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特開2023-85647光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置
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  • 特開-光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置 図1
  • 特開-光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置 図2
  • 特開-光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置 図3
  • 特開-光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085647
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】光ファイバ給電システム、光ファイバ給電方法及びノード装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/80 20130101AFI20230614BHJP
【FI】
H04B10/80 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199791
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】川野 友裕
(72)【発明者】
【氏名】藤本 達也
(72)【発明者】
【氏名】中江 和英
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 ひろし
(72)【発明者】
【氏名】片山 和典
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 哲也
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AN02
5K102AN03
5K102PD13
5K102PH41
5K102PH49
5K102RB02
(57)【要約】
【課題】本開示は、所望の1つのノード装置に対して光電力を集中的に供給可能にし、これによって1台の給電用光源により電力を供給できるノードの数の制限を緩和することを目的とする。
【解決手段】本開示は、複数の負荷装置を駆動する給電用光源装置と、各負荷装置の監視及び制御を行うノード装置と、前記複数のノード装置を駆動及び制御するノード遠隔制御装置と、を備え、各ノード装置は、制御用光ファイバに接続され、前記ノード遠隔制御装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および後段のノード装置の双方に分岐する光分岐カプラと、給電用光ファイバに接続され、前記ノード遠隔制御装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、を備えることを特徴とした光ファイバ給電システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる位置に設置される複数の負荷装置と、
前記複数の負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と、
前記複数の負荷装置のそれぞれに備わり、前記負荷装置の監視及び制御を行う複数のノード装置と、
前記複数のノード装置を駆動及び制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記給電用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための給電用光ファイバと、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記制御用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための制御用光ファイバと、
を備え、
各ノード装置は、
前記制御用光ファイバに接続され、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および後段のノード装置の双方に分岐する光分岐カプラと、
前記給電用光ファイバに接続され、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、
を備えることを特徴とした光ファイバ給電システム。
【請求項2】
前記ノード装置が、
前記給電用光ファイバにより伝送される前記給電用光信号を電気に変換し蓄電する負荷装置駆動用蓄電装置と、
前記光切替スイッチ、前記負荷装置駆動用蓄電装置および前記負荷装置の監視及び制御を行う光ファイバ給電ノード制御装置と、
前記負荷装置駆動用蓄電装置に蓄電された電力を前記光ファイバ給電ノード制御装置に供給するための補助電力供給線と、
を備えることを特徴とした請求項1記載の光ファイバ給電システム。
【請求項3】
前記光ファイバ給電ノード制御装置が、
前記制御用光ファイバで伝送された前記制御用光信号を2方向に分岐させる光分岐カプラと、
前記光分岐カプラで分岐された1方の前記制御用光信号を電気に変換する光電変換器と、
前記光分岐カプラで分岐されたもう1方の前記制御用光信号を反射または無反射とする光反射変調器と、
前記光電変換器で変換された電気を蓄電する制御装置用コンデンサと、
前記制御装置用コンデンサに蓄電された電気の電圧を、前記光切替スイッチを動作させるために必要な電圧に昇圧させるための電圧昇圧装置と、
前記電圧昇圧装置で昇圧した電力の前記光切替スイッチへの供給制御を行う出力制御スイッチと、
前記負荷装置駆動用蓄電装置から前記光ファイバ給電ノード制御装置への補助電力の受電を制御するための補助電力制御スイッチと、
前記制御装置用コンデンサ、前記電圧昇圧装置、前記出力制御スイッチ、前記光反射変調器、前記補助電力制御スイッチ、前記負荷装置駆動用蓄電装置および前記負荷装置を監視及び制御する制御装置と、
を備えることを特徴とした請求項2に記載の光ファイバ給電システム。
【請求項4】
前記負荷装置駆動用蓄電装置が、
前記給電用光ファイバで伝送された前記給電用光信号を電気に変換する光電変換器と、
前記光電変換器で変換された電気を蓄電する負荷装置用コンデンサと、
前記負荷装置用コンデンサで蓄電された電圧を、前記負荷装置を駆動するために必要な電圧に昇圧する負荷装置駆動用電圧昇圧装置と、
前記負荷装置への電力供給を制御する負荷装置駆動用電力供給制御スイッチと、を備え、
前記光ファイバ給電ノード制御装置が、前記負荷装置用コンデンサの電圧を監視し、前記負荷装置用コンデンサの電圧に応じて前記負荷装置駆動用電圧昇圧装置及び前記負荷装置駆動用電力供給制御スイッチを制御する
ことを特徴とした請求項2または3に記載の光ファイバ給電システム。
【請求項5】
前記遠隔装置が、
前記ノード装置への給電のための制御用光源と、
前記ノード装置を制御するための信号変調を行う光強度変調器と、
前記ノード装置からの通信信号を受信するための光電変換器と、
前記制御用光ファイバからの通信信号を前記光電変換器へ導くためのサーキュレータと、
前記ノード装置を監視及び制御するための前記制御用光信号の送信及び前記通信信号の受信を制御する遠隔装置コントローラと、
を備えることを特徴とした請求項1から4のいずれかに記載の光ファイバ給電システム。
【請求項6】
異なる位置に設置される複数の負荷装置と、
前記複数の負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と、
前記複数の負荷装置のそれぞれに備わり、前記負荷装置の監視及び制御を行う複数のノード装置と、
前記複数のノード装置を駆動及び制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記給電用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための給電用光ファイバと、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記制御用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための制御用光ファイバと、
を備える光ファイバ給電システムが実行する光ファイバ給電方法であって、
各ノード装置において、
前記制御用光ファイバに接続されている光分岐カプラが、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および後段のノード装置の双方に分岐し、
前記給電用光ファイバに接続されている光切替スイッチが、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する、
光ファイバ給電方法。
【請求項7】
異なる位置に設置される複数の負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と給電用光ファイバで接続されるノード装置であって、
前記給電用光ファイバに接続されている複数のノード装置を駆動及び制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と制御用光ファイバで接続され、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および他のノード装置に分岐する光分岐カプラと、
前記給電用光ファイバに接続され、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または他のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、
を備えることを特徴としたノード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容易に電源を確保できない地下マンホール内や、架空クロージャ内に設置された負荷装置を駆動するための電力を光給電により供給するための技術である。
【背景技術】
【0002】
これまでの光ファイバ給電制御装置としては、例えば遠隔光路切替のための装置が提案されている。通信ビル内に給電用光源を設置し、同じく通信ビル内に設置されたセレクタにより遠隔地に設置された複数の給電対象ノードを選択し給電する技術である。1台の給電用光源で遠隔地に設置された複数のノードに順次給電することでコスト低減を可能としている。(非特許文献1)
【0003】
しかしながら、非特許文献1で提案されている装置では一度に給電できるノードは1つに限定されることから、給電されていない時にノードの電力消費が大きくなると、電力不足によりノードがダウンする。そのため、非特許文献1では、ノードがダウンしないように、セレクタで選択されたノードに割り当てられる充電時間に制約をかけていた。結果として、1台の給電用光源により電力を供給できるノードの数が大きく制約されてしまう可能性があった。また、複数のノードのうちの特定のノードに対して光電力を集中的に供給することができなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】藤本 達也, 川野 友裕, 中江 和英, 渡辺 汎, 片山 和典,“将来光アクセス網に向けた遠隔光路切替ノードの提案”, 電子情報通信学会 光ファイバ応用技術研究会 信学技報, vol. 120, no. 369, OFT2020-67, pp. 54-57, 2021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、所望の1つのノード装置に対して光電力を集中的に供給可能にし、これによって1台の給電用光源により電力を供給できるノードの数の制限を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、遠隔に設置されカスケード接続された複数のノードに対して2本の光ファイバにより電力供給および監視・制御を行う。一方の給電用光ファイバはノードの負荷装置を駆動するための電力供給に用いる。他方の制御用光ファイバはカスケード接続された全てのノードを駆動するために必要な電力を供給するとともに、全てのノードを常時監視・制御するための通信伝送に用いる。カスケード接続された全てのノードを常時駆動・監視・制御することで光給電が必要な特定のノードに対して、負荷装置を駆動するために必要な給電用光源からの光電力供給を集中的に行うことが可能となる。
【0007】
具体的には、本開示に係る光ファイバ給電システムは、
異なる位置に設置される複数の負荷装置と、
前記複数の負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と、
前記複数の負荷装置のそれぞれに備わり、前記負荷装置の監視及び制御を行う複数のノード装置と、
前記複数のノード装置を駆動及び制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記給電用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための給電用光ファイバと、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、前記制御用光信号を前記複数のノード装置に順次伝送するための制御用光ファイバと、
を備え、
各ノード装置は、
前記制御用光ファイバに接続され、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および後段のノード装置の双方に分岐する光分岐カプラと、
前記給電用光ファイバに接続され、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、
を備える。
【0008】
本開示に係るノード装置は、
異なる位置に設置される複数の負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と給電用光ファイバで接続されるノード装置であって、
前記給電用光ファイバに接続されている複数のノード装置を駆動及び制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と制御用光ファイバで接続され、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および他のノード装置に分岐する光分岐カプラと、
前記給電用光ファイバに接続され、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または他のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、
を備える。
【0009】
本開示に係る方法は、本開示に係る光ファイバ給電システムが実行する方法であって、
各ノード装置において、
前記制御用光ファイバに接続されている光分岐カプラが、前記遠隔装置から出力された前記制御用光信号を、自装置および後段のノード装置の双方に分岐し、
前記給電用光ファイバに接続されている光切替スイッチが、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、所望の1つのノード装置に対して光電力を集中的に供給可能にし、これによって1台の給電用光源により電力を供給できるノードの数の制限を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】光ファイバ給電システムの全体構成およびノード装置の内部構成を示す。
図2】光ファイバ給電ノード制御装置の内部構成を示す。
図3】負荷装置駆動用蓄電装置の内部構成を示す。
図4】遠隔装置の内部構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0013】
本開示の光ファイバ給電システムは、
負荷装置を駆動するための給電用光信号を発する給電用光源装置と、
負荷装置を監視・制御するためのカスケード接続された複数のノード装置と、
ノード装置を駆動・監視・制御するための制御用光信号を送受信する遠隔装置と、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、給電用光信号を複数のノード装置に順次伝送するための給電用光ファイバと、
前記複数のノード装置をカスケード状に接続し、ノード装置を駆動・監視・制御するための制御用光信号を複数のノード装置に順次伝送するための制御用光ファイバと、
制御用光ファイバから複数のノード装置への駆動・監視・制御するための制御用光信号を分岐するための光分岐カプラと、
前記給電用光ファイバに接続され、前記遠隔装置からの指示に従って、前記給電用光源装置から出力された前記給電用光信号を、自装置または後段のノード装置のいずれか一方に対して出力する光切替スイッチと、を備える。
【0014】
負荷装置を駆動するための給電用光ファイバとノード装置を駆動・監視・制御するための制御用光ファイバをそれぞれ用意することにより、光給電が必要な特定のノード装置に対して、負荷装置を駆動するために必要な給電用光源装置からの光電力供給を集中的に行い、負荷装置に対して必要な動作を行わせることが可能となる。
【0015】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。図1は本開示の実施形態を示している。本実施形態に係るシステムは、複数のノード装置203と、複数のノード装置203への給電を行う給電用光源装置100と、複数のノード装置203の制御を行う遠隔装置200と、を備える。各ノード装置203は、光ファイバ給電ノード制御装置3、光切替スイッチ4、負荷装置駆動用蓄電装置5、を備える。
【0016】
給電用光源装置100から発せられる給電用光信号は、給電用光ファイバ101を伝送され、カスケード接続された複数のノード装置203に順次到達する。ノード装置203に到達した給電用光信号は、光切替スイッチ4により、負荷装置駆動用蓄電装置5に導かれるか、或いは給電用光ファイバ101を通じてカスケード接続された次のノード装置203に伝送される。
【0017】
給電用光源装置100から発せられる給電用光信号が負荷装置駆動用蓄積装置5に到達したとき、給電用光信号は負荷装置駆動用蓄積装置5において電気信号に変換され、負荷装置駆動用蓄積装置5の内部に蓄積される。負荷装置駆動用蓄積装置5の内部に蓄積された電力は、光ファイバ給電ノード制御装置3を駆動するための補助電力として補助電力供給線13により供給される。負荷装置駆動用蓄積装置5の内部に蓄積された電力は、負荷装置駆動用電力供給線6を通じて負荷装置1000に供給される。
【0018】
一方、遠隔装置200から発せられる制御用光信号は、制御用光ファイバ201を伝送され、光分岐カプラ202により分配され、全てのノード装置203に到達する。分配された制御用光信号は、光ファイバ給電ノード制御装置3において自身および光切替スイッチ4を駆動するための電気信号に変換される。
【0019】
光ファイバ給電ノード制御装置3は遠隔装置200より負荷装置1000を操作する指示を受信すると、光切替スイッチ制御電力供給線12を用いて光切替スイッチ4への電力供給を開始し、光切替スイッチ制御信号線7を通じて光切替スイッチ4を制御し、給電用電源100からの給電用光信号を負荷装置駆動用蓄電装置5に供給する。
【0020】
光ファイバ給電ノード制御装置3は、負荷装置駆動用蓄電装置電圧監視信号線9を通じて負荷装置駆動用蓄電装置5の蓄電電圧を監視する。光ファイバ給電ノード制御装置3は、負荷装置1000を駆動するために必要な電力が得られたときに、負荷装置駆動用蓄電装置制御信号線11により負荷装置駆動用蓄電装置5を制御し、負荷装置駆動用電力供給線6を通じた負荷装置1000への電力供給を開始する。光ファイバ給電ノード制御装置3は、負荷装置監視信号線10により負荷装置1000の現在の状況を確認したうえで、負荷装置制御信号線8により必要な制御を実施する。負荷装置1000に対して必要な制御を実施した後、光切替スイッチ4を駆動する電力を確保するために補助電力供給線13を通じて光ファイバ給電ノード制御装置3に電力を供給する。
【0021】
また、光ファイバ給電ノード制御装置3は、遠隔装置200より、負荷装置駆動用蓄電装置5の蓄電状況、負荷装置1000の操作状況等、現在の状況を報告する指示を受信すると、遠隔装置200へ送信するデータの1また0に応じて制御用光信号を反射または無反射とすることで、状況を遠隔装置200に伝達する。
【0022】
図2は光ファイバ給電ノード制御装置3の実施形態である。光ファイバ給電ノード制御装置3は、光電変換器310、制御装置用コンデンサ320、電圧昇圧装置321、制御装置300を備える。
【0023】
遠隔装置200から発せられた制御用光信号は、光ファイバ給電ノード制御装置3の内部にある光分岐カプラ312により光電変換器310に到達し、光電変換器310で電気に変換され、制御装置用コンデンサ320に蓄電される。
【0024】
蓄電された電力は制御装置用電力供給線323を通じて光ファイバ給電ノード制御装置3内のすべての装置を制御する制御装置300に供給されるとともに、電圧昇圧装置用電力供給線322を通じて光切替スイッチ4を駆動するために必要な電圧を確保するための電圧昇圧装置321に供給される。
【0025】
電圧昇圧装置321は電圧昇圧装置制御信号線340を通じて制御される。電圧昇圧装置321で昇圧された電力は、出力制御スイッチ330を通じて光切替スイッチ制御電力供給線12へ出力される。このとき、出力制御スイッチ330は、出力制御スイッチ制御信号線341からの制御に従い、光切替スイッチ制御電力供給線12への出力を制御する。
【0026】
制御装置300は光電変換器310の出力電圧、制御装置用コンデンサ320の蓄電電圧、負荷装置駆動用蓄電装置5の蓄電電圧および負荷装置1000の状態を、それぞれ、光電変換器出力電圧監視信号線350、制御装置用コンデンサ電圧監視信号線351、負荷装置駆動用蓄電装置電圧監視信号線9および負荷装置監視信号線10を通じて監視する。光切替スイッチ4を受信から透過へ駆動するための十分な電力が制御装置用コンデンサ320に蓄電されていない場合は、補助電力制御スイッチ制御信号線343を通じて補助電力制御スイッチ331を制御し、補助電力供給線13より電力の供給を受ける。負荷装置1000の駆動は、負荷装置駆動用蓄電装置制御信号線11により負荷装置駆動用蓄電装置5から負荷装置1000への電力供給を開始した後、負荷装置制御信号線8を通じて制御装置300が制御する。
【0027】
制御装置300は、制御用光ファイバ201で伝送される遠隔装置200からの制御用光信号を、光反射変調器制御信号線342を通じて光反射変調器311に反射させる。光反射変調器311は、遠隔装置200へ送信するデータの1または0に応じて、制御用光信号を反射または無反射とすることで通信信号の送信を行う。
【0028】
図3は負荷装置駆動用蓄電装置5の実施形態である。負荷装置駆動用蓄電装置5は、光電変換器310、負荷装置用コンデンサ504、負荷装置駆動用電圧昇圧装置500、及び負荷装置駆動用電力供給制御スイッチ503を備える。
【0029】
光電変換器310により変換された電力は負荷装置用コンデンサ504に蓄電される。蓄電された電力は、負荷装置駆動用蓄電装置電圧監視信号線9を通じて光ファイバ給電ノード制御装置3で監視される。負荷装置用コンデンサ504に蓄電された電力は、負荷装置駆動用電圧昇圧装置用電力供給線501を通じて、負荷装置駆動用電圧昇圧装置500に供給され、負荷装置1000を駆動するために必要な電圧に昇圧する。昇圧された電力は、負荷装置駆動用昇圧電力供給線502を通じて負荷装置駆動用電力供給制御スイッチ503に供給され、負荷装置駆動用電力供給制御スイッチ503から負荷装置駆動用電力供給線6へ供給される。負荷装置駆動用電圧昇圧装置500および負荷装置駆動用電力供給スイッチ503は、負荷装置駆動用蓄電装置制御信号線11を通じて光ファイバ給電ノード制御装置3より制御される。
【0030】
図4は遠隔装置200の実施形態である。遠隔装置200は、制御用光源210、光強度変調器211、光電変換器212、光サーキュレータ204を備える。
【0031】
ノード装置203を駆動・監視・制御するための電力を供給する制御用光源210からの光信号は光強度変調器211により変調され、光サーキュレータ204を通った後、制御用光ファイバ201を通じて光ファイバ給電ノード制御装置3に伝送される。
【0032】
光ファイバ給電ノード制御装置3からの通信信号は、光サーキュレータ204により光電変換器212により電気信号に変換される。光ファイバ給電ノード制御装置3への操作指示および光ファイバ給電ノード制御装置3からの通信信号の受信は、それぞれ、光強度変調器制御信号線221および光電変換器受信信号線222を通じて遠隔装置コントローラ220により実施される。
【0033】
なお、本実施形態例で示した負荷装置1000としては、N×M光切替スイッチ、傾斜センサ、水位センサ等、一般的な多種多様なデバイスが考えられることはいうまでもない。
【0034】
(本開示の効果)
以上説明したように、本開示によれば遠隔に設置されカスケード接続された複数のノードに対して負荷装置を駆動するための給電用光ファイバとノード装置を駆動・監視・制御するための制御用光ファイバをそれぞれ用意している。これにより、常にノード装置との通信を維持し、光給電が必要な特定のノード装置に対して、負荷装置を駆動するために必要な給電用光源からの光電力を集中的に供給し、負荷装置に対して必要な動作を行わせることが可能となる。したがって、本開示は、1台の給電用光源により電力を供給できるノードの数の制限を緩和し、所望の1つのノード装置に対して光電力を集中的に供給可能にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本開示は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
3.光ファイバ給電ノード制御装置
4.光切替スイッチ
5.負荷装置駆動用蓄電装置
6.負荷装置駆動用電力供給線
7.光切替スイッチ制御信号線
8.負荷装置制御信号線
9.負荷装置駆動用蓄電装置電圧監視信号線
10.負荷装置監視信号線
11.負荷装置駆動用蓄電装置制御信号線
12.光切替スイッチ制御電力供給線
13.補助電力供給線
100.給電用光源装置
101.給電用光ファイバ
200.遠隔装置
201.制御用光ファイバ
202.光分岐カプラ
203.ノード装置
204.光サーキュレータ
210.制御用光源
211.光強度変調器
212.光電変換器
220.遠隔装置コントローラ
221.光強度変調器制御信号線
222.光電変換器受信信号線
300.制御装置
310.光電変換器
311.光反射変調器
312.光ファイバ給電ノード制御装置内光分岐カプラ
320.制御装置用コンデンサ
321.電圧昇圧装置
322.電圧昇圧装置用電力供給線
323.制御装置用電力供給線
340.電圧昇圧装置制御信号線
341.出力制御スイッチ制御信号線
342.光反射変調器制御信号線
343.補助電力制御スイッチ制御信号線
350.光電変換器出力電圧監視信号線
351.制御装置用コンデンサ電圧監視信号線
500.負荷装置駆動用電圧昇圧装置
501.負荷装置駆動用電圧昇圧装置用電力供給線
502.負荷装置駆動用昇圧電力供給線
503.負荷装置駆動用電力供給制御スイッチ
504.負荷装置用コンデンサ
1000.負荷装置
図1
図2
図3
図4