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特開2023-86294情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086294
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
G06F11/07 178
G06F11/07 140P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200709
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛之
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042KK02
5B042KK07
5B042KK13
5B042KK14
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC15
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】管理者の操作により障害解析用のログを外部装置に送信すること。
【解決手段】受信したファイルを記憶する外部装置と通信する情報処理装置であって、発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付ける操作制御部と、前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を情報処理装置に表示する表示制御部と、前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定する障害処理部と、前記ログのファイルを前記外部装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したファイルを記憶する外部装置と通信する情報処理装置であって、
発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付ける操作制御部と、
前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を情報処理装置に表示する表示制御部と、
前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定する障害処理部と、
前記ログのファイルを前記外部装置に送信する通信部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記障害の発生時に、前記障害の発生を通知する電子メールを前記管理者のアドレス宛に送信する通知部を更に有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記障害の発生時に、前記障害の発生を情報処理装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記管理者の権限を有する利用者が操作を行っている場合のみ、前記ログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための画面を情報処理装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記障害処理部は、前記障害の種類ごとに予め定められた取得日数と前記障害の発生日時に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
受信したファイルを記憶する外部装置と、前記外部装置と通信する情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付ける操作制御部と、
前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を前記情報処理装置に表示する表示制御部と、
前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定する障害処理部と、
前記ログのファイルを前記外部装置に送信する通信部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
受信したファイルを記憶する外部装置と通信する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付けるステップと、
前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を情報処理装置に表示するステップと、
前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定するステップと、
前記ログのファイルを前記外部装置に送信するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
受信したファイルを記憶する外部装置と通信する情報処理装置に、
発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付けるステップ、
前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を情報処理装置に表示するステップ、
前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定するステップ、
前記ログのファイルを前記外部装置に送信するステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などの電子機器は、定期的あるいは障害が発生した際などに、障害が発生した原因を調査するために必要な情報を障害解析用のログとして、ハードディスクなどの記憶装置に出力する機能を有している。特許文献1には、障害の兆候を検知して予防措置を行う目的で、特定の条件が成立した際に電子機器の状態を管理システムに通知する技術が公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、管理者の操作により障害解析用のログを外部装置に送信することができなかった。そのため、電子機器を保守する技術者が、電子機器の設置場所に訪問して電子機器の管理者の許可を得た後、障害解析用のログを収集する必要があった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、管理者の操作により障害解析用のログを外部装置に送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、受信したファイルを記憶する外部装置と通信する情報処理装置であって、発生した障害を解析するためのログのファイルを前記外部装置に送信する要求を行うための管理者による操作を受け付ける操作制御部と、前記操作を受け付けた後、前記ログのファイルを前記外部装置に送信することを前記管理者が承認するための承認画面を情報処理装置に表示する表示制御部と、前記障害の種類に基づいて、送信する前記ログのファイルを決定する障害処理部と、前記ログの前記ファイルを外部装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、管理者の操作により障害解析用のログを外部装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る障害解析用のログを記憶する処理の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置で発生する障害の種類に関する分類表の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る障害発生の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る障害解析用のログをアップロードする処理のシーケンスの一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るログイン画面の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る設定画面の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る承認画面の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係るアップロードするログを特定する処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る障害解析用のログ取得日数定義表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク2に接続する画像形成装置9とストレージサーバ4を含む。ここで、画像形成装置9は、通信ネットワーク2に接続されたローカルネットワーク3に接続されている。ローカルネットワーク3は、例えば、ファイアウォール等により外部ネットワークからのアクセスが制限された、社内LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0010】
なお、図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、ローカルネットワーク3は、無線LAN等の無線通信による接続区間を含み、画像形成装置9は、無線通信によりローカルネットワーク3に接続されていてもよい。また、ストレージサーバ4は、クラウドネットワーク上に存在するストレージサービスであってもよい。
【0011】
本発明の実施形態において、画像形成装置9などの電子機器を含む情報処理装置は、管理者による操作を受け付けることにより、障害解析用のログをストレージサーバ4などの外部装置に送信することが可能である。ここで、障害とは、画像形成装置9のハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションなどが、正常ではない(異常な)状態となること、または正常でない(異常な)動作が実行されることである。また、障害をエラーと呼んでもよい。
【0012】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0013】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDD(Hard Disk、ハードディスク)コントローラ908、及び、HD(Hard Disk、ハードディスク)909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0014】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0015】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0016】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0017】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0018】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0019】
<ソフトウェア構成例>
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のソフトウェア構成の一例を示す図である。図3が示すように、画像形成装置9は、障害処理アプリ5、ログ管理アプリ6、ユーザ管理アプリ7、メール送信アプリ8、および操作制御アプリ17を有する。ここで、アプリとはアプリケーションの略である。アプリケーションは、画像形成装置9がユーザに機能を提供するための用途で作成されたプログラムであり、画像形成装置9のハードウェアを管理するOS(Operating System)上で動作する。
【0020】
障害処理アプリ5は、発生した障害の種類に応じて、管理者への障害の通知、および画像形成装置9の再起動や機能の停止などの処理の制御を行う。
【0021】
ログ管理アプリ6は、障害解析用のログを管理し、ログを画像形成装置9の記憶装置に記憶する。また、ログ管理アプリ6は、外部装置にアップロードするログのファイルを決定する。動作の詳細については後述する。
【0022】
ユーザ管理アプリ7は、画像形成装置9を利用するユーザが有する権限などに応じて、使用できる機能を制限するなどの制御を行う。例えば、障害解析用のログを外部装置に送信する操作は、管理者の権限を持つユーザのみに制限する。
【0023】
メール送信アプリ8は、特定のユーザに電子メールを送信する。例えば、メール送信アプリ8は、障害発生時に、障害発生を通知する内容を含む電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する。
【0024】
操作制御アプリ17は、画像形成装置9を利用するユーザが操作する、例えば、図2に示した操作パネル940におけるタッチパネル940aおよびテンキー940bの制御を行う。
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係る障害解析用のログを記憶する処理の一例を示す図である。メール送信アプリ8や操作制御アプリ17などのアプリケーションは、アプリケーション内で生成した障害解析用のログを記憶する要求メッセージをログ管理アプリ6に送信する。要求メッセージには、アプリケーション毎に割り当てられたIDと記憶するログが含まれる。ログ管理アプリ6は、要求メッセージを受信すると、画像形成装置9のメモリ10内の共有メモリ11において、予めIDと対応付けた領域にログ14を記憶する。また、ログ管理アプリ6は、共有メモリ11内に記憶したログ14の合計のサイズ(例えば、500kbyteなど)が所定のサイズを超えたならば、ログ14をメモリ10内のキャッシュ12内にログ15としてコピーする。更に、ログ管理アプリ6は、キャッシュ12内に記憶したログ15のサイズが所定のサイズを超えたならば、ログ15をハードディスク13内にログ16としてコピーする。コピーが実行された後、コピー元のログ14およびログ15は、新たに記憶するログにより上書きされる。つまり、共有メモリ11やキャッシュ12の領域を有するメモリ10は、記憶できるサイズの上限がハードディスク13に比べて小さいため、記憶するログをメモリ10からハードディスク13に退避させている。ここで、メモリ10内に記憶されるログ14およびログ15は、メモリ10内におけるデータとして記憶されるが、ハードディスク13内に記憶されるログ16は、ファイル形式で記憶される。これは、メモリ10とハードディスク13で、データを記憶する仕組みが異なるからである。また、ハードディスク13の記憶容量にも限りがあるため、記憶したログ16のファイルの数、または合計のサイズが所定の量を超えた場合、記憶された時刻が古いファイルから削除して、新しいログのファイルを上書きして記憶する。
【0026】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9で発生する障害の種類に関する分類表の一例を示す図である。障害処理アプリ5は、図5に示す分類表40が有する情報を保持し、発生した障害の種類に応じて、管理者への障害の通知、および画像形成装置9の再起動や機能の停止などの処理の制御を行う。分類表40は、エラー番号41、再起動有無42、通知有無43、名前44、および説明45の項目を有する。
【0027】
エラー番号41は、発生した障害の種類を特定する番号である。
【0028】
再起動有無42は、障害が発生した際に、画像形成装置9を再起動させるか否かに関する情報であり、「〇」は再起動を実行し、「×」は再起動を実行しない。
【0029】
通知有無43は、障害が発生した際に、管理者に障害の発生について通知するか否かに関する情報であり、「〇」は通知を実行し、「×」は通知を実行しない。通知の実行は、例えば、管理者のメールアドレス宛に、障害の発生に関する内容を含む電子メールを送信する。あるいは、画像形成装置9の画面に障害が発生したことを表示することにより、通知してもよい。
【0030】
名前44は、発生した障害の種類を示す名前である。
【0031】
説明45は、発生した障害の内容に関する説明である。
【0032】
<機能について>
図6は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。画像形成装置9は、障害処理部21、ログ管理部22、ユーザ管理部23、通知部24、操作制御部25、表示制御部26、および通信部27を有する。これら各部は、画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。第1記憶部28は、例えば、画像形成装置9が有するRAM902b、MEM-C907、およびHD909などの記憶装置によって実現可能である。
【0033】
障害処理部21は、発生した障害の種類に応じて、管理者への障害の通知、および画像形成装置9の再起動や機能の停止などの処理の制御を行う。
【0034】
ログ管理部22は、障害解析用のログを管理し、ログを第1記憶部28に送信して記憶させる。また、ログ管理部22は、外部装置にアップロードするログのファイルを決定する。動作の詳細については後述する。
【0035】
ユーザ管理部23は、画像形成装置9を利用するユーザが有する権限などに応じて、使用できる機能を制限するなどの制御を行う。例えば、障害解析用のログを外部装置に送信する操作は、管理者の権限を持つユーザのみに制限する。
【0036】
通知部24は、障害発生時に、障害発生を通知する内容を含む電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する。
【0037】
操作制御部25は、画像形成装置9の操作パネル940におけるタッチパネル940aおよびテンキー940bなどを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0038】
表示制御部26はログイン画面、設定画面、ログ送信の承認画面などを画像形成装置9に表示する。
【0039】
通信部27は、画像形成装置9が有する通信機能であり、例えば、通信ネットワーク2を介してストレージサーバ4に障害解析用のログのファイルを送信する。
【0040】
第1記憶部28は、ログ管理部22から受信したログを記憶する。
【0041】
ストレージサーバ4は、第2記憶部29を有する。第2記憶部29は、ストレージサーバ4が有するハードディスクなどの記憶装置によって実現可能である。第2記憶部29は、例えば、画像形成装置9の通信部27から受信したログのファイルを記憶する。
【0042】
<障害発生の通知処理>
図7は、本発明の実施形態に係る障害発生の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、画像形成装置9で動作するアプリケーションが障害の発生を検知した後、画像形成装置9は、発生した障害の種類に応じて、管理者への通知と障害解析用のログの記憶を実行する。以下、図7の各ステップの処理について説明する。
【0043】
ステップS30:画像形成装置9で動作するアプリケーション(メール送信アプリ8、操作制御アプリ17など)が、障害の発生を検知する。
【0044】
ステップS31:アプリケーションは、検知した障害の発生を通知するメッセージを障害処理部21に送信する。通知するメッセージは、アプリケーションを特定するID、発生した障害に対する障害解析用のログ、および図5に示した障害の種類を特定するエラー番号41を含む。ここで、例えば、エラー番号41の値は「100」であるとする。
【0045】
ステップS32:画像形成装置9の障害処理部21は、受信したメッセージに含まれるエラー番号41の値「100」で示される障害の種類に応じた処理を行うため、図5に示した分類表40から実行する処理に関する情報を取得する。具体的には、エラー番号41が「100」の場合、再起動有無42は「×」であり、通知有無43は「〇」であるため、画像形成装置9の再起動は実行せず、管理者への通知は実行するように、障害処理部21は、以降のステップで示す処理および処理の制御を行う。
【0046】
ステップS33:画像形成装置9の障害処理部21は、管理者のメールアドレスを要求するメッセージをユーザ管理部23に送信する。
【0047】
ステップS34:画像形成装置9のユーザ管理部23は、管理者のメールアドレスを障害処理部21に送信する。
【0048】
ステップS35:画像形成装置9の障害処理部21は、障害が発生したことを通知する電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する要求メッセージを通知部24に送信する。要求メッセージには、管理者のメールアドレスを含まれる。
【0049】
ステップS36:画像形成装置9の通知部24は、管理者のメールアドレス宛に、障害が発生したことを通知する電子メールを送信する。
【0050】
ステップS37:画像形成装置9の障害処理部21は、発生した障害に対する障害解析用のログを記憶することを要求するメッセージをログ管理部22に送信する。メッセージには、障害発生を通知したアプリケーションを特定するID、記憶するログ、および障害の種類を特定するエラー番号41などの情報が含まれる。
【0051】
ステップS38:画像形成装置9のログ管理部22は、受信したメッセージに含まれる情報を障害が発生した日時に関する情報とともに画像形成装置9の記憶装置にログとして記憶する。記憶する方法は、例えば、図4に示した手順により行う。障害が発生した日時に関する情報は、例えば、ログ管理部22から受信した要求メッセージに含まれていてもよいし、ログ管理部22が、障害処理部21から要求メッセージを受信した日時であってもよい。
【0052】
以上の処理により、情報処理システム1は、画像形成装置9で発生した障害の種類に応じて管理者へ障害の発生を通知し、障害解析用のログを画像形成装置9の記憶装置に記憶する。ここで、管理者への通知は、管理者に電子メールを送信する方法を示したが、他の方法として、例えば、画像形成装置9の画面に通知を表示する方法であってもよい。
【0053】
<ログのアップロード処理>
図8は、本発明の実施形態に係る障害解析用のログをアップロードする処理のシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、情報処理システム1が、画像形成装置9にログインした管理者による、画像形成装置9に記憶されている障害解析用のログを外部装置に送信する要求に関する操作を受け付ける。以下、図7の各ステップの処理について説明する。
【0054】
ステップS50:画像形成装置9の操作制御部25は、管理者による画像形成装置9にログイン画面を表示する要求に関する操作を受け付けた後、ログイン画面を表示する要求を表示制御部26に送信する。
【0055】
ステップS51:画像形成装置9の表示制御部26は、画像形成装置9にログイン画面を表示する。図9は、本発明の実施形態に係るログイン画面の一例を示す図である。図9のログイン画面61は、ユーザID入力欄62、パスワード入力欄63、および確定ボタン64を有する。
【0056】
ユーザID入力欄62は、画像形成装置9にログインする際に入力する認証情報であるユーザIDを入力する欄である。
【0057】
パスワード入力欄63は、画像形成装置9にログインする際に入力する認証情報であるパスワードを入力する欄である。
【0058】
確定ボタン64は、ログイン画面61に入力した認証情報を確定する際に押下するボタンである。
【0059】
図8に戻って説明する。
【0060】
ステップS52:画像形成装置9の操作制御部25は、ログイン画面61における管理者による認証情報(ユーザIDとパスワード)の入力操作、および確定ボタン64を押下する操作を受け付けた後、認証情報をユーザ管理部23に送信する。
【0061】
ステップS53:画像形成装置9のユーザ管理部23は、受信した認証情報が、ユーザ管理部23が保持する認証情報と一致するか否かを確認することにより、ユーザ認証を実行する。
【0062】
ステップS54:画像形成装置9のユーザ管理部23は、ユーザ認証が成功したならば、画像形成装置9に設定画面を表示する要求を表示制御部26に送信する。
【0063】
ステップS55:画像形成装置9の表示制御部26は、画像形成装置9に設定画面を表示する。図10は、本発明の実施形態に係る設定画面の一例を示す図である。図10に示す設定画面65は、ネットワーク設定実行ボタン66、ログアップロード実行ボタン67、およびユーザ設定実行ボタン68を有する。
【0064】
ネットワーク設定実行ボタン66は、画像形成装置9のネットワーク設定を行う際に押下するボタンである。
【0065】
ログアップロード実行ボタン67は、画像形成装置9の障害解析用ログのアップロードを行う際に押下するボタンである。ログアップロード実行ボタン67は、ログをアップロードする要求を行う権限を持つ管理者が設定画面の操作している場合のみ表示するようにしてもよい。例えば、ユーザ管理部23は、ログインしているユーザを識別し、管理者がログインしている場合のみ、ログアップロード実行ボタン67を表示制御部26に表示させる。
【0066】
ユーザ設定実行ボタン68は、画像形成装置9を利用するユーザの設定を行う際に押下するボタンである。
【0067】
図8に戻って説明する。
【0068】
ステップS56:画像形成装置9の操作制御部25は、設定画面65における管理者によるログアップロード実行ボタン67を押下する操作を受け付けた後、押下されたボタンに関する情報を表示制御部26に送信する。
【0069】
ステップS57:画像形成装置9の表示制御部26は、受信した情報に基づいて、ログのアップロードを管理者が承認するための承認画面を表示する。図11は、本発明の実施形態に係る承認画面の一例を示す図である。図11に示す承認画面70は、承認内容表示欄71、承認ボタン72、および拒絶ボタン73を有する。
【0070】
承認内容表示欄71は、管理者が承認する内容を表示する欄である。
【0071】
承認ボタン72は、管理者が、承認内容表示欄71に表示された内容(ここでは、ログをストレージサーバ4にアップロードすること)を承認する際に押下するボタンである。
【0072】
拒絶ボタン73は、管理者が、承認内容表示欄71に表示された内容を承認しない場合(ここでは、ログのアップロードを承認しない場合)、押下するボタンである。
【0073】
図8に戻って説明する。
【0074】
ステップS58:画像形成装置9の操作制御部25は、承認画面70において管理者による承認ボタン72の押下を受け付けた後、ログのアップロードを要求するメッセージをログ管理部22に送信する。
【0075】
ステップS59:画像形成装置9のログ管理部22は、画像形成装置9の記憶装置に記憶されているログの中からアップロードするログを特定する。本ステップの処理の詳細については、図12に示すフローチャートを用いて説明する。図12は、本発明の実施形態に係るアップロードするログを特定する処理に関するフローチャートの一例を示す図である。以下、図12の各ステップの処理について説明する。
【0076】
ステップS80:ログ管理部22は、発生した障害に対するエラー番号41と障害の発生日時を障害処理部21から取得する。この処理は、図7に示したシーケンス図におけるステップ37に相当する。
【0077】
ステップS81:ログ管理部22は、取得したエラー番号41に対応するログの取得日数を決定する。ログ管理部22は、アップロードするために記憶装置から取得するログの日数をエラー番号41ごとに定義した表を有している。図13は、本発明の実施形態に係る障害解析用のログ取得日数定義表の一例を示す図である。図13に示すログ取得日数定義表75は、エラー番号76と取得日数77の項目を有する。
【0078】
エラー番号76は、発生した障害の種類を特定する番号であり、図5に示したエラー番号41と同一の値である。
【0079】
取得日数77は、障害が発生した日時から遡って取得するログの日数である。例えば、障害が発生した日時が、1月4日0時0分であれば、ログの取得期間は、1月1日0時0分(開始日時)から1月4日0時0分(終了日時)となる。ログ管理部22は、ログ取得日数定義表75において、取得したエラー番号76に対応する行を参照することにより、取得するログの取得日数77を決定する。
【0080】
ステップS82:ログ管理部22は、取得した障害の発生日時と決定した取得日数77に基づいて、取得期間を決定する。ここで、取得期間の決定方法として、例えば、障害の発生日時に所定の時間(例えば1時間)を加算した日時を終了日時として、終了日時から取得日数77だけ遡ったの日時を開始日時とすることにより、取得期間を決定する。発生日時に所定の時間を加算した日時を終了日時とする理由は、障害を解析する際に、障害が発生した後に記録されたログが解析に役立つ場合があるからである。
【0081】
ステップS83:ログ管理部22は、画像形成装置9の記憶装置(ハードディスク13)に記憶したエラー番号41に関連するログのファイルの作成日時を確認する。該当するファイルが複数存在する場合は、例えば、作成日時の日付が古いファイルから確認する。
【0082】
ステップS84:ログ管理部22は、確認したログのファイルの作成日時が取得期間内であるならば、処理をステップS85に遷移させ、そうでない場合は、処理をステップS86に遷移させる。
【0083】
ステップS85:画像形成装置9の通信部27は、作成日時が取得期間内であるログのファイルをアップロードするために、ログのファイルをストレージサーバ4に送信する。
【0084】
ステップS86:ログ管理部22は、エラー番号41に関連する全てのログのファイルの作成日時を確認したか否かを確認し、全て確認したならば本フローチャートにおける処理を終了し、そうでないならば、処理をステップS84に遷移させる。
【0085】
図8に戻って説明する。
【0086】
ステップS60:ストレージサーバ4の第2記憶部29は、受信した障害解析用のログをストレージサーバ4の記憶装置に記憶する。
【0087】
以上の処理により、情報処理システム1は、画像形成装置9にログインした管理者による、画像形成装置9に記憶されている障害解析用のログを外部装置に送信する要求に関する操作を受け付ける。また、情報処理システム1は、画像形成装置9を操作しているユーザが管理者である場合のみ、ログをアップロードすることが可能な設定画面を表示させることが可能である。また、情報処理システム1は、障害の発生日時に所定の時間を加算した時刻から障害の種類ごとに予め定められた取得日数だけ遡った期間内に作成されたログを外部装置に送信することが可能である。
【0088】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0089】
例えば、図6の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理システム1および画像形成装置9などの電子機器を構成する情報処理装置による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報処理システム1および情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0090】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0091】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム1および情報処理装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0092】
また、第1記憶部28と第2記憶部29は、単に記憶部と呼んでもよく、明確に区別ができるならば、第1、第2の付与順序を変更してもよいものとする。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理システム
2 通信ネットワーク
3 ローカルネットワーク
4 ストレージサーバ
5 障害処理アプリ
6 ログ管理アプリ
7 ユーザ管理アプリ
8 メール送信アプリ
9 画像形成装置
10 メモリ
11 共有メモリ
12 キャッシュ
13 ハードディスク
14、15、16 ログ
17 操作制御アプリ
21 障害処理部
22 ログ管理部
23 ユーザ管理部
24 通知部
25 操作制御部
26 表示制御部
27 通信部
28 第1記憶部
29 第2記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2019-049913号公報
図1
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