(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085986
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】DWA回路およびDA変換装置
(51)【国際特許分類】
H03M 1/66 20060101AFI20230614BHJP
H03M 1/08 20060101ALI20230614BHJP
H03M 3/02 20060101ALN20230614BHJP
【FI】
H03M1/66 C
H03M1/08 B
H03M3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200339
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中鉢 達也
【テーマコード(参考)】
5J022
5J064
【Fターム(参考)】
5J022AB01
5J064AA01
5J064BA03
5J064BB13
5J064BC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ダイナミックレンジ性能の向上を図るデータ・ウエイト・アベレージング(DWA)回路及びDA変換装置を提供する。
【解決手段】デルタシグマ変調装置10は、入力デジタル信号をサーモメータコードに変換するサーモメータ変換部と、サーモメータコードを巡回シフトすべきシフト量を記憶するシフト量記憶部と、サーモメータコードをシフト量分巡回シフトするシフト部と、シフト部が出力するシフト済みコードのビット配置を変換した出力制御コードをアナログ出力回路に供給する配置変換部と、入力デジタル信号の値に応じてシフト量を更新する更新部とを備える。シフト済みコードは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの複数の変換前ビットフィールドを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デジタル信号をサーモメータコードに変換するサーモメータ変換部と、
前記サーモメータコードを巡回シフトすべきシフト量を記憶するシフト量記憶部と、
前記サーモメータコードを前記シフト量分巡回シフトするシフト部と、
前記シフト部が出力するシフト済みコードのビット配置を変換した出力制御コードをアナログ出力回路に供給する配置変換部と、
前記入力デジタル信号の値に応じて前記シフト量を更新する更新部と
を備え、
前記シフト済みコードは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの複数の変換前ビットフィールドを含み、
前記出力制御コードは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含み、
前記配置変換部は、前記複数の変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ複数のビットを、前記複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する
DWA回路。
【請求項2】
前記シフト済みコードは、連続する前記第1の数のビットずつの2つの変換前ビットフィールドを含み、
前記配置変換部は、前記2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、前記複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する
請求項1に記載のDWA回路。
【請求項3】
前記配置変換部は、前記2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、前記複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換する請求項2に記載のDWA回路。
【請求項4】
前記アナログ出力回路は、前記出力制御コードのビット毎に当該ビットの値に応じたアナログ値を出力するアナログ変換器を有し、複数の前記アナログ変換器が出力するアナログ値の和を前記入力デジタル信号に相当するアナログ信号として出力し、
複数の前記アナログ変換器は、物理配置に応じて、前記第2の数ずつの複数のグループに分割され、
前記複数の変換後ビットフィールドは、前記複数のグループに1対1に対応する
請求項2または3に記載のDWA回路。
【請求項5】
前記配置変換部は、前記2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が隣り合う2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換する請求項4に記載のDWA回路。
【請求項6】
前記配置変換部は、前記シフト済みコードにおけるビット位置を示す2進数値の最下位ビットおよび最上位ビットの排他的論理和に基づくビット値を、前記出力制御コードにおけるビット位置を示す2進数値の最下位ビットとするビット配置の変換を行なう請求項4または5に記載のDWA回路。
【請求項7】
前記配置変換部は、前記2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が対応する2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換する請求項4に記載のDWA回路。
【請求項8】
前記複数のグループは、2のべき乗のグループからなる請求項4から7のいずれか一項に記載のDWA回路。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のDWA回路と、
前記アナログ出力回路と
を備えるDA変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DWA回路およびDA変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オーディオ用途デジタル-アナログ変換においては、オーディオ帯域内の量子化ノイズを抑制できるデルタシグマ変調器(DSM:Delta Sigma Modulator)が用いられる。しかし、DSMに用いるデジタル-アナログ変換素子のミスマッチは、ダイナミックレンジ性能の大幅な劣化の原因となる。この性能の劣化を改善するために、ダイナミック・エレメント・マッチング(DEM:Dynamic Element Matching)が知られている。
【0003】
DEMアルゴリズムの一例として、データ・ウエイト・アベレージング(DWA:Data Weighted Averaging)が知られている。DWAは、複数のデジタル-アナログ変換素子を平均的に使用することによってノイズシェーピングを実現し、素子のミスマッチによるダイナミックレンジの劣化を低減する。これにより、DWAは、信号雑音比(SNR)を向上し、全高調波歪み(THD)を低減することができる。
【0004】
しかし、DWAにおいても、デジタル-アナログ変換素子のミスマッチを起因とする帯域内トーンが発生し、ダイナミックレンジが劣化することがある。特許文献1においては、DWAの出力信号を2つのグループに分割し、2つのグループが独立にキャパシタをローテートして使用する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国特許2009-0110102号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様においては、DWA回路を提供する。DWA回路は、入力デジタル信号をサーモメータコードに変換するサーモメータ変換部を備えてよい。DWA回路は、サーモメータコードを巡回シフトすべきシフト量を記憶するシフト量記憶部を備えてよい。DWA回路は、サーモメータコードをシフト量分巡回シフトするシフト部を備えてよい。DWA回路は、シフト部が出力するシフト済みコードのビット配置を変換した出力制御コードをアナログ出力回路に供給する配置変換部を備えてよい。DWA回路は、入力デジタル信号の値に応じてシフト量を更新する更新部を備えてよい。シフト済みコードは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの複数の変換前ビットフィールドを含んでよい。出力制御コードは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含んでよい。配置変換部は、複数の変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ複数のビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換してよい。
【0006】
シフト済みコードは、連続する第1の数のビットずつの2つの変換前ビットフィールドを含んでよい。配置変換部は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換してよい。
【0007】
配置変換部は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換してよい。
【0008】
アナログ出力回路は、出力制御コードのビット毎に当該ビットの値に応じたアナログ値を出力するアナログ変換器を有してよい。アナログ出力回路は、複数のアナログ変換器が出力するアナログ値の和を入力デジタル信号に相当するアナログ信号として出力してよい。複数のアナログ変換器は、物理配置に応じて、第2の数ずつの複数のグループに分割されてよい。複数の変換後ビットフィールドは、複数のグループに1対1に対応してよい。
【0009】
配置変換部は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が隣り合う2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換してよい。
【0010】
配置変換部は、シフト済みコードにおけるビット位置を示す2進数値の最下位ビットおよび最上位ビットの排他的論理和に基づくビット値を、出力制御コードにおけるビット位置を示す2進数値の最下位ビットとするビット配置の変換を行なってよい。
【0011】
配置変換部は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が対応する2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換してよい。
【0012】
複数のグループは、2のべき乗のグループからなってよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、DA変換装置を提供する。DA変換装置は、DWA回路を備えてよい。DA変換装置は、アナログ出力回路を備えてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るデルタシグマ変調装置10の構成を示す。
【
図2】本実施形態に係るサーモメータ変換部120が出力するサーモメータコードを示す。
【
図3】本実施形態に係るアナログ出力回路190の構成を示す。
【
図4】本実施形態に係る配置変換部150の構成を示す。
【
図5】本実施形態に係るDWA回路100の動作の一例を示す。
【
図6】本実施形態に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。
【
図7】本実施形態に係るアナログ出力回路190における抵抗R0~R7の配置と抵抗値との関係の一例を示す。
【
図8】本実施形態の第1変形例に係る配置変換部850の構成を示す。
【
図9】本実施形態の第1変形例に係るDWA回路100の動作の一例を示す。
【
図10】本実施形態の第1変形例に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。
【
図11】本実施形態の第2変形例に係る配置変換部1150の構成を示す。
【
図12】本実施形態の第2変形例に係るDWA回路100の動作の一例を示す。
【
図13】本実施形態の第2変形例に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。
【
図14】本実施形態の第3変形例に係るアナログ出力回路190における抵抗R0~R7の配置と抵抗値との関係の一例を示す。
【
図15】本実施形態の第3変形例に係る配置変換部1550の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本実施形態に係るデルタシグマ変調装置10の構成を示す。デルタシグマ変調装置10は、デルタシグマ変調器20と、DA変換装置30とを備える。デルタシグマ変調器20は、デルタシグマ変調装置10に入力されるデジタル信号をデルタシグマ変調してDA変換装置30に供給する。本実施形態において、デルタシグマ変調器20は、24ビットデジタル信号または32ビットデジタル信号等の高ビットデジタル入力信号を、低ビットデジタル信号(本実施形態においては3ビット)に変換する量子化器として機能する。
【0018】
DA変換装置30は、デルタシグマ変調器20から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。ここで、DA変換装置30に関する説明においては、DA変換装置30がデルタシグマ変調器20から入力するデジタル信号を、「入力デジタル信号Q」と示す。本実施形態において、入力デジタル信号Qは、q2、q1、およびq0の3ビットからなる。DA変換装置30は、3ビットの入力デジタル信号Qを、8レベルのアナログ信号に変換する。DA変換装置30は、DWA回路100と、アナログ出力回路190とを有する。
【0019】
DWA回路100は、入力デジタル信号Qを受け取ってDWA処理を行い、アナログ出力回路190によるアナログ信号の出力を制御するための出力制御コードSを出力する。DWA回路100は、遅延回路110と、サーモメータ変換部120と、シフト量記憶部130と、シフト部140と、配置変換部150と、更新部160とを有する。
【0020】
遅延回路110は、デルタシグマ変調器20からの入力デジタル信号Qと、クロック信号とを受け取る。遅延回路110は、ラッチまたはフリップフロップ等であってよく、入力デジタル信号Qをクロック信号のタイミング(立ち上がりまたは立ち下がりタイミング)で取り込み、サーモメータ変換部120へと出力する。DWA回路100は、遅延回路110を有さず入力デジタル信号Qを遅延させずにサーモメータ変換部120へと供給してもよい。
【0021】
サーモメータ変換部120は、遅延回路110に接続される。サーモメータ変換部120は、遅延回路110からの入力デジタル信号QをサーモメータコードMに変換する。本実施形態に係るサーモメータ変換部120は、3ビットの入力デジタル信号q2~q0を、8ビット(2^3ビット)のサーモメータコードm7~m0に変換する。サーモメータコードMは、入力デジタル信号Qの数値に応じた数分の連続するビット"1"を持つ。本実施形態において、サーモメータコードMは、最下位ビットm0から入力デジタル信号Qの数値+1個分のビットが"1"であり、残りのビットが"0"であるコードである。
【0022】
シフト量記憶部130は、更新部160に接続される。シフト量記憶部130は、サーモメータコードMを巡回シフトすべきシフト量を記憶する。シフト量記憶部130は、ラッチまたはフリップフロップ等であってよく、更新部160が出力する次のシフト量をクロック信号のタイミングで取り込む。
【0023】
シフト部140は、サーモメータ変換部120およびシフト量記憶部130に接続される。シフト部140は、バレルシフタであってよく、他の方法を用いるシフタであってもよい。シフト部140は、サーモメータ変換部120からのサーモメータコードMを、シフト量記憶部130に記憶されたシフト量分巡回シフト(ローテート)する。具体的には、シフト部140は、サーモメータコードm7~m0を、シフト量記憶部130に記憶されたシフト量分左シフト(下位ビットから上位ビットへのシフト)し、最上位ビットから溢れたビットを最下位ビットへと巡回させる。例えば、サーモメータコードm7~m0が0b00011111、シフト量が4の場合、シフト部140は、シフト済みコード0b11110001を出力する。
【0024】
別の観点では、シフト部140は、サーモメータコードの最下位ビットm0が、シフト量で指定されたビット位置へと移動するようにサーモメータコードm7~m0を巡回シフトする。例えば、シフト量が4の場合、シフト部140は、サーモメータコード0b00011111の最下位ビットm0が、m4のビット位置へと移動するようにサーモメータコードm7~m0を巡回シフトして、シフト済みコード0b11110001を出力する。
【0025】
配置変換部150は、シフト部140に接続される。配置変換部150は、シフト部140が出力するシフト済みコードN(n7~n0)のビット配置を変換した出力制御コードS(s7~s0)をアナログ出力回路190に供給する。
【0026】
更新部160は、シフト量記憶部130に接続される。更新部160は、デルタシグマ変調器20からの入力デジタル信号Qの値に応じて、シフト量記憶部130に記憶されたシフト量を更新する。更新部160は、入力デジタル信号Qと同じビット数の加算器を用いて実現されてよい。本実施形態において、更新部160は、130に記憶されたシフト量に、入力デジタル信号Qの値+1を加えて、サーモメータコードMのビット数による剰余をとった値を次のシフト量とする。
【0027】
例えば、入力デジタル信号Qが3(サーモメータコードMが0b00001111)、現在のシフト量が2である場合、シフト部140はシフト済みコード0b00111100を出力し、更新部160は次のシフト量を6(=2+3+1)とする。これにより、シフト部140は、次のサイクルにおいて、シフト済みコードNにおける連続する"1"の左端の1つ上のビット位置(残りの連続する"0"の右端のビット位置)を指すように、更新部160のシフト量を更新することができる。この場合において、シフト済みコードNは、最上位ビットの上位に最下位ビットが隣接することによりビットが循環しているとみなす。これにより、DWA回路100は、サイクル毎に、シフト済みコードNの下位のビットから順に入力デジタル信号Qで指定された数のビットずつを"1"としていくことにより、長期的にはシフト済みコードNの各ビットが"1"となる回数を均一化することができる。
【0028】
アナログ出力回路190は、DWA回路100の配置変換部150に接続される。アナログ出力回路190は、配置変換部150から出力制御コードs7~s0を受け取って、出力制御コードs7~s0に応じたアナログ信号を出力する。本実施形態に係るアナログ出力回路190は、出力制御コードs7~s0におけるビット値が"1"のビット数に比例するアナログ信号を出力するように構成される。例えば入力デジタル信号q2~q0が3である場合に、アナログ出力回路190は、4つのビットが"1"である出力制御コードs7~s0を受け取り、4単位のアナログ値(例えば4×単位電圧Voの電圧または4×単位電流Ioの電流)を有するアナログ信号を出力する。
【0029】
以上に代えて、サーモメータ変換部120は、最上位ビットm7から最下位ビットm0に向けて入力デジタル信号Qの数値+1個分のビットが"1"であり、残りのビットが"0"であるコードを生成してもよい。この場合、シフト部140は、サーモメータコードMを、シフト量記憶部130に記憶されたシフト量分右巡回シフトしてよい。
【0030】
また、本明細書において、サーモメータコード(m7~m0等)、シフト済みコード(n7~n0等)、および出力制御コード(s7~s0等)は、上位ビットほどビット番号が大きくなるように番号付けしている。これに代えて、これらのコードは下位ビットほどビット番号が大きくなるように番号付けられてもよく、これに応じてDA変換装置30内の各部の処理が変更されてもよい。
【0031】
図2は、本実施形態に係るサーモメータ変換部120が出力するサーモメータコードM(m7~m0)を示す。入力デジタル信号Q(q2~q0)が0(0b000)の場合、サーモメータコードm7~m0は、最下位ビットから入力デジタル信号q2~q0の値に1を加えた1ビット分が"1"となる値0b00000001である。
【0032】
入力デジタル信号q2~q0が1(0b001)の場合、サーモメータコードm7~m0は、最下位ビットから2ビット(1+1ビット)分が"1"となる値0b00000011である。同様に、入力デジタル信号q2~q0が2、3、4、5、6、7の場合、サーモメータコードm7~m0は、0b00000111、0b00001111、0b00011111、0b00111111、0b01111111、0b11111111となる。
【0033】
図3は、本実施形態に係るアナログ出力回路190の構成を示す。アナログ出力回路190は、出力制御コードのビット毎に当該ビットの値に応じたアナログ値を出力するアナログ変換器を有する。本実施形態において、アナログ出力回路190は、スイッチドレジスタ(SR:Switched Resister)構成をとる。すなわち、アナログ出力回路190は、複数の抵抗R0~R7を含む抵抗アレイと、複数の抵抗R0~R7に対して1対1に設けられ、対応する抵抗に直列に接続される複数のスイッチSW0~SW7とを有する。
【0034】
具体的には、アナログ出力回路190は、出力制御コードSのビットs0に対応して、スイッチSW0および抵抗R0を含むアナログ変換器を有する。スイッチSW0および抵抗R0は、直列に接続されており、スイッチSW0および抵抗R0の組の両端に定電圧Voが印加される。スイッチSW0は、ビットs0が"0"の場合にオフとなり、ビットs1が"1"の場合にオンとなる。抵抗R0には、ビットs0が"0"の場合には電流が流れず(電流I0=0)、ビットs1が"1"の場合には電流I0=定電圧Vo/抵抗値R0が流れる。すなわち、スイッチSW0および抵抗R0を含むアナログ変換器は、出力制御コードSのビットs0の値に対応して、0または定電圧Vo/抵抗値R0となる電流をアナログ値として出力する。
【0035】
アナログ出力回路190は、出力制御コードSのビットs1に対応してスイッチSW1および抵抗R1を含むアナログ変換器を有し、出力制御コードSのビットs2に対応してスイッチSW2および抵抗R2を含むアナログ変換器を有し、以下同様にして、出力制御コードSのビットs7に対応してスイッチSW7および抵抗R7を含むアナログ変換器を有する。抵抗R0~R7は、同じ抵抗値Rとなるように設計される。したがって、製造誤差等の誤差がなければ、出力制御コードSのビットs0~s7に対応する各アナログ変換器は、対応するビットが"1"である場合に同じ単位電流Io=Vo/Rを流す。
【0036】
アナログ出力回路190は、複数のアナログ変換器が出力するアナログ値の和を入力デジタル信号Qに相当するアナログ信号として出力する。本実施形態において、アナログ出力回路190は、抵抗R7~R0に流れる電流I7~I0を合計した電流をアナログ信号として出力する。これにより、アナログ出力回路190は、理想的には、出力制御コードs7~s0における"1"のビット数に比例する電流を出力する。
【0037】
アナログ出力回路190は、各抵抗R0~R7に代えて、同じ電流を流すように設計された定電流源を有してよい。また、アナログ出力回路190は、スイッチドキャパシタ(SC:Switched Capacitor)構成をとってもよい。この場合、アナログ出力回路190は、理想的には、出力制御コードs7~s0における"1"のビット数に比例する電圧を出力する。
【0038】
図4は、本実施形態に係る配置変換部150の構成を示す。配置変換部150は、シフト部140が出力するシフト済みコードn7~n0のビット配置を変換した出力制御コードs7~s0をアナログ出力回路190に供給する。
【0039】
シフト済みコードは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの2つの変換前ビットフィールドを含む。本図の例においては、シフト済みコードn7~n0は、連続する4ビットずつの2つの変換前ビットフィールド(n7~n4およびn3~n0)を含む。ここで、変換前ビットフィールドのビット数(第1の数)は、シフト済みコードのビット数の1/2の75%以上、80%以上、または90%以上であってもよい。あるいは、第1の数は、変換前ビットフィールドのビット数/2であってよく、変換前ビットフィールドのビット数/2-1以上であってもよい。
【0040】
変換前ビットフィールドに含まれるビット群を、変換前グループとも示す。本図の例においては、シフト済みコードNは、変換前ビットフィールドn7~n4に対応する変換前グループN1、および変換前ビットフィールドn3~n0に対応する変換前グループN0に分割される。
【0041】
出力制御コードは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含んでよい。本図の例においては、出力制御コードSは、連続する2ビットずつの4つの変換後ビットフィールド(s7~s6、s5~s4、s3~s2、およびs1~s0)を含む。変換後ビットフィールドの数は、変換前ビットフィールドの数と同じであってよく、変換前ビットフィールドの数の2のべき乗倍(2倍、4倍、…等)であってもよく、2以上の任意の整数であってもよい。変換後ビットフィールドは、変換前ビットフィールドのビット数に、変換前ビットフィールドの数/変換後ビットフィールドの数を乗じたビット数(第2の数)を有してよい。変換後ビットフィールドのビット数(第2の数)は、変換前ビットフィールドの数以上であってよい。
【0042】
変換後ビットフィールドに含まれるビット群を、変換後グループとも示す。本図の例においては、出力制御コードSは、変換後ビットフィールドs7~s6に対応する変換後グループS3、変換後ビットフィールドs6~s5に対応する変換後グループS2、変換後ビットフィールドs4~s3に対応する変換後グループS1、および、変換後ビットフィールドs1~s0に対応する変換後グループS0に分割される。
【0043】
配置変換部150は、シフト済みコードの複数のビットn7~n0を、出力制御コードの複数のビットs7~s0に1対1に対応付けるビット変換を行なう。配置変換部150は、変換前ビットフィールドの各ビットを、変換後ビットフィールドの対応するビットにルーティングするための信号配線を有してよい。
【0044】
このルーティングにより、配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する。本実施形態においては、配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換する。本図の例において、変換前ビットフィールドn7~n4におけるn4と、変換前ビットフィールドn3~n0におけるn0とは、いずれも変換前ビットフィールドにおける最下位ビットであり、ビットフィールド内における同じ位置のビットである。配置変換部150は、これら2つのビットn4、n0を、同じ変換後ビットフィールドs1~s0における隣接する2つのビットs1、s0へと配置変換する。
【0045】
同様に、配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から2番目のビットであるビットn5、n1を、同じ変換後ビットフィールドs7~s6における隣接する2つのビットs6、s7へと配置変換する。配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から3番目のビットであるビットn6、n2を、同じ変換後ビットフィールドs5~s4における隣接する2つのビットs5、s4へと配置変換する。配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から4番目のビットであるビットn7、n3を、同じ変換後ビットフィールドs3~s2における隣接する2つのビットs2、s3へと配置変換する。この結果、配置変換部150は、変換前ビットフィールドのn0、n1、n2、n3、n4、n5、n6、およびn7を、変換後ビットフィールドのs0、s7、s4、s3、s1、s6、s5、およびs2に変換する。
【0046】
図5は、本実施形態に係るDWA回路100の動作の一例を示す。本図は、入力デジタル信号q2~q0が0b000である場合において、時刻がt01、t02、…と経過したときのDWA回路100の出力を示す。
【0047】
本図の例においては、時刻t01においてシフト量記憶部130がシフト量0を記憶している。入力デジタル信号q2~q0が0であることから、シフト部140は、時刻t01から1サイクル毎にn0、n1、…n7、n0、n1、…、n7のように、シフト済みコードの最下位ビットから最上位ビットへと順に、1サイクルに1ビットずつ"1"を出力し、最上位ビットを"1"としたサイクルの次には最下位ビットを"1"とする。この結果、配置変換部150は、時刻t01から1サイクル毎にs0、s7、s4、s3、s1、s6、s5、s2、s0、s7、…、s2のように、シフト済みコードを配置変換した出力制御コードを1サイクルに1ビットずつ"1"とする。
【0048】
図6は、本実施形態に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。ここで、アナログ出力回路190内の複数のアナログ変換器は、第2の数ずつの複数のグループに分割される。アナログ変換器の複数のグループは、出力制御コードSの複数の変換後ビットフィールドと1対1に対応する。すなわち、複数のアナログ変換器は、変換後グループS3のビットs7~s6によって制御されるグループ3、変換後グループS2のビットs5~s4によって制御されるグループ2、変換後グループS1のビットs3~s2によって制御されるグループ1、および、変換後グループS0のビットs1~s0によって制御されるグループ0に分割される。したがって、グループの数は、変換後ビットフィールドの数と同様に、変換前ビットフィールドの数と同じであってよく、変換前ビットフィールドの数の2のべき乗倍(2倍、4倍、…等)であってもよく、2以上の任意の整数であってもよい。
【0049】
アナログ出力回路190の各抵抗R0~R7は、理想とする抵抗値Rに対し、製造誤差等による抵抗値ミスマッチを有する。複数の抵抗R0~R7の抵抗ミスマッチを抵抗のグループ毎に分けて表すと、抵抗R0~R7は、理想とする抵抗値Rに対し、それぞれ(A+a1)%、(A+a2)%、(B+b1)%、(B+b2)%、(C+c1)%、(C+c2)%、(D+d1)%、および(D+d2)%の抵抗値ミスマッチを有するものとみなせる。ここで、Aはグループ0に属する抵抗R0および抵抗R1のミスマッチの平均値であり、a1およびa2はそれぞれ抵抗R0およびR1の抵抗ミスマッチとAとの差を表す。同様に、Bはグループ1に属する抵抗R2および抵抗R3のミスマッチの平均値であり、b1およびb2はそれぞれ抵抗R2およびR3の抵抗ミスマッチとBとの差を表す。Cはグループ2に属する抵抗R4および抵抗R5のミスマッチの平均値であり、c1およびc2はそれぞれ抵抗R4およびR5の抵抗ミスマッチとCとの差を表す。Dはグループ3に属する抵抗R6および抵抗R7のミスマッチの平均値であり、d1およびd2はそれぞれ抵抗R6およびR7の抵抗ミスマッチとDとの差を表す。
【0050】
時刻t01において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs0を"1"とし、他のビットを"0"とする。これにより、アナログ出力回路190内のSW7~0のうちSW0のみがオンとなり、抵抗R0に流れる電流がアナログ信号として出力される。ここで、抵抗R0のミスマッチが(A+a1)%である場合、抵抗R0に流れる電流I0は抵抗値に反比例するので、抵抗R0のミスマッチがある程度小さければ、理想的な電流Ioに対して概ね(-A-a1)%のミスマッチを含むものと近似することができる。
【0051】
同様に、時刻t02において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs7を"1"として、アナログ出力回路190内のSW7をオンとし抵抗R7に電流を流す。抵抗R7に流れる電流I7は、理想的な電流Ioに対して概ね(-D-d2)%のミスマッチを含む。
図6は、このような時刻毎の出力電流ミスマッチを示す。
【0052】
入力デジタル信号Qが0である場合、DWA回路100は、出力制御コードを1ビットずつ"1"とし、出力制御コードSのビット数分(本実施形態において8)のサイクル毎に同じビットを"1"とする。したがって、本実施形態においては、DA変換装置30は、8サイクル毎に繰り返し同じ抵抗から電流を流す。
【0053】
ここで、出力制御コードSのビット数の1/2のサイクル(本実施形態においては4サイクル)毎の、t02~t05、t06~t01'、t02'~t05'、およびt06'~t01"の4つの期間のそれぞれにおける平均の出力電流ミスマッチは、
図6に示したように出力電流を矩形波に単純化すると、-(A+B+C+D+a2+b2+c1+d2)/4%、-(A+B+C+D+a1+b1+c2+d1)/4%、-(A+B+C+D+a2+b2+c1+d2)/4%、-(A+B+C+D+a1+b1+c2+d1)/4%となる。したがって、8サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wは、4サイクル毎の出力電流ミスマッチを用いて見積もると、以下の式(1)となる。
W=(-(A+B+C+D+a2+b2+c1+d2)/4 %)-
(-(A+B+C+D+a1+b1+c2+d1)/4 %)
=((a1-a2)+(b1-b2)-(c1-c2)-(d1-d2))
/4%×Io (式1)
【0054】
本実施形態において、配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換することにより、出力制御コードSのビット数である8サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wから、抵抗R0およびR1のミスマッチの平均値A、抵抗R2およびR3のミスマッチの平均値B、抵抗R4およびR5のミスマッチの平均値C、並びに、抵抗R6および抵抗R7のミスマッチの平均値Dの影響を除去する。振幅Wには、抵抗R0およびR1の各ミスマッチとAとの差a1およびa2、抵抗R2およびR3の各ミスマッチとBとの差b1およびb2、抵抗R4およびR5の各ミスマッチとCとの差c1およびc2、ならびに抵抗R6およびR7の各ミスマッチとDとの差d1およびd2の影響が残ることとなる。
【0055】
なお、実際には、時刻t01、t02、t03、およびt04から開始する各周期についてアナログ信号の振幅を算出して、最大となる振幅をアナログ信号の振幅Wとみなすべきである。すなわち、時刻t02から開始する周期におけるアナログ信号の振幅が最大である場合には、アナログ信号の振幅Wは上記式(1)となる。しかし、時刻t01、t02、t03、およびt04から開始するいずれの周期について振幅を計算したとしても、上記式(1)と同様に、振幅Wの式からA、B、C、およびDの項を削除することができる。
【0056】
図7は、本実施形態に係るアナログ出力回路190における抵抗R0~R7の配置と抵抗値との関係の一例を示す。本図の例において、複数の抵抗R0~R7は、シリコン(Si)等の基板700の上面に形成したPウェル、Nウェル、またはトレンチ等の抵抗下部基板710の上に形成される。
【0057】
ここで、一般的に、LSI製造上のプロセスドリフトを考慮すると、単位抵抗値のミスマッチは直線的になると想定されている。しかし、本図の例のように、抵抗R0~R7を抵抗下部基板710上に並列に配置し、極力マッチングを向上させた場合においても、単位抵抗は直線的なミスマッチ以外の成分を含むことがある。このようなミスマッチの成分は、例えば、抵抗を形成するポリシリコンの局所的な密度分布に起因する抵抗の幅の誤差、抵抗下部基板710の局所的なたわみに起因する抵抗の高さの誤差等が挙げられる。すなわち、抵抗R0~R7のミスマッチは、レイアウト環境により完全には直線的とならず、曲線的なミスマッチを含みうる。また、抵抗R0~R7は、LSI製造において、ウエハ面内で常に同一形状になるとは限られず、曲線的なミスマッチにばらつきが含まれうる。
【0058】
本図に示した例においては、抵抗下部基板710は、抵抗R0側から抵抗R7側へと近付くにつれて非線形的に厚くなっている。このため、抵抗R0~R7は、抵抗R0に近い抵抗ほど抵抗値が小さく、抵抗R7に近い抵抗ほど抵抗値が大きくなっている。抵抗R0~R7の平均の抵抗値は、R=(R0+R1+…+R7)/8となる。
【0059】
このような製造誤差がある場合、抵抗R0~R7のうち物理配置が隣り合う抵抗同士は、物理配置が離れた抵抗同士よりも抵抗値の差が小さくなる。そこで、本実施形態においては、隣り合う抵抗R0およびR1、抵抗R2およびR3、抵抗R4およびR5、ならびに抵抗R6およびR7をそれぞれグループとし、グループ毎にミスマッチを算出する。
【0060】
抵抗R0およびR1の抵抗値の平均値と抵抗値Rとの差A'は、(抵抗値R0+抵抗値R1)/2-Rとなる。抵抗R0およびR1と抵抗値Rとの差は、それぞれ(A'+a1')、(A'+a2')となる。抵抗R0およびR1は、物理配置が隣り合うことから同程度の製造誤差の影響を受けて抵抗値の差が小さくなる。したがって、a1'およびa2'はA'と比較して十分小さくなる。抵抗R0のミスマッチ(A+a1)%は(A'+a1')/Rを百分率で表したものとなり、抵抗R1のミスマッチ(A+a2)%は(A'+a2')/Rを百分率で表したものとなる。本図に示したとおり、抵抗R2およびR3、抵抗R4およびR5、抵抗R6およびR7についても同様である。
【0061】
複数の抵抗のグループは、複数の変換後グループと1対1に対応する。したがって、複数の抵抗のグループは、複数の変換後ビットフィールドと1対1に対応する。配置変換部150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が隣り合う2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換する。これにより、DWA回路100は、本図の例のような、物理配置が近いほど抵抗値が近くなる抵抗R0~R7を有するアナログ出力回路190を用いて、アナログ信号に発生する周期的な変動幅を、式(1)に示した振幅Wに抑えることができる。
【0062】
これに対し、物理配置が隣り合う2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットが、同じ変換前ビットフィールドの2つのビットに対応したとすると、式(1)に示した振幅Wには、ミスマッチの平均値A、B、C、またはDが残留することになる。この場合には、アナログ信号に発生する周期的な変動が大きくなってしまう。
【0063】
本実施形態に係るDA変換装置30においては、抵抗R0~R7のミスマッチがばらつきを含む場合でも、出力制御コードにおける各変換後ビットフィールドに対応付けられた抵抗同士のミスマッチに関係性があり抵抗値の差が抑えられていればよく、異なる変換後ビットフィールドに対応付けられた抵抗間のミスマッチの関係性を必要としない。したがって、DA変換装置30によれば、抵抗アレイに含まれる全抵抗の抵抗値をマッチングするのに代えて、抵抗の数が(1/抵抗のグループ数)となるグループ内の抵抗間で抵抗値をマッチングさせればよく、アナログ出力回路190内の抵抗アレイにおける各抵抗のマッチング要求を緩和することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、シフト済みコードn7~n0におけるビット位置を示す2進数値をNb2~0とし、出力制御コードs7~0におけるビット位置を示す2進数値をSb2~0とすると、
図4に示した配置変換部150による変換前後のビット位置の関係は以下のとおりとなる。
Sb2=Nb1 XOR Nb0
Sb1=Nb0
Sb0=Nb2 XOR Nb0
【0065】
このように、本実施形態における配置変換部150は、シフト済みコードn7~n0におけるビット位置を示す2進数値Nb2~0の最下位ビットNb0および最上位ビットNb2の排他的論理和に基づくビット値を、出力制御コードs7~s0におけるビット位置を示す2進数値Sb2~0の最下位ビットSb0とするビット配置の変換を行なう。この変換により、配置変換部150は、奇数番目の変換後グループS1およびS3については、変換前グループN1からのビットが変換前グループN0からのビットよりも出力制御コードの下位側となるように入れ換えている。
【0066】
ここで、Sb0=Nb2としたとすると、配置変換部150は、変換前グループN0のビットn0~n3を出力制御コードSのビットs0、s6、s4、およびs2へと配置変換し、変換前グループN1のビットn4~n7を出力制御コードSのビットs1、s7、s5、およびs3へと配置変換することになる。この場合、アナログ出力回路190は、変換前グループN0のビットn0~n3が順に"1"となる間に抵抗R0、R6、R4、およびR2からの電流を順に出力し、変換前グループN1のビットn4~7が順に"1"となる間に抵抗R1、R7、R5、およびR3からの電流を順に出力することとなる。本図に示したように抵抗値がR0<R1、R2<R3、R4<R5、およびR6<R7の関係を有する場合には、変換前グループN0の各ビットが選択されている間に電流を流す抵抗の抵抗値が、変換後グループN01の対応するビットが選択されている間に電流を流す抵抗の抵抗値よりも常に小さくなり、アナログ信号の周期変動が生じうる。
【0067】
そこで、本実施形態における配置変換部150は、例えばSb0=Nb2 XOR Nb0とすることにより、変換前グループN0のビットn0~n3を出力制御コードSのビットs0、s7、s4、およびs3へと配置変換し、変換前グループN1のビットn4~n7を出力制御コードSのビットs1、s6、s5、およびs2へと配置変換する。これにより、配置変換部150は、変換前グループN0が選択されている間に電流を流す抵抗の平均抵抗値を、変換前グループN1が選択されている間に電流を流す抵抗の平均抵抗値に近付けて、アナログ信号の周期変動を低減することができる。
【0068】
図8は、本実施形態の第1変形例に係る配置変換部850の構成を示す。本変形例においては、DA変換装置30は、4ビットの入力デジタル信号をq3~q0を受け取る。また、サーモメータ変換部120、シフト部140、およびアナログ出力回路190は、16ビット化される。
図4の配置変換部150は、16ビット化され、シフト済みコードNの各ビットと出力制御コードSの各ビットとの対応付けが異なる配置変換部850に変更されている。サーモメータコードM、シフト済みコードN、および出力制御コードSが16ビット化されても、デルタシグマ変調装置10の動作はこれらのコードが8ビットの場合と同様であるから、以下主な相違点である配置変換部850を中心に説明する。
【0069】
配置変換部850は、シフト部140が出力するシフト済みコードn15~n0のビット配置を変換した出力制御コードs15~s0をアナログ出力回路190に供給する。シフト済みコードNは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの2つの変換前ビットフィールドを含む。本図の例においては、シフト済みコードNは、連続する8ビットずつの2つの変換前ビットフィールド(n15~n8およびn7~n0)を含む。シフト済みコードNのビットn15~n8は変換前グループN1、ビットn7~n0は変換前グループN0となる。
【0070】
出力制御コードSは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含んでよい。本図の例においては、出力制御コードSは、連続する4ビットずつの4つの変換後ビットフィールド(s15~s12、s11~s8、s7~s4、およびs3~s0)を含む。出力制御コードSのビットs15~s12は変換後グループS3、ビットs11~s8は変換後グループS2、ビットs7~s4は変換後グループS1、ビットs3~s0は変換後グループS0となる。
【0071】
配置変換部850は、シフト済みコードNの複数のビットn15~n0を、出力制御コードSの複数のビットs15~s0に1対1に対応付けるビット変換を行なう。配置変換部850は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する。
【0072】
本変形例において、配置変換部850は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換する。本図の例において、変換前ビットフィールドn15~n8におけるn8と、変換前ビットフィールドn7~n0におけるn0とは、いずれも変換前ビットフィールドにおける最下位ビットであり、ビットフィールド内における同じ位置のビットである。配置変換部850は、これら2つのビットn8、n0を、同じ変換後ビットフィールドs3~s0における隣接する2つのビットs1、s0へと配置変換する。
【0073】
同様に、配置変換部850は、シフト済みコードNのビットn9およびn1を出力制御コードSのビットs12およびs13に配置変換し、シフト済みコードNのビットn10およびn2を出力制御コードSのビットs7およびs6に配置変換し、シフト済みコードNのビットn11およびn3を出力制御コードSのビットs10およびs11に配置変換し、シフト済みコードNのビットn12およびn4を出力制御コードSのビットs3およびs2に配置変換し、シフト済みコードNのビットn13およびn5を出力制御コードSのビットs14およびs15に配置変換し、シフト済みコードNのビットn14およびn6を出力制御コードSのビットs5およびs4に配置変換し、シフト済みコードNのビットn15およびn7を出力制御コードSのビットs8およびs9に配置変換する。
【0074】
本変形例においては、シフト済みコードn15~n0におけるビット位置を示す2進数値をNb3~0とし、出力制御コードs15~0におけるビット位置を示す2進数値をSb3~0とすると、変換前後のビット位置の関係は以下のとおりとなる。
Sb3=Nb0
Sb2=Nb1 XOR Nb0
Sb1=Nb2 XOR Nb1
Sb0=Nb3 XOR Nb0
【0075】
このように、本変形例における配置変換部850は、
図1~7に示した配置変換部150と同様に、シフト済みコードn15~n0におけるビット位置を示す2進数値Nb3~0の最下位ビットNb0および最上位ビットNb3の排他的論理和に基づくビット値を、出力制御コードs15~s0におけるビット位置を示す2進数値Sb3~0の最下位ビットSb0とするビット配置の変換を行なう。この変換により、配置変換部850は、
図7と同様の傾向を有する抵抗アレイを用いた場合に、配置変換部150と同様に、変換前グループN0が選択されている間に電流を流す抵抗の平均抵抗値を、変換前グループN1が選択されている間に電流を流す抵抗の平均抵抗値に近付けて、アナログ信号の周期変動を低減することができる。
【0076】
図9は、本実施形態の第1変形例に係るDWA回路100の動作の一例を示す。本図は、入力デジタル信号q3~q0が0b0000である場合において、時刻がt01、t02、…と経過したときのDWA回路100の出力を示す。
【0077】
本図の例においては、時刻t01においてシフト量記憶部130がシフト量0を記憶している。入力デジタル信号q3~q0が0であることから、シフト部140は、時刻t01から1サイクル毎にn0、n1、…n15、n0、n1,…、n15のように、シフト済みコードNの最下位ビットから最上位ビットへと順に、1サイクルに1ビットずつ"1"を出力し、最上位ビットを"1"としたサイクルの次には最下位ビットを"1"とする。この結果、配置変換部850は、時刻t01から1サイクル毎にs0、s13、s6、s11、s2、s15、s4、s9、s1、s12、s7、s10、s3、s14、s5、s8、s0、s13、…、s8のように、シフト済みコードNを配置転換した出力制御コードSを1サイクルに1ビットずつ"1"とする。
【0078】
図10は、本実施形態の第1変形例に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。ここで、アナログ出力回路190内の複数のアナログ変換器は、第2の数(4)ずつの複数のグループに分割される。アナログ変換器の複数のグループは、出力制御コードSの複数の変換後ビットフィールドと1対1に対応する。すなわち、複数のアナログ変換器は、変換後グループS3のビットs15~s12によって制御されるグループ3、変換後グループS2のビットs11~s8によって制御されるグループ2、変換後グループS1のビットs7~s4によって制御されるグループ1、および、変換後グループS0のビットs3~s0によって制御されるグループ0に分割される。
【0079】
アナログ出力回路190の各抵抗R0~R15は、理想とする抵抗値Rに対し、製造誤差等による抵抗値ミスマッチを有する。複数の抵抗R0~R15の抵抗ミスマッチを抵抗のグループ毎に分けて表すと、抵抗R0~R3は理想とする抵抗値Rに対して(A+a1~a4)%、抵抗R4~R7は理想とする抵抗値Rに対して(B+b1~b4)%、抵抗R8~R11は理想とする抵抗値Rに対して(C+c1~c4)%、抵抗R12~R15は理想とする抵抗値Rに対して(D+d1~d4)%の抵抗値ミスマッチを有するものとみなせる。
【0080】
ここで、Aはグループ0に属する抵抗R0~R3のミスマッチの平均値であり、a1~a4は、それぞれ抵抗R0~R3の抵抗ミスマッチとAとの差を表す。同様に、Bはグループ1に属する抵抗R4~R7のミスマッチの平均値であり、b1~b4はそれぞれ抵抗R4~R7の抵抗ミスマッチとBとの差を表す。Cはグループ2に属する抵抗R8~R11のミスマッチの平均値であり、c1~c4はそれぞれ抵抗R8~R11の抵抗ミスマッチとCとの差を表す。Dはグループ3に属する抵抗R12~R15のミスマッチの平均値であり、d1~d4はそれぞれ抵抗R12~R15の抵抗ミスマッチとDとの差を表す。
【0081】
時刻t01において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs0を"1"とし、他のビットを"0"とする。これにより、アナログ出力回路190内のSW15~0のうちSW0のみがオンとなり、抵抗R0に流れる電流がアナログ信号として出力される。抵抗R0のミスマッチは(A+a1)%であるので、抵抗R0に流れる電流I0は理想的な電流Ioに対して概ね(-A-a1)%のミスマッチを含むものと近似することができる。
【0082】
同様に、時刻t02において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs13を"1"として、アナログ出力回路190内のSW13をオンとし抵抗R13に電流を流す。抵抗R13に流れる電流I13は、理想的な電流Ioに対して概ね(-D-d2)%のミスマッチを含む。
図10は、このような時刻毎の出力電流ミスマッチを示す。
【0083】
入力デジタル信号Qが0である場合、DWA回路100は、出力制御コードを1ビットずつ"1"とし、出力制御コードSのビット数分(本変形例において16)のサイクル毎に同じビットを"1"とする。したがって、本実施形態においては、DA変換装置30は、16サイクル毎に繰り返し同じ抵抗から電流を流す。
【0084】
ここで、出力制御コードSのビット数の1/2のサイクル(本変形例においては8サイクル)毎の、t02~t09、およびt10~t01'の2つの期間のそれぞれにおける平均の出力電流ミスマッチは、
図10に示したように、-(2A+2B+2C+2D+a2+a3+b1+b3+c2+c4+d2+d4)/8%、-(2A+2B+2C+2D+a1+a4+b2+b4+c1+c3+d1+d3)/8%となる。したがって、時刻t02から開始する16サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wは、以下の式(2)と見積もることができる。
W=-(2A+2B+2C+2D+a2+a3+b1+b3+
c2+c4+d2+d4)/8%-
(-(2A+2B+2C+2D+a1+a4+b2+b4+
c1+c3+d1+d3)/8%)
=((a1-a2-a3+a4)+(-b1+b2-b3+b4)+
(c1-c2+c3-c4)+(d1-d2+d3-d4))
/8%×Io (式2)
【0085】
本変形例において、配置変換部850は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換することにより、出力制御コードSのビット数である16サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wから、各グループの抵抗のミスマッチの平均値A、B、C、およびDの影響を除去する。振幅Wには、各グループの抵抗とミスマッチの平均値との差a1~4、b1~4、c1~4、およびd1~4の影響が残ることとなる。ここで、配置変換部850は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける隣接しない2つのビットへと配置変換したとしても、平均値A、B、C、およびDの影響の除去効果を得ることができる。
【0086】
なお、実際には、時刻t01、t02、t03、t04、t05、t06、t07、t08から開始する各周期についてアナログ信号の振幅を算出して、最大となる振幅をアナログ信号の振幅Wとみなすべきである。すなわち、時刻t02から開始する周期におけるアナログ信号の振幅が最大である場合には、アナログ信号の振幅Wは上記式(2)となる。しかし、いずれの時刻から開始するいずれの周期について振幅を計算したとしても、上記式(2)と同様に、振幅Wの式からA、B、C、およびDの項を削除することができる。
【0087】
本変形例に係るDA変換装置30においては、抵抗R0~R15のミスマッチがばらつきを含む場合でも、出力制御コードにおける各変換後ビットフィールドに対応付けられた抵抗同士のミスマッチに関係性があり抵抗値の差が抑えられていればよく、異なる変換後ビットフィールドに対応付けられた抵抗間のミスマッチの関係性を必要としない。したがって、DA変換装置30によれば、抵抗アレイに含まれる全抵抗の抵抗値をマッチングするのに代えて、抵抗の数が(1/抵抗のグループ数)となるグループ内の抵抗間で抵抗値をマッチングさせればよく、アナログ出力回路190内の抵抗アレイにおける各抵抗のマッチング要求を緩和することができる。
【0088】
図11は、本実施形態の第2変形例に係る配置変換部1150の構成を示す。本変形例においては、DA変換装置30は、4ビットの入力デジタル信号をq3~q0を受け取るが、その値は0~14の範囲に制限される。また、サーモメータ変換部120、シフト部140、およびアナログ出力回路190は、15ビット化される。
図4の配置変換部150は、15ビット化され、シフト済みコードNの各ビットと出力制御コードSの各ビットとの対応付けが異なる配置変換部1150に変更されている。サーモメータコードM、シフト済みコードN、および出力制御コードSが15ビット化されても、デルタシグマ変調装置10の動作はこれらのコードが8ビットの場合と同様であるから、以下主な相違点である配置変換部1150を中心に説明する。
【0089】
配置変換部1150は、シフト部140が出力するシフト済みコードn14~n0のビット配置を変換した出力制御コードs14~s0をアナログ出力回路190に供給する。シフト済みコードNは、連続する予め定められた第1の数のビットずつの2つの変換前ビットフィールドを含む。本図の例においては、シフト済みコードNは、連続する7ビットずつの2つの変換前ビットフィールド(n14~n8およびn6~n0)を含む。シフト済みコードNのビットn14~n8は変換前グループN1、ビットn6~n0は変換前グループN0となる。
【0090】
本変形例においては、シフト済みコードNは、2つの変換前ビットフィールドn14~n8およびn6~n0に属さないビットn7を更に含む。シフト済みコードNの全ビットうち変換前ビットフィールドに属さないビットは、1ビットであってよく、2ビットであってもよく、シフト済みコードNのビット数の25%未満、20%未満、または10%未満等であってよい。
【0091】
出力制御コードSは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含んでよい。本図の例においては、出力制御コードSは、連続する2ビットずつの7つの変換後ビットフィールド(s14~s13、s12~s11、s10~s9、s8およびs6、s5~s4、s3~s2、およびs1~s0)を含む。ただし、s8およびs6からなる変換後ビットフィールドは、いずれの変換後ビットフィールドにも属しないビットs7を除いて連続する2つのビットからなる。出力制御コードSのビットs14~s13は変換後グループS6、ビットs12~s11は変換後グループS5、ビットs10~s9は変換後グループS4、ビットs8およびs6は変換後グループS3、ビットs5~s4は変換後グループS2、ビットs3~s2は変換後グループS1、ビットs1~s0は変換後グループS0となる。
【0092】
配置変換部1150は、シフト済みコードNの複数のビットn14~n0を、出力制御コードSの複数のビットs14~s0に1対1に対応付けるビット変換を行なう。配置変換部1150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換する。本図の例において、変換前ビットフィールドn14~n8におけるn8と、変換前ビットフィールドn6~n0におけるn0とは、いずれも変換前ビットフィールドにおける最下位ビットであり、ビットフィールド内における同じ位置のビットである。配置変換部1150は、これら2つのビットn8、n0を、同じ変換後ビットフィールドs1~s0における隣接する2つのビットs1、s0へと配置変換する。
【0093】
同様に、配置変換部1150は、シフト済みコードNのビットn9およびn1を出力制御コードSのビットs3およびs2に配置変換し、シフト済みコードNのビットn10およびn2を出力制御コードSのビットs4およびs5に配置変換し、シフト済みコードNのビットn11およびn3を出力制御コードSのビットs8およびs6に配置変換し、シフト済みコードNのビットn12およびn4を出力制御コードSのビットs9およびs10に配置変換し、シフト済みコードNのビットn13およびn5を出力制御コードSのビットs12およびs11に配置変換し、シフト済みコードNのビットn14およびn6を出力制御コードSのビットs14およびs13に配置変換する。また、配置変換部1150は、いずれの変換前ビットフィールドにも属さないビットn7を、出力制御コードSのビット7に配置変換する。
【0094】
図12は、本実施形態の第2変形例に係るDWA回路100の動作の一例を示す。本図は、入力デジタル信号q3~q0が0b0000である場合において、時刻がt01、t02、…と経過したときのDWA回路100の出力を示す。
【0095】
本図の例においては、時刻t01においてシフト量記憶部130がシフト量0を記憶している。入力デジタル信号q3~q0が0であることから、シフト部140は、時刻t01から1サイクル毎にn0、n1、…n14、n0、n1,…、n14のように、シフト済みコードNの最下位ビットから最上位ビットへと順に、1サイクルに1ビットずつ"1"を出力し、最上位ビットを"1"としたサイクルの次には最下位ビットを"1"とする。この結果、配置変換部1150は、時刻t01から1サイクル毎にs0、s2、s5、s6、s10、s11、s13、s7、s1、s3、s4、s8、s9、s12、s14、s0、s2、…、s14のように、シフト済みコードNを配置転換した出力制御コードSを1サイクルに1ビットずつ"1"とする。
【0096】
図13は、本実施形態の第2変形例に係るDA変換装置30の出力の変動の一例を示す。ここで、アナログ出力回路190内の複数のアナログ変換器は、第2の数(2)ずつの複数のグループに分割される。アナログ変換器の複数のグループは、出力制御コードSの複数の変換後ビットフィールドと1対1に対応する。すなわち、複数のアナログ変換器は、変換後グループS6のビットs14~s13によって制御されるグループ6、変換後グループS5のビットs12~s11によって制御されるグループ5、変換後グループS4のビットs10~s9によって制御されるグループ4、変換後グループS3のビットs8およびs6によって制御されるグループ3、変換後グループS2のビットs5~s4によって制御されるグループ2、変換後グループS1のビットs3~s2によって制御されるグループ1、および、変換後グループS0のビットs1~s0によって制御されるグループ0に分割される。また、アナログ出力回路190は、いずれの変換後グループにも属さないビットs7によって制御される、いずれのアナログ変換器のグループにも属さないアナログ変換器(スイッチSW7および抵抗R7の組)を含む。
【0097】
アナログ出力回路190の各抵抗R0~R14は、理想とする抵抗値Rに対し、製造誤差等による抵抗値ミスマッチを有する。複数の抵抗R0~R14の抵抗ミスマッチを抵抗のグループ毎に分けて表すと、抵抗R0~R1は理想とする抵抗値Rに対して(A+a1~a2)%、抵抗R2~R3は理想とする抵抗値Rに対して(B+b1~b2)%、抵抗R4~R5は理想とする抵抗値Rに対して(C+c1~c2)%、抵抗R6およびR8は理想とする抵抗値Rに対して(D+d1~d2)%、抵抗R9~R10は理想とする抵抗値Rに対して(E+e1~e2)%、抵抗R11~R12は理想とする抵抗値Rに対して(F+f1~f2)%、抵抗R13~R14は理想とする抵抗値Rに対して(G+g1~g2)%の抵抗値ミスマッチを有するものとみなせる。
【0098】
ここで、Aはグループ0に属する抵抗R0~R1のミスマッチの平均値であり、a1~a2は、それぞれ抵抗R0~R1の抵抗ミスマッチとAとの差を表す。同様に、Bはグループ1に属する抵抗R2~R3のミスマッチの平均値であり、b1~b2はそれぞれ抵抗R2~R3の抵抗ミスマッチとBとの差を表す。Cはグループ2に属する抵抗R4~R5のミスマッチの平均値であり、c1~c2はそれぞれ抵抗R4~R5の抵抗ミスマッチとCとの差を表す。Dはグループ3に属する抵抗R6およびR8のミスマッチの平均値であり、d1~d2はそれぞれ抵抗R6およびR8の抵抗ミスマッチとDとの差を表す。Eはグループ4に属する抵抗R9~R10のミスマッチの平均値であり、e1~e2はそれぞれ抵抗R9~R10の抵抗ミスマッチとEとの差を表す。Fはグループ5に属する抵抗R11~R12のミスマッチの平均値であり、f1~f2はそれぞれ抵抗R11~R12の抵抗ミスマッチとFとの差を表す。Gはグループ6に属する抵抗R12およびR13のミスマッチの平均値であり、g1~g2はそれぞれ抵抗R12~R13の抵抗ミスマッチとGとの差を表す。なお、いずれのグループにも属さない抵抗R7のミスマッチは、H%と示す。
【0099】
時刻t01において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs0を"1"とし、他のビットを"0"とする。これにより、アナログ出力回路190内のSW14~0のうちSW0のみがオンとなり、抵抗R0に流れる電流がアナログ信号として出力される。抵抗R0のミスマッチは(A+a1)%であるので、抵抗R0に流れる電流I0は理想的な電流Ioに対して概ね(-A-a1)%のミスマッチを含むものと近似することができる。
【0100】
同様に、時刻t02において、DWA回路100は、出力制御コードSのビットs2を"1"としてアナログ出力回路190内のSW2をオンとして抵抗R2に電流を流す。抵抗R2に流れる電流I2は、理想的な電流Ioに対して概ね(-B-b1)%のミスマッチを含む。
図13は、このような時刻毎の出力電流ミスマッチを示す。
【0101】
入力デジタル信号Qが0である場合、DWA回路100は、出力制御コードを1ビットずつ"1"とし、出力制御コードSのビット数分(本変形例において15)のサイクル毎に同じビットを"1"とする。したがって、本実施形態においては、DA変換装置30は、15サイクル毎に繰り返し同じ抵抗から電流を流す。
【0102】
ここで、出力制御コードSのビット数の1/2のサイクル(本変形例においては7.5サイクル)毎の、t02からの7.5サイクルと、t09およびt10の中間のタイミングからの7.5サイクルとの2つの期間のそれぞれにおける平均の出力電流ミスマッチは、
図13に示したように、-(A/2+B+C+D+E+F+G+H+a2/2+b1+c2+d1+e2+f1+g1)/7.5%、-(3A/2+B+C+D+E+F+a1+a2/2+b2+c1+d2+e1+f2+g2)/7.5%となる。したがって、時刻t02から開始する15サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wは、以下の式(3)と見積もることができる。
W=(-A+H+(a1)+(-b1+b2)+(c1-c2)+
(-d1+d2)+(e1-2)+(-f1+f2)+(-g1+g2))
/7.5%×Io 式(3)
【0103】
配置変換部1150は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、複数の変換後ビットフィールドのうち同じ変換後ビットフィールドにおける隣接する2つのビットへと配置変換することにより、出力制御コードSのビット数である15サイクルを1周期とするアナログ信号の振幅Wから、各グループの抵抗のミスマッチの平均値A、B、C、およびDの影響を、グループに属さない抵抗R7の存在によって生じる「-A+H」等以外について除去する。したがって、振幅Wには、「-A+H」等と、各グループの抵抗とミスマッチの平均値との差a1~2、b1~2、c1~2、d1~d2、e1~e2、f1~f2、およびg1~2の影響が残ることとなる。
【0104】
なお、実際には、開始時刻が異なる各周期についてアナログ信号の振幅を算出して、最大となる振幅をアナログ信号の振幅Wとみなすべきである。すなわち、時刻t02から開始する周期におけるアナログ信号の振幅が最大である場合には、アナログ信号の振幅Wは上記式(3)となる。
図13に示したように、1周期の開始時刻が異なると、式(3)の「-A+H」の部分が「-B+H」、「-C+H」、「-D+H」、「-E+H」、「-F+H」、および「-G+H」等に置き換わる。したがって、いずれの時刻から開始するいずれの周期について振幅を計算したとしても、上記式(3)と同様に、振幅Wの式から「-A+H」等を除きA、B、C、およびDの項を削除することができる。
【0105】
したがって、本変形例に係るDA変換装置30においては、抵抗のグループに属しない抵抗R7が存在したとしても、グループ毎の抵抗間での抵抗値のマッチングすることに加えてグループに属しない抵抗R7と他の抵抗との抵抗値のマッチングを図ればよく、異なるグループ間の抵抗同士のマッチング要求を緩和することができる。
【0106】
図14は、本実施形態の第3変形例に係るアナログ出力回路190における抵抗R0~R7の配置と抵抗値との関係の一例を示す。本図の例において、複数の抵抗R0、R2、R4、およびR6は、シリコン(Si)等の基板1400の上面に形成したPウェル、Nウェル、またはトレンチ等の抵抗下部基板1410-1の上に形成される。また、複数の抵抗R1、R3、R5、およびR7は、基板1400の上面に形成した抵抗下部基板1410-2の上に形成される。
【0107】
本図に示した例においては、抵抗下部基板1410-1および抵抗下部基板1410-2は、抵抗R0側および抵抗R1側から抵抗R6側および抵抗R7側へと近付くにつれて非線形的に厚くなっている。このため、抵抗下部基板1410-1上の各抵抗および抵抗下部基板1410-2上の各抵抗は、抵抗R0およびR1に近い抵抗ほど抵抗値が小さく、抵抗R6およびR7に近い抵抗ほど抵抗値が大きくなっている。抵抗R0~R7の平均の抵抗値は、R=(R0+R1+…+R7)/8となる。
【0108】
ただし、本図に示した例においては、抵抗アレイの構成および配置等の要因により、抵抗下部基板1410-1上の隣り合う抵抗同士、および抵抗下部基板1410-2上の隣り合う抵抗同士よりも、抵抗下部基板1410-1上の抵抗と抵抗下部基板1410-2上における物理配置が対応する抵抗との間の方が、抵抗値の差がより小さくなる。例えば、抵抗下部基板1410-1上の隣り合う抵抗R0およびR2よりも、抵抗下部基板1410-1上の抵抗R0と抵抗下部基板1410-2上において抵抗R0と物理配置が対応する(すなわち、各抵抗下部基板1410における左端に位置する)抵抗R1との間の方が抵抗値の差がより小さい。
【0109】
そこで、本変形例においては、物理配置にとらわれず、グループ内の抵抗値の差がより小さくなるように複数の抵抗をグループ化する。複数の抵抗は、各抵抗の抵抗値とグループ内の抵抗の平均抵抗値との差の絶対値の和が最小となるようにグループ化されてよい。具体的には、物理配置が対応する抵抗R0およびR1、抵抗R2およびR3、抵抗R4およびR5、ならびに抵抗R6およびR7をそれぞれグループとし、グループ毎にミスマッチを算出する。このようなグループ化をした場合、各抵抗のミスマッチは
図4に関連して示したものと同様となる。
【0110】
図15は、本実施形態の第3変形例に係る配置変換部1550の構成を示す。配置変換部1550は、シフト部140が出力するシフト済みコードn7~n0のビット配置を変換した出力制御コードs7~s0をアナログ出力回路190に供給する。本変形例におけるシフト済みコードは、
図4に関連して示したシフト済みコードと同様である。
【0111】
出力制御コードは、連続する予め定められた第2の数のビットずつの複数の変換後ビットフィールドを含んでよい。本図の例においては、出力制御コードSは、連続する2ビットずつの4つの変換後ビットフィールド(s7~s6、s5~s4、s3~s2、およびs1~s0)を含む。本図の例においては、出力制御コードSは、変換後ビットフィールドs7~s6に対応する変換後グループS3、変換後ビットフィールドs6~s5に対応する変換後グループS2、変換後ビットフィールドs4~s3に対応する変換後グループS1、および、変換後ビットフィールドs1~s0に対応する変換後グループS0に分割される。
【0112】
図14に示したように、アナログ出力回路190内の複数の抵抗R0~R7は、グループ内の抵抗値の差がより小さくなるようにグループ化されている。したがって、出力制御コードSの連続する2ビットs7~s6、s5~s4、s3~s2、およびs1~s0は、物理配置上隣り合わないが対応する位置にある抵抗R7~R6、R5~R4、R3~R2、およびR1~R0に対する出力制御を行なう信号となる。
【0113】
すなわち、配置変換部1550は、2つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ2つのビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が対応する2つのアナログ変換器を制御するための2つのビットへと配置変換する。本図の例において、変換前ビットフィールドn7~n4におけるn4と、変換前ビットフィールドn3~n0におけるn0とは、いずれも変換前ビットフィールドにおける最下位ビットであり、ビットフィールド内における同じ位置のビットである。配置変換部1550は、これら2つのビットn4、n0を、同じ変換後ビットフィールドs1~s0における隣接する2つのビットs1、s0へと配置変換する。
【0114】
同様に、配置変換部1550は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から2番目のビットであるビットn5、n1を、同じ変換後ビットフィールドs3~s2における隣接する2つのビットs3、s2へと配置変換する。配置変換部1550は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から3番目のビットであるビットn6、n2を、同じ変換後ビットフィールドs5~s4における隣接する2つのビットs5、s4へと配置変換する。配置変換部1550は、2つの変換前ビットフィールドにおける最下位から2番目のビットであるビットn7、n3を、同じ変換後ビットフィールドs7~s6における隣接する2つのビットs7、s6へと配置変換する。この結果、配置変換部1550は、変換前ビットフィールドのn0、n1、n2、n3、n4、n5、n6、およびn7を、変換後ビットフィールドのs0、s2、s4、s6、s1、s3、s5、およびs7に変換する。
【0115】
本変形例に係るDA変換装置30においては、物理配置が隣接しなくても実装構造における相対的な位置が対応している抵抗同士を同じグループとしてグループ内の抵抗間の抵抗値の差を抑えることで、アナログ信号に発生する周期的な変動の幅を抑えることができる。したがって、DA変換装置30によれば、抵抗アレイに含まれる全抵抗の抵抗値をマッチングするのに代えて、抵抗の数が(1/抵抗のグループ数)となるグループ内の抵抗間で抵抗値をマッチングさせればよく、アナログ出力回路190内の抵抗アレイにおける各抵抗のマッチング要求を緩和することができる。
【0116】
以上に示したDA変換装置30においては、シフト済みコードNが2つの変換前ビットフィールドを含み、シフト済みコードNの1周を1周期とする周波数に発生する不要なトーンを抑えることができる。ここで、クロック信号の周波数をF(Hz)とし、シフト済みコードNのビット数をKとし、入力デジタル信号Qの値+1をVとすると、1サイクルあたりKビットのシフト済みコードNがVビットずつ"1"となるからシフト済みコードNはK/Vサイクルで1周する。したがって、DA変換装置30は、F/(K/V)=F・V/Kの周波数に発生する不要なトーンを抑えることができる。
【0117】
なお、以上においては説明の簡単化するために、入力デジタル信号Qが0であり、出力制御コードSが1サイクルあたり1ビットが選択される場合について例示した。入力デジタル信号Qが(k-1)であり、出力制御コードSが1サイクルあたりkビットが選択される場合(ただしk>1)には、アナログ出力回路190が出力するアナログ信号は、1/kサイクルあたり1ビットずつが選択された場合のk倍の値になるとみなすことができる。したがって、入力デジタル信号Qが0である場合についてアナログ出力信号の周期変動を抑えることにより、入力デジタル信号Qが0以外の場合についてもアナログ出力信号の周期変動を抑えることができる。
【0118】
以上に示したDA変換装置30は、シフト済みコードNとして、複数の変換前ビットフィールドを含むものに拡張することができる。すなわち、シフト済みコードNは、3以上の変換前ビットフィールドを含んでもよい。変換前ビットフィールドの数は、例えば3以上の2の倍数または3以上の2のべき乗の数であってもよい。この場合、配置変換部150等の配置変換部は、複数の変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ複数のビットを、同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する。配置変換部は、複数の抵抗のミスマッチの状態に応じて、複数の変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ複数のビットを、同じ変換後ビットフィールドにおける、物理配置が隣り合うかまたは物理配置が対応する複数個のアナログ変換器を制御するための複数個のビットへと配置変換してよい。
【0119】
例えば、変換前ビットフィールドの数が4の場合、配置変換部は、シフト済みコードNにおける4つの変換前ビットフィールドにおけるビットフィールド内の位置が同じ4つのビットを同じ変換後ビットフィールドへと配置変換する。これにより、DA変換装置30は、シフト済みコードNの1/2周を1周期とする周波数(2・F・V/K)に発生する不要なトーンも抑えることができる。
【0120】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0121】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0122】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはJAVA(登録商標)、C++、Smalltalk(登録商標)等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0123】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0124】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0125】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0126】
10 デルタシグマ変調装置
20 デルタシグマ変調器
30 DA変換装置
100 DWA回路
110 遅延回路
120 サーモメータ変換部
130 シフト量記憶部
140 シフト部
150 配置変換部
160 更新部
190 アナログ出力回路
700 基板
710 抵抗下部基板
850 配置変換部
1400 基板
1410 抵抗下部基板
1150 配置変換部
1550 配置変換部