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特開2023-85898グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085898
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20230614BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20230614BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230614BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230614BHJP
   C12N 9/99 20060101ALI20230614BHJP
   A23G 3/34 20060101ALN20230614BHJP
   A23G 4/12 20060101ALN20230614BHJP
   A23G 1/42 20060101ALN20230614BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/9794
A61Q11/00
A23L33/105
C12N9/99
A23G3/34 101
A23G4/12
A23G1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200212
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】木曽 昭典
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4C083
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GB13
4B014GG18
4B014GK12
4B018LB01
4B018MD48
4B018MD52
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF01
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB282
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC742
4C083AC782
4C083AC862
4C083AD272
4C083AD532
4C083CC41
4C083DD22
4C083DD23
4C083EE32
(57)【要約】
【課題】優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性が高いグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の提供。
【解決手段】ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかを含有するグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤、及び前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤を含有するグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかを含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤。
【請求項2】
請求項1に記載のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
う蝕の発生には、口腔内の微生物由来の酵素、特にストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)が産生する酵素であるグルコシルトランスフェラーゼが関与していることが知られている。口腔内に残った飲食物中のショ糖の一部がグルコシルトランスフェラーゼの作用によって水不溶性で付着性の強いグルカンに変化し、それが口腔内の微生物とともに歯の表面に付着して歯垢(プラーク)を形成する。そして、歯垢内の微生物(特にストレプトコッカス・ミュータンス)が飲食物中の糖を代謝して酸を生成し、この酸が歯のエナメル質を脱灰し侵食するのがう蝕である。
【0003】
したがって、歯の表面に付着した歯垢を歯磨き等により取り除くこととともに、口腔内におけるグルコシルトランスフェラーゼの活性を阻害することにより、グルカンの生成を抑制し、歯垢を生じさせないようにすることが、う蝕予防に有効な手段となる。
【0004】
このような観点から、近年、グルコシルトランスフェラーゼの活性を阻害する作用を有する物質を含有させることにより、う蝕予防作用を付与した口腔用剤や飲食物が提供されるようになっている。グルコシルトランスフェラーゼの活性阻害作用を有するものとしては、例えば、五斂子(Averrhoa carambola L.)抽出物などが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性が高く、そのため、口腔用剤、飲食品、研究用試薬などの成分として広く利用が可能な新たな素材に対する要望は依然として強く、その速やかな開発が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-153788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性が高いグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物が、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性が高く、グルコシルトランスフェラーゼの活性の阻害に有用であることを知見し、本発明を完成したものである。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかを含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤である。
<2> 前記<1>に記載のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性が高いグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤)
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかを有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記有効成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の有効成分である、ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかがこのような優れた作用を有し、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤として有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
【0013】
<ユキノシタ抽出物>
前記ユキノシタ(学名:Saxifraga stolonifera)は、ユキノシタ科ユキノシタ属に属する植物であり、日本では本州、四国、及び九州に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0014】
前記ユキノシタ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0015】
-抽出部位-
前記ユキノシタの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全草部、葉部、茎部、根部、花部、果実部、種子部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、全草部が好ましい。
前記ユキノシタの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0016】
-抽出部位の調製方法-
前記ユキノシタの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕する方法などが挙げられる。前記乾燥させたものをそのまま又は粉砕したものを溶媒抽出に供することができる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。
【0017】
-抽出-
前記ユキノシタ抽出物は、植物の抽出に一般に用いられる方法により容易に得ることができる。前記ユキノシタ抽出物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出液そのもの、抽出液の希釈液、抽出液の濃縮液、これらの乾燥物、粗精製物、精製物などが挙げられる。
【0018】
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出する方法などが挙げられ、より具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料である前記ユキノシタの前記抽出部位を投入し、必要に応じて適宜撹拌しながら、例えば、30分間~4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得る方法などが挙げられる。前記抽出液は、更に、抽出溶媒を留去し、乾燥してもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0019】
前記ユキノシタの抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
【0021】
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水などの他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水なども含まれる。前記水は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記混合溶媒における前記水に対する前記親水性溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低級アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部、低級脂肪族ケトンを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~40容量部、多価アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部添加することが好ましい。
【0024】
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
【0025】
得られた前記ユキノシタ抽出物は、前記ユキノシタ抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
【0026】
前記ユキノシタ抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理などの精製方法が挙げられる。前記精製方法により精製することで、有効成分の濃度を高めたり、不要物を除去したりすることができる。
【0027】
得られた前記ユキノシタ抽出物は、そのままでも前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
【0028】
<ヒマラヤンラズベリー抽出物>
前記ヒマラヤンラズベリー(学名:Rubus ellipticus)は、バラ科キイチゴ属に属する植物であり、ヒマラヤから東南アジア、中国南部に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0029】
前記ヒマラヤンラズベリー抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0030】
-抽出部位-
前記ヒマラヤンラズベリーの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、果実部、種子部、葉部、樹皮部、花部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根部が好ましい。
前記ヒマラヤンラズベリーの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0031】
-抽出部位の調製方法-
前記ヒマラヤンラズベリーの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0032】
-抽出-
前記ヒマラヤンラズベリー抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0033】
<ハマメリス抽出物>
前記ハマメリス(学名:Hamamelis virginiana)は、マンサク科マンサク属の植物であり、北米東部からテキサス州の原産で、日本では、庭園樹、切り花用に各地で植栽されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0034】
前記ハマメリス抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0035】
-抽出部位-
前記ハマメリスの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記ハマメリスの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
-抽出部位の調製方法-
前記ハマメリスの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0037】
-抽出-
前記ハマメリス抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0038】
<オトギリソウ抽出物>
前記オトギリソウ(学名:Hypericum perforatum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属に属する植物であり、本州、四国、九州等に自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0039】
前記オトギリソウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0040】
-抽出部位-
前記オトギリソウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、根部、花部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、地上部が好ましい。
前記オトギリソウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
-抽出部位の調製方法-
前記オトギリソウの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0042】
-抽出-
前記オトギリソウ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0043】
<アセンヤク抽出物>
前記アセンヤク(学名:Uncaria gambir)は、アカネ科カギカズラ属に属する植物であり、東南アジア等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0044】
前記アセンヤク抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0045】
-抽出部位-
前記アセンヤクの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花(蕾)部、葉部、枝部、樹皮部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部、枝部が好ましい。
前記アセンヤクの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0046】
-抽出部位の調製方法-
前記アセンヤクの抽出原料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0047】
-抽出-
前記アセンヤク抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0048】
<シナノキ抽出物>
前記シナノキ(学名:Tilia cordata Mill.,Tilia platyphyllos Scop.)は、シナノキ科シナノキ属に属する植物であり、長野県等に自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0049】
前記シナノキ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0050】
-抽出部位-
前記シナノキの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、果皮部、果核部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、花部が好ましい。
前記シナノキの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0051】
-抽出部位の調製方法-
前記シナノキの抽出原料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0052】
-抽出-
前記シナノキ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0053】
<サンザシ抽出物>
前記サンザシ(学名:Crataegus cuneata Sieb.et Zucc.)は、バラ科サンザシ属に属する植物であり、中国中南部の原産であり、日本では庭木や盆栽として栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0054】
前記サンザシ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0055】
-抽出部位-
前記サンザシの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、果皮部、果核部、種子部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果実部が好ましい。
前記サンザシの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0056】
-抽出部位の調製方法-
前記サンザシの抽出原料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0057】
-抽出-
前記サンザシ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0058】
<ホップ抽出物>
前記ホップ(学名:Humulus lupulus)は、アサ科カラハナソウ属に属する植物であり、ヨーロッパ、北米等で広く栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0059】
前記ホップ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0060】
-抽出部位-
前記ホップの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、根部、花部、茎部、雌花穂部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、雌花穂部が好ましい。
前記ホップの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0061】
-抽出部位の調製方法-
前記ホップの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0062】
-抽出-
前記ホップ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0063】
<トルメンチラ抽出物>
前記トルメンチラ(学名:Potentilla tormentilla vulgaris)は、バラ科に属する植物であり、ヨーロッパ、西アジア、シベリア、まれに地中海に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0064】
前記トルメンチラ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0065】
-抽出部位-
前記トルメンチラの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、根部、全草部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根部が好ましい。
前記トルメンチラの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0066】
-抽出部位の調製方法-
前記トルメンチラの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0067】
-抽出-
前記トルメンチラ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0068】
<マロニエ抽出物>
前記マロニエ(学名:Aesculus hippocastanum)は、トチノキ科トチノキ属に属する植物であり、世界各地で栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0069】
前記マロニエ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0070】
-抽出部位-
前記マロニエの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、幹部、樹皮部、花部、種子部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、種子部が好ましい。
前記マロニエの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0071】
-抽出部位の調製方法-
前記マロニエの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0072】
-抽出-
前記マロニエ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0073】
<モミジ抽出物>
前記モミジ(学名:Acer palmatum)は、カエデ科カエデ属に属する植物であり、四国、九州、朝鮮南部、中国東部などに分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0074】
前記モミジ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0075】
-抽出部位-
前記モミジの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、根部、樹皮部、種子部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記モミジの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0076】
-抽出部位の調製方法-
前記モミジの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0077】
-抽出-
前記モミジ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0078】
<テンニンカ果実抽出物>
前記テンニンカ(学名:Rhodomyrtus tomentosa)は、フトモモ科に属する植物であり、東南アジアの熱帯から亜熱帯地域に広く分布しており、沖縄や台湾などで野生しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0079】
前記テンニンカ果実抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0080】
-抽出部位-
前記テンニンカの抽出部位は、果実である。
前記テンニンカの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0081】
-抽出部位の調製方法-
前記テンニンカの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0082】
-抽出-
前記テンニンカ果実抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0083】
<ソウハクヒ抽出物>
前記ソウハクヒ(生薬名)は、中国等に分布している落葉高木であるクワ科クワ属に属するマグワ(学名:Morus alba L.)の根皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0084】
前記ソウハクヒ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0085】
-抽出部位-
前記ソウハクヒの抽出部位は、マグワの根皮部である。
前記ソウハクヒの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0086】
-抽出部位の調製方法-
前記ソウハクヒの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0087】
-抽出-
前記ソウハクヒ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0088】
<ウコン抽出物>
前記ウコン(学名:Curcuma longa)は、ショウガ科クルクマ(ウコン)属に属する植物であり、熱帯アジアに分布し、インド、沖縄、中国東南部や東南アジアで栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0089】
前記ウコン抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0090】
-抽出部位-
前記ウコンの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部、根茎部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根茎部が好ましい。
前記ウコンの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0091】
-抽出部位の調製方法-
前記ウコンの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0092】
-抽出-
前記ウコン抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0093】
<ジュウヤク抽出物>
前記ジュウヤク(学名:Houttuynia cordata Thunberg)は、ドクダミ科ドクダミ属に属する植物であり、日本の陰湿地に多く野生しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0094】
前記ジュウヤク抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0095】
-抽出部位-
前記ジュウヤクの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根茎部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、地上部が好ましい。
前記ジュウヤクの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0096】
-抽出部位の調製方法-
前記ジュウヤクの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0097】
-抽出-
前記ジュウヤク抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0098】
<クジン抽出物>
前記クジン(生薬名)は、日本、韓国、中国各地に分布しているマメ科クララ属に属する多年生草本であるクララ(学名:Sophora flavescens Aiton)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0099】
前記クジン抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0100】
-抽出部位-
前記クジンの抽出部位は、クララの根部である。
前記クジンの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0101】
-抽出部位の調製方法-
前記クジンの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0102】
-抽出-
前記クジン抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0103】
<ザクロ抽出物>
前記ザクロ(学名:Punica granatum)は、ザクロ科ザクロ属に属する植物であり、イラン、アフガニスタン、西パキスタン等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0104】
前記ザクロ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0105】
-抽出部位-
前記ザクロの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、果皮部、花部、地上部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果皮部が好ましい。
前記ザクロの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0106】
-抽出部位の調製方法-
前記ザクロの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0107】
-抽出-
前記ザクロ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0108】
<アカブドウ抽出物>
前記アカブドウ(学名:Vitis vinifera)は、ブドウ科ブドウ属に属する蔓性植物であり、世界各国に広く栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0109】
前記アカブドウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0110】
-抽出部位-
前記アカブドウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、種子部、果皮部、果実部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記アカブドウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0111】
-抽出部位の調製方法-
前記アカブドウの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0112】
-抽出-
前記アカブドウ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0113】
<ボタンピ抽出物>
前記ボタンピ(生薬名)は、中国原産のボタン科ボタン属に属するボタン(学名:Paeonia suffruticosa(=Paeonia moutan))の根皮部であり、これらの地域から容易に入手可能である。
【0114】
前記ボタンピ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0115】
-抽出部位-
前記ボタンピの抽出部位は、ボタンの根皮部である。
前記ボタンピの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0116】
-抽出部位の調製方法-
前記ボタンピの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0117】
-抽出-
前記ボタンピ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0118】
<ケイヒ抽出物>
前記ケイヒ(学名:Cinnamomum cassia Blume)は、クスノキ科に属する植物であり、中国南西部やベトナム北部に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0119】
前記ケイヒ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0120】
-抽出部位-
前記ケイヒの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、樹皮部、果実部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、樹皮部が好ましい。
前記ケイヒの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0121】
-抽出部位の調製方法-
前記ケイヒの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0122】
-抽出-
前記ケイヒ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0123】
<甘草葉抽出物>
前記甘草は、マメ科カンゾウ属に属する植物である。前記甘草の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリチリーザ グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチリーザ インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチリーザ ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、グリチリーザ アスペラ(Glychyrrhiza aspera)、グリチリーザ パリディフロラ(Glychyrrhiza pallidiflora)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリチリーザ グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチリーザ インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチリーザ ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)が好ましい。
【0124】
前記甘草葉抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0125】
-抽出部位-
前記甘草の抽出部位は、葉部である。
前記甘草の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0126】
-抽出部位の調製方法-
前記甘草の抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0127】
-抽出-
前記甘草葉抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0128】
<サンショウ抽出物>
前記サンショウ(学名:Zanthoxylum piperitum De Candolle)は、ミカン科サンショウ属に属する植物であり、日本列島や朝鮮半島に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0129】
前記サンショウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0130】
-抽出部位-
前記サンショウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、果皮部、果核部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果皮部が好ましい。
前記サンショウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0131】
-抽出部位の調製方法-
前記サンショウの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出部位の調製方法の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0132】
-抽出-
前記サンショウ抽出物の態様、抽出、抽出物の処理、及び抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したユキノシタ抽出物における抽出の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
【0133】
前記ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかの前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤における合計含有量としては、特に制限はなく、前記ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかの生理活性等によって適宜調整することができる。前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、前記ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかのみからなるものであってもよい。
【0134】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯臭剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0135】
前記その他の成分の前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0136】
<用途>
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抗う蝕剤などが挙げられる。
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有し、安全性が高いので、例えば、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の有効成分として好適に用いることができる。
【0137】
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
【0138】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0139】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤などが挙げられる。
【0140】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の製造方法としては、特に制限はなく、剤型などに応じて、公知の方法を適宜選択することができる。
【0141】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の使用量、使用期間等の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0142】
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかが有するグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を通じて、グルコシルトランスフェラーゼの活性を阻害することができる。これにより、グルカンの生成を抑制し、う蝕の発生を予防することができる。ただし、本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、これらの用途以外にもグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に使用することができる。
また、本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用の作用機構に関する研究のための試薬としても用いることができる。
【0143】
(グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物)
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物は、本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0144】
<グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤>
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤は、上述した本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤である。
【0145】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物における前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の含有量としては、特に制限はなく、前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の形態や前記ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかの生理活性等によって適宜調整することができるが、前記ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかの合計量に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物は、前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤のみからなるものであってもよい。
【0146】
<その他の成分>
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物におけるその他の成分としては、特に制限はなく、前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、上記したグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤の項目に記載したその他の成分と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0147】
前記その他の成分の前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0148】
<態様>
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧品などが挙げられる。
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物は、日常的に使用することが可能であり、有効成分であるユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物、並びにこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるいずれかの働きによって、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用をはじめとする様々な生理活性作用を極めて効果的に発揮させることができる。
【0149】
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
【0150】
前記本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。これらの中でも経口用が好ましく、例えば、口腔用剤、う蝕予防用飲食品などの態様が挙げられる。
【0151】
前記経口用の組成物の具体例としては、各種歯磨き類、マウスウォッシュ、トローチ、口腔用パスタ、歯肉マッサージクリーム、うがい剤、口中清涼剤等の口腔用剤、菓子、パン、キャンディー、チューインガム、グミ、ゼリー、チョコレート、錠菓、清涼飲料、ペットフード等のう蝕予防用飲食品などが挙げられる。
【0152】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の製造方法としては、特に制限はなく、前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
【0153】
前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の使用量、使用期間等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0154】
上述したように、本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物は優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有する。
したがって、本発明は、個体に前記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害剤及びグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害用組成物の少なくともいずれかを投与することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害方法にも関する。
【実施例0155】
以下、本発明の試験例、配合例を説明するが、本発明は、これらの試験例、配合例に何ら限定されるものではない。
【0156】
(試験例1:グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用試験)
下記のものを被験試料として用い、下記の試験方法により、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を試験した。
【0157】
<被験試料>
試験に用いた下記被験試料は、各抽出物の一例である。
(1) ユキノシタ抽出物 ・・・ ユキノシタ抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(2) ヒマラヤンラズベリー抽出物 ・・・ ヒマラヤンラズベリー抽出液BG80(丸善製薬株式会社製)
(3) ハマメリス抽出物 ・・・ ハマメリス抽出液BG-J(丸善製薬株式会社製)
(4) オトギリソウ抽出物 ・・・ オトギリソウ抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(5) アセンヤク抽出物 ・・・ アセンヤク抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(6) シナノキ抽出物 ・・・ シナノキ抽出液BG-J(丸善製薬株式会社製)
(7) サンザシ抽出物 ・・・ サンザシ抽出液BG-J(丸善製薬株式会社製)
(8) ホップ抽出物 ・・・ ホップ抽出液BG-J(丸善製薬株式会社製)
(9) トルメンチラ抽出物 ・・・ トルメンチラ抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(10) マロニエ抽出物 ・・・ マロニエ抽出液BG-J(丸善製薬株式会社製)
(11) モミジ抽出物 ・・・ モミジ抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(12) テンニンカ果実抽出物 ・・・ テンニンカ果実抽出液BG80(丸善製薬株式会社製)
(13) ソウハクヒ抽出物 ・・・ ソウハクヒ抽出液BG100(丸善製薬株式会社製)
(14) ウコン抽出物 ・・・ ウコン抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(15) ジュウヤク抽出物 ・・・ ジュウヤク抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(16) クジン抽出物 ・・・ クジン抽出リキッド(丸善製薬株式会社製)
(17) ザクロ抽出物 ・・・ ザクロ抽出液BG30(丸善製薬株式会社製)
(18) アカブドウ抽出物 ・・・ アカブドウ抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(19) ボタンピ抽出物 ・・・ ボタンピ抽出液(丸善製薬株式会社製)
(20) ケイヒ抽出物 ・・・ ケイヒ抽出液W-LA(丸善製薬株式会社製)
(21) 甘草葉抽出物 ・・・ 甘草葉抽出液BG(丸善製薬株式会社製)
(22) サンショウ抽出物 ・・・ サンショウ抽出液-J(丸善製薬株式会社製)
【0158】
<試験方法>
96ウェルプレートに、1質量%スクロースと、1mg/mLデキストランとを含有する100mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)0.15mLと、被験試料0.01mLとを加え、37℃で10分間静置した。これに、0.0333units/mLのグルコシルトランスフェラーゼ(ストレプトコッカス・ミュータンスより調製)溶液0.04mLを加え、引き続き37℃で24時間反応させた。
反応終了後、生成した不溶性グルカンを波長550nmにおける吸光度で測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
得られた結果から、下記式によりグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害率を算出した。
グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害率(%)={1-(A-B)/(C-D)}×100
上記式中のA~Dは、それぞれ以下を表す。
A : 被験試料溶液の酵素添加時の波長550nmにおける吸光度
B : 被験試料溶液の酵素無添加時の波長550nmにおける吸光度
C : コントロール溶液の酵素添加時の波長550nmにおける吸光度
D : コントロール溶液の酵素無添加時の波長550nmにおける吸光度
【0159】
各被験試料について、被験試料溶液における濃度を段階的に減少させて、上記グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害率(%)を算出し、グルコシルトランスフェラーゼ活性阻害率が50%になる被験試料の濃度IC50(%)を内挿法により求めた。
結果を下記の表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
表1の結果から、ユキノシタ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ハマメリス抽出物、オトギリソウ抽出物、アセンヤク抽出物、シナノキ抽出物、サンザシ抽出物、ホップ抽出物、トルメンチラ抽出物、マロニエ抽出物、モミジ抽出物、テンニンカ果実抽出物、ソウハクヒ抽出物、ウコン抽出物、ジュウヤク抽出物、クジン抽出物、ザクロ抽出物、アカブドウ抽出物、ボタンピ抽出物、ケイヒ抽出物、甘草葉抽出物、及びサンショウ抽出物は、優れたグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
【0162】
(配合例1)
常法により、以下の組成の原料を混合し、さらに煮詰めて成形し、飴を製造した。
・ ユキノシタ抽出物 0.01質量部
・ ショ糖 70.0質量部
・ 水飴 30.0質量部
・ クエン酸 1.0質量部
・ 香料 0.1質量部
・ 水 20.0質量部
【0163】
(配合例2)
常法により、以下の組成のチューインガムを製造した。
・ ヒマラヤンラズベリー抽出物 3.0質量部
・ ハマメリス抽出物 2.0質量部
・ チューインガムベース 20.0質量部
・ ショ糖 50.0質量部
・ 水飴 20.0質量部
・ 軟化剤 4.0質量部
・ 香料 1.0質量部
【0164】
(配合例3)
常法により、以下の組成のチョコレートを製造した。
・ オトギリソウ抽出物 0.04質量部
・ アセンヤク抽出物 0.03質量部
・ シナノキ抽出物 0.03質量部
・ チョコレート 45.0質量部
・ ショ糖 15.0質量部
・ カカオバター 20.0質量部
・ 全脂粉乳 20.0質量部
【0165】
(配合例4)
常法により、以下の組成のマウスウォッシュを製造した。
・ サンザシ抽出物 0.02質量部
・ ホップ抽出物 0.02質量部
・ トルメンチラ抽出物 0.02質量部
・ マロニエ抽出物 0.02質量部
・ モミジ抽出物 0.02質量部
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ グリチルリチン 0.1質量部
・ 精製水 残部(全量を100質量部とする)
【0166】
(配合例5)
常法により、以下の組成の練り歯磨きを製造した。
・ テンニンカ果実抽出物 0.02質量部
・ ソウハクヒ抽出物 0.03質量部
・ ウコン抽出物 0.01質量部
・ ジュウヤク抽出物 0.01質量部
・ クジン抽出物 0.03質量部
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 残部(全量を100質量部とする)
【0167】
(配合例6)
下記原料を混合し、得られた混合物100質量部に対し水40質量部を加えてさらに混合した後、エクストルーダーでペレット状に成形して、ペットフードを製造した。
・ ザクロ抽出物 0.4質量部
・ アカブドウ抽出物 0.4質量部
・ ボタンピ抽出物 0.4質量部
・ ケイヒ抽出物 0.4質量部
・ 甘草葉抽出物 0.2質量部
・ サンショウ抽出物 0.2質量部
・ 小麦粉 30.0質量部
・ コーンフラワー 15.0質量部
・ 大豆粉 15.0質量部
・ ミートミール 20.0質量部
・ ショ糖 5.0質量部
・ 牛脂 5.0質量部
・ 食塩 1.0質量部
・ リン酸カルシウム 2.0質量部
・ ソルビン酸カルシウム 0.5質量部
・ 香料 0.5質量部
・ プロピレングリコール 残部(全量を100質量部とする)