(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008682
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20230112BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20230112BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230112BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/01 J
B41J29/00 Z
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112420
(22)【出願日】2021-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潔
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CL10
2C187AC06
2C187AF03
2C187BF26
2C187BF60
2C187CD08
2C187DB27
2C187GD01
2H270KA04
2H270KA28
2H270KA32
2H270KA61
2H270KA62
2H270LA90
2H270PA47
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD04
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC02
2H300EC05
2H300EJ01
2H300EJ10
2H300EJ49
2H300TT03
2H300TT04
(57)【要約】
【課題】不可視トナーにより印刷された内容を確認することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも不可視トナーを含む現像剤のうち少なくともいずれかの現像剤を用いて印刷媒体に印刷する画像形成部と、印刷ジョブに含まれる画像情報に、前記不可視トナーで印刷される情報である不可視情報が含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記画像情報に前記不可視情報が含まれると判定された場合、該画像情報が印刷媒体に印刷される前、または、該画像情報が印刷された後のうち少なくともいずれかに、前記不可視情報に関する情報を可視化して前記画像形成部に合紙として印刷させる印刷制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも不可視トナーを含む現像剤のうち少なくともいずれかの現像剤を用いて印刷媒体に印刷する画像形成部と、
印刷ジョブに含まれる画像情報に、前記不可視トナーで印刷される情報である不可視情報が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記画像情報に前記不可視情報が含まれると判定された場合、該画像情報が印刷媒体に印刷される前、または、該画像情報が印刷された後のうち少なくともいずれかに、前記不可視情報に関する情報を可視化して前記画像形成部に合紙として印刷させる印刷制御部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記判定部によって前記画像情報に前記不可視情報が含まれると判定された場合、前記画像形成部に対して、前記不可視情報に関する情報を第1合紙に印刷させ、前記画像情報を印刷媒体に印刷させ、そして、前記不可視情報に関する情報を第2合紙に印刷させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブは、前記画像情報を印刷するために用いる印刷設定情報を含み、
前記判定部は、前記印刷設定情報に基づいて、前記画像情報に前記不可視情報が含まれるか否かを判定する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷制御部は、前記判定部によって前記画像情報に前記不可視情報が含まれないと判定された場合、前記画像形成部に、前記合紙として印刷させずに、前記画像情報を印刷媒体に印刷させる請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記不可視情報に関する情報は、少なくとも前記不可視情報自体、前記不可視情報を示す画像データを縮小したもの、前記不可視情報を二次元コード化した画像データ、前記不可視情報のページ数、または、合紙と共に印刷媒体に前記不可視情報が印刷されている旨のうち少なくともいずれかを含む請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
正規の印刷物であることを示す等のために、IRトナー等の通常、視認することができない不可視トナーで所定の情報を印刷する技術が知られている。不可視トナーで印刷された印刷物を、他の印刷物と区別するために仕分ける手段として合紙を挿入したり、印刷物をソートしたりする技術が開示されている。
【0003】
例えば、仕切りとして用いる2枚の合紙を印刷する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、不可視トナーにより印刷された印刷物を合紙によって区別することができても、不可視トナーにより何が印刷されているのかを確認することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不可視トナーにより印刷された内容を確認することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、少なくとも不可視トナーを含む現像剤のうち少なくともいずれかの現像剤を用いて印刷媒体に印刷する画像形成部と、印刷ジョブに含まれる画像情報に、前記不可視トナーで印刷される情報である不可視情報が含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記画像情報に前記不可視情報が含まれると判定された場合、該画像情報が印刷媒体に印刷される前、または、該画像情報が印刷された後のうち少なくともいずれかに、前記不可視情報に関する情報を可視化して前記画像形成部に合紙として印刷させる印刷制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不可視トナーにより印刷された内容を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置の制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置の制御装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像形成装置で合紙が搬送される状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
(画像形成装置の全体構成)
図1は、実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について説明する。
【0011】
図1に示す画像形成装置1は、印刷用紙P(印刷媒体の一例)に現像剤であるトナーを転写して印刷物を形成する装置である。画像形成装置1は、例えば、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成し、必要に応じて、IRトナー等の不可視トナーの画像を重ねて形成することができるタンデム方式の装置である。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置1は、制御装置10と、光走査装置20と、4つの感光体ドラム30a~30eと、4つのクリーニングユニット31a~31eと、4つの帯電装置32a~32eと、4つの現像ローラ33a~33eと、4つのトナーカートリッジ34a~34eと、を備えている。さらに、
図1に示すように、画像形成装置1は、転写ベルト40と、転写ローラ42と、濃度検出器45と、4つのホームポジションセンサ46a~46eと、定着ローラ50と、給紙コロ54と、レジストローラ対56と、排紙ローラ58と、給紙トレイ60と、排紙トレイ70と、通信制御装置80と、を備えている。
【0013】
感光体ドラム30a、クリーニングユニット31a、帯電装置32a、現像ローラ33a、およびトナーカートリッジ34aは、一組で使用される。これらは、不可視トナーの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
【0014】
感光体ドラム30b、クリーニングユニット31b、帯電装置32b、現像ローラ33b、およびトナーカートリッジ34bは、一組で使用される。これらは、ブラック(K)のトナーによりブラックの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
【0015】
感光体ドラム30c、クリーニングユニット31c、帯電装置32c、現像ローラ33c、およびトナーカートリッジ34cは、一組で使用される。これらは、シアン(C)のトナーによりシアンの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
【0016】
感光体ドラム30d、クリーニングユニット31d、帯電装置32d、現像ローラ33d、およびトナーカートリッジ34dは、一組で使用される。これらは、マゼンタ(M)のトナーによりマゼンタの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
【0017】
感光体ドラム30e、クリーニングユニット31e、帯電装置32e、現像ローラ33e、およびトナーカートリッジ34eは、一組で使用される。これらは、イエロー(Y)のトナーによりイエローの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
【0018】
なお、感光体ドラム30a~30eについて、任意の感光体ドラムを示す場合、または総称する場合、単に「感光体ドラム30」と称する場合がある。また、クリーニングユニット31a~31eについて、任意のクリーニングユニットを示す場合、または総称する場合、単に「クリーニングユニット31」と称する場合がある。また、帯電装置32a~32eについて、任意の帯電装置を示す場合、または総称する場合、単に「帯電装置32」と称する場合がある。また、現像ローラ33a~33eについて、任意の現像ローラを示す場合、または総称する場合、単に「現像ローラ33」と称する場合がある。また、トナーカートリッジ34a~34eについて、任意のトナーカートリッジを示す場合、または総称する場合、単に「トナーカートリッジ34」と称する場合がある。また、ホームポジションセンサ46a~46eについて、任意のホームポジションセンサを示す場合、または総称する場合、単に「ホームポジションセンサ46」と称する場合がある。
【0019】
制御装置10は、画像形成装置1に備えられるそれぞれの装置を統括的に制御する制御装置である。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、当該CPUで実行されるプログラムおよび当該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM(Read Only Memory)、作業用のメモリであるRAM(Random Access Memory)、および、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路等を有する。また、制御装置10は、上位装置2からの要求に応じてそれぞれの装置を制御する共に、上位装置2からの画像データを光走査装置20へ送る。制御装置10が上位装置2から受信した画像データを含む印刷ジョブには、当該画像データのうち少なくとも一部の情報が不可視トナーで印刷されることを示す印刷設定パラメータを含み得る。ここで、画像データ(印刷データ)のうち不可視トナーで印刷される情報を、不可視情報と称するものとする。上位装置2は、印刷対象となる画像データを含む印刷ジョブを、通信制御装置80を介して制御装置10へ送信するPC(Personal Computer)またはワークステーション等の情報処理装置である。
【0020】
光走査装置20は、画像データ(シアン画像データ、マゼンタ画像データ、イエロー画像データ、ブラック画像データ、不可視情報)に基づいて、トナー毎に変調されたレーザを、対応する帯電された感光体ドラム30の表面にそれぞれ照射する光学装置である。これによって、それぞれの感光体ドラム30の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像データに対応した潜像がそれぞれの感光体ドラム30の表面に形成される。それぞれの感光体ドラム30の表面に形成された潜像は、感光体ドラム30の回転に伴って、対応する現像ローラ33の方向に移動する。
【0021】
感光体ドラム30は、潜像担持体の一例であり、その表面に感光層が形成されているドラム状部材である。すなわち、感光体ドラム30の表面は、被走査面となる。また、感光体ドラム30a~30eは、例えば、回転軸が平行なるように並んで配置され、同一の方向(例えば、
図1に示す矢印方向)に回転する。
【0022】
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、それぞれの感光体ドラム30の中心軸に平行な方向をY軸方向、それぞれの感光体ドラム30の配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0023】
クリーニングユニット31は、対応する感光体ドラム30の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去するユニットである。残留トナーが除去された感光体ドラム30の表面は、再度対応する帯電装置32に対向する位置に戻る。
【0024】
帯電装置32は、対応する感光体ドラム30の表面をそれぞれ均一に帯電させる装置である。
【0025】
現像ローラ33は、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ34からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布されるローラである。そして、現像ローラ33の表面のトナーは、対応する感光体ドラム30の表面に接すると、この表面における光が照射された部分に付着する。すなわち、現像ローラ33は、対応する感光体ドラム30の表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させ、トナー画像を形成させる。
【0026】
トナーカートリッジ34aは、現像ローラ33aに不可視トナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34bは、現像ローラ33bにブラックトナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34cは、現像ローラ33cにシアントナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34dは、現像ローラ33dにマゼンタトナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34eは、現像ローラ33eにイエロートナーを供給するカートリッジである。
【0027】
転写ベルト40は、ベルト回転機構に掛け渡されて、一定方向に回転する無端状ベルトである。転写ベルト40は、外側の面が、各感光体ドラム30の表面に、光走査装置20とは反対側の位置で接触し、各感光体ドラム30のトナー画像が順次多重に重ね合されて転写され、トナー画像が転写される。また、転写ベルト40は、外側の面が、転写ローラ42と接触する。
【0028】
転写ローラ42は、印刷用紙Pを介して転写ベルト40の外側の面と接触し、その印刷用紙Pに対して、転写ベルト40に形成されたトナー画像を転写させるローラである。
【0029】
濃度検出器45は、転写ベルト40の-X側(定着ローラ50よりも転写ベルト40の進行方向における上流側であって、5つの感光体ドラム30よりも下流側の位置)に配置された、転写ベルト40上のトナー画像のトナー濃度を検出するセンサである。
【0030】
ホームポジションセンサ46は、対応する感光体ドラム30の回転のホームポジション(原位置)を検出するセンサである。
【0031】
定着ローラ50は、熱と圧力とを記録紙に加えて、トナーを印刷用紙P上に定着させるローラである。トナーが定着された印刷用紙Pは、排紙ローラ58を介して、排紙トレイ70に送られ、排紙トレイ70上に順次スタックされる。
【0032】
給紙コロ54は、給紙トレイ60の近傍に配置され、印刷用紙Pを給紙トレイ60から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対56に搬送する部材である。
【0033】
レジストローラ対56は、所定のタイミングで印刷用紙Pを転写ベルト40と転写ローラ42との間隙に向けて送り出すローラ対である。これによって、転写ベルト40上のトナー画像は、印刷用紙Pに転写される。ここで転写された印刷用紙Pは、定着ローラ50に送られる。
【0034】
排紙ローラ58は、定着ローラ50から送り出されたトナー画像が転写された印刷用紙Pを、排紙トレイ70に排紙するローラである。
【0035】
給紙トレイ60は、印刷用紙Pを格納するトレイである。排紙トレイ70は、排紙ローラ58から排紙されたトナー画像が転写された印刷用紙Pをスタックするためのトレイである。
【0036】
通信制御装置80は、ネットワーク等を介した上位装置2(例えば、コンピュータ)との双方向の通信を制御する装置である。通信制御装置80は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)規格、またはUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠した通信を実現する。
【0037】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図2は、実施形態に係る画像形成装置の制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の制御装置10のハードウェア構成について説明する。
【0038】
図2に示すように、制御装置10は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、外部I/F204と、光走査制御回路211(画像形成部の一例)と、画像形成制御回路212(画像形成部の一例)と、給紙駆動回廊213と、排紙駆動回路214と、を備えており、これらはバスラインを介して互いにデータ通信可能となっている。
【0039】
CPU201は、ROM202に記憶された各種プログラムを、ワーク領域として利用するRAM203に読み込んで、各種機能を実現する演算装置である。
【0040】
外部I/F204は、有線または無線等のデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)またはWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続される外部機器であるホスト250と通信を行うためのインターフェースであり、
図1に示した通信制御装置80に対応する。ホスト250は、例えば、印刷対象となる画像データ(画像情報)を含む印刷ジョブを、制御装置10へ送信する情報処理装置であり、
図1に示した上位装置2に対応する。
【0041】
光走査制御回路211は、CPU201の指令に従って、外部I/F204により受信された画像データ(印刷データ)に基づいて、光走査装置20のレーザ照射動作を制御する制御回路である。
【0042】
画像形成制御回路212は、CPU201の指令に従って、外部I/F204により受信された画像データ(印刷データ)に基づいて、感光体ドラム30および転写ローラ42等の動作を制御し、印刷用紙Pに画像形成(印刷)する制御回路である。
【0043】
給紙駆動回廊213は、CPU201の指令に従って、給紙コロ54の動作を制御し、給紙トレイ60から印刷用紙Pを1枚ずつ給送させる駆動回路である。
【0044】
排紙駆動回路214は、CPU201の指令に従って、排紙ローラ58の動作を制御し、トナー画像が印刷された印刷用紙Pを排紙トレイ70に排紙させる駆動回路である。
【0045】
なお、
図2に示した制御装置10のハードウェア構成は一例であり、他の構成要素が含まれていてもよい。例えば、制御装置10は、
図2に示すもののほか、不揮発性メモリであるNVRAM(Non-Volatile RAM)、画像処理等を実行するASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または入出力信号処理等を行うFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を有するものとしてもよい。
【0046】
(画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成および動作)
図3は、実施形態に係る画像形成装置の制御装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図3を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の制御装置10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0047】
図3に示すように、画像形成装置1の制御装置10は、取得部101と、判定部102と、印刷制御部103と、を有する。
【0048】
取得部101は、上位装置2(ホスト250)から、外部I/F204を介して、印刷ジョブを取得する機能部である。取得部101により取得された印刷ジョブには、画像形成の対象となる画像データ(印刷データ)のほか、各種の印刷設定パラメータ(印刷設定情報)を含む。取得部101は、
図2に示すCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0049】
判定部102は、取得部101により取得された印刷ジョブに含まれる画像データに不可視情報が含まれるか否かを判定する機能部である。例えば、判定部102は、例えば、印刷ジョブに含まれる印刷設定パラメータを用いて、画像データにおける不可視情報の有無を判定する。判定部102は、
図2に示すCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0050】
印刷制御部103は、光走査制御回路211および画像形成制御回路212を制御して、取得部101により取得された印刷ジョブの画像データを、印刷用紙Pに印刷する機能部である。判定部102により印刷ジョブの画像データに不可視情報が含まれると判定された場合、印刷制御部103は、不可視情報を含む画像データの印刷の前に、当該不可視情報に関する情報を可視化して、第1合紙として印刷用紙Pに当該可視化した情報を印刷する。次に、印刷制御部103は、第1合紙の次に給送された印刷用紙Pに、印刷ジョブの当該画像データを印刷する。そして、印刷制御部103は、画像データが印刷された印刷用紙Pの次に給送された印刷用紙Pに、第2合紙として、当該不可視情報に関する情報を可視化して印刷する。ここで、第1合紙および第2合紙に印刷される不可視情報に関する情報は、例えば、不可視情報そのもの(不可視情報自体)、不可視情報を示す画像データを縮小したもの、不可視情報(もしくはそれに関する情報)を二次元コード化したもの、不可視情報のページ数、または、合紙と共に印刷用紙Pに不可視情報が印刷されている旨等が挙げられ、少なくともこれらの情報のうち少なくともいずれかが含まれるものとすればよい。なお、第1合紙および第2合紙に印刷される不可視情報に関する情報は、同一の情報であることに限定されるものではなく、異なる情報が印刷されるものとしてもよい。例えば、第1合紙には、合紙の間の印刷用紙Pに不可視情報が印刷されている旨が印刷され、第2合紙には、不可視情報を示す画像データを縮小したものが印刷されるものとしてもよい。印刷制御部103は、
図2に示すCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0051】
なお、取得部101、判定部102および印刷制御部103の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGAまたはASIC等の集積回路によって実現されてもよい。
【0052】
また、
図3に示す制御装置10の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図3に示す制御装置10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図3に示す制御装置10で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0053】
(画像形成装置の印刷処理の流れ)
図4は、実施形態に係る画像形成装置の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態に係る画像形成装置で合紙が搬送される状態の一例を示す図である。
図4および
図5を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の印刷処理の流れを説明する。
【0054】
<ステップS11>
取得部101は、上位装置2(ホスト250)から、外部I/F204を介して、印刷ジョブを取得する。判定部102は、取得部101により取得された印刷ジョブに含まれる画像データに不可視情報が含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部102は、印刷ジョブが不可視情報を含む情報を印刷するためのものであるか否かを判定する。印刷ジョブに含まれる画像データに不可視情報が含まれる場合(ステップS11:Yes)、ステップS12へ移行し、画像データに不可視情報が含まれない場合(ステップS11:No)、ステップS16へ移行する。
【0055】
<ステップS12>
印刷制御部103は、不可視情報を含む画像データの印刷の前に、当該不可視情報に関する情報を可視化して、第1合紙として印刷用紙Pに当該可視化した情報を印刷する。
図5には、第1合紙としての合紙PA1が、印刷されたのち排紙ローラ58へ向けて搬送されている状態を示している。そして、ステップS13へ移行する。
【0056】
<ステップS13>
次に、印刷制御部103は、第1合紙の印刷の後に、給紙駆動回廊213により給送された印刷用紙Pに、印刷ジョブの当該画像データを印刷する。
図5には、画像データを印刷するための印刷用紙PFに転写ローラ42で転写されている状態を示している。そして、ステップS14へ移行する。
【0057】
<ステップS14>
印刷制御部103による不可視情報を含む画像データの印刷処理が終了した場合(ステップS14:Yes)、ステップS15へ移行し、当該印刷処理が終了していない場合(ステップS14:No)、ステップS13へ戻る。ここで、不可視情報を含む画像データの印刷処理は、1枚の印刷用紙Pで終了するとは限らず、複数枚の印刷用紙Pが使用される場合があることは言うまでもない。
【0058】
<ステップS15>
印刷制御部103は、画像データが印刷された印刷用紙Pの次に給送された印刷用紙Pに、第2合紙として、当該不可視情報に関する情報を可視化して印刷する。
図5には、第2合紙としての合紙PA2が、給紙トレイ60から給紙コロ54により給送されている状態を示している。そして、画像形成装置1の印刷処理を終了する。
【0059】
<ステップS16>
判定部102により印刷ジョブの画像データに不可視情報が含まれていないと判定された場合、印刷制御部103は、当該画像データを、印刷用紙Pに通常印刷する。すなわち、印刷制御部103は、合紙として印刷させずに、印刷ジョブの画像データを印刷用紙Pに印刷させる。そして、画像形成装置1の印刷処理を終了する。
【0060】
以上のステップS11~S16の流れで、画像形成装置1の印刷処理が実行される。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1では、光走査制御回路211および画像形成制御回路212は、少なくとも不可視トナーを含む現像剤のうち少なくともいずれかの現像剤を用いて印刷用紙Pに印刷し、判定部102は、印刷ジョブに含まれる画像データに、不可視トナーで印刷される情報である不可視情報が含まれるか否かを判定し、印刷制御部103は、判定部102によって画像データに不可視情報が含まれると判定された場合、画像データが印刷用紙Pに印刷される前、または、画像データが印刷された後の少なくともいずれかに、不可視情報に関する情報を可視化して光走査制御回路211および画像形成制御回路212に合紙として印刷させるものとしている。これによって、合紙を確認することによって不可視トナーにより印刷された内容を確認することができる。
【0062】
なお、不可視情報を含む画像データ(印刷データ)が印刷された印刷用紙Pの前後にそれぞれ合紙(第1合紙、第2合紙)が印刷されるものとしたが、これに限定されるものではなく、当該印刷用紙Pの前に第1合紙のみが印刷され、または、当該印刷用紙Pの後に第2合紙のみが印刷されるものとしてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態において、画像形成装置1の制御装置10の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態において、画像形成装置1の制御装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置1の制御装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置1の制御装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置1の制御装置10で実行されるプログラムは、上述した各モジュールのうち少なくともいずれかを含む構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各モジュールが主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
2 上位装置
10 制御装置
20 光走査装置
30、30a~30e 感光体ドラム
31、31a~31e クリーニングユニット
32、32a~32e 帯電装置
33、33a~33e 現像ローラ
34、34a~34e トナーカートリッジ
40 転写ベルト
42 転写ローラ
45 濃度検出器
46、46a~46e ホームポジションセンサ
50 定着ローラ
54 給紙コロ
56 レジストローラ対
58 排紙ローラ
60 給紙トレイ
70 排紙トレイ
80 通信制御装置
101 取得部
102 判定部
103 印刷制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 外部I/F
211 光走査制御回路
212 画像形成制御回路
213 給紙駆動回路
214 排紙駆動回路
250 ホスト
P 印刷用紙
PA1、PA2 合紙
PF 印刷用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】