(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008825
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】診断システムおよび診断方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20230112BHJP
B23Q 17/09 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G05B19/18 X
B23Q17/09 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086916
(22)【出願日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2021112421
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】宮良 岳士
(72)【発明者】
【氏名】徳永 淑広
(72)【発明者】
【氏名】三樹 芳寿
【テーマコード(参考)】
3C029
3C269
【Fターム(参考)】
3C029DD04
3C029DD14
3C029DD16
3C269AB01
3C269AB07
3C269BB12
3C269MN24
3C269MN44
3C269MN50
3C269PP02
3C269QE17
3C269QE37
(57)【要約】
【課題】少量多品種の加工においても効率的な異常検知を行う。
【解決手段】所定の加工を行う工具による加工対象の前記被加工物の他に設けられ、異常検知用のテストピースと、前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する加工部と、前記テストピースに対する前記工具による加工を対象としたセンシングを行うセンサと、前記テストピースを前記工具により加工した際に前記センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する判定部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の加工を行う工具による加工対象の被加工物の他に設けられ、異常検知用のテストピースと、
前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する加工部と、
前記テストピースに対する前記工具による加工を対象としたセンシングを行うセンサと、
前記テストピースを前記工具により加工した際に前記センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する判定部と、
を備えることを特徴とする診断システム。
【請求項2】
前記判定部で算出された異常度合いに基づき、当該異常度合いに合わせた前記工具の動作を決定する動作判定部を備え、
前記動作判定部は、前記テストピースの加工の動作に基づき、前記工具に対する任意の動作指令を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項3】
前記加工部は、前記テストピースと前記被加工物とを前記工具により連続して加工する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の診断システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記テストピースに対する加工の特徴量に基づき、学習手段を用いて異常度合いを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項5】
前記テストピースは、使用する前記工具によって加工ができる素材である、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項6】
前記テストピースは、使用する前記工具に合わせて複数設置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項7】
前記テストピースは、前記センサを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項8】
前記工具の稼動情報と前記センサでセンシングしたデータを収集して紐付ける収集部と、
センシングしたデータの前処理を行い前記工具の稼動情報と紐付ける信号処理部と、
前処理済みのデータに対して特徴量を算出する特徴量算出部と、
を備え、
前記判定部は、前記特徴量算出部で算出した特徴量から異常度合いを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項9】
診断システムで実行される診断方法であって、
所定の加工を行う工具による加工対象の被加工物の他に設けられ異常検知用のテストピースを用い、
前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する工程と、
前記テストピースを前記工具により加工した際に、センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する工程と、
を含むことを特徴とする診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断システムおよび診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械等がワークを加工する上で、工作機械の加工状況の把握や切削異常などを検知する方法として、工作機械の振動などをセンシングする方法が既に知られている。
【0003】
このような加工状況の異常等を判定する装置として、同種の処理工程を判別して組み分けを行い、組み毎で加工異常を判定する装置が知られている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の加工異常を判定する装置では、同一の加工を複数繰り返し学習することを前提とした異常診断方法であり、金型加工などの少量多品種の加工では精度の高い判定が困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少量多品種の加工においても効率的な異常検知を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の加工を行う工具による加工対象の前記被加工物の他に設けられ、異常検知用のテストピースと、前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する加工部と、前記テストピースに対する前記工具による加工を対象としたセンシングを行うセンサと、前記テストピースを前記工具により加工した際に前記センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、少量多品種の加工においても効率的な異常検知を行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る診断システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、工作機械のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、状態監視装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、状態監視装置および工作機械の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、従来のシステムが想定する加工について説明する図である。
【
図6】
図6は、加工情報とセンサデータの紐付けについて説明する図である。
【
図7】
図7は、一品物加工でサイクルごとに加工が異なることについて説明する図である。
【
図9】
図9は、テストピースの加工の種類について説明する図である。
【
図10】
図10は、テストピースの交換について説明する図である。
【
図11】
図11は、テストピースを用いた異常診断について説明する図である。
【
図12】
図12は、テストピースの加工箇所に基づいて異常検知することについて説明する図である。
【
図14】
図14は、異常/正常の判断結果をユーザに通知するGUI画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、テストピースの加工箇所に基づく異常検知結果を使用した処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、テストピースの加工箇所に基づく異常検知結果を使用した処理を説明する図である。
【
図17】
図17は、テスト加工および本加工を行う工作機械内の工具の移動例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、診断システムおよび診断方法の実施の形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
(診断システムの全体構成)
図1は、実施形態に係る診断システムの全体構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1の全体構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る診断システム1は、状態監視装置100と、工作機械200と、を備える。工作機械200は、状態監視装置100に対して通信可能となるように接続されている。なお、
図1には1台の工作機械200が状態監視装置100に接続されている例が示されているが、これに限定されるものではなく、複数台の工作機械200が状態監視装置100に対して、それぞれ通信可能となるように接続されているものとしてもよい。
【0012】
状態監視装置100は、工作機械200に対して通信可能となるように接続され、工作機械200の動作について状態監視を行う装置である。
【0013】
工作機械200は、工具500を用いて、加工対象に対して切削、研削または研磨等の加工を行う工作機械である。工作機械200、状態監視装置100による状態監視の対象となる対象装置の一例である。なお、対象装置として工作機械に限定されるものではなく、状態監視の対象となり得る機械であればよく、例えば、組立機、測定機、検査機、または洗浄機等の機械が対象装置であってもよい。以下では、工作機械200を対象装置の一例として説明する。
【0014】
工作機械200は、工具500と、工作機械200に設置されたセンサ201と、工作機械200を制御するコントローラ202と、を備える。
【0015】
工具500は、ドリル、エンドミル、バイトチップもしくは砥石等である。工具500は、後述する被削材に対して各種の加工を施す。
【0016】
センサ201は、工作機械200に設置されたドリル、エンドミル、バイトチップもしくは砥石等の工具500と加工対象とが加工動作中に接触することにより発する振動もしくは音等、または、工具500もしくは工作機械200自体が発する振動もしくは音等の物理量を検知し、検知した物理量の情報を検知情報(センサデータ)として、状態監視装置100へ出力するセンサである。センサ201は、例えば、マイク、振動センサ、加速度センサ、またはAE(Acoustic Emission)センサ等で構成され、例えば、振動または音等が検出できる工具500の近傍や工作機械のモータ付近などに設置される。センサ201は、計測データとして波形データを状態監視装置100へ出力する。
【0017】
コントローラ202は、工作機械200の稼動情報として、加工時の主軸回転数、送り速度、主軸座標値、主軸の電流値、加えてユーザーが情報を入力していれば、工具500の種類、工具500の工具メーカ、工具500の工具径などの情報を状態監視装置100へ出力する。
【0018】
なお、工作機械200と状態監視装置100とは、どのような接続形態で接続されてもよい。例えば、工作機械200と状態監視装置100とは、専用の接続線、有線LAN(Local Area Network)等の有線ネットワーク、または、無線ネットワーク等により接続されるものとすればよい。
【0019】
また、センサ201の個数は任意であってよい。また、同一の物理量を検知する複数のセンサ201を備えてもよいし、相互に異なる物理量を検知する複数のセンサ201を備えてもよい。
【0020】
また、センサ201およびコントローラ202は、工作機械200に予め備えられているものとしてもよく、または、完成機械である工作機械200に対して後から取り付けられるものとしてもよい。
【0021】
(工作機械200のハードウェア構成)
図2は、工作機械200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態の工作機械200のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図2に示すように、工作機械200のコントローラ202は、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、通信I/F(インターフェース)54と、駆動制御回路55と、がバス59で通信可能に接続された構成となっている。センサ201は、状態監視装置100に通信可能に接続されている。
【0023】
CPU51は、工作機械200の全体を制御する演算装置である。CPU51は、例えば、RAM53をワークエリア(作業領域)としてROM52等に格納されたプログラムを実行することで、工作機械200全体の動作を制御し、加工機能を実現する。
【0024】
通信I/F54は、状態監視装置100等の外部装置と通信するためのインターフェースである。駆動制御回路55は、モータ56の駆動を制御する回路である。モータ56は、ドリル、エンドミル、バイトチップまたは砥石等、および、加工対象が載置され加工に合わせて移動されるテーブル等の加工に用いる工具500を駆動するモータである。センサ201は、上述の通りである。
【0025】
(状態監視装置100のハードウェア構成)
図3は、状態監視装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3を参照しながら、本実施形態に係る状態監視装置100のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図3に示すように、状態監視装置100は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、通信I/F64と、センサI/F65と、補助記憶装置66と、入力装置67と、ディスプレイ68と、がバス69で通信可能に接続された構成となっている。
【0027】
CPU61は、状態監視装置100の全体を制御する演算装置である。CPU61は、例えば、RAM63をワークエリア(作業領域)としてROM62等に格納されたプログラムを実行することで、状態監視装置100全体の動作を制御し、状態監視機能を実現する。
【0028】
通信I/F64は、工作機械200等の外部装置と通信するためのインターフェースである。通信I/F64は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に対応したNIC(Network Interface Card)等である。
【0029】
センサI/F65は、工作機械200に設置されたセンサ201から検知情報を受信するためのインターフェースである。
【0030】
補助記憶装置66は、状態監視装置100の設定情報、工作機械200から受信された検知情報およびコンテキスト情報、OS(Operating System)、およびアプリケーションプログラム等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性の記憶装置である。なお、補助記憶装置66は、状態監視装置100が備えるものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、状態監視装置100の外部に設置された記憶装置であってもよく、または、状態監視装置100とデータ通信可能なサーバ装置が備えた記憶装置であってもよい。
【0031】
入力装置67は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、ならびにカーソルの移動等の操作を行うためのマウスまたはキーボード等の入力装置である。
【0032】
ディスプレイ68は、文字、数字、および各種画面および操作用アイコン等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0033】
なお、
図3に示したハードウェア構成は一例であり、すべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えているものとしてもよい。例えば、状態監視装置100が工作機械200の診断動作に特化し、診断結果を外部のサーバ装置等に送信する場合、入力装置67およびディスプレイ68は備えられていない構成としてもよい。
【0034】
(状態監視装置100および工作機械200の機能ブロックの構成および動作)
図4は、状態監視装置100および工作機械200の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図4を参照しながら、本実施形態に係る状態監視装置100および工作機械200の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0035】
図4に示すように、工作機械200は、加工部210を有する。加工部210は、モータ56を制御して工具500を駆動制御する機能部である。加工部210は、
図2に示すCPU51にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
【0036】
図4に示すように、状態監視装置100は、収集部101と、信号処理部102と、特徴量算出部103と、判定部104と、工作機械動作判定部105と、保存部106と、操作部107と、を有する。なお、
図4に示す収集部101、信号処理部102、特徴量算出部103、判定部104、工作機械動作判定部105、保存部106および操作部107は、
図3に示すCPU61にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
【0037】
収集部101は、コントローラ202から稼動情報およびセンサ201から情報(計測した波形など)を取得する。収集部101は、取得した情報に基づき、センサ201で計測した波形と工作機械200の稼動情報との紐づけを行う。一例として、計測した波形と工作機械200の稼働情報である工具番号・シーケンス番号・主軸回転数などを取得した時刻を補助記憶装置に記録してそれぞれの時刻を同期することで紐づけを行う。収集部101は、紐付けされたデータを、信号処理部102へ送信する。
【0038】
信号処理部102は、所定の前処理を行う。信号処理部102は、前処理済みの計測データおよび稼動情報を、特徴量算出部103へ送信する。
【0039】
特徴量算出部103は、判定部104による判定等で用いる加工の特徴量を、前処理済みの計測データおよび稼動情報から算出する。特徴量算出部103は、加工の特徴量を判定部104へ送信する。加工の特徴量は、センサ201からの情報の特徴を示す情報であればどのような情報であってもよい。例えば、センサ201からの情報がマイクにより集音された音響データである場合、特徴量算出部103は、エネルギー、周波数スペクトル、および、MFCC(メル周波数ケプストラム係数)等を加工の特徴量として算出してもよい。
【0040】
判定部104は、加工の特徴量に基づき、加工物や工具500、工作機械200のモータ、主軸などの異常検知の対象に合わせて算出された異常度合いを算出する。具体的には、判定部104は、加工の特徴量に基づき、閾値処理や機械学習(SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク)などの学習手段を用いて異常度合いを算出する。なお、異常度合いの判定方法はこれに限られるものではなく、特徴量から算出できる方法であればどのような方法であってもよい。例えば、異常度合いの値を直接閾値と比較する代わりに、異常度合いの変動を示す値と閾値とを比較してもよい。判定部104は、異常度合いを工作機械動作判定部105および保存部106へ送信する。
【0041】
保存部106は、判定部104で算出された異常度合いを、工作機械200の稼働情報と紐づけた形で保存する。
【0042】
なお、異常度合いを判定部104から取得せず、操作部107が受け付けるように構成することもできる。操作部107は、例えば、キーボードおよびタッチパネル等により実現される入力装置67から入力された異常度合いを受け付けて、工作機械200の稼働情報と紐づけた形で保存する。
【0043】
動作判定部である工作機械動作判定部105は、判定部104で算出された異常度合い、または、保存部106に保存された異常度合いに基づき、その異常度合いに合わせた工作機械200(工具500)の動作を決定する。例えば、工作機械動作判定部105は、異常度合いがこれまで同様の加工と比べ著しく乖離のある特徴を示した際に、加工を直ちに停止する動作を決定して、工作機械200のコントローラ202に指令を送ることができる。
【0044】
次に、一般的な切削加工における加工プログラムについて説明する。
【0045】
ここで、
図5は従来のシステムが想定する加工について説明する図である。
図5に示すように、未加工のワークを加工プログラムにより加工するとき、工作機械のコントローラから取得する情報として工具500の種類に着目すると、工具Aの加工が複数行われた後、他の工具に切り替えられる。この場合、加工1-1,1-2は、同一の工具Aを使うために、同一の加工情報の加工とみなすことができる。また、加工プログラムを複数回行う場合にも、同様の加工を行っている加工1-1,2-1,N-1は、同一加工情報の加工とみなすことができる。このように、従来のシステムは、同一の加工プログラム内や複数の加工サイクルをまたがって同一の加工情報として紐づけることができる加工を行う。工作機械のコントローラから取得できる、センサデータと紐付けられる加工情報としては、工具500の種類のほか、加工回数、加工プログラム、主軸回転数、シーケンス番号、その他加工関連情報を用いることができる。工場ラインなどの同一製品を複数生産する現場がこのケースに当てはまる。
【0046】
図6は、加工情報とセンサデータの紐付けについて説明する図である。特定の加工の特徴量の変化を観察するためには、加工プログラム内の同一加工情報とみなすことができる加工が複数存在する場合や、複数回加工プログラムを実行してそのうち同じ加工情報の加工をグループ化して処理する必要がある。加工プログラム内の同一加工情報とみなすことができる加工が複数存在する場合の一例として、同じ工具Cである1-4、1-5、1-6を同一加工情報とみなしてグループとする例が挙げられる。また複数回加工プログラムを実行してそのうち同じ加工情報の加工の一例として、1-3,2-3,・・・,N-3を同一加工情報のグループとする例が挙げられる。そこで、
図6に示すように、状態監視装置は、グループ化された同じ加工情報の時系列データを用いて異常診断を行うことができる。
【0047】
次に、一品物加工でサイクルごとに加工が異なる場合について説明する。
【0048】
図7は、一品物加工でサイクルごとに加工が異なることについて説明する図である。
図7に示すように、金型加工などの一品物加工の現場では、工場ラインの同一製品の複数加工と異なり、サイクル(一つの被削材を加工する周期)ごとに被削材の形状やサイズ、加工品の形状、加工するNCプログラムの構造が異なる。そのため使用する工具が同一であっても加工箇所や加工時間が加工の度に変化する。また、
図7に示すように、使用される工具もサイクル毎に様々である。加工1-1,2-6,3-1は同じ工具Aの加工ではあるが、被削材や加工箇所が異なるためセンシングした特徴量が比較できない可能性がある。したがって、一品物加工でサイクルごとに加工が異なる場合、
図6で説明したような同一のコンテキストの加工が存在しないか、簡単に比較できない状態である。
【0049】
そこで、本実施形態の工作機械200においては、工作機械200内で加工される被削材の他に、異常診断測定用の被削材(テストピース)を設置する。
【0050】
ここで、
図8は工作機械200の構成を示す図である。
図8に示すように、工作機械200は、工作機械200内で加工される被削材300の他に、異常診断測定用の被削材(テストピース)400を設置する。テストピース400は、ドリル、エンドミル、フェイスミルなどの一般的な工具500による加工ができる素材である。すなわち、テストピース400は、工具500ごとに用意する必要はない。テストピース400のサイズや材質は、使用する工具500や取得する物理情報に合わせた素材で設計される。なお、テストピース400は、使用する工具500に合わせて複数設置するようにしてもよい。
【0051】
また、テストピース400は、テストピース400そのものにセンサ201を取り付けか内蔵することができる。テストピース400のセンサ201は、センシングした物理量を状態監視装置100に送信する。詳細は後述するが、このようにテストピース400を用いることで、一品物加工においても加工サイクル毎に同一の加工を確実に実施することができ、工具500の異常診断を行うことができる。
【0052】
テストピース400の加工は、工作機械200内で加工される被削材300と物理的に同じ加工であるように設計する。これにより、工場ラインのような同一加工を繰り返し行う際に使用する異常検知方法を、金型加工などの少量多品種の加工で使用する異常検知に適用することができる。なお、テストピース400の加工と被削材300の加工とは、同一の加工条件での比較が望ましいが、加工工程の複雑さ、被削材300の状態に応じて、簡易的な加工でテストピース400の加工を行うようにしてもよい。ただし、同一の工具500によってテストピース400に対して繰り返される加工においては、工具500は、同じ加工条件でテストピース400に対して繰り返し加工する。
【0053】
ここで、テストピース400の加工の種類について説明する。
【0054】
図9はテストピース400の加工の種類について説明する図である。
図9に示すように、テストピース400の加工は、使用する工具500に合わせて加工方法および交換方法を決めることができる。
図9(a)に示すように、工具500がドリルなどの穴あけ工具の場合は、テストピース400の表面を均一間隔に穴あけする。この場合、テストピース400の一面全体を加工し終えるまで、テストピース400として使用できる。
図9(b)および(c)に示すように、工具500がフェイスミル、エンドミル工具などの場合は、テストピース400の表面または側面を加工することができる。
【0055】
なお、使用する工具500の種類や工具500の工具径によっては、テストピース400の側面と中心部など加工位置の違いでセンシングできる物理量が著しく変化することがあり、正常に異常判定ができない場合がある。
図9(d)に示すように、テストピース400の端部分を使用せず中心部だけを異常判定に使用するようにしてもよい。
【0056】
次に、テストピース400の交換について説明する。
【0057】
図10は、テストピース400の交換について説明する図である。テストピース400は、テストピース400の加工を続けることにより加工領域が少なくなったタイミングで交換する。例えば、テストピース400は、ドリル加工の場合、テストピース400の表面すべてを加工し終えた場合に加工ができなくため、交換となる。また、テストピース400は、フェイスミルの表面加工の場合、加工を続けることでテストピース400のテストピース長が短くなる。短くなったテストピース400の加工はビビリの発生や物理的な特性の違いからセンシングする物理量に影響を及ぼすため、設置時のテストピース400のテストピース長と使用する工具500の突き出し量などから交換タイミングを決定する。例えば、
図10に示すように、工具500とでテストピース400のテストピース長からビビリが発生しやすい場合、テストピース400に対して工具500の突き出し量の2倍以上を加工した場合、交換となる。一例として、テストピース長XXmm(ミリメートル)、工具長YYmm(ミリメートル)の条件となった場合にはビビリが起きやすいため、テストピース400に対して工具500の突き出し量の2倍以上を加工した場合、交換となる。XXとYYの値については、現場での状況によって任意に決定される値である。
【0058】
以上のように、テストピース400は、テストピース400に対するテスト加工の度に交換する必要はなく、交換が必要になったところで状態監視装置100の工作機械動作判定部105が交換指令を発出すればよい。
【0059】
次に、状態監視装置100におけるテストピース400を用いた異常診断について説明する。
【0060】
図11は、テストピース400を用いた異常診断について説明する図である。
図11に示すように、工作機械200は、加工サイクル毎の任意の時点でテストピース400を加工する。こうすることで、グループ化された同じ加工情報の時系列データとなり、時系列データの異常診断を実施できる。
【0061】
図11に示すように、工具Aによるテストピース400の加工1-A,2-A,3-Aは、加工1-1,2-6,3-1と異なり、同一の被削材、加工種類であることが保証されており、センシングした物理量から抽出した特徴量を比較することができる。なお、工具B以降も同様に処理することができる。
【0062】
なお、テストピース400の加工の加工順番は、同一の工具500による加工内であれば、先頭だけでなく加工の途中や加工後など、どのタイミングでもよい。
【0063】
テストピース400のセンサ201は、センシングした時系列データを、状態監視装置100に送信する。
【0064】
図12は、テストピース400の加工箇所に基づいて異常検知することについて説明する図である。
図12に示すように、状態監視装置100は、テストピース400の加工をした同一加工情報の物理量から算出された特徴量を元に、異常度合いを算出する。テストピース400を使用する場合、工具500の状態の時系列変化が異常度合いとして現れるため、工具500の摩耗度合いや工具500の折損、チッピングの発生などが異常の指標となる。
【0065】
ここで、状態監視装置10の判定部104における異常度合いの算出例について詳述する。
図13は、異常度合いの算出例を示す図である。
図13は、例えば、
図12に示した例におけるN加工目のデータについての異常度合いの算出例について説明する。
【0066】
図13に示す異常度合いの算出の第1例は、振動のパワーを異常度合いとする例である。状態監視装置10の判定部104は、まず、N加工目のサンプリングデータ(加工N-A)を短時間フーリエ変換によりスペクトログラムに変換する。次いで、状態監視装置10の判定部104は、スペクトログラムデータのパワーの合計値を算出する。状態監視装置10の判定部104は、算出したスペクトログラムデータのパワーの合計値を、N加工目のサンプリングデータ(加工N-A)についての異常度合いの値とする。
【0067】
図13に示す異常度合いの算出の第2例は、マハラノビス距離を異常度合いとする例である。マハラノビス距離とは、多変数間の相関関係を取り入れて、既知のサンプルとの関係を明らかにする距離である。状態監視装置10の判定部104は、まず、N加工目のサンプリングデータ(加工N-A)を短時間フーリエ変換によりスペクトログラムに変換する。次いで、状態監視装置10の判定部104は、M加工目(M<N)までのスペクトログラムデータを学習してマハラノビス距離パラメータである分散共分散行列Σと平均値ベクトルμを算出する。次いで、状態監視装置10の判定部104は、M加工目までのデータのパラメータ(学習データ)に対するN加工目のスペクトログラムデータに差があるのかを推論するマハラノビス距離を算出する。状態監視装置10の判定部104は、算出したマハラノビス距離を、N加工目のサンプリングデータ(加工N-A)についての異常度合いの値とする。
【0068】
ここで、
図14は異常/正常の判断結果をユーザに通知するGUI画面の一例を示す図である。状態監視装置10の判定部104は、異常/正常の判断結果をユーザに通知するGUI(Graphical User Interface)画面を、ディスプレイ68に表示する。
図14に示すように、判定部104は、GUI画面として、加工区間に応じた異常度合いのグラフを表示する。状態監視装置10の判定部104は、
図14に示すように、例えば、波形スコアaおよび加工区間bととともに、異常度合いを示す異常加工スコアcを、GUI画面に表示する。
【0069】
波形スコアaは、センサ201が検知した波形データである。
【0070】
加工区間bは、工作機械200の所定動作の動作区間(例えば、加工対象に対する実切削時間)を示すデータである。なお、加工区間bに示す横線xは、加工対象に対する切削の際の切削送り時間を示すものである。
【0071】
異常加工スコアcは、判定部104が算出した異常度合いを示すデータである。
図14の異常加工スコアcは、マハラノビス距離を異常度合いとする例である。判定部104は、
図14の異常加工スコアcに示すように、判定部104が算出した異常度合いが設定した閾値tを超えると、GUI画面に異常通知用のエラーアラートEを表示する。なお、判定部104は、閾値の値を、自由に設定可能としてもよい。
【0072】
なお、本実施形態においては、判定部104が算出した異常度合いが設定した閾値tを超えると、GUI画面に異常通知用のエラーアラートEを表示するようにしたが、これに限るものではなく、異常/正常であることを示す文章、アイコンなどをGUI画面に表示するようにしてもよい。
【0073】
なお、本実施形態においては、異常/正常判定の異常度合いが閾値を超えたときに、異常通知用のエラーアラートEをGUI画面に表示する例について示したが、これに限るものではない。例えば、状態監視装置10の判定部104は、工作機械200のコントローラ202へ通知する設定を選択できるようにしてもよい。こうすることにより、状態監視装置10の判定部104は、判定部104が算出した異常度合いが設定した閾値tを超えたときに、工作機械200のコントローラ202に対して異常通知を送信することができる。工作機械200のコントローラ202側では、コントローラ202のプログラムで異常通知を読込み加工を停止させることや、工作機械200に備えられたパトランプを点灯させることができる。
【0074】
次に、テストピース400の加工箇所に基づく異常検知結果を使用した処理例について説明する。
【0075】
ここで、
図15はテストピース400の加工箇所に基づく異常検知結果を使用した処理の一例を示すフローチャート、
図16はテストピース400の加工箇所に基づく異常検知結果を使用した処理を説明する図である。
【0076】
上述したように、状態監視装置100の工作機械動作判定部105は、テストピース400の加工箇所の異常度合いを基にして、工作機械200側へ指令を送ることができる。
図15および
図16に示す例は、異常度合いの結果、工具500が異常だと判断されるとき、次の加工の前に工具500を交換する例を示すものである。
【0077】
図15に示すように、状態監視装置100は、工作機械200から例えば工具Aのテストピース400の加工を実施したことを示す情報を受け取る(ステップS1)。次に、状態監視装置100の工作機械動作判定部105は、テストピース400の加工箇所の異常度合いを基にして、工具Aが正常であるかを判定する(ステップS2)。
【0078】
なお、状態監視装置100の判定部104は、テストピース400の加工箇所の異常度合いの判定において、例えば工具500の摩耗、折損、チッピングの判定や、これまでの異常度合いから著しい変化があったときなどを指標とする。
【0079】
図16に示すように、状態監視装置100の工作機械動作判定部105は、工具Aが2加工品目の2-A加工の異常検知結果から異常と判断すると(ステップS2のNo)、3加工品目の入る前の任意の位置で新品の同工具A-2に交換するように、工作機械200側へ指令を送る(ステップS3)。なお、状態監視装置100の工作機械動作判定部105が送信する指令は工具500の交換だけでなく、機械の一時停止・緊急停止やアラートの発生でもよい。その後、状態監視装置100の工作機械動作判定部105は、次の加工に待機する。
【0080】
次に、テストピース400に対するテスト加工と被削材300に対する本加工を行う工作機械200内の工具500の移動について説明する。
【0081】
図17は、テスト加工および本加工を行う工作機械200内の工具500の移動例を示す図である。一般に、工作機械200内の工具500の移動は、工作機械200の工具500が取り付けられる主軸のz方向移動、被削材300が載置されるテーブルのx,y軸方向移動によることが多い。ここでは、例えば、
図11の1加工品目、工具Aの加工についての移動例について説明する。
【0082】
図17に示すように、工具Aに工具交換された後(1)、工作機械200の加工部210は、工具Aをテストピース400に向けて移動する(2)。工作機械200の加工部210は、工具Aをテストピース400に移動後、テストピース400に対する加工を行う(3)。工作機械200の加工部210は、テストピース400のセンサ201によりセンシングされた物理量から判定される異常診断結果に問題がない場合、工具Aを加工品である被削材300に向けて移動する(4)。そして、工具Aは、被削材300の加工1-1,1-2(
図11参照)を行う(5)。工具Aは、被削材300の加工1-1,1-2が終了した後、工具Bに工具交換される。以後、工作機械200は、同様の手順で、テストピース400の加工および異常判定を繰り返す。
【0083】
このように本実施形態によれば、少量多品種についての加工を行う際に、実際に加工する対象の被削材(被加工物)の他に、工具異常検知用の被削材(テストピース)を用意し、異常検知をしたい任意のタイミングでテストピースを加工することで実際の加工対象によらない異常検知用の振動(その他センシング信号)を取得して、異常判定を行う。これにより、少量多品種の加工においても効率的な異常検知を行うことができる。
【0084】
なお、上述の実施形態の状態監視装置100および工作機械200で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供するように構成してもよい。
【0085】
また、上述の実施形態の状態監視装置100および工作機械200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disc-Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成してもよい。
【0086】
また、上述の実施形態の状態監視装置100および工作機械200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の状態監視装置100および工作機械200で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0087】
また、上述の実施形態の状態監視装置100および工作機械200で実行されるプログラムは、上述した各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)がROMからプログラムを読み出して実行することにより上述の各機能部が主記憶装置上にロードされ、各機能部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0088】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
所定の加工を行う工具による加工対象の被加工物の他に設けられ、異常検知用のテストピースと、
前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する加工部と、
前記テストピースに対する前記工具による加工を対象としたセンシングを行うセンサと、
前記テストピースを前記工具により加工した際に前記センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する判定部と、
を備えることを特徴とする診断システムである。
<2>
前記判定部で算出された異常度合いに基づき、当該異常度合いに合わせた前記工具の動作を決定する動作判定部を備え、
前記動作判定部は、前記テストピースの加工の動作に基づき、前記工具に対する任意の動作指令を送信する、
ことを特徴とする<1>に記載の診断システムである。
<3>
前記加工部は、前記テストピースと前記被加工物とを前記工具により連続して加工する、
ことを特徴とする<1>または<2>に記載の診断システムである。
<4>
前記判定部は、前記テストピースに対する加工の特徴量に基づき、学習手段を用いて異常度合いを算出する、
ことを特徴とする請求項<1>ないし<3>の何れかに記載の診断システムである。
<5>
前記テストピースは、使用する前記工具によって加工ができる素材である、
ことを特徴とする<1>ないし<4>の何れかに記載の診断システムである。
<6>
前記テストピースは、使用する前記工具に合わせて複数設置する、
ことを特徴とする<1>ないし<4>の何れかに記載の診断システムである。
<7>
前記テストピースは、前記センサを備える、
ことを特徴とする<1>ないし<6>の何れかに記載の診断システムである。
<8>
前記工具の稼動情報と前記センサでセンシングしたデータを収集して紐付ける収集部と、
センシングしたデータの前処理を行い前記工具の稼動情報と紐付ける信号処理部と、
前処理済みのデータに対して特徴量を算出する特徴量算出部と、
を備え、
前記判定部は、前記特徴量算出部で算出した特徴量から異常度合いを算出する、
ことを特徴とする<1>ないし<7>の何れかに記載の診断システムである。
<9>
診断システムで実行される診断方法であって、
所定の加工を行う工具による加工対象の被加工物の他に設けられ異常検知用のテストピースを用い、
前記工具による前記被加工物に対する加工サイクル毎の任意の時点で、前記被加工物の加工に基づいて前記テストピースを前記工具により加工する工程と、
前記テストピースを前記工具により加工した際に、センサでセンシングしたデータから異常度合いを算出する工程と、
を含むことを特徴とする診断方法である。
【符号の説明】
【0089】
1 診断システム
101 収集部
102 信号処理部
103 特徴量算出部
104 判定部
105 動作判定部
201 センサ
210 加工部
300 被加工物
400 テストピース
500 工具
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】