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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085661
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
G03G15/20 525
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199822
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 文洋
(72)【発明者】
【氏名】徳田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】新井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】網田 晃康
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA10
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA31
2H033BA32
2H033BA46
2H033BA49
2H033BA55
2H033BA56
2H033BA57
2H033BB01
2H033BB28
2H033BB35
2H033BE00
2H033CA07
2H033CA16
2H033CA17
2H033CA39
(57)【要約】
【課題】定着回転体の長寿命化を図りつつ、定着処理される画像上に発生し得る光沢ムラを抑制する。
【解決手段】定着回転体41の外周面を摺擦する摺擦部材46を有し、該定着回転体の外周面を記録材に接触させて画像を該記録材に定着させる定着装置であって、前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面に当接させた当接状態で、前記定着回転体の回転方向に対して直交する記録材幅方向における一方側と他方側とで前記摺擦部材の当接圧が異なるように、該摺擦部材の当接圧を変更可能な当接圧変更手段48A,48B,49A,49Bを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着回転体の外周面を摺擦する摺擦部材を有し、該定着回転体の外周面を記録材に接触させて画像を該記録材に定着させる定着装置であって、
前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面に当接させた当接状態で、前記定着回転体の回転方向に対して直交する記録材幅方向における一方側と他方側とで前記摺擦部材の当接圧が異なるように、該摺擦部材の当接圧を変更可能な当接圧変更手段を有することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、前記摺擦部材の当接圧を前記一方側よりも前記他方側の方が大きくなるようにする第一差圧動作と、前記摺擦部材の当接圧を前記他方側よりも前記一方側の方が大きくなるようにする第二差圧動作とを、実行可能であることを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、前記当接状態で記録材幅方向にわたって前記摺擦部材の当接圧を均等にする均圧動作を実行可能であることを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置において、
前記摺擦部材は、前記定着回転体の外周面に対して接離可能に構成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項4に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面から離間させた離間状態にする離間動作を実行可能であることを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項5に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、所定の研磨開始タイミングになったとき、前記離間状態から、前記当接状態で記録材幅方向における一方側と他方側とで該摺擦部材の当接圧が異なる状態にした後、前記離間動作を実行して再び前記離間状態にする動作を行うことを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、前記当接状態で記録材幅方向にわたって前記摺擦部材の当接圧を均等にする均圧動作を実行可能であり、
前記当接圧変更手段は、所定の研磨開始タイミングになったとき、前記離間状態から、前記均圧動作を実行した後、前記離間動作を実行して再び前記離間状態にすることを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置において、
前記当接圧変更手段は、記録材幅方向における前記摺擦部材の一方側を前記定着回転体の外周面に向けて加圧する第一加圧部材と、記録材幅方向における前記摺擦部材の他方側を前記定着回転体の外周面に向けて加圧する第二加圧部材と、該第一加圧部材による加圧力及び該第二加圧部材による加圧力を変更する加圧力変更手段とを含むことを特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、定着回転体の外周面を摺擦する摺擦部材を有し、該定着回転体の外周面を記録材に接触させて画像を該記録材に定着させる定着装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、定着ベルト(定着回転体)の外周面を研磨する研磨ローラ(摺擦部材)が備わった定着装置が開示されている。研磨ローラにおける装置前後方向(ローラ軸方向、用紙幅方向)の両端部には加圧スプリング及び接離カムが設けられ、研磨ローラの各端部における接離カムの回転位置をそれぞれ制御することで、研磨ローラが定着ベルト外周面に対して接離する。また、各接離カムの回転位置をそれぞれ制御することで、研磨ローラの装置前側(フロント側)のみを定着ベルト外周面に当接させる動作、研磨ローラの装置後側(リヤ側)のみを定着ベルト外周面に当接させる動作が可能となっている。この定着装置では、定着ベルトの外周面上に用紙幅方向片側だけに偏って表面荒れ(用紙エッジスジなど)が発生した場合、その片側だけを研磨ローラで摺擦して表面荒れを修復させることで、修復不要な箇所の研磨を回避して定着ベルトの長寿命化を図る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の定着装置では、定着回転体の外周面を記録材幅方向の片側だけを摺擦部材で摺擦することで、その後に定着処理される画像上に光沢ムラが発生するという課題が発生した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、定着回転体の外周面を摺擦する摺擦部材を有し、該定着回転体の外周面を記録材に接触させて画像を該記録材に定着させる定着装置であって、前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面に当接させた当接状態で、前記定着回転体の回転方向に対して直交する記録材幅方向における一方側と他方側とで前記摺擦部材の当接圧が異なるように、該摺擦部材の当接圧を変更可能な当接圧変更手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、定着回転体の長寿命化を図りつつ、定着処理される画像上に発生し得る光沢ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態におけるプリンタの一例を示す概略構成図。
図2】同プリンタにおける定着装置の概略構成を示す、定着ローラ及び加熱ローラのローラ軸に対して直交する方向の断面図。
図3】同定着装置の概略構成を示す、定着ローラ及び加熱ローラのローラ軸に対して直交する方向の断面図。
図4】同定着装置の概略構成を示す、定着ローラ及び加熱ローラのローラ軸方向の断面図。
図5】(a)は、フロント研磨状態のときのフロント側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。(b)は、フロント研磨状態のときのリア側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。
図6】(a)は、リア研磨状態のときのフロント側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。(b)は、リア研磨状態のときのリア側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。
図7】(a)は、ワックス除去状態のときのフロント側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。(b)は、ワックス除去状態のときのリア側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。
図8】(a)は、離間状態のときのフロント側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。(b)は、離間状態のときのリア側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図。
図9】実施形態における研磨モード及びワックス除去モードの制御に関するフローチャート。
図10】実施形態の定着装置における温度センサの配置に関する変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を画像形成装置の定着装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、実施形態における画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作像するための4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kを備えている。このプリンタ100は、これら4つの作像ユニット2を、像担持体としての中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べて配置した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
【0009】
プリンタ100は、給紙路30、転写前搬送路31、手差し給紙路32、手差しトレイ33、レジストローラ対34、搬送ベルトユニット35、定着装置40、搬送切替装置50、排紙路51、排紙ローラ対52、排紙トレイ53等を備える。更には、2つの光書込ユニット1YM,1CK、一次転写ユニット60、二次転写ユニット78、第一給紙カセット101、第二給紙カセット102等を備えている。
【0010】
4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kは、潜像担持体であるドラム状の感光体3Y,3M,3C,3Kをそれぞれ有している。また、第一給紙カセット101及び第二給紙カセット102は、それぞれ内部にシートである用紙Pの束を収容している。そして、第一給送ローラ101aまたは第二給送ローラ102aの回転駆動により、用紙束における一番上の用紙Pを給紙路30に向けて送り出す。
【0011】
プリンタ100の筐体における図1中の右側面には、手差しトレイ33が筐体に対して開閉可能に配設されており、筐体に対して開いた状態でトレイ上面に用紙束が手差しされる。手差しされた用紙束における一番上の用紙Pは、手差しトレイ33の送出ローラによって手差し給紙路32を介して給紙路30に向けて送り出される。
【0012】
2つの光書込ユニット1YM,1CKは、それぞれ、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有している。そして、プリンタ100の外部装置であるスキャナによって読み取られた画像情報や、パーソナルコンピュータから送られてくる画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動し、各作像ユニットの感光体3Y,3M,3C,3Kを光走査する。具体的には、作像ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体3Y,3M,3C,3Kは、駆動手段によってそれぞれ図1中の反時計回り方向に回転駆動される。
【0013】
第一光書込ユニット1YMは、駆動中のイエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向されながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、イエロー用感光体3Y及びマゼンタ用感光体3Mには、イエローの画像情報及びマゼンタの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
第二光書込ユニット1CKは、駆動中のシアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向されながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、シアン用感光体3C及びブラック用感光体3Kには、シアンの画像情報及びブラックの画像情報に基づいた静電潜像がそれぞれ形成される。
【0014】
作像ユニット2Y,2M,2C,2Kは、それぞれ、感光体3Y,3M,3C,3Kと、その周囲に配設される各種機器とを一つのユニットとして共通の支持体に支持した状態で、それらがプリンタ100の筐体に対して一体的に着脱されるものである。作像ユニット2Y,2M,2C,2Kは、互いに使用するトナーの色が異なる点の他は同様の構成になっている。よって、以下の説明では、使用するトナーの色を示すY、M、C、Kを適宜省略して説明する。
【0015】
作像ユニット2は、感光体3のほか、これの表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像装置4を有している。また、作像ユニット2は、回転駆動される感光体3の表面に対して一様帯電処理を施す帯電装置5も有する。さらに、作像ユニット2は、後述する各色に対応した一次転写ニップを通過した後の感光体3表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置6なども有している。
【0016】
感光体3は、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布することによって感光層を形成したドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、無端ベルト状のものを用いてもよい。
【0017】
現像装置4は、非磁性パイプからなる回転可能な現像スリーブと、これの中空内にスリーブに対して連れ回らないように配設されたマグネットローラとを具備している。そして、マグネットローラの発する磁力によって現像スリーブの表面に担持した磁性キャリアと非磁性の各色トナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)により、感光体3上の静電潜像を現像する。
【0018】
各色の現像装置4Y,4M,4C,4Kに対しては、各色のトナー補給装置により、各色のトナーボトル103Y,103M,103C,103K内の各色トナーが適宜補給される。現像装置4内にはトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサが設けられている。トナー濃度センサは磁性体であるキャリアに起因する現像剤の透磁率を検出するものである。制御部は、各色のトナー濃度センサからの出力値と、トナー濃度目標値であるセンサからの出力目標値との比較に基づいて、各色のトナー補給装置の駆動を制御する。これにより、現像剤のトナー濃度を一定範囲内(例えば4[wt%]~9[wt%])にしている。
【0019】
ドラムクリーニング装置6は、感光体3に当接させたポリウレタンゴム製のクリーニングブレードによって感光体3の表面から転写残トナーを掻き取る方式のものである。かかる方式のものに代えて、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、ドラムクリーニング装置6は、クリーニングブレードに加えて、回転自在なファーブラシも感光体3に当接させている。このファーブラシは、固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3の表面に塗布する役割も兼ねている。
【0020】
感光体3の上方には、除電ランプが配設されており、この除電ランプも作像ユニット2の一部になっている。除電ランプは、ドラムクリーニング装置6との対向部を通過した後の感光体3の表面を光照射によって除電する。除電された感光体3の表面は、帯電装置5によって一様に帯電された後、上述した光書込ユニット1による光走査が施される。帯電装置5は、電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる方式のものに代えて、感光体3に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式のものを採用してもよい。
【0021】
4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kの下方には、一次転写ユニット60が配設されている。この一次転写ユニット60は、複数のローラ63、67、68、69,70によって張架されている中間転写ベルト61を備える。そして、一次転写ユニット60は、中間転写ベルト61を、感光体3Y,3M,3C,3Kに当接させながら、何れか1つのローラの回転駆動によって図1中の時計回り方向(矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61とが当接する各色用の一次転写ニップが形成されている。
【0022】
各色用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,3M,3C,3Kに向けて押圧している。4つの一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kには、それぞれ一次転写電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、各色用の一次転写ニップには、感光体3Y,3M,3C,3K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。
【0023】
中間転写ベルト61の図1中の時計回り方向の無端移動に伴って各色用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61の外周面には、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像及びKトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト61の外周面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0024】
中間転写ベルト61の図1中の下方には、二次転写ユニット78が配設されている。この二次転写ユニット78は、無端状の二次転写ベルト77、接地従動ローラ72、二次転写駆動ローラ71、二次ベルトクリーニング装置76、トナー付着量検知センサ64などを有している。二次転写ベルト77は、その内周面側に配設された接地従動ローラ72と、二次転写駆動ローラ71とによってテンション張架されながら、二次転写駆動ローラ71の回転駆動に伴って図1中の反時計回り方向(矢印B方向)に無端移動される。
【0025】
二次転写ユニット78の二次転写ベルト77は、自らの接地従動ローラ72に対する掛け回し箇所を、一次転写ユニット60の中間転写ベルト61における二次転写バイアスローラ68に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト61の内周面側の二次転写バイアスローラ68には二次転写電源から出力される二次転写バイアスが印加されるのに対し、二次転写ベルト77の内周面側の接地従動ローラ72は接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。
【0026】
二次転写ニップの図1中の右方には、レジストローラ対34が配設されており、ローラ間に挟み込んだ用紙Pを、中間転写ベルト61上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色重ね合わせトナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって用紙Pに一括二次転写され、用紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0027】
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61の外周面には、二次転写残トナーが付着している。この二次転写残トナーは、一次転写ユニット60の中間転写ベルトクリーニング装置75によって中間転写ベルト61の表面から除去される。
【0028】
二次転写ニップを通過した用紙Pは、中間転写ベルト61や二次転写ベルト77から離間して、搬送ベルトユニット35に受け渡される。この搬送ベルトユニット35は、無端状の搬送ベルト36を搬送駆動ローラ37と搬送従動ローラ38とによって張架しながら、搬送駆動ローラ37の回転駆動によって図1中の反時計回り方向(矢印C方向)に無端移動される。そして、二次転写ニップから受け渡された用紙Pを搬送ベルト36の上部張架面に保持しながら、搬送ベルト36の無端移動に伴って搬送し、用紙Pを定着装置40に受け渡す。
【0029】
定着装置40内に送られた用紙Pは、無端状の定着ベルト41と加圧ローラ44との当接によって形成される定着ニップに挟み込まれる。そして、加圧や加熱などの作用により、用紙Pの表面にトナー像が定着される。
【0030】
二次転写ニップで第一面にトナー像が転写され、かつ、定着装置40でその第一面にトナー像が定着された用紙Pは、搬送切替装置50に向けて送り出される。プリンタ100では、搬送切替装置50、再送路54、スイッチバック路55及びスイッチバック後搬送路56等により、再送手段が構成されている。搬送切替装置50は、定着装置40から受け取った用紙Pのその後の搬送先を、排紙路51と、再送路54とで切り替える。
【0031】
具体的には、用紙Pの第一面だけに対して画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、第一面だけに画像が形成された用紙Pを、排紙路51経由で排紙ローラ対52に送って、機外の排紙トレイ53上に排紙する。また、用紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときにも、搬送先を排紙路51に設定する。これにより、両面に画像が形成された用紙Pを、機外の排紙トレイ53上に排紙する。
【0032】
一方、両面モードのプリントジョブの実行時において、第一面だけに画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときには、搬送先を再送路54に設定する。再送路54には、スイッチバック路55が繋がっており、再送路54に送られた用紙Pはこのスイッチバック路55に進入する。そして、用紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路55に進入すると、用紙Pの搬送方向が逆転されて、用紙Pがスイッチバックする。
【0033】
スイッチバック路55には、再送路54の他に、スイッチバック後搬送路56が繋がっており、スイッチバックした用紙Pは、このスイッチバック後搬送路56に進入する。このとき、用紙Pの上下が反転する。そして、上下反転した用紙Pは、スイッチバック後搬送路56と、上述した給紙路30とを経由して、二次転写ニップに再送される。二次転写ニップで第二面にもトナー像が転写された用紙Pは、定着装置40を経由して第二面にトナー像が定着させられた後、搬送切替装置50と、排紙路51と排紙ローラ対52とを経由して、排紙トレイ53上に排紙される。
【0034】
図2及び図3は、本実施形態における定着装置40の概略構成を示す、定着ローラ42及び加熱ローラ43のローラ軸に対して直交する方向の断面図である。
図4は、本実施形態における定着装置40の概略構成を示す、定着ローラ42及び加熱ローラ43のローラ軸方向の断面図である。
【0035】
図2及び図3に示す定着装置40は、用紙Pの未定着トナー像が形成された表面に接触する定着ベルト41を備える。定着ベルト41は、定着ベルト駆動ローラである定着ローラ42と、定着ベルト従動ローラである加熱ローラ43とに張架され、定着ローラ42及び加熱ローラ43とともに定着回転体を構成する。定着ローラ42が図2及び図3中の時計回り方向(矢印D方向)に回転駆動することで、定着ベルト41が図2及び図3中の時計回り方向に回転走行する。
【0036】
加熱ローラ43は、加熱体である定着ヒータ45を内蔵する回転体からなる加熱部材であり、定着ローラ42は、回転体からなり、加熱ローラ43とともに定着ベルト41を張架する定着ニップ形成部材である。定着ヒータ45により加熱ローラ43が加熱され、加熱ローラ43によって定着ベルト41が加熱される。
【0037】
定着装置40は、定着ローラ42の下方に加圧ローラ44を備える。加圧ローラ44は、定着ローラ42に対して定着ベルト41を挟んで対峙するように設けられており、加圧機構により定着ベルト41を介して定着ローラ42に加圧される。定着ローラ42が駆動機構によって回転駆動されることにより定着ベルト41が回転し、加圧ローラ44は、定着ベルト41に連れ回って図2及び図3中の反時計回り方向(矢印E方向)に回転する。
【0038】
定着ベルト41の表面温度は、温度検知手段としての温度センサ401によって検知される。制御部400は、温度制御手段として機能し、温度センサ401の出力値に基づいて定着ベルト41の表面温度が目標温度になるように定着ヒータ45を制御する。定着ヒータ45の制御には、ON/OFF制御またはPID制御等を用いる。
【0039】
未定着トナー像を担持した用紙Pは、入口ガイド板49aに沿って、図2中の矢印αで示すように定着装置40に搬入され、定着ベルト41と加圧ローラ44とが定着ベルト41を介して形成する定着ニップを通過する。目標温度に制御されている定着ベルト41と加圧ローラ44とで形成される定着ニップでは、用紙P上のトナー像が溶融され、用紙Pに定着される。定着ニップを通過した用紙Pは、定着ニップ出口で定着分離板49b及び加圧分離爪49cにより定着ベルト41及び加圧ローラ44から分離され、搬送切替装置50内の搬送経路及び排紙路51を通り、プリンタ100本体の外に送り出される。
【0040】
また、図2及び図3に示すように、定着装置40は、加圧ローラ44の表面を清掃する加圧ローラクリーニング装置110を備える。加圧ローラクリーニング装置110は、帯状清掃部材である清掃ウェブ11と、ウェブ保持軸11bと、ウェブ巻取軸11aと、ウェブ当接ローラ11cとを備える。清掃ウェブ11の一端はウェブ巻取軸11aに固定され、他端はウェブ保持軸11bに固定され、清掃ウェブ11のウェブ巻取軸11aとウェブ保持軸11bとの間の部分がウェブ当接ローラ11cによって加圧ローラ44の表面に押し付けられる。
【0041】
ウェブ巻取軸11aが図2中の矢印G1方向に回転駆動することで清掃ウェブ11を巻き取り、清掃ウェブ11の加圧ローラ44と接触して清掃に使用された部分が図2中の矢印G2方向に移動し、未使用の部分が加圧ローラ44と接触する。清掃ウェブ11の未使用の部分はウェブ保持軸11bに巻きつけられている。そして、清掃ウェブ11が図2中の矢印G2方向に移動することで引っ張られ、ウェブ保持軸11bが図2中の矢印G3方向に回転し、清掃ウェブ11の未使用の部分が加圧ローラ44との接触部に向けて繰り出される。清掃部材として清掃ウェブ11を用いたクリーニング手段で加圧ローラ44の表面を清掃することで、加圧ローラ44に対して清掃部材の付着物の無い部分を用いて清掃し続けることが可能となる。よって、加圧ローラ44の表面に付着物が無い状態を維持することが可能となる。
【0042】
用紙幅が最大通紙幅よりも狭い用紙Pをある程度の枚数通紙した後に、用紙幅が広い用紙Pの表面に画像を出力した場合、次のような画質劣化が生じることがある。すなわち、用紙Pの通紙方向(矢印α方向)に直交する用紙幅方向について、ある程度の枚数を通紙した幅の狭い用紙の幅方向両端部が通過した位置では、その後の幅の広い用紙上の画像において他の位置とは定着性が異なってしまい、画質劣化が生じる。
【0043】
これは、以下の理由による。すなわち、最大幅よりも狭い幅の用紙Pを一定枚数以上通紙すると、用紙Pの幅方向両端部のバリによって定着ベルト41の外周面における幅方向の同じ位置に摺擦跡(用紙エッジスジ)が繰り返しつけられる。同じ位置に繰り返し摺擦跡がつけられることでエッジ傷となり、定着ベルト41の外周面上のエッジ傷の部分で定着された画像がスジ状の異常画像として出力画像に現れてしまうことで生じる。
【0044】
そこで、本実施形態の定着装置40には、定着ベルト41の表面を摺擦する摺擦部材としてのリフレッシュローラ46が備わっている。リフレッシュローラ46は、金属製の芯金の周囲に表面層である研磨層を有する研磨ローラである。リフレッシュローラ46は、ローラブラケット47に回転可能に支持され、モータ46aによって定着ベルト41の連れ回り方向(図3中の矢印F方向)へ回転駆動することができる。
【0045】
制御部400が研磨モードを実行すると、リフレッシュローラ46は、図3に示すように定着ベルト41の外周面に当接した状態で、定着ベルト41に対して所定の相対速度(第一相対速度)をもって回転駆動される。これにより、定着ベルト41の外周面がリフレッシュローラ46によって摺擦され、研磨される。この研磨により、定着ベルト41の外周面上における用紙Pの幅方向両端部のバリによる摺擦跡(用紙エッジスジ)を回復させることができる。
【0046】
本実施形態の定着装置40におけるリフレッシュローラ46の回転速度は、その表面移動速度(線速)が定着ベルト41の表面移動速度(線速)の3倍以上6倍以下の範囲内となるように設定することが好適である。3倍未満であると十分な研磨ができず、6倍を超えると研磨が過剰となって定着ベルト41の寿命が低下するおそれがある。リフレッシュローラ46の表面移動速度が定着ベルト41の表面移動速度の3倍以上6倍以下の範囲内に設定することで、研磨により定着ベルト41の摺擦跡を回復しつつ、定着ベルト41の寿命の低下を抑制できる。
【0047】
本実施形態のリフレッシュローラ46は、定着ローラ42に巻き付いた定着ベルト41の部分に当接するように設けられている。これにより、リフレッシュローラ46が定着ベルト41を加圧する加圧力を定着ローラ42で受けることができ、リフレッシュローラ46を高い当接圧で定着ベルト41に当接させることができる。よって、定着ベルト41を高い摺擦力でリフレッシュローラ46により摺擦することができる。
【0048】
本実施形態において、リフレッシュローラ46を支持するローラブラケット47は、回動軸47aを中心に回動自在に支持されている。ローラブラケット47は、回動軸47aを中心に図2中時計回り方向に付勢手段により付勢されており、この付勢力によって偏心カム48A,48Bのカム面に当接され、位置決めされる。
【0049】
偏心カム48A,48Bは、制御部400によって制御されるモータ48aによって回転駆動されるカム軸48b上に設けられ、偏心カム48A,48Bの回転位置は制御部400によって制御される。画像形成動作中(少なくとも定着ニップを用紙Pが通過している時)には、偏心カム48A,48Bが図2に示す回転位置に回転され、ローラブラケット47が図2に示す回動位置をとり、リフレッシュローラ46が定着ベルト41から離間した状態に配置される。
【0050】
一方、画像形成動作が終了した後(例えばジョブエンド後)には、制御部により偏心カム48A,48Bが図3に示す回転位置に回転され、ローラブラケット47が図3に示す回動位置をとり、リフレッシュローラ46が定着ベルト41に当接した状態に配置される。そして、制御部400は、定着ベルト41の外周面を研磨する研磨モードを実行することで、定着ベルト41の摺擦跡(用紙エッジスジ)を回復させる。
【0051】
ここで、定着ベルト41上に用紙エッジスジを付けるバリは、常に用紙幅方向の両端エッジで同じように発生しているわけではなく、用紙の裁断方法、搬送方向に対する用紙の向き、用紙の表裏などによって、用紙幅方向の各端部でバリの大きさなどが異なる。そのため、定着ベルト41上に生じる摺擦跡(用紙エッジスジ)の状態は、用紙幅方向における一方側と他方側とで互いに異なる場合がある。
【0052】
この場合、リフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)を定着ベルト41の外周面に均等に当接させて研磨を行うと、用紙エッジスジの程度が大きい一方側を修復するように研磨すると、用紙エッジスジの程度が小さい他方側を過剰に研磨することになる。そのため、定着ベルト41の寿命を縮める結果となる。
【0053】
従来のように、用紙エッジスジの程度が大きい一方側だけをリフレッシュローラ46で研磨すれば、用紙エッジスジの程度が小さい他方側は研磨されず、定着ベルト41の長寿命化を図ることが可能である。しかしながら、リフレッシュローラ46による摺擦は、定着ベルト41の外周面上に付着しているワックス(トナー中に分散含有されるワックスが定着時に溶融して付着したもの)も除去する効果がある。そのため、従来のように、用紙エッジスジの程度が大きい一方側だけをリフレッシュローラ46で研磨すれば、当該一方側のワックスは除去されるが、研磨されない他方側のワックスは除去されないまま残留することになる。その結果、定着ベルト41の外周面上には、用紙幅方向において、ワックスが付着している箇所とワックスが付着していない箇所とが混在し、ワックスの付着ムラが生じてしまう。定着ベルト41の外周面上に付着しているワックスは、その後の定着処理において用紙上の画像に付着することで光沢を生じさせる。したがって、定着ベルト41の外周面上にワックスの付着ムラが生じると、用紙上の画像に光沢ムラが発生してしまう。
【0054】
そこで、本実施形態においては、リフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)を定着ベルト41の外周面に当接させた当接状態で、用紙幅方向における一方側と他方側とでリフレッシュローラ46の当接圧を異ならせることを可能にする構成を採用する。これにより、例えば、定着ベルト41の外周面上に用紙幅方向の一方側だけに用紙エッジスジが発生した場合、当該一方側の当接圧を高くするようにリフレッシュローラ46を定着ベルト41の外周面に当接させ、当該用紙エッジスジを摺擦により修復できる。しかも、このとき、当該一方側とは反対の他方側(用紙エッジスジが発生していない修復不要な箇所)については、リフレッシュローラ46の当接圧が低いので、定着ベルト41の外周面が過剰に研磨されることはない。したがって、定着ベルト41の長寿命化を図ることが可能である。
【0055】
更に、本実施形態においては、当該一方側とは反対の他方側については、低い当接圧(定着ベルト41の外周面を研磨して用紙エッジスジの修復に影響を与えるほどの高い当接圧ではない、あるいは、小さいスジならば修復できる程度の当接圧)ながらも、リフレッシュローラ46によって定着ベルト41の外周面を摺擦する。そのため、当該他方側に付着しているワックスは、当該一方側に付着しているワックスと同様、リフレッシュローラ46の摺擦によって除去される。したがって、本実施形態においては、定着ベルト41の外周面上におけるワックスの付着ムラが低減され、用紙上の画像に光沢ムラが発生することを抑制できる。
【0056】
以下、本実施形態におけるリフレッシュローラ46の当接圧を変更する当接圧変更手段の構成及び動作について説明する。
図5(a)は、用紙幅方向の一方側(装置のフロント側)を加圧するフロント側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図である。
図5(b)は、用紙幅方向の他方側(装置のリア側)を加圧するリア側の加圧機構の構成を模式的に示す説明図である。
【0057】
図5(a)に示すフロント側の加圧機構は、主に、ローラブラケット47からリフレッシュローラ46を定着ベルト41側へ付勢する圧縮バネ49Aと、圧縮バネ49Aの付勢方向からローラブラケット47に当接する偏心カム48Aとから構成されている。ローラブラケット47は、リフレッシュローラ46のフロント側のローラ軸端部を圧縮バネ49Aの付勢方向に沿って移動可能に支持している。このような構成により、偏心カム48Aの回転位置に応じて、定着ベルト41に対するローラブラケット47のフロント側の距離を変化させることができ、圧縮バネ49Aの圧縮量を変えることができる。したがって、偏心カム48Aの回転位置に応じて、リフレッシュローラ46のフロント側を定着ベルト41側へ付勢する付勢力(加圧力)を変化させることができる。
【0058】
図5(b)に示すリア側の加圧機構も、フロント側の加圧機構と同様の構成を有する。すなわち、リア側の加圧機構は、主に、ローラブラケット47からリフレッシュローラ46を定着ベルト41側へ付勢する圧縮バネ49Bと、圧縮バネ49Bの付勢方向からローラブラケット47に当接する偏心カム48Bとから構成されている。ローラブラケット47は、リフレッシュローラ46のリア側のローラ軸端部を圧縮バネ49Bの付勢方向に沿って移動可能に支持している。このような構成により、偏心カム48Bの回転位置に応じて、定着ベルト41に対するローラブラケット47のリア側の距離を変化させることができ、圧縮バネ49Bの圧縮量を変えることができる。したがって、偏心カム48Bの回転位置に応じて、リフレッシュローラ46のリア側を定着ベルト41側へ付勢する付勢力(加圧力)を変化させることができる。
【0059】
本実施形態において、フロント側の偏心カム48Aとリア側の偏心カム48Aは、図5(a)及び図5(b)に示すように、互いに異なるカム形状をなしている。そして、フロント側の偏心カム48Aが図5(a)に示す回転位置に位置するとき、リア側の偏心カム48Bは図5(b)に示す回転位置に位置するように、各偏心カム48A,48Aがカム軸48b上に取り付けられている。本実施形態における当接圧変更手段は、このような構成を採用して、定着ベルト41に対するリフレッシュローラ46の当接状態を、以下の4つの状態に変更することができる。
【0060】
1つ目の状態は、リフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)を定着ベルト41の外周面に当接させた当接状態で、用紙幅方向一方側(フロント側)の当接圧が大きく、用紙幅方向他方側(リア側)の当接圧が小さくなるようにした状態である。以下、この状態を「フロント研磨状態」という。
【0061】
フロント研磨状態にする場合、カム軸48bの回転位置が図5(a)及び図5(b)に示す回転位置となるように、制御部400によりモータ48aを制御する。すなわち、フロント側の偏心カム48Aについては、カム軸48bから最も遠いカム面がローラブラケット47に当接し、リア側の偏心カム48Bについては、カム軸48bから最も近いカム面がローラブラケット47に当接する回転位置とする。これにより、図4に示すように、ローラブラケット47のフロント側は定着ベルト41の外周面に近い位置へ移動し、ローラブラケット47のリア側は定着ベルト41の外周面から遠い位置へ移動する。その結果、リフレッシュローラ46は、その全体(ローラ軸方向全域)が定着ベルト41の外周面に当接した当接状態で、フロント側の当接圧が大きく、リア側の当接圧が小さい状態(フロント研磨状態)をとることができる。
【0062】
2つ目の状態は、リフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)を定着ベルト41の外周面に当接させた当接状態で、リア側の当接圧が大きく、フロント側の当接圧が小さくなるようにした状態である。以下、この状態を「リア研磨状態」という。
【0063】
リア研磨状態にする場合、カム軸48bの回転位置が図6(a)及び図6(b)に示す回転位置となるように、制御部400によりモータ48aを制御する。すなわち、フロント側の偏心カム48Aについては、カム軸48bから最も近いカム面がローラブラケット47に当接し、リア側の偏心カム48Bについては、カム軸48bから最も遠いカム面がローラブラケット47に当接する回転位置とする。これにより、ローラブラケット47のフロント側は定着ベルト41の外周面から遠い位置へ移動し、ローラブラケット47のリア側は定着ベルト41の外周面に近い位置へ移動する。その結果、リフレッシュローラ46は、その全体(ローラ軸方向全域)が定着ベルト41の外周面に当接した当接状態で、フロント側の当接圧が小さく、リア側の当接圧が大きい状態(リア研磨状態)をとることができる。
【0064】
3つ目の状態は、リフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)が均等な当接圧で定着ベルト41の外周面に当接する状態である。以下、この状態を「ワックス除去状態」という。
【0065】
ワックス除去状態にする場合、カム軸48bの回転位置が図7(a)及び図7(b)に示す回転位置となるように、制御部400によりモータ48aを制御する。すなわち、フロント側の偏心カム48Aとリア側の偏心カム48Bについて、カム軸48bからの距離が同じであるカム面がローラブラケット47に当接する回転位置とする。これにより、ローラブラケット47のフロント側もリア側も、定着ベルト41の外周面からの距離が互いに同じ距離となるように移動する。その結果、リフレッシュローラ46は、その全体(ローラ軸方向全域)が均等な当接圧で定着ベルト41の外周面に当接する状態(ワックス除去状態)をとることができる。
【0066】
なお、本実施形態において、ワックス除去状態におけるリフレッシュローラ46の当接圧の大きさは、上述したフロント研磨状態及びリア研磨状態における大きい側の当接圧よりも小さく設定されている。したがって、ワックス除去状態におけるリフレッシュローラ46の研磨能力は、フロント研磨状態におけるフロント側の研磨能力や、リア研磨状態におけるリア側の研磨能力よりも小さいものとなる。
【0067】
4つ目の状態は、リフレッシュローラ46が定着ベルト41の外周面から離間した状態である。以下、この状態を「離間状態」という。
【0068】
離間状態にする場合、カム軸48bの回転位置が図8(a)及び図8(b)に示す回転位置となるように、制御部400によりモータ48aを制御する。すなわち、フロント側の偏心カム48Aとリア側の偏心カム48Bについて、それぞれの偏心カム48A,48Bの切り欠き部48cがローラブラケット47に当接する回転位置とする。これにより、ローラブラケット47のフロント側もリア側も、定着ベルト41の外周面から最も離れた位置へ移動し、このローラブラケット47に支持されたリフレッシュローラ46の全体(ローラ軸方向全域)が、定着ベルト41の外周面から離間する。
【0069】
図9は、本実施形態における研磨モード及びワックス除去モードの制御に関するフローチャートである。
本実施形態の制御部400は、画像形成動作が終了した後(ジョブエンド後)などの所定の判断タイミングにおいて、研磨モード又はワックス除去モードを実行する条件を満たすか否かを判断する(S1)。研磨モードを実行する条件としては、定着ベルト41の外周面に摺擦跡(用紙エッジスジ)が発生し得る条件、例えば、最大通紙幅よりも狭い用紙を所定枚数連続通紙したという条件や、ユーザーによる実行指示が入力されたという条件などが挙げられる。一方、ワックス除去モードを実行する条件としては、光沢ムラが発生する条件や、光沢度合いが許容範囲を超える条件、例えば、所定濃度を超える画像(所定のトナー付着量を超える画像)を所定枚数連続通紙したという条件などが挙げられる。
【0070】
研磨モードの実行条件を満たすと判断した場合(S1のYes)、制御部400は、フロント側を研磨するか、リア側を研磨するか、両側とも研磨するかを判断する。この判断は、例えば、ユーザー指示に従って判断してもよいし、定着ベルト41上の用紙エッジスジを撮像手段やセンサなどを用いて検出した結果に基づいて判断してもよい。
【0071】
用紙エッジスジの程度がリア側よりもフロント側の方が大きい場合、主にフロント側を研磨するためのフロント側の研磨動作を行う(S2のYes)。例えば、給紙カセット101,102にセットされる用紙がフロント側で揃えられる構成である場合、フロント側は、用紙エッジの揃え精度がリア側よりも高くなるため、フロント側の用紙エッジスジがリア側よりも深い傷となる。また、例えば、用紙裁断時のバリがリア側よりフロント側の方が高く目立つような場合、フロント側の用紙エッジスジがリア側よりも深い傷となる。
【0072】
このような場合、制御部400は、モータ48aを制御してカム軸48bを回転させ、偏心カム48A,48Bの回転位置を変更することにより、リフレッシュローラ46を、離間状態からフロント研磨状態へと移行させる(S3)。また、制御部400は、モータ46aを制御してリフレッシュローラ46を定着ベルト41の連れ回り方向へ回転駆動させる(S3)。研磨モード時におけるリフレッシュローラ46の回転速度は、例えば、その表面移動速度(線速)が定着ベルト41の表面移動速度(線速)の3倍以上6倍以下の範囲内となるように設定するのが好ましい。
【0073】
なお、図9における処理ステップS3(フロント研磨状態での研磨)は、主にエッジスジが大きいフロント側の研磨を行う研磨動作であって、リア側の研磨を全く行わないわけではなく、リア側についても弱い研磨(摺擦)が行われる。
【0074】
一方で、用紙エッジスジの程度がフロント側よりもリア側の方が大きい場合、リア側を研磨する動作を行う(S4のYes)。例えば、給紙カセット101,102にセットされる用紙がリア側で揃えられる構成である場合、リア側は、用紙エッジの揃え精度がフロント側よりも高くなるため、リア側の用紙エッジスジがフロント側よりも深い傷となる。また、例えば、用紙裁断時のバリがフロント側よりリア側の方が高く目立つような場合、リア側の用紙エッジスジがフロント側よりも深い傷となる。
【0075】
このような場合、制御部400は、モータ48aを制御してカム軸48bを回転させ、偏心カム48A,48Bの回転位置を変更することにより、リフレッシュローラ46を、離間状態からリア研磨状態へと移行させる(S5)。また、制御部400は、モータ46aを制御してリフレッシュローラ46を定着ベルト41の連れ回り方向へ回転駆動させる。
【0076】
なお、図9における処理ステップS5(リア研磨状態での研磨)は、主にエッジスジが大きいリア側の研磨を行う研磨動作であって、フロント側の研磨を全く行わないわけではなく、フロント側についても弱い研磨(摺擦)が行われる。
【0077】
また、用紙エッジスジの程度がフロント側とリア側とで同じぐらい大きい場合、フロント側とリア側の両方を研磨する動作を行う(S2のNo,S4のNo)。この場合、リフレッシュローラ46を、用紙幅方向にわたって均等な当接圧で定着ベルト41に当接するワックス除去状態で研磨を実行してもよいが、本実施形態では、フロント研磨状態での研磨とリア研磨状態での研磨の両方を順次実行する(S6,S7)。これは、本実施形態の場合、両側の用紙エッジスジを十分に修復するのに必要な研磨時間が、ワックス除去状態で研磨する場合よりも、フロント研磨状態及びリア研磨状態の研磨を順次行う場合の方が短いためである。
【0078】
具体的には、ワックス除去状態で両側の用紙エッジスジを研磨する場合の研磨時間がA分であるとき、フロント研磨状態でフロント側の用紙エッジスジを研磨する場合の研磨時間は0.2×A分となり、ワックス除去状態の研磨時間の1/5で済む。同様に、リア研磨状態でリア側の用紙エッジスジを研磨する場合の研磨時間は0.2×A分となり、ワックス除去状態の研磨時間の1/5で済む。したがって、本実施形態の場合、両側の用紙エッジスジを十分に修復するのに必要な研磨時間は、ワックス除去状態で研磨を実行する場合の2/5の研磨時間で済む。
【0079】
なお、両側の用紙エッジスジを十分に修復するのに必要な研磨時間が、ワックス除去状態で研磨する場合よりも、フロント研磨状態及びリア研磨状態の研磨を順次行う場合の方が長くかかる場合には、ワックス除去状態で研磨を実行してもよい。
【0080】
以上のような研磨モードの実行後、制御部400は、モータ48aを制御してカム軸48bを回転させ、偏心カム48A,48Bの回転位置を変更することにより、リフレッシュローラ46を、再び離間状態に戻す(S10)。
【0081】
一方、ワックス除去モードの実行条件を満たすと判断した場合(S1のNo,S8のYes)、制御部400は、モータ48aを制御してカム軸48bを回転させ、リフレッシュローラ46を、離間状態からワックス除去状態へと移行させる(S9)。また、制御部400は、モータ46aを制御してリフレッシュローラ46を定着ベルト41の連れ回り方向へ回転駆動させる(S9)。ワックス除去モード時におけるリフレッシュローラ46の回転速度は、研磨モード時と同じでもよいし、異ならせてもよい。
【0082】
例えば、同じ用紙サイズのみしか通紙されない場合、用紙エッジキズによる画像スジは発生しないが、トナー付着量の多いベタ画像のような高濃度画像を連続通紙すると、定着ベルト41上にトナーのワックスが付着して蓄積される。この場合、光沢度合いの変化や光沢ムラが生じ得る。このような場合、ワックス除去モードを実行することで、リフレッシュローラ46により定着ベルト41の外周面を摺擦し、定着ベルト41の外周面に付着したワックスを除去することで、光沢度合いの変化や光沢ムラを抑制することができる。
【0083】
このとき、本実施形態では、フロント研磨状態やリア研磨状態における最大当接圧よりも当接圧が小さいワックス除去状態で、リフレッシュローラ46により定着ベルト41の外周面を摺擦する。したがって、定着ベルト41の外周面上に付着するワックスを除去しつつも、定着ベルト41の外周面を過剰に研磨することはない。したがって、研磨モード時の最大当接圧と同じ当接圧でワックス除去モードを実行する場合と比べて、定着ベルト41の長寿命化を図ることができる。
【0084】
ワックス除去モードの実行後も、制御部400は、モータ48aを制御してカム軸48bを回転させ、偏心カム48A,48Bの回転位置を変更することにより、リフレッシュローラ46を、再び離間状態に戻す(S10)。
【0085】
なお、本実施形態では、温度センサ401が、定着ローラ42に巻き付いた定着ベルト41の部分に対向する位置に配置されているが、他の位置、例えば、図10に示すように、加熱ローラ43に巻き付いた定着ベルト41の部分に対向する位置に配置されてもよい。
【0086】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、定着回転体(例えば定着ベルト41)の外周面を摺擦する摺擦部材(例えばリフレッシュローラ46)を有し、該定着回転体の外周面を記録材(例えば用紙P)に接触させて画像を該記録材に定着させる定着装置40であって、前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面に当接させた当接状態で、前記定着回転体の回転方向に対して直交する記録材幅方向(例えば用紙幅方向)における一方側(例えばフロント側)と他方側(例えばリア側)とで前記摺擦部材の当接圧が異なるように、該摺擦部材の当接圧を変更可能な当接圧変更手段(例えばフロント側及びリア側の加圧機構)を有することを特徴とするものである。
従来の定着装置では、例えば、定着回転体の外周面上に記録材幅方向の片側だけに偏って表面荒れ(用紙エッジスジなど)が発生した場合、その片側だけを摺擦部材で摺擦して表面荒れを修復させる。このとき、摺擦部材の摺擦は、定着回転体の外周面上に付着しているワックス(トナー中に分散含有されるワックスが定着時に溶融して付着したもの)も除去する。一方で、記録材幅方向における反対側の定着回転体の外周面は、研磨ローラによって摺擦されないため、付着しているワックスが除去されないまま残留することになる。その結果、定着回転体の外周面上には、記録材幅方向でワックスが付着している箇所とワックスが付着していない箇所とが混在し、ワックスの付着ムラが生じることになる。定着回転体の外周面上のワックスは、その後の定着処理において記録材上の画像に付着することで光沢を生じさせる。したがって、定着回転体の外周面上にワックスの付着ムラが生じると、記録材上の画像に光沢ムラが発生してしまう。
本態様においては、当接圧変更手段により、摺擦部材の全体を定着回転体の外周面に当接させた当接状態で、記録材幅方向における一方側と他方側とで摺擦部材の当接圧が異なるように、摺擦部材を定着回転体の外周面に当接させることができる。これによれば、例えば、定着回転体の外周面上に記録材幅方向片側だけに偏って表面荒れが発生した場合、当該片側の当接圧を高くするように摺擦部材を定着回転体の外周面に当接させ、当該片側の表面荒れを摺擦部材の摺擦によって修復できる。このとき、当該片側とは反対側(表面荒れが発生していない修復不要な箇所)については、摺擦部材の当接圧が低いので、定着回転体の外周面が過剰に研磨されることはなく、定着回転体の長寿命化を図ることが可能である。しかも、当該片側とは反対側については、低い当接圧(定着回転体の外周面を削り取って表面荒れを修復できるほど高い当接圧ではない)ながらも、摺擦部材によって定着回転体の外周面を摺擦するため、付着しているワックスを除去することは可能である。
したがって、本態様によれば、定着回転体の外周面上におけるワックスの付着ムラを低減でき、記録材上の画像に光沢ムラが発生するのを抑制することができる。
【0087】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記当接圧変更手段は、前記摺擦部材の当接圧を前記一方側よりも前記他方側の方が大きくなるようにする第一差圧動作(例えばフロント研磨状態にする動作)と、前記摺擦部材の当接圧を前記他方側よりも前記一方側の方が大きくなるようにする第二差圧動作(例えばリア研磨状態にする動作)とを、実行可能であることを特徴とするものである。
これによれば、記録材幅方向一方側にも他方側にも偏って表面荒れ(用紙エッジスジなど)が発生する場合に対応することができる。
【0088】
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記当接圧変更手段は、前記当接状態で記録材幅方向にわたって前記摺擦部材の当接圧を均等にする均圧動作(ワックス除去状態にする動作)を実行可能であることを特徴とするものである。
これによれば、記録材幅方向一方側と他方側の両方を一度の動作で摺擦することができる。
【0089】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記摺擦部材は、前記定着回転体の外周面に対して接離可能に構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、摺擦部材による摺擦が不要なときには、摺擦部材を定着回転体の外周面から離間させておくことができ、定着回転体の外周面を不必要に摺擦せず、定着回転体の長寿命化に寄与することができる。
【0090】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記当接圧変更手段は、前記摺擦部材の全体を前記定着回転体の外周面から離間させた離間状態にする離間動作を実行可能であることを特徴とするものである。
本態様によれば、当接圧変更手段を用いて離間状態にすることができるので、当接圧変更手段とは別の接離手段を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0091】
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記当接圧変更手段は、所定の研磨開始タイミングになったとき、前記離間状態から、前記当接状態で記録材幅方向における一方側と他方側とで該摺擦部材の当接圧が異なる状態にした後、前記離間動作を実行して再び前記離間状態にする動作を行うことを特徴とするものである。
これによれば、摺擦部材による摺擦が不要なときには、摺擦部材を定着回転体の外周面から離間させておくことができ、定着回転体の外周面を不必要に摺擦せず、定着回転体の長寿命化に寄与することができる。
【0092】
[第7態様]
第7態様は、第5又は第6態様において、前記当接圧変更手段は、前記当接状態で記録材幅方向にわたって前記摺擦部材の当接圧を均等にする均圧動作を実行可能であり、前記当接圧変更手段は、所定の研磨開始タイミングになったとき、前記離間状態から、前記均圧動作を実行した後、前記離間動作を実行して再び前記離間状態にすることを特徴とするものである。
これによれば、摺擦部材による摺擦が不要なときには、摺擦部材を定着回転体の外周面から離間させておくことができ、定着回転体の外周面を不必要に摺擦せず、定着回転体の長寿命化に寄与することができる。
【0093】
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記当接圧変更手段は、記録材幅方向における前記摺擦部材の一方側を前記定着回転体の外周面に向けて加圧する第一加圧部材(例えば圧縮バネ49A)と、記録材幅方向における前記摺擦部材の他方側を前記定着回転体の外周面に向けて加圧する第二加圧部材(例えば圧縮バネ49B)と、該第一加圧部材による加圧力及び該第二加圧部材による加圧力を変更する加圧力変更手段(例えばカム軸48b及び偏心カム48A,48B)とを含むことを特徴とするものである。
これによれば、上述した態様の定着装置の構成を実現するのが容易である。
【0094】
[第9態様]
第9態様は、画像形成装置(例えばプリンタ100)であって、第1乃至第8態様のいずれかの定着装置を備えることを特徴とするものである。
これによれば、定着回転体の長寿命化を図りつつ、定着処理される画像上に発生し得る光沢ムラを抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 :光書込ユニット
2 :作像ユニット
3 :感光体
4 :現像装置
5 :帯電装置
6 :ドラムクリーニング装置
40 :定着装置
41 :定着ベルト
42 :定着ローラ
43 :加熱ローラ
44 :加圧ローラ
45 :定着ヒータ
46 :リフレッシュローラ
46a :モータ
47 :ローラブラケット
47a :回動軸
48A,48B:偏心カム
48a :モータ
48b :カム軸
48c :切り欠き部
49A,49B:圧縮バネ
49a :入口ガイド板
49b :定着分離板
49c :加圧分離爪
61 :中間転写ベルト
62 :一次転写ローラ
68 :二次転写バイアスローラ
100 :プリンタ
400 :制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開2017-116915号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10