測を行う。当日の予測充填量X1は、当日において充填されると予測された充填量の累積値である。尚、以下において、当日の予測充填量の予測値を「予測充填量」と称する場合がある。ここで、予測部62が、予測充填量X1を予測するにあたって、当日の平均予測充填量X0を算出する。当日の平均予測充填量X0は、当日において充填されると予測された1日あたりの平均充填量である。
【0043】
例えば、予測部62は、過去実績データに基づいて、当日の前日に燃料電池車50に対して充填が行われたか否かを判定する。尚、燃料電池車50に対して充填が行われた日を「充填日」と称する場合ある。予測部62は、前日が充填日ではないと判定した場合には、前日の平均予測充填量(以下、「前日平均予測充填量」という。)X0’を当日の平均予測充填量X0に設定する。前日平均予測充填量X0’は、燃料電池車50に対して充填されると予測された、前日の1日あたりの平均充填量である。この前日平均予測充填量X0’は、過去実績データに基づいて予測部62により求められる。
【0044】
予測部62は、当日の前日において燃料電池車50に対して水素の充填が行われたと判定した場合には、その前々日以降において燃料電池車50に対して水素の充填が行われた日(以下、「過去充填日」という。)を特定する。この過去充填日は、前日より過去の日であって、前日に最も近い充填日である。すなわち、前日が前回の充填日である場合には、過去充填日が前々回の充填日である。
【0045】
予測部62は、前日から過去充填日までの日数N1を求める。予測部62は、前日から過去充填日までの間に、非稼働日が有る場合には、その非稼働日の日数N2を算出する。そして、予測部62は、日数N1から日数N2を差し引くことで、日数N3(=N1-N2)を得る。日数N3は、前日から過去充填日までの日数のうち、稼働日の日数を示す。
【0046】
予測部62は、前日平均予測充填量X0’を取得し、以下の式(1)に基づいて、当日の平均予測充填量X0を算出する。尚、式(1)、(2)及び(3)に示す前日の充填積算量X2’は、実際に前日に充填された水素の充填量の積算量であって、計測値である。
【0047】
当日の平均予測充填量X0={(前日の充填積算量X2’÷日数N3)+前日平均予測充填量X0’}÷2…(1)
【0048】
上記の通り、予測部62は、前日が過去充填日ではない場合には、当日の予測充填量X0を前日平均予測充填量X0’の値に設定する。一方、予測部62は、前日が過去充填日である場合には、式(1)に基づいて、当日の平均予測充填量X0を求める。
【0049】
次に、予測部62は、当日の平均予測充填量X0を用いて当日の予測充填量X1を求める。予測部62は、前日が充填日ではない場合において、以下に示す式(2)を用いて当日の予測充填量X1を求める。尚、式(2)(3)に示す前日の予測充填量X1’は、前日に求めた予測充填量X1の値に設定する。
【0050】
当日の予測充填量X1=前日の予測充填量X1’+当日の平均予測充填量X0…(2)
【0051】
一方、予測部62は、前日が充填日である場合には、以下に示す式(3)を用いて当日の予測充填量X1を求める。
【0052】
当日の予測充填量X1=前日の予測充填量X1’-前日の充填積算量X2’+当日の平均予測充填量X0…(3)
【0053】
尚、前日の予測充填量X1’とは、前日において充填されると予測された充填量の累積値である。尚、例えば、運用日は、事前に登録可能とし、休日はカウントしない。
【0054】
予測部62は、貯蔵タンク41内の水素残量W0を監視している。予測部62は、予測した予測充填量X1、水素残量W0及び当日の充填積算量X2を用いて、以下に示す式(4)から将来タンク残量W1を求める。当日の充填積算量X2は、実際の計測値である。
【0055】
「将来タンク残量W1」=「現在の水素残量W0」-(「当日の予測充填量X1」-「当日の充填積算量X2」)…(4)
【0056】
ここで、予測充填量X1≦充填積算量X2の場合は、予測部62は、(X1-X2)を0(ゼロ)として処理してもよい。なお、予測部62は、当日の予測充填量X1を1日ごとに加算する。予測部62は、算出した将来タンク残量W1を制御部64に出力する。
【0057】
制御部64は、算出部61により求められた発電指標と、予測部62により予測された将来タンク残量W1とに基づいて、水電解装置30の駆動を制御する。以下において、制御部64の構成について説明する。
【0058】
本実施形態に係る制御部64は、処理部71、判定部72及び駆動部73を備える。
【0059】
処理部71は、将来タンク残量W1が閾値Lを超えるか否かを判定する予測残量判定を実行する。処理部71は、将来タンク残量W1が閾値Lを超える場合には、予測充填後も貯蔵タンク41内に十分な水素残量があると判定する。処理部71は、将来タンク残量W1が閾値L以下である場合には、予測充填後に貯蔵タンク41内の水素残量が閾値L以下になると判定する。処理部71は、予測残量判定の判定結果を制御部64に出力する。
【0060】
処理部71は、現在の水素残量W0が閾値L未満であるか否かを判定する現在残量判定を実行する。処理部71は、現在残量判定の判定結果を制御部64に出力する。
【0061】
処理部71は、最も高い圧力である蓄圧器411の水素残量W2を監視している。最も高い圧力である蓄圧器411の水素残量とは、燃料電池車50へ充填可能な最小の水素残量である。処理部71は、最も高い圧力である蓄圧器411の水素残量W2に対して、閾値LLを設定し、その水素残量W2が閾値LL以下であるか否かを判定する緊急時判定を実行する。閾値LLは、水素供給装置40から燃料電池車50に対して充填することが可能な水素残量の閾値であり、予め設定されている。よって、水素残量W2が閾値LL以下である場合には、水素供給装置40から燃料電池車50に対して満タンに充填することができない場合がある。処理部71は、緊急時判定の判定結果を制御部64に出力する。
【0062】
判定部72は、予め設定されている判定時刻において駆動判定を実行する。例えば、判定部72は、複数日の各発電指標と、当日の将来タンク残量との組み合わせに応じて水電解装置30を駆動するか否かを判定する。以下に、駆動判定の一例について説明する。
【0063】
例えば、判定部72は、図3に例示するような予測運転設定情報を予め有している。予測運転設定情報には、設定条件として、水電解装置30の駆動させる条件(以下、「運転条件」という。)と、水電解装置30を駆動させない条件(以下、「停止条件」という。)とが含まれている。図3は、nが2である場合の予測運転設定情報の一例であって、「ON」に該当する設定条件が「運転条件」であり、「OFF」に該当する設定条件が「停止条件」である。
【0064】
例えば、予測運転設定情報には、当日からn日後までの複数の日のそれぞれが取り得る複数の割合区分の組み合わせ(以下、単に「割合区分組み合わせ」という。)が設定されている。nが2である場合には、当日の割合区分、1日後の割合区分、2日後の割合区分の組み合わせ(割合区分組み合わせ)が複数設定されている。ここで、本実施形態の割合区分は、上述した(a),(b),(c)の3つの割合区分がある。そのため、n=2である場合には、割合区分組み合わせは、27通りである。
【0065】
予測運転設定情報には、複数の割合区分組み合わせのそれぞれにおいて、将来タンク残量W1が閾値Lを超える場合と当日の将来タンク残量W1が閾値L以下である場合とのそれぞれの場合に水電解装置30を駆動するか否かの情報が対応付けられている。すなわち、予測運転設定情報には、当日の将来タンク残量W1が閾値Lを超える場合(W1>L)と当日の将来タンク残量W1が閾値L以下(W1≦L)である場合とのそれぞれの場合において、水電解装置30を駆動するのか又は水電解装置30を停止させるのかのいずれかの情報(以下、「動作情報」という。)が、割合区分組み合わせごとに設定されている。
【0066】
予測運転設定情報には、複数の割合区分組み合わせのそれぞれにおいて、現在の水素残量W0が閾値L未満(W0<L)である場合に水電解装置30を駆動するか否かの動作情報が対応付けられている。
【0067】
予測運転設定情報には、複数の割合区分組み合わせのそれぞれにおいて、水素残量W2が閾値LL以下(W2≦LL)である場合に水電解装置30を駆動するか否かの動作情報が対応付けられている。
【0068】
判定部72は、算出部61によって算出された当日から2日後までの日ごとの発電指標((a)から(c)のいずれかの割合区分の情報)と、処理部71による予測残量判定の判定結果と、の組み合わせに相当する設定条件が、運転条件及び停止条件のどちらなのかを予測運転設定情報から判定する。そして、判定部72は、その設定条件が、運転条件である場合には、その旨を示す運転信号を駆動部73に出力する。判定部72は、その設定条件が、停止条件である場合には、その旨を示す停止信号を駆動部73に出力する。すなわち、判定部72は、算出部61によって算出された当日から2日後までの日ごとの発電指標と、処理部71による予測残量判定の判定結果と、の組み合わせに対応する動作情報が「ON」である場合には運転信号を駆動部73に出力し、「OFF」である場合には停止信号を駆動部73に出力する。
【0069】
ここで、判定部72は、処理部71による現在残量判定の結果、現在の水素残量W0が閾値L未満である場合には、予測残量判定の判定結果に関わらず、算出部61によって算出された当日から2日後までの日ごとの発電指標と、現在の水素残量W0が閾値L未満であることとの組み合わせに相当する設定条件が、運転条件及び停止条件のどちらかなのかを予測運転設定情報から判定してもよい。この場合には、判定部72は、その設定条件が、運転条件である場合には、運転信号を駆動部73に出力し、その設定条件が停止条件である場合には、停止信号を駆動部73に出力する。すなわち、判定部72は、処理部71による現在残量判定の結果、現在の水素残量W0が閾値L未満である場合には、当日から2日後までの日ごとの発電指標と、水素残量W0が閾値L未満と、の組み合わせに対応する動作情報が「ON」である場合には運転信号を駆動部73に出力し、「OFF」である場合には停止信号を駆動部73に出力する。
【0070】
さらに、判定部72は、処理部71による緊急時判定の結果、水素残量W2が閾値LL以下である場合には、予測残量判定及び現在残量判定の判定結果に関わらず、算出部61によって算出された当日から2日後までの日ごとの発電指標と、水素残量W2が閾値LL以下であることとの組み合わせに相当する設定条件が、運転条件及び停止条件のどちらかなのかを予測運転設定情報から判定してもよい。この場合には、判定部72は、その設定条件が、運転条件である場合には、運転信号を駆動部73に出力し、その設定条件が停止条件である場合には、停止信号を駆動部73に出力する。図3に示す例では、判定部72は、処理部71による緊急時判定の結果、水素残量W2が閾値LL以下である場合には、予測残量判定及び現在残量判定の判定結果に関わらず、運転信号を駆動部73に出力する。
【0071】
駆動部73は、判定部72から運転信号を取得した場合には、駆動信号を水電解装置30に送信する。駆動部73は、判定部72から停止信号を取得した場合には、駆動信号を送信しない。
【0072】
以下において、本実施形態に係る発電指標の算出方法の一例の流れを、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る発電指標の算出方法のフロー図である。
【0073】
算出部61は、通信ネットワークNWを介して外部サーバ100から発電装置10を含む地域の気象予測情報を取得する(ステップS101)。算出部61は、取得した気象予測情報に基づいて、当日からn日後のそれぞれにおいて、特定期間の全体の天気予測情報に対する晴れの割合を算出する(ステップS102)。例えば、算出部61は、図5に例示するように、操業時間が8:00~17:00であり、当日の1時間ごとの気象予測情報を取得する。この場合において、算出部61は、特定期間が操業時間である場合には、晴れの割合=(6/10)×100=60%を得る。特定期間が午前、午後の2つの期間である場合には、算出部61は、午前の晴れの割合=(2/5)×100=40%、午後の晴れの割合=(4/5)×100=80%を得る。
【0074】
算出部61は、算出した晴れの割合が、上述した(a),(b)及び(c)の割合区分のうち、どの割合区分に当てはまるかを特定する(ステップS103)。算出部61は、割合区分に当てはまるかを特定する処理を、当日からn日後のそれぞれの晴れの割合に対して行うことで、当日からn日後のそれぞれ(当日、1日後、…、n日後)において割合区分を特定し、その特定した割合区分の情報を制御部64に出力する。
【0075】
以下において、本実施形態に係る予測部62及び処理部71の動作の流れを、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る予測部62及び処理部71の動作のフロー図である。
【0076】
予測部62は、過去実績データに基づいて、燃料電池車50に対する当日の予測充填量X1の予測を行う(ステップS201)。予測部62は、当日の燃料電池車50に対する充填量の積算量(充填積算量X2)を、貯蔵タンク41に設置されているセンサなどから計測している(ステップS202)。また、予測部62は、当日の貯蔵タンク41内の水素残量W0を貯蔵タンク41に設置されているセンサなどから計測している(ステップS203)。予測部62は、予測充填量X1、充填積算量X2及び貯蔵タンク41内の水素残量W0を用いて、予測充填後の貯蔵タンク41内の水素残量である将来タンク残量W1を求める(ステップS204)。
【0077】
処理部71は、将来タンク残量W1が閾値Lを超えるか否かを判定する予測残量判定を実行し、その判定結果を判定部72に出力する(ステップS205)。処理部71は、現在の水素残量W0が閾値L未満であるか否かを判定する現在残量判定を実行し、その判定結果を制御部64に出力する(ステップS206)。処理部71は、最も高い圧力である蓄圧器411の水素残量W2を監視しており、その水素残量W2が閾値LL以下であるか否かを判定する緊急時判定を実行する(ステップS207)。
【0078】
以下において、本実施形態に係る判定部72及び駆動部73の動作の流れを、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る判定部72の動作のフロー図である。
【0079】
判定部72は、現在時刻が判定時刻であるか否かを判定する(ステップS301)。判定時刻とは、例えば、供給管理システム1の設備を立ち上げる時刻や、供給管理システム1の設備を立下げる時刻などである。ただし、判定時刻は、これに限定されず、ユーザなどによって変更可能である。
【0080】
判定部72は、現在時刻が判定時刻ではないと判定した場合には、駆動判定を実行しない。判定部72は、現在時刻が判定時刻であると判定した場合には、駆動判定を実行する。具体的には、判定部72は、算出部61によって当日からn日後のそれぞれの割合区分(発電指標)と、処理部71による予測残量判定の判定結果と、の組み合わせに相当する設定条件が、運転条件及び停止条件の何れかであるかを予測運転設定情報から判定する(ステップS302)。換言すれば、判定部72は、算出部61によって当日からn日後のそれぞれの割合区分(発電指標)と、処理部71による予測残量判定の判定結果と、の組み合わせに基づいて、運転条件が成立するか否かを判定する。
【0081】
例えば、図3に例示する予測運転設定情報を用いた場合において、当日の割合区分が(b)、1日後の割合区分が(a)、2日後の割合区分が(c)であり、予測残量判定の判定結果が「W1>L」である場合には、駆動情報が「OFF」であるため、判定部72は、運転条件が成立していないと判定する。一方、当日の割合区分が(b)、1日後の割合区分が(a)、2日後の割合区分が(c)であり、予測残量判定の判定結果が「W1≦L」である場合には、駆動情報が「ON」であるため、判定部72は、運転条件が成立したと判定する。ただし、判定部72は、当日の割合区分が(b)、1日後の割合区分が(a)、2日後の割合区分が(c)の場合において、「W0<L」である場合、又は「W2≦LL」である場合には、予測残量判定の判定結果によらず、駆動情報が「ON」であるため運転条件が成立したと判定する。
【0082】
駆動部73は、運転条件が成立したと判定した場合には、水電解装置30の補機類をネットワークNW経由で動作させる(ステップS303)。そして、駆動部73は、水電解装置30の補機類を運転させてから一定時間(例えば、準備運転)が経過した後に、水電解装置30を起動させて運転させる(ステップS304)。
【0083】
一方、駆動部73は、運転条件が成立していないと判定した場合には、水電解装置30の運転を停止させる(ステップS305)。その後、駆動部73は、水電解装置30の補機類の運転を停止させる(ステップS306)。
【0084】
以上、説明したように、制御装置60は、外部から得られた気象予測情報に基づいて、将来の特定期間の天気に対する発電電力を発電可能な天気の度合いを示す発電指標を算出し、過去の過去実績データを含む情報に基づいて、特定期間において燃料電池車50へ充填が行われた後の貯蔵タンク41内の水素残量である将来タンク残量W1を予測する。そして、制御装置60は、その発電指標と将来タンク残量W1とに基づいて、水電解装置30の駆動を制御する。
【0085】
このような構成により、供給管理システム1は、再生エネルギーを効率的に活用し、効率よく水素を発生させることができ、電力量を削減することができる。また、本実施形態の供給管理システム1は、発電量が見込める日に人の判断で水素製造を行う場合と比較して、全自動で運転が可能となり、さらも無人運転が可能となる。
【0086】
図8は、制御装置60の算出部61、予測部62、過去実績データベース63及び制御部64として機能するコンピュータ1000のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1000にインストールされたプログラムは、コンピュータ1000を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1000に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1000に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1010によって実行されてよい。
【0087】
図8に図示した実施例では、プロセッサ1010、メモリ1020、記憶装置1030、入力デバイス1040、出力装置1050、外部デバイスインタフェース1060を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ1000の一部又は全ては、システムオンチップ(System-on-a-chip)として実装される。
【0088】
プロセッサ1010は、メモリ1020内に格納された上記プログラムを実行し、プログラムによって記述された動作を実行するように動作可能である。一例として、プロセッサ1010は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)などである。算出部61、予測部62、及び制御部64は、プロセッサ1010であってもよいし、プロセッサ1010がメモリ1020内に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されてもよい。
【0089】
記憶装置1030は、ハードドライブやソリッドステートドライブなどの不揮発性の情報記憶装置であってもよい。例えば、記憶装置1030は、過去実績データベース63である。
【0090】
入力デバイス1040は、ボタン、スイッチ、モーションセンシティブコントローラ、キーボード、マウス、タッチスクリーン入力デバイス、ジェスチャー入力デバイス、または音声入力デバイス(例えば、マイクロフォン)などの任意のタイプのヒューマンマシンインターフェースを含んでもよい。
【0091】
出力装置1050は、制御装置60の表示装置や、音声出力装置(例えば、スピーカ)など、動作状態に関する表示をユーザに提供するように動作可能な任意のタイプの装置を含んでもよい。
【0092】
外部デバイスインタフェース1060は、任意のタイプのプロトコルを使用する有線又は無線インタフェースである。一例として、外部デバイスインタフェース1060は、外部サーバ100、水素供給装置40、及び水電解装置30への有線接続又は無線接続を含む。
【0093】
プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体によって提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1030、メモリ1020にインストールされ、プロセッサ1010によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0094】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである
【0096】
また、明細書に記載の「…部」の用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現されてもよい。
【0097】
1…供給管理システム、10…発電装置、20…蓄電池、30…水電解装置、40…水素供給装置、50…燃料電池車、60…制御装置、61…算出部、62…予測部、63…過去実績データベース、64…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8